JP2001178701A - Mri装置及びmrイメージング方法 - Google Patents

Mri装置及びmrイメージング方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】造影剤を投与すること無く、血流のインフロー
効果を最大限活かして、血流と実質部とのコントラスト
を向上させたMRA像を提供する。 【解決手段】MRI装置は、心電同期法に拠るイメージ
ングスキャンに用いられ且つ高信号値を呈する高信号時
相域に対応した最適同期タイミングをECG−prep
スキャンの実行を通して事前に設定する手段と、最適遅
延時間に同期したイメージングスキャンを実行してエコ
ー信号を収集する手段と、エコー信号をk空間に配置す
ると共に当該配置信号に再構成処理を施して画像を生成
する手段とを備える。イメージング用スキャン手段は、
高信号時相域で収集したエコー信号をk空間の中心部の
所望低周波領域に配置するように設定したパルスシーケ
ンスを実行する手段を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、MR造影剤を用い
ること無く血流を撮像するMRI装置及びMRイメージ
ング方法に係り、とくに、心電同期法を用いて、血流の
インフローに拠る効果(すなわち、フレッシュな血流の
撮像領域への流入に伴ってMR信号値が上がる効果:イ
ンフロー効果)を最大限に有用化したMRA(MAアン
ギオグラフィ)を行うことができるMRI装置及びMR
イメージング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージングは、静磁場中に置
かれた被検体の原子核スピンをそのラーモア周波数の高
周波信号で磁気的に励起し、この励起に伴って発生する
MR信号から画像を再構成する撮像法である。
【0003】この磁気共鳴イメージングの分野におい
て、肺野や腹部の血流像を得る場合、臨床的には、被検
体にMR造影剤を投与することで血管造影を行うMRア
ンギオグラフィが行われ始めている。しかし、この造影
MRアンギオグラフィ法は、造影剤を投与するための侵
襲的な処置が必要であり、何よりもまず、患者の精神
的、体力的な負担が大きい。また、検査コストも高い。
さらに、患者の体質などによっては造影剤を投与できな
い場合もある。
【0004】造影剤を投与できない又は投与しない場
合、それに代わる手法の一つとして、タイム・オブ・フ
ライト(time−of−flight:TOF)法な
どが知られている。
【0005】このタイム・オブ・フライト法は、血流な
どの流れの効果を利用する手法である。一般に、流れの
効果は、移動するスピンが有する2つの性質のいずれか
によって起こる。1つは、スピンが単純に位置を移動さ
せることで、2つ目は、傾斜磁場の中をスピンが移動す
ることによって生じる横磁化の位相シフトに依る。この
内、前者の位置移動に基づく手法がTOF法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のTO
F法を用いた撮像の一例として、頭部にTOF法を適用
して3次元撮像が行なわれている。しかしながら、これ
により得られる血流像にあっては、血流と実質部のコン
トラストが未だ十分ではなく、このコントラストを何と
か改善して、分解能を高めて欲しいとする要求が臨床の
現場からも出されていた。
【0007】本発明は、このような従来技術の現状を打
破するためになされたもので、その目的は、造影剤を投
与すること無く血流を撮像でき、且つ流れの状態が変化
する血流であっても、血流のインフロー効果を最大限活
かして、その血流と実質部とのコントラストを向上させ
たMRA像を得ることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前述した従
来の3D−TOF法に関わる問題を種々の方面から鋭
意、検討及び研究を重ねた結果、以下のような結論に達
した。
【0009】従来のTOF法、とくに3D−TOF法
は、見方を変えると、撮像対象である血流の速さ、拍動
の状態など、撮像対象側の事情を考慮していない撮像手
順に拠っている。このため、信号値の大小に格別大きく
影響する、拍動の変化の大きい時相とそうでない時相と
の間で平均化された信号強度の画像しか得られない。例
えば、従来の3D−TOF法を頭部に適用した場合、拍
動の強弱に伴う信号変化が平均化された状態で撮像され
るため、頭部3D−MRAの画像に表れる血流信号も平
均化された値に留まっていた。このため、血管と実質部
のコントラストが未だ十分ではなかった。
【0010】そこで、本発明に係るMRイメージングに
あっては、ECG−prepスキャン法と呼ばれる準備
用スキャンを用いて、拍動など、流れの状態が変化する
血流からの信号が最も高信号になる(すなわちTOF効
果に拠るインフロー効果を最大限、有効に利用した)最
適なR波からの遅延時間(心電同期法の同期タイミング
と呼ばれる)を計測し、本スキャンであるイメージング
用スキャン(2D又は3D)では、その高信号値を呈す
る時相で得られるエコーデータをk空間(周波数空間)
の中心付近の低周波領域に配置して画像再構成するとい
う手法を採る。ECG−prepスキャン法に基づくパ
ルスシーケンスとしては、例えば、データ収集を行うイ
メージングスキャンのシーケンスと同等のエコー時間T
Eを有するシングルスライス・マルチフェーズ(sin
gle slice at multiphase)の
シーケンスを用いる。
【0011】このように、信号値の高い時相付近から得
られたエコーデータをk空間(周波数空間)の位相エン
コード方向の中心域に並べて再構成することによって、
血液とノイズのコントラストの高い画像を得ることがで
きる。
【0012】また、好適には、上述した高信号値を呈す
る時相以外の時相で収集した信号は、k空間の残りの高
周波領域に配置される。これにより、ECG同期(EC
G−gating)法を用いた場合でも、全体のスキャ
ン時間(撮像時間)の長期化を抑えることができる。
【0013】本発明の具体的な構成は以下のようであ
る。
【0014】本発明のMRI装置は、被検体の所望領域
に対して心電同期法に拠るイメージングを行うようにし
た装置であり、前記心電同期法に拠るイメージング用M
Rスキャンに用いられ且つ高信号値を呈する高信号時相
域に対応した最適同期タイミングを準備用MRスキャン
の実行を通して事前に設定する最適遅延時間設定手段
と、前記最適遅延時間に同期したイメージング用MRス
キャンを実行してエコー信号を収集するイメージング用
スキャン手段と、このエコー信号をk空間に配置すると
共に当該配置信号に再構成処理を施して画像を生成する
画像生成手段とを備え、前記イメージング用スキャン手
段は、前記高信号時相域で収集したエコー信号を前記k
空間の中心部の所望低周波領域に配置するように設定し
たパルスシーケンスを実行する実行手段を備えたことを
特徴とする。
【0015】好適には、前記最適遅延時間設定手段は、
前記被検体の心時相を表す信号を収集する信号収集手段
と、前記信号の中の参照波に同期した異なる複数の遅延
時間夫々にて前記領域に対する前記準備用MRスキャン
を実行してエコー信号を収集する準備用スキャン手段
と、このエコー信号から前記複数の遅延時間に対応した
複数枚の画像を各々得る画像取得手段と、前記参照波に
同期した前記最適遅延時間を前記複数枚の画像に基づい
て決める決定手段とを備える。また、前記最適遅延時間
設定手段は、前記被検体の心時相を表す信号を収集する
信号収集手段と、前記信号の中の参照波に同期した異な
る複数の遅延時間夫々にて前記領域に対する前記準備用
MRスキャンを実行してエコー信号を収集する準備用ス
キャン手段と、このエコー信号から前記複数の遅延時間
に対応した複数枚の画像を各々得る画像取得手段と、前
記複数枚の画像をオペレータが目視観察して決めた前記
参照波に同期した前記最適遅延時間を受け付ける受付け
手段とを備えていてもよい。
【0016】例えば、前記準備用スキャン手段は、シン
グルスライス・マルチフェーズ(single sli
ce at multiphase)方式のパルスシー
ケンスで前記準備用MRスキャンを実行する手段であ
る。このシングルスライス・マルチフェーズ方式のパル
スシーケンスは2次元のセグメンテッドFFE(se
g.FFE)法に拠るパルスシーケンスであってもよ
い。
【0017】好適には、前記実行手段により実行される
パルスシーケンスは2次元又は3次元のセグメンテッド
FFE(seg.FFE)法に拠るパルスシーケンスで
ある。また、前記実行手段により実行されるパルスシー
ケンスは、このパルスシーケンスを実行して収集された
エコー信号がセントリック・オーダー(centric
order)で前記k空間に配置される位相エンコー
ド量又はスライスエンコード量の傾斜磁場パルスを有し
ていてもよい。例えば、前記実行手段により実行される
パルスシーケンスと前記準備用スキャン手段により実行
されるパルスシーケンスとのエコー時間は互いに略同一
であることが望ましい。
【0018】さらに、前記実行手段により実行されるパ
ルスシーケンスは3次元のセグメンテッドFFE(se
g.FFE)法に拠るパルスシーケンスであってもよ
い。
【0019】また前記実行手段により実行されるパルス
シーケンスは、前記最適遅延時間に同期して前記高信号
時相域においてエコー信号収集のために印加するパルス
列と、当該最適遅延時間に到達する前の空き時相域にお
いて印加するパルス列とを含んでいてもよい。この場
合、前記空き時相域において印加するパルス列は、前記
k空間の低周波領域以外の残り領域である高周波領域に
スクロールして配置するエコー信号を収集するためのパ
ルス列を含むこともできる。また、前記空き時相域にお
いて印加するパルス列は、前記領域の実質部のスピンを
励起する空打ちパルスを含むことも可能である。さら
に、前記空き時相域において印加するパルス列は、前記
領域から収集するエコー信号にMT効果を起こさせるM
Tパルスを含むという構成も好適な態様である。
【0020】さらに、前記イメージング用スキャン手段
は、前記領域全体を一度に励起して得られるエコー信号
の強度をモニタする手段と、この信号強度が一定値を超
えた時点で前記イメージング用MRスキャンを開始させ
る手段とを備えることができる。
【0021】さらに、前記準備用スキャン手段は、シン
グルスライス・マルチフェーズ(single sli
ce at multiphase)方式の2次元のフ
ィールドエコー(FE)法に拠るパルスシーケンスで前
記準備用MRスキャンを実行する手段であり、一方、前
記実行手段により実行されるパルスシーケンスは、2次
元又は3次元のタイム・オブ・フライト(TOF)法を
成すフィールドエコー(FE)法に拠るパルスシーケン
スであってもよい。この場合、前記準備用スキャン手段
は、前記パルスシーケンスを用いて前記複数の同期タイ
ミング夫々に対応したk空間の所望低周波領域を成す中
心部のみにエコー信号を収集・配置し、且つ、前記複数
の同期タイミングの内の少なくとも1つに対応したk空
間の残りの高周波領域にエコー信号を収集・配置する手
段を有し、前記画像取得手段は、前記準備用スキャン手
段によりエコー信号が配置されていない高周波領域を有
するk空間には、そのエコー信号が配置されているk空
間の高周波領域から信号値を複写する手段を有すること
もできる。
【0022】さらに、前記最適遅延時間設定手段は、前
記領域の2次元位相画像(2D−PS)をシングルスラ
イス・マルチフェーズ(single slice a
tmultiphase)方式で収集して前記各同期タ
イミングにおけるフロー像を作成する手段と、この複数
枚のフロー像からピークフローを呈するフロー像に基づ
いて前記最適同期タイミングを決める手段とを備えてい
てもよい。
【0023】さらに、好適には、前記心時相を表す信号
はECG(心電図)信号であり、前記参照波はそのEC
G信号のR波であり、且つ、前記同期タイミングはその
R波からの遅延時間であるとする構成が提供される。
【0024】一方、本発明に係るMRイメージング方法
によれば、被検体の所望領域に対して心電同期法に拠る
イメージングを行う方法において、前記心電同期法に拠
るイメージング用MRスキャンに用いられ且つ高信号値
を呈する高信号時相域に対応した最適同期タイミングを
準備用MRスキャンの実行を通して事前に設定する第1
のステップと、前記最適遅延時間に同期したイメージン
グ用MRスキャンを実行してエコー信号を収集する第2
のステップと、このエコー信号をk空間に配置すると共
に当該配置信号に再構成処理を施して画像を生成する第
3のステップと有し、前記第1のステップは、前記高信
号時相域で収集したエコー信号を前記k空間の中心部の
所望低周波領域に配置するように設定したパルスシーケ
ンスを実行する処理を行なうことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
説明する。
【0026】(第1の実施の形態)第1の実施の形態
を、図1〜図10を参照して説明する。
【0027】この実施形態にかかるMRI(磁気共鳴イ
メージング)装置の概略構成を図1に示す。
【0028】このMRI装置は、被検体Pを載せる寝台
部と、静磁場を発生させる静磁場発生部と、静磁場に位
置情報を付加するための傾斜磁場発生部と、高周波信号
を送受信する送受信部と、システム全体のコントロール
及び画像再構成を担う制御・演算部と、被検体Pの心時
相を表す信号としてのECG信号を計測する心電計測部
とを備えている。
【0029】静磁場発生部は、例えば超電導方式の磁石
1と、この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備
え、被検体Pが遊挿される円筒状の開口部(診断用空
間)の軸方向(Z軸方向)に静磁場Hを発生させる。
なお、この磁石部にはシムコイル14が設けられてい
る。このシムコイル14には、後述するホスト計算機の
制御下で、シムコイル電源15から静磁場均一化のため
の電流が供給される。寝台部は、被検体Pを載せた天板
を磁石1の開口部に退避可能に挿入できる。
【0030】傾斜磁場発生部は、磁石1に組み込まれた
傾斜磁場コイルユニット3を備える。この傾斜磁場コイ
ルユニット3は、互いに直交するX軸方向、Y軸方向及
びZ軸方向の傾斜磁場を発生させるための3組(種類)
のx,y,zコイル3x〜3zを備える。傾斜磁場部は
また、x,y,zコイル3x〜3zに電流を供給する傾
斜磁場電源4を備える。この傾斜磁場電源4は、後述す
るシーケンサ5の制御のもとで、x,y,zコイル3x
〜3zに傾斜磁場を発生させるためのパルス電流を供給
する。
【0031】傾斜磁場電源4からx,y,zコイル3x
〜3zに供給されるパルス電流を制御することにより、
物理軸である3軸(X軸,Y軸,Z軸)方向の傾斜磁場
を合成して、互いに直交するスライス方向傾斜磁場
、位相エンコード方向傾斜磁場G、および読出し
方向(周波数エンコード方向)傾斜磁場Gから成る論
理軸方向を任意に設定・変更することができる。スライ
ス方向、位相エンコード方向、および読出し方向の各傾
斜磁場は静磁場Hに重畳される。
【0032】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検
体Pの近傍に配設されるRFコイル7と、このコイル7
に接続された送信器8T及び受信器8Rとを備える。こ
の送信器8T及び受信器8Rは、後述するシーケンサ5
の制御のもとで動作する。この動作により、送信器8T
は、核磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラーモア
周波数のRF電流パルスをRFコイル7に供給する。受
信器8Rは、RFコイル7が受信したMR信号(高周波
信号)を取り込み、これに前置増幅、中間周波変換、位
相検波、低周波増幅、フィルタリングなどの各種の信号
処理を施した後、A/D変換してMR信号のデジタルデ
ータ(原データ)を生成する。
【0033】さらに、制御・演算部は、シーケンサ(シ
ーケンスコントローラとも呼ばれる)5、ホスト計算機
6、演算ユニット10、記憶ユニット11、表示器1
2、入力器13、及び音声発生器16を備える。この
内、ホスト計算機6は、記憶したソフトウエア手順(図
示せず)により、シーケンサ5にパルスシーケンス情報
を指令するとともに、装置全体の動作を統括する機能を
有する。
【0034】このMRI装置は、図示しないメインプロ
グラムを実行する中で、図2に示すように、最初に準備
用スキャン(以下、ECG−prepスキャンという)
を行ない、次いでイメージング用スキャン(以下、イメ
ージングスキャンという)を行なうという2段階のスキ
ャン方式を採る。ECG−prepスキャンでは、EC
G信号を用いて準備用パルスシーケンスが実行され、そ
の後のイメージングスキャンにおいてk空間の低周波領
域に配置するエコーデータの心時相での収集開始タイミ
ングが最適に定められる。この収集開始タイミングは、
ここでは、ECG信号のR波のピーク値から遅延時間と
して決められる。イメージングスキャンでは、そのよう
にして決めたタイミングに同期したスキャンを含む心電
同期法に拠るイメージング用パルスシーケンスが実行さ
れる。
【0035】シーケンサ5は、CPUおよびメモリを備
えており、ホスト計算機6から送られてきたパルスシー
ケンス情報を記憶し、この情報にしたがって傾斜磁場電
源4、送信器8T、受信器8Rの動作を制御するととも
に、受信器8Rが出力したMR信号のデジタルデータを
一旦入力し、これを演算ユニット10に転送するように
構成されている。ここで、パルスシーケンス情報とは、
一連のパルスシーケンスにしたがって傾斜磁場電源4、
送信器8Tおよび受信器8Rを動作させるために必要な
全ての情報であり、例えばx,y,zコイル3x〜3z
に印加するパルス電流の強度、印加時間、印加タイミン
グなどに関する情報を含む。
【0036】このパルスシーケンスとしては、2次元
(2D)スキャンまたは3次元スキャン(3D)のもの
であり、またそのパルス列の形態としては、セグメンテ
ィド(segmented)FFE(高速FE)法、F
E法など、各種の形態のものを採用できる。
【0037】また、演算ユニット10は、受信器8Rが
出力したデジタルデータ(原データ又は生データとも呼
ばれる)を、シーケンサ5を通して入力し、その内部メ
モリによるk空間(フーリエ空間または周波数空間とも
呼ばれる)にそのデジタルデータを配置し、このデータ
を1組毎に2次元または3次元のフーリエ変換に付して
実空間の画像データに再構成する。また演算ユニット
は、必要に応じて、画像に関するデータの合成処理や差
分演算処理も実行可能になっている。この合成処理に
は、画素毎に加算する処理、最大値投影(MIP)処理
などが含まれる。また、上記合成処理の別の例として、
フーリエ空間上で複数フレームの軸の整合をとって原デ
ータのまま1フレームの原データに合成するようにして
もよい。なお、加算処理には、単純加算処理、加算平均
処理、重み付け加算処理などが含まれる。
【0038】記憶ユニット11は、再構成された画像デ
ータのみならず、上述の合成処理や差分処理が施された
画像データを保管することができる。表示器12は例え
ば再構成画像を表示するのに使用される。また入力器1
3を介して、術者が希望するパラメータ情報、スキャン
条件、パルスシーケンス、画像合成や差分の演算に関す
る情報などをホスト計算機6に入力できる。
【0039】音声発生器16は、ホスト計算機6から指
令があったときに、息止め開始および息止め終了のメッ
セージを音声として発することができる。
【0040】さらに、心電計測部は、被検体の体表に付
着させてECG信号を電気信号として検出するECGセ
ンサ17と、このセンサ信号にデジタル化処理を含む各
種の処理を施してホスト計算機6およびシーケンサ5に
出力するECGユニット18とを備える。このECG計
測信号は、ECG−prepスキャンとイメージングス
キャンを実行するときにシーケンサ5にて用いられる。
これにより、心電同期法のための同期タイミングを最適
に設定でき、この同期タイミングに基づく心電同期イメ
ージングスキャンを行ってデータ収集できる。
【0041】続いて、ECG−prepスキャンを図3
〜6に基づき説明する。
【0042】ホスト計算機6は、図示しない所定のメイ
ンプログラムを実行している中で、例えば入力器13か
らの指令に応答して、図3に示すECG−prepスキ
ャンの処理の実行を開始させる。
【0043】最初に、ホスト計算機6は、ECG−pr
epスキャンを実行するためのスキャン条件及びパラメ
ータ情報を入力器13から読み込む(同図ステップS
1)。スキャン条件には、スキャンの種類、パルスシー
ケンス、位相エンコード方向などが含まれる。パラメー
タ情報には、心時相内のタイミングを決定する遅延時間
DLなどが含まれる。これらのパラメータは操作者が
任意に設定できる。
【0044】次いで、ホスト計算機6は音声発生器16
にメッセージデータを送出して、例えば「息を止めて下
さい」といった息止め指令を被検体(患者)に対して行
わせる(ステップS2)。この息止めは、ECG−pr
epスキャン実行中の被検体の体動を抑制する観点か
ら、実施する方が好ましいが、場合によっては、息止め
を実施しない状態でECG−prepスキャンを実行す
るようにしてもよい。
【0045】この後、ホスト計算機6はECG信号の読
込みを開始する(ステップS3)。
【0046】次いで、ECG信号中の参照波としてのR
波のピーク値からの経過時間を計測するソフトウエアタ
イマTのカウント値をクリア(T=0)する(ステップ
S4)。
【0047】そして、ホスト計算機6はECG信号にお
いてR波のピーク値が出現したか否かを判断する(ステ
ップS5)。この判断は、R波ピーク値が出現するまで
継続される。
【0048】このステップS5の判断でYES、すなわ
ちR波ピーク値が出現すると、ホスト計算機はさらに、
R波ピーク値から遅延時間TDL(=α1、α2、…、
αnが経過したか否かをタイマTのカウント値に基づい
て判断する(ステップS6)。ここで、遅延時間TDL
=α1、α2、…、αnは、図4に示す如く、α1<α
2、…、<αnに設定されており、心周期毎にセグメン
ト化されたセグメント(セグメント数n=1〜所定数)
の各々を形成する複数の時相(phase)(ここでは
時相数m=1〜5;各時相は複数個のスキャンから成
る;ここではスキャン数p=1〜4)の開始タイミング
を規定する時間値である。このステップS6の判断も、
設定した遅延時間TDL(=α1、α2、…、αn)が
経過するまで継続される。
【0049】このステップS6の判断がYES、すなわ
ち遅延時間TDL(=α1α2、…、αn)が到来した
と認識されると、ホスト計算機6はシーケンサ5に対し
て、例えば、2次元セグメンテッド(segmente
d)FFE法(以下、seg.FFE法と記す)に基づ
く各セグメント数nに対する時相数m且つ各時相を構成
するスキャン数pに拠るスキャンの実行を指令する(ス
キャンS7)。
【0050】このseg.FFE法は、ECG信号のR
−R波間において、セグメントと呼ぶ一塊の連続データ
を得る手法である。このseg.FFE法に拠るECG
−prepスキャンは「シングルスライス・マルチフェ
ーズ」と呼ばれる方式に基づいて実施される。この「シ
ングルスライス・マルチフェーズ」方式によれば、スラ
イス用傾斜磁場GおよびRF周波数で決まるシングル
スライスに対して複数の時相のエコーデータを一度に収
集することができる。このため、本実施形態では、EC
G−prepスキャンにより例えば図4に示す如く、頭
部のスライスがスキャンされ、そのスライスに撮像目的
の血管が入るようにそのスライス厚さが決められる。
【0051】本実施形態では、ECG−prepスキャ
ンに用いるパルスシーケンスは2次元スキャンであり、
後述するイメージングスキャンにおけるそれは3次元ス
キャンである。ECG−prepスキャンは画像自体を
得ることが目的ではなく、心電同期法を実施するとき
の、血流部分が最も高信号値に描出される心時相を見つ
けることができればよいので、2次元スキャンでも十分
である。ECG−prepスキャンを2次元スキャンで
実行することにより、ECG−prepスキャンの時間
を短縮することができる。
【0052】ただし、ECG−prepスキャンとイメ
ージングスキャンに使用するパルスシーケンスは同一種
とすることが望ましく、その一例がseg.FFE法で
ある。パルスシーケンスの種類が変われば、同一スキャ
ン部位であっても画質が変化するので、これは当然のこ
とと言える。また、ECG−prepスキャンとイメー
ジングスキャンに使用するパルスシーケンスのエコー時
間TE(図5及び後述する図7のTE=TE参照)は
同じであることが望ましい。これにより、血流のスピン
のディフェーズ成分をほぼ同じにすることができる。
【0053】なお、このECG−prepスキャンは、
例えば、イメージングスキャン(本スキャン)が3次元
(3D)法の場合、2次元(2D)スキャンで行っても
よいし、イメージングスキャンの領域に合わせた3次元
スキャンで行ってもよい。
【0054】一方、このECG−prepスキャンとE
CG信号の対応については、一例として図4及び図5に
示す如く、心周期毎の5個の時相mが、R波からの遅延
時間TDL=α1〜α5にほぼ対応した値に設定されて
いる。このため、ECG−prepスキャンが実行され
ると、シーケンサ5の管理下において、図5に示す如
く、時相毎に4回のスキャンがFFE法に拠り実行さ
れ、各時相毎に4個のエコー信号が収集される。
【0055】k空間は図4に示す如く、その位相エンコ
ード方向が4個の領域に分割されている。そして、位相
エンコード方向傾斜磁場パルスGによる位相エンコー
ド量を適宜に設定することで、各心周期における一定番
目の時相mにおける4回のスキャンのエコーデータが1
つの2次元k空間を埋めるようになっている。このと
き、セグメントn=1におけるm=1の時相で収集され
た4個のエコー信号が4個の分割領域それぞれにおける
先頭の位相エンコード位置に、次いで、セグメントn=
2におけるm=1の時相で収集された4個のエコー信号
が4個の分割領域それぞれにおける次の位相エンコード
位置に、といった具合に順に配置される。
【0056】次いで、ホスト計算機6は所定セグメント
数n分のスキャンが終了したか否かを判断し、NOの場
合はステップS4に戻って、上述した処理を繰り返す
(ステップS8)。
【0057】このため、ステップS8でYESと判断さ
れたときは、所定セグメント数n分のスキャンが完了し
たときである。それらのスキャンに係るエコー信号は受
信器8Rにより受信されて受信処理され、エコーデータ
としてシーケンサを介して演算ユニット10に送られ
る。このエコーデータは、演算ユニット10にて、各セ
グメントn内の時相数m=5に対応した、全部で5組の
2次元k空間KS1〜KS5に充填されている。この5
組のk空間KS1〜KS5を埋めたエコーデータは、そ
れぞれ、R波からの遅延時間TDL=α1〜α5にほぼ
同期して収集されたエコーデータ群であると見なすこと
ができる。
【0058】そして、ステップS8でYESの判断が下
されたときはECG−prepスキャンが終了したとき
であるので、ホスト計算機6は、息止め解除の指令を音
声発生器16に出力させる(ステップS9)。これによ
り、音声発生器16から息止めの音声メッセージが例え
ば「息をして結構です」の内容で出力される。
【0059】上述の処理が順次実行されると、R波から
の遅延時間TDLがそれぞれ、例えば、TDL=50m
sec,150msec,250msec,350ms
ec,450msecである5フレーム分のエコーデー
タが演算ユニット10内に用意される。そこで、演算ユ
ニット10により、これらのエコーデータが実空間の画
像に夫々再構成され、記憶ユニット11に格納される。
ホスト計算機6は、例えば入力器13からの操作信号に
応答して、この再構成画像を記憶ユニット11から読み
出し、MRA像として順次、シネ(CINE)表示す
る。
【0060】したがって、オペレータは、これらのシネ
表示像を目視観察することで、血流部分が最も高信号に
描出されているMRA像を決定することができる。
【0061】つまり、ECG−prepスキャンにより
得られた複数枚のMRA像はそれぞれR波からの遅延時
間TDLが異なっているので、拍動する血流が頭部スラ
イス領域に流入するときのインフロー効果が最も大きい
ほど、再構成されたMRA像の血流は高い信号値で描出
される。このため、画像の血流部分が最も明瞭で且つ高
い信号である画像を特定することで、最適な遅延時間T
DL、すなわち心電同期法の実施下において未飽和のフ
レッシュなインフロー(血流)を確実に捕捉できる同期
タイミングを決めることができる。
【0062】なお、この複数枚のMRA像から心電同期
法の同期タイミングを決める処理は、必ずしもオペレー
タの画像目視観察に限定されるものではなく、表示画像
上で血流部分にROIを設定し、そのROI内の信号強
度分布を解析し、その解析結果を比較するなどの自動化
処理で行なってもよい。また、目視観察や自動化処理の
結果、最適と思われる画像が複数、すなわち最適と思わ
れる遅延時間が複数個、存在する場合、それらの遅延時
間間で補間などの別処理を行なって新たな遅延時間(同
期タイミング)を演算するようにしてもよい。
【0063】このようにECG−prepスキャンを介
して最適設定された同期タイミングは、この後の心電同
期法に拠るイメージングスキャンに反映される。
【0064】続いて、心電同期法に基づくイメージング
スキャンを図6〜図10を参照して説明する。
【0065】ホスト計算機6は、図示しない所定のメイ
ンプログラムを実行する中で、入力器13からの操作情
報に呼応して図6に示す処理を実行する。
【0066】これを詳述すると、ホスト計算機6は、最
初に、前述したECG−prepスキャンの実行を通し
て決められた、心電同期法の最適遅延時間TDLを読み
込む(図6、ステップS20)。この時間値の読込み
は、入力器13を介してオペレータからの入力を受けて
もよいし、記憶ユニット11内のメモリに記憶しておい
た最適遅延時間TDLを自動的にワークエリアに読み出
すことで行なってもよい。
【0067】次いで、ホスト計算機6は操作者が入力器
13から指定したスキャン条件(位相エンコードの方
向、画像サイズ、スキャン回数、スキャン間の待機時
間、スキャン部位に応じたパルスシーケンスの種類な
ど)および画像処理法の情報(加算処理か最大値投影
(MIP)処理かなど。加算処理の場合には、単純加
算、加算平均処理、重み付け加算処理のいずれか等)を
入力し、最適遅延時間TDLを含むそれらの情報を制御
データに処理し、その制御データをシーケンサ5および
演算ユニット10に出力する(ステップS21)。
【0068】次いで、ホスト計算機6は、イメージング
スキャン前の準備完了の通知があったと判断できると
(ステップS22)、ステップS23で息止め開始の指
令を音声発生器14に出力する(ステップS23)。こ
れにより、音声発生器14は、ECG−prepスキャ
ン時と同様に「息を止めて下さい」といった内容の音声
メッセージを発するから、これを聞いた患者は息を止め
ることになる。
【0069】この後、ホスト計算機6はシーケンサ5に
イメージングスキャンの開始を指令する(ステップS2
7及び図7の処理参照)。
【0070】このイメージングスキャンのパルスシーケ
ンスの概要、心周期毎の血流信号強度(拍動)との時間
関係、及びエコー信号の配置例を図8に、また、このパ
ルスシーケンスのパルス列の詳細例を図9に示す。
【0071】なお、このイメージングスキャンにより収
集されるエコー信号の処理は、前述したECG−pre
pスキャンのときと同様である。つまり、エコー信号は
RFコイル7で受信された後、受信器8Rに送られて受
信処理される。この処理された信号はエコーデータとし
てシーケンサ5を介して演算ユニット10に送られ、3
次元k空間にスライスエンコード量及び位相エンコード
量に応じて配置される。このため、以下の説明では、エ
コー信号の受信から配置までの詳細な説明は省略する。
【0072】イメージングスキャンは、図8,9に示す
如く、3次元のseg.FFE法に拠り、例えば頭部の
3次元領域Rimaを撮像部位(図10参照)として実
施される。この3次元seg.FFE法では、図8,9
に示すように、1心周期毎に、セグメント化されたフィ
ールドエコー収集用の複数のスキャン(セグメントn)
と、この複数のスキャンの中程で印加されるMT(ma
gnetic transfer)パルス:Pmt、C
HESS(chemical shift selec
tive)パルス:Pchess、及びスポイラパル
ス:SPs、SPr、SPeとが用いられる。なお、こ
の3次元seg.FFE法のパルス列におけるエコー時
間TE=TEは、前述したECG−prepスキャン
のそれと同じに設定されている。
【0073】具体的には、シーケンサ5は、スキャン開
始の指令を受けると、各心周期毎に、R波の出現後の所
定タイミングで数個のFFE法に拠る前半グループのス
キャンS1を実行する(図7のステップS24−1〜2
4−5)。この前半グループのスキャンS1によって収
集されたエコー信号は、図8に示すように、3次元k空
間のあるスライスエンコードGE2に対する高周波領域
H1に配置されるように位相エンコードGE1が設定
されている(図9参照)。
【0074】この高周波領域RH1及びこれと対象な位
置の高周波領域RH2は、図8の例では、128の位相
エンコード量を16ラインずつ8領域に分割した内の上
下各々から位相エンコード量=0の中心部に向かう3つ
の領域を指す。このため、位相エンコード方向の中心部
に位置する残りの2つの分割領域は、画像コントラスト
にとって重要な低周波領域Rとして設定されている。
【0075】この前半グループのスキャンS1について
は、位相エンコード量SE1の値の設定によって、その
1番目のスキャンで収集されるエコー信号がk空間のあ
るスライスエンコード量に対する高周波領域RH1の1
番目の分割領域に、2番目のスキャンで収集されるエコ
ー信号が同空間の高周波領域RH1の2番目の分割領域
に、及び3番目のスキャンで収集されるエコー信号が同
空間の高周波領域R の3番目の分割領域に夫々配置
される。しかも、この前半グループのスキャンS1の
内、最初の心周期のスキャンによって収集されたエコー
信号は、高周波領域RH1の3つの分割領域夫々におけ
る最初の位相エンコード量の位置に配置され、以下、心
周期毎に順に、次の位相エンコード量の位置に配置され
る。
【0076】また、各心周期において、この前半グルー
プのスキャンS1に続く適宜なタイミングでMTパル
ス:Pmt、CHESSパルス:Pchess、及びス
ポイラーパルス:SPs、SPr、SPeが順次印加さ
れる(図7のステップS24−6〜24−11参照)。
MTパルスはMT(magnetic transfe
r)効果を生じさせて、実質部からの信号値を抑制する
ために印加される。また、CHESSパルスは脂肪抑制
のために印加される。さらに、スポイラーパルスは、M
TパルスやCHESSパルスの印加がその後のエコー信
号収集に影響しないように、原子核スピンの位相を十分
にディフェーズさせるために印加される。このスポイラ
ーパルスはここではスライス方向、位相エンコード方
向、及び読出し方向の3方向に印加される。
【0077】この後、適宜なタイミングで、後半グルー
プのスキャンS2がseg.FFE法で実行される(図
7、ステップS24−12〜24−13及び図9参
照)。このスキャンS2は、k空間の中心部に位置する
低周波領域R及び残りの高周波領域RH2に配置する
エコー信号を収集するためのものである。
【0078】とくに、この後半グループのスキャンS2
の内、最初に実行されるスキャンの開始タイミングを、
前述したようにECG−prepスキャンを介して最適
設定された遅延時間TDLに一致させてある。後半グル
ープのスキャンS2の各スキャンで収集されるエコー信
号は、そのスキャン順に、低周波領域R及び残りの高
周波領域RH2に掛けて領域毎に配置される。
【0079】すなわち、後半グループのスキャンS2に
おける最初のスキャンによって収集されたエコー信号が
低周波領域Rの最初の分割領域に、2番目のスキャン
によって収集されたエコー信号が低周波領域Rの残り
の分割領域に、3番目のスキャンによって収集されたエ
コー信号が高周波領域RH2の最初の分割領域に、4番
目のスキャンによって収集されたエコー信号が高周波領
域RH2の次の分割領域にといった具合に配置される。
しかも、この後半グループのスキャンS2の内、最初の
心周期のスキャンによって収集されたエコー信号は、各
分割領域夫々における最初の位相エンコード量の位置に
配置され、以下、心周期毎に順に、次の位相エンコード
量の位置に配置される。
【0080】前述した如く、最適設定された遅延時間T
DLに一致させた心電同期タイミングは、撮像部位Ri
maにおいて血流信号が最も高く描出されるタイミング
であった。したがって、上述の如く収集することで、後
半グループのスキャンS2における初期のスキャン(特
に1、2番目のスキャン)により収集されるエコー信号
は必ず優先的に低周波領域Rに配置されることにな
る。
【0081】以上のseg.FFE法に拠るスキャンの
実行及びそのほかのMTパルスの印加は、心周期毎に、
例えば「16周期(n=16)×スライスエンコード量
分」、繰り返される。この結果、3次元k空間へのエコ
ーデータの配置が完了する(図7、ステップS24−1
4)。
【0082】この後、シーケンサ5はスキャン完了の通
知をホスト計算機6に通知する(ステップS24−1
5) ホスト計算機6は、シーケンサ5からのスキャン完了通
知を受けると(ステップS25)、息止め解除の指令を
音声発生器16に出力する(ステップS26)。そこ
で、音声発生器16は、例えば「息をして結構です」と
いった音声メッセージを患者に向けて発し、息止め期間
が終わる。
【0083】この後、ホスト計算機6は演算ユニット1
0に画像再構成及び表示の指令を出す(ステップS2
7)。これに応答して、演算ユニット10は、k空間の
データに例えば3次元フーリエ変換を施して実空間の3
次元画像データを生成するとともに、このデータを記憶
ユニット11に格納する。演算ユニット10は、さら
に、この3次元画像データに例えばMIP(最大値投
影)処理を施すことで2次元画像データを生成し、それ
を表示器12に表示する。
【0084】以上の画像生成法によれば、心電同期法の
同期タイミングがECG−prepスキャンを介して事
前に得た最適遅延時間TDLで規定されていること、及
び、その同期タイミングの近傍で収集される信号強度が
高いエコー信号をk空間の位相エンコード方向における
中心部、すなわち低周波領域に優先的に配置している。
このデータ収集・配置法は、上述した後半グループのス
キャンS2により達成されるものであり、このグループ
のスキャンS2を中心に考えると、セントリック・オー
ダー(centric order)のデータ収集・配
置法になっている。
【0085】このため、MR造影剤を用いないで血流を
画像化できることは勿論、拍動する血流であっても、再
構成画像における実質部と血流のコントラストは非常に
高く且つ安定したものとなる。すなわち、このような血
流のインフロー効果を最大限に利用してエコーデータの
収集及びk空間配置を行なうことができ、エンティティ
(血流)の描出能に優れた画像生成法を提供することが
できる。
【0086】なお、本発明者が行なった頭部のMRA像
に関する比較実験によれば、本発明を適用した3Dse
g.FFE法のイメージングスキャンの場合、通常の頭
部用3DTOF法に拠るイメージングスキャンに比べ
て、得られた画像の血流の信号強度が約1.5倍向上
し、描出能が確実に向上することが確認されている。
【0087】また、本実施形態では、心電同期法を併用
した3次元seg.FFE法に拠りイメージングスキャ
ンを実行するとき、心周期毎に、心電同期タイミングに
至る前の空き時間に、前半グループのスキャンS1によ
ってk空間の高周波領域にマッピングするエコーデータ
を収集している。このように空き時間を無駄にせずにデ
ータ収集を行なうことで、全体の撮像時間が極力短くす
ることができる。また、これにより、イメージングスキ
ャン時の息止め期間がなるべく短く抑えられ、患者の負
担が軽減される。
【0088】さらに、心電同期タイミングは上述のよう
に「シングルスライス・マルチフェーズ」方式で測定さ
れるので、1回のECG−prepスキャンで複数の時
相の画像を一度に得ることができる。つまり、複数回の
ECG−prepスキャンを行う必要がなく、全体の撮
像時間を短縮でき、患者スループットを向上させる。
【0089】なお、本実施形態のMRI装置に対しては
更に種々の変形が可能である。以下に、この変形形態を
説明する。
【0090】(第1の変形形態)上述した空き時間を利
用した前半グループのスキャンS1は必ずしも実行せ
ず、心周期毎に、MTパルス、CHESSパルス、及び
スポイラーパルスを印加した後、最適な同期タイミング
で始まるエコーデータ収集用の一連のスキャンが続くよ
うに構成しても勿論よい。
【0091】(第2の変形形態)また、上述した心電同
期法を併用したイメージング・スキャンは、図11に示
す如く、2次元seg.FFE法に拠り実行してもよ
い。このイメージング法は、図9に示したパルス列の
内、スライスエンコード用傾斜磁場の印加を省き、エン
コードとしては位相エンコード用傾斜磁場Gのみを印
加するようにしたものである。この2次元のイメージン
グスキャンにおいても、前述した最適同期タイミングの
事前設定とセントリック・オーダーのデータ収集及び配
置の手法を好適に用いることができる。
【0092】この場合、ECG−prepスキャンのス
ライスとイメージングスキャンのスライス(撮像領域)
が異なっていてもよい。
【0093】(第3の変形形態)この変形形態は、エコ
ーデータの収集及び配置をスクロール法に拠り実施する
ことが特徴である。心電同期法の同期タイミング(遅延
時間TDL)、k空間の位相エンコード数などに撮像条
件によっては、前述した後半グループのスキャンS2の
開始タイミングとR波との間に別のスキャンを行なうだ
けの空きが無いこともあり得る。そのような場合には、
設定した同期タイミングで直ぐにスキャン(前述した実
施形態では、後半グループのスキャンS2に相当)を開
始し、そのエコー信号をセントリック・オーダー法に基
づき収集・配置する。この場合、この開始した一連のス
キャンの内、時間的に後の方のスキャンに拠るエコー信
号は、図12の矢印で示す如く、k空間の高周波領域に
スクロールして配置されるように、位相エンコード用傾
斜磁場パルスが設定される。これによっても、撮像時間
の短縮を図ることができる。
【0094】(第4の変形形態)さらに、前述した実施
形態において、前半グループのスキャンS1の代わり
に、エコー信号を収集しない励起パルス(空打ちパル
ス)を印加するようにしてもよい。このように、R波の
出現からセントリック・オーダー法によるスキャンS2
までの間において、空き時間には常に空打ちパルスが印
加されるので、撮像領域の実質部からの信号値を抑え、
スライスエンコード間又はスライス間の信号のばらつき
を減らすことができる。
【0095】(第5の変形形態)この変形形態は、MT
パルスの印加に関する。図14に示す如く、MTパル
ス:Pmtとして、複数個に分割したMTパルスを連続
的に印加する。この分割MTパルス夫々のフリップ角は
小さいが、その複数個の全体としては所定のフリップ角
を確保できるようにそれらのパルス波形面積が設定され
ている。この分割した複数個のMTパルスによっても撮
像領域の実質部の信号値をMT効果によって抑えること
ができ、同時に、この複数個のMTパルスの印加数を調
整することで、スライスエンコード間又はスライス間の
信号のばらつきを調整することができる。
【0096】(第6の変形形態)この変形形態は、イメ
ージングスキャンの開始制御に関する。この制御の概要
は図15に示される(同図の処理は、シーケンサ、ホス
ト計算機、及び演算ユニットが共同して行なわれる)。
このイメージングスキャンを実施する場合、その前段階
のスキャンとして、心電同期を使用せず、かつエンコー
ド用傾斜磁場を印加しないseg.FFE法のパルスシ
ーケンスにより、リアルタイムに撮像領域(ボクセル)
全体からエコー信号を収集する(図15、ステップS4
1)。そして、このエコー信号の強度があるしきい値を
超えた時点で、前述した心電同期法併用の3Dseg.
FFE法に拠るイメージングスキャンを前述と同様に実
行させる(ステップS42〜S44)。これにより、ダ
イナミックスキャンの開始タイミングを自動的に最適値
に設定することができる。
【0097】(第7の変形形態)この変形形態は、前述
した心電同期法の同期タイミングの事前最適設定及びセ
ントリック・オーダー法によるデータ収集・配置の手法
を通常のTOF法、すなわちFE法に実施することを特
徴とする。この場合、例えば、ECG−prepスキャ
ンは2D−FE法(通常の2D−TOF法)で実行さ
れ、イメージングスキャンは3D−FE法(通常の3D
−TOF法)で実行される。勿論、イメージングスキャ
ンを2D−FE法(通常の2D−TOF法)で実行して
もよい。イメージングスキャンによるデータの収集及び
配置は、前述と同様に、セントリック・オーダー法で実
行される。
【0098】この場合、とくに、ECG−prepスキ
ャンが2D−FE法の場合、そのスキャン時間が長くな
るので、これを回避するには、いわゆるキーホール(k
eyhole)撮像法を併用することが望ましい。すな
わち、このECG−prepスキャンでは、2次元k空
間の位相エンコード方向の中心部(低周波領域)のみを
2D−FE法でデータ収集し、残りの高周波領域には一
度撮像したデータを複写することで、各回のデータ収集
を完了させる。これにより、2D−FE法に拠るECG
−prepスキャンの時間を短縮させることができる。
【0099】(第8の変形形態)この変形形態は、EC
G−prepスキャンを2次元の位相画像(2D−PS
像)で行なう例である。前述した心電同期法の同期タイ
ミング(遅延時間TDL)を計測する別の手法として、
シングルスライス・マルチフェーズ法に拠り2次元位相
画像を撮像し、心周期毎の各時相におけるフロー像を作
成する。このフロー像を例えば比較観察すると、トリガ
としてのR波から時間経過したときにフローがピークと
なる像を決めことできる。すなわち、このピークフロー
像を収集した時相を最適な同期タイミングとして設定
し、この同期タイミングを前述と同様にイメージングス
キャンに反映させることができる。
【0100】実施形態の説明は以上の通りであるが、本
発明は実施形態記載の構成に限定されるものではなく、
当業者においては、特許請求の範囲に記載の要旨を逸脱
しない範囲で適宜に変更、変形可能なものであり、それ
らの構成も本発明に含まれる。
【0101】例えば、前述の実施形態及びその変形形態
にあっては、心電同期法の同期タイミング(遅延時間)
は後半グループのスキャンS2の開始タイミングと同義
であるとして説明していたが、この同期タイミングは、
ECG−prepスキャンを通して、k空間の位相エン
コード量=0に配置するデータを収集するタイミングと
して規定するようにしてもよい。すなわち、ECG−p
repスキャンで得た最適な遅延時間と位相エンコード
数、低周波領域の範囲などの条件とを考慮して、演算に
より決めてもよい。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ECG−prepスキャンと呼ばれる準備用MRスキャ
ンを通して、血流のインフロー効果を最大に発揮し得る
心電同期法の最適な同期タイミングを決め、しかも、こ
の同期タイミングに拠る心電同期法を併用したイメージ
ング用MRスキャンを、いわゆるセントリック・オーダ
ー法の基に実行するので、造影剤を投与すること無く血
流を撮像でき、且つ流れの状態が変化する血流であって
も、血流のインフロー効果を最大限活かして、その血流
と実質部とのコントラストを向上させたMRA像を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態及び変形形態に係るMRI装
置の構成例を示す機能ブロック図。
【図2】実施形態及び変形形態におけるECG−pre
pスキャン及びイメージングスキャンの時間的前後関係
を説明する図。
【図3】実施形態においてホスト計算機が実行するEC
G−prepスキャンの手順を例示する概略フローチャ
ート。
【図4】ECG−prepスキャンとk空間へのデータ
配置との関係を例示するタイミングチャート。
【図5】ECG−prepスキャンのパルス列を説明す
るタイミングチャート。
【図6】ホスト計算機が実行するイメージングスキャン
の概略フローチャート。
【図7】シーケンサが実行するイメージングスキャンの
概略フローチャート。
【図8】イメージングスキャンとk空間へのデータ配置
との関係を例示するタイミングチャート。
【図9】イメージングスキャンのパルス列を説明するタ
イミングチャート。
【図10】イメージングスキャンの3次元撮像領域を説
明する図。
【図11】2次元のイメージングスキャンのパルス列を
説明するタイミングチャート。
【図12】データの収集・配置に適用可能なスクロール
法の概念を説明する図。
【図13】イメージングスキャンに空打ちパルスを用い
たパルスシーケンスのタイミングチャート。
【図14】イメージングスキャンに複数の分割MTパル
スを用いたパルスシーケンスのタイミングチャート。
【図15】イメージングスキャンの開始タイミングの制
御を示す概略フローチャート。
【符号の説明】
1 磁石 2 静磁場電源 3 傾斜磁場コイルユニット 4 傾斜磁場電源 5 シーケンサ 6 ホスト計算機 7 RFコイル 8T 送信器 8R 受信器 10 演算ユニット 11 記憶ユニット 12 表示器 13 入力器 17 ECGセンサ 18 ECGユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 聡 栃木県大田原市下石上1385番の1 株式会 社東芝那須工場内 (72)発明者 喜種 慎一 東京都北区赤羽二丁目16番4号 東芝医用 システムエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4C096 AA10 AB04 AB25 AC01 AC04 AD06 AD12 AD13 AD27 BA10 BA18 BA37 BA41 BA50 BB32 DA11 DA12 DA15 DA18 DB02 DB03 DB08

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体の所望領域に対して心電同期法に
    拠るイメージングを行うようにしたMRI装置におい
    て、 前記心電同期法に拠るイメージング用MRスキャンに用
    いられ且つ高信号値を呈する高信号時相域に対応した最
    適同期タイミングを準備用MRスキャンの実行を通して
    事前に設定する最適遅延時間設定手段と、前記最適遅延
    時間に同期したイメージング用MRスキャンを実行して
    エコー信号を収集するイメージング用スキャン手段と、
    このエコー信号をk空間に配置すると共に当該配置信号
    に再構成処理を施して画像を生成する画像生成手段とを
    備え、 前記イメージング用スキャン手段は、前記高信号時相域
    で収集したエコー信号を前記k空間の中心部の所望低周
    波領域に配置するように設定したパルスシーケンスを実
    行する実行手段を備えたことを特徴とするMRI装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のMRI装置において、 前記最適遅延時間設定手段は、前記被検体の心時相を表
    す信号を収集する信号収集手段と、前記信号の中の参照
    波に同期した異なる複数の遅延時間夫々にて前記領域に
    対する前記準備用MRスキャンを実行してエコー信号を
    収集する準備用スキャン手段と、このエコー信号から前
    記複数の遅延時間に対応した複数枚の画像を各々得る画
    像取得手段と、前記参照波に同期した前記最適遅延時間
    を前記複数枚の画像に基づいて決める決定手段とを備え
    たMRI装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のMRI装置において、 前記最適遅延時間設定手段は、前記被検体の心時相を表
    す信号を収集する信号収集手段と、前記信号の中の参照
    波に同期した異なる複数の遅延時間夫々にて前記領域に
    対する前記準備用MRスキャンを実行してエコー信号を
    収集する準備用スキャン手段と、このエコー信号から前
    記複数の遅延時間に対応した複数枚の画像を各々得る画
    像取得手段と、前記複数枚の画像をオペレータが目視観
    察して決めた前記参照波に同期した前記最適遅延時間を
    受け付ける受付け手段とを備えたMRI装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載のMRI装置におい
    て、 前記準備用スキャン手段は、シングルスライス・マルチ
    フェーズ(single slice at mult
    iphase)方式のパルスシーケンスで前記準備用M
    Rスキャンを実行する手段であるMRI装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のMRI装置において、 前記シングルスライス・マルチフェーズ方式のパルスシ
    ーケンスは2次元のセグメンテッドFFE(seg.F
    FE)法に拠るパルスシーケンスであるMRI装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のMRI装置において、 前記実行手段により実行されるパルスシーケンスは2次
    元又は3次元のセグメンテッドFFE(seg.FF
    E)法に拠るパルスシーケンスであるMRI装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のMRI装置において、 前記実行手段により実行されるパルスシーケンスは、こ
    のパルスシーケンスを実行して収集されたエコー信号が
    セントリック・オーダー(centric orde
    r)で前記k空間に配置される位相エンコード量又はス
    ライスエンコード量の傾斜磁場パルスを有するMRI装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載のMRI装置におい
    て、 前記実行手段により実行されるパルスシーケンスと前記
    準備用スキャン手段により実行されるパルスシーケンス
    とのエコー時間は互いに略同一であるMRI装置。
  9. 【請求項9】 請求項5記載のMRI装置において、 前記実行手段により実行されるパルスシーケンスは3次
    元のセグメンテッドFFE(seg.FFE)法に拠る
    パルスシーケンスであるMRI装置。
  10. 【請求項10】 請求項5記載のMRI装置において、 前記実行手段により実行されるパルスシーケンスは、前
    記最適遅延時間に同期して前記高信号時相域においてエ
    コー信号収集のために印加するパルス列と、当該最適遅
    延時間に到達する前の空き時相域において印加するパル
    ス列とを含むMRI装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載のMRI装置におい
    て、 前記空き時相域において印加するパルス列は、前記k空
    間の低周波領域以外の残り領域である高周波領域にスク
    ロールして配置するエコー信号を収集するためのパルス
    列を含むMRI装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載のMRI装置におい
    て、 前記空き時相域において印加するパルス列は、前記領域
    の実質部のスピンを励起する空打ちパルスを含むMRI
    装置。
  13. 【請求項13】 請求項10記載のMRI装置におい
    て、 前記空き時相域において印加するパルス列は、前記領域
    から収集するエコー信号にMT効果を起こさせるMTパ
    ルスを含むMRI装置。
  14. 【請求項14】 請求項1記載のMRI装置において、 前記イメージング用スキャン手段は、前記領域全体を一
    度に励起して得られるエコー信号の強度をモニタする手
    段と、この信号強度が一定値を超えた時点で前記イメー
    ジング用MRスキャンを開始させる手段とを備えたMR
    I装置。
  15. 【請求項15】 請求項2又は3記載のMRI装置にお
    いて、 前記準備用スキャン手段は、シングルスライス・マルチ
    フェーズ(single slice at mult
    iphase)方式の2次元のフィールドエコー(F
    E)法に拠るパルスシーケンスで前記準備用MRスキャ
    ンを実行する手段であり、一方、 前記実行手段により実行されるパルスシーケンスは、2
    次元又は3次元のタイム・オブ・フライト(TOF)法
    を成すフィールドエコー(FE)法に拠るパルスシーケ
    ンスであるMRI装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載のMRI装置におい
    て、 前記準備用スキャン手段は、前記パルスシーケンスを用
    いて前記複数の同期タイミング夫々に対応したk空間の
    所望低周波領域を成す中心部のみにエコー信号を収集・
    配置し、且つ、前記複数の同期タイミングの内の少なく
    とも1つに対応したk空間の残りの高周波領域にエコー
    信号を収集・配置する手段を有し、 前記画像取得手段は、前記準備用スキャン手段によりエ
    コー信号が配置されていない高周波領域を有するk空間
    には、そのエコー信号が配置されているk空間の高周波
    領域から信号値を複写する手段を有するMRI装置。
  17. 【請求項17】 請求項1記載のMRI装置において、 前記最適遅延時間設定手段は、前記領域の2次元位相画
    像(2D−PS)をシングルスライス・マルチフェーズ
    (single slice at multipha
    se)方式で収集して前記各同期タイミングにおけるフ
    ロー像を作成する手段と、この複数枚のフロー像からピ
    ークフローを呈するフロー像に基づいて前記最適同期タ
    イミングを決める手段とを備えたMRI装置。
  18. 【請求項18】 請求項1乃至17の何れか一項記載の
    MRI装置において、 前記心時相を表す信号はECG(心電図)信号であり、
    前記参照波はそのECG信号のR波であり、且つ、前記
    同期タイミングはそのR波からの遅延時間であるMRI
    装置。
  19. 【請求項19】 被検体の所望領域に対して心電同期法
    に拠るイメージングを行うMRイメージング方法におい
    て、 前記心電同期法に拠るイメージング用MRスキャンに用
    いられ且つ高信号値を呈する高信号時相域に対応した最
    適同期タイミングを準備用MRスキャンの実行を通して
    事前に設定する第1のステップと、前記最適遅延時間に
    同期したイメージング用MRスキャンを実行してエコー
    信号を収集する第2のステップと、このエコー信号をk
    空間に配置すると共に当該配置信号に再構成処理を施し
    て画像を生成する第3のステップと有し、 前記第1のステップは、前記高信号時相域で収集したエ
    コー信号を前記k空間の中心部の所望低周波領域に配置
    するように設定したパルスシーケンスを実行する処理を
    行なうことを特徴とするMRイメージング方法。
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