JP4136783B2 - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)に関し、特に心電図などの生体モニター信号を用いた同期撮影を行うMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
循環器系イメージングのように、心拍動によって状態が変化する部位のイメージングでは、一般に心電同期を用い、信号計測の時相を一定にすることにより画質の向上を図っている。例えば心電同期では、図9に示すように、心周期(R−R間隔)内に適当なディレイで計測ウィンドウを設けて、この計測ウィンドウの間に取得した複数のエコー信号を用いて、一定の時相の画像を作成する。撮影シーケンスとしては、例えば、短TRのグラディエントエコー法により定常状態自由歳差運動(Steady State Free Precession: SSFP)でエコー信号を計測するSSFPシーケンスが採用される。この際、計測ウィンドウ内で取得される複数のエコー信号には、それぞれ異なる位相エンコードが付与されており、その位相エンコード量に応じてk空間に配置される。これを複数の心周期にわたって繰り返すことにより、k空間全体を満たすエコー信号を計測することができ、これをフーリエ変換することにより1枚の画像が再構成される。
【0003】
ここでk空間をエコー信号で充填する方式、すなわちエコー信号への位相エンコード付与の方式には、大きく分けて二通りある。ひとつは図10(a)、(b)に示すように、1回の計測で得られるエコー数(ここでは6)に対応してk空間を均等に複数(6)の領域にわけ、複数のエコー信号をこれら領域にそれぞれ均等に配置する。もうひとつの方式は、同図(c)、(d)に示すように、1回の計測で得られる複数のエコー信号を分割したk空間の領域のひとつに配置する。またいずれについても、k空間の充填順は、k空間の中心から周縁に向かうセントリックオーダリング(a)、(c)と、k空間の一方の周縁から中心を経て他方の周縁に向かうシーケンシャルオーダリング(b)、(d)がある。一般にk空間の中心付近は、画像コントラストを決定する領域であり、従来のMRI装置では目的とする撮影対象や撮影法に応じて、これらk空間の分割方式やオーダリングを適宜選択している。
【0004】
造影剤を利用した循環器系イメージングでは、造影剤を投与して目的とする血管(例えば動脈)において造影剤濃度が高い時間帯に、画像コントラストを決定するk空間中心付近のデータを重点する必要がある。したがって例えば図11に示すように、目的血管内の造影剤濃度ピーク時を撮影開始時としてk空間中心から単調に位相エンコード量が増加するようなセントリックオーダリングを採用している。ただし、ここでは同期計測については考慮されていない。
【0005】
ところで、循環器系イメージングでは、脂肪からの信号を抑制するためにプリパレーションパルスと呼ばれる信号抑制パルスを撮影のためのシーケンスに先立って印加することが多い。プリパレーションパルスの効果は、プリパレーションパルス印加からの時間が短いほど高く、時間が経つにつれて低下する。前掲の図9の例では、echo1〜echo4まではプリパレーションパルスの効果が高いが、echo5、echo6では効果が低くなる。したがってSN比に優れ、高コントラストの画像を得るためには、プリパレーションパルス印加からの経過時間が短い間にk空間低周波域に配置される信号を計測するようなオーダリングを選択することが好ましい。
【0006】
一方、上述のように心電同期して撮影シーケンスを繰り返す場合、繰り返し数が多くなるにつれて体動(呼吸動)の影響を受けやすくなる。例えば、1心周期(R−R)で6エコーを計測するシーケンスを6R−R繰り返し(36エコーを取得し)、1枚の画像を再構成する場合を想定すると、5心周期、6心周期では、体動の影響を受けやすくなる。したがって体動の影響をできるだけ排除するためには、撮影時間の早い心周期で得られたエコーをk空間低周波域に配置することが好ましい。また造影剤を用いたダイナミック撮影においても、上述したように造影剤濃度が高い時間帯にk空間低周波域のデータを取得する必要がある。
【0007】
このように循環器系イメージングにおいては、プリパレーションパルスの効果が高いエコーをk空間低周波域に配置する、撮影開始からできるだけ早い心周期で計測したエコーをk空間低周波域に配置する、という二つの要請がある。しかしながら従来のk空間分割方式とオーダリングの組み合わせでは、これらをともに実現することはできない。例えば図10(a)に示す方式でエコー信号を取得した場合には、図12に示すように、各心周期において、k空間中心からの距離が均等に離れるような軌跡を描くので、プリパレーションパルスの効果の高いエコー信号を、画像コントラストを決定する領域に配置することができ、プリパレーションパルスによる脂肪抑制効果が高いという利点があるが、画像コントラストを決定する領域をすべて取得するのに要する時間が長くなり、計測後半に起こりうる体動や呼吸動による影響を受けやすくなる。また画像コントラストを決定する領域のエコー取得が時間的に分散しているので、造影剤注入によって造影剤が存在する一定の時間、画像コントラストを高めるようにしたダイナミック撮影では、十分な画質が得られない。
【0008】
また図10(c)に示す方式でエコー信号を取得した場合には、図13に示すように心拍数が増えるにつれてk空間中心からの距離が増加するような軌跡を描くので、心周期の初期に画像コントラストを決定する領域を取得でき、計測後半に生じうる体動や呼吸動の影響を軽減できるという利点があるものの、プリパレーションパルスからの効果が低下した時に取得したエコー信号も、画像コントラストを決定する領域に配置されることになるため、プリパレーションパルスによる効果が低くなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、プリパレーションパルスを用いた同期撮影において、体動等の影響を受けにくく、しかもプリパレーションパルスによる効果を最大限活かすことが可能なMRI装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のMRI装置は、計測ウィンドウで取得される複数のエコー信号をプリパレーションパルスからの経過時間に応じて2以上のグループに分け、各グループのエコー信号の位相エンコード制御を行うことにより、k空間低周波領域をプリパレーションパルスによる効果が高く、しかも体動等の影響をあまり受けていない信号で構成することができ、これにより心電同期撮影における高コントラスト化、高画質化を実現したものである。
【0011】
すなわち本発明のMRI装置は、被検体が置かれる空間に高周波磁場、傾斜磁場を印加する各磁場発生手段と、被検体が発生する核磁気共鳴信号をエコー信号として計測する受信手段と、高周波磁場及び傾斜磁場の印加ならびにエコー信号の取得を制御する制御手段と、エコー信号を用いて被検体の画像を再構成する信号処理手段とを備え、前記制御手段は、周期的に発生する生体モニター信号に同期して、各周期内にエコー信号を計測する計測ウィンドウを設定する手段と、前記計測ウィンドウ内で計測する複数のエコー信号を2以上のグループに分割し、各グループの信号計測時間に応じてk空間の所定領域を占めるように位相エンコードを制御する手段とを備える。或いは周期的に発生する生体モニター信号に同期して、各周期内にエコー信号を計測する計測ウィンドウを設定する手段と、前記計測ウィンドウ内で計測する複数のエコー信号のうち、前半で取得されるエコー信号はk空間の低周波領域を占め、後半で取得されるエコー信号はk空間の高周波領域を占めるように位相エンコードを制御するものである。
【0012】
本発明のMRI装置において、好適には、制御手段は、前記計測ウィンドウで計測する複数のエコー信号のうち、前半で取得されるエコー信号は、k空間の中心から高周波領域に順に向かうように位相エンコードを制御する。
【0013】
このような本発明のMRI装置によれば、画像コントラストを決定するk空間低周波領域データを、計測ウィンドウで計測されるエコー信号のうち、計測時間に依存してコントラストが強調された信号(例えば計測ウィンドウの前半で取得される信号)で充填することができるので、画像コントラストに優れた画像を得ることができる。また前半で取得されるエコー信号を取得順にk空間中心から高周波領域に向かって配置することにより、体動等の経時変化による影響を受けていない信号をk空間中心及びそれに近い領域に配置することができるので、体動等による画質の劣化を防止することができる。また造影剤を用いた撮影においても、造影剤濃度が高い間にk空間中心及びそれに近い領域を計測することができるので、目的とする血管を高い描出能で撮影することができる。
【0014】
本発明のMRI装置は、特に計測ウィンドウの前段に、特定の組織からの信号を抑制するためのプリパレーションパルスを印加する工程を含む撮影に好適であり、同期撮影においてもプリパレーションパルスによる信号抑制効果(高コントラスト化)を高めることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示す図である。
【0016】
このMRI装置は、被検体101が置かれる空間に均一な静磁場を発生する磁石102と、磁石102が発生する静磁場に磁場勾配を与える傾斜磁場コイル103と、被検体101を構成する組織内の原子核に核磁気共鳴を起こさせる高周波磁場を発生するRFコイル104と、被検体101から発生する核磁気共鳴信号(エコー信号)を検出するRFプローブ105と、静磁場空間に被検体101を搬入、搬出するためのベッド112とを備えている。
【0017】
静磁場発生用の磁石102は、永久磁石、常電導方式あるいは超電導方式の磁石装置で、被検体101が置かれる空間に所定の均一な静磁場を発生している。傾斜磁場コイル103は、x、y、zの3方向の傾斜磁場コイルで構成され、それぞれ傾斜磁場電源109に接続され、傾斜磁場電源109からの信号に応じて傾斜磁場を発生する。傾斜磁場はエコー信号に位置情報を付与するものであり、その印加の仕方によって、高周波磁場によって励起されるスライスが決定されるとともに、エコー信号を位相エンコードすることができる。RFコイル104は、高周波発振器、シンセサイザ等を備えたRF送信部110に接続され、RF送信部110からの信号に応じて所定の周波数、位相、強度の高周波磁場を発生する。
【0018】
RFプローブ105は、直交位相検波回路、A/D変換回路などを備えた信号検出部106に接続され、RFプローブ105が検出した信号は信号検出部106で検出され、A/D変換された後、信号処理部107で信号処理され、また計算により画像信号に変換される。画像は表示部108で表示される。傾斜磁場電源109、RF送信部110、信号検出部106の動作は、撮影方法によって決まる所定のパルスシーケンスに従い、制御部111で制御される。パルスシーケンスは、制御部111に付属する記憶装置にあらかじめプログラムとして組み込まれており、制御部111に付属する入出力装置を介してユーザーが所望のものを選択し、必要な撮影条件(パラメータ)を設定することができる。
【0019】
本発明のMRI装置では、撮影シーケンスのひとつとして、プリパレーションパルスを用いた心電同期撮影シーケンスが組み込まれており、その実行における傾斜磁場制御方法(位相エンコード制御方法)に特徴を有している。傾斜磁場制御方法は、心電同期撮影の繰り返し回数(撮影に必要な心周期数)や1回の計測ウィンドウで計測するエコー信号の数に応じて、例えばあらかじめ定めたky値をテーブルとして制御部111内に格納しておくことができる。また制御部111は、心電同期撮影シーケンスを行うために、MRI装置とは別に備えられた心電計のような生体モニター信号計測装置から生体モニター信号を取り込むためのポートを備えている。
【0020】
以下、本発明のMRI装置で実行される心電同期撮影について説明する。
【0021】
図2は、本発明による心電同期撮影の一実施形態を示す図である。図中、横軸は時間軸であり、上段のRは生体モニター信号計測装置(ここでは心電計)からのR波信号の入力タイミングを示し、下段は撮影シーケンスの実行タイミングを示し、ここでは1心周期(R−R)の間にプリパレーションパルス203の印加と計測ウィンドウ204内のエコー信号計測が実行されることを示している。
【0022】
計測ウィンドウ204の直前に印加されるプリパレーションパルス203は、不要な組織の信号を選択的に励起し、その組織からの信号を抑制するようなパルス、或いは励起パルス(αパルス)印加の時点でT1或いはT2の異なる組織について磁化の強さに差を与え、組織のコントラスト差を高めるようなパルスであり、前者の例として脂肪プロトンの周波数を持つ選択励起パルスを採用することができる。また後者の例として、例えば血管描出の場合、血管像のコントラストを増加させるような非選択的な180°パルス、また目的部位によって、T2強調のコントラストを得る90°−180°−90°パルスなどを採用することができる。
【0023】
計測ウィンドウ204は、R201からの所定の時刻(ディレイ時間)と時間幅(計測するエコー数)により設定される。計測ウィンドウは通常100〜200msの短い時間である。撮影シーケンスとしては、例えば短い繰り返し時間TRで高周波励起パルス(RF)による励起を繰り返し定常状態でエコー信号(echo1〜echo6)を計測するグラディエントエコー系のパルスシーケンスが採用される。このようなパルスシーケンスの一例を図3に示す。図3において、RFは高周波パルスの印加タイミング、Gs、Gp、Grはそれぞれスライス方向傾斜磁場、位相エンコード方向傾斜磁場、読み出し方向傾斜磁場の印加パターン、A/D及びechoはサンプリング時間とエコー信号の計測タイミングを示す。
【0024】
この撮影シーケンスは、図示するように励起パルスの極性を交互に反転させて印加するとともに発生するエコー信号に対して対称的な傾斜磁場印加パターンを持つSSFPシーケンスで、具体的には、スライス傾斜磁場301とともにフリップ角αの励起パルス302を印加した後、位相エンコード傾斜磁場303、読み出し傾斜磁場304を印加し、極性を反転させた読み出し傾斜磁場305を印加し、サンプリング窓306内でエコー信号307を計測する。その後、位相エンコード傾斜磁場308、読み出し傾斜磁場309を印加してリフェイズした後、繰り返し時間TR後にスライス傾斜磁場とともにフリップ角−αの励起パルス310を印加する。以下、同様に位相エンコード傾斜磁場及び読み出し傾斜磁場を印加して次のエコー信号を計測する。図2に示す実施形態では、1心周期の計測ウィンドウ204では6回の繰り返し時間TRで6エコーを計測している。なお、図示していないが、計測ウィンドウにおいて定常状態でエコー信号の計測を行うことができるように、プリパレーションパルス印加後エコー信号計測までに、エコー信号の計測と同じ繰り返し時間TRで励起(空打ち)を繰り返しておくことが好ましい。
【0025】
計測ウィンドウ204内で発生するエコー信号には、エコーごとに異なる位相エンコードとなるように位相エンコード傾斜磁場303(308)の強度が制御される。本実施形態における位相エンコード制御では、1)1心周期で計測した複数の信号を、プリパレーションパルス印加からの時間間隔によって複数nの組に分けるとともに、プリパレーションパルス印加からの時間間隔がより短い組のエコー信号がk空間のより低周波領域を占め、プリパレーションパルス印加からの時間間隔がより長い組のエコー信号がk空間のより高周波領域を占める、2)ひとつの撮影を複数の心周期にわたって計測する際に、撮影開始から早い心周期で計測した信号が低周波側を占め、撮影開始から時間が経過した心周期で計測した信号が高周波側となる、という二つの条件を満たすようにする。
【0026】
具体的には、例えば1心周期の計測ウィンドウ204で6エコーを計測し、これを6つの心周期で行う場合を想定すると、図4に示すように、k空間の中心を含む2/3の低周波域の領域401と、その両側にそれぞれ1/6の高周波の領域402、402’とに分け、第1心周期で取得されるエコー信号のうち、プリパレーションパルス印加からの時間間隔が比較的短いエコー(echo1〜echo4)でk空間中心とそれに続く低周波域401を取得し、プリパレーションパルス印加からの時間間隔が比較的長いエコー(echo5、echo6)で高周波域402、402’を取得するようにする。この場合、プリパレーションパルス印加からの時間間隔が短いものほどk空間の中心に近くなるようにする。続く第2心周期の計測では、プリパレーションパルス印加からの時間間隔が比較的短い4つのエコー(echo7〜echo10)で低周波領域401の第1心周期で計測した領域の外側を取得し、プリパレーションパルス印加からの時間間隔が比較的長い2つのエコー(echo11、echo12)で高周波領域402の第1心周期で計測した領域の外側を取得する。以下同様に、第3、第4・・・の心周期において順次k空間の高周波域に向かって順次計測し、最終的に画像再構成に必要な全位相エンコードのエコー信号を取得する。
【0027】
この実施形態による位相エンコード制御の様子を図5に示す。図5において縦軸は位相エンコード量を示し、位相エンコード量0を挟んで±6の範囲が画像コントラストを決定する領域501、その外側を中高域502としている。横軸はエコー番号(取得順の番号)を示し、エコー番号が大きいほど体動の影響が大きいことを示している。また一心周期内でプリパレーションパルスの効果が低い領域を斜線503で囲んで示している。
【0028】
従来の位相エンコード制御を示す図11〜図13との比較からも明らかなように、図5に示す実施形態によれば、k空間の画像コントラストを決定する領域501は、プリパレーションパルスの効果が高くしかも体動の影響の少ないときに(3心周期までに)計測されており、脂肪抑制効果によりSNが優れ、しかも体動による画質の劣化のない画像が得られることがわかる。
【0029】
次に、本発明のMRI装置が実行する心電同期撮影の第2の実施形態を説明する。
【0030】
図6は第2の実施形態を示す図であり、ここでもRは心電計からのR波信号を示し、R−Rに計測ウィンドウ604を設定するとともにその直前にプリパレーションパルス603を印加することは第1の実施形態と同様である。また計測ウィンドウにおいて実行される撮影シーケンスは、第1の実施形態と同様に図3に示すようなSSFPシーケンスであるが、ここでは1計測ウィンドウ内で20エコーを取得し、6心周期で1枚の画像分のエコー(120エコー)を取得するものとしている。
【0031】
本実施形態においては、計測ウィンドウ内で計測する20エコーを、プリパレーションパルス印加からの経過時間の比較的短い12エコー、やや長い6エコー、長い2エコーの3つの組に分け、これに対応してk空間を位相エンコード方向に3つの領域(中心を挟んで両側の低域701、701、その外側の中域702、702、さらに外側の高域703、703)に分け、それぞれの領域をプリパレーションパルス印加からの経過時間が異なる3つの組のエコーで取得する。すなわち第1心周期では、echo1〜echo12でk空間の低域701を中心から順に取得し、echo13〜echo18で中域702を低域側から高域側に向かって取得し、echo19、echo20で高域703を低域側から順に取得する。次の第2心周期では、同じ領域内であって第1心周期で取得した領域の外側を、高域側に向かって順に取得する。以下、同様に第6心周期まで計測を行い、最終的に1枚の画像再構成に必要な数のエコー信号を得る。
【0032】
本実施形態における位相エンコード制御の状態を図7に示す。ここでも縦軸は位相エンコード量、横軸はエコー番号を示す。また、プリパレーションパルスの効果はあるが適切な心電ディレイから時間が経過しているエコーを斜線714で、プリパレーションパルスの効果が低く、かつ心電ディレイから時間が経過しているエコーを網線715で、それぞれ示している。
【0033】
本実施形態においても、画像コントラストを決定する領域711は、プリパレーションパルスの効果が高く、かつ体動の影響をほとんど受けていないときに取得され、プリパレーションパルスの効果が低いか体動の影響を受けやすい信号は高域側713となっている。これによりSN比が良好で画質の良好な画像を得ることができる。
【0034】
以上、本発明の実施形態として計測ウィンドウ内で取得するエコー信号をプリパレーションパルスからの経過時間によって所定の数(2又は3)に分割するとともに、計測ウィンドウ内のエコー番号と心周期の番号に基づき位相エンコードを制御する例を説明したが、計測ウィンドウ内の分割数や分割方法(均等分割か不均等分割か、不均等の場合の割合など)は上記実施形態に限定されず種々の変更が可能である。また上記実施形態では2次元計測を前提として説明したが本発明のMRI装置は上記心電同期撮影を3次元計測することも可能である。
【0035】
3次元計測では、位相エンコード方向とスライスエンコード方向の両方についてエンコードするためエンコード数が多く、画像再構成に必要なエコー信号取得に要する心周期数が増え、撮像時間は数分にも及ぶ。したがって患者の協力を得て行う静止状態を計測終了まで保つことが難しく体動の影響がでやすい。このような体動の影響を排除するために、3次元計測では、位相エンコード制御は位相エンコード方向のみならずスライスエンコード方向についても行うことが好ましい。
【0036】
位相エンコード方向(ky方向)及びスライスエンコード方向(kz方向)について傾斜磁場制御する場合の実施形態を図8(a)、(b)に示す。図示する実施形態では、位相エンコード及びスライスエンコードで決まるky-kz空間をその原点を中心とする四角または円(楕円)で囲まれた領域(低域)801と、低域の外側の四角または円(楕円)で囲まれた領域(中域)802と、中域の外側の領域(高域)803とに分割している。
【0037】
この実施形態でも、R波から所定のディレイで計測ウィンドウを設定すること、その直前にプリパレーションパルスを印加する工程を設けることは2次元計測の場合と同様である。そして計測ウィンドウで計測される複数のエコーを、図8に示すような3つの領域をそれぞれ占めるデータ数(エコー数)の割合に対応して、計測順に3つの群に分ける。そして、プリパレーションパルス印加からの経過時間の短いエコーはky-kz空間の低域801、次に取得される、経過時間が比較的長いがプリパレーションパルスの効果があるエコーは中域802、プリパレーションパルスの効果が低下しているエコーは高域803となるように位相エンコード及びスライスエンコードを割り当てる。またエコー番号が増加するにつれ(第1心周期から第2、第3と進むにつれ)、順にky-kz空間の周縁に向かうようにする。
【0038】
本実施形態においても、プリパレーションパルスの効果が高いときに、かつ撮影初期に画像コントラストを決定する低域データの取得が行われるので、プリパレーションパルスによる効果を損なうことなく、計測後半に起こりうる体動や呼吸動の影響を軽減することができる。
【0039】
以上、本発明のMRI装置で採用する撮影法の実施形態として、心電同期撮影を説明したが本発明は心電同期撮影のみならず呼吸同期撮影など生体モニター信号を同期信号として用いる撮影を行うMRI装置に適用することができる。また本発明は、計測ウィンドウの前段にプリパレーションパルスの印加工程を設ける場合に好適であるが、本発明の特徴は計測ウィンドウで計測するエコー信号の位相エンコード制御にあり、プリパレーションパルスを用いない撮影シーケンスにも適用することが可能である。
【0040】
例えば、造影剤を用いた血管撮影(造影MRA)を心電同期により行う場合には、図9に示すようにR−R間に所定の計測ウィンドウを設定し、心周期の特定の時相(例えば心拡張期)において信号計測を行う。ここで撮影の長時間化を防ぐために計測ウィンドウとしてある程度(例えば100ms)の幅を設定すると、計測ウィンドウの後半に計測するエコーは目的とする時相からは外れたものとなる。このような計測ウィンドウの後半で計測されるエコーをk空間の高周波領域に割り当て、計測ウィンドウの前半で計測されるエコーをk空間の低周波領域とすることにより、撮影時間の長時間化を招くことなく目的とする時相の状態を精度よく画像化することができる。また前半で計測されるエコーをk空間の中心から順に充填するようにすることにより、造影剤のピークである時間帯に(少ない心周期で)k空間の低周波領域を充填することができるので、高コントラスト血管像を得ることができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、生体モニター信号に同期して繰り返し計測を行うとともに画像コントラストの増強を図るプリパレーションパルスを用いたイメージングにおいて、プリパレーションパルスによる不要信号抑制効果を損なうことなく、撮影時間の経過に伴う体動の影響や造影剤濃度の変化による影響などを効果的に排除することができる。これによってSNが良好で高画質の画像を得ることができる。また本発明によれば、造影MRAにおいて心電同期撮影を行う場合にも、撮影時間の長期化を招くことなく、高精度で高コントラストの画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるMRI装置の全体概要を示す図
【図2】 本発明のMRI装置が採用する撮影法の一実施形態を示す図
【図3】 図2の撮影法で用いる撮影シーケンスの一例を示す図
【図4】 図2の撮影法における位相エンコード傾斜磁場制御を説明する図
【図5】 図4の位相エンコード傾斜磁場制御を示すグラフ
【図6】 本発明のMRI装置が採用する撮影法の別の実施形態を示す図
【図7】 図6の撮影法における位相エンコード傾斜磁場制御を示すグラフ
【図8】 本発明のMRI装置による3次元計測の場合の位相エンコード傾斜磁場制御の実施形態を示す図
【図9】 従来の心電同期計測を示す図
【図10】従来の心電同期計測における位相エンコード傾斜磁場制御を示す図
【図11】 従来の造影撮影における位相エンコード傾斜磁場制御を示す図
【図12】 従来の心電同期計測における位相エンコード傾斜磁場制御を示す図
【図13】 従来の心電同期計測における位相エンコード傾斜磁場制御を示す図
【符号の説明】
101・・・被検体、102・・・磁石、103・・・傾斜磁場コイル、104・・・RFコイル、105・・・RFプローブ、106・・・信号検出部、107・・・信号処理部、111・・・制御部

Claims (4)

  1. 被検体が置かれる空間に高周波磁場、傾斜磁場を印加する各磁場発生手段と、被検体が発生する核磁気共鳴信号をエコー信号として計測する受信手段と、高周波磁場及び傾斜磁場の印加ならびにエコー信号の取得を制御する制御手段と、エコー信号を用いて被検体の画像を再構成する信号処理手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、周期的に発生する生体モニター信号に同期して、各周期内にエコー信号を計測する計測ウィンドウを設定する手段と、前記計測ウィンドウ内で計測する複数のエコー信号を2以上のグループに分割し、各グループの信号計測時間に応じてk空間の所定領域を占めるように位相エンコードを制御する位相エンコード制御手段とを備え、
    前記位相エンコード制御手段は、前記2以上のグループのうち、信号計測時間が早いグループのエコー信号を、周期毎に順次、前記k空間の低域から高域に向かって配置することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 被検体が置かれる空間に高周波磁場、傾斜磁場を印加する各磁場発生手段と、被検体が発生する核磁気共鳴信号をエコー信号として計測する受信手段と、高周波磁場及び傾斜磁場の印加ならびにエコー信号の取得を制御する制御手段と、エコー信号を用いて被検体の画像を再構成する信号処理手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、周期的に発生する生体モニター信号に同期して、各周期内にエコー信号を計測する計測ウィンドウを設定する手段と、前記計測ウィンドウ内で計測する複数のエコー信号のうち、第1の期間で取得されるエコー信号はk空間の低周波領域を占め、前記第1の期間より遅い第2の期間で取得されるエコー信号はk空間の高周波領域を占めるように位相エンコードを制御する位相エンコード制御手段とを備え、
    前記位相エンコード制御手段は、前記第1の期間で取得されるエコー信号を、周期毎に順次、前記k空間の低域から高域に向かって配置することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気共鳴イメージング装置であって、前記制御手段は、前記計測ウィンドウの前段に、特定の組織からの信号を抑制するためのプリパレーションパルスを印加する工程を設けることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 被検体が置かれる空間に高周波磁場、傾斜磁場を印加する各磁場発生手段と、被検体が発生する核磁気共鳴信号をエコー信号として計測する受信手段と、高周波磁場及び傾斜磁場の印加ならびにエコー信号の取得を制御する制御手段と、エコー信号を用いて被検体の画像を再構成する信号処理手段とを備えた磁気共鳴イメージング装置において、
    前記制御手段は、特定の組織からの信号を抑制するためのプリパレーションパルスの印加後に複数のエコー信号を取得する計測を複数回繰り返す制御を行い、その際、取得されるエコー信号のk空間への充填を前記プリパレーションパルス印加からの経過時間に応じて制御し、1回の繰り返しの前半で取得されるエコー信号を、繰返し毎に順次、前記k空間の低域から高域に向かって配置することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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