JP4138709B2 - 液化ガスエンジンの燃料供給装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液相状態の燃料を気化する気化器を備えた液化ガスエンジンの燃料供給装置に関する。
液化ガス燃料(液化石油ガスや圧縮天然ガス等)を使用する液化ガスエンジンでは、液相状態の燃料が気化器を通じて気化された後、燃焼室へ供給される。
上記エンジンにおいては、燃料の気化潜熱により気化器が過度に冷却された場合、燃料の気化が十分に行われなくなるため、運転状態に応じた適正量の燃料を燃焼室へ供給することが困難となる。
そこで従来、こうした気化器の過度の冷却を防止するための機構を備えた液化ガスエンジンの燃料供給装置が提案されている(例えば特許文献1)。同燃料供給装置では、エンジンの冷却水を気化器へ供給することで、冷却水の熱を通じて気化器を加熱するようにしている。
特開平7−293345号公報
ところが、上記燃料供給装置では次のようなことが懸念される。
即ち、エンジンの冷間始動時等のように冷却水の温度が低い場合、冷却水による気化器の加熱が十分に行われないため、気化器において燃料を適切に気化させることができない。
本発明は、こうした実状に鑑みてなされたものであり、その目的は、エンジンの始動時においても気化器を通じて燃料を十分に気化することのできる液化ガスエンジンの燃料供給装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
<請求項1>
請求項1に記載の発明は、液化ガス燃料を気化する気化器と、前記気化器とエンジンとの間で熱媒体を循環させる循環回路と、前記熱媒体を貯留する断熱容器とを備えた液化ガスエンジンの燃料供給装置であって、前記エンジンの始動に先立ち、前記断熱容器内に貯留されている高温の熱媒体を前記気化器内に封じ込め、前記エンジンの始動後、前記気化器により気化された燃料の累積量に基づいて前記熱媒体の封じ込めを解除する制御手段を備えたことを要旨としている。
上記構成では、エンジンの始動に先立ち断熱容器内の高温の熱媒体が気化器内に封じ込められるため、エンジンの始動時、そうした熱媒体により燃料の気化促進が図られるようになる。なお、断熱容器内には、前回のエンジンの運転時に供給された高温の熱媒体が保温された状態で貯留されている。
また、気化された燃料の累積量に基づいて熱媒体の封じ込めが解除されるため、気化器内に封じ込められている熱媒体では燃料の気化を十分に行うことが困難となったとき、エンジンで加熱された熱媒体が気化器へ供給されることにより、燃料が十分に気化される状態が好適に維持されるようになる。
ちなみに、気化器内の冷却水が有する熱エネルギーの大きさは気化器を通じて気化した燃料の量が大きくなるほど小さくなる。従って、気化した燃料の積算量を通じて、気化器内の冷却水が燃料を十分に気化することのできる熱エネルギーを有しているか否かを把握することができる。
このように、上記構成によれば、エンジンの始動時においても気化器による燃料の気化を適切に行うことができるようになる。
<請求項2>
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、前記制御手段は、前記気化器内に前記断熱容器内の熱媒体を封じ込めてからの燃料噴射量の累積量を前記気化された燃料の累積量の指標値として採用し、前記燃料噴射量の累積量が対噴射量判定値以上となったことに基づいて前記熱媒体の封じ込めを解除することを要旨としている。
上記対噴射量判定値は、気化器内の冷却水が燃料の気化を十分に行うことのできる状態にあるか否かを判定するための値として予め設定される。制御手段は、燃料噴射量の累積量が対噴射量判定値以上のとき、気化器内の冷却水の有する熱エネルギーが燃料を十分に気化することのできない大きさであると判定する。反対に、燃料噴射量の累積量が対噴射量判定値未満のとき、気化器内の冷却水の有する熱エネルギーが燃料を十分に気化することのできる大きさであると判定する。
上記構成では、こうした態様をもって設定された対噴射量判定値と燃料噴射量の累積量との比較結果に基づいて封じ込めの解除が行われるため、気化器内へ封じ込めた冷却水では燃料の気化促進を図ることが困難となったとき、エンジンで加熱された熱媒体が速やかに気化器へ供給されるようになる。これにより、気化器を通じて燃料が十分に気化される状態を好適に維持することができるようになる。
<請求項3>
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、前記制御手段は、前記気化器内に封じ込めた直後の前記熱媒体の温度に基づいて前記対噴射量判定値を設定することを要旨としている。
気化器内に熱媒体が封じ込められた直後は、燃料の気化潜熱による熱媒体の熱エネルギーの消費が生じていないため、このときの熱媒体の温度を同熱媒体の有する熱エネルギーの指標値として採用することができる。
そこで、上記態様をもって対噴射量判定値を設定することで、燃料噴射量の累積量と対噴射量判定値との比較結果に基づく熱媒体の封じ込めの解除をより的確に行うことができるようになる。
<請求項4>
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、前記制御手段は、さらに外気の温度を加味して前記対噴射量判定値を設定することを要旨としている。
気化器内に封じ込められた熱媒体は、燃料の気化潜熱だけでなく外気によっても冷却される。
従って、上記態様をもって対噴射量判定値を設定することで、熱媒体の封じ込めの解除をより的確に行うことができるようになる。
<請求項5>
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、前記制御手段は、前記気化器内に前記断熱容器内の熱媒体を封じ込めてからの吸入空気量の累積量を前記気化された燃料の累積量の指標値として採用し、前記吸入空気量の累積量が対吸気量判定値以上となったことに基づいて前記熱媒体の封じ込めを解除することを要旨としている。
上記対吸気量判定値は、気化器内の冷却水が燃料の気化を十分に行うことのできる状態にあるか否かを判定するための値として予め設定される。制御手段は、吸入空気量の累積量が対吸気量判定値以上のとき、気化器内の冷却水の有する熱エネルギーが燃料を十分に気化することのできない大きさであると判定する。反対に、吸入空気量の累積量が対吸気量判定値未満のとき、気化器内の冷却水の有する熱エネルギーが燃料を十分に気化することのできる大きさであると判定する。
燃料噴射量と吸入空気量とには相関があるため、上記構成のように、吸入空気量の累積量と対吸気量判定値との比較結果に基づいて熱媒体の封じ込めの解除を行うことによっても、請求項2に記載の発明の作用効果に準じた作用効果が得られるようになる。
<請求項6>
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、前記制御手段は、前記気化器内に封じ込めた直後の前記熱媒体の温度に基づいて前記対吸気量判定値を設定することを要旨としている。
こうした構成を採用することによっても、請求項3に記載の発明の作用効果に準じた作用効果が奏せられるようになる。
<請求項7>
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、前記制御手段は、さらに外気の温度を加味して前記対吸気量判定値を設定することを要旨としている。
こうした構成を採用することによっても、請求項4に記載の発明の作用効果に準じた作用効果が奏せられるようになる。
<請求項8>
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、前記循環回路は、前記エンジンを介することなく前記気化器と前記断熱容器との間で前記熱媒体を循環させる第1循環回路と、前記エンジンを介して且つ前記気化器を介することなく前記熱媒体を循環させる第2循環回路と、前記エンジンと前記気化器との間で前記熱媒体を循環させる第3循環回路とを含めて構成されるものであり、前記制御手段は、前記第1循環回路を通じて前記熱媒体を循環させた後に前記循環回路を前記第1循環回路から前記第2循環回路へ切り替えることで前記気化器内へ前記熱媒体を封じ込め、前記循環回路を前記第2循環回路から前記第3循環回路へ切り替えることで前記熱媒体の封じ込めを解除するものであることを要旨としている。
上記構成においては、エンジンの始動に先立ち、第1循環回路を通じて熱媒体の循環が行われることにより、断熱容器内の高温の熱媒体が気化器内へ供給される。そして、循環回路が第1循環回路から第2循環回路へ切り替えられることにより、気化器内に高温の熱媒体が封じ込められる。また、エンジンの始動後、気化器内に封じ込められている熱媒体では燃料の気化を十分に行うことが困難となったとき、循環回路が第2循環回路から第3循環回路へ切り替えられることで熱媒体の封じ込めが解除される。
<請求項9>
請求項9に記載の発明は、インジェクタを通じて燃料の供給を行う液化ガスエンジンの燃料供給装置であって、液化ガス燃料を気化して前記インジェクタへ供給する気化器と、エンジンにより加熱された熱媒体を貯留する断熱容器と、前記エンジンを介することなく前記断熱容器と前記気化器との間で前記熱媒体を循環させる第1循環回路と、前記エンジンを介して且つ前記気化器を介することなく前記熱媒体を循環させる第2循環回路と、前記エンジンと前記気化器との間で前記熱媒体を循環させる第3循環回路とを備え、前記エンジンの始動準備動作が検出されたことに基づいて、前記第1循環回路を通じての前記熱媒体の循環を開始し、前記断熱容器内に貯留されている高温の熱媒体が前記気化器内へ供給されたことに基づいて、前記熱媒体の循環回路を第1循環回路から前記第2循環回路へ切り替えるとともに前記エンジンの始動を許可し、前記エンジンの始動後、前記エンジンが始動してから現在までに前記インジェクタを通じて噴射された燃料の累積量を算出し、前記燃料の累積量が対噴射量判定値以上となったことに基づいて、前記熱媒体の循環回路を前記第2循環回路から前記第3循環回路へ切り替えることを要旨としている。
<請求項10>
請求項10に記載の発明は、キャブレターを通じて燃料の供給を行う液化ガスエンジンの燃料供給装置であって、液化ガス燃料を気化して前記キャブレターへ供給する気化器と、エンジンにより加熱された熱媒体を貯留する断熱容器と、前記エンジンを介することなく前記断熱容器と前記気化器との間で前記熱媒体を循環させる第1循環回路と、前記エンジンを介して且つ前記気化器を介することなく前記熱媒体を循環させる第2循環回路と、前記エンジンと前記気化器との間で前記熱媒体を循環させる第3循環回路とを備え、前記エンジンの始動準備動作が検出されたことに基づいて、前記第1循環回路を通じての前記熱媒体の循環を開始し、前記断熱容器内に貯留されている高温の熱媒体が前記気化器内へ供給されたことに基づいて、前記熱媒体の循環回路を第1循環回路から前記第2循環回路へ切り替えるとともに前記エンジンの始動を許可し、前記エンジンの始動後、前記エンジンが始動してから現在までに前記エンジン内へ吸入された空気の累積量を算出し、前記空気の累積量が対吸気量判定値以上となったことに基づいて、前記熱媒体の循環回路を前記第2循環回路から前記第3循環回路へ切り替えることを要旨としている。
請求項9及び10に記載の発明によれば、エンジンの始動に先立ち断熱容器内の高温の熱媒体が気化器内に封じ込められるため、エンジンの始動時、そうした熱媒体により燃料の気化促進が図られるようになる。なお、断熱容器内には、前回のエンジンの運転時に供給された高温の熱媒体が保温された状態で貯留されている。
また、エンジンの燃料噴射量(吸入空気量)の累積量に基づいて熱媒体の封じ込めが解除されるため、封じ込めた熱媒体では燃料の気化促進を十分に行うことが困難となったとき、エンジンで加熱された熱媒体が気化器へ供給されることにより、燃料が十分に気化される状態が好適に維持されるようになる。
このように、上記構成によれば、エンジンの始動時においても気化器による燃料の気化を適切に行うことができるようになる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。
本実施形態では、液化石油ガス(LPG)を使用する液化ガスエンジンの燃料供給装置として本発明を具体化している。
<装置全体の構成>
図1に、液化ガスエンジンの燃料供給装置の構成を示す。
液化ガス燃料供給装置1は、燃料をエンジン9へ供給するための燃料噴射機構3とエンジン9の冷却水(熱媒体)を循環させるための冷却水循環機構5とを備えて構成されている。エンジン9及び液化ガス燃料供給装置1は、電子制御装置Eを通じて制御される。なお、制御手段は、電子制御装置Eを備えて構成される。
<燃料噴射機構の構成>
燃料噴射機構3は、以下の各要素を備えて構成されている。
燃料タンク31は、密閉状態で燃料を貯留する。なお、燃料タンク31内には、液相状態の燃料と気相状態の燃料とが存在している。
燃料ポンプ32は、燃料タンク31内の液相燃料をくみ上げてレギュレータ33(気化器)側へ吐出する。
第1燃料通路P1は、燃料ポンプ32とレギュレータ33とをつなげている。
燃料通路開閉弁34は、第1燃料通路P1の開放・閉鎖を切り替える。
レギュレータ33は、燃料ポンプ32を通じて供給された液相状態の燃料を調圧して気化する。レギュレータ33には、燃料を気化させるための燃料室33Aと冷却水を貯留するための冷却水室33Bとが設けられている。
第2燃料通路P2は、レギュレータ33とデリバリパイプ35とをつなげている。
デリバリパイプ35は、各インジェクタ36へ燃料を分配する。
インジェクタ36は、気相状態の燃料をエンジン9の燃焼室へ供給する。
<冷却水循環機構の構成>
冷却水循環機構5は、内部に貯留した冷却水を保温する断熱容器51、冷却水を循環させる電動ポンプ52、冷却水の流通経路を切り替える三方弁53、及び冷却水の流通経路の一部を開閉する冷却水通路開閉弁54を備えて構成されている。
冷却水循環機構5においては、以下の各冷却水通路を通じて冷却水の循環回路が形成されている。
第1冷却水通路R1は、電動ポンプ52の吐出ポートと断熱容器51とをつなげている。
第2冷却水通路R2は、断熱容器51と三方弁53の第1ポート53Aとをつなげている。
第3冷却水通路R3は、三方弁53の第2ポート53Bとレギュレータ33の冷却水室33Bの入口とをつなげている。
第4冷却水通路R4は、レギュレータ33の冷却水室33Bの出口と第5冷却水通路R5及び第6冷却水通路R6とをつなげている。
第5冷却水通路R5は、第4冷却水通路R4及び第6冷却水通路R6と電動ポンプ52の吸入ポートとをつなげている。
第6冷却水通路R6は、エンジン9のウォーターポンプ91の吸入ポートと第4冷却水通路R4及び第5冷却水通路R5とをつなげている。
第7冷却水通路R7は、三方弁53の第3ポート53Cとエンジン9内部に形成された冷却水通路とをつなげている。なお、エンジン9内部に形成された冷却水通路には、ラジエータに連通されるウォータジャケット等が含まれている。
冷却水の循環回路に設けられた各要素の機能について説明する。
電動ポンプ52は、駆動中にエンジン9側の冷却水を断熱容器51へ向けて吐出する。一方で、停止中は冷却水の吐出を行わないものの、第1冷却水通路R1と第5冷却水通路R5との間における冷却水の流通を許容する。
三方弁53は、以下に示す「第1開閉状態」「第2開閉状態」「第3開閉状態」及び「第4開閉状態」のいずれかに切り替えることができる。
[A]第1開閉状態では、第2冷却水通路R2と第3冷却水通路R3との間で冷却水を流通させる一方で、これら各冷却水通路R2,R3と第7冷却水通路R7との間で冷却水を流通させない。
[B]第2開閉状態では、第2冷却水通路R2と第7冷却水通路R7との間で冷却水を流通させる一方で、これら各冷却水通路R2,R7と第3冷却水通路R3との間で冷却水を流通させない。
[C]第3開閉状態では、第7冷却水通路R7と第3冷却水通路R3との間で冷却水を流通させる一方で、これら各冷却水通路R7,R3と第2冷却水通路R2との間で冷却水を流通させない。
[D]第4開閉状態では、第2冷却水通路R2と第3冷却水通路R3と第7冷却水通路R7との間で冷却水を流通させる。
冷却水通路開閉弁54は、開弁状態のとき、第4冷却水通路R4を開放する。一方で、閉弁状態のとき、第4冷却水通路R4を閉鎖する。
エンジン9のウォーターポンプ91は、エンジン9とラジエータとの間で冷却水を循環させる。また、冷却水循環機構5内においても冷却水を循環させる。なお、ウォーターポンプ91は、エンジン9の運転中のみ冷却水の循環を行うことができる。
電子制御装置Eは、エンジン9の運転状況等に基づいて、電動ポンプ52の駆動状態や三方弁53及び冷却水通路開閉弁54の開閉状態を制御する。
電子制御装置Eは、エンジン制御にかかる演算処理を実行するCPU、エンジン制御に必要なプログラムや情報の記憶するためのメモリ、外部との信号の入出力を行うための入力ポート及び出力ポートを備えて構成される。
電子制御装置Eの入力ポートには、エンジン9の運転状況を検出する以下の各種センサが接続されている。
エンジン水温センサE1は、エンジン9内部の冷却水通路に設けられて、同冷却水通路を流通する冷却水の温度(エンジン冷却水温度TWE)を検出する。
レギュレータ水温センサE2は、レギュレータ33の冷却水室33B内に設けられて、同冷却水室33B内の冷却水の温度(レギュレータ冷却水温度TWR)を検出する。
電子制御装置Eの出力ポートには、電動ポンプ52、三方弁53、冷却水通路開閉弁54及びインジェクタ36等が接続されている。電子制御装置Eは、エンジン9の運転状態に基づいてインジェクタ36の開弁時間を制御することにより、インジェクタ36からの燃料噴射量を調整する。
<冷却水循環機構の循環形態>
冷却水循環機構5は、三方弁53の開閉状態に応じて冷却水の循環形態が図2〜図5に示すように切り替えられる。各図においては、冷却水の流れが生じている経路を実線にて、冷却水の流れが生じていない経路を破線にてそれぞれ示している。また、各経路上の矢印は、冷却水の循環方向を示している。
以降では、各図に示す循環形態を次のように称する。
・図2の循環形態を第1循環形態とする。
・図3の循環形態を第2循環形態とする。
・図4の循環形態を第3循環形態とする。
・図5の循環形態を第4循環形態とする。
〔1〕「第1循環形態」
図2に示すように、第1循環形態では、エンジン9内部を介することなくレギュレータ33と断熱容器51との間で冷却水が循環する。この循環形態では、電動ポンプ52、第1冷却水通路R1、断熱容器51、第2冷却水通路R2、三方弁53、第3冷却水通路R3、レギュレータ33、第4冷却水通路R4、及び第5冷却水通路R5により冷却水の循環回路が構成されている。以降では、この循環回路を第1循環回路とする。
第1循環形態において、三方弁53及び冷却水通路開閉弁54は、次のような開閉状態に維持される。
・三方弁53は、第1開閉状態に維持される。
・冷却水通路開閉弁54は開弁した状態に維持される。
また、電動ポンプ52及びウォーターポンプ91は、次のような駆動状態に維持される。
・電動ポンプ52は、駆動した状態に維持される。
・ウォーターポンプ91は、停止した状態に維持される。
即ち、第1循環形態では、電動ポンプ52を通じて冷却水の流れが形成される。従って、冷却水は、図2において矢印で示す方向へ循環するようになる。
〔2〕「第2循環形態」
図3に示すように、第2循環形態では、レギュレータ33を介することなく断熱容器51とエンジン9内部との間で冷却水が循環する。この循環形態では、ウォーターポンプ91、エンジン9内部の冷却水通路、第7冷却水通路R7、三方弁53、第2冷却水通路R2、断熱容器51、第1冷却水通路R1、電動ポンプ52、第5冷却水通路R5、及び第6冷却水通路R6により冷却水の循環回路が形成されている。以降では、この循環回路を第2循環回路とする。
第2循環形態において、三方弁53及び冷却水通路開閉弁54は、次のような開閉状態に維持される。
・三方弁53は、第2開閉状態に維持される。
・冷却水通路開閉弁54は、閉弁した状態に維持される。
また、電動ポンプ52及びウォーターポンプ91は、次のような駆動状態に維持される。
・電動ポンプ52は、停止した状態に維持される。
・ウォーターポンプ91は、駆動した状態に維持される。
即ち、第2循環形態では、ウォーターポンプ91を通じて冷却水の流れが形成される。従って、冷却水は、図3において矢印で示す方向へ循環するようになる。
〔3〕「第3循環形態」
図4に示すように、第3循環形態では、断熱容器51を介することなくエンジン9内部とレギュレータ33との間で冷却水が循環する。この循環形態では、ウォーターポンプ91、エンジン9内部の冷却水通路、第7冷却水通路R7、三方弁53、第3冷却水通路R3、レギュレータ33、第4冷却水通路R4、及び第6冷却水通路R6により冷却水の循環回路が形成されている。以降では、この循環回路を第3循環回路とする。
第3循環形態において、三方弁53及び冷却水通路開閉弁54は、次のような開閉状態に維持される。
・三方弁53は、第3開閉状態に維持される。
・冷却水通路開閉弁54は、開弁した状態に維持される。
また、電動ポンプ52及びウォーターポンプ91は、次のような駆動状態に維持される。
・電動ポンプ52は、停止した状態に維持される。
・ウォーターポンプ91は、駆動した状態に維持される。
即ち、第3循環形態では、ウォーターポンプ91を通じて冷却水の流れが形成される。従って、冷却水は、図4において矢印で示す方向へ循環するようになる。
〔4〕「第4循環形態」
図5に示すように、第4循環形態では、エンジン9内部とレギュレータ33と断熱容器51との間で冷却水が循環する。即ち、第2循環形態での冷却水の循環と第3循環形態での冷却水の循環とが同時に形成された状態に相当する。
この循環形態では、ウォーターポンプ91、第7冷却水通路R7、三方弁53、第3冷却水通路R3、レギュレータ33、第4冷却水通路R4、及び第6冷却水通路R6により第3循環回路が形成されている。また、ウォーターポンプ91、第7冷却水通路R7、三方弁53、第2冷却水通路R2、断熱容器51、第1冷却水通路R1、電動ポンプ52、第5冷却水通路R5、及び第6冷却水通路R6により第2循環回路が形成されている。以降では、第2循環回路と第3循環回路とが同時に形成された循環回路を第4循環回路とする。
第4循環形態において、三方弁53及び冷却水通路開閉弁54は、次のような開閉状態に維持される。
・三方弁53は、第4開閉状態に維持される。
・冷却水通路開閉弁54は、第4開閉状態に維持される。
また、電動ポンプ52及びウォーターポンプ91は、次のような駆動状態に維持される。
・電動ポンプ52は、停止した状態に維持される。
・ウォーターポンプ91は、駆動した状態に維持される。
即ち、第4循環形態では、ウォーターポンプ91を通じて冷却水の流れが形成される。従って、冷却水は、図5において矢印で示す方向へ循環するようになる。
<冷却水循環形態の切替態様>
電子制御装置Eは、以下に示す各条件に基づいて冷却水循環機構5の循環形態の切り替えを行う。
〔1〕「第1循環形態への切り替え」
電子制御装置Eは、エンジン9の始動準備動作が検出されたことに基づいて、冷却水循環機構5の循環形態を第1循環形態へ切り替える。即ち、エンジン9の始動準備動作が検出されたことに基づいて、冷却水の循環回路が予め選択されていた循環回路から第1循環回路に切り替えられる。なお、エンジン9の始動準備動作は、エンジン9の始動までに運転者を通じて車両に対して行われる操作を示す。
これにより、前回のエンジン9の運転時に断熱容器51内へ貯留された高温の冷却水が断熱容器51からレギュレータ33に供給されるとともに、レギュレータ33内に滞留していた低温の冷却水がレギュレータ33から押し出されるようになる。
また、電子制御装置Eは、冷却水循環機構5を第1循環形態で駆動しているときに、運転者の操作によりイグニッションスイッチが「START」へ切り替えられたことを検出した場合、エンジン9の始動を保留する。そして、断熱容器51内に貯留されていた高温の冷却水がレギュレータ33の冷却水室33B内へ十分に供給されたことに基づいて、エンジン9の始動を許可する。
これにより、レギュレータ33に高温の冷却水が供給される前にエンジン9が始動されるといった事態が回避されるようになる。なお、エンジン9の始動を保留している間は、例えば、表示灯などを通じて始動待機中であることを運転者へ案内することで、エンジン9が正常な状態にあることを運転者に認識させることができる。
〔2〕「第2循環形態への切り替え」
電子制御装置Eは、第1循環形態において、断熱容器51内に貯留されていた高温の冷却水がレギュレータ33の冷却水室33B内へ十分に供給された後、エンジン9の始動にともなって(または始動直後に)冷却水循環機構5の循環形態を第1循環形態から第2循環形態へ切り替える。なお、冷却水の循環回路は、断熱容器51内に貯留されていた高温の冷却水がレギュレータ33の冷却水室33B内へ十分に供給されたことに基づいて、第1循環回路から第2循環回路へ切り替えられる。
これにより、エンジン9の始動に先立ち、断熱容器51内に貯留されていた高温の冷却水がレギュレータ33内に封じ込められるため、エンジン9の始動時にこの冷却水の熱を通じて燃料の気化の促進が図られるようになる。また、レギュレータ33内への冷却水の封じ込めを通じて、高温の冷却水がレギュレータ33を通過してしまうような事態が回避されるため、高温の冷却水がレギュレータ33に対して効率的に供給されるようになる。
〔3〕「第3循環形態への切り替え」
電子制御装置Eは、第2循環形態において、レギュレータ33内に封じ込めた冷却水では燃料を十分に気化することができない状態となったことに基づいて、冷却水循環機構5の循環形態を第3循環形態へ切り替える。即ち、レギュレータ33内に封じ込めた冷却水では燃料を十分に気化することができない状態となったことに基づいて、冷却水の循環回路が第2循環回路から第3循環回路へ切り替えられる。
これにより、レギュレータ33内への冷却水の封じ込めが解除されるとともに、エンジン9内部で加熱された冷却水がレギュレータ33へ供給されるため、燃料を十分に気化することのできる状態が好適に維持されるようになる。
〔4〕「第4循環形態への切り替え」
電子制御装置Eは、第3循環形態(または第2循環形態)において、冷却水が次回のエンジン9始動に際して燃料の気化促進を図ることのできる状態となったことに基づいて、冷却水循環機構5の循環形態を第4循環形態へ切り替える。即ち、冷却水が次回のエンジン9始動に際して燃料の気化促進を図ることのできる状態となったことに基づいて、冷却水の循環回路が第3循環回路から第4循環回路へ切り替えられる。
これにより、エンジン9で加熱された冷却水がレギュレータ33及び断熱容器51へ供給されるため、次回のエンジン9始動時において燃料の気化促進を図ることのできる状態が確保されるようになる。
<冷却水の封じ込めの解除>
液化ガス燃料供給装置1においては、循環形態を第2循環形態から第3循環形態へ切り替えることによる冷却水の封じ込めの解除が適切に行われなかった場合、レギュレータ33の気化性能の低下により燃料の気化が十分に行われなくなる。
そこで、本実施形態では、レギュレータ33内へ冷却水を封じ込めた後にレギュレータ33を通じて気化された燃料の累積量に基づいて、冷却水の封じ込めを解除することにより上記問題の解消を図るようにしている。
ちなみに、レギュレータ33内で燃料が気化されたとき、燃料の気化潜熱によりレギュレータ33内の冷却水の熱エネルギーが消費されるため、レギュレータ33内の冷却水が有する熱エネルギーはレギュレータ33を通じて気化された燃料の累積量が大きくなるほど小さくなる。従って、レギュレータ33において気化した燃料の累積量を通じて、レギュレータ33内に封じ込められた冷却水が燃料を十分に気化することのできる熱エネルギーを有しているか否かを推定することができる。
上記冷却水の封じ込めの解除について、具体的には、レギュレータ33を通じて気化された燃料の累積量の指標値として燃料噴射量の累積量を用いるとともに、この累積量と対噴射量判定値との比較結果に基づいて第2循環形態から第3循環形態への切り替えを行う。即ち、エンジン9の始動後にインジェクタ36を通じて噴射された燃料の累積量(燃料噴射量積算値Fsum)を算出し、この燃料噴射量積算値Fsumが判定噴射量積算値FsumX(対噴射量判定値)以上となったことに基づいて、冷却水の封じ込めを解除する。
上記判定噴射量積算値FsumXは、レギュレータ33内に封じ込められている冷却水が燃料の気化を十分に行うことのできる熱エネルギーを有しているか否かを判定するための値として設定される。燃料噴射量積算値Fsumが判定噴射量積算値FsumX未満のときは、レギュレータ33内の冷却水の有する熱エネルギーにより燃料の気化を十分に行うことができる状態にある。反対に、燃料噴射量積算値Fsumが判定噴射量積算値FsumX以上のときは、レギュレータ33内の冷却水の有する熱エネルギーでは燃料の気化を十分に行うことができない状態にある。
これにより、レギュレータ33内へ封じ込めた冷却水では燃料の気化促進を図ることができなくなったとき、エンジン9で加熱された冷却水が速やかにレギュレータ33へ供給されるようになるため、燃料が十分に気化される状態を好適に維持することができるようになる。
<循環機構制御処理>
本実施形態では、「循環機構制御処理」を通じて冷却水循環機構5の駆動態様が制御される。なお、本処理は、電子制御装置Eを通じて実行される。
「循環機構制御処理」は、次の各処理を含めて構成されている。
・「始動前切替処理」 (図6)
・「判定値設定処理」 (図7)
・「運転時切替処理[1]」(図9)
・「運転時切替処理[2]」(図10)
以下、これら各処理について説明する。なお、本実施形態では、「始動前切替処理」→「判定値設定処理」→「運転時切替処理[1]」→「運転時切替処理[2]」の順に上記各処理が実行される。
<始動前切替処理>
図6に、「始動前切替処理」の処理手順を示す。なお、電子制御装置Eは、エンジン9の始動前に本処理を開始する。
[ステップS110]エンジン9の始動準備動作が行われたか否かを判定する。
本実施形態では、運転者の操作を通じてイグニッションスイッチが「OFF」から「ON」へ切り替えられたことをもって、エンジン9の始動準備動作を検出するようにしている。
・エンジン9の始動準備動作を検出したとき(イグニッションスイッチが「OFF」から「ON」へ切り替えられたとき)、ステップS120の処理へ移行する。
・エンジン9の始動準備動作を検出していないとき、再度ステップS110の処理を実行する。
[ステップS120]冷却水循環機構5を第1循環形態(図2)で駆動する。
[ステップS130]断熱容器51内に貯留されている高温の冷却水がレギュレータ33の冷却水室33B内へ十分に供給されたか否かを判定する。
本実施形態では、冷却水循環機構5が第1循環形態を通じて駆動された期間(第1形態駆動期間TD)、即ち第1循環回路を通じての冷却水の循環期間が判定期間TDX以上であることをもって、高温の冷却水がレギュレータ33内へ十分に供給されたことを検出するようにしている。
・レギュレータ33内に高温の冷却水が十分に供給されたとき(第1形態駆動期間TDが判定期間TDX以上のとき)、ステップS140の処理へ移行する。
・レギュレータ33内に高温の冷却水が十分に供給されていないとき、再度ステップS130の処理を実行する。
[ステップS140]冷却水循環機構5の循環形態を第1循環形態(図2)から第2循環形態(図3)へ切り替える。
[ステップS150]「判定値設定処理」(図7)を開始して本処理を終了する。
このように、「始動前切替処理」では、エンジン9の始動準備動作に基づいて、断熱容器51内に貯留されている高温の冷却水をレギュレータ33の冷却水室33B内へ供給する。そして、レギュレータ33内に高温の冷却水が十分に供給されたことに基づいて、冷却水循環機構5の循環形態を第1循環形態から第2循環形態へ切り替えることで、レギュレータ33内に高温の冷却水を封じ込める。
<判定値設定処理>
図7に、「判定値設定処理」の処理手順を示す。
[ステップS210]レギュレータ33内への冷却水の封じ込めが完了した直後(第1循環形態から第2循環形態へ切り替えられた直後)において、レギュレータ水温センサE2を通じて検出されたレギュレータ冷却水温度TWRの温度を読み込む。なお、以降では、このときのレギュレータ冷却水温度TWRを初期冷却水温度TWRINとする。
[ステップS220]初期冷却水温度TWRINを判定噴射量積算値マップ(図8)に適用して、判定噴射量積算値FsumXを設定する。なお、初期冷却水温度TWRINと判定噴射量積算値FsumXとの関係は、試験等を通じて予め設定される。
[ステップS230]「運転時切替処理[1]」(図9)を開始して本処理を終了する。
このように、「判定値設定処理」では、初期冷却水温度TWRINに基づいて判定噴射量積算値FsumXを設定する。
<運転時切替処理[1]>
図9に、「運転時切替処理[1]」の処理手順を示す。
[ステップS310]エンジン9が始動してから現在までにインジェクタ36を通じて噴射された燃料の累積量(燃料噴射量積算値Fsum)を算出する。なお、燃料噴射量積算値Fsumは、前回までに算出された燃料噴射量積算値Fsumに今回の燃料噴射量が加算されることにより算出される。また、本実施形態では、インジェクタ36を通じて燃料噴射が行われる毎に燃料噴射量積算値Fsumが更新される。
[ステップS320]燃料噴射量積算値Fsumが判定噴射量積算値FsumX以上か否かを判定する。
・燃料噴射量積算値Fsumが判定噴射量積算値FsumX未満のとき、再度ステップS310の処理を実行する。
・燃料噴射量積算値Fsumが判定噴射量積算値FsumX以上のとき、ステップS330の処理へ移行する。
電子制御装置Eは、燃料噴射量積算値Fsumが判定噴射量積算値FsumX以上のとき、レギュレータ33内の冷却水の有する熱エネルギーでは燃料の気化を十分に行うことができないと判定する。反対に、燃料噴射量積算値Fsumが判定噴射量積算値FsumX未満のとき、レギュレータ33内の冷却水の有する熱エネルギーにより燃料の気化を十分に行うことができると判定する。
[ステップS330]冷却水循環機構5の循環形態を第2循環形態(図3)から第3循環形態(図4)へ切り替える。
[ステップS340]「運転時切替処理[2]」(図10)を開始して本処理を終了する。
このように、「運転時切替処理[1]」では、燃料噴射量積算値Fsumが判定噴射量積算値FsumX以上であることに基づいて冷却水循環機構5の循環形態を第2循環形態から第3循環形態へ切り替えることにより、冷却水の封じ込めを解除して、エンジン9内部で加熱された冷却水をレギュレータ33へ供給する。
<運転時切替処理[2]>
図10に、「運転時切替処理[2]」の処理手順を示す。
[ステップS410]エンジン9内部の冷却水が次回のエンジン9始動時において燃料の気化促進を図ることのできる状態(対始動高温状態)にあるか否かを判定する。
本実施形態では、エンジン水温センサE1を通じて検出されたエンジン冷却水温度TWEが判定冷却水温度TWEX以上であることをもって、冷却水が上記対始動高温状態にあることを検出するようにしている。
・エンジン9内部の冷却水が対始動高温状態にあるとき(エンジン冷却水温度TWEが判定冷却水温度TWEX以上のとき)、ステップS420の処理へ移行する。
・エンジン9内部の冷却水が対始動高温状態にないとき、再度ステップS410の処理を実行する。
[ステップS420]冷却水循環機構5の循環形態を第3循環形態(図4)から第4循環形態(図5)へ切り替える。
このように、「運転時切替処理[2]」では、エンジン9内部の冷却水が対始動高温状態状態にあることに基づいて、冷却水循環機構5の循環形態を第3循環形態から第4循環形態へ切り替えることで、高温の冷却水を断熱容器51へ供給する。
<冷却水循環機構の制御態様の一例>
図11を参照して、冷却水循環機構5の制御態様について説明する。なお、図11は、冷却水循環機構5の制御態様の一例を示す。
図11において、各時刻t111〜t114はそれぞれ次のタイミングを示す。
・時刻t111は、運転者の操作によりイグニッションスイッチが「OFF」から「ON」へ切り替えられた時刻を示す。
・時刻t112は、レギュレータ33内への冷却水の封じ込めが完了した時刻を示す。
・時刻t113は、燃料噴射量積算値Fsumが判定噴射量積算値FsumX以上となった時刻を示す。
・時刻t114は、エンジン冷却水温度TWEが判定冷却水温度TWEX以上となった時刻を示す。
電子制御装置Eは、イグニッションスイッチが「OFF」から「ON」へ切り替えられたことを検出したとき(時刻t111)、第1循環形態を通じての冷却水循環機構5の駆動を開始する。
このとき、断熱容器51内に貯留されていた高温の冷却水がレギュレータ33の冷却水室33B内へ供給されるようになる。また、供給された冷却水よりも温度の低いレギュレータ33内の冷却水がレギュレータ33の外へ押し出されるようになる。
電子制御装置Eは、レギュレータ33内への冷却水の封じ込めが完了したことを検出したとき(第1形態駆動期間TDが判定期間TDX以上となったとき(時刻t112))、冷却水循環機構5の循環形態を第1循環形態から第2循環形態へ切り替えるとともに、エンジン9の始動を許可する。また、燃料噴射量積算値Fsumの算出を開始する。
このとき、レギュレータ33に供給された高温の冷却水がレギュレータ33内に封じ込められる。これにより、高温の冷却水を通じて燃料の気化促進が図られるようになる。
電子制御装置Eは、燃料噴射量積算値Fsumが判定噴射量積算値FsumX以上となったとき(時刻t113)、冷却水循環機構5の循環形態を第2循環形態から第3循環形態へ切り替える。また、燃料噴射量積算値Fsumの算出を終了する。
このとき、レギュレータ33内の冷却水よりも高温となったエンジン9内部の冷却水がレギュレータ33へ供給される。これにより、レギュレータ33において燃料が十分に気化される状態が維持されるようになる。
電子制御装置Eは、エンジン冷却水温度TWEが判定冷却水温度TWEX以上となったとき(時刻t114)、冷却水循環機構5の循環形態を第3循環形態から第4循環形態へ切り替える。
このとき、エンジン9内部の高温の冷却水が断熱容器51へ供給される。これにより、次回のエンジン9の始動時に、断熱容器51内に貯留された高温の冷却水を通じてレギュレータ33の気化性能を確保することができるようになる。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第1実施形態にかかる液化ガスエンジンの燃料供給装置によれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)本実施形態の液化ガス燃料供給装置1では、エンジン9の始動に先立ち(始動準備動作が検出されたとき)、断熱容器51内に貯留されている高温の冷却水をレギュレータ33内へ封じ込めるようにしている。これにより、エンジン9の始動時(特に冷間始動時)、封じ込められた冷却水を通じて燃料を十分に気化させることができるようになる。
(2)本実施形態の液化ガス燃料供給装置1では、燃料噴射量積算値Fsumと判定噴射量積算値FsumXとの比較結果に基づいて第2循環形態から第3循環形態への切り替えを行うようにしている。これにより、レギュレータ33内へ封じ込めた冷却水を通じて燃料の気化促進を図ることができなくなったとき、エンジン9で加熱された冷却水が速やかにレギュレータ33へ供給されるようになるため、燃料が十分に気化される状態を好適に維持することができるようになる。
(3)本実施形態の液化ガス燃料供給装置1では、循環形態が第1循環形態から第2循環形態へ切り替えられた直後のレギュレータ冷却水温度TWR(初期冷却水温度TWRIN)に基づいて判定噴射量積算値FsumXを設定するようにしている。
ちなみに、レギュレータ33内に冷却水が封じ込められた直後は、燃料の気化潜熱による冷却水の熱エネルギーの消費が生じていないため、初期冷却水温度TWRINをレギュレータ33内の冷却水の有する熱エネルギーの指標値として採用することができる。
従って、上記態様をもって判定噴射量積算値FsumXを設定することで、第2循環形態から第3循環形態への切り替えをより的確に行うことができるようになる。
(4)また、レギュレータ33内に封じ込められた冷却水の熱エネルギーを限界まで利用して燃料の気化促進を図ることが可能となるため、少量の冷却水を通じてレギュレータ33の気化性能の低下を回避することができるようになる。さらには、より容量の小さい断熱容器51を採用することで、装置の小型化に貢献することができるようになる。
(5)冷却水の封じ込めを解除するための方法(第2循環形態から第3循環形態への切り替え方法)として、本発明にかかる方法とは別に、次のような方法も考えられる。即ち、レギュレータ水温センサE2の検出値(レギュレータ冷却水温度TWR)が予め設定された判定値を下回ったことに基づいて、第2循環形態から第3循環形態へ切り替えることもできる。
なお、上記判定値は、レギュレータ33内の冷却水が燃料の気化を十分に行うことをできる状態にあるか否かを判定するための値として予め設定される。レギュレータ冷却水温度TWRが判定値以上とのきは、レギュレータ33内の冷却水が燃料の気化を十分に行うことのできる熱エネルギーを有していると判定される。反対に、レギュレータ冷却水温度TWRが判定値未満のときは、レギュレータ33内の冷却水が燃料の気化を十分に行うことのできる熱エネルギーを有していないと判定される。
ところで、レギュレータ33において燃料が気化したとき、燃料室33Aに近い冷却水ほどより多くの熱エネルギーが奪われるため、冷却水室33B内の温度分布は不均一となる。従って、レギュレータ33を通じて燃料の気化が行われているときは、レギュレータ水温センサE2によるレギュレータ冷却水温度TWRとレギュレータ33内の冷却水が有する熱エネルギーの大きさとの相関度合いが小さい。ちなみに、燃料の気化が行われているときにレギュレータ水温センサE2を通じて示されるレギュレータ冷却水温度TWRは、レギュレータ水温センサE2の取り付け位置により異なる値を示す。
このため、上述のようにレギュレータ水温センサE2の検出値に基づいて冷却水循環機構5の循環形態の切り替えを行う場合、次のようなことが問題となる。
即ち、実際にはレギュレータ33内の冷却水が燃料の気化を十分に行うための熱エネルギーを有していないにもかかわらず、レギュレータ冷却水温度TWRが判定値以上であることに基づいて、第2循環形態から第3循環形態への切り替えが行われないこともある。この場合、十分な熱エネルギーを有していない冷却水がレギュレータ33内に封じ込められた状態が継続されることにより、レギュレータ33の気化能力の低下をまねくようになる。
また、これとは反対に、実際にはレギュレータ33内の冷却水が燃料の気化を十分に行うことのできる熱エネルギーを有しているにもかかわらず、レギュレータ冷却水温度TWRが判定値未満であることに基づいて、第2循環形態から第3循環形態への切り替えが行われることもある。この場合、エンジン9内部で十分に加熱されていない冷却水がレギュレータ33内へ供給されるとともに、高温の冷却水がレギュレータ33から押し出されることにより、レギュレータ33の気化能力の不足をまねくことも考えられる。
この点、本実施形態の液化ガス燃料供給装置1では、レギュレータ33で気化された燃料の累積量の指標値として燃料噴射量積算値Fsumを用いるとともに、この燃料噴射量積算値Fsumと判定噴射量積算値FsumXとの比較結果に基づいて、レギュレータ33内の冷却水が燃料の気化を十分に行うことのできる熱エネルギーを有しているか否かを判定するようにしているため、第2循環形態から第3循環形態への切り替え(冷却水の封じ込めの解除)を適切に行うことができるようになる。
(6)冷却水の封じ込めを解除するための方法(第2循環形態から第3循環形態への切り替え方法)として、上述したレギュレータ冷却水温度TWRに基づく方法の他に、次のような方法も考えられる。即ち、第2循環形態へ切り替えてからの経過時間が一定時間以上となったことに基づいて、第3循環形態へ切り替える(冷却水の封じ込めを解除する)こともできる。
レギュレータ33を通じて気化される燃料の量は、エンジン9の運転状態に応じて異なるため、上記方法を採用した場合には、次のようなことが問題となる。
即ち、上記一定時間がエンジン9の高負荷運転に対応するように設定されている場合において、エンジン9始動時に低負荷運転が行われたとすると、レギュレータ33内の冷却水が十分な熱エネルギーを有しているにもかかわらず、第2循環形態へ切り替えてからの経過時間が上記一定時間以上となったことに基づいて冷却水の封じ込めが解除されることもある。
このとき、エンジン9が低負荷で運転されていることにより、十分に加熱されていないエンジン9内部の冷却水(レギュレータ33内の冷却水よりも低温の冷却水)がレギュレータ33へ供給されることにより、レギュレータ33の気化性能の低下をまねくようになる。
また、上記一定時間がエンジン9の低負荷運転に対応するように設定されている場合において、エンジン9始動時に高負荷運転が行われたとすると、レギュレータ33内の冷却水の熱エネルギーが不足しているにもかかわらず、第2循環形態へ切り替えてからの経過時間が上記一定時間未満であることに基づいて冷却水の封じ込めが継続されることもある。
このとき、燃料を気化するための十分な熱エネルギーを有していない冷却水がレギュレータ33内に滞留し続けることにより、レギュレータ33の気化性能の低下をまねくようになる。
本実施形態の液化ガス燃料供給装置1では、先に述べたように、燃料噴射量積算値Fsumと判定噴射量積算値FsumXとの比較結果に基づいて第2循環形態から第3循環形態への切り替え(冷却水の封じ込めの解除)を行うようにしているため、上記切り替え方法における懸念を解消することができるようになる。
<変更例>
なお、上記第1実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第1実施形態では、図8の判定噴射量積算値算出マップを通じて判定噴射量積算値FsumXを算出する構成としたが、判定噴射量積算値算出マップにおける初期冷却水温度TWRINと判定噴射量積算値FsumXとの関係は例示した関係に限られるものではない。要するに、試験結果等に基づいて設定されて、初期冷却水温度TWRINが大きくなるほど判定噴射量積算値FsumXが大きくなる関係を有する判定噴射量積算値算出マップであれば、適宜の算出マップを採用することができる。
・上記第1実施形態では、初期冷却水温度TWRINに基づいて判定噴射量積算値FsumXを設定する構成としたが、次のように変更することもできる。即ち、初期冷却水温度TWRIN及び外気の温度に基づいて判定噴射量積算値FsumXを設定することもできる。ちなみに、レギュレータ33内に封じ込められた冷却水は、燃料の気化潜熱だけでなく外気によっても冷却される。従って、上記態様をもって判定噴射量積算値FsumXを設定することで、冷却水の封じ込めの解除をより的確に行うことができるようになる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について、図12〜図14を参照して説明する。
本実施形態では、キャブレターを通じてエンジン9の燃焼室へ燃料を供給する燃料供給装置(ミキサー方式の燃料供給装置)に対して本発明を適用した場合を想定している。即ち、本実施形態の燃料供給装置は、前記第1実施形態の燃料供給装置において、インジェクタに代えてキャブレターを備えた構成となっている。
そして、こうした燃料供給方式の変更に応じて、冷却水の封じ込めの解除にかかる制御が変更されている。
本実施形態では、レギュレータ33を通じて気化された燃料の累積量の指標値として吸入空気量の累積量を用いるとともに、この累積量と対吸気量判定値との比較結果に基づいて第2循環形態から第3循環形態への切り替えを行う。即ち、エンジン9の始動後にエンジン9内へ吸入された空気の累積量(吸入空気量積算値Qsum)を算出し、この吸入空気量積算値Qsumが判定吸気量積算値QsumX(対吸気量判定値)以上となったことに基づいて、冷却水の封じ込めを解除する。
上記判定吸気量積算値QsumXは、レギュレータ33内に封じ込められている冷却水が燃料の気化を十分に行うことのできる熱エネルギーを有しているか否かを判定するための値として設定される。吸入空気量積算値Qsumが判定吸気量積算値QsumX未満のときは、レギュレータ33内の冷却水の有する熱エネルギーにより燃料の気化を十分に行うことができる状態にある。反対に、吸入空気量積算値Qsumが判定吸気量積算値QsumX以上のときは、レギュレータ33内の冷却水の有する熱エネルギーでは燃料の気化を十分に行うことができない状態にある。
本実施形態の燃料供給装置において、キャブレターを通じてエンジン9へ供給される燃料量と吸入空気量とには相関があるため、上記態様をもって冷却水の封じ込めの解除を行うことによっても、前記第1実施形態の作用効果に準じた作用効果が奏せられるようになる。
以下、「噴射機構制御処理」において、前記第1実施形態から変更された処理について説明する。なお、以降にて説明する構成以外については、前記第1実施形態と同様の構成が採用される。
<判定値設定処理>
図12に、「判定値設定処理[2]」の処理手順を示す。
[ステップT210]レギュレータ33内への冷却水の封じ込めが完了した直後のレギュレータ冷却水温度TWR(初期冷却水温度TWRIN)を読み込む。
[ステップT220]初期冷却水温度TWRINを判定吸気量積算値マップ(図13)に適用して、判定吸気量積算値QsumXを設定する。なお、初期冷却水温度TWRINと判定吸気量積算値QsumXとの関係は、試験等を通じて予め設定される。
[ステップT230]「運転時切替処理[3]」(図14)を開始して本処理を終了する。
このように、「判定値設定処理」では、初期冷却水温度TWRINに基づいて判定吸気量積算値QsumXを設定する。
<運転時切替処理[3]>
図14に、「運転時切替処理[3]」の処理手順を示す。
[ステップT310]エンジン9が始動してから現在までにエンジン9内へ吸入された空気の累積量(吸入空気量積算値Qsum)を算出する。なお、本実施形態では、エアフローメータを通じて検出された吸入空気量に基づいて吸入空気量積算値Qsumが算出される。
[ステップT320]吸入空気量積算値Qsumが判定吸気量積算値QsumX以上か否かを判定する。
・吸入空気量積算値Qsumが判定吸気量積算値QsumX未満のとき、再度ステップT310の処理を実行する。
・吸入空気量積算値Qsumが判定吸気量積算値QsumX以上のとき、ステップT330の処理へ移行する。
電子制御装置Eは、吸入空気量積算値Qsumが判定吸気量積算値QsumX以上のとき、レギュレータ33内の冷却水の有する熱エネルギーでは燃料の気化を十分に行うことができないと判定する。反対に、吸入空気量積算値Qsumが判定吸気量積算値QsumX未満のとき、レギュレータ33内の冷却水の有する熱エネルギーにより燃料の気化を十分に行うことができると判定する。
[ステップT330]冷却水循環機構5の循環形態を第2循環形態(図3)から第3循環形態(図4)へ切り替える。
[ステップT340]「運転時切替処理[2]」(図10)を開始して本処理を終了する。
このように、「運転時切替処理[3]」では、吸入空気量積算値Qsumが判定吸気量積算値QsumX以上であることに基づいて冷却水循環機構5の循環形態を第2循環形態から第3循環形態へ切り替えることにより、冷却水の封じ込めを解除して、エンジン9内部で加熱された冷却水をレギュレータ33へ供給する。
<実施形態の効果>
以上詳述したように、この第2実施形態にかかる液化ガスエンジンの燃料供給装置によれば、先の第1実施形態による前記(1)〜(6)の効果に準じた効果が得られるようになる。
<変更例>
なお、上記第2実施形態は、これを適宜変更した、例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記第2実施形態では、図13の判定吸気量積算値算出マップを通じて判定吸気量積算値QsumXを算出する構成としたが、判定吸気量積算値算出マップにおける初期冷却水温度TWRINと判定吸気量積算値QsumXとの関係は例示した関係に限られるものではない。要するに、試験結果等に基づいて設定されて、初期冷却水温度TWRINが大きくなるほど判定吸気量積算値QsumXが大きくなる関係を有する判定吸気量積算値算出マップであれば、適宜の算出マップを採用することができる。
・上記第2実施形態では、初期冷却水温度TWRINに基づいて判定吸気量積算値QsumXを設定する構成としたが、次のように変更することもできる。即ち、初期冷却水温度TWRIN及び外気の温度に基づいて判定吸気量積算値QsumXを設定することもできる。ちなみに、レギュレータ33内に封じ込められた冷却水は、燃料の気化潜熱だけでなく外気によっても冷却される。従って、上記態様をもって判定吸気量積算値QsumXを設定することで、冷却水の封じ込めの解除をより的確に行うことができるようになる。
(その他の実施形態)
その他、上記各実施形態に共通して変更することができる要素を以下に列挙する。
・上記各実施形態では、運転者の操作を通じてイグニッションスイッチが「OFF」から「ON」へ切り替えられたことをもってエンジン9の始動準備動作を検出する構成としたが、そうした状態を検出するための条件は、各実施形態にて例示した条件に限られるものではない。例えば、車両のドアが開放されたことをもってエンジン9の始動準備動作を検出することもできる。
・上記各実施形態では、冷却水が第1循環回路を通じて循環した期間(第1形態駆動期間TD)が判定期間TDX以上であることをもって、高温の冷却水がレギュレータ33内へ十分に供給されたことを検出する構成としたが、そうした状態を検出するための条件は各実施形態にて例示した条件に限られるものではない。
例えば、以下に示す[a]及び[b]のいずれかの検出方法を採用することもできる。
[a]レギュレータ33内の冷却水の温度が予め設定した判定値以上となったことに基づいて、高温の冷却水がレギュレータ33内へ十分に供給されたことを検出する。
[b]レギュレータ33内の冷却水の温度上昇度合いが予め設定した判定値以上であることに基づいて、高温の冷却水がレギュレータ33内へ十分に供給されたことを検出する。
・上記各実施形態では、レギュレータ水温センサE2をレギュレータ33の冷却水室33B内に設ける構成としたが、次のように変更することもできる。即ち、レギュレータ水温センサE2を冷却水室33Bの入口または出口に設けることもできる。
・上記各実施形態では、図1に示した構成の液化ガス燃料供給装置1を想定したが、同装置1における燃料噴射機構3の構成は各実施形態にて例示した構成に限られるものではない。要するに、液相状態の燃料を調圧して気化するレギュレータ33を備えた構成であれば、燃料噴射機構3の構成は適宜変更することができる。
・上記各実施形態では、図1に示した構成の液化ガス燃料供給装置1を想定したが、同装置1における冷却水循環機構5の構成は各実施形態にて例示した構成に限られるものではない。要するに、エンジン9を介することなく断熱容器51とレギュレータ33との間で冷却水を循環させる第1循環回路と、エンジン9を介して且つレギュレータ33を介することなく冷却水を循環させる第2循環回路と、エンジン9とレギュレータ33との間で冷却水を循環させる第3循環回路とを備えた構成であれば、冷却水循環機構5の構成は適宜変更することができる。
・上記各実施形態では、液化石油ガスを燃料とする液化石油ガスエンジンの燃料供給装置に対して本発明を適用したが、圧縮天然ガス(CNG)やジメチルエーテル(DME)等の液化ガスを燃料とする液化ガスエンジンの燃料供給装置であれば、いずれの燃料供給装置に対しても本発明を適用することができる。また、そうした場合にあっても、上記各実施形態の作用効果に準じた作用効果が奏せられるようになる。
本発明にかかる液化ガスエンジンの燃料供給装置を具体化した第1実施形態について、その全体構成を示す構成図。 同実施形態の液化ガスエンジンの燃料供給装置について、その循環形態の1つを示す動作図。 同実施形態の液化ガスエンジンの燃料供給装置について、その循環形態の1つを示す動作図。 同実施形態の液化ガスエンジンの燃料供給装置について、その循環形態の1つを示す動作図。 同実施形態の液化ガスエンジンの燃料供給装置について、その循環形態の1つを示す動作図。 同実施形態にて「循環機構制御処理」の一環として実行される「始動前切替処理」の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にて「循環機構制御処理」の一環として実行される「判定値設定処理」の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の「判定値設定処理」に使用される判定噴射量積算値算出マップの一例を示すグラフ。 同実施形態にて「循環機構制御処理」の一環として実行される「運転時切替処理[1]」の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態にて「循環機構制御処理」の一環として実行される「運転時切替処理[2]」の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の「循環機構制御処理」による冷却水循環機構の制御態様の一例を示すタイムチャート。 本発明にかかる液化ガスエンジンの燃料供給装置を具体化した第2実施形態について、同実施形態にて「循環機構制御処理」の一環として実行される「判定値設定処理[2]」の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態の「判定値設定処理[2]」に使用される判定噴射量積算値算出マップの一例を示すグラフ。 同実施形態にて「循環機構制御処理」の一環として実行される「運転時切替処理[3]」の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…液化ガス燃料供給装置。
3…燃料噴射機構、31…燃料タンク、32…燃料ポンプ、33…レギュレータ、33A…燃料室、33B…冷却水室、34…燃料通路開閉弁、35…デリバリパイプ、36…インジェクタ、P1…第1燃料通路、P2…第2燃料通路。
5…冷却水循環機構、51…断熱容器、52…電動ポンプ、53…三方弁、53A…第1ポート、53B…第2ポート、53C…第3ポート、54…冷却水通路開閉弁、R1…第1冷却水通路、R2…第2冷却水通路、R3…第3冷却水通路、R4…第4冷却水通路、R5…第5冷却水通路、R6…第6冷却水通路、R7…第7冷却水通路。
9…エンジン、91…ウォーターポンプ。
E…電子制御装置、E1…エンジン水温センサ、E2…レギュレータ水温センサ。
TWE…エンジン冷却水温度、TWR…レギュレータ冷却水温度、TWRIN…初期冷却水温度、Fsum…燃料噴射量積算値、FsumX…判定噴射量積算値、Qsum…吸入空気量積算値、QsumX…判定吸気量積算値。

Claims (10)

  1. 液化ガス燃料を気化する気化器と、前記気化器とエンジンとの間で熱媒体を循環させる循環回路と、前記熱媒体を貯留する断熱容器とを備えた液化ガスエンジンの燃料供給装置であって、
    前記エンジンの始動に先立ち、前記断熱容器内に貯留されている高温の熱媒体を前記気化器内に封じ込め、前記エンジンの始動後、前記気化器により気化された燃料の累積量に基づいて前記熱媒体の封じ込めを解除する制御手段を備えた
    ことを特徴とする液化ガスエンジンの燃料供給装置。
  2. 請求項1に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、
    前記制御手段は、前記気化器内に前記断熱容器内の熱媒体を封じ込めてからの燃料噴射量の累積量を前記気化された燃料の累積量の指標値として採用し、前記燃料噴射量の累積量が対噴射量判定値以上となったことに基づいて前記熱媒体の封じ込めを解除する
    ことを特徴とする液化ガスエンジンの燃料供給装置。
  3. 請求項2に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、
    前記制御手段は、前記気化器内に封じ込めた直後の前記熱媒体の温度に基づいて前記対噴射量判定値を設定する
    ことを特徴とする液化ガスエンジンの燃料供給装置。
  4. 請求項3に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、
    前記制御手段は、さらに外気の温度を加味して前記対噴射量判定値を設定する
    ことを特徴とする液化ガスエンジンの燃料供給装置。
  5. 請求項1に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、
    前記制御手段は、前記気化器内に前記断熱容器内の熱媒体を封じ込めてからの吸入空気量の累積量を前記気化された燃料の累積量の指標値として採用し、前記吸入空気量の累積量が対吸気量判定値以上となったことに基づいて前記熱媒体の封じ込めを解除する
    ことを特徴とする液化ガスエンジンの燃料供給装置。
  6. 請求項5に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、
    前記制御手段は、前記気化器内に封じ込めた直後の前記熱媒体の温度に基づいて前記対吸気量判定値を設定する
    ことを特徴とする液化ガスエンジンの燃料供給装置。
  7. 請求項6に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、
    前記制御手段は、さらに外気の温度を加味して前記対吸気量判定値を設定する
    ことを特徴とする液化ガスエンジンの燃料供給装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の液化ガスエンジンの燃料供給装置において、
    前記循環回路は、前記エンジンを介することなく前記気化器と前記断熱容器との間で前記熱媒体を循環させる第1循環回路と、前記エンジンを介して且つ前記気化器を介することなく前記熱媒体を循環させる第2循環回路と、前記エンジンと前記気化器との間で前記熱媒体を循環させる第3循環回路とを含めて構成されるものであり、
    前記制御手段は、前記第1循環回路を通じて前記熱媒体を循環させた後に前記循環回路を前記第1循環回路から前記第2循環回路へ切り替えることで前記気化器内へ前記熱媒体を封じ込め、前記循環回路を前記第2循環回路から前記第3循環回路へ切り替えることで前記熱媒体の封じ込めを解除するものである
    ことを特徴とする液化ガスエンジンの燃料供給装置。
  9. インジェクタを通じて燃料の供給を行う液化ガスエンジンの燃料供給装置であって、
    液化ガス燃料を気化して前記インジェクタへ供給する気化器と、
    エンジンにより加熱された熱媒体を貯留する断熱容器と、
    前記エンジンを介することなく前記断熱容器と前記気化器との間で前記熱媒体を循環させる第1循環回路と、
    前記エンジンを介して且つ前記気化器を介することなく前記熱媒体を循環させる第2循環回路と、
    前記エンジンと前記気化器との間で前記熱媒体を循環させる第3循環回路とを備え、
    前記エンジンの始動準備動作が検出されたことに基づいて、前記第1循環回路を通じての前記熱媒体の循環を開始し、
    前記断熱容器内に貯留されている高温の熱媒体が前記気化器内へ供給されたことに基づいて、前記熱媒体の循環回路を第1循環回路から前記第2循環回路へ切り替えるとともに前記エンジンの始動を許可し、
    前記エンジンの始動後、前記エンジンが始動してから現在までに前記インジェクタを通じて噴射された燃料の累積量を算出し、
    前記燃料の累積量が対噴射量判定値以上となったことに基づいて、前記熱媒体の循環回路を前記第2循環回路から前記第3循環回路へ切り替える
    ことを特徴とする液化ガスエンジンの燃料供給装置。
  10. キャブレターを通じて燃料の供給を行う液化ガスエンジンの燃料供給装置であって、
    液化ガス燃料を気化して前記キャブレターへ供給する気化器と、
    エンジンにより加熱された熱媒体を貯留する断熱容器と、
    前記エンジンを介することなく前記断熱容器と前記気化器との間で前記熱媒体を循環させる第1循環回路と、
    前記エンジンを介して且つ前記気化器を介することなく前記熱媒体を循環させる第2循環回路と、
    前記エンジンと前記気化器との間で前記熱媒体を循環させる第3循環回路とを備え、
    前記エンジンの始動準備動作が検出されたことに基づいて、前記第1循環回路を通じての前記熱媒体の循環を開始し、
    前記断熱容器内に貯留されている高温の熱媒体が前記気化器内へ供給されたことに基づいて、前記熱媒体の循環回路を第1循環回路から前記第2循環回路へ切り替えるとともに前記エンジンの始動を許可し、
    前記エンジンの始動後、前記エンジンが始動してから現在までに前記エンジン内へ吸入された空気の累積量を算出し、
    前記空気の累積量が対吸気量判定値以上となったことに基づいて、前記熱媒体の循環回路を前記第2循環回路から前記第3循環回路へ切り替える
    ことを特徴とする液化ガスエンジンの燃料供給装置。
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