JP4138202B2 - 車両用信号灯具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用灯具に関するものであり、詳細にはテールランプ、ストップランプ、ターンシグナルランプなど、自車の行動を他車あるいは歩行者に対して告知するための信号用灯具であって、光源としてLEDランプを採用するときの構成に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の車両用信号灯具90の構成の例を示すものが図6であり、光源であるLEDランプ91は、複数が列状或いはマトリックス状にプリント配線基板92上に配置されハンダ付けなどにより配線が行われている。そして、複数の前記LEDランプ91は、それぞれのLEDランプ91に1対1で対応するレンズカット93aが施されたアウターレンズ93で覆われるものとされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した従来の車両用信号灯具90の構成においては、平面的なプリント配線基板92の面状に配置されたLEDランプ91をアウターレンズ93で覆うものであるので、このアウターレンズ93も平面的なものと成らざるを得ず、また、点灯時にはレンズカット93aが発光しているように見え一層に平面的となって画一的な印象のものと成って、デザインが陳腐化する問題点を生じている。
【0004】
また、LEDランプ91は一般的に照射角が狭いものであるので、発光面積の広い車両用信号灯具90の形成を目的とするときには、発光面を均一な明るさとするためにLEDランプ91の使用数が膨大なものと成り、これにより車両用信号灯具90のコストアップが著しいものと成る問題点も併せて生じるものと成っている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した従来の課題を解決するための具体的な手段として、車両用信号灯具の照射軸に対し、前後に光を照射するように複数の光源を前記照射軸上となるように設け、それぞれの光源には該光源を略焦点とし前記照射軸と略直交する中心軸を有する放物線を前記照射軸を中心として回転することにより得られる放物面反射面を設けると共に、前記放物面反射面の反射方向にはこの放物面反射面からの光を前記照射軸と略平行方向へ反射する配光制御用反射面を設けたことを特徴とする車両用信号灯具を提供することで課題を解決するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明を図に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。図1および図2に符号1で示すものは本発明に係る車両用信号灯具であり、この車両用信号灯具1はLEDランプ2を光源として採用するものである点は、従来例のものと同様である。尚、以下の説明においては、本発明の要旨の部分である車両用信号灯具1の部分についてのみ図示と説明を行うが、リヤコンビネーションランプと称されているように、本発明の車両用信号灯具1と他の灯具とを組合わせて一体の灯具を構成することは自在である。
【0007】
図1は本発明の車両用信号灯具1の正面図であり、この車両用信号灯具1を正面視するときに、LEDランプ2は上方放物面反射面3と下方放物面反射面4とで覆われ、直接に見えないもの、即ち、照射方向には直射光を放射することがないものとされ、これに換わり、前記上方放物面反射面3からの光を受ける上方配光制御用反射面5と、前記下方放物面反射面4からの光を受ける下方配光制御用反射面6とが設けられ、これら上下の配光制御用反射面5、6により照射光を生じるものとされている。
【0008】
図2は上記LEDランプ2、上方放物面反射面3、下方放物面反射面4、配光制御用反射面5、6の構成を示す断面図であり、先ず、前記LEDランプ2は、この車両用信号灯具1の照射軸X上に設けられるものであって、このときには上方LEDランプ2uと下方LEDランプ2dとの2個が、前記上方LEDランプ2uは灯具1の前方に照射方向を向かわせ、前記下方LEDランプ2dは後方に照射方向を向かわせて組合わされている。
【0009】
前記上方放物面反射面3と下方放物面反射面4とは、このように形成されたLEDランプ2(u、d)からの光を前記照射軸Xを中心とする円周方向に反射するために設けられるものであって、この目的に沿うために、前記上方放物面反射面3は前記上方LEDランプ2uを焦点とし、かつ、軸Yuを前記照射軸Xと直交させる放物線Puを、前記照射軸Xを回転軸として回転させた形状として形成される。
【0010】
同様に、前記下方放物面反射面4は前記下方LEDランプ2dを焦点とし、かつ、軸Ydを前記照射軸Xと直交させる放物線Pdを、前記照射軸Xを回転軸として回転させた形状として形成される。尚、一般的にLEDランプ2(u、d)は後方には光を放射することがないものであるので、上方放物面反射面3においては上半部、下方放物面反射面4においては下半部と光を受ける部分のみを形成する。
【0011】
上記の構成としたことで、LEDランプ2u、2dからの光は、それぞれの対応する反射面3、4により、それぞれに前記照射軸Xと直交する略円板状の光束を生じるものと成る。よって、上記上方放物面反射面3、および、下方放物面反射面4が生じる光束中に、この光束の進行方向を照射軸Xと平行方向に反射する上方配光制御用反射面5、下方配光制御用反射面6を設置すれば、LEDランプ2u、2dからの光は車両用信号灯具1の照射光として使用できるものと成る。
【0012】
ここで、それぞれの前記配光制御用反射面5、6の配置の状態について説明を行えば、これらの配光制御用反射面5、6は反射面3、4からの略円板状の光束中におかれるものであるので、円周状に配置しても良く、或いは、図1に示したように放射状に分割し照射軸Xから遠近を設けたものとして配置しても良い。
【0013】
或いは、一方の配光制御用反射面、例えば上方配光制御用反射面5の側を円周状とし、下方配光制御用反射面6の側を放射状に分割したものとしても良く、これは車両用信号灯具1の発光面に与えたいデザインによりどのようにすることも自在である。但し、上方配光制御用反射面5と下方配光制御用反射面6とは観視される方向に対して前後関係となるので、一方が他方を覆い隠すことのないようにするなどの配慮は必要となる。
【0014】
また、上記の説明においては、両配光制御用反射面5、6は、反射面3、4からの光を単に照射方向に反射するものとして説明したが、本発明の実際の実施に当たっては、例えば、テールランプなど車両用信号灯具1の目的に沿う配光特性が得られるように、例えば凸球面状などとして、適宜に光が拡散する状態としても良いものである。
【0015】
図3は、光源である前記LEDランプ2u、2dの構成を示すものであり、例えば円板を直径方向に2分割した形状とした1対の放熱板7a、7bを形成し、例えば、放熱板7aには上方LEDランプ2uの正極と、下方LEDランプ2dの正極端子2pが接続され、放熱板7bには同じLEDランプ2u、2dの負極端子2nが接続されるように表裏の位置関係とし、リベット7cなどによりカシメる。
【0016】
このようにすることで、上方LEDランプ2uと下方LEDランプ2dとはお互いが反対方向に光を放射するものと成り、且つ、放熱板7aの側に正電位を印加し、放熱板7bの側に負電位を印加すれば、二つのLEDランプ2uとLEDランプ2dとは電源の対して並列接続されるものと成り、双方とも点灯するものと成る。
【0017】
尚、前記LEDランプ2の点灯電圧は2ボルト以下と低電圧であるので、実際の車両への取付に当たっては、車両の電源電圧(例えば12ボルト)と何らかの調整が必要となる。従来の構成の車両用灯具においては使用するLEDランプの数が多かったので、LEDランプの適宜数、例えば4個宛を直列接続し、この直列接続をしたものを並列接続することで、容易に車両の電源Bの電圧との整合が行えるものであった。
【0018】
しかしながら、本発明の車両用信号灯具1においては、1つの灯具1に並列接続されたLEDランプ2u、2dのみで良いものであるので、上記車両の電源Bの電圧との整合に当たっては、例えば、図4に示すようにLEDランプ2uとLEDランプ2dとで並列接続されたものを1つの灯具1に2組を組込んだものとし、更に左右1対の灯具1を、電源Bに直列接続として整合させるものとしても良く、或いは、図5に示すように1つの灯具10に車両用信号灯具1の3〜4組(図は3組の例を示す)を組込んだものとして整合を行っても良い。
【0019】
次いで、上記の構成とした本発明の車両用信号灯具1の作用および効果について説明する。第一には反射面3、4で一旦、LEDランプ2からの光を円板状に拡げ、更に配光制御用反射面5、6により照射方向に反射させるものとしたことで、広い面積での発光を可能とし、車両用信号灯具1におけるLEDランプ2の使用数を格段に減じてコストダウンを可能とする。
【0020】
第二には、光源として前後方向に位置が異なるLEDランプ2uとLEDランプ2dと2つを採用しているので、奥行き感の演出が容易となり、また、配光制御用反射面5、6の配置も自由度が高いので、車両用信号灯具1としては斬新なデザインの提供が可能となり、従来技術で課題となっていたデザインの陳腐化も打破できるものと成る。
【0021】
【発明の効果】
以上に説明したように本発明により、車両用信号灯具の照射軸に対し、前後に光を照射するように複数の光源を前記照射軸上となるように設け、それぞれの光源には該光源を略焦点とし前記照射軸と略直交する中心軸を有する放物線を前記照射軸を中心として回転することにより得られる放物面反射面を設けると共に、前記放物面反射面の反射方向にはこの放物面反射面からの光を前記照射軸と略平行方向へ反射する配光制御用反射面を設けた車両用信号灯具としたことで、第一には、同一の発光面積の灯具であっても、LEDランプの使用数を格段に減じられるものとして、この種の車両用信号灯具のコストダウンに極めて優れた効果を奏するものである。
【0022】
また第二には、前後方向に位置が異なる2つのLEDランプを光源として採用する構成としたことで、発光面に奥行き感、立体感を与えると共に、LEDランプからの光を照射方向に向けるそれぞれの配光制御用反射面の配置に対しても自由度が高いものと成り、両者の組合せによりを自在な発光面のデザインを可能として多彩で斬新な発光面の提供を可能とし、従来技術のLEDランプを光源とする車両用信号灯具が画一的な発光面となっていたのを改善して美観の向上にも極めて優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る車両用信号灯具の実施形態を示す正面図である。
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】 LEDランプの組立状態を示す斜視図である。
【図4】 本発明に係る車両用信号灯具の自動車電源への接続状態を示す回路図である。
【図5】 本発明に係る車両用信号灯具の自動車電源への別の接続状態を示す説明図である。
【図6】 従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1……車両用信号灯具
2……LEDランプ
2u……上方LEDランプ
2d……下方LEDランプ
2p……正極端子
2n……負極端子
3……上方放物面反射面
4……下方放物面反射面
5……上方配光制御用反射面
6……下方配光制御用反射面
7a、7b……放熱板
7c……リベット
Claims (4)
- 第一の光源と、
前記第一の光源の裏面側に設けられた第二の光源と、
前記第一および第二の光源の各々についてその発光部分近傍を焦点としこのLED光源の照射方向に対向する位置に対向する位置に当該光源の各々に対応して設けられる放物面反射面と、
前記放物面反射面の反射方向にはこの放物面反射面を介したた前記LED光源からの光を所定の方向へ反射する配光制御用反射面と、を備える車両用信号灯具。 - 前記配光制御用反射面が、前記光源の照射軸を中心として放射状、同心円状、または、その組合せとした分割された複数の面とされている請求項1の車両用信号灯具。
- 第一の光源および第二の光源が、2個のLEDランプを同軸で且つ照射方向を反対向きとして組付けたものであることを特徴とする請求項1記載の車両用信号灯。
- 前記LEDランプの組付は、LEDランプの同極となる端子同士をカシメることにより行われていることを特徴とする請求項3記載の車両用信号灯。
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