JP4129528B2 - β−FeSi2結晶粒子を含む薄膜及びこれを用いた発光材料 - Google Patents

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Description

本発明は、 FeSi2 アモルファスを含む相を海としβ−FeSi2結晶粒子を島とする海島構造を有する新規な薄膜とその製造方法ならびに該薄膜を加熱処理することにより得られる薄膜からなる1.5μm光通信帯等において近赤外発光を示す発光材料に関する。
β−FeSi2は、バンドギャップ0.8−0.85 eVの半導体であり、1.5μm光通信帯で近赤外発光を示す特性を有し、クラーク数2位と4位のSiとFeから構成される人畜無害な環境低負荷型の近赤外発光・受光材料として注目を集めている。更に、従来の太陽電池用半導体材料に比べて極めて高い光吸収係数を示すことから、新規な高効率太陽電池材料としても期待されている。しかし、FeSi2には950℃以上で安定な高温安定相であるα相が存在するため、通常の液相からの結晶引き上げ法によるβ−FeSi2バルク単結晶作製や、1000℃以上の高温での熱処理を要するβ−FeSi2焼結体作製は極めて困難であることが知られている。
このようなバルク結晶作製の問題点を解決するものとして、例えば特許文献1等には、溶融したGaまたはZnを溶媒とし、FeSi2を原料として溶媒表面に接触させるとともに、結晶析出部材を溶媒表面に接触させて原料部より低温となるように加熱することにより結晶析出させる方法及びβ−FeSi2単結晶及び多結晶を得る方法が記載されている。また、特許文献2等では、α−FeSi2原料と輸送剤としてSbを真空管に封入し、原料部を900℃に、成長部をより低温の850℃に保持して100時間程度熱処理を施すことにより、β−FeSi2単結晶を析出させる手法を記載している。しかし、これらの手法によるβ−FeSi2バルク結晶の商業ベースでの大量合成は未だ成されておらず、これらのバルク結晶を大量に且つ安価に入手することは困難である。
一方、β−FeSi2薄膜作製手法としては、(イ)Si基板中にFe+イオンを高濃度に注入した後800〜940℃でアニールを行うイオン注入法(例えば非特許文献1参照)、(ロ)Si基板をSiとFeが反応する程度まで高温に加熱した状態でFeを堆積させる熱反応堆積法(例えば非特許文献2参照)、(ハ)FeとSiを高温にあるいは室温保持した基板上に同時蒸着させ高温アニールする分子線エピタキシー法(例えば非特許文献3参照)等の方法が知られている。
β−FeSi2は単位結晶格子中に16個のFe原子と32個のSi原子を含む複雑な結晶構造を形成するために、これらの手法によるβ−FeSi2薄膜作製は、成膜時の高い基板温度(〜400℃以上)と成膜後の高いアニール温度(〜800℃以上)を通常必要とし、耐熱性のある基板の種類に限定される点が問題となる。また、アニールを含む多段階の高温プロセスであるため、α−FeSi2、γ−FeSi2等の他の鉄シリサイド相が同時に析出し、β−FeSi2単相の試料を合成することは困難であり、β−FeSi2の半導体特性の再現性の低下をまねくといった共通の難点があった。
これらの問題点を解決するために、FeSi2をターゲット材料とし、基板温度を500℃以下、実質的には100〜400℃とし、紫外線領域の波長のレーザーを用いてパルスレーザアブレーションにより基板上に堆積したままで、β相のFeSi2薄膜を製造する方法が提案されている(特許文献3)
しかし、この方法は実質的にβ−FeSi2の平滑な単相薄膜を得ることを目的としているものであり、アモルファス相にβ−FeSi2の結晶粒子が島状に形成された薄膜の製造を意図としたものではない。因みに当該方法では、レーザー光として長波長ではなく短波長の紫外線領域の波長を用い、ドロップレットの形成を積極的に抑制し、その膜表面への付着を防止する手段を敢えて講じると共に、基板温度を実質的に100〜400℃に設定して初めて上記β−FeSi2の単相薄膜が得られるとしている。
このように、これまでのレーザーアブレーション法による、β−FeSi2等の結晶薄膜の製造法においては、ターゲット材料の表面の溶融に起因して発生するドロップレットは膜の性能を阻害する好ましくない夾雑物質と認識されており、ドロップレットの生成や堆積を如何にして抑制・排除するかについての観点からの研究のみが専ら進められているのが現状であり、ドロップレットの生成を積極的に図り更にはこのドロップレットをβ−FeSi2の結晶粒子に成長・変換させ、これを島状として存在させた海島構造を有する薄膜作製に関する実験や研究の報告は皆無といっても過言ではない。また、従来のドロップレット除去に重点をおいたレーザーアブレーション法により作製したβ−FeSi2薄膜においては、高い基板温度で成膜ならびにその後長時間のアニ−ル処理を行った場合でさえも、1.5μm帯での近赤外発光を観測できたという報告は皆無といってよい。これは、前述のとおり複雑な結晶構造を有するβ−FeSi2結晶構造中には、発光を妨げる原因となる構造欠陥が生じやすく、構造欠陥密度の低い即ち高い結晶性を有するFeSi2結晶を作製しその結果近赤外発光を発現させることが、困難なためと考えられる。
特開2002−3300号公報 特開2002−173400号公報 特開2000−178713号公報 Y. MaedaらThin Solid Films (2001) Vol. 381 pp. 219 T. SuemasuらJpn. J. Appl. Phys. (1997) Vol. 36 pp. L1225 N. HiroiらJpn. J. Appl. Phys. (2001) Vol. 40 pp. L1008
本発明は、レーザーアブレーション法により生じる液滴(ドロップレット)を従来法の如く抑制・排除することなくその生成量を増大させ、そのドロップレットを結晶性に優れたβ−FeSi2結晶粒子に変換し、これを島とし、FeSi2アモルファスを含む相を海とする海島構造を有する新規な薄膜およびその効率的な製造方法を提供することを目的とする。さらに、該薄膜を加熱処理することにより得られる薄膜からなる、近赤外波長域で発光を示す発光材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、商用製品として容易に入手可能なα−FeSi2合金を用いて、そのレーザーアブレーションにより生成するドロップレットを積極的に利用すると、このものが結晶性の優れたβ−FeSi2に成長し、アモルファス相を含む相に島状にβ−FeSi2の結晶粒子が堆積した、β−FeSi2からの近赤外発光を結晶粒子へ閉じ込めて増幅する微小球レーザー類似の機能を有する薄膜型発光デバイスとして応用可能な新規な薄膜が得られることを見出し、また、該薄膜を加熱処理することにより、島状に析出したβ−FeSi2結晶粒子の結晶性をより高品位化した薄膜が得られ、しかも、この薄膜は、特に、波長1.5μmを中心とする近赤外発光を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) FeSi2 アモルファスを含む相を海としβ−FeSi2結晶粒子を島とする海島構造からなるβ−FeSi2結晶粒子を含む薄膜。
(2) FeSi2 アモルファスを含む相とβ−FeSi2結晶粒子を含む薄膜であって、該FeSi2 アモルファスを含む相の上にβ−FeSi2結晶粒子が島状に堆積されていることを特徴とする上記(1)に記載の薄膜。
(3) β−FeSi2結晶粒子の平均直径が0.1〜100μmであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の薄膜。
(4) β−FeSi2結晶粒子の形状が半球状又はドーナツ状であることを特徴とする上記(1)乃至(3)に記載の薄膜。
(5) β−FeSi2結晶粒子が薄膜表面1平方ミリあたり10〜10個の密度で島状に存在していることを特徴とする上記(1)乃至(4)何れかに記載の薄膜。
(6) FeSi2合金にレーザー光を照射し、アブレーションさせたガス状物質とドロップレットを、基板上に堆積させることを特徴とする上記(1)乃至(5)何れかに記載の薄膜の製造方法。
(7) 基板温度を100℃未満に保持することを特徴とする上記(6)に記載の薄膜の製造方法。
(8) レーザーアブレーション雰囲気を不活性ガス雰囲気下又は1x10−5 Pa以下の高真空とすることを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の薄膜の製造方法。
(9)照射レーザーフルエンスを2J/cm2以上とすることを特徴とする上記(6)乃至(8)何れかに記載の薄膜の製造方法。
(10)前記レーザーとして、α−FeSi2合金が光吸収を示す波長で発振するレーザーを用いることを特徴とする上記(6)乃至(9)何れかに記載の薄膜の製造方法。
(11)請求項1乃至5何れかに記載の薄膜を加熱処理することにより得られる薄膜。
(12)加熱処理温度を800℃以下に保持することを特徴とする上記(11)に記載の薄膜。
(13)加熱処理雰囲気を不活性ガス雰囲気下又は5x10−4 Pa以下の高真空とすることを特徴とする上記(11)又は(12)に記載の薄膜。
(14)上記(11)乃至(13)何れかに記載の薄膜からなる発光材料。
本発明の対象とする薄膜は、その光特性、電気特性等がそれぞれ異なる、アモルファスを含む相とβ−FeSi2結晶粒子から構成され、しかも従来のβ−FeSi2の単相薄膜とは異なる、β−FeSi2結晶粒子がアモルファスを含む相に島状に堆積されている構造を有することから、β−FeSi2の結晶粒子とFeSi2のアモルファスを含む相との特性を生かすことより、太陽電池、熱電素子などのデバイス製造の他、β−FeSi2からの近赤外発光を結晶粒子へ閉じ込めることにより増幅する微小球レーザー類似の機能を有する新規薄膜型発光デバイスなどとしての応用が可能なものである。
また、本発明の製造方法によれば、従来のような多段階高温プロセスを必要とせずに、マイクロメートルオーダーのβ−FeSi2微細結晶粒子を島とし、FeSi2アモルファスを含む相を海とする海島構造を有する薄膜を室温合成することが可能となる。従って、高温多段階プロセスに伴うα−FeSi2、γ−FeSi2等の他の結晶相の同時析出といった、構造ならびに機能の低下をまねくことがない。更に、安価な原料を用い且つ室温合成が可能なため、耐熱温度の低い高分子材料基板を含む様々な基板上に島状のβ−FeSi2を容易に集積化することが可能となり、β−FeSi2の特性を活かした新規な近赤外発光・受光素子、太陽電池、熱電素子などのデバイス製造に様々な応用が可能となる。
さらに、本発明により得られるマイクロメートルオーダーのβ−FeSi2微細結晶粒子を島とし、FeSi2アモルファスを含む相を海とする海島構造を有する薄膜を加熱処理することにより得られる薄膜は、従来のレーザーアブレーション法では作製例の報告が皆無といってよい、1.5μm帯を中心とする近赤外発光材料を実現でき、この発光特性を利用した近赤外発光素子デバイス等の幅広い応用が可能となる。
以下本発明について詳細に説明する。
先に述べたように、一般に、物質のレーザーアブレーションにより生じる活性種を基板上に堆積させるパルスレーザー堆積法での成膜では、平坦な薄膜を作製するために、ある種のレーザー照射条件下でのアブレーション時に生成されるμmオーダーの直径を有するドロップレットをいかに効率よく除去できるかに研究の主眼が置かれ、かかる観点からの実験研究しかなされていなかった。
実際に、前述の特許文献3でも、パルスレーザー堆積法を利用してβ−FeSi2の単相薄膜を作製するためには、照射するレーザー波長を紫外線領域のものとし、レーザーフルエンスを低く抑える等のレーザー照射条件を採用しないと、ドロップレットの発生密度の低減化が図れず、且つ基板温度を100〜400℃の範囲に保持した場合にしか平坦なβ−FeSi2の単相薄膜ができないとされ、また100℃以下に保持した基板上ではβ−FeSi2とアモルファスの混相が形成されるだけであると指摘している。
しかし、本発明者等のこの点に関する弛まぬ研究によれば、レーザーアブレーションによりガス状態で個別に飛散する原子・分子を基板上に堆積させ、アモルファス状態ではなく秩序立った結晶構造を形成させるためには、基板上で原子・分子が結晶化のための再配列するための移動度を必要とするが、原子間の化学結合を保持した液滴(ドロップレット)で飛散する物質を基板上に堆積させた場合には、意外にも、その結晶化のためのエネルギーはより低エネルギーでよく、より低い基板温度で結晶性の良いβ−FeSi2が、先に生成したFeSi2アモルファスを含む相に島状に点在する海島構造を有する文献未載の新規な薄膜が形成することが知見された。
すなわち、本発明の対象とする薄膜は、従来のパルスレーザー堆積法による薄膜とは著しく異なり、ドロップレットを積極的に生成・活用し、かつ従来法に比しより低温に保持した基板を利用することにより好ましく得られ、FeSi2 アモルファスを含む相を海としβ−FeSi2結晶粒子を島とする海島構造からなることを特徴としている。
β−FeSi2結晶粒子は、島を形成し海の部分となるアモルファスを含む相に点在されるが、その結晶粒子の平均直径は、アブレーションに用いるレーザー波長及びフルエンスによって異なるが、通常0.1〜100μm、好ましくは1〜10μmである。また、その形状は一般に半球状もしくは半球中心部が凹に陥没したドーナツ状である。
本発明の薄膜は、このβ−FeSi2結晶粒子が海であるFeSi2アモルファスを含む相に島状に点在していることが重要である。「島状」とは、いわゆるマトリックス構造でいう、「海島構造」の「島」に対応するものであり、「海」であるFeSi2アモルファスを含む相にβ−FeSi2結晶粒子からなる「島」が点在している状態を意味する。またこの「島」は「海」であるFeSi2アモルファスを含む相に点在していればよいが、好ましくは該アモルファスを含む相の上に堆積されていることが好ましい。換言すれば、本発明の好ましい薄膜は、FeSi2 アモルファスを含む相とβ−FeSi2結晶粒子を含む薄膜であって、該FeSi2 アモルファスを含む相の上にβ−FeSi2結晶粒子が島状に堆積されたものである。
島の密度はアブレーションに用いるレーザー波長及びフルエンスにより制御することが可能であり、種々のものとすることができるが、通常その数密度は薄膜表面1平方ミリあたり10〜10個、好ましくは高密度にβ−FeSi2結晶粒子が堆積された状態である5x10〜10個である。
また、海であるアモルファスを含む相は、FeSi2アモルファス相の単相でもよく、また該アモルファス相とα相、β相、γ相等の混相であってもよい。
本発明の対象とする海島構造を有する薄膜は種々の方法により得ることができるが、好ましくは、FeSi2合金にレーザー光を照射し、アブレーションさせたガス状物質と液滴を低温に保持された基板上に堆積させることにより製造することができる。
原料であるα−FeSi2合金は、FeとSiの粉末を1:2に混合・溶融して合成したα−FeSi2合金粉末を通常のホットプレス法で成形した焼結体であり、β−FeSi2バルク結晶体と比較して、極めて安価に且つ商業製品として容易に入手することが可能なものである。
更に、レーザーアブレーションを利用した成膜方法では、他のスパッタリング法等の気相合成法に比べて、ターゲット物質の化学組成をそのまま有する生成物が得られやすいという利点がある。これは、ターゲット物質がレーザー光を吸収することにより生じるエネルギーのほとんどが熱エネルギーに変換される結果、ターゲット物質の表面近傍が非常に高温の加熱状態となり、物質の溶融・蒸発等が一様に起こるためである。ターゲット表面近傍がレーザー光照射中に非常に高温状態にあることは、照射後のターゲット表面が照射前と異なり、溶融してその後固化したような構造を呈することからも容易に推察される。よって、本手法でα−FeSi2合金ターゲットのレーザーアブレーションを行う結果、精確な化学量論比を有するβ−FeSi2結晶粒子が作製される。以上のように、原料を安価に供給することを重視するとα相を有するFeSi2がターゲットとして好ましいが、FeとSiの組成比が1:2の化学量論比を満足するFeSi2化合物であれば、α相、β相、γ相、アモルファス相ならびにそれらの混相のいずれであってもよい。
本発明方法においては、前記原料であるα−FeSi2合金ターゲットにレーザー光を照射し、生起するガス状物質とドロップレットを、低温に保持された基板上に堆積させる。この場合、ガス状物質はFeやSi原子ならびにそれらの分子やイオンから構成されており、その質量が液滴よりも小さいために通常、基板上に液滴より早く堆積してアモルファスを含む相を形成する。これに対して液滴は、ターゲット表面の溶融した部分からマイクロメートルオーダーの液滴として放出され、ガス状物質により形成されたアモルファスを含む層に堆積する。この場合、この液滴は原子間の化学結合を保持した液滴で飛散することから基板上に堆積させた場合、その結晶化のためのエネルギーはより低エネルギーでよく、より低い基板温度で形成され、これがFeSi2のアモルファスを含む相に堆積されることとなる。
基板温度は、結晶性の良いβ−FeSi2がアモルファスを含む層に効率よく堆積されるような温度に設定すればよいが、100℃未満、特に室温に保持することが好ましい。100℃以上であるとβ−FeSi2の単相薄膜やこれにFeSi相が混入した薄膜が得られるだけで、本発明の対象とする、FeSi2 アモルファスを含む相とβ−FeSi2結晶粒子を含み、該FeSi2 アモルファスを含む相が「海」で、β−FeSi2結晶粒子が「島」となる海島構造を採る特異な薄膜を得ることが困難となる。
本発明において基板材料の種類は特に限定されない。通常β−FeSi2薄膜作製に用いられるSi(100)及び(111)ウエハー基板に加え、Al2O3やMgO単結晶等の無機単結晶基板、セラミックス基板、石英ガラス等のガラス基板、そして無機基板に比べて耐熱性の低い高分子基板やチオール等を表面に塗布したような有機分子塗布基板等、様々な基板を使用することが可能である。
本発明において光源として用いるレーザーの波長としては、α−FeSi2合金が吸収を有する波長であれば良い。例えば、ArF(波長:193nm)、KrCl(222nm)、KrF(248nm)、XeCl(308nm)、XeF(351nm)エキシマレーザー、YAGレーザー、YLFレーザー、YVOレーザー、色素レーザー等の基本発振波長光、およびその基本発振波長光を非線形光学素子などにより変換したものを用いることもできる。
本発明で好ましく使用される波長は、ターゲット表面からより深い領域まで照射レーザー光が浸透する結果より多量のドロップレットの生成が達成される可能性の点からみて、可視域ならびに近赤外域の長波長である。
レーザーアブレーションより液滴を生成しβ−FeSi2結晶粒子を作製するためのレーザー強度は、レーザー波長に対するα−FeSi2合金の光吸収係数によって異なるが、レーザー強度が2J/cm2以上、好ましくは、後述の実施例3にあるように、ドロップレットの生成効率が顕著に増大する4J/cm2以上が望ましい。レーザー強度が2J/cm2未満であると、液滴を含まない原子・分子の飛散粒子がアブレーションにより主に生成し、β−FeSi2微結晶粒子の形成が困難となる。
本発明においては、α−FeSi2合金ターゲットに対向した状態で基板を設置することが好ましい。レーザーアブレーションでは、生成する原子、分子、イオンならびに液滴がターゲット表面の法線方向を中心とする分布をもって飛散し、いわゆるアブレーションプルームを形成することが知られている。特に液滴は、ガス状物質に比べて、前述の方向性を持って飛散する傾向が知られており、よって、ドロップレットを基板上により多く堆積させて、前述のβ−FeSi2結晶をより高密度に製造するためには、基板をターゲットに対向して設置した方がよい。ただし、ドロップレットもある程度の方向分布をもって飛散することから、これらが捕捉できる位置であれば、基板とターゲットが対向配置されている必要はない。また、基板とターゲット間の距離については、その距離が近いほど高い密度でドロップレットを基板上に捕捉でき、より効率的にβ−FeSi2結晶粒子を含む薄膜を形成するものと考えられる。
本発明の対象とする薄膜は、その光特性、電気特性等がそれぞれ異なる、アモルファスを含む相とβ−FeSi2結晶粒子から構成され、しかもβ−FeSi2結晶粒子がアモルファスを含む相に島状に点在されていることから、従来のβ−FeSi2の単相薄膜とは異なり、β−FeSi2からの近赤外発光をマイクロメートルオーダーの結晶粒子内部へ閉じ込めて増幅する微小球レーザー類似の機能を有する薄膜型発光デバイスなどとしての応用が期待されるものである。
また、前記したように、本発明の対象とするβ−FeSi2結晶、高温安定相であるα相が存在するために、液相からの引き上げによる単結晶作製や高温を要する焼結体作製が難しく、バルク体の大量合成が難しい。一方、種々の気相法によりβ−FeSi2薄膜が合成されているが、(イ)成膜時および成膜後の結晶化処理において高温を必要とする、(ロ)結晶化処理時間が非常に長いこと、などといった製造プロセス上の多くの問題がある。また、そのような長時間におよぶ高温多段階プロセスによる合成の結果、α−FeSi2、γ−FeSi2等の他の鉄シリサイド結晶相が同時に析出し、β−FeSi2の試料を合成することは困難であり、β−FeSi2の半導体特性の再現性の低下をまねく、といった特性上の難点もある。
これに対して、本発明方法はα−FeSi2合金のレーザーアブレーションにより液滴を積極的に生成させ基板上に堆積させて利用することから、従来の気相法で生成する原子・分子単位の飛散物の堆積による成膜と異なり、より低い基板温度でβ−FeSi2結晶粒子を島とする薄膜を得ることが可能となる。これは、原子・分子単位の飛散物を基板上に堆積させ結晶構造を形成させるためには、基板上で原子・分子が結晶化のための再配列するための移動度が必要であるが、本発明方法の如く、原子間の化学結合を広範囲に保持した液滴で飛散する物質を基板上に堆積させた場合、その結晶化のためのエネルギーはより低エネルギーでよく、その結果、低い基板温度でβ−FeSi2を島とする薄膜が形成される。更に、構成成分であるFeとSiの供給源がβ−FeSi2と同一組成のα−FeSi2合金であるため、得られる膜の組成の再現性に優れている。即ち、本手法を用いれば、高温プロセスを必要とせずに、安価な原料を用いて、結晶性の優れたβ−FeSi2を含む薄膜を簡便に低温合成することができる。
また、本発明の、FeSi2 アモルファスを含む相を海としβ−FeSi2結晶粒子を島とする海島構造からなるβ−FeSi2結晶粒子を含む薄膜を加熱処理することにより得られる薄膜はその結晶性を高品位化することができることから、発光の妨げとなる非発光中心として結晶構造中に存在する欠陥密度を低減することができ、近赤外波長域で有効な発光材料とすることができる。
この場合、加熱処理温度を800℃以下に保持することが好ましく、また、加熱処理雰囲気を不活性ガス雰囲気下又は5x10−4 Pa以下の高真空とすることが好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
実施例1
FeとSiの粉末を1:2に混合・溶融して合成したα−FeSi2合金粉末を通常のホットプレス法で成形したα−FeSi2合金ターゲット(サイズ 直径20ミリ、厚さ5ミリ)を、図1に示す真空ポンプを備えた真空容器中の回転保持具に取り付けた。また、n型Si(100)基板表面をフッ化水素酸を用いて洗浄した後、基板としてターゲット表面から基板表面が30ミリになるように対向した位置にある真空容器中のもう一つの回転保持具にセットした。その後、真空容器内部の圧力を1x10−5 Pa以下になるように、ターボ分子ポンプとロータリーポンプを併用して排気した。
その後、KrFエキシマレーザー光(波長 248nm)を合成石英レンズを用いてターゲット表面に対して約45°の入射角となるように集光した。照射パルスエネルギーは10mJ/pulse、ターゲット表面でのレーザービーム面積は0.005平方センチと設定し、得られたレーザー強度は2J/cm2であった。10Hzのレーザー繰り返しで30分間照射して、α−FeSi2合金ターゲットのレーザーアブレーションを行い、室温に保持したSi基板上に薄膜を形成した。
得られた薄膜を空気中に取り出し、その表面を走査型電子顕微鏡ならびにレーザー走査顕微鏡によって観察したところ、図2の走査型電子顕微鏡写真が示すように、膜表面に半球状(図2中 A)ならびに中心部が外周部より凹んだ形状いわゆるドーナツ状(図2中 B)粒子のドロップレットが、膜表面全体約10x10平方ミリに一様に形成されており、約1ミクロンから10ミクロンの直径を有していることがわかった。AとB粒子をレーザー走査顕微鏡により仔細に観察したところ、Aの直径と高さは各々約7ミクロンと3ミクロンであり、Bの直径と中心部の高さは各々約5ミクロンと0.2ミクロンであった。さらに、AとB粒子ならびに粒子の無い薄膜(図2中 C)部位の結晶構造を調べるため顕微ラマン分光測定を行った。その結果、図3上段ならびに中段に示すように、図2中のAとBの部位においては、β−FeSi2による246cm-1と193cm-1に中心を有するピークが観測され、これらの粒子がβ−FeSi2であることが明らかとなった。一方、Cにおいては、β−FeSi2に帰属されるピークは見られず、室温で堆積させた薄膜中のドロップレット粒子の堆積していない部位においては、β−FeSi2は析出していない。
また、得られた薄膜の薄膜X線回折測定を行ったところ、図4に示す回折パターンが得られ、β相に帰属される4本の回折ピークが観測され、他の結晶相の析出は確認されなかった。先に示した図3の顕微ラマンスペクトルから、半球状ならびにドーナツ状粒子はβ相であるのに対し、粒子の存在しない部分では、β相からのラマンピークが観測されなかったことからアモルファス相であると考えられる。
実施例2
α−FeSi2合金ターゲットと対向して、表面の自然酸化膜をフッ化水素酸により除去したSi基板を図1の真空容器内にセットし、容器内部の圧力が1x10−5 Pa以下となるように排気した。その後、ヘリウムガスを133Paとなるように真空容器内を満たし不活性ガス雰囲気とした後、KrFエキシマレーザー光を照射した。照射パルスエネルギーは20mJ/pulse、ターゲット表面でのレーザービーム面積は0.005平方センチと設定し、得られたレーザー強度は4J/cm2であった。10Hzのレーザー繰り返しで30分間照射して、α−FeSi2合金ターゲットのレーザーアブレーションを行い、室温に保持したSi基板上に薄膜を形成した。
得られた薄膜を空気中に取り出し、その表面をレーザー走査顕微鏡によって観察したところ、実施例1と同様にマイクロメートルオーダーの半球状およびドーナツ状粒子のドロップレットが形成された。これらの顕微ラマン分光測定から、β−FeSi2による246cm-1と193cm-1に中心を有するピークが観測され、β−FeSi2の析出が確認された。一方、これらドロップレットの堆積していない部位では、β−FeSi2はみられなかった。
実施例3
α−FeSi2合金ターゲットと対向してSi基板を真空容器内にセットし、容器内部の圧力が1x10−5 Pa以下となるように排気した後、KrFエキシマレーザー光をターゲットに照射した。照射パルスエネルギーは20mJ/pulse、ターゲット表面でのレーザービーム面積は0.005平方センチと設定し、得られたレーザー強度は4J/cm2であった。10Hzのレーザー繰り返しで30分間照射して、α−FeSi2合金ターゲットのレーザーアブレーションを行い、室温に保持したSi基板上に薄膜を形成した。
得られた膜表面をレーザー走査顕微鏡によって観察したところ、半球状ならびにドーナツ状のマイクロメートルオーダーの粒子が形成されていた。直径が約1ミクロン以上のβ−FeSi2結晶粒子の1平方ミリ単位面積あたりの数密度を計測したところ、約5x10個であった。これは、実施例1の場合の約7倍の数密度に相当し、照射レーザー強度を増大させることによりβ−FeSi2結晶粒子を高密度に生成することができた。
実施例4
α−FeSi2合金ターゲットと対向して、石英ガラス基板を図1の真空容器内にセットし、容器内部の圧力が1x10−5 Pa以下となるように排気した。その後、ArFエキシマレーザー光(波長 193nm)をターゲット表面に対して約45°の入射角となるように照射した。照射パルスエネルギーは20mJ/pulse、ターゲット表面でのレーザービーム面積は0.005平方センチと設定し、得られたレーザー強度は4J/cm2であった。10Hzのレーザー繰り返しで60分間照射して、α−FeSi2合金ターゲットのレーザーアブレーションを行い、室温に保持した石英ガラス基板上に薄膜を形成した。
得られた薄膜表面をレーザー走査顕微鏡によって観察したところ、1〜10マイクロメートルの直径を有する半球状粒子が観察された。更に、顕微ラマン分光測定から、これらがβ−FeSi2結晶として析出していることがわかった。
実施例5
α−FeSi2合金ターゲットと対向してSi基板を真空容器内にセットし、容器内部の圧力が1x10−5 Pa以下となるように排気した後、KrFエキシマレーザー光をターゲットに照射した。照射パルスエネルギーは40mJ/pulse、ターゲット表面でのレーザービーム面積は0.005平方センチと設定し、得られたレーザー強度は8J/cm2であった。10Hzのレーザー繰り返しで30分間照射して、α−FeSi2合金ターゲットのレーザーアブレーションを行い、室温に保持したSi基板上に薄膜を作製し、直径が約1ミクロン以上のβ−FeSi2結晶粒子を膜表面1平方ミリあたり約3x10個と高密度に生成した。
得られた薄膜をAr不活性ガス雰囲気中800℃で6時間の加熱処理を施し、その薄膜表面のレーザー走査顕微鏡観察を行った結果、半球状ならびにドーナツ状のβ−FeSi2結晶粒子の形状には加熱処理による変化はみられなかった。一方、半球状のβ−FeSi2結晶粒子(部位 D)と平滑な薄膜表面(部位 E)の顕微ラマン分光スペクトルを、図5の上段及び下段それぞれ示す。DとEの両部位においてβ−FeSi2によるラマンピークが観察されたことから、加熱処理により、薄膜中の島及び海をなす部分共にβ−FeSi2結晶が析出していることがわかる。ただし、約250cm-1に中心を有する主ピークの半値幅は、部位Dでは8.2cm-1と、部位Eのそれの9.1cm−1と比べると小さく、Dのβ−FeSi2結晶粒子部位の方が高い結晶性を有することが明らかになった。この高い結晶性を有するβ−FeSi2結晶粒子を含む薄膜は、図6の波長1.56μmにピークを持つ近赤外発光スペクトルを約200Kの試料保持温度まで示した。
本発明の薄膜を製造するために利用される代表的なレーザーアブレーション装置の説明図。 実施例1で得られた薄膜表面の走査型電子顕微鏡写真(撮影角度: 45度)。 実施例1で得られた薄膜表面のβ−FeSi2半球状粒子(図2 A)の顕微ラマンスペクトル(上段)、ドーナツ状粒子(図2 B)の顕微ラマンスペクトル(中段)、平滑な薄膜表面部位(図2 C)の顕微ラマンスペクトル(下段)。 実施例1で得られた薄膜のX線回折パターン。 実施例5で得られた薄膜表面のβ−FeSi2半球状粒子の顕微ラマンスペクトル(上段)、平滑な薄膜表面部位の顕微ラマンスペクトル(下段)。 実施例5で得られた薄膜の試料温度25Kでの発光波長と発光強度を示す図。

Claims (14)

  1. FeSi2 アモルファスを含む相を海としβ−FeSi2結晶粒子を島とする海島構造からなるβ−FeSi2結晶粒子を含む薄膜。
  2. FeSi2 アモルファスを含む相とβ−FeSi2結晶粒子を含む薄膜であって、該FeSi2 アモルファスを含む相の上にβ−FeSi2結晶粒子が島状に堆積されていることを特徴とする請求項1に記載の薄膜。
  3. β−FeSi2結晶粒子の平均直径が0.1〜100μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の薄膜。
  4. β−FeSi2結晶粒子の形状が半球状又はドーナツ状であることを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の薄膜。
  5. β−FeSi2結晶粒子が薄膜表面1平方ミリあたり10〜10個の密度で島状に存在していることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の薄膜。
  6. FeSi2合金にレーザー光を照射し、アブレーションさせたガス状物質と液滴(ドロップレット)を、基板上に堆積させることを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の薄膜の製造方法。
  7. 基板温度を100℃未満に保持することを特徴とする請求項6に記載の薄膜の製造方法。
  8. レーザーアブレーション雰囲気を不活性ガス雰囲気下又は1x10−5 Pa以下の高真空とすることを特徴とする請求項6又は7に記載の薄膜の製造方法。
  9. 照射レーザーフルエンスを2J/cm2以上とすることを特徴とする請求項6乃至8何れかに記載の薄膜の製造方法。
  10. 前記レーザーとして、α−FeSi2合金が光吸収を示す波長で発振するレーザーを用いることを特徴とする請求項6乃至9何れかに記載の薄膜の製造方法。
  11. 請求項1乃至5何れかに記載の薄膜を加熱処理することにより得られる薄膜。
  12. 加熱処理温度を800℃以下に保持することを特徴とする請求項11に記載の薄膜。
  13. 加熱処理雰囲気を不活性ガス雰囲気下又は5x10−4 Pa以下の高真空とすることを特徴とする請求項11又は12に記載の薄膜。
  14. 請求項11乃至13何れかに記載の薄膜からなる発光材料。
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