JP4139978B2 - 車両用ドアロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用ドアロック装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の車両用ドアロック装置としては、特開平7−97882号公報に示されるものが知られている。
【0003】
これは、ベース部材と、ベース部材に支持され車両ドアを車両ボデーに対して保持するラッチ機構と、ベース部材に回動自在に支持され且つラッチ機構に連係され回動動作によりラッチ機構を作動させるオープンレバーとを有する車両ドア内に配設されたものである。
【0004】
この従来装置では、オープンレバーとラッチ機構の連係部位は、装置全体を覆う別部材のプロテクトカバーにより覆われており、このプロテクトカバーによって連係部位への不当な工具等の進入を防止し、これにより、盗難防止性を向上させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来装置であると、不当な工具等でオープンレバーとラッチ機構との連係部位が操作されないようにこの連係部位を覆うために、別部材のプロテクトカバーを必要とする。このため、部品点数が増え、コスト的に不利なものとなる。又、装置自体も大型化し、スペース的にも不利なものとなる。
【0006】
故に、本発明は、別部材のプロテクトカバーを必要とせずに、盗難防止性を確保できるようにすることを、その技術的課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために本発明において講じた技術的手段は、前記ラッチ機構が、ストライカを受け入れて回転動作するラッチと、ストライカを受け入れたラッチに係合及び解除自在となるように回転動作するポールとで構成され、前記ポールに嵌合する腕部分を有することでポールと一体回転するリフトレバーがベース部材に回転自在に支持され、このリフトレバーの同軸上に、このリフトレバーを回転操作する前記オープンレバーが回転自在に支持され、前記リフトレバーのうち、前記ポールに嵌合する腕部分の側方位置を覆う第1フランジ壁と、この腕部分の上方位置を覆う、第1フランジ壁とは離間した第2フランジ壁とがそれぞれ前記ベース部材の折り曲げによって形成された、ことである。
【0008】
この技術的手段によれば、ベース部材に形成されたフランジ壁によりリフトレバーのうち、前記ポールに嵌合する腕部分が覆われ、このフランジ壁によって、不当な工具等が連係部位に進入するのを防止して連係部位が操作されるのを防止し得る。
【0009】
よって、別部材のプロテクトカバーを必要とせずに、盗難防止性を確保し得る。
【0010】
より好ましくは、前記ラッチとポールとが収納される膨出部を有したボディが、前記ベース部材の切欠開口に貫通して配置されることで、前記膨出部がベース部材に突出する状態で備えられ、前記膨出部と前記第1フランジ壁と前記第2フランジ壁とで取り囲まれる位置に前記腕部分が配置されている、と良い。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1に示されるように、車両用ドアロック装置1は、車両ドア8内に配設されており、図2に示されるように、ベースプレート2,ラッチ機構3,レバー機構4を有して構成されている。
【0012】
ベースプレート2は、L字状を呈するものであって、車両用ドアロック装置1を車両ドア8内に取り付けた状態で表面及び裏面が車両ドア8の車室内外方向(図2示左右方向)と直交する水平壁21及び水平壁21の車室内側縁(図2示右端)から延在する垂直壁22を備えている。
【0013】
図3に示されるように、ラッチ機構3は、ボディ31,ポール32及びラッチ33よりなるものである。ボディ31は、ベースプレート2の水平壁21の裏面に固定され、ポール32及びラッチ33を収容する。又、このボディ31には、ドア(図示せず)の開閉動作に応じて車両のボデー(図示せず)に設けられたストライカ34が出入するために車両室内方に開口した挿通溝31aが形成されている。ポール32及びラッチ33は、夫々、ピン32a,33aによりボディ31に回転自在に支持されている。又、ラッチ33の外周面には、ボディ31の挿通溝31aに進入したストライカ34を受け入れるU字溝33b及びポール32と係脱可能な係合爪33cが形成されている。ポール32は、その回転動作によりラッチ33の係合爪33cと係合するようになっている。このように構成されたポール32及びラッチ33において、ストライカ34がラッチ33のU字溝33b内に受け入れられた状態でポール32とラッチ33の係合爪33cが係合してラッチ33の回転動作がポール32によって規制されることでドアを閉状態で保持する。又、ポール32を回転動作してラッチ33の係合爪33cとの係合を解除することでドアが開可能状態となる。
【0014】
図2に示されるように、レバー機構4は、リフトレバー41、オープンレバー42、ロッキングレバー43、キャンセルレバー44、スライドブッシュ45及びキーレバー47からなるものである。
【0015】
リフトレバー41は、ベースプレート2の水平壁21の表面上に配置され、ラッチ機構3のポール32を支持するピン32aに回転自在に支持されている。このリフトレバー41は、その一方の腕部分に形成された嵌合フランジ部41aによりポール32に嵌合してポール32と一体に回転動作する。又、リフトレバー41の一方及び他方の腕部分には、夫々、係合フランジ41b,41cが形成されている。
【0016】
オープンレバー42は、リフトレバー41と同様に水平壁21上に配置されピン32aに回動自在に支持されている。このオープンレバー42は、その一方の腕部分で車両ドア8の室外側に設けられたアウトサイドハンドル6にオープンロッド7を介して連結されている(図1示)。又、オープンレバー42には、脚部分42bが延在形成されており、この脚部分42bで車両ドア8の室内側に設けられたインサイドハンドル5にケーブル(図示せず)及びインサイドレバー46(図4示)を介して連結されている。尚、インサイドレバー46は、図4に示すように、ベースプレート2の垂直壁22にピン46aにより回動自在に支持されている。更に、オープンレバー42には、ピン部42aが形成されている。尚、このオープンレバー42は、ピン32a回りに配設され一端がオープンレバー42に係止され且つ他端がベースプレート2に係止されたスプリング48により初期位置に復帰すべく図2示時計方向に常時回動付勢されている。
【0017】
ロッキングレバー43は、水平壁21の表面上に配置され、ピン43aにより水平壁21に回動自在に支持されている。このロッキングレバー43は、車両ドア8の室内側に設けられたロックノブ(図示せず)に連結されると共にキーレバー47を介して車両ドア8の室外側に設けられたキーシリンダ機構(図示せず)に連結されている。又、ロッキングレバー43の他方の腕部分には、ピン32aを中心とした円弧状の長穴43bが形成されている。
【0018】
スライドブッシュ45は、オープンレバー42の他方の腕部分にスライド自在に支持されている。このスライドブッシュ45には、ピン部45aが形成されており、ロッキングレバー43の長穴43aに摺動自在に挿通されている。又、スライドブッシュ45には、オープンレバー42の回動動作でリフトレバー41の係合フランジ41cと係脱自在な係合突起45bが形成されている。このように構成されたスライドブッシュ45は、ロッキングレバー43の回動動作で長穴43bとピン部45aとの挿通を介してオープンレバー42の他方の腕部分に対してスライド動作させられ、これにより、係合突起45bは、リフトレバー41の係合フランジ41cとの係合軌跡上に位置したり係合軌跡上からはずれたりする。結果、ドア8の施錠状態及び解錠状態を作り出す。尚、ロッキングレバー43は、この施錠状態及び解錠状態を維持すべくロッキングレバー43とベースプレート2との間に配設されたターンオーバースプリング49により付勢されている。
【0019】
キャンセルレバー44は、ロッキングレバー43にキャンセルレバー44に一体成形されたスナップピン44aにより揺動自在に嵌合支持されている。このキャンセルレバー44の自由端部分には、長穴44bが形成されており、オープンレバー42のピン42aが摺動自在に挿通されている。又、キャンセルレバー43の自由端部分にはリフトレバー41のポール32と一体の回転動作でリフトレバー41の係合フランジ41bと係脱自在な係合突起44cが長穴44bと並列して形成されている。このように構成されたキャンセルレバー44は、オープンレバー42の回動動作でロッキングレバー43に対して揺動させられ、これにより、係合突起44cは、リフトレバー41の係合フランジ41bとの係合軌跡上に位置したり係合軌跡上からはずれたりする。結果、オープンレバー42の回動動作に応じた施錠動作いわゆるキーレスエントリー動作及び施錠動作のキャンセリングが行われる。つまり、ドアロック装置1は、キャンセルレバー44により構成されたキーレスエントリー機構を持つ。
【0020】
キーレバー47は、水平壁21上に配置され、ピン43aにより水平壁21に回動自在に支持されている。このキーレバー47には、係合突起47aが形成されており、この係合突起47aは、ロッキングレバー43に形成された切り欠き43cに受けられている。これにより、キーレバー47の回動動作により切り欠き43cの壁部と係合突起47aとの当接によりキーレバー47の回動動作がロッキングレバー43に伝達されることとなる。
【0021】
次に本発明の主要部であるリフトレバー41とラッチ機構3のポール32との嵌合部位の構造について説明する。
【0022】
図2、図4及び図5に示されるように、ベースプレート2の水平壁21及び垂直壁22には、ラッチ機構3のボディ31の挿通溝31aを形成するための膨出部31bが配される切欠開口23が形成されている。ボディ31の膨出部31bは、この切欠開口23を貫通して水平壁21の表面上に突出しており、リフトレバー41を車両ドア上方(図2示上方)から覆っている。ベースプレート2の水平壁21の車室外側縁には、第1フランジ壁24が水平壁21の表面方向(図4及び図5示上方)に延出するように一体に折り曲げ形成されている。この第1フランジ壁24は、リフトレバー41の一方の腕部分をその回動ストローク範囲に渡り車室外方から覆っている。又、水平壁21の切欠開口23の車室外側縁23aには、第2フランジ壁25が膨出部31の端面に沿って水平壁21の表面方向に延出するように一体折り曲げ形成されている。この第2フランジ壁25には、第1フランジ壁24と直交する屈曲壁25aが一体に折り曲げ形成されており、この屈曲壁25aは、膨出部31bの下側面と略平行に膨出部31bの端面と第1フランジ壁24との間に位置してリフトレバー41の一方の腕部分を車両ドア上方から覆っている。このように、リフトレバー41のラッチ機構3のポール32との嵌合部位である一方の腕部分は、ボディ31の膨出部31b、第1フランジ壁24及び第2フランジ壁25によって車両ドア上方及び車室外方から覆われている。これにより、不当な工具等がこの嵌合部位に進入するのを防止して、リフトレバー41が不当な工具等で操作されるのを防止することができ、よって、盗難防止性が確保される。尚、第1フランジ壁24及び第2フランジ壁25は、ボディ31に一体に形成してもよい。又、どちから一方をボディ31に一体に形成してもよい。更に、第1フランジ壁24及び第2フランジ壁25は、一体に連続したものとしてもよい。
【0023】
次に作動について説明する。
【0024】
図2は、車両ドア8の解錠状態を示す。この状態において、アウトサイドハンドル6を操作すると、オープンロッド7を介してオープンレバー42がスプリング48の付勢力に抗して図2示の初期位置から図2示反時計方向に所定角度だけ回動動作させられる。オープンレバー42が回動すると、スライドブッシュ45の係合突起45bがリフトレバー41の係合フランジ41cと係合してリフトレバー41がオープンレバー42と同方向に回動する。これにより、ポール32が回動して閉状態にある車両ドア8が開可能状態となる。又、インサイドハンドル5を操作すると、ケーブル及びインサイドレバー46を介してオープンレバー42がスプリング48の付勢力に抗して図2示の初期位置から図2示反時計方向に所定角度だけ回動動作させられる。オープンレバー42が回動すると、スライドブッシュ45の係合突起45bがリフトレバー41の係合フランジ41cと係合してリフトレバー41がオープンレバー42と同方向に回動する。これにより、ポール32が回動して閉状態にある車両ドア8が開可能状態となる。
【0025】
図2において、ロックノブ又はキーシリンダ機構を操作してロッキングレバー43を回動動作させると、スライドブッシュ45がオープンレバー42に対してスライドさせられる。これにより、スライドブッシュ45の係合突起45bがリフトレバー41の係合フランジ41cとのオープンレバー42を回動動作させた際の係合軌跡上から外れ、オープンレバー42とリフトレバー41とは空振りする状態となる。結果、解錠状態にある車両ドア8が施錠状態となる。
【0026】
図2において、乗員が車両から離れる際に車両ドア8を施錠する場合において、ロックノブを操作して車両ドア8を施錠状態とした場合、アウトサイドハンドルを操作せずにドア8を閉めると、図11に示されるように、キャンセルレバー44の係合突起44cがリフトレバー41の係合フランジ41bと係合してロッキングレバーが車両ドア8を解錠状態とするように回動させられる。これにより、ドア8の施錠状態がキャンセリングされる。
【0027】
図2において、乗員が車両から離れる際にドアを施錠する場合において、ロックノブを操作して車両ドア8を施錠状態とした場合、アウトサイドハンドルを操作しながら車両ドア8を閉めると、キャンセルレバー44がアウトサイドハンドルを操作していることによるオープンレバー42の回動動作でロッキングレバー43に対して揺動させられる。これにより、キャンセルレバー44の係合突起44cがリフトレバー41の係合フランジ41bとの係合軌跡上から外れ、キャンセルレバー44がリフトレバー41に対して空振りする。結果、ロッキングレバ−43の解錠状態への回動動作はなく、施錠状態が維持される。
【0028】
尚、上記した実施の形態においては、インサイドレバー46と連係する脚部分42bをオープンレバー42に形成しているが、この脚部分42bをリフトレバー41に形成し、インサイドハンドル46が操作されることによって、リフトレバー41を直接図2示反時計方向に回動させると共にこのリフトレバー41の回動によりキャンセルレバー45を介してロッキングレバー43を回動させるようにして、施錠状態で閉状態にある車両ドア8を解錠状態で開可能状態とするいわゆるオンモーションオープン機能を付加してもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、ベース部材にオープンレバーとラッチ機構との連係部位を車両ドア上方及び車両ドア車室外方から覆うフランジ壁を一体に形成したので、別部材のプロテクターカバーを必要とすることなく盗難防止性を確保することができる。これにより、部品点数を削減してコスト低減を図ることができると共に車両用ドアロック装置自体を小型化し、省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用ドアロック装置を搭載した車両ドアの正面図である。
【図2】本発明に係る車両用ドアロック装置の正面図である。
【図3】本発明に係る車両用ドアロック装置のラッチ機構を示す正面図である。
【図4】本発明に係る車両用ドアロック装置の側面図である。
【図5】本発明に係る車両用ドアロック装置の上面図である。
【符号の説明】
2 ベースプレート(ベース部材)
3 ラッチ機構
41 リフトレバー
42 オープンレバー
24 第1フランジ壁(フランジ壁)
25 第2フランジ壁(フランジ壁)
31 ボディ(ベース部材)
Claims (2)
- ベース部材と、該ベース部材に支持され車両ドアを車両ボデーに対して保持するラッチ機構と、前記ベース部材に回動自在に支持され且つ前記ラッチ機構に連係され回動動作により前記ラッチ機構を作動させるオープンレバーとを有する前記車両ドア内に配設された車両用ドアロック装置において、
前記ラッチ機構が、ストライカを受け入れて回転動作するラッチと、ストライカを受け入れたラッチに係合及び解除自在となるように回転動作するポールとで構成され、
前記ポールに嵌合する腕部分を有することでポールと一体回転するリフトレバーがベース部材に回転自在に支持され、このリフトレバーの同軸上に、このリフトレバーを回転操作する前記オープンレバーが回転自在に支持され、
前記リフトレバーのうち、前記ポールに嵌合する腕部分の側方位置を覆う第1フランジ壁と、この腕部分の上方位置を覆う、第1フランジ壁とは離間した第2フランジ壁とがそれぞれ前記ベース部材の折り曲げによって形成されている車両用ドアロック装置。 - 前記ラッチとポールとが収納される膨出部を有したボディが、前記ベース部材の切欠開口に貫通して配置されることで、前記膨出部がベース部材に突出する状態で備えられ、前記膨出部と前記第1フランジ壁と前記第2フランジ壁とで取り囲まれる位置に前記腕部分が配置されている請求項1記載の車両用ドアロック装置。
Priority Applications (1)
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JP10718598A JP4139978B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 車両用ドアロック装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10718598A JP4139978B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 車両用ドアロック装置 |
Publications (2)
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JPH11303485A JPH11303485A (ja) | 1999-11-02 |
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Family
ID=14452635
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP10718598A Expired - Fee Related JP4139978B2 (ja) | 1998-04-17 | 1998-04-17 | 車両用ドアロック装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP4139978B2 (ja) |
-
1998
- 1998-04-17 JP JP10718598A patent/JP4139978B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11303485A (ja) | 1999-11-02 |
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