JP2001304300A - 一方向クラッチ - Google Patents

一方向クラッチ

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JP2001304300A JP2000116747A JP2000116747A JP2001304300A JP 2001304300 A JP2001304300 A JP 2001304300A JP 2000116747 A JP2000116747 A JP 2000116747A JP 2000116747 A JP2000116747 A JP 2000116747A JP 2001304300 A JP2001304300 A JP 2001304300A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルク伝達能力とクラッチ入切の応答性に優
れ、かつ、組み立てが容易な総ころ形式の一方向クラッ
チを提供することである。 【解決手段】 内周面に傾斜カム面2を設けた外輪1と
回転軸3との間の空間にころ4を総ころ状態で収容し、
ころ4をカム面2と係合する方向に付勢するばね6を、
ころ4の間に介在させないように外輪1の内周面の溝5
に係止し、全てのころ4が常に相互の当接状態を保つよ
うにして、ばね6の付勢力を確実、かつ瞬時に全てのこ
ろ4に伝達できるようにするとともに、ばね6の舌片7
の溝5に沿う方向の端部に先細のカット部を形成し、こ
のカット部をころ4aに沿わせてその組み込み隙間に挿
入することにより、舌片7を撓ませて保持することなく
スムーズにばね6を組み込めるようにし、一方向クラッ
チを容易に組み立てることができるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ころを係合子と
して用いた一方向クラッチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ころを係合子とする一方向クラッチとし
て、特開昭47−43645号公報に開示されたものが
ある。この一方向クラッチは、図13および図14に示
すように、外部中空部材(外方部材)51の内周面と内
部軸部材(内方部材)52の外周面との間に、ころ53
が相互に当接し合うように内部軸部材52を取り囲ん
で、いわゆる総ころ状態で収容され、各ころ53が外部
中空部材51の内周面に設けられた複数の傾斜カム面5
4に楔効果で一方向に係合されるようにしたものであ
る。外部中空部材51を時計回りに回転するか、または
内部軸部材52を反時計回りに回転するときに、各ころ
53が各カム面54に係合され、トルクが伝達される。
【0003】図13に示す一方向クラッチは、ころ53
が内部軸部材52の全周を囲む状態で収容され、外部中
空部材51または内部軸部材52が前記回転方向に回転
するときのこれらの回転部材ところ53との間の摩擦力
により、ころ53をカム面54に係合させるようにして
いる。この実施例ではいずれか一つのころ53に摩擦力
が作用すると、相互のころ53の係合で全てのころ53
がカム面54に係合されるとしている。
【0004】図14に示す一方向クラッチは、前記総こ
ろ状態で収容されたころ53の一つをばねローラ55で
置き換えたものであり、その弾性変形に伴う弾性力でば
ねローラ55と当接するころ53を押圧することによ
り、相互に当接し合う全てのころ53をカム面54に係
合させる。なお、ばねローラ55の替わりに、ゴム等の
弾性ローラや板ばね等の弾性体を使用してもよいとして
いる。
【0005】これらの総ころ形式の一方向クラッチは、
ころの配置本数を増加させてトルク伝達能力を増大する
とともに、ころの保持器を不要としてコンパクトな設計
を可能とすることを狙いとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の総ころ
形式の一方向クラッチは、以下の問題点を有する。すな
わち、図13に示した一方向クラッチは、前記摩擦力の
発生が不安定であるので、傾斜カム面にころを確実に係
合させることができず、クラッチが作用しない場合があ
る。
【0007】一方、図14に示した形式の一方向クラッ
チは、総ころ状態で収容されたころの間に介在するばね
ローラ等の弾性体が、弾性変形により過大に縮むことが
あるので、いずれかのころ同士の間、または弾性体とこ
ろとの間に隙間が生じ、前記弾性体の押圧力を確実、か
つ瞬時に全てのころに伝達することができず、トルク伝
達能力の低下や、クラッチ入切の遅れが生じる問題があ
る。
【0008】これらの問題点を解消するため、本発明者
は、特願2000−34811号に記載した一方向クラ
ッチを発明した。すなわち、この一方向クラッチは、係
合子としてのころをカム面に係合される方向へ付勢する
弾性体を外輪(外方部材)の内周面または内輪(内方部
材)の外周面に係止することにより、弾性体をころの間
に介在させず、総ころ状態で収容された全てのころが常
に直接または補助ころを介して相互の当接状態を保てる
ようにし、弾性体の付勢力を確実、かつ瞬時に全てのこ
ろに伝達できるようにしたものである。
【0009】このような総ころ形式の一方向クラッチを
組み立てる際には、外方部材と内方部材の間にころを組
み込んだのち、前記ころを付勢する弾性体を軸方向から
挿入して、外方部材の内周面または内方部材の外周面に
係止している。このため、狭い隙間に弾性体を挿入する
ために、弾性体を撓ませて保持しながら挿入する必要が
あり、弾性体の組み込みに手間がかかる問題があった。
【0010】また、ころの両端面を案内する側板は外方
部材や内方部材と分離されているので、一方向クラッチ
を組み立てる際に、組み込まれたころが抜け落ちやすい
問題もあった。
【0011】そこで、この発明の課題は、トルク伝達能
力とクラッチ入切の応答性に優れ、かつ、組み立てが容
易な総ころ形式の一方向クラッチを提供することであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、外方部材の内周面または内方部材の
外周面のいずれか一方に複数の傾斜カム面を設け、他方
を円筒面に形成し、前記各カム面と対向する位置にころ
を収容し、これらのころを係合子として弾性体により前
記カム面に係合される方向へ付勢した一方向クラッチに
おいて、前記各ころを周方向両側で、直接相互に当接さ
せるか、またはこれらのころよりも小径の補助ころを介
して相互に当接させて配し、前記カム面を設けた外方部
材の内周面または内方部材の外周面に、その軸方向に延
びる溝を少なくとも一つ設け、前記弾性体をこの溝に係
止して、その付勢力を前記相互に当接するころを介し
て、全てのころに伝達するようにし、前記溝に係止した
弾性体の、溝に沿う方向の端部を先細に形成した構成を
採用した(請求項1)。
【0013】すなわち、ころを付勢する弾性体を外方部
材の内周面または内方部材の外周面に係止し、弾性体を
ころの間に介在させず、全てのころが常に直接または補
助ころを介して相互の当接状態を保つようにして、弾性
体の付勢力を確実、かつ瞬時に全てのころに伝達可能と
するとともに、前記溝に係止する弾性体の軸方向端部を
先細に形成することにより、弾性体をこの先細の端部か
らその組み込み部の隙間に沿わせて挿入し、弾性体を強
制的に撓ませて保持することなくスムーズに組み込める
ようにした。
【0014】また、この発明は、外方部材の内周面また
は内方部材の外周面のいずれか一方に複数の傾斜カム面
を設け、他方を円筒面に形成し、前記各カム面と対向す
る位置にころを収容し、これらのころを係合子として弾
性体により前記カム面に係合される方向へ付勢した一方
向クラッチにおいて、前記各ころを周方向両側で、直接
相互に当接させるか、またはこれらのころよりも小径の
補助ころを介して相互に当接させて配し、前記カム面を
設けた外方部材の内周面または内方部材の外周面に、そ
の軸方向に延びる溝を少なくとも一つ設け、前記弾性体
をこの溝に係止して、その付勢力を前記相互に当接する
ころを介して、全てのころに伝達するようにし、これら
のころの両端面を案内する側板の少なくとも一方を、前
記外方部材または内方部材の端面に係止する手段を設け
た構成も採用した(請求項2)。
【0015】すなわち、ころを付勢する弾性体を外方部
材の内周面または内方部材の外周面に係止し、弾性体を
ころの間に介在させず、全てのころが常に直接または補
助ころを介して相互の当接状態を保つようにして、弾性
体の付勢力を確実、かつ瞬時に全てのころに伝達可能と
するとともに、ころの両端面を案内する側板の一方を外
方部材または内方部材の端面に係止する手段を設けるこ
とにより、ころの組み込み時にこの一方の側板を外方部
材または内方部材の端面に係止し、組み込まれるころの
抜け落ちを防止して、一方向クラッチの組み立てを容易
にした。
【0016】前記側板を係止する手段は、側板の周方向
複数箇所に凸部を設け、この凸部を前記外方部材または
内方部材の端面に設けた凹部に係止するものを採用する
ことができる(請求項3)。
【0017】前記弾性体としては、前記ころを押圧する
舌片を有する鋼板製のばねを採用することができる(請
求項4)。
【0018】前記補助ころを、前記弾性体が係止される
位置に介在させることにより(請求項5)、弾性体を係
止するスペースを広く確保し、より大寸法の弾性体を用
いて、前記ころの付勢力を大きくすることができる。
【0019】前記ころの少なくとも1本を、前記ころと
外径が同じで、形状の異なる係合子で置換することによ
り(請求項6)、前記カム面および円筒面におけるグリ
ースやオイルの保持能力を向上させ、一方向クラッチの
空転トルクを低減することができる。
【0020】前記形状の異なる係合子としては、前記こ
ろの円筒面に少なくとも1つの環状溝を設けた溝付きこ
ろ(請求項7)、および前記ころよりも長さが短い短尺
ころ(請求項8)を採用することができる。
【0021】前記外方部材の外径に、トルク伝達手段を
一体に形成することにより(請求項9)、部品点数を減
らすとともに、クラッチの組み込み作業を簡素化するこ
とができる。
【0022】前記トルク伝達手段は、前記外方部材の外
径に形成した凹凸とすることができる(請求項10)。
【0023】前記外方部材または内方部材の少なくとも
一方を、焼結金属で形成したもの(請求項11)、また
は鋼板を打ち抜き加工したもので形成したもの(請求項
12)とすることにより、外方部材や内方部材を安価に
製造することができる。
【0024】前記打ち抜き加工を、前記鋼板を外方部材
または内方部材の製品仕上がり寸法にファインブランキ
ングするものとすれば(請求項13)、シェービング等
の仕上げ加工を不要にできるとともに、熱処理時の熱ひ
ずみ発生の恐れも少なくすことができる。
【0025】
【実施の形態】以下、図1乃至図12に基づき、この発
明の実施形態を説明する。図1および図2は、第1の実
施形態を示す。この一方向クラッチは、図1に示すよう
に、外方部材としての焼結金属製の外輪1の内周面に複
数の傾斜カム面2が設けられ、これらのカム面2と内方
部材としての回転軸3の円筒面との間にころ4が総ころ
状態で収容されている。外輪1の内周面に設けられた溝
5には、弾性体としての鋼板製のばね6が係止され、そ
の舌片7に当接されたころ4aがカム面2で係合される
方向に押圧され、この舌片7の押圧による付勢力が相互
に当接するころ4を介して全てのころ4に伝達され、各
ころ4がカム面2で一方向に係合されるようになってい
る。各カム面2は、1つの平面で形成されている。
【0026】前記外輪1の外径にはトルク伝達手段とし
ての複数の突条8が一体に形成されており、この実施形
態では、回転軸3が時計回りに回転すると、全てのころ
4がカム面2で係合されて、回転軸3のトルクが外輪1
に伝達され、この外輪1に伝達されるトルクが突条8と
係合する部材に伝わる。回転軸3が反時計回りに回転す
る場合は、各ころ4とカム面2との係合が外れ、トルク
は伝達されず、空転状態となる。
【0027】図2(a)、(b)に示すように、ばね6
は、鋼板を曲げ加工して長細形状に形成されたものであ
り、前記舌片7の一端側がカットされ、このカット部9
が先細に形成されている。ばね6は、外輪1と回転軸3
の間に各ころ4を組み込んだのち、カット部9が形成さ
れた側を先端側として、外輪1の端面側から外輪1とこ
ろ4の間の隙間に挿入され、溝5に係止される。したが
って、先細のカット部9をころ4aの外周面に沿わせて
隙間に挿入することにより、舌片7が自然に撓み、舌片
7を強制的に撓ませて保持することなくスムーズにばね
6を組み込むことができる。
【0028】図3および図4は、第2の実施形態を示
す。図3に示すように、この一方向クラッチも外方部材
としての外輪1を焼結金属製としたものであり、ころ4
をカム面2で係合される方向に付勢する弾性体をゴム1
0とした点が第1の実施形態と異なる。その他の部分は
第1の実施形態と同じであるので、図1と同じ符号で表
示した。
【0029】図4(a)、(b)に示すように、ゴム1
0は、コーナ部を丸めた長細の角棒状とされ、その一端
側に先細のテーパ部11が形成されている。なお、1つ
のコーナは面取13が施されており、この隣のコーナ部
12aがころ4aに当接され、他の2つのコーナ部12
bが溝5に嵌め込まれる。面取13は、コーナ部12a
がころ4aとの当接で弾性変形したときに、ゴム10が
ころ4aと反対側のころ4に接触するのを防止するため
に施されている。
【0030】このゴム10も、外輪1と回転軸3の間に
各ころ4を組み込んだのち、テーパ部11を設けた側を
先端側として、外輪1の端面側から外輪1ところ4の間
の隙間に挿入され、溝5に係止される。したがって、先
細のテーパ部11が挿入に伴って隙間になじむように自
然に弾性変形し、ゴム10を無理に撓ませて保持するこ
となくスムーズに組み込むことができる。
【0031】図5および図6は、第3の実施形態を示
す。図5に示すように、この一方向クラッチも外方部材
としての外輪1を焼結金属製としたものであり、その溝
34に係止する弾性体をコイルばね35とした点が上記
各実施形態と異なる。その他の部分は第1および第2の
実施形態と同じであるので、図1および図3と同じ符号
で表示した。
【0032】図6(a)、(b)に示すように、コイル
ばね35も一端側が先細に形成されており、この先細に
形成された側を先端側として、外輪1の端面側から外輪
1ところ4の間の隙間にスムーズに挿入され、溝34に
係止される。
【0033】図7乃至図9は、第4の実施形態を示す。
この一方向クラッチは、図7(a)、(b)に示すよう
に、外方部材としての外輪14と内方部材としての内輪
15が、鋼板をファインブランキングして形成されてお
り、内輪15の外周面に複数の傾斜カム面16が設けら
れ、これらのカム面16と外輪14の内周円筒面17と
の間に、ころ18が総ころ状態で相互に当接し合って収
容されている。
【0034】前記外輪14の両端面には、ころ18の端
面を案内する側板19が取り付けられている。側板19
は、図8に示すように、ころ18が収容された空間を覆
うようにリング状に形成され、その片面側の外周端近く
に、周方向に90°の位相で4つの突起20が設けられ
ている。各側板19は、これらの突起20を外輪14の
両端面に設けられた環状の凹溝21に嵌め込んで係止す
ることにより、着脱可能に外輪14に取り付けられてい
る。
【0035】前記内輪15の外周面には2ヵ所に溝22
が設けられ、各溝22に弾性体としての鋼板製のばね2
3が係止されており、その舌片24に当接されたころ1
8aがカム面16で係合される方向に押圧されている。
各ばね23の係止位置には、小径の補助ころ25が外輪
14側に押し当てられて、両側のころ18a、18bの
間に介在している。したがって、この補助ころ25の介
在部では、各ばね23の押圧によるカム面16と係合側
への付勢力が補助ころ25を介して伝達される。その他
の部分では、第1乃至第3の実施形態と同様に、相互に
当接するころ18を介して付勢力が全てのころ18に伝
達される。
【0036】前記外輪14の外径にはトルク伝達手段と
しての複数の突条26が一体に形成され、内輪15内径
のコーナを丸められた矩形孔27に回転軸の軸端部が嵌
合されるようになっている。この実施形態では、内輪1
5が時計回りに回転するか、外輪14が反時計回りに回
転すると、全てのころ18がカム面16で係合され、内
輪15または外輪14がこれらと逆向きに回転すると、
係合が解除される。各カム面16は、2つの平面を組み
合わせて形成されている。
【0037】図9(a)、(b)に示すように、各ばね
23は、鋼板を曲げ加工して長細形状に形成されたもの
であり、舌片24の一端側は三角形状に内方へ折り曲げ
られ、この折り曲げ部28の形成により先細になってい
る。このばね23も、外輪14と内輪15の間に各ころ
18を組み込んだのち、折り曲げ部28が形成された側
を先端側として、内輪15と各ころ18a、18b、2
5との間の隙間に挿入され、各溝22に係止される。し
たがって、折り曲げ部28をころ18aの外周面に沿わ
せて挿入することにより、舌片24が自然に撓み、舌片
24を強制的に撓ませて保持することなくスムーズにば
ね23を組み込むことができる。
【0038】図10および図11は、第5の実施形態を
示す。この一方向クラッチは、図10に示すように、基
本的な構成は第4の実施形態と同じであり、前記各側板
19の突起20を係止する外輪14両端面の環状凹溝2
1の替わりに、4つの穴29が周方向に90°の位相で
設けられている点と、図11(a)、(b)に示すよう
に、総ころ状態で収容されたころ18が、外径が同じで
円筒面に環状溝30を有する溝付きころ31で1本おき
に置換されている点とが異なる。その他の部分は第4の
実施形態と同じであるので、図7と同じ符号で表示し
た。
【0039】前記溝付きころ31は、ころ18を収容す
る空間を形成するカム面16や円筒面17におけるグリ
ースやオイルの保持能力を向上させるために置換したも
のである。この溝付きころ31は、必ずしも1本おきに
置換する必要はなく、適宜1本以上のころ18に対して
置換することにより、グリースやオイルの保持能力を向
上させ、一方向クラッチの空転トルクを低減することが
できる。
【0040】図12(a)、(b)は、図11に示した
ころ18の置換の変形例を示す。図12(a)は、ころ
18を1本おきに、外径が同じで長さが短い短尺ころ3
2で置換した例、(b)は、1本のころ18を、ころ1
8の外径と等しい2つのボール33で置換した例であ
る。
【0041】上述した第4および第5の実施形態では、
ころの両端面を案内する両側の側板を、外方部材として
の外輪に係止したが、内方部材としての内輪に係止する
こともでき、その係止をいずれか一方の側板のみとして
もよい。
【0042】上述した各実施形態では、ころと係合する
カム面を1つの平面または2つの平面を組み合わせたも
ので形成したが、曲面で形成することもできる。また、
各実施形態における総ころ状態のころは、厳密には相互
間に僅かの隙間を許容されており、この隙間の許容量
は、一方向クラッチの定格負荷時におけるころや内外輪
の弾性変位量以下に設定され、定格負荷時に全てのころ
が当接状態を保てるようになっている。
【0043】
【発明の効果】以上のように、この発明の一方向クラッ
チは、ころを付勢する弾性体を、外方部材の内周面また
は内方部材の外周面に設けた溝に、少なくとも1つ係止
し、弾性体を総ころ状態で収容されたころの間に介在さ
せずに、全てのころが常に直接または補助ころを介して
相互の当接状態を保つようにして、弾性体の付勢力を確
実、かつ瞬時に全てのころに伝達可能とするとともに、
前記溝に係止する弾性体の軸方向端部を先細に形成し
て、弾性体をこの先細の端部からその組み込み部の隙間
に沿わせて挿入し、弾性体を撓ませて保持することな
く、スムーズに組み込めるようにしたので、トルク伝達
能力とクラッチ入切の応答性に優れ、かつ、その組み立
ても容易に行うことができる。
【0044】また、この発明の一方向クラッチは、ころ
を付勢する弾性体を外方部材の内周面または内方部材の
外周面に係止し、弾性体をころの間に介在させず、全て
のころが常に直接または補助ころを介して相互の当接状
態を保つようにして、弾性体の付勢力を確実、かつ瞬時
に全てのころに伝達可能とするとともに、ころの両端面
を案内する側板の少なくとも一方を、外方部材または内
方部材の端面に係止する手段を設けることにより、ころ
の組み込み時に一方の側板を外方部材または内方部材の
端面に係止し、組み込まれるころの抜け落ちを防止した
ので、同様に、トルク伝達能力とクラッチ入切の応答性
に優れ、かつ、その組み立ても容易に行うことができ
る。
【0045】さらに、前記弾性体の係止位置に、各ころ
よりも小径の補助ころを介在させることにより、弾性体
を係止するスペースを広く確保し、より大寸法の弾性体
を用いて、ころの付勢力を大きくすることができる。
【0046】前記ころの少なくとも1本を、ころと外径
が同じで、形状の異なる係合子で置換することにより、
前記カム面および円筒面におけるグリースやオイルの保
持能力を向上させ、一方向クラッチの空転トルクを低減
することができる。
【0047】前記外輪の外径に、トルク伝達手段を一体
に形成することにより、部品点数を減らすとともに、ク
ラッチの組み込み作業を簡素化することができる。
【0048】前記内輪や外輪に、焼結金属で形成したも
の、または鋼板を打ち抜き加工して形成したものを採用
することにより、クラッチの製造コストを下げることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の一方向クラッチを示す正面図
【図2】aは図1のばねを示す正面図、bはaの側面図
【図3】第2の実施形態の一方向クラッチを示す正面図
【図4】aは図3のゴムを示す正面図、bはaの側面図
【図5】第3の実施形態の一方向クラッチを示す正面図
【図6】aは図5のコイルばねを示す正面図、bはaの
側面図
【図7】aは第4の実施形態の一方向クラッチを示す側
面断面図、bはaの側板を外した状態を示す正面図
【図8】図7の側板を示す正面図
【図9】aは図7のばねを示す正面図、bはaの側面図
【図10】第5の実施形態の一方向クラッチの側板を外
した状態を示す正面図
【図11】aは図10の要部拡大正面図、bはaのころ
の展開図
【図12】a、bは、それぞれ図11のころの配置の変
形例を示す展開図
【図13】従来の一方向クラッチを示す一部省略断面図
【図14】他の従来の一方向クラッチを示す一部省略断
面図
【符号の説明】
1 外輪 2 カム面 3 回転軸 4、4a ころ 5 溝 6 ばね 7 舌片 8 突条 9 カット部 10 ゴム 11 テーパ部 12a、12b コーナ部 13 面取 14 外輪 15 内輪 16 カム面 17 円筒面 18、18a、18b ころ 19 側板 20 突起 21 凹溝 22 溝 23 ばね 24 舌片 25 補助ころ 26 突条 27 矩形孔 28 折り曲げ部 29 穴 30 環状溝 31 溝付きころ 32 短尺ころ 33 ボール 34 溝 35 コイルばね

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外方部材の内周面または内方部材の外周
    面のいずれか一方に複数の傾斜カム面を設け、他方を円
    筒面に形成し、前記各カム面と対向する位置にころを収
    容し、これらのころを係合子として弾性体により前記カ
    ム面に係合される方向へ付勢した一方向クラッチにおい
    て、前記各ころを周方向両側で、直接相互に当接させる
    か、またはこれらのころよりも小径の補助ころを介して
    相互に当接させて配し、前記カム面を設けた外方部材の
    内周面または内方部材の外周面に、その軸方向に延びる
    溝を少なくとも一つ設け、前記弾性体をこの溝に係止し
    て、その付勢力を前記相互に当接するころを介して、全
    てのころに伝達するようにし、前記溝に係止した弾性体
    の、溝に沿う方向の端部を先細に形成したことを特徴と
    する一方向クラッチ。
  2. 【請求項2】 外方部材の内周面または内方部材の外周
    面のいずれか一方に複数の傾斜カム面を設け、他方を円
    筒面に形成し、前記各カム面と対向する位置にころを収
    容し、これらのころを係合子として弾性体により前記カ
    ム面に係合される方向へ付勢した一方向クラッチにおい
    て、前記各ころを周方向両側で、直接相互に当接させる
    か、またはこれらのころよりも小径の補助ころを介して
    相互に当接させて配し、前記カム面を設けた外方部材の
    内周面または内方部材の外周面に、その軸方向に延びる
    溝を少なくとも一つ設け、前記弾性体をこの溝に係止し
    て、その付勢力を前記相互に当接するころを介して、全
    てのころに伝達するようにし、これらのころの両端面を
    案内する側板の少なくとも一方を、前記外方部材または
    内方部材の端面に係止する手段を設けたことを特徴とす
    る一方向クラッチ。
  3. 【請求項3】 前記側板を係止する手段が、側板の周方
    向複数箇所に凸部を設け、この凸部を前記外方部材また
    は内方部材の端面に設けた凹部に係止するものである請
    求項2に記載の一方向クラッチ。
  4. 【請求項4】 前記弾性体が、前記ころを押圧する舌片
    を有する鋼板製のばねである請求項1乃至3のいずれか
    に記載の一方向クラッチ。
  5. 【請求項5】 前記補助ころを、前記弾性体が係止され
    る位置に介在させた請求項1乃至4のいずれかに記載の
    一方向クラッチ。
  6. 【請求項6】 前記ころの少なくとも1本を、前記ころ
    と外径が同じで、形状の異なる係合子で置換した請求項
    1乃至5のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  7. 【請求項7】 前記形状の異なる係合子が、前記ころの
    円筒面に少なくとも1つの環状溝を設けた溝付きころで
    ある請求項6に記載の一方向クラッチ。
  8. 【請求項8】 前記形状の異なる係合子が、前記ころよ
    りも長さが短い短尺ころである請求項6に記載の一方向
    クラッチ。
  9. 【請求項9】 前記外方部材の外径に、トルク伝達手段
    を一体に形成した請求項1乃至8のいずれかに記載の一
    方向クラッチ。
  10. 【請求項10】 前記トルク伝達手段が、前記外方部材
    の外径に形成した凹凸である請求項9に記載の一方向ク
    ラッチ。
  11. 【請求項11】 前記外方部材または内方部材の少なく
    とも一方を、焼結金属で形成した請求項1乃至10のい
    ずれかに記載の一方向クラッチ。
  12. 【請求項12】 前記外方部材または内方部材の少なく
    とも一方を、鋼板を打ち抜き加工したもので形成した請
    求項1乃至10のいずれかに記載の一方向クラッチ。
  13. 【請求項13】 前記打ち抜き加工が、前記鋼板を外方
    部材または内方部材の製品仕上がり寸法にファインブラ
    ンキングするものである請求項12に記載の一方向クラ
    ッチ。
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