JP4140161B2 - スローアウェイチップ及びスローアウェイ式転削工具 - Google Patents

スローアウェイチップ及びスローアウェイ式転削工具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、正面フライスやエンドミル等の転削工具に装着されるスローアウェイチップ及び、これを備えたスローアウェイ式転削工具に関するものであって、特にスローアウェイ式転削工具の先端外周部に装着されて被削材の直角削り(90度肩壁削り)ができるスローアウェイチップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスローアウェイチップとして、例えば図10及び図11に示すように、正面フライス等のフライスカッタ1の外周側に取り付けられた、正面視して四角形状のチップ2がある。
このスローアウェイチップ2は、図10に示すように、着座面をなす下面3と対向する上面4を有しており、その四周側面5は、下面3から上面4に向けて外側に傾斜する平面をなしている。各側面5と上面4とが交差する稜線部には、それぞれ主切刃6が形成され、これら主切刃6と同一稜線部上の各コーナー部4a近傍には、副切刃7が形成されている。そして、上面4がすくい面をなし、各側面5が主切刃6と副切刃7の逃げ面をなしており、これら主切刃逃げ面及び副切刃逃げ面は同一面(側面5)上に形成されている。また、上面4の中央部には、上下面を貫通してチップ2を前記フライスカッタ1等のスローアウェイ式転削工具に装着固定するためのねじ穴8が穿設されている。
【0003】
このようなスローアウェイチップ2をフライスカッタ1の先端外周部に形成されたチップ取付座に取り付ける際には、カッタ本体の回転軸線Lに対して正の角度をなすように、ポジティブのアキシャルレーキ角を持たせると共に、カッタ本体の半径方向の軸線M(図示せず)に対して負の角度をなすように、ネガティブのラジアルレーキ角を持たせるように固定装着する。そして、外周側に位置する主切刃6によって被削材Wの直角壁面fを形成するように切削すると同時に、副切刃7がポジのアキシャルレーキ角とネガのラジアルレーキ角によって切り込み角を付けられた状態で切削底面を仕上げるので、直角削りを行うことが可能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記説明のスローアウェイチップ2は、以下に説明する問題を有していた。
すなわち、スローアウェイチップ2に対して前述したようなポジティブのアキシャルレーキ角とネガティブのラジアルレーキ角とをつけなければならない関係上、スローアウェイチップ2の主切刃6は、その全長の各点において、前記カッタ本体の回転軸線Lからの距離が等しくならず、本来加工されるべき被削材Wの直角壁面fに対して、図12及び図13に示すような隙間gを生じることとなる。当然、この隙間g部分は削り残しとなり、本来形成されるべき直角壁面fに対して突形状の突型壁面f’が形成されてしまい、直角壁面fの切削精度の向上に支障を来すという問題を生じていた、
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであって、下記をその目的としている。
すなわち、加工される被削材の直角壁面に対して、削り残しによる突型壁面の形成を生じることなく、直角壁面精度を向上させることのできるスローアウェイチップ及びスローアウェイ式転削工具の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のスローアウェイチップ及びスローアウェイ式転削工具は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわち、請求項1記載のスローアウェイチップは、着座面と対向する上面の稜線部に主切刃と副切刃とが設けられていると共に前記上面がすくい面とされ、前記着座面から前記上面に向かう側面が逃げ面とされたスローアウェイチップにおいて、前記稜線部が、正面視して正方形をなす四側辺を有し、これら側辺のそれぞれには、前記主切刃と前記副切刃とが連続して形成され、一方の側の側辺に形成されている前記副切刃が、これに近接した隣の側辺に形成されている前記主切刃とコーナー部を挟んで位置し、前記各主切刃には、前記正面視した場合に真円を形成する一定曲率半径の曲線を有する凸曲線をなし、かつ、側面視した場合に、前記コーナー部を挟んで隣の側辺上に位置する前記副切刃に近い側の始端と離れた側の終端とで前記着座面からの高さが異なる曲線切刃部が形成されていて、前記主切刃には、前記曲線切刃部が複数連なって形成されていることを特徴とする。上記請求項1記載のスローアウェイチップによれば、これをスローアウェイ式転削工具に装着して被削材の直角削り(90度肩壁削り)を行った場合、主切刃は、正面視して前記スローアウェイ式転削工具の回転軸線からの半径距離がその全長の各点に渡って略等しい凸曲線となっており、切削に際して本来加工されるべき直角壁面に対して隙間を生じることがない。
【0007】
そして、この請求項1記載のスローアウェイチップにおいて、前記主切刃には、前記曲線切刃部が複数連なって形成されているので、これら曲線切刃部を側面視した場合の曲率半径を、副切刃に近い側と離れた側とで異なったものにすることができる。この場合、それぞれの曲率半径を調節することで、例えば副切刃に近い側のアキシャル角を小さくすると共に離れた側のアキシャル角を大きくしたり調整することができる。
【0008】
請求項2記載のスローアウェイチップは、請求項1記載のスローアウェイチップにおいて、前記各主切刃が、前記正面視した場合に、同側辺上に位置する前記副切刃の延長線から徐々に離れるように形成されていることを特徴とする。上記請求項2記載のスローアウェイチップによれば、これをスローアウェイ式転削工具に装着して被削材の直角削り(90度肩壁削り)を行った場合に、副切刃が切削仕上げを行った後の仕上げ面に対して、同側辺上の主切刃が接触することがない。
【0009】
請求項3記載のスローアウェイチップは、請求項1または2記載のスローアウェイチップにおいて、前記コーナー部には、前記正面視した場合に凸曲線をなし、かつ側面視した場合に前記主切刃側の一端側から前記副切刃側の他端側に向かって前記着座面からの高さが徐々に低くなるノーズ曲線切刃部が形成されていることを特徴とする。上記請求項3記載のスローアウェイチップによれば、コーナー部を平面視して凸曲線としたことで、これを鋭角先端形状にした場合に比較して刃物強度を向上させることができる。さらには、コーナー部を側面視して、一端側から他端側に向かって着座面からの高さを徐々に低くすることで、被削材を切削する際にコーナー部全体で切削面に当たるのではなく、着座面からの高さが高いところから低いところにかけて徐々に刃先が当たっていくので、コーナー部に加わる衝撃を低減させてコーナー部の刃物強度を向上させることもできる。
【0010】
請求項4記載のスローアウェイチップは、請求項1〜3のいずれかに記載のスローアウェイチップにおいて、前記主切刃を含む前記逃げ面が、前記終端側から前記始端側にかけて着座面とのなす角度が徐々に小さくなるねじれ面とされていることを特徴とする。上記請求項4記載のスローアウェイチップによれば、終端側の逃げ角よりも始端側の逃げ角を小さくさせることができるので、主切刃の始端側における過大な逃げ角の発生を防ぐことが可能となる。
【0011】
請求項5記載のスローアウェイ式転削工具は、スローアウェイチップが、ラジアルレーキ角が負の角になると共に、アキシャルレーキ角が正の角となるように装着されてなるスローアウェイ式転削工具において、前記スローアウェイチップが、請求項1〜4のいずれかに記載のスローアウェイチップであることを特徴とする。上記請求項5記載のスローアウェイ式転削工具によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の作用と同様の作用を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のスローアウェイチップ及びこれを備えたスローアウェイ式転削工具の一実施形態についての説明を以下に行うが、本発明がこれに限定解釈されるものでないことは勿論である。
なお、図1は、本発明のスローアウェイチップの一実施形態を示す斜視図であり、図2は、同スローアウェイチップの正面図であり、図3は、同スローアウェイチップを図2のB−B線側から見た側面図であり、図4は、同スローアウェイチップを図3のC−C線側から見た背面図である。また、図5は、同スローアウェイチップの要部を示す図であって、(a)は、図2のD部拡大図であり、(b)は、図3のE部拡大図である。また、図6は、同スローアウェイチップを図1の矢印F側から見た視図であり、図7は、同スローアウェイチップを図1の矢印G側から見た視図であり、図8は、同スローアウェイチップの要部を示す図であって、図7のH部拡大図である。また、図9は、同スローアウェイチップで直角削りされた被削材壁面を示す断面図である。
【0013】
図1〜図4に示すように、本実施形態のスローアウェイチップ10は、下面である着座面11と対向する上面の稜線部に主切刃12と副切刃13とが形成されていると共に前記上面がすくい面14とされ、着座面11から前記上面に向かって外側に傾斜する四周側面が逃げ面15とされ、コーナー部であるノーズ16を挟んで主切刃12と副切刃13とが配置されている概略正方形平板形状を有している。また、すくい面14の中央部には、前記上下面を貫通してスローアウェイチップ10をフライスカッタ等のスローアウェイ式転削工具(図示せず)に装着固定するためのねじ穴17が穿設されている。
【0014】
前記稜線部は、図2に示す正面視して正方形をなす四側辺18を有し、これら側辺18のそれぞれには、主切刃12と副切刃13とが連続して形成され、一方の側の側辺18に形成されている副切刃13が、これに近接した隣の側辺18に形成されている主切刃12と前記ノーズ16を挟んで位置している。
そして、このスローアウェイチップ10は、前記スローアウェイ式転削工具に対して4通りの装着向きを選択できるようになっている。すなわち、図2に示す紙面右下側に位置する副切刃13と紙面右側に位置する主切刃12とを選択し、これらによって被削材(図示せず)の直角削り(90度肩壁削り)を行う場合には、選択された副切刃13を前記スローアウェイ式転削工具の横送り方向の切削面と略並行にすると同時に、選択された主切刃12が前記スローアウェイ式転削工具の外周側を向くような向き(図1参照)で、前記スローアウェイ式転削工具に装着固定して使用する。そして、使用とともに主切刃12及び副切刃13の切れ味が劣化してきた場合には、前記スローアウェイ式転削工具に対するスローアウェイチップ10の装着向きを、前記ネジ穴17を中心に90度回転させ、他の副切刃13と他の主切刃12とを選択してこれらで切削加工を行うことが可能である。このようにして装着向きを変えることにより、同一のスローアウェイチップ10で4回使用することが可能となっている。
【0015】
図5(a),(b)に示すように、各主切刃12は、2つの連続する曲線切刃部19,20から構成されている。すなわち曲線切刃部19は、図5(a)に示す正面視で見た場合に曲率半径r1の真R(ここで言う真Rとは、真円を形成する一定曲率半径の曲線を示す。以下同様。)を有する凸曲線をなし、かつ、図5(b)に示す側面視で見た場合に、前記ノーズ16を挟んで隣の側辺18上に位置する副切刃13に近い側の始端19aから離れた側の終端19bに向かって着座面11からの高さh1が徐々に高くなる曲率半径r2の凸曲線をなしている。また、曲線切刃部20は、図5(a)に示す正面視で見た場合に曲率半径r3の真Rを有する凸曲線をなし、かつ、図5(b)に示す側面視で見た場合に隣接する曲線切刃部19に近い側の始端20aから離れた側の終端20bに向かって着座面11からの高さh1が徐々に低くなる曲率半径r4の凸曲線をなしている。
【0016】
したがって、前記高さh1は、曲線切刃部19の始端19aと、曲線切刃部20の終端20bとで異なっており、始端19aから終端20bにかけて曲線切刃部19,20全体(すなわち、主切刃12全体)としての概略形状は、1つの凸曲線を描きながら着座面11に向かって接近するように反り返った曲線形状となっている。
なお、曲線切刃部19,20を前記側面視した場合の形状は、始端19aよりも終端20bの高さが低くなっていれば良く、前記曲率半径r2,r4の2つの凸曲線を組み合わせたものに限らず、直線形状もしくは凹曲線形状を採用しても良い。また、2つの曲線切刃部19,20に限らず、主切刃12内に3つ以上の曲線切刃部を組み合わせた構成を採用しても良い。
【0017】
図5(a)に示すように、各主切刃12は、正面視した場合に、同側辺18上に位置する副切刃13の延長線aから徐々に離れるように形成されている。これは、このスローアウェイチップ10を前記スローアウェイ式転削工具に装着して前記被削材の直角削り(90度肩壁削り)を行う場合に、副切刃13が切削仕上げを行った後の仕上げ面に対して、同側辺18上の主切刃12が接触して前記仕上げ面を傷つけることのないようにするためである。
【0018】
前記各ノーズ16には、図5(a)に示す正面視した場合に、曲率半径r5の真Rを有する凸曲線をなし、かつ図5(b)に示す側面視した場合に、前記主切刃12側の一端21a側から前記副切刃13側の他端21b側に向かって前記着座面11からの高さh2が徐々に低くなるノーズ曲線切刃部21が形成されている。そして、同図5(b)に示すように、このノーズ曲線切刃部21の前記高さh2は、その一端21aにおいては副切刃13よりも高く、他端21bにおいては副切刃13と同じ高さとなっている。
【0019】
なお、図5(b)に示すように、各主切刃12を含む各逃げ面15には、曲線切刃部20の終端20b側から曲線切刃部19の始端19a側にかける着座面11とのなす角度(図3に示す角度θ1のこと。なお、同図に示す仮想線HLは、着座面11上の延長線であり、仮想線VLは、後述のねじれ面22上の延長線を示す。)が徐々に小さくなるねじれ面22が形成されている。すなわち、始端19aと終端20bとを結ぶ直線22aと、主切刃12との間に形成される壁面がねじれ面22とされており、このねじれ面22がなす逃げ角が、終端20b側から始端19a側に向かって徐々に小さくなるようにねじれ面22が形成されている。そして、この結果として、ねじれ面22は、平坦な面ではなくねじれた面となっている。
なお、このねじれ面22としては、直線22aと主切刃12との間に形成される壁面のみに形成するのではなく、主切刃12と着座面11との間に形成される全面(図3に示す領域22b)をねじれ面22としても良い。この場合、ねじれ面22が前記着座面11となす角度は、前記角度θ1に代わって、図3に示す角度θ1’となる(前記仮想線VLは、同図に示す仮想線VL’となる。)。
【0020】
以上説明のスローアウェイチップ10を用いて被削材(図示せず)の直角削りを行う場合には、このスローアウェイチップ10をフライスカッタ等のスローアウェイ式転削工具(図示せず)の先端外周部に形成されたチップ取付座に取り付け、図6及び図7に示すように、前記スローアウェイ式転削工具本体の回転軸線Lに対して正の角度をなすように、ポジティブのアキシャルレーキ角αを持たせると共に、前記スローアウェイ式転削工具の半径方向の軸線Mに対して負の角度をなすように、ネガティブのラジアルレーキ角βを持たせるように固定装着する。そして、外周側に位置する主切刃12によって前記被削材の直角壁面(従来の技術で説明した直角壁面f)を形成するように切削すると同時に、副切刃13で切削底面の切削仕上げを行う。
【0021】
このとき、主切刃12は、図5(a)に示す正面視で見た場合に、前記曲率半径r1及び曲率半径r3と組み合わせた凸曲線となっているので、前記スローアウェイ式転削工具の回転軸線Lからの半径距離が、図8に示すように、主切刃12全長の各点に渡って略等しい真Rの凸曲線となっており、切削に際して本来加工されるべき直角壁面fに対して前記隙間gを生じることがないので、前記被削材Wの直角壁面fに対して、削り残しによる前記突型壁面f’の形成を生じることなく、直角壁面精度を向上させることが可能となる。
したがって、図9に示すような膨らみのない直角壁面fを精度良く切削加工することが可能となる。
【0022】
さらに、主切刃12は、これを側面視した場合に、ノーズ16を間に挟んで隣の側辺18上に位置する副切刃13に近い側の始端19aから離れた側の終端20bに向かって、着座面11からの高さh1が徐々に低くなるように反り返った曲線形状とされているので、通常のアキシャル角をもってこのスローアウェイチップ10を前記スローアウェイ式転削工具に装着しても、より大きいアキシャル角αを稼ぐことができる。このような大きなアキシャル角αを確保できることで、切れ味を向上させられる上に、主切刃12に加わる衝撃を低く抑えてその破損の恐れを低減させることも可能としている。
また、曲線切刃部19,20を正面視した場合の曲線形状を、それぞれ真Rとしたことで、複雑な曲線形状とする場合に比較して、スローアウェイチップ10の製造が容易かつ低コスト化が可能となっている。
【0023】
また、正面視した場合の各主切刃12を、同側辺18上に位置する副切刃13の延長線aから徐々に離れるように形成する構成を採用したことで、このスローアウェイチップ10を前記スローアウェイ式転削工具に装着して前記被削材の直角削り(90度肩壁削り)を行った場合に、副切刃13が切削仕上げを行った後の仕上げ面に対して、同側辺上の主切刃12が接触することがないので、仕上げ面の傷付けを防止することが可能となる。
【0024】
また、各ノーズ16をノーズ曲線切刃部21としたことにより、正面視した場合にこれが凸曲線となっているので、鋭角先端形状とした場合に比較して各ノーズ16の刃物強度を向上させることができる。さらには、ノーズ16を側面視した場合に、一端21a側から他端21b側に向かって着座面11からの高さh2を徐々に低くしたことで、前記被削材を切削する際にノーズ16全体で切削面に当たるのではなく、着座面11からの高さh2が高いところから低いところにかけて徐々に刃先が当たっていくので、ノーズ16に加わる衝撃を低減させてその刃物強度を向上させることもできる。以上2点を兼ね備えさせることにより、ノーズ部16の強度をより向上させることが可能となっている。
【0025】
また、主切刃12に、2つの曲線切刃部19,20を連ねて形成する構成を採用したことで、これら曲線切刃部19,20を側面視した場合の曲率半径r2,r4を、隣の側辺18上の副切刃13に対して近い側と離れた側とで異なったものにすることが可能となる。この場合、それぞれの曲率半径を調節することで、例えば隣の側辺18上の副切刃13に近い側のアキシャル角を小さくすると共に、離れた側のアキシャル角を大きくしたりするなどの調整を行うことが可能となる。
【0026】
また、各主切刃12を含む各逃げ面15に、前記終端20b側から前記始端19a側にかけて着座面11とのなす角度θ1が徐々に小さくなるねじれ面22を形成する構成を採用したことで、終端20b側の逃げ角よりも始端19a側の逃げ角を小さくすることができるので、主切刃12の始端19aから終端19b間における過大な逃げ角(刃物角が過大に薄くなる)を防いで、主切刃12の始端19aから終端19b間部分の十分な刃物強度を確保することが可能となる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載のスローアウェイチップは、稜線部が、正面視して正方形をなす四側辺を有し、これら側辺のそれぞれには、主切刃と副切刃とが連続して形成され、一方の側の側辺に形成されている副切刃が、これに近接した隣の側辺に形成されている主切刃とコーナー部を挟んで位置し、各主切刃には、正面視した場合に真円を形成する一定曲率半径の曲線を有する凸曲線をなし、かつ、側面視した場合に、ノーズを挟んで隣の側辺上に位置する副切刃に対して、近い側の始端と離れた側の終端とで着座面からの高さが異なる曲線切刃部が形成されていて、前記主切刃には、前記曲線切刃部が複数連なって形成されている構成を採用した。この構成を有するスローアウェイチップをスローアウェイ式転削工具に装着して被削材の直角削り(90度肩壁削り)を行った場合、主切刃は、正面視して前記スローアウェイ式転削工具の回転軸線からの半径距離がその全長の各点に渡って略等しい凸曲線となっており、切削に際して本来加工されるべき直角壁面に対して隙間を生じることがないので、被削材の直角壁面に対して、削り残しによる突型壁面の形成を生じることなく、直角壁面精度を向上させることが可能となる。
【0028】
さらに、主切刃は、これを側面視した場合に、例えば隣の側辺上の副切刃に近い側の始端から離れた側の終端に向かって着座面からの高さが徐々に低くなるようにすることで、通常のアキシャル角をもってこのスローアウェイチップをスローアウェイ式転削工具に装着しても、より大きいアキシャル角を稼ぐことができる。このような大きなアキシャル角を確保できることで、切れ味を向上させられる上に、主切刃に加わる衝撃を低く抑えてその破損の恐れを低減させることも可能となる。
【0029】
そして、この請求項1記載のスローアウェイチップによれば、主切刃に、曲線切刃部を複数連ねて形成する構成を採用したことで、これら曲線切刃部を側面視した場合の曲率半径を、隣の側辺上の副切刃に近い側と離れた側とで異なったものにすることが可能となる。この場合、それぞれの曲率半径を調節することで、例えば隣の側辺上の副切刃に対して、近い側のアキシャル角を小さくすると共に離れた側のアキシャル角を大きくしたりすることが可能となる。
【0030】
また、請求項2記載のスローアウェイチップによれば、正面視した場合に、各主切刃を、同側辺上に位置する副切刃の延長線から徐々に離れるように形成する構成を採用したことで、このスローアウェイチップをスローアウェイ式転削工具に装着して被削材の直角削り(90度肩壁削り)を行った場合に、副切刃が切削仕上げを行った後の仕上げ面に対して、同側辺上の主切刃が接触することがないので、仕上げ面の傷付けを防止することが可能となる。
【0031】
また、請求項3記載のスローアウェイチップは、そのコーナー部に、正面視した場合に凸曲線をなし、かつ側面視した場合に前記主切刃側の一端側から前記副切刃側の他端側に向かって着座面からの高さが徐々に低くなるノーズ曲線切刃部を形成した構成を採用した。この構成によれば、コーナー部を平面視した場合に凸曲線としたことで、鋭角先端形状とした場合に比較して刃物強度を向上させることができる。さらには、コーナー部を側面視した場合に、一端側から他端側に向かって着座面からの高さを徐々に低くすることで、被削材を切削する際にコーナー部全体で切削面に当たるのではなく、着座面からの高さが高いところから低いところにかけて徐々に刃先が当たっていくので、コーナー部に加わる衝撃を低減させてコーナー部の刃物強度を向上させることもできる。以上2点を兼ね備えることにより、コーナー部の強度をより向上させることが可能となる。
【0032】
また、請求項4記載のスローアウェイチップによれば、主切刃を含む逃げ面が、終端側から始端側にかけて着座面とのなす角度が徐々に小さくなるねじれ面とする構成を採用したことで、終端側の逃げ角よりも始端側の逃げ角を小さくすることができるので、主切刃の始端側における過大な逃げ角を防いで、主切刃始端部分の十分な刃物強度を確保することが可能となる。
【0033】
また、請求項5記載のスローアウェイ式転削工具によれば、請求項1〜4のいずれかに記載の効果と同様の効果を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスローアウェイチップの一実施形態を示す斜視図である。
【図2】 同スローアウェイチップの正面図である。
【図3】 同スローアウェイチップを図2のB−B線側から見た側面図である。
【図4】 同スローアウェイチップを図3のC−C線側から見た背面図である。
【図5】 同スローアウェイチップの要部を示す図であって、(a)は、図2のD部拡大図であり、(b)は、図3のE部拡大図である。
【図6】 同スローアウェイチップを図1の矢印F側から見た視図である。
【図7】 同スローアウェイチップを図1の矢印G側から見た視図である。
【図8】 同スローアウェイチップの要部を示す図であって、図7のH部拡大図である。
【図9】 同スローアウェイチップで直角削りされた被削材壁面を示す断面図である。
【図10】 従来のスローアウェイチップを示す図であって、斜視図である。
【図11】 同スローアウェイチップを装着した従来のスローアウェイ式転削工具による切削状況を示す側断面図である。
【図12】 同スローアウェイチップを装着した同スローアウェイ式転削工具による切削状況を示す図であって、図11のA−A線側から見た視図である。
【図13】 同スローアウェイチップで直角削りされた被削材壁面を示す断面図である。
【符号の説明】
10・・・スローアウェイチップ、11・・・着座面、12・・・主切刃、13・・・副切刃、14・・・すくい面,上面、15・・・側面,逃げ面、16・・・ノーズ部(コーナー部)、18・・・側辺、19,20・・・曲線切刃部、19a,20a・・・副切刃に近い側の始端、19b,20b・・・離れた側の終端、21・・・ノーズ曲線切刃部、21a・・・一端、21b・・・他端、22・・・ねじれ面、a・・・延長線、h1,h2・・・高さ、α・・・アキシャルレーキ角、β・・・ラジアルレーキ角、θ1,θ1’・・・着座面とのなす角度

Claims (5)

  1. 着座面と対向する上面の稜線部に主切刃と副切刃とが設けられていると共に前記上面がすくい面とされ、前記着座面から前記上面に向かう側面が逃げ面とされたスローアウェイチップにおいて、前記稜線部は、正面視して正方形をなす四側辺を有し、これら側辺のそれぞれには、前記主切刃と前記副切刃とが連続して形成され、一方の側の側辺に形成されている前記副切刃が、これに近接した隣の側辺に形成されている前記主切刃とコーナー部を挟んで位置し、前記各主切刃には、前記正面視した場合に真円を形成する一定曲率半径の曲線を有する凸曲線をなし、かつ、側面視した場合に、前記コーナー部を挟んで隣の側辺上に位置する前記副切刃に近い側の始端と離れた側の終端とで前記着座面からの高さが異なる曲線切刃部が形成されていて、前記主切刃には、前記曲線切刃部が複数連なって形成されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
  2. 請求項1記載のスローアウェイチップにおいて、前記各主切刃は、前記正面視した場合に、同側辺上に位置する前記副切刃の延長線から徐々に離れるように形成されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
  3. 請求項1または2記載のスローアウェイチップにおいて、前記コーナー部には、前記正面視した場合に凸曲線をなし、かつ側面視した場合に前記主切刃側の一端側から前記副切刃側の他端側に向かって前記着座面からの高さが徐々に低くなるノーズ曲線切刃部が形成されていることを特徴とするスローアウェイチップ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のスローアウェイチップにおいて、前記主切刃を含む前記逃げ面は、前記終端側から前記始端側にかけて着座面とのなす角度が徐々に小さくなるねじれ面とされていることを特徴とするスローアウェイチップ。
  5. スローアウェイチップが、ラジアルレーキ角が負の角になると共に、アキシャルレーキ角が正の角となるように装着されてなるスローアウェイ式転削工具において、前記スローアウェイチップは、請求項1〜4のいずれかに記載のスローアウェイチップであることを特徴とするスローアウェイ式転削工具。
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