JP4146363B2 - グリルシャッター装置 - Google Patents
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Description
この従来技術によれば、巻取り軸は、開閉体を繰り出す際に開閉体厚さ方向における繰出し側へ移動し、同開閉体を巻き取る際には逆方向へ移動する。そのため、開閉体の開閉動作中、該開閉体の吊り元側が略垂直状に維持され、ガイドレール等に対する開閉体の摺接が軽減され、その摺接に起因する騒音や磨耗を低減して、開閉体の開閉動作を高速化することができる。
すなわち、巻取り軸および該巻取り軸に巻かれた開閉体は、一般的に高重量な構成となるため移動した際の慣性力が大きい。そのため、巻取り軸は、開閉体厚さ方向へ移動した場合、前記慣性力によって、所定位置を越えて更に移動してしまう可能性がある。
そして、巻取り軸および該巻取り軸に巻かれた開閉体は、前記のようなオーバーランをしてしまった場合、開閉装置が設置される躯体や、巻取り軸を収納するための収納ケース等の不動部位に衝突してしまうおそれがある。
この巻取り装置の巻取り軸には、軸状部材自体が回動し開閉体を巻取ったり繰出したりする態様、軸状部材の周囲に筒状部材を固定し、これら軸状部材及び筒状部材が一体的に回動して開閉体を巻取ったり繰出したりする態様、固定された軸状部材の周囲に回動可能に筒状部材が支持され、該筒状部材が軸状部材に対し回動するようにした態様等を含む。なお、前記筒状部材には、複数の円盤状部材を軸方向に略平行に配置し、これらを複数の複数の棒状連結部材によって連結することで、略かご状に構成された態様を含む。
また、この巻取り装置には、上記開閉体を巻取る際のみモーターやコイルバネ、ゼンマイバネ、手動力等の駆動源によって駆動回転し、上記開閉体を繰出す際には該開閉体自体の自重や錘部材の自重等により自由回転する態様や、双方向へ前記駆動源によって駆動回転する態様等を含む。
また、本明細書中において「開閉体幅方向」とは、開閉体の開閉方向と略直交する方向であって、上記開閉体の厚さ方向ではない方向を意味する。
また、本明細書中において「開閉体開閉方向」とは、開閉体が空間を仕切ったり開放したりするために移動する方向を意味する。
第一の発明によれば、巻取り軸が開閉体厚さ方向へ移動してオーバーラン等した場合でも、該巻取り軸または該巻取り軸の周りの開閉体が緩衝手段に衝突するため、その衝突の際の衝撃が緩和される。
したがって、巻取り軸や該巻取り軸の周りの開閉体等が、躯体や躯体側に固定された部材等の不動部位に対し、直接衝突してしまうのを防ぐことができ、ひいては、その衝突に起因する騒音の発生等を軽減することができる。
しかも、巻取り軸が開閉体厚さ方向へ移動してオーバーラン等した場合でも、該巻取り軸または該巻取り軸の周りの開閉体が、リール装置に当接するため、その当接の際の衝撃が吸収される。
すなわち、リール装置に、巻取り軸が開閉体厚さ方向へ移動し衝突した際の衝撃を吸収する機能と、開閉体が巻き重ねられる際の騒音や磨耗等を低減する機能との双方の機能を、併せ持たせることができる。
しかも、前記当接の際、巻取り軸または該巻取り軸の周りの開閉体の外周面と、リール軸の周りの長尺状緩衝部材の外周面とが、同一接線方向の円運動をしながら接触する。したがって、前記双方の外周面が接触する際の摩擦や衝撃等を効果的に緩和することができ、ひいては、巻取り軸または該巻取り軸の周りの開閉体が移動し衝突することに起因する騒音の発生等を、一層効果的に低減することができる。
しかも、緩衝手段を上記開口部に対し通過可能な大きさに構成すれば、該緩衝手段を容易に交換でき、メンテナンス性を一層向上することができる。
したがって、開閉体が風圧等の影響により開閉体厚さ方向の一方側と他方側との内の何れに振動した場合であっても、その振動や該振動に起因する騒音を抑制することができる。
したがって、開閉動作する開閉体における厚さ方向の振動を、一対のローラ部材によって一層効果的に抑制することができ、ひいては、開閉動作する開閉体のばたつき等に起因する騒音をより低減することができる。
本実施の形態による開閉装置の一例は、住宅やビル、倉庫、工場、地下街、トンネル、車両の荷台等の構築・構造物の開口部分や、構築・構造物の内部に配設され、前記開口部分を開閉したり、構築・構造物内部の空間を仕切ったり開放したりするシャッター装置であって、特に複数のパイプからなる開閉体を備えた所謂グリルシャッター装置として説明する。
芯パイプ11aは、リンク部12に対し回動自在となるように貫通挿入された金属性のパイプ材である。この芯パイプ11aは、一本のパイプ材より一体に形成された態様であってもよいし、複数のパイプ材を長さ方向に接続してなる態様であってもよい。
内側リンク片12aは、強度向上のため二つ重ねで用いられ、これら二枚の上端側と下端側とに、それぞれ上記芯パイプ11aを回動自在に挿通させている。
また、外側リンク片12bは、その上端側と下端側との各々において、前記二つ重ねの内側リンク片12a,12aを間に挟むようにして二つ用いられ、芯パイプ11aを回動自在に挿通させている。
内側リンク片12aや、外側リンク片12b、芯パイプ11a、化粧パイプ11b等が相互に直接的に接触して金属音を発生するのを防ぐように、例えば環状弾性体等からなる緩衝部材(図示せず)が介在されている。
このガイドレール20は、開閉体10の幅方向の端部を囲んで開閉方向へ案内するように、開閉体10の開閉体幅方向の両端側に各々配設されている。
詳細に説明すれば、この巻取り装置30は、固定部材60に対し開閉体厚さ方向へ移動自在に支持された可動部材32と、該可動部材32により回動可能に支持された巻取り軸31と、該巻取り軸31に回転動力を伝達する駆動源33とを具備している。
そして、この固定部材60は、巻取り軸31の軸方向の一端側と他端側との各々に配設され、その各々において、可動部材32を開閉体厚さ方向へ移動自在に支持している。
そして、この可動部材32は、巻取り軸31の軸方向の一端側と他端側との各々に設けられ、その各々において、巻取り軸31を回動自在に支持している。
この巻取り軸31におけるドラム31bの外周面には、上記開閉体10の開放方向の端部及び後述する長尺状緩衝部材41の先端が止着される。
そして、駆動源33の駆動軸33aと、巻取り軸31の軸本体31aとの間には、スプロケットとチェーン、あるいはベルトとプーリー等の動力伝達機構が設けられ、この動力伝達機構により駆動源33の回転力が巻取り軸31に伝達されるようになっている。
このリール装置40は、本実施の形態の好ましい一例によれば、開閉体10を巻取り装置30側に引き込んだり同巻取り装置30側から送出したりする引込送出口70a(図4)を通過可能な大きさに構成されることで、外部からの着脱交換性を良好にしている。前記引込送出口70aは、後述するまぐさ部材70の天側面に形成された開口部である。
更に、同リール装置40は、巻取り軸31が所定位置を超えて繰り出し方向(図1によれば左方向)へ移動した際に、該巻取り軸31周囲の開閉体10に対し、当接するように配置される。
このリール軸42は、本実施の形態の一例によれば、巻取り軸31や該巻取り軸31周囲の開閉体10により当接された際の衝撃に耐え得るよう金属製材料により構成されているが、他の好ましい一例としては、前記巻取り軸31や開閉体10に当接された際の衝撃を吸収するように、ゴムや弾性合成樹脂材料等の弾性材料から形成してもよい。
この長尺状緩衝部材41の止着位置は、当該長尺状緩衝部材41を止着する巻取り軸31の作業性を良好にする等の観点からは、当該長尺状緩衝部材41が開閉体10と共に巻取り軸31に止着されるように、開閉体10の吊元近傍とするのが好ましい。
また、他の態様として、長尺状緩衝部材41の止着位置は、巻取り軸31の外周面と開閉体10の内面との直接接触を阻み、騒音を一層低減させる等の観点からは、当該長尺状緩衝部材41が巻取り軸31の外周面と開閉体10の内面との間に介在する位置(換言すれば、図示例による開閉体10の吊元よりも更に時計方向へ巻かれた位置)とするのが好ましい。
更に、他の態様として、長尺状緩衝部材41の止着位置は、開閉体10の最大巻径を小さくするとともに、当該長尺状緩衝部材41の長さを減らしてコストを低減する等の観点からは、開閉体10の吊元よりも閉鎖方向側(図示例によれば下方側)とするのが好ましく、この場合、外観状の体裁を向上する等の観点から、開閉体10が全閉状態の際に外部に露出しない位置(より具体的には、まぐさ部材70外に露出しない位置)とするのが一層好ましい。
この場合、例えば、リンク部12における両外側リンク片12b,12bの開閉体厚さ方向の寸法を内側リンク片12aよりも大きくし、これら外側リンク片12b,12b間に、前記紐状部材を位置させるようにすれば、この紐状部材を開閉体幅方向へずれないように、巻取り軸31周囲の開閉体10に巻き付かせることができる。
そして、これら一対のローラ部材50,50は、これら両部材間に上記開閉体10のリンク部12を位置させ、該リンク部12に対し開閉体厚さ方向の両側からローラ本体50b,50bを近接または接触させるように配置している。したがって、これらローラ本体50b,50bは、開閉する開閉体10に摺接されると、その開閉方向に沿って回動することになる。
そして、各支持凸部71の下面には、一対のローラ部材50,50を含むまぐさ部材70の天面側を開閉体幅方向にわたって略覆い隠すように、化粧板72が、着脱可能に止着されている。
また、まぐさ部材70天面の引込送出口70aからは、修理や交換等のために、上記リール装置40を抜き取ったり、装着したりすることが可能である。
開閉体10が開放動作すると、該開閉体10のリンク部12に一対のローラ部材50,50のローラ本体50b,50bが転動しながら接触することで、開閉体10の開閉体厚さ方向の振動が抑制される。
また、巻取り軸31に巻き取られる開閉体10に、リール装置40から繰り出される長尺状緩衝部材41が巻き込まれることで、開閉体10が巻き重ねられる際の衝撃が緩和される。
そして、開閉体10の巻取り動作中、巻取り軸31は、図5に示すように、吊下げ状に位置する開閉体10における斜め下方向きの力F1の分力F2により、繰り出し側の反対方向(図5によれば右方向)へ移動する。したがって、その移動中、開閉体10における吊下げ状の部位は略垂直に維持される。
そして、開閉体10と共に巻取り軸31に巻き取られていた長尺状緩衝部材41は、巻取り軸31から開閉体10と共に繰り出されて、リール装置40に巻き取られて行く。
また、開閉体10の繰り出し動作中、巻取り軸31は、図6に示すように、吊下げ状に位置する開閉体10における斜め下方向きの力F3の分力F4により、繰り出し側(図6によれば左方向)へ移動する。したがって、その移動中、開閉体10における吊下げ状の部位は略垂直に維持される。
この際、開閉体10を繰り出す巻取り軸31の回転方向(図示例によれば反時計方向)と、長尺状緩衝部材41を巻き取るリール軸42の回転方向(図示例によれば時計方向)とが逆であるため、前記双方の回転方向が同方向である場合と比較し、効果的に衝撃が緩和される。
リール装置40’は、上述したリール装置40の長尺状緩衝部材41を、長尺状緩衝部材41’に置換した構成としている。そして、この長尺状緩衝部材41’は、開閉体10におけるリンク部12(突部)以外の部位に巻き込まれるように、開閉体10におけるリンク部12以外の部位に対応して、開閉体幅方向の位置が設定されている。
前記長尺状緩衝部材41’は、リンク部12がパイプ部11外周面より開閉体厚さ方向へ突出する量よりも厚く形成される。
この長尺状緩衝部材41’の材質は、上記長尺状緩衝部材41と同様の材質であればよく、厚みを増すために必要に応じて複数枚重ね合わせて用いてもよい。
この開閉装置Bによれば、巻取り軸31に開閉体10が巻き取られると、長尺状緩衝部材41’は、リンク部12以外の部位、すなわち複数のパイプ部11の外面に沿って、開閉体10に巻き込まれてゆく。
すると、巻取り軸31に巻き重ねられるリンク部12は、その内外間に、長尺状緩衝部材41’の突出量とリンク部12の突出量との差分の隙間を形成するため、当接し合って騒音を発生することが防止される。
この開閉装置Cによれば、修理や交換等の際に外されるローラ部材50は、化粧板72が外された後、一旦開閉体幅方向へ移動され、その後に下方へ移動される(図8参照)。
したがって、ローラ部材50を開閉体厚さ方向へ移動することなく取り出すことができ、両ローラ部材50,50間に開閉体10が位置している場合であっても、ローラ部材50の交換作業等を良好に行える。
また、リール装置40が引込送出口70aの近傍に配置されているため、リール装置40に対し、外部から引込送出口70aを介して修理や点検、交換作業等を容易に行うことができる。
なお、リール装置40は、開閉体厚さ方向へオーバーランした場合の巻取り軸31及び該巻取り軸31周囲の開閉体10に当接して緩衝作用を奏するように、巻取り軸31周囲の開閉体10に対し斜め下方側から当接する位置に配置されることが好ましい。
更に、リール装置40を開閉体厚さ方向における一方側に配置し、その他方側に、該リール装置40以外の緩衝手段を配置した構成としてもよい。
11:パイプ部
12:リンク部(突部)
30:巻取り装置
31:巻取り軸
40:リール装置
41:長尺状緩衝部材
42:リール軸
50:ローラ部材
70:まぐさ部材
70a:引込送出口
開閉装置A,B,C
Claims (7)
- 空間を仕切ったり開放したりする開閉体と、該開閉体を上下方向へ案内するガイドレールと、該ガイドレールよりも上方側で前記開閉体を巻取り軸によって巻き取ったり繰り出したりする巻取り装置とを備えたグリルシャッター装置において、
前記開閉体は、開閉体開閉方向へわたって所定間隔置きに複数配設されたパイプ部と、これら複数のパイプ部を挿通させるとともに開閉体幅方向に間隔を置いて配設された複数のリンク部とを具備し、前記リンク部を、開閉体開閉方向にわたって前記パイプ部よりも開閉体厚さ方向へ突出させ、
上記巻取り装置は、上記巻取り軸を開閉体厚さ方向へ移動するように支持してなり、
ガイドレールの上方側延長線を境に巻取り軸の逆側となる位置の不動部位には、開閉体厚さ方向における繰出し側へ移動した際の上記巻取り軸または該巻取り軸の周りの開閉体を当接可能なように、緩衝手段が設けられ、
前記緩衝手段は、開閉体幅方向の位置を前記リンク部に対応させて配置されていることを特徴とするグリルシャッター装置。 - 前記緩衝手段は、前記巻取り軸周囲の前記開閉体に対し斜め下方側から当接する位置に設けられていることを特徴とする請求項1記載のグリルシャッター装置。
- 前記緩衝手段は、回動可能に支持されたリール軸の外周面に、可撓性を有する長尺状緩衝部材を巻回してなることを特徴とする請求項1又は2記載のグリルシャッター装置。
- 長尺状緩衝部材をリール軸によって巻き取ったり繰り出したりするリール装置を備え、該リール装置から繰り出される前記長尺状緩衝部材を、上記巻取り軸に巻き取られる際の上記開閉体に巻き込ませるようにしたグリルシャッター装置であって、
上記緩衝手段は、前記リール装置を上記不動部位に配置してなることを特徴とする請求項1又は2記載のグリルシャッター装置。 - 上記緩衝手段は、上記開閉体を上記巻取り装置側へ引き込んだり同巻取り装置側から送出したりする引込送出口よりも上記巻取り装置側の部位であって、且つ該引込送出口の近傍の部位に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載のグリルシャッター装置。
- 上記緩衝手段は、上記開閉体を巻取り装置側へ引き込んだり同巻取り装置側から送出したりする引込送出口を通過可能な大きさであって、且つ着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4何れか1項記載のグリルシャッター装置。
- 上記開閉体に対し開閉体厚さ方向の両側から近接または接触する一対のローラ部材を、開閉体開閉方向に沿って回動するように配設し、
上記開閉体は、開閉体厚さ方向へ突出した上記リンク部を開閉体開閉方向にわたって略連続的に備え、上記一対のローラ部材は、上記リンク部に対し開閉体厚さ方向の両側から近接または接触するように設けられていることを特徴とする請求項1乃至6何れか1項記載のグリルシャッター装置。
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