JP4139018B2 - 除雪機の過負荷防止機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オーガ及びブロアを備えた除雪機の過負荷防止機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
路面上の積雪を除去する除雪機に関して、例えば実公昭51−34111号公報「除雪機」が提案されている。
この技術は、同公報の第1図に示されるように、エンジン側プーリ及び回転軸側プーリに駆動ベルトを巻掛けることにより、エンジンの回転をエンジン側プーリ→回転軸側プーリ→回転軸に伝え、回転軸でオーガ及びブロアを回転するものである。
この除雪機によれば、路面上の積雪をオーガで集め、集めた雪をブロアで吹き飛ばすことができる。
【0003】
ところで、路面には凹凸やうねりがあり、除雪中にオーガが路面の凸部に干渉してオーガに一時的に(瞬時に)過負荷がかかることがある。
また、積雪の中に異物(例えば、石、木片や氷)が含まれており、除雪中に、オーガとハウジングとの間の隙間に異物を噛み込んでオーガがロック状態になることがある。このため、オーガに連続的に過負荷がかかることがある。
【0004】
オーガに一時的に又は連続的に過負荷がかかると、オーガが静止して駆動装置(動力伝達機構やエンジン)に過大なトルクが発生する。このため、駆動装置に過大なトルクが発生することを考慮して、駆動装置の構成部材の強度を大幅に高める必要があり、そのことがコストアップの要因になる。
この対策を施した除雪機として、例えば実開昭50−14720号公報「除雪機に於けるオーガ回転軸の安全装置」が提案されている。
【0005】
この技術によれば、オーガに過負荷がかかったときに、シャーボルト(以下、「シャーピン(shear pin)」という)が破断し、駆動装置はオーガから離れる。このため、駆動装置側に過大なトルクが発生することを防ぐことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、シャーピンが破断した後、除雪作業を復帰させるためには破断したシャーピンを新たなシャーピンに交換する必要がある。しかし、シャーピンはオーガの奥に取付けてあり、作業者はオーガの外側から手を差し込んでシャーピンを交換するので、シャーピンの交換作業がやりにくい。
従って、シャーピンの交換に時間がかかるので、除雪機の休車時間が比較的長くなり除雪作業に影響がでることもある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、除雪の作業性を高めることができる除雪機を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1は、原動機側プーリ及び回転軸側プーリに駆動ベルトを巻掛け、テンションローラを移動させるローラ移動モータを回動することで駆動ベルトにテンションローラを押し付け、原動機側プーリの回転を回転軸側プーリを介して回転軸に伝え、回転軸でオーガを回転する除雪機において、トルクが過大になったときに相対的にスリップする一対の摩擦板を備えたトルクリミッタを前記回転軸に介在させ、前記一対の摩擦板の回転数を夫々検出する回転検出部を一対設け、これらの回転検出部で検出した回転数の差が設定値を越えたとき前記ローラ移動モータを回動することで駆動ベルトを緩める制御をなす制御部を備えたことを特徴とする。
【0009】
トルクが過大になったときに、トルクリミッタの一対の摩擦板を相対的にスリップさせる。一方の摩擦板の回転数と他方の摩擦板の回転数との間に差が発生する。これを一対の回転検出部で検出する。検出した回転数の差が設定値を越えたときローラ移動モータを駆動して駆動ベルトを緩める。従って、原動機側プーリをスリップさせることができる。
また、除雪作業を復帰させるときには、ローラ移動モータを駆動して駆動ベルトに張力を与えるだけでよいので、従来のようにシャーピンを交換する必要はない。従って、除雪作業の中断時間を短くすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る除雪機の断面図である。
除雪機10は、除雪機本体11に取付けた原動機12と、原動機12の下方の支持部材14(除雪機本体11の一部)に取付けた回転軸15と、回転軸15に駆動軸13の回転を伝えるベルト伝達手段30と、回転軸15と一体に回転するブロア34と、回転軸15にトルクリミッタ(後述する)を介してつないだギヤ伝達機構35と、ギヤ伝達機構35につないだオーガ44と、ブロア34及びオーガ44を収納するハウジング45と、ハウジング45に取付けたシュータ49と、オーガ44に過負荷がかかったときに作動する過負荷防止機構50とからなる。
【0011】
回転軸15は、原動機12の駆動軸13にベルト伝達手段30を介してつないだ第1回転軸16と、第1回転軸16に取付けるとともに外周にブロア34を取付けた筒体20と、筒体20に取付けた第2回転軸25とからなる。
【0012】
第1回転軸16は、支持部材14に軸受17,17を介して回転自在に支えた軸である。
筒体20は、第1回転軸16に第1筒体21を回転自在に嵌め込み、第1筒体21のフランジ21aに第2筒体22のフランジ22aをボルト止めするとともに第2筒体22を第1回転軸16の先端に嵌め込み、第2筒体22と第1回転軸16とをキー24で一体的につないだものである。
【0013】
第2回転軸25は、後端を第2筒体22に差し込むとともにキー26で第2筒体22と一体的につなぎ、軸受27でケース28に回転自在に支えた軸である。従って、第1回転軸16の回転は、筒体20を介して第2回転軸25に伝わる。
【0014】
ベルト伝達手段30は、原動機12の駆動軸13に原動機側プーリ31を取付け、かつ第1回転軸16の後端16aに回転軸側プーリ32を取付け、原動機側プーリ31及び回転軸側プーリ32に駆動ベルト33を巻掛け、駆動ベルト33にテンションローラ(後述する)を押し付けたものである。
従って、駆動軸13の回転は、原動機側プーリ31→駆動ベルト33→回転軸側プーリ32を介して第1回転軸16に伝わる。
【0015】
ギヤ伝達機構35は、ケース28に軸受36を介してピニオンベベルギヤ37を回転自在に支え、ピニオンベベルギヤ37にベベルギヤ38を噛み合わせ、ベベルギヤ38と同軸のピニオンギヤ39にギヤ40を噛み合わせ、各ギヤ38,39,40をギヤケース41で回転自在に支えたものである。
オーガ44は、ギヤ40のギヤ軸42にオーガ軸41を同軸上に取付けたものである。
従って、ピニオンベベルギヤ37の回転は、ピニオンベベルギヤ37の回転がベベルギヤ38→ピニオンギヤ39→ギヤ40を介してオーガ44に伝わる。
【0016】
ハウジング45は、除雪機本体11に取付けることでブロア34を収納するブロアハウジング46と、ブロアハウジング46に取付けることでオーガ44を収納するオーガハウジング47とからなり、オーガハウジング47に連結部材48でギヤケース41をつないだものである。
シュータ49は、ブロアハウジング46の上端に取付けて、ブロア34で蹴り上げた雪を案内して所望の方向に吹き飛ばすガイドである。
【0017】
除雪機の過負荷防止機構50は、回転軸15の先端にトルクリミッタ51を介在させ、トルクリミッタ51の一対の摩擦板(従動側摩擦板53a及び駆動側摩擦板55a)の回転数を夫々検出する一対の回転検出部(第1回転検出部60及び第2回転検出部62)を設け、第1、第2の回転検出部60,62で検出した回転数の差が設定値を越えたときローラ移動モータを駆動することで駆動ベルトを緩める制御をなす制御部を備えたものである。
【0018】
図2は図1の2部拡大図である。
トルクリミッタ51は、ピニオンベベルギヤ37の後端にボルト52で取付けた従動部53と、第2回転軸25の先端にスプライン54で結合した駆動部55と、従動部53に取付けた摩擦板53aと、駆動部55に取付けた摩擦板55aと、一対の摩擦板を押圧するためにフランジ56及びストッパ57間に配置した圧縮ばね58とからなる。
【0019】
このトルクリミッタ51は、トルクが過大になったときに圧縮ばね58の押付力に抗して従動側摩擦板53aと駆動側摩擦板55aとが相対的にスリップするものである。
なお、ストッパ57は第2回転軸25のフランジ25bで所定位置に位置決めしたものである。
【0020】
駆動部55は、筒形に形成した部材であって、第2回転軸25の先端にスプライン54で結合することで軸方向に移動自在とし、第2回転軸25と一体に回転する部材である。
【0021】
図3は本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の斜視図である。
前述したトルクリミッタ51は、通常の除雪作業時に、従動部53の従動側摩擦板53aと駆動部55の駆動側摩擦板55aとを圧縮ばね58で押圧することで駆動部55の回転を従動部53に伝え、オーガ44(図1に示す)に過負荷がかかって従動部53が静止したときに、駆動部55の駆動側摩擦板55aが圧縮ばね58のばね力に抗してスリップする。
【0022】
このトルクリミッタ51は、駆動部55の駆動側摩擦板55aと従動部53の従動側摩擦板53aとが連続的にスリップすると、駆動側摩擦板55aや従動側摩擦板53aの摩耗量が大きくなり、十分な耐久性を得ることができないこともある。
このため、トルクリミッタ51を連続的にスリップさせないようにする必要がある。以下、この方法について説明する。
【0023】
トルクリミッタ51は、駆動部55の駆動側摩擦板55aが従動部53の従動側摩擦板53aに対してスリップすることにより、駆動部55の回転数と従動部の回転数とが変化する。
【0024】
ここで、駆動部55と従動部53との1分間の回転数差が、例えば700rpmを越えると、駆動部55の駆動側摩擦板55aと従動部53の従動側摩擦板53aとのスリップによる摩擦量が大きくなるので、以下、この回転数差(700rpm)を設定値Nsとして説明する。
【0025】
回転数差が設定値Ns以下のときは、駆動部55の駆動側摩擦板55aと従動部53の従動側摩擦板53aとの摩擦量は小さい。
回転数差が設定値Ns以下になる例としては、オーガが路面の凹凸やうねりに干渉して一時的に静止した場合が該当する。
【0026】
一方、回転数差が設定値Nsを越えるときは、駆動部55の駆動側摩擦板55aが従動部53の従動側摩擦板53aの摩擦量が大きい。
回転数差が設定値Nsを越える例としては、オーガに異物を噛み込んで、オーガがロック状態になり連続的に静止した場合が該当する。
【0027】
このため、制御部63に設定値Nsを予め入力しておいて、第1、第2の回転検出部60,62で検出した各々の回転数から求めた、回転数差が設定値Ns以下のときにはトルクリミッタ51で過大なトルクの発生を防止する。
一方、回転数差が設定値Nsを越えたときには、テンションローラ72を駆動ベルト33,33から離すことにより、トルクリミッタ51を連続的に作動させないで過大なトルクの発生を防止する。
以下、第1、第2回転検出部60,62及び制御部63について説明する。
【0028】
第1回転検出部60は、ベベルギヤ38の歯数38a・・・をカウントすることにより、ベベルギヤ38の回転数を検出し、検出した信号を制御部63に伝える電磁式回転センサである。
第2回転検出部62は、回転軸側プーリ32の凹部32aをカウントすることにより、回転軸側プーリ32の回転数を検出し、検出した信号を制御部63に伝える電磁式回転センサである。
【0029】
制御部63は、設定値Nsを予め入力しておいて、第1、第2の回転回転検出部60,62から伝えられた各々の回転数から、従動部53及び駆動部55の回転数差を求め、求めた回転数差と設定値Nsとを比較し、回転数差が設定値Ns以下のときにはローラ移動手段65に駆動信号を伝えないようにし、検知信号が設定値Nsを越えたときにはローラ移動手段65に駆動信号を伝えるようにするものである。
【0030】
また、制御部63は、回転数差が設定値Nsを越えたときに、表示部64に表示信号を伝えるものである。
表示部64は、制御部63からの信号に基づいてオーガ44に過負荷がかかったことを作業者に知らせる警報ランプである。
【0031】
ローラ移動手段65は、制御部63からの駆動信号で駆動するローラ移動モータ66と、ローラ移動モータ66の駆動軸67に取付けたピニオンギヤ68と、ピニオンギヤ68に噛み合わせた扇形ギヤ69と、扇形ギヤ69の軸70に取付けて扇形ギヤ69と一体に揺動するアーム71と、アーム71の先端71aに回転自在に取付けたテンションローラ72とからなる。
【0032】
このローラ移動手段65は、ローラ移動モータ66を矢印a方向に回転(回動)することによりテンションローラ72を待機位置に移動し、ローラ移動モータ66を矢印b方向に回転(回動)することによりテンションローラ72を使用位置に移動するものである。
【0033】
テンションローラ72が使用位置のとき、テンションローラ72で駆動ベルト33,33を押し付けて駆動ベルト33,33に張力をかけることにより、原動機側プーリ31と回転軸側プーリ32とに駆動ベルト33,33をきつく巻掛けた状態にする。これにより、原動機側プーリ31の回転を回転軸側プーリ32に伝えることができる。
【0034】
一方、テンションローラ72が待機位置のとき、テンションローラ72の押付を解除して、原動機側プーリ31と回転軸側プーリ32とに駆動ベルト33,33を緩めた状態にする。従って、原動機側プーリ31がスリップして原動機側プーリ31の回転を回転軸側プーリ32に伝えないようにすることができる。
このため、オーガに過負荷が掛っても、回転軸15に過大トルクが発生することを防ぐことができる。
【0035】
そして、待機位置のテンションローラ72を使用位置まで戻すときには、ローラ移動モータ66を駆動させるだけでよいので、オーガに過負荷が掛って除雪作業が中断した場合でも、除雪作業を簡単に復帰させることができる。
この結果、従来のようにシャーピンを交換する必要はない。従って、除雪作業の中断時間を短くすることができる。
【0036】
次に、除雪機の過負荷防止機構の作用を説明する。
先ず、除雪機10のオーガ44が路面の凹凸やうねりに干渉した例を示す。
図4(a),(b)は本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の第1作用説明図である。なお、(b)は除雪作業の際のトルクを示すグラフであり、縦軸はトルクを示し、横軸は除雪時間を示す。
【0037】
(a)において、オーガ44及びブロア34を回転しながら除雪機10を前進させることにより、路面80上の積雪をオーガ44で集め、集めた雪をブロア34で跳ね上げてシュータ49から吹き飛ばす。
路面80に凹凸やうねり81がある場合、オーガ44が路面80の凸部81aに干渉してオーガ44に一時的に(瞬時に)過負荷がかかることがある。
【0038】
(b)において、除雪時のトルクTは15kgf・mであり、オーガが路面の凸部に干渉して一時的に静止すると、トルクTは除雪時の15kgf・mから過大トルクTm(80kgf・m)まで上昇する。
この後、オーガが路面の凸部を通過して凹部に到達すると、オーガは路面との干渉が解除されて正常に回転する。このとき、トルクTは過大トルクTm(80kgf・m)から除雪作業時の15kgf・mまで下がる。従って、過大トルクTmが発生するのは一時的(瞬時)である。
ここで、原動機側の許容トルクを60kgf・mとし、以下60kgf・mをしきい値Tsとして説明する。
【0039】
図5(a)〜(c)は本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の第2作用説明図である。なお、(c)は除雪作業中の駆動部55と従動部53との回転数差を示すグラフであり、縦軸は回転数差を示し、横軸は除雪時間を示す。
(a)において、オーガが路面の凸部に干渉して静止することでトルクリミッタ51の従動部53が静止する。このため、回転軸15(第1、第2回転軸16,25)の回転が抑えられて回転軸15に発生するトルクTは高くなる。
(b)において、トルクTがしきい値Ts(図4(b)参照)を越えたとき、駆動部55の駆動側摩擦板55aが従動部53の従動側摩擦板53aに対してスリップを開始して、回転軸15を矢印▲1▼の如く回転する。これで、トルクTをしきい値Ts以下に抑える。
【0040】
ところで、駆動部55の駆動側摩擦板55aが従動部53の従動側摩擦板53aに対してスリップすることにより、第1回転検出部60で検出したベベルギヤ38の回転数と第2回転検出部62で検出した回転軸側プーリ32の回転数とに差ができる。第1回転検出部60及び第2回転検出部62は、検出した各々の回転数を制御部63に伝える。
【0041】
駆動部55の駆動側摩擦板55aは従動部53の従動側摩擦板53aを一時的に(瞬時に)スリップするだけなので、駆動部と従動部との回転数の差は設定値Nsを越えない。従って、制御部63はローラ移動手段65に駆動信号を伝えないので、テンションローラ72(図3に示す)は使用位置に静止したままである。
ここで、トルクTが過大トルクTm(80kgf・m)になるのは一時的(瞬時)なので、駆動部55の駆動側摩擦板55aは従動部53の従動側摩擦板53aを一時的に(瞬時に)スリップするだけである。従って、駆動部55の駆動側摩擦板55a及び従動部53の従動側摩擦板53aの摩耗量は小さい。
【0042】
このように、オーガに一時的に(瞬時に)過負荷がかかったときには、トルクリミッタ51のみで過大トルクTm(80kgf・m)の発生を抑えることができる。従って、過負荷が取り除かれれば、トルクリミッタ51が自動的に非作動状態に復帰する。このため、除雪作業への復帰がより簡単になり、除雪機の使い勝手がより良くなる。
次に、(b)を参照しながら(c)のグラフを説明する。
【0043】
(c)において、除雪作業中はトルクT(15kg・f)がしきい値Ts以下なので駆動側摩擦板55aと従動側摩擦板53aとはスリップしない。従って、駆動部55と従動部53とが同じ回転数で回転して回転数差は0になる。
オーガが路面の凸部に干渉して一時的に(瞬時に)静止すると、トルクTはしきい値Tsまで上昇する。このとき、駆動側摩擦板55aと従動側摩擦板53aとがスリップして駆動部55と従動部53とに回転数差N1,N2・・・が生じる。これで、回転軸が回転してトルクTをしきい値Ts以下に抑える。
回転数差N1,N2・・・は設定値Nsより小さいので、テンションプーリは使用位置に保たれる。
【0044】
次に、除雪機10のオーガ44に積雪の中に異物を噛み込んだ例を示す。
図6(a),(b)は本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の第3作用説明図である。なお、(b)は除雪作業時のトルク変動を示すグラフであり、縦軸はトルクを示し、横軸は除雪時間を示す。
【0045】
(a)において、図4(a)と同様に除雪機10で除雪作業を行う。
積雪中に異物85を含んでいる場合、オーガ44とオーガハウジング47との間の隙間に異物85を噛み込んで、オーガ44がロック状態になることがある。
(b)において、除雪時のトルクTは15kgf・mであり、オーガに異物を噛み込んで、オーガがロック状態になり静止する。トルクTは15kgf・mからしきい値Ts(60kgf・m)を越えてエンジンが停止するまで上昇する。
このときの、過大トルクTmは80kgf・mより大きい。
【0046】
図7(a),(b)は本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の第4作用説明図である。
(a)において、オーガに異物を噛み込むことでトルクリミッタ51の従動部53が静止する。このため、回転軸15(第1、第2回転軸16,25)の回転が抑えられて回転軸15に発生するトルクTは高くなる。
トルクTがしきい値Ts(図6(b)参照)を越えたとき、駆動部55の駆動側摩擦板55aが従動部53の従動側摩擦板53aに対して連続的にスリップして第1回転軸16が矢印▲3▼の如く回転する。これで、トルクTをしきい値Ts以下に抑える。
【0047】
ところで、駆動部55の駆動側摩擦板55aが従動部53の従動側摩擦板53aに対して連続的にスリップした際に、第1回転検出部60で検出した回転数と第2回転検出部62で検出した回転数との差(回転数差)は設定値Nsを越える。このため、制御部63からローラ移動手段65に駆動信号が伝わり、ローラ移動モータ66を駆動する。
【0048】
ローラ移動モータ66を駆動することにより、駆動軸67でピニオンギヤ68を矢印▲4▼の如く回転し、ピニオンギヤ68で扇形ギヤ69を矢印▲5▼の如く揺動する。扇形ギヤ69が揺動することでアーム71が矢印▲6▼の如く揺動する。従って、テンションローラ72が使用位置から待機位置まで移動する。
同時に、制御部63から表示部64に表示信号を伝えることにより、表示部64が点灯して、作業者にオーガがロック状態になっていることを知らせる。
【0049】
(b)において、テンションローラ72を待機位置まで移動することにより、駆動ベルト33,33が原動機側プーリ31と回転軸側プーリ32とに緩く巻掛けた状態になる。従って、原動機側プーリ31はスリップして、原動機側プーリ31の回転は回転軸側プーリ32に伝わらない。
このため、トルクリミッタ51を作動させないでトルクTをしきい値Ts以下に抑えることができるので、駆動部55の駆動側摩擦板55aと従動部53の従動側摩擦板53aとの摩耗量を抑えて、十分な耐久性を得ることができる。
【0050】
一方、除雪作業を復帰させるときには、ローラ移動モータ66でテンションローラ72を使用位置に戻すだけでよいので、従来のようにシャーピンを交換する必要はない。従って、除雪作業の中断時間を短くして除雪の作業性を高めることができる。
また、作業者はテンションローラを簡単に使用位置に戻すことができるので、作業者にかかる負担を軽くすることができる。
【0051】
図8は本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の第5作用説明図であり、除雪作業中の駆動部55と従動部53との回転数差を示すグラフであり、縦軸は回転数差を示し、横軸は除雪時間を示す。
以下、図7を参照しながらグラフを説明する。
除雪作業中はトルクT(15kg・f)がしきい値Ts以下なので駆動側摩擦板55aと従動側摩擦板53aとはスリップしない。従って、駆動部55と従動部53とが同じ回転数で回転して回転数差は0になる。
【0052】
オーガに異物を噛み込んでオーガが連続的に静止すると、トルクTはしきい値Tsまで上昇して、駆動側摩擦板55aと従動側摩擦板53aとがスリップする。従って、駆動部55と従動部53とに回転数差が生じる。
ここで、オーガは連続的に静止しているので、回転数差が大きくなり設定値Nsに達する。従って、制御部からローラ移動手段に駆動信号を伝えてテンションローラを待機位置まで移動する。
【0053】
これで、駆動ベルトが原動機側プーリと回転軸側プーリとに緩く巻掛けた状態になり、原動機側プーリをスリップさせることができる。従って、駆動側摩擦板55aと従動側摩擦板53aとをスリップさせないで、トルクTを下げることができる。
【0054】
なお、前記実施の形態では、第1回転検出部60及び第2回転検出部62に電磁式回転センサを使用した例を説明したが、その他に光電式回転センサなどを使用してもよい。
また、表示部64として警報ランプを点滅させることにより、オーガ44が路面80の凸部81aに干渉した状態や、オーガ44に異物85が噛み込んだ状態を知らせる例を説明したが、警報ランプに代えて警報ブザーなどで知らせることも可能である。
【0055】
さらに、前記実施の形態では、オーガがロックしたときに表示部64を点灯させる例を説明したが、その他オーガが一時的に静止したときにも表示部64を点灯させるように構成してもよい。
また、本発明に係る過負荷防止機構50を除雪機10に取付けた例を説明したが、その他の作業装置(農業用機械)に適用することも可能である。
【0056】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の除雪機によれば、トルクが過大になったときに、トルクリミッタの一対の摩擦板を相対的にスリップさせる。このとき、一方の摩擦板の回転数と他方の摩擦板の回転数との間に差が発生し、この差を一対の回転検出部で夫々検出する。制御部は、一対の回転検出部で検出した回転数の差が設定値を越えたとき前記ローラ移動モータを駆動することで駆動ベルトを緩める。
この結果、原動機側プーリをスリップさせることができるので、原動機側に過大なトルクが発生することを防ぐことができる。
【0057】
また、除雪作業を復帰させるときには、ローラ移動モータを駆動させて駆動ベルトに張力を与えるだけでよい。この結果、従来のようにシャーピンを交換する必要がないので、除雪作業の中断時間を短くして除雪の作業性を高めることができる。
さらに、ローラ移動モータを駆動させることは、例えば操作ボタンを押すだけで簡単にできるので、作業者にかかる負担を軽くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る除雪機の断面図
【図2】図1の2部拡大図
【図3】本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の斜視図
【図4】本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の第1作用説明図
【図5】本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の第2作用説明図
【図6】本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の第3作用説明図
【図7】本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の第4作用説明図
【図8】本発明に係る除雪機の過負荷防止機構の第5作用説明図
【符号の説明】
10…除雪機、15…回転軸、16…第1回転軸、25…第2回転軸、31…原動機側プーリ、32…回転軸側プーリ、33…駆動ベルト、44…オーガ、50…過負荷防止機構、51…トルクリミッタ、53…従動部、53a…従動側摩擦板、55…駆動部、55a…駆動側摩擦板、60…回転検出部(第1回転検出部)、62…回転検出部(第2回転検出部)、63…制御部、65…ローラ移動手段、66…ローラ移動モータ、72…テンションローラ、Ns…設定値。

Claims (1)

  1. 原動機側プーリ及び回転軸側プーリに駆動ベルトを巻掛け、テンションローラを移動させるローラ移動モータを回動することで駆動ベルトにテンションローラを押し付け、原動機側プーリの回転を回転軸側プーリを介して回転軸に伝え、回転軸でオーガを回転する除雪機において、
    トルクが過大になったときに相対的にスリップする一対の摩擦板を備えたトルクリミッタを前記回転軸に介在させ、前記一対の摩擦板の回転数を夫々検出する回転検出部を一対設け、これらの回転検出部で検出した回転数の差が設定値を越えたとき前記ローラ移動モータを回動することで駆動ベルトを緩める制御をなす制御部を備えたことを特徴とする除雪機の過負荷防止機構。
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