JP4136266B2 - 一方向クラッチ - Google Patents

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  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ころを係合子として用いた一方向クラッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ころを係合子とする一方向クラッチとして、特開昭47−43645号公報に開示されたものがある。この一方向クラッチは、図13および図14に示すように、外部中空部材(外方部材)51の内周面と内部軸部材(内方部材)52の外周面との間に、ころ53が相互に当接し合うように内部軸部材52を取り囲んで、いわゆる総ころ状態で収容され、各ころ53が外部中空部材51の内周面に設けられた複数の傾斜カム面54に楔効果で一方向に係合されるようにしたものである。外部中空部材51を時計回りに回転するか、または内部軸部材52を反時計回りに回転するときに、各ころ53が各カム面54に係合され、トルクが伝達される。
【0003】
図13に示す一方向クラッチは、ころ53が内部軸部材52の全周を囲む状態で収容され、外部中空部材51または内部軸部材52が前記回転方向に回転するときのこれらの回転部材ところ53との間の摩擦力により、ころ53をカム面54に係合させるようにしている。この実施例ではいずれか一つのころ53に摩擦力が作用すると、相互のころ53の係合で全てのころ53がカム面54に係合されるとしている。
【0004】
図14に示す一方向クラッチは、前記総ころ状態で収容されたころ53の一つをばねローラ55で置き換えたものであり、その弾性変形に伴う弾性力でばねローラ55と当接するころ53を押圧することにより、相互に当接し合う全てのころ53をカム面54に係合させる。なお、ばねローラ55の替わりに、ゴム等の弾性ローラや板ばね等の弾性体を使用してもよいとしている。
【0005】
これらの総ころ形式の一方向クラッチは、ころの配置本数を増加させてトルク伝達能力を増大するとともに、ころの保持器を不要としてコンパクトな設計を可能とすることを狙いとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の総ころ形式の一方向クラッチは、以下の問題点を有する。すなわち、図13に示した一方向クラッチは、前記摩擦力の発生が不安定であるので、傾斜カム面にころを確実に係合させることができず、クラッチが作用しない場合がある。
【0007】
一方、図14に示した形式の一方向クラッチは、総ころ状態で収容されたころの間に介在するばねローラ等の弾性体が、弾性変形により過大に縮むことがあるので、いずれかのころ同士の間、または弾性体ところとの間に隙間が生じ、前記弾性体の押圧力を確実、かつ瞬時に全てのころに伝達することができず、トルク伝達能力の低下や、クラッチ入切の遅れが生じる問題がある。
【0008】
これらの問題点を解消するため、本発明者は、特願2000−34811号に記載した一方向クラッチを発明した。すなわち、この一方向クラッチは、係合子としてのころをカム面に係合される方向へ付勢する弾性体を外輪(外方部材)の内周面または内輪(内方部材)の外周面に係止することにより、弾性体をころの間に介在させず、総ころ状態で収容された全てのころが常に直接または補助ころを介して相互の当接状態を保てるようにし、弾性体の付勢力を確実、かつ瞬時に全てのころに伝達できるようにしたものである。
【0009】
このような総ころ形式の一方向クラッチを組み立てる際には、外方部材と内方部材の間にころを組み込んだのち、前記ころを付勢する弾性体を軸方向から挿入して、外方部材の内周面または内方部材の外周面に係止している。このため、狭い隙間に弾性体を挿入するために、弾性体を撓ませて保持しながら挿入する必要があり、弾性体の組み込みに手間がかかる問題があった。
【0010】
また、ころの両端面を案内する側板は外方部材や内方部材と分離されているので、一方向クラッチを組み立てる際に、組み込まれたころが抜け落ちやすい問題もあった。
【0011】
そこで、この発明の課題は、トルク伝達能力とクラッチ入切の応答性に優れ、かつ、組み立てが容易な総ころ形式の一方向クラッチを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明は、外方部材の内周面または内方部材の外周面のいずれか一方に複数の傾斜カム面を設け、他方を円筒面に形成し、前記各カム面と対向する位置にころを収容し、これらのころを係合子として弾性体により前記カム面に係合される方向へ付勢した一方向クラッチにおいて、前記カム面を設けた外方部材の内周面または内方部材の外周面に、その軸方向に延びる溝を少なくとも一つ設け、前記弾性体をこの溝に係止して、この弾性体を係止した周方向位置に、前記ころよりも小径の補助ころを介在させ、前記各ころを周方向両側で、直接相互に当接させるか、または前記補助ころを介して相互に当接させて配し、前記弾性体の付勢力を前記相互に当接するころを介して、全てのころに伝達するようにし、前記溝に係止した弾性体の、溝に沿う方向の端部を先細に形成した構成を採用した(請求項1)。
【0013】
すなわち、ころを付勢する弾性体を外方部材の内周面または内方部材の外周面に係止し、弾性体をころの間に介在させず、全てのころが常に直接または補助ころを介して相互の当接状態を保つようにして、弾性体の付勢力を確実、かつ瞬時に全てのころに伝達可能とするとともに、前記溝に係止する弾性体の軸方向端部を先細に形成することにより、弾性体をこの先細の端部からその組み込み部の隙間に沿わせて挿入し、弾性体を強制的に撓ませて保持することなくスムーズに組み込めるようにした。
【0014】
また、この発明は、外方部材の内周面または内方部材の外周面のいずれか一方に複数の傾斜カム面を設け、他方を円筒面に形成し、前記各カム面と対向する位置にころを収容し、これらのころを係合子として弾性体により前記カム面に係合される方向へ付勢した一方向クラッチにおいて、前記カム面を設けた外方部材の内周面または内方部材の外周面に、その軸方向に延びる溝を少なくとも一つ設け、前記弾性体をこの溝に係止して、この弾性体を係止した周方向位置に、前記ころよりも小径の補助ころを介在させ、前記各ころを周方向両側で、直接相互に当接させるか、または前記補助ころを介して相互に当接させて配し、前記弾性体の付勢力を前記相互に当接するころを介して、全てのころに伝達するようにし、これらのころの両端面を案内する側板の少なくとも一方を、前記外方部材または内方部材の端面に係止する手段を設けた構成も採用した(請求項2)。
【0015】
すなわち、ころを付勢する弾性体を外方部材の内周面または内方部材の外周面に係止し、弾性体をころの間に介在させず、全てのころが常に直接または補助ころを介して相互の当接状態を保つようにして、弾性体の付勢力を確実、かつ瞬時に全てのころに伝達可能とするとともに、ころの両端面を案内する側板の一方を外方部材または内方部材の端面に係止する手段を設けることにより、ころの組み込み時にこの一方の側板を外方部材または内方部材の端面に係止し、組み込まれるころの抜け落ちを防止して、一方向クラッチの組み立てを容易にした。
【0016】
前記側板を係止する手段は、側板の周方向複数箇所に凸部を設け、この凸部を前記外方部材または内方部材の端面に設けた凹部に係止するものを採用することができる。
【0017】
前記弾性体としては、前記ころを押圧する舌片を有する鋼板製のばねを採用することができる。
【0018】
前記補助ころを、前記弾性体が係止される位置に介在させることにより、弾性体を係止するスペースを広く確保し、より大寸法の弾性体を用いて、前記ころの付勢力を大きくすることができる。
【0019】
前記ころの少なくとも1本を、前記ころと外径が同じで、形状の異なる係合子で置換することにより(請求項)、前記カム面および円筒面におけるグリースやオイルの保持能力を向上させ、一方向クラッチの空転トルクを低減することができる。
【0020】
前記形状の異なる係合子としては、前記ころの円筒面に少なくとも1つの環状溝を設けた溝付きころ(請求項)、および前記ころよりも長さが短い短尺ころ(請求項)を採用することができる。
【0021】
前記外方部材の外径に、トルク伝達手段を一体に形成することにより、部品点数を減らすとともに、クラッチの組み込み作業を簡素化することができる。
【0022】
前記トルク伝達手段は、前記外方部材の外径に形成した凹凸とすることができる。
【0023】
前記外方部材または内方部材の少なくとも一方を、焼結金属で形成したもの、または鋼板を打ち抜き加工したもので形成したものとすることにより、外方部材や内方部材を安価に製造することができる。
【0024】
前記打ち抜き加工を、前記鋼板を外方部材または内方部材の製品仕上がり寸法にファインブランキングするものとすれば、シェービング等の仕上げ加工を不要にできるとともに、熱処理時の熱ひずみ発生の恐れも少なくすことができる。
【0025】
【実施の形態】
以下、この発明の実施形態を説明する。図1および図2は、第1の参考例を示す。この一方向クラッチは、図1に示すように、外方部材としての焼結金属製の外輪1の内周面に複数の傾斜カム面2が設けられ、これらのカム面2と内方部材としての回転軸3の円筒面との間にころ4が総ころ状態で収容されている。外輪1の内周面に設けられた溝5には、弾性体としての鋼板製のばね6が係止され、その舌片7に当接されたころ4aがカム面2で係合される方向に押圧され、この舌片7の押圧による付勢力が相互に当接するころ4を介して全てのころ4に伝達され、各ころ4がカム面2で一方向に係合されるようになっている。各カム面2は、1つの平面で形成されている。
【0026】
前記外輪1の外径にはトルク伝達手段としての複数の突条8が一体に形成されており、この参考例では、回転軸3が時計回りに回転すると、全てのころ4がカム面2で係合されて、回転軸3のトルクが外輪1に伝達され、この外輪1に伝達されるトルクが突条8と係合する部材に伝わる。回転軸3が反時計回りに回転する場合は、各ころ4とカム面2との係合が外れ、トルクは伝達されず、空転状態となる。
【0027】
図2(a)、(b)に示すように、ばね6は、鋼板を曲げ加工して長細形状に形成されたものであり、前記舌片7の一端側がカットされ、このカット部9が先細に形成されている。ばね6は、外輪1と回転軸3の間に各ころ4を組み込んだのち、カット部9が形成された側を先端側として、外輪1の端面側から外輪1ところ4の間の隙間に挿入され、溝5に係止される。したがって、先細のカット部9をころ4aの外周面に沿わせて隙間に挿入することにより、舌片7が自然に撓み、舌片7を強制的に撓ませて保持することなくスムーズにばね6を組み込むことができる。
【0028】
図3および図4は、第2の参考例を示す。図3に示すように、この一方向クラッチも外方部材としての外輪1を焼結金属製としたものであり、ころ4をカム面2で係合される方向に付勢する弾性体をゴム10とした点が第1の参考例と異なる。その他の部分は第1の参考例と同じであるので、図1と同じ符号で表示した。
【0029】
図4(a)、(b)に示すように、ゴム10は、コーナ部を丸めた長細の角棒状とされ、その一端側に先細のテーパ部11が形成されている。なお、1つのコーナは面取13が施されており、この隣のコーナ部12aがころ4aに当接され、他の2つのコーナ部12bが溝5に嵌め込まれる。面取13は、コーナ部12aがころ4aとの当接で弾性変形したときに、ゴム10がころ4aと反対側のころ4に接触するのを防止するために施されている。
【0030】
このゴム10も、外輪1と回転軸3の間に各ころ4を組み込んだのち、テーパ部11を設けた側を先端側として、外輪1の端面側から外輪1ところ4の間の隙間に挿入され、溝5に係止される。したがって、先細のテーパ部11が挿入に伴って隙間になじむように自然に弾性変形し、ゴム10を無理に撓ませて保持することなくスムーズに組み込むことができる。
【0031】
図5および図6は、第3の参考例を示す。図5に示すように、この一方向クラッチも外方部材としての外輪1を焼結金属製としたものであり、その溝34に係止する弾性体をコイルばね35とした点が上記各参考例と異なる。その他の部分は第1および第2の参考例と同じであるので、図1および図3と同じ符号で表示した。
【0032】
図6(a)、(b)に示すように、コイルばね35も一端側が先細に形成されており、この先細に形成された側を先端側として、外輪1の端面側から外輪1ところ4の間の隙間にスムーズに挿入され、溝34に係止される。
【0033】
図7乃至図9は、第の実施形態を示す。この一方向クラッチは、図7(a)、(b)に示すように、外方部材としての外輪14と内方部材としての内輪15が、鋼板をファインブランキングして形成されており、内輪15の外周面に複数の傾斜カム面16が設けられ、これらのカム面16と外輪14の内周円筒面17との間に、ころ18が総ころ状態で相互に当接し合って収容されている。
【0034】
前記外輪14の両端面には、ころ18の端面を案内する側板19が取り付けられている。側板19は、図8に示すように、ころ18が収容された空間を覆うようにリング状に形成され、その片面側の外周端近くに、周方向に90°の位相で4つの突起20が設けられている。各側板19は、これらの突起20を外輪14の両端面に設けられた環状の凹溝21に嵌め込んで係止することにより、着脱可能に外輪14に取り付けられている。
【0035】
前記内輪15の外周面には2ヵ所に溝22が設けられ、各溝22に弾性体としての鋼板製のばね23が係止されており、その舌片24に当接されたころ18aがカム面16で係合される方向に押圧されている。各ばね23の係止位置には、小径の補助ころ25が外輪14側に押し当てられて、両側のころ18a、18bの間に介在している。したがって、この補助ころ25の介在部では、各ばね23の押圧によるカム面16と係合側への付勢力が補助ころ25を介して伝達される。その他の部分では、第1乃至第3の参考例と同様に、相互に当接するころ18を介して付勢力が全てのころ18に伝達される。
【0036】
前記外輪14の外径にはトルク伝達手段としての複数の突条26が一体に形成され、内輪15内径のコーナを丸められた矩形孔27に回転軸の軸端部が嵌合されるようになっている。この実施形態では、内輪15が時計回りに回転するか、外輪14が反時計回りに回転すると、全てのころ18がカム面16で係合され、内輪15または外輪14がこれらと逆向きに回転すると、係合が解除される。各カム面16は、2つの平面を組み合わせて形成されている。
【0037】
図9(a)、(b)に示すように、各ばね23は、鋼板を曲げ加工して長細形状に形成されたものであり、舌片24の一端側は三角形状に内方へ折り曲げられ、この折り曲げ部28の形成により先細になっている。このばね23も、外輪14と内輪15の間に各ころ18を組み込んだのち、折り曲げ部28が形成された側を先端側として、内輪15と各ころ18a、18b、25との間の隙間に挿入され、各溝22に係止される。したがって、折り曲げ部28をころ18aの外周面に沿わせて挿入することにより、舌片24が自然に撓み、舌片24を強制的に撓ませて保持することなくスムーズにばね23を組み込むことができる。
【0038】
図10および図11は、第の実施形態を示す。この一方向クラッチは、図10に示すように、基本的な構成は第の実施形態と同じであり、前記各側板19の突起20を係止する外輪14両端面の環状凹溝21の替わりに、4つの穴29が周方向に90°の位相で設けられている点と、図11(a)、(b)に示すように、総ころ状態で収容されたころ18が、外径が同じで円筒面に環状溝30を有する溝付きころ31で1本おきに置換されている点とが異なる。その他の部分は第の実施形態と同じであるので、図7と同じ符号で表示した。
【0039】
前記溝付きころ31は、ころ18を収容する空間を形成するカム面16や円筒面17におけるグリースやオイルの保持能力を向上させるために置換したものである。この溝付きころ31は、必ずしも1本おきに置換する必要はなく、適宜1本以上のころ18に対して置換することにより、グリースやオイルの保持能力を向上させ、一方向クラッチの空転トルクを低減することができる。
【0040】
図12(a)、(b)は、図11に示したころ18の置換の変形例を示す。図12(a)は、ころ18を1本おきに、外径が同じで長さが短い短尺ころ32で置換した例、(b)は、1本のころ18を、ころ18の外径と等しい2つのボール33で置換した例である。
【0041】
上述した第および第の実施形態では、ころの両端面を案内する両側の側板を、外方部材としての外輪に係止したが、内方部材としての内輪に係止することもでき、その係止をいずれか一方の側板のみとしてもよい。
【0042】
上述した各実施形態では、ころと係合するカム面を1つの平面または2つの平面を組み合わせたもので形成したが、曲面で形成することもできる。また、各実施形態における総ころ状態のころは、厳密には相互間に僅かの隙間を許容されており、この隙間の許容量は、一方向クラッチの定格負荷時におけるころや内外輪の弾性変位量以下に設定され、定格負荷時に全てのころが当接状態を保てるようになっている。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、この発明の一方向クラッチは、ころを付勢する弾性体を、外方部材の内周面または内方部材の外周面に設けた溝に、少なくとも1つ係止し、弾性体を総ころ状態で収容されたころの間に介在させずに、全てのころが常に直接または補助ころを介して相互の当接状態を保つようにして、弾性体の付勢力を確実、かつ瞬時に全てのころに伝達可能とするとともに、前記溝に係止する弾性体の軸方向端部を先細に形成して、弾性体をこの先細の端部からその組み込み部の隙間に沿わせて挿入し、弾性体を撓ませて保持することなく、スムーズに組み込めるようにしたので、トルク伝達能力とクラッチ入切の応答性に優れ、かつ、その組み立ても容易に行うことができる。
【0044】
また、この発明の一方向クラッチは、ころを付勢する弾性体を外方部材の内周面または内方部材の外周面に係止し、弾性体をころの間に介在させず、全てのころが常に直接または補助ころを介して相互の当接状態を保つようにして、弾性体の付勢力を確実、かつ瞬時に全てのころに伝達可能とするとともに、ころの両端面を案内する側板の少なくとも一方を、外方部材または内方部材の端面に係止する手段を設けることにより、ころの組み込み時に一方の側板を外方部材または内方部材の端面に係止し、組み込まれるころの抜け落ちを防止したので、同様に、トルク伝達能力とクラッチ入切の応答性に優れ、かつ、その組み立ても容易に行うことができる。
【0045】
さらに、前記弾性体の係止位置に、各ころよりも小径の補助ころを介在させることにより、弾性体を係止するスペースを広く確保し、より大寸法の弾性体を用いて、ころの付勢力を大きくすることができる。
【0046】
前記ころの少なくとも1本を、ころと外径が同じで、形状の異なる係合子で置換することにより、前記カム面および円筒面におけるグリースやオイルの保持能力を向上させ、一方向クラッチの空転トルクを低減することができる。
【0047】
前記外輪の外径に、トルク伝達手段を一体に形成することにより、部品点数を減らすとともに、クラッチの組み込み作業を簡素化することができる。
【0048】
前記内輪や外輪に、焼結金属で形成したもの、または鋼板を打ち抜き加工して形成したものを採用することにより、クラッチの製造コストを下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の参考例の一方向クラッチを示す正面図
【図2】aは図1のばねを示す正面図、bはaの側面図
【図3】第2の参考例の一方向クラッチを示す正面図
【図4】aは図3のゴムを示す正面図、bはaの側面図
【図5】第3の参考例の一方向クラッチを示す正面図
【図6】aは図5のコイルばねを示す正面図、bはaの側面図
【図7】aは第の実施形態の一方向クラッチを示す側面断面図、bはaの側板を外した状態を示す正面図
【図8】図7の側板を示す正面図
【図9】aは図7のばねを示す正面図、bはaの側面図
【図10】第の実施形態の一方向クラッチの側板を外した状態を示す正面図
【図11】aは図10の要部拡大正面図、bはaのころの展開図
【図12】a、bは、それぞれ図11のころの配置の変形例を示す展開図
【図13】従来の一方向クラッチを示す一部省略断面図
【図14】他の従来の一方向クラッチを示す一部省略断面図
【符号の説明】
1 外輪
2 カム面
3 回転軸
4、4a ころ
5 溝
6 ばね
7 舌片
8 突条
9 カット部
10 ゴム
11 テーパ部
12a、12b コーナ部
13 面取
14 外輪
15 内輪
16 カム面
17 円筒面
18、18a、18b ころ
19 側板
20 突起
21 凹溝
22 溝
23 ばね
24 舌片
25 補助ころ
26 突条
27 矩形孔
28 折り曲げ部
29 穴
30 環状溝
31 溝付きころ
32 短尺ころ
33 ボール
34 溝
35 コイルばね

Claims (5)

  1. 外方部材の内周面または内方部材の外周面のいずれか一方に複数の傾斜カム面を設け、他方を円筒面に形成し、前記各カム面と対向する位置にころを収容し、これらのころを係合子として弾性体により前記カム面に係合される方向へ付勢した一方向クラッチにおいて、前記カム面を設けた外方部材の内周面または内方部材の外周面に、その軸方向に延びる溝を少なくとも一つ設け、前記弾性体をこの溝に係止して、この弾性体を係止した周方向位置に、前記ころよりも小径の補助ころを介在させ、前記各ころを周方向両側で、直接相互に当接させるか、または前記補助ころを介して相互に当接させて配し、前記弾性体の付勢力を前記相互に当接するころを介して、全てのころに伝達するようにし、前記溝に係止した弾性体の、溝に沿う方向の端部を先細に形成したことを特徴とする一方向クラッチ。
  2. 外方部材の内周面または内方部材の外周面のいずれか一方に複数の傾斜カム面を設け、他方を円筒面に形成し、前記各カム面と対向する位置にころを収容し、これらのころを係合子として弾性体により前記カム面に係合される方向へ付勢した一方向クラッチにおいて、前記カム面を設けた外方部材の内周面または内方部材の外周面に、その軸方向に延びる溝を少なくとも一つ設け、前記弾性体をこの溝に係止して、この弾性体を係止した周方向位置に、前記ころよりも小径の補助ころを介在させ、前記各ころを周方向両側で、直接相互に当接させるか、または前記補助ころを介して相互に当接させて配し、前記弾性体の付勢力を前記相互に当接するころを介して、全てのころに伝達するようにし、これらのころの両端面を案内する側板の少なくとも一方を、前記外方部材または内方部材の端面に係止する手段を設けたことを特徴とする一方向クラッチ。
  3. 前記ころの少なくとも1本を、前記ころと外径が同じで、形状の異なる係合子で置換した請求項1または2に記載の一方向クラッチ。
  4. 前記形状の異なる係合子が、前記ころの円筒面に少なくとも1つの環状溝を設けた溝付きころである請求項に記載の一方向クラッチ。
  5. 前記形状の異なる係合子が、前記ころよりも長さが短い短尺ころである請求項に記載の一方向クラッチ。
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