JP3559025B2 - 既存建物の耐震補強方法及びそれに使用されるブレースの取付装置 - Google Patents

既存建物の耐震補強方法及びそれに使用されるブレースの取付装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は既存の鉄筋コンクリート造架構を構造物内において耐震補強する方法、及びその方法で使用されるブレースを取り付けるための取付装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
既存の鉄筋コンクリート造系構造物を構造物内において耐震補強する方法は(1)柱・梁のフレーム内に耐震壁を配置する方法と(2)ブレースを配置する方法に大別される。
【0003】
(1)の方法では既存のフレームと耐震壁との一体性を図るために、(2)の方法では鉄骨ブレースの端部を接続するための鉄骨枠を柱・梁のフレームの内周に沿って固定するために、柱と梁のコンクリート中にフレームの内周側からケミカルアンカー等のアンカーを打ち込むことが必要になり、アンカー自体の径より大きめの孔を穿設することになるため、既存の躯体を損傷させ、既存の鉄筋を傷める可能性もある。
【0004】
また(1)の方法によれば、地震時等の水平力を負担する増設した耐震壁からの反力が既存の柱・梁フレームに作用することで、部分的にフレームの応力負担が大きくなる場合もあるため、フレームの断面を増す等、フレームの補強が必要になることがあり、耐震補強の目的で耐震壁を増設しながら、必ずしも既存フレームの負担が軽減されるとは限らない。また耐震壁の増設に伴い、上部構造の重量が増加する分の基礎や杭に対する補強が必要となった場合、施工不能になる。
【0005】
(2)の方法において柱・梁フレームへの鉄骨枠の固定に、両者間に充填されるエポキシ樹脂等の接着剤を使用すれば、アンカーを使用する場合の躯体の損傷の問題は回避されるが、フレームの内周に沿って鉄骨部材を周回させることから、スラブ上にも鉄骨部材が敷設されるため、ブレースの架設が部分的でありながら、耐震補強後のフレーム内にドアを設けることができなくなる不都合がある。
【0006】
また既存構造物の階高の制約が大きく、下階側のスラブ天端から上階側の梁の下端までの距離が十分でない場合には、フレーム内に鉄骨枠を配置することにより鉄骨枠の内法の高さが小さくなるため、ブレースを適正な角度で架設することができなくなることもある。
【0007】
この発明は上記背景より、従来の構造物内での耐震補強方法の問題を解決する方法を提案するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では既存の鉄筋コンクリート造架構をブレースによって耐震補強し、梁端部を外した柱の脚部と頭部にブレースを接続することにより、既存フレームの躯体に対する損傷を回避すると共に、格別な補強を要することなく、既存フレームの耐震性能を確保する。
【0009】
梁端部は水平力による過大な荷重により降伏ヒンジを形成し易いことから、梁端部にブレースの端部を接続する場合には梁端部回りに対する補強が不可欠になるが、梁より耐力が高く、耐久性の高い柱の脚部と頭部、または双方にブレースを接続することで、柱回りを含め、既存の躯体に対する格別な補強を要さずに済む。ブレースを梁に接続する必要がないことから、ブレースは梁のないフラットスラブ構造の架構にも対応する。
【0010】
ブレースが接続される柱の脚部には表面にガセットプレートが突設され、下面にダイヤフラムが接合された脚部プレートが固定され、柱の頭部には、表面にガセットプレートが突設され、上面にダイヤフラムが接合された頭部プレートが固定され、脚部プレートと頭部プレートの各ダイヤフラム間には各ダイヤフラムとスラブを貫通し、両ダイヤフラムを互いに連結する引張材が配置される。ブレースはフレームを構成する各柱の内、一方の柱の脚部プレートと他方の柱の頭部プレート間に架設され、その両端部が各ガセットプレートに連結される。
【0011】
脚部プレートと頭部プレートは柱の、少なくともブレースの架設側に固定されればよいことから、プレート単体で独立して固定され、例えば請求項、請求項10に記載のように柱中に定着されるアンカー体を用いることにより柱に固定される。
【0012】
柱を挟んで一方向両側にブレースが架設される場合には、請求項、請求項11に記載のように脚部プレートと頭部プレートは柱を挟んで少なくとも一方向に対向して配置され、対向する脚部プレート間と頭部プレート間に柱を貫通する引張材を挿通させることにより柱に固定され、平面上、二方向にブレースが架設される場合は二方向に対向して配置される。
【0013】
脚部プレートと頭部プレートが二方向に対向して配置される場合には、請求項、請求項12に記載のように柱を包囲した形でバンドプレート状に組み立てられる。この場合、ブレースの端部を連結するためのガセットプレートが柱を包囲するバンドプレートに突設されることで柱に対する損傷が回避され、併せてバンドプレートが柱を包囲することでそのコンクリートを拘束し、耐力を高める効果がある。
【0014】
脚部プレートと頭部プレートは請求項9に記載のように柱の、梁との接合部を上下に挟んで対になることによりブレースを取り付けるための取付装置を構成する。
【0015】
脚部に固定される脚部プレートの下面と、頭部に固定される頭部プレートの上
面にはそれぞれスラブ天端面と梁下端面に当接するダイヤフラムが接合され、脚部プレートと頭部プレートは各ダイヤフラムとスラブを貫通する引張材によって互いに連結され、一体化する。
【0016】
取付装置が装着された柱・梁接合部においては、ブレースからの引張力の鉛直成分はそのガセットプレートが突設されている脚部プレート、もしくは頭部プレートに接合されたダイヤフラムと引張材を通じて対向する頭部プレート、もしくは脚部プレートのダイヤフラムから梁、もしくはスラブに伝達される。
【0017】
引張力の水平成分は柱に固定されている脚部プレート、もしくは頭部プレートにより直接、柱に伝達される。請求項、請求項11に記載のように脚部プレートと頭部プレートが柱を挟んで対向して配置されている場合、または請求項、請求項12のように脚部プレートと頭部プレートが柱を包囲している場合には、ブレースが接続された脚部プレートと頭部プレートから、対向する脚部プレートと頭部プレートを通じて柱に伝達される。
【0018】
ブレースからの圧縮力の鉛直成分はそのガセットプレートが突設されている脚部プレート、もしくは頭部プレートのダイヤフラムから直接、スラブ、もしくは梁に伝達され、水平成分は脚部プレート、もしくは頭部プレートにより直接、柱に伝達される。
【0019】
ブレースからの引張力の水平成分が大きく、脚部プレート、もしくは頭部プレートが柱から分離しようとする力を受ける場合においても、請求項、請求項10の場合には柱中に定着されるアンカー体を通じて引張力が柱に負担されることにより、請求項、請求項11の場合には対向する脚部プレート間と頭部プレート間に架設される引張材を通じて引張力が対向する脚部プレートや頭部プレートから柱に負担されることにより、柱からの分離は回避される。請求項、請求項11の場合、引張材は状況に応じて緊張させられ、脚部プレートと頭部プレートは柱に圧着接合される。
【0020】
請求項、請求項12において対向する脚部プレート間と頭部プレート間に引張材を架設する場合には、脚部プレートや頭部プレートに作用する柱から分離しようとする力に対して引張材が抵抗することにより、ブレースからの引張力の水平成分が大きい場合にも周回する脚部プレートや頭部プレートによるコンクリートの拘束効果とそれによる耐力上昇の効果が維持される。
【0021】
脚部プレートと頭部プレートはブレースからの引張力と圧縮力に対しては主として水平成分を柱に伝達する働きをすることから、柱の外周面に密着した状態にあれば足りるが、鉛直成分が作用するときに柱に対して滑りを生ずる可能性がある場合には、請求項13に記載のように脚部プレートと頭部プレートの内周面が凹凸面に形成され、脚部プレート及び頭部プレートの内周面と柱の表面との間に充填材が充填され、脚部プレート及び頭部プレートの内周面と柱の表面との間で摩擦力やせん断力が伝達されるように接続される。この場合、ブレースからの力の鉛直成分の一部は脚部プレートと頭部プレートから柱に伝達される。
【0022】
補強すべき柱・梁フレーム内にドアを設置しようとする場合等、ブレースを柱の脚部と頭部のいずれか一方と、梁の中間部との間に架設する場合は請求項に記載のように耐震補強すべきフレームを構成する下階側の梁に接続するスラブの天端面と、上階側の梁の下端面の少なくともいずれか一方に梁用ガセットプレートが固定される。ブレースはいずれかの梁用ガセットプレートと、脚部プレート、もしくは頭部プレートとの間に架設され、その両端部が各ガセットプレートに連結される。
【0023】
梁用ガセットプレートは請求項6、請求項7に記載のように例えば梁の両側に鉄骨部材を架設し、この鉄骨部材を利用することにより突設される。スラブ天端面の梁用ガセットプレートは鉄骨部材の上部フランジに、スラブを貫通するボルトを介して連結されるプレートに突設され、梁下端面の梁用ガセットプレートは鉄骨部材の下部フランジに、両者間に跨って連結されるプレートに突設される。
【0024】
鉄骨部材の中間部はその上部フランジにスラブを貫通するボルトが連結されることによりスラブに支持され、端部は請求項14に記載のように脚部プレートのダイヤフラムと、頭部プレートのダイヤフラムとの間に設置される受け部材に接続されることにより脚部プレートと頭部プレートに支持される。
【0025】
脚部プレートと頭部プレートが柱を包囲する請求項、請求項12の場合、ブレースの端部が柱に対しては一定の高さを持つ脚部プレートと頭部プレートを介して連結されることで、ブレースの軸方向力を柱に分散させて伝達することができるため、柱の脚部と頭部の局部的な損傷を防止することができるが、ブレースとして特に請求項8に記載のように架構の変形時に減衰力を発生しながら、水平力に抵抗する形式の、ブレース本体にダンパーを組み込んだブレース型ダンパーを使用すれば、ブレースの抵抗力が緩和されて柱に伝達されるため、柱への過大な荷重の作用を回避することができ、併せて地震時のエネルギを吸収し、架構の揺れを早期に抑えることができる。
【0026】
ブレース型ダンパーを使用するときに、躯体への過大な荷重の作用を回避する効果はブレース型ダンパーの一端が梁やスラブに接続された梁用ガセットプレートに連結される場合にも発揮される。
【0027】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の発明は図1〜図3に示すように耐震補強すべきフレームを構成する柱1の脚部に、表面にガセットプレート7が突設され、下面にダイヤフラム8が接合された脚部プレート51を固定し、柱1の頭部に、表面にガセットプレート7が突設され、上面にダイヤフラム9が接合された頭部プレート61を固定すると共に、脚部プレート51と頭部プレート61の各ダイヤフラム8,9間に、各ダイヤフラム8,9とスラブ3を貫通し、両ダイヤフラム8,9を互いに連結する引張材10を配置すると共に前記フレームを構成する各柱の内、一方の柱の脚部プレート51と他方の柱の頭部プレート61間にブレース4を架設し、その両端部を各ガセットプレート7に連結して既存の鉄筋コンクリート造架構を耐震補強する方法である。
【0028】
請求項9に記載の発明は請求項1の耐震補強方法に使用されるブレース4の取付装置であり、柱1の脚部に固定され、表面にガセットプレート7が突設されると共に、下面にダイヤフラム8が接合された脚部プレート51と、柱1の頭部に固定され、表面にガセットプレート7が突設されると共に、上面にダイヤフラム9が接合された頭部プレート61と、脚部プレート51及び頭部プレート61の各ダイヤフラム8,9とスラブ3を貫通し、両ダイヤフラム8,9を互いに連結する引張材10から構成される。
【0029】
以下、主として脚部プレート51と頭部プレート61をそれぞれ脚部バンドプレート5、頭部バンドプレート6として柱1を包囲した形に組み立てた請求項、請求項12に記載の発明を示す図1〜図10により詳細を説明する。
【0030】
図1〜図3では隣接する柱1,1の内の一方の柱1の脚部バンドプレート5と、他方の柱1の頭部バンドプレート6との間にのみブレース4を架設しているが、脚部バンドプレート5と頭部バンドプレート6は柱・梁接合部を挟み、上下に対になって柱1に固定されるため、フレーム内にブレース4,4を交差させて架設する場合もある。
【0031】
また図1,図7では1層で隣接する柱1,1間において一方の柱1の脚部と他方の柱1の頭部との間にブレース4を架設した場合を示しているが、例えばスラブが不在の空間においては隣接する柱1,1間に複数層に亘ってブレース4を架設する他、複数層で、複数スパンに亘る柱1,1間にブレース4を架設することもある。
【0032】
対になって柱1に固定される脚部バンドプレート5と頭部バンドプレート6は両者を連結する後述の引張材10と共に請求項9のブレース4の取付装置を構成する。
【0033】
図1〜図3ではまた、架構が鉄筋コンクリート造の柱・梁のラーメン構造の場合を示すが、本発明は基本的に隣接する柱1,1の脚部と頭部にバンドプレート5,6を固定し、両バンドプレート5,6間にブレース4を架設する方法であるため、既存の鉄筋コンクリート造架構の形態は問われず、また請求項1では梁2にブレース4を接続しないため、梁2のないフラットスラブ構造にも適用される。図1〜図3ではスラブ3を省略している。
【0034】
また構造種別上は鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造の他、梁2が鉄筋コンクリート造で、柱1が鋼管コンクリート造である場合のように両構造が複合した混合構造の場合もある。
【0035】
図面では架構が鉄筋コンクリート造である場合に、ブレース4の抵抗力により躯体が損傷することを防止する目的から、ブレース4の抵抗力を緩和させるためにブレース4としてブレース本体41にダンパー42を組み込んだブレース型ダンパーを使用しているが、躯体の損傷を防止する対策が施されているか、損傷の可能性が少ないような場合にはダンパー42を持たないブレース4を使用することもある。
【0036】
ブレース型ダンパーは軸方向に相対移動自在なブレース本体41,41と、一方のブレース本体41に内蔵されるダンパー42からなり、ブレース本体41,41がその両端間に作用する引張力と圧縮力によって相対移動するときにダンパー42が減衰力を発生することにより架構の揺れを抑制しながら、躯体への抵抗力を低減する。ダンパー42には粘性流体を用いたオイルダンパーの他、摩擦ダンパー等、軸方向の相対移動によって減衰力を発生する形式のダンパーが使用される。
【0037】
オイルダンパーの場合には地震時の建物の応答とダンパー42の応答に位相差が生じ、建物の応答の最大時にダンパー42の応答は最大にならないため、ブレース4から躯体に作用する抵抗力は他の形式のダンパーより低減される。この場合、シリンダ内のピストンの他に流路を形成し、流路にリリーフ弁を配置することで、減衰力が一定値を超えないように制御することもできるため、抵抗力を一層抑制することができる。
【0038】
脚部バンドプレート5と頭部バンドプレート6は柱1の、梁2との接合部を挟み、上下で対になって柱1に固定される。図面では両バンドプレート5,6をそれぞれ4枚の脚部プレート51、頭部プレート61から箱形に組み立てた場合を示しているが、バンドプレート5,6の形は既存の柱1の断面に応じて決まるため、円筒形その他の形に組み立てられる場合もある。
【0039】
脚部プレート51、頭部プレート61をバンドプレート5,6として組み立てる場合、現場では分割されている脚部プレート51、頭部プレート61を溶接することにより、または互いに接合されるべき脚部プレート51、頭部プレート61に対向するフランジを形成しておき、双方のフランジをボルト接合することにより柱1を包囲した状態で組み立てられる。
【0040】
図8,図9はブレース4に作用する引張力の水平成分が大きく、バンドプレート5,6を構成する脚部プレート51と頭部プレート61に柱1から分離させようとする力が働く場合に備え、柱1を挟んで対向する少なくとも一方向の脚部プレート51,51と頭部プレート61,61間に柱1を貫通する鉄筋やPC鋼棒、あるいは繊維強化材料等の引張材52(62)を挿通させた場合を示す。
【0041】
図8は一方向にのみブレース4が接続される場合で、その方向に引張材52(62)を3段に配置した場合、図9は二方向にブレース4が接続される場合で、二方向に、各方向につき、2段に配置した場合である。
【0042】
バンドプレート5,6の、ブレース4が接続される側にはブレース4の端部が連結されるガセットプレート7が接合されるが、各段の引張材52(62)はガセットプレート7を挟んでバランスよく配置される。図面ではガセットプレート7の両側にそれぞれ2本、引張材52(62)を配置している。
【0043】
図8,図9では引張材52(62)としてPC鋼棒を用い、引張材52(62)の両端部をナット53,53(63,63)により脚部プレート51(頭部プレート61)の表面と背面に緊結しているが、この場合、脚部プレート51(頭部プレート61)と柱1の表面との間に空隙ができるため、脚部プレート51(頭部プレート61)のずれ防止と柱1の表面の保護のために空隙には無収縮モルタルやエポキシ樹脂等の充填材11が充填される。充填材11は引張材52(62)と柱1との間の付着を得るために、柱1に穿設され、引張材52(62)が貫通している貫通孔にも充填される。
【0044】
図8,図9では前記の通り、脚部プレート51と頭部プレート61を柱1の回りを周回させて組み立て、バンドプレート5,6として箱形に連続させているが、図11,図12はそれぞれ図8,図9の変形例として、脚部プレート51,51と頭部プレート61,61を単独で使用し、柱1を挟んで対向させて配置し、引張材52(62)により連結した場合(請求項,請求項11)を示す。
【0045】
図10,図13は引張材52(62)に代え、柱1の表層側に定着されるアンカーボルト等のアンカー体54(64)を用いて各脚部プレート51と頭部プレート61を柱1に固定した場合を示す。図10は脚部プレート51と頭部プレート61をバンドプレート5,6として箱形に連続させて組み立てた場合(請求項,請求項12)、図13は脚部プレート51,51と頭部プレート61,61を柱1を挟んで対向させて配置し、引張材52(62)により連結した場合(請求項,請求項11)を示す。
【0046】
図10,図13の場合、柱1の表面側から柱1を貫通しない空洞1aが形成され、空洞1aに上記無収縮モルタルやエポキシ樹脂等の充填材11が充填され、アンカー体54(64)が挿入される。充填材11は空洞1aの形成後に充填される。空洞1aは深さ方向に少なくとも表面側と奥側の二区間に区分され、奥側の区間の断面積が表面側の区間の断面積より大きく形成される。
【0047】
空洞1aは図14に示すように先端に切削刃Aを有するコアチューブBを回転させて柱1のコンクリートを円柱状に除去した後、図15に示すように円柱状部分の周辺部分を、先端、もしくは周面に切削刃Cを有する円筒状等のビットDを回転させて円錐台状、あるいは円柱状に粉砕することにより形成される。
【0048】
コアチューブBは柱1の表面に仮固定される支持部材Eに軸方向に移動自在に支持された駆動装置Fの駆動軸F1に接続され、コンクリートを円柱状に除去した後、駆動軸F1に対して偏心して連結されたアタッチメントGが駆動軸F1の先端に連結され、アタッチメントGにビットDの軸D1が連結される。
【0049】
粉砕されたコンクリートの粉末は空気を噴射することにより、または吸引することにより排除される。空洞1aの形成後、その内部に充填材11を充填すると共に、アンカー体54(64)が挿入され、柱1のコンクリートに定着される。
【0050】
脚部バンドプレート5(脚部プレート51)の上面と頭部バンドプレート6(頭部プレート61)の下面にはバンドプレート5,6の剛性を上げるために、図5に示すように必要により脚部プレート51と頭部プレート61に直交する面をなすフランジ5a,6aが接合され、フランジ5a,6aに直交する方向にリブプレート5b,6bが接合される。
【0051】
バンドプレート5,6を構成し、ブレース4が接続されるいずれかの脚部プレート51と頭部プレート61の外周面にはブレース4の端部が連結されるガセットプレート7が突設される。ガセットプレート7はフレーム内でブレース4が交差することなく架設される場合は、図2,図4に示すようにプレートの幅方向(フレームの構面外方向)の中心に突設されるが、ブレース4が交差して架設される場合は、幅方向にずれて突設される。
【0052】
脚部バンドプレート5(脚部プレート51)の下面と、頭部バンドプレート6(頭部プレート61)の上面にはそれぞれスラブ3の天端面と梁2の下端面に当接し、スラブ3や梁2との間で圧縮力を伝達するダイヤフラム8,9が接合される。
【0053】
図面ではバンドプレート5,6を構成する脚部プレート51と頭部プレート61の中心、もしくは中心付近に突設されるガセットプレート7からの力がダイヤフラム8,9を通じてスラブ3や梁2に十分に伝達されるよう、ダイヤフラム8,9をプレートの中心付近の突出長さの大きい円形に形成しているが、ダイヤフラム8,9の形状はこれに限られない。
【0054】
ガセットプレート7は図2,図3に示すようにバンドプレート5,6のプレートとダイヤフラム8,9に跨って溶接等により接合されるが、バンドプレート5,6にフランジ5a,6aが接合される場合はフランジ5a,6aにも接合される。
【0055】
上下で対になって配置された両バンドプレート5,6のダイヤフラム8,9間には長ボルトやPC鋼棒等の引張材10がスラブ3を貫通して架設され、引張材10に引張力が与えられることにより両バンドプレート5,6が柱1に固定される。このとき、脚部バンドプレート5のダイヤフラム8はスラブ3に、頭部バンドプレート6のダイヤフラム9は梁2にそれぞれ圧着させられる。引張材10は平面上、梁2を外した位置で、ダイヤフラム8,9の周方向に均等に配置される。図面では各梁2の両側の位置に引張材10を配置している。
【0056】
両バンドプレート5,6の内周面と柱1の表面との間、及びダイヤフラム8とスラブ3、ダイヤフラム9と梁2との間に隙間がある場合は、荷重の伝達上、隙間にエポキシ樹脂や無収縮モルタル等の充填材11が充填され、バンドプレート5,6は柱1に、各ダイヤフラム8,9はそれぞれスラブ3と梁2に密着させられる。
【0057】
図4の梁端部位置の縦断面図である図5ではバンドプレート5,6と柱1との間で鉛直方向のせん断力を伝達できるよう、バンドプレート5,6を柱1の回りに装着したときにバンドプレート5,6の内周面と柱1の表面との間に隙間が生ずるようにし、内周面を凹凸面5c,6cに形成している。
【0058】
図7に示すようにブレース4を脚部バンドプレート5と頭部バンドプレート6のいずれか一方と、梁2の中間部との間に架設する場合は梁2に接続するスラブ3の天端面と、梁2の下端面の少なくともいずれか一方に梁用ガセットプレート12が固定される。
【0059】
図6,図7ではこの梁用ガセットプレート12をスラブ3や梁2に固定するために、梁2の両側に鉄骨部材13,13を架設している。鉄骨部材13,13は図5に示すようにダイヤフラム8,9を連結している引張材10との干渉のない位置に架設される。
【0060】
鉄骨部材13は図5に示すように梁2の下に位置するダイヤフラム9からスラブ3の下端までの成を持ち、両端においてはダイヤフラム9とスラブ3に挟まれた状態でダイヤフラム9に支持される。中間部においては図4の梁中間部位置の縦断面図である図6−(b) に示すように鉄骨部材13の上部のフランジ13aとスラブ3を貫通するボルト14によって部分的にスラブ3に支持される。
【0061】
図1〜図3,図5に示すように脚部バンドプレート5のダイヤフラム8の下面と、頭部バンドプレート6のダイヤフラム9の上面との間の、鉄骨部材13の端部に対応した位置には鉄骨部材13の端部を止めるための受け部材15が設置されており、受け部材15に鉄骨部材13の端部が接続され、支持される。受け部材15は引張材10と同様にスラブ3を貫通し、スラブ3の下に露出する。
【0062】
図2〜図5では二方向の鉄骨部材13,13を接続するために受け部材15として山形鋼を使用し、鉄骨部材13のウェブ13bを受け部材15にボルト16により接合している。山形鋼の安定性が確保されない場合は図1に示すようにT形鋼、またはプレートを十字形に組み合わせた形の受け部材15が使用される。
【0063】
受け部材15は二方向の鉄骨部材13,13のウェブ13b,13bに重なって双方に接合されるが、直交する鉄骨部材13,13のフランジ13a,13a同士が干渉する場合、フランジ13a,13aの端部は切り落とされる。
【0064】
受け部材15の上端と下端は図1〜図3に示すようにそれぞれダイヤフラム8の下面と、ダイヤフラム9の上面に直接、もしくはスペーサ17を介して間接的に溶接等で固定される。受け部材15の上端は予めダイヤフラム8に固定され、下端は両バンドプレート5,6の設置後にダイヤフラム9に固定される。
【0065】
図7に示すように梁2上のスラブ3の天端面、もしくは梁3の下端面の内、ブレース4を架設すべき位置にはブレース4の端部を連結するための梁用ガセットプレート12が突設されたプレート18が配置される。
【0066】
スラブ3の天端面に配置されるプレート18は図6に示すように両鉄骨部材13,13の上部のフランジ13a,13aに跨る幅を持ち、例えば上記したスラブ3を貫通するボルト14によって上部のフランジ13a,13aと共にスラブ3に接合される。
【0067】
梁2の下端面に配置されるプレート18は両鉄骨部材13,13の下部のフランジ13a,13aに跨る幅を持ち、両鉄骨部材13,13の下部のフランジ13a,13aに重なり、ボルト19により接合される。
【0068】
図6−(b) ではスラブ3の天端面に配置されるプレート18と梁2の下端面に配置されるプレート18を同一位置に固定しているが、スラブ3上のプレート18と梁2下のプレート18は必ずしも同一位置に配置されるとは限らず、図7に示すように上層のフレームと下層のフレームのそれぞれにおけるブレース4の架設位置に応じ、独立して配置される。
【0069】
ブレース4の架設に伴う梁2に対する補強を不要にする上では、梁2端部を除いた位置にプレート18を配置することが好ましいが、梁2端部に相当する位置には脚部バンドプレート5と頭部バンドプレート6があるため、梁2の端部位置にプレート18を配置する必要性は生じない。
【0070】
図16,図17は梁用ガセットプレート12が突設されたプレート18を図10,図13と同様に、梁2の上端側、もしくは下端側に定着されるアンカーボルト等のアンカー体18aを用いて梁2に固定した場合を示す。図16,図17はプレート18を梁2の上端に固定した場合を示しているが、下端に固定する場合も同様である。
【0071】
この場合も、梁2の上端側、もしくは下端側から梁2を貫通しない、奥側の区間の断面積が表面側の区間の断面積より大きい空洞2aが形成され、空洞2aに無収縮モルタルやエポキシ樹脂等の充填材11が充填され、アンカー体18aが挿入される。充填材11は空洞2aの形成後に充填される。プレート18と梁2の表面との間にはプレート18の滑りの防止と梁2の表面の保護のために充填材11が充填される。
【0072】
梁2に奥側の断面積の大きい空洞2aを形成し、アンカー体18aを定着させる場合には図17に示すように梁2の上端主筋2bの奥に断面積の大きい部分を形成することで、アンカー体18aに作用し、空洞2b内の充填材11で負担される引き抜き力に対して上端主筋2bが充填材11を拘束するように働くため、プレート18の抜け出しに対する安定性が高い利点がある。
【0073】
図7は梁用ガセットプレート12を利用してブレース4をV型に架設した場合を示す。上層のフレームにおいては両側の柱1,1の頭部バンドプレート6,6に突設されたガセットプレート7,7と、下階側の梁2の中央部位置のスラブ3の天端に突設された梁用ガセットプレート12を利用し、下層のフレームにおいては両側の柱1,1寄りに開口部を確保するために、上階側の梁2の下端に突設された梁用ガセットプレート12と、下階側のスラブ3上に突設された梁用ガセットプレート12を利用している。
【0074】
図7の下層のフレームのように両側の柱1,1、または一方の柱1に寄せてブレース4としてのブレース型ダンパーを配置し、梁2の両端部や一端の剛性が大きくなり、ブレース4が不在の領域の剛性が相対的に低下するような場合には、ブレース本体41のダンパー42の効きが低下する可能性がある。その場合には梁2の剛性を確保する目的で、下階側のスラブ3上と上階側の梁2の下に突設された梁用ガセットプレート12,12を利用し、スラブ3と梁2間に間柱20が配置される。間柱20は両梁用ガセットプレート12,12に、実質的に曲げモーメントを伝達しない状態に連結される。
【0075】
ブレース4を架設した領域には間仕切り壁21が設置され、ブレース4の露出が回避される。
【0076】
ブレース4の両端には例えばガセットプレート7を挟み込む形状をしたブラケット43,43が接続されており、ブレース4はブラケット43,43において脚部バンドプレート5や頭部バンドプレート6のガセットプレート7や梁用ガセットプレート12を挟み込み、両者を貫通するボルトやピン44等により連結される。
【0077】
ブラケット43とガセットプレート7の連結が着脱自在に行われれば、ブレース4の架設位置の変更や、ブレース4の交換に自由に対応することが可能になる。例えば耐震補強後の間取り割りの変更によりブレース4の配置換えの必要が生じたとき、ブレース4は脚部バンドプレート5や頭部バンドプレート6のガセットプレート7から切り離され、同一のフレーム内において架設し直され、または他のフレームに組み込まれる。
【0078】
【発明の効果】
既存の鉄筋コンクリート造架構をブレースによって耐震補強し、梁より耐力が高い柱の脚部と頭部にブレースを接続するため、既存フレームの躯体に対する損傷を回避すると共に、格別な補強を要することなく、既存フレームの耐震性能を確保することができる。
【0079】
請求項,請求項10では脚部プレートと頭部プレートを柱中に定着されるアンカー体を用いて柱に固定し、請求項,請求項11では柱を挟んで対向する脚部プレート間と頭部プレート間に柱を貫通する引張材を挿通させることで、ブレースからの引張力の水平成分が大きく、脚部プレートと頭部プレートが柱から分離しようとする力を受ける場合にも、引張力をそれぞれアンカー体と引張材を通じて柱に負担させることができるため、脚部プレートと頭部プレートの柱からの分離を回避することができる。
【0080】
請求項,請求項12では脚部プレートと頭部プレートを共に柱を包囲して組み立てるため、柱に対する損傷が回避されると共に、柱を包囲することでそのコンクリートを拘束し、耐力を高める効果がある。
【0081】
特に請求項、請求項12において対向する脚部プレート間と頭部プレート間に引張材を架設する場合には、脚部プレートや頭部プレートに作用する柱から分離しようとする力に対して引張材が抵抗するため、ブレースからの引張力の水平成分が大きい場合にも周回する脚部プレートや頭部プレートによるコンクリートの拘束効果とそれによる耐力上昇の効果を維持することができる。
【0082】
請求項2及び請求項6,請求項7では耐震補強すべきフレームを構成する下階側の梁に接続するスラブの天端面と、上階側の梁の下端面の少なくともいずれか一方に梁用ガセットプレートを固定し、いずれかの梁用ガセットプレートと、バンドプレートとの間にブレースを架設するため、フレーム内にドアを設置することができる等、フレームを耐震補強しながら、使用上の自由度を高めることができる。
【0083】
請求項8では架構の変形時に減衰力を発生しながら、水平力に抵抗する形式の、ブレース本体にダンパーを組み込んだブレース型ダンパーを使用することで、ブレースの抵抗力が緩和されて柱に伝達されるため、柱への過大な荷重の作用を回避することができ、併せて地震時のエネルギを吸収し、架構の揺れを早期に抑えることができる。
【0084】
請求項9において脚部プレートと頭部プレートを共に柱を包囲して組み立てる請求項12では柱の、梁との接合部を挟んだ脚部と頭部で対となり、柱を包囲し、一定の高さを持つ脚部バンドプレートと頭部バンドプレートを引張材によって互いに連結するため、ブレースの軸方向力を柱に分散させて伝達することができ、躯体に対する応力の集中を回避することができる。
【0085】
請求項13では脚部プレートと頭部プレートの内周面を凹凸面に形成し、バンドプレートの内周面と柱の表面との間に充填材を充填するため、脚部プレートと頭部プレートの内周面と柱の外周面との間で摩擦力やせん断力を伝達することができ、脚部プレートと頭部プレートの滑りを防止し、ブレースからの力の鉛直成分の一部を脚部プレートと頭部プレートから柱に伝達することができる。
【0086】
請求項14では脚部プレートのダイヤフラムと頭部プレートのダイヤフラムとの間に受け部材を設置するため、下階側の梁に接続するスラブの天端面と、上階側の梁の下端面の少なくともいずれか一方の任意の位置に梁用ガセットプレートを固定することができ、フレームの使用上の自由度を高めながら、耐震補強に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】架構内へのブレースの架設状況を示した透視図である。
【図2】柱・梁接合部位置における脚部バンドプレートとブレースとの取合いを示した透視図である。
【図3】スラブの下に位置する頭部バンドプレートとブレースとの取合いを示した透視図である。
【図4】柱とバンドプレートの関係を示した平面図である。
【図5】図4のx−x線断面図である。
【図6】(a) は梁の中間部位置における梁用ガセットプレートの突設例を示した平面図(b) は(a) の断面図である。
【図7】バンドプレートのガセットプレートと梁用ガセットプレートを用いてブレースを架設した様子を示した立面図である。
【図8】
(a) は脚部プレート(頭部プレート)をバンドプレートとして組み立てた場合に、一方向に対向する脚部プレート(頭部プレート)間に引張材を挿通させた場合を示した横断面図、(b)は(a) の立面図である。
【図9】(a) は脚部プレート(頭部プレート)をバンドプレートとして組み立てた場合に、二方向に対向する脚部プレート(頭部プレート)間に引張材を挿通させた場合を示した横断面図、(b)は(a) の立面図である。
【図10】図8において引張材に代え、アンカー体を用いて脚部プレート(頭部プレート)を柱に固定した場合を示した横断面図である。
【図11】(a) は脚部プレート(頭部プレート)を単独で対向させて配置した場合に、一方向に対向する脚部プレート(頭部プレート)間に引張材を挿通させた場合を示した横断面図、(b)は(a) の立面図である。
【図12】(a) は脚部プレート(頭部プレート)を単独で対向させて配置した場合に、二方向に対向する脚部プレート(頭部プレート)間に引張材を挿通させた場合を示した横断面図、(b)は(a) の立面図である。
【図13】脚部プレート(頭部プレート)を単独で対向させて配置した場合に、アンカー体を用いて脚部プレート(頭部プレート)を柱に固定した場合を示した横断面図である。
【図14】空洞の円柱状部分の形成状況を示した立面図である。
【図15】空洞の奥側の部分の形成状況を示した立面図である。
【図16】梁用ガセットプレートが突設されるプレートの梁への固定例を示した斜視図である。
【図17】図16の縦断面図である。
【符号の説明】
1……柱、2……梁、3……スラブ、4……ブレース、41……本体、42……ダンパー、43……ブラケット、44……ピン、5……脚部バンドプレート、51……脚部プレート、5a……フランジ、5b……リブプレート、5c……凹凸面、6……頭部バンドプレート、61……頭部プレート、6a……フランジ、6b……リブプレート、6c……凹凸面、51,61……プレート、52,62……引張材、53,63……ナット、54,64……アンカー体、7……ガセットプレート、8,9……ダイヤフラム、10……引張材、11……充填材、12……梁用ガセットプレート、13……鉄骨部材、13a……フランジ、13b……ウェブ、14……ボルト、15……受け部材、16……ボルト、17……スペーサ、18……プレート、19……ボルト、20……間柱、21……間仕切り壁、
1a……(柱の)空洞、2a……(梁の)空洞、2b……上端主筋、18a……アンカー体、A……切削刃、B……コアチューブ、C……切削刃、D……ビット、D1……軸、E……支持部材、F……駆動

Claims (14)

  1. 既存の鉄筋コンクリート造架構において、耐震補強すべきフレームを構成する柱の脚部に、表面にガセットプレートが突設され、下面にダイヤフラムが接合された脚部プレートを固定し、同じく前記各柱の頭部に、表面にガセットプレートが突設され、上面にダイヤフラムが接合された頭部プレートを固定前記各柱の脚部プレートと頭部プレートの各ダイヤフラム間に、各ダイヤフラムとスラブを貫通し、両ダイヤフラムを互いに連結する引張材を配置すると共に前記フレームを構成する各柱の内、一方の柱の脚部プレートと他方の柱の頭部プレート間にブレースを架設し、その両端部を各ガセットプレートに連結する既存建物の耐震補強方法。
  2. 既存の鉄筋コンクリート造架構において、耐震補強すべきフレームを構成する各柱の脚部に、表面にガセットプレートが突設され、下面にダイヤフラムが接合された脚部プレートを固定し、同じく前記各柱の頭部に、表面にガセットプレートが突設され、上面にダイヤフラムが接合された頭部プレートを固定し、前記各柱の脚部プレートと頭部プレートの各ダイヤフラム間に、各ダイヤフラムとスラブを貫通し、両ダイヤフラムを互いに連結する引張材を配置すると共に、耐震補強すべきフレームを構成する下階側の梁に接続するスラブの天端面と、上階側の梁の下端面の少なくともいずれか一方に梁用ガセットプレートを固定し、いずれかの梁用ガセットプレートと、前記フレームを構成する各柱の内、一方の柱の脚部プレート、もしくは頭部プレートとの間にブレースを架設し、その両端部を各ガセットプレートに連結する既存建物の耐震補強方法。
  3. 脚部プレートと頭部プレートを柱中に定着されるアンカー体を用いて柱に固定する請求項1、もしくは請求項2記載の既存建物の耐震補強方法。
  4. 脚部プレートと頭部プレートを柱を挟んで少なくとも平面上、一方向に対向させて配置し、対向する脚部プレート間と頭部プレート間に柱を貫通する引張材を挿通させて脚部プレートと頭部プレートを柱に固定する請求項1、もしくは請求項2記載の既存建物の耐震補強方法。
  5. 脚部プレートと頭部プレートを共に柱を包囲して組み立てる請求項1乃至請求項のいずれかに記載の既存建物の耐震補強方法。
  6. 梁の両側に鉄骨部材を架設し、その鉄骨部材の上部フランジに、スラブを貫通するボルトを介して連結されるプレートにスラブ天端面の梁用ガセットプレートを突設する請求項記載の既存建物の耐震補強方法。
  7. 梁の両側に鉄骨部材を架設し、その鉄骨部材の下部フランジに、両者間に跨って連結されるプレートに梁下端面の梁用ガセットプレートを突設する請求項記載の既存建物の耐震補強方法。
  8. ブレースはブレース本体にダンパーを組み込んだブレース型ダンパーである請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の既存建物の耐震補強方法。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の耐震補強方法に使用されるブレースの取付装置であり、柱の脚部に固定され、表面にガセットプレートが突設されると共に、下面にダイヤフラムが接合された脚部プレートと、柱の頭部に固定され、表面にガセットプレートが突設されると共に、上面にダイヤフラムが接合された頭部プレートと、脚部プレート及び頭部プレートの各ダイヤフラムとスラブを貫通し、両ダイヤフラムを互いに連結する引張材から構成される耐震補強用ブレースの取付装置。
  10. 脚部プレートと頭部プレートは柱中に定着されるアンカー体を用いて柱に固定される請求項9記載の耐震補強用ブレースの取付装置。
  11. 脚部プレートと頭部プレートは柱を挟んで少なくとも平面上、一方向に対向して配置され、対向する脚部プレート間と頭部プレート間に柱を貫通する引張材が挿通して脚部プレートと頭部プレートが柱に固定される請求項9記載の耐震補強用ブレースの取付装置。
  12. 脚部プレートと頭部プレートは共に柱を包囲して組み立てられる請求項11記載の耐震補強用ブレースの取付装置。
  13. 脚部プレートと頭部プレートの内周面は凹凸面に形成されており、脚部プレート及び頭部プレートの内周面と柱の表面との間に充填材が充填されている請求項9乃至請求項12のいずれかに記載の耐震補強用ブレースの取付装置。
  14. 脚部プレートのダイヤフラムと、頭部プレートのダイヤフラムとの間に、梁の両側に架設される鉄骨部材が接続される受け部材が設置されている請求項9乃至請求項13のいずれかに記載の耐震補強用ブレースの取付装置。
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