JP4123644B2 - 排ガス浄化触媒 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両から排出される燃焼ガス中に含まれる窒素酸化物(NOx )を吸蔵する機能のある排ガス浄化触媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガソリンエンジンなどの内燃機関から排出される排ガスに一酸化窒素などの窒素酸化物(NOx )が含まれており、これが大気の汚染要因になっていることは広く知られている。このNOx を排ガスから除去して排ガスを浄化する触媒が、従来、種々開発されている。その一例を挙げると、特開平5−317652号公報には、アルカリ土類金属酸化物および白金を、多孔質の担体に担持させた触媒が記載されている。この触媒に排気ガスを接触させることにより、NOx がアルカリ土類金属酸化物に吸着され、またCOなどの還元ガスが白金に吸着され、排気ガス中のNOx の濃度が低い場合には、アルカリ土類金属酸化物に吸着されたNOx が白金に移動して還元ガスと反応し、NOx および還元ガスの両者が浄化される。またNOx の濃度が高い場合には、白金がNOx を吸着するとともに、白金に吸着されていた還元ガスとNOx とが反応する。さらに空燃比を大きくしたリーンバーン運転時には、NOx が炭化水素(HC)と反応し、反応しきれないNOx がアルカリ土類金属酸化物に吸着される。上記の公報に記載されている触媒によれば、このようにしてNOx および還元ガスが無害化され、排気ガスが浄化される、としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の公報にはアルカリ土類金属としてバリウムとカルシウムとマグネシウムとが挙げられており、白金を担持させた担体を、酢酸バリウムや硝酸カルシウム、酢酸マグネシウムなどの水溶液に浸漬し、乾燥後、焼成して排ガス浄化触媒としている。このようにして作成された触媒は、アルミナなどの多孔質担体の表面に、白金と酸化バリウムなどのNOx 吸蔵材粒子が分散して付着した状態となっている。そして排気ガス中のNOx や還元ガスがそれらの触媒粒子に接触することにより、前述した吸着や反応が生じる。
【0004】
こうした吸着やNOx と還元ガスとの反応などは、NOx 吸蔵材粒子の表面で生じると考えられるが、上記の公報などに記載されて知られている従来の排ガス浄化触媒あるいは上記の方法で製造された排ガス浄化触媒では、NOx 吸蔵材粒子の担持量に対する排ガスの浄化量、より具体的にはNOx の吸蔵量(吸着量)が必ずしも充分には多くない。そのため、例えば車両に搭載する場合には、搭載する触媒の量が多くなり、触媒の単価が高いことと相俟って車両コストの増大要因になり、また車体重量が増大する可能性もあった。
【0005】
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、排ガスの浄化効率に優れた触媒、より具体的には、NOx 吸蔵特性に優れた排ガス浄化触媒を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、NOx 吸蔵材粒子と貴金属とを担体に担持させ、空燃比が大きくて還元ガスと反応しきれないNOxをNOx吸蔵材に吸蔵させ、還元ガス濃度が高いガスを接触させて吸蔵したNOxを還元浄化する排ガス浄化触媒であって、前記NOx 吸蔵材粒子は、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物である酸化ランタンのいずれか一種もしくは二種以上により、球状もしくは針状で、かつその比表面積が30m2/g以上に形成され、該NOx吸蔵材粒子が前記担体に担持されていることを特徴とするものである。
【0007】
この発明におけるNOx 吸蔵材としては、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物である酸化ランタンのいずれかを単独で使用することができ、あるいはいずれか複数を組み合わせて使用することができる。貴金属としては、白金(Pt )、パラジウム、ロジウムを使用することができ、特に白金は、触媒活性および安定性や耐久性の点で好ましい。また、アルカリ金属酸化物のうち酸化カリウムは、NOx の吸蔵性能が優れている。さらに、アルカリ土類金属酸化物のうち酸化バリウムは、NOx 吸蔵性能に優れるうえに、安定性のあるいは耐久性が良好であり、さらには相対的に低コストである。そして、酸化ランタンは、安定性の点で優れ、車両用の排ガス浄化触媒として好適である。
【0008】
また一方、これらのNOx 吸蔵材粒子を担持する担体としては、従来知られている担体を使用することができ、例えば多孔構造のアルミナが最も一般的であるが、これに限られない。
【0009】
上記のNOx 吸蔵材は、粒子の形で担体に担持される。その粒子は可及的に微細であることが好ましく、例えば外径が20〜30nm程度であることが好ましい。またその形状は、球状もしくは針状とされる。NOx 吸蔵材の粒子が針状をなす場合には、その長さは、200nmないし400nmとすることができる。このような微細な形状とするのは、NOx 吸蔵材粒子の全体としての表面積を可及的に大きくしてNOx 吸蔵材の使用量を低減させるためである。
【0010】
さらにNOx 吸蔵材粒子の単位重量あたりの表面積すなわち比表面積は、30m2/g以上である。比表面積がこのように広大な構造は、NOx 吸蔵材粒子を可及的に微細なものとすることにより達成することができ、後述するようにいわゆるマイクロエマルジョン法によって作成することができる。この発明の排ガス浄化触媒では、NOx 吸蔵材粒子の比表面積が上記のように広大であるから、NOx の吸蔵量が従来に増して多くなり、特にNOx の吸蔵と還元を伴う放出とを繰り返す場合の吸蔵量が多くなり、排ガスの浄化能力が向上する。
【0011】
上記の排ガス浄化触媒を製造する方法を挙げると、上記のいずれかのNOx 吸蔵材を含む水溶液を界面活性剤と共に分散媒中に分散させてW/Oマイクロエマルジョンを作成する工程と、そのW/Oマイクロエマルジョン中で前記NOx 吸蔵材の沈殿物を作成する工程と、そのNOx 吸蔵材の沈殿物を前記担体の原料と混合して焼成することによりNOx 吸蔵材を担体に担持させる工程とを備えている方法であってよい。
【0012】
上記の方法では、NOx 吸蔵材は、水酸化物や酢酸塩などの水溶液として用いられる。その水溶液と界面活性剤とが混合され、これが有機溶媒などの分散媒と混合されて分散させられる。したがって分散媒中に界面活性剤で囲われたウォータプールが多数生成され、ウォータ・イン・オイル(W/O)マイクロエマルジョンが形成される。その分散媒としては、ベンゼンやシクロヘキサンなどの溶媒を使用することができる。また界面活性剤は、イオン性のものと非イオン性のものとのいずれも使用することができ、前者の例は、1,2ビス(2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウムであり、また後者の例はポリエチレングリコールラウリルエーテルであるが、これらに限定されない。
【0013】
そのマイクロエマルジョン中の各ウォータプールにおいてNOx 吸蔵材の沈殿を生じさせる。すなわちNOx 吸蔵材を含む固形物を生成させる。これは、一例として、ウォータプール中のNOx 吸蔵材を炭酸化することにより達成される。これは、所定の炭酸塩水溶液を上記のマイクロエマルジョンと混合して撹拌することによって実施することができ、また、二酸化炭素ガスを上記のマイクロエマルジョン中にバブリングすることによって実施することができる。
【0014】
こうして得られたNOx 吸蔵材を含む固形物を、担体原料と混合して焼成することにより、NOx 吸蔵機能を有する微粒子が担体に担持され、貴金属を担持後、排ガス浄化触媒となる。その担持および焼成の方法は公知の方法でよい。すなわちNOx 吸蔵材の固形物と担体原料とを混合し、これを乾燥し、また所定の温度および雰囲気中で焼成することにより、担体の表面にNOx 吸蔵材粒子が分散させて付着される。
【0015】
こうして得られた排ガス浄化触媒のNOx 吸蔵材の粒子は、球状もしくは針状の形状をなし、その比表面積が30m2/g以上となり、NOx の吸蔵性に優れ、ひいては排ガスの浄化能力の高い触媒とすることができる。
【0016】
つぎに実施例および参考例ならびに比較例を示す。
【実施例1】
NOx 吸蔵材を含む水溶液として3.74wt%(重量%。以下同じ)の水酸化バリウム(Ba(OH)2)水溶液を152.73g、用意する。この水溶液には0.033mol のバリウムが含まれる。この水溶液と共に、イオン性界面活性剤である1,2ビス(2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム((C20O4H37)SO3・Na)768gを、溶媒としての有機溶剤であるベンゼン(512g)に混合し、20分間撹拌した。このようにして得られた混合液は、図1(A)に模式的に示すように、界面活性剤によって取り囲まれたウォータプール中に水酸化バリウムが溶解した微細なミセルが多数分散しているW/Oマイクロエマルジョンを形成している。この混合液中に、ガラスフィルターを通して二酸化炭素ガスを吹き込んで充分にバブリングをおこない、バリウムが炭酸化されて白濁するのを確認した。すなわち各ミセル中でバリウムが炭酸化されて炭酸バリウム(BaCO3)の沈殿を生じた。その状態を図1(B)に模式的に示してある。
この白濁溶液をロータリーエバポレータにかけてベンゼンと蒸留水とを除去して濃縮し、白色固体を得た。その状態を図1(C)に模式的に示してある。この白色固体を洗浄のためにエタノール中に溶かして濾過する操作を、2回繰り返した。
この白色固体を用いてPt(2g)/Ba(0.2mol )/Al(120g)の触媒ペレットを作成した。前記の白色固体を溶かしたエタノール溶液にγ−アルミナ粉末20gを混ぜて撹拌した。この溶液をロータリーエバポレータにかけてエタノールを除去することにより濃縮し、ついで120℃で3時間乾燥し、さらに空気中、550℃で2時間焼成した。こうして得られた粉末を、炭酸水素アンモニウム4.74gを水300mlに溶解して均一にした溶液に混ぜ、20分間撹拌した後、吸引濾過した。その濾別した固形分を120℃で3時間乾燥し、さらに300mlの蒸留水に混ぜて撹拌した。その溶液に4.604wt%の白金ジニトロジアミン錯体10.86g(0.5gのPtを含む)を混合して20分間撹拌した後に吸引濾過した。ついで、その固形分を120℃で3時間乾燥し、さらに450℃で2時間焼成した。そしてこれをペレット化した。
【0017】
こうして得られた触媒用ペレットにおけるNOx 吸蔵材粒子をTEM観察してその形状と寸法を測定した。また、その粒子の平均寸法を求めるとともに、その値に基づいて比表面積を算出した。その結果を表1に示す。さらに、NOx を800ppm含む排ガス試料を上記のペレットに接触させ、NOx の飽和吸蔵量を各温度ごとに測定した。また、リッチスパイク(RS)吸蔵量を各温度ごとに測定した。このリッチスパイク吸蔵量は、NOx を飽和状態まで吸蔵させた触媒に、還元ガスの濃度が高いガスを接触させ、それに伴って触媒から還元されて放出される窒素の量である。その測定結果を図2および図3に示す。
【0018】
【実施例2】
NOx 吸蔵材を含む水溶液として19.75wt%の酢酸バリウム(Ba(CH3COO)2)水溶液を43.11g、用意する。この水溶液には0.033mol のバリウムが含まれる。この水溶液と共に、イオン性界面活性剤である1,2ビス(2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム((C20O4H37)SO3・Na)186.79gを、有機溶剤であるベンゼン(124.53g)に混合し、20分間撹拌した。このようにして得られた混合液は、界面活性剤によって取り囲まれたウォータプール中に酢酸バリウムが溶解した微細なミセルが多数分散しているW/Oマイクロエマルジョンを形成している。これとは別に、ベンゼン387.29gに1,2ビス(2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム580.90gを混ぜて撹拌し、さらに5.11wt%の炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)水溶液113.39g(0.037mol のCO3 2−を含む)を加え、20分間撹拌した。これら2つの溶液を混合、撹拌してバリウムが炭酸化して白濁するのを確認した。すなわち各ミセル中でバリウムが炭酸化されて炭酸バリウム(BaCO3)の沈殿を生じた。
この白濁溶液をロータリーエバポレータにかけてベンゼンと蒸留水とを除去して濃縮し、白色固体を得た。この白色固体を洗浄のためにエタノール中に溶かして濾過する操作を、2回繰り返した。なお、この固形分を使用した触媒用ペレットは、上記の実施例1と同様にして作成した。またその形状、寸法、比表面積、飽和吸蔵量、リッチスパイク(RS)吸蔵量を実施例1と同様にして観測、測定した。その結果を表1および図2ならびに図3に示してある。
【0019】
【実施例3】
NOx 吸蔵材を含む水溶液として3.74wt%の水酸化バリウム(Ba(OH)2)水溶液を152.73g、用意する。この水溶液には0.033mol のバリウムが含まれる。この水溶液と共に、非イオン性界面活性剤であるポリエチレングリコールラウリルエーテル(C 12 H 25 [OCH 2 CH 2 ] 9 OH)594.47gを、分散媒として有機溶剤であるシクロヘキサン5350.20gに混合し、20分間撹拌した。このようにして得られた混合液は、図1(A)に模式的に示すように、界面活性剤によって取り囲まれたウォータプール中に水酸化バリウムが溶解した微細なミセルが多数分散しているW/Oマイクロエマルジョンを形成している。この混合液中に、ガラスフィルターを通して二酸化炭素ガスを吹き込んで充分にバブリングをおこない、バリウムが炭酸化されて白濁するのを確認した。すなわち各ミセル中でバリウムが炭酸化されて炭酸バリウム(BaCO3)の沈殿を生じた。その状態を図1(B)に模式的に示してある。
この白濁溶液をロータリーエバポレータにかけてシクロヘキサンと蒸留水とを除去して濃縮し、白色固体を得た。その状態を図1(C)に模式的に示してある。この白色固体を洗浄のためにエタノール中に溶かして濾過する操作を、2回繰り返した。なお、この固形分を使用した触媒用ペレットは、上記の実施例1と同様にして作成した。またその形状、寸法、比表面積、飽和吸蔵量、リッチスパイク(RS)吸蔵量を実施例1と同様にして観測、測定した。その結果を表1および図2ならびに図3に示してある。
【0020】
【実施例4】
NOx 吸蔵材を含む水溶液として0.99wt%の水酸化ストロンチウム(Sr(OH)2)水溶液を409.54g、用意する。この水溶液には0.033mol のストロンチウムが含まれる。この水溶液と共に、イオン性界面活性剤である1,2ビス(2エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム、2139gを、有機溶剤であるベンゼン、1426gに混合し、20分間撹拌した。このようにして得られた混合液は、図1(A)に模式的に示すように、界面活性剤によって取り囲まれたウォータプール中に水酸化ストロンチウムが溶解した微細なミセルが多数分散しているW/Oマイクロエマルジョンを形成している。この混合液中に、ガラスフィルターを通して二酸化炭素ガスを吹き込んで充分にバブリングをおこない、ストロンチウムが炭酸化されて白濁するのを確認した。すなわち各ミセル中でストロンチウムが炭酸化されて炭酸ストロンチウム(SrCO3)の沈殿を生じた。その状態を図1(B)に模式的に示してある。
この白濁溶液をロータリーエバポレータにかけてベンゼンと蒸留水とを除去して濃縮し、白色固体を得た。その状態を図1(C)に模式的に示してある。この白色固体を洗浄のためにエタノール中に溶かして濾過する操作を、2回繰り返した。なお、この固形分を使用した触媒用ペレットは、上記の実施例1と同様にして作成した。またその形状、寸法、比表面積、飽和吸蔵量、リッチスパイク(RS)吸蔵量を実施例1と同様にして観測、測定した。その結果を表1および図2ならびに図3に示してある。
【0021】
【参考例】
NOx 吸蔵材を含む水溶液として12.73wt%の酢酸バリウム(Ba(CH3COO)2)水溶液を66.85g、用意する。この水溶液には0.033mol のバリウムが含まれる。この水溶液と共に、非イオン性界面活性剤であるポリエチレングリコールラウリルエーテル235.84gを、有機溶剤であるシクロヘキサン2124.20gに混合し、20分間撹拌した。これとは別に、シクロヘキサン3226.51gにポリエチレングリコールラウリルエーテル358.50gを混ぜて撹拌し、さらに3.17wt%の炭酸水素アンモニウム(NH4HCO3)溶液91.57g(0.037mol のCO3 2−を含む)を加え、20分間撹拌した。これら2つの溶液を混合、撹拌してバリウムが炭酸化して白濁するのを確認した。すなわち各ミセル中でバリウムが炭酸化されて炭酸バリウム(BaCO3)の沈殿を生じた。
この白濁溶液をロータリーエバポレータにかけてシクロヘキサンと蒸留水とを除去して濃縮し、白色固体を得た。この白色固体を洗浄のためにエタノール中に溶かして濾過する操作を、2回繰り返した。なお、この固形分を使用した触媒用ペレットは、上記の実施例1と同様にして作成した。またその形状、寸法、比表面積、飽和吸蔵量、リッチスパイク(RS)吸蔵量を実施例1と同様にして観測、測定した。その結果を表1および図2ならびに図3に示してある。
【0022】
【比較例1】
蒸留水300gにγ−アルミナ粉末を20g混ぜて撹拌した。これに6.85wt%の酢酸バリウム水溶液100g(0.033mol のバリウムを含む)を加え、撹拌した。この溶液から水を除去して濃縮し、120℃で3時間乾燥した後、空気中、550℃で2時間、焼成した。こうして得られた粉末を、炭酸水素アンモニウム4.74gに水300mlを加えて溶解し均一にした溶液に混ぜて20分間撹拌し、その後、吸引濾過した。その固形分を120℃で3時間乾燥後、300mlの蒸留水に混ぜて撹拌した。この溶液に4.604wt%の白金ジニトロジアミン錯体10.86g(0.5gの白金を含む)を混合し、20分間撹拌し、さらに吸引濾過した。こうして得られた固形分を120℃で3時間乾燥後、450℃で2時間焼成し、これをペレット化した。すなわち、酢酸バリウムをアルミナの表面に付着させ、これを焼成して酸化バリウムとしてアルミナに担持させた。その形状、寸法、比表面積、飽和吸蔵量、リッチスパイク(RS)吸蔵量を実施例1と同様にして観測、測定した。その結果を表1および図2ならびに図3に示してある。
【0023】
【比較例2】
蒸留水300gにγ−アルミナ粉末を20g混ぜて撹拌した。これに6.86wt%の酢酸ストロンチウム水溶液100g(0.033mol のストロンチウムを含む)を加え、撹拌した。この溶液から水を除去して濃縮し、120℃で3時間乾燥した後、空気中、550℃で2時間、焼成した。こうして得られた粉末を、炭酸水素アンモニウム4.74gに水300mlを加えて溶解し均一にした溶液に混ぜて20分間撹拌し、その後、吸引濾過した。その固形分を120℃で3時間乾燥後、300mlの蒸留水に混ぜて撹拌した。この溶液に4.604wt%の白金ジニトロジアミン錯体10.86g(0.5gの白金を含む)を混合し、20分間撹拌し、さらに吸引濾過した。こうして得られた固形分を120℃で3時間乾燥後、450℃で2時間焼成し、これをペレット化した。すなわち、酢酸ストロンチウムをアルミナの表面に付着させ、これを焼成して酸化ストロンチウムとしてアルミナに担持させた。その形状、寸法、比表面積、飽和吸蔵量、リッチスパイク(RS)吸蔵量を実施例1と同様にして観測、測定した。その結果を表1および図2ならびに図3に示してある。
【0024】
【比較例3】
蒸留水300gにγ−アルミナ粉末を20g混ぜて撹拌した。これに10.83wt%の硝酸ランタン水溶液100g(0.033mol のランタンを含む)を加え、撹拌した。この溶液から水を除去して濃縮し、120℃で3時間乾燥した後、空気中、550℃で2時間、焼成した。こうして得られた粉末を、炭酸水素アンモニウム4.74gに水300mlを加えて溶解し均一にした溶液に混ぜて20分間撹拌し、その後、吸引濾過した。その固形分を120℃で3時間乾燥後、300mlの蒸留水に混ぜて撹拌した。この溶液に4.604wt%の白金ジニトロジアミン錯体10.86g(0.5gの白金を含む)を混合し、20分間撹拌し、さらに吸引濾過した。こうして得られた固形分を120℃で3時間乾燥後、450℃で2時間焼成し、これをペレット化した。すなわち、硝酸ランタンをアルミナの表面に付着させ、これを焼成して酸化ランタンとしてアルミナに担持させた。その形状、寸法、比表面積、飽和吸蔵量、リッチスパイク(RS)吸蔵量を実施例1と同様にして観測、測定した。その結果を表1および図2ならびに図3に示してある。
【0025】
【表1】
【0026】
なお、この発明の実施例で得られたNOx 吸蔵材粒子の形状をTEM観察して描いた形状を図4(A)(B)に示してある。
【0027】
表1に示すように、界面活性剤としてイオン性のものを使用することにより、球状の粒子を生成することができ、これに対して非イオン性の界面活性剤を使用すると針状の粒子が生成される。また、比較例のようにNOx 吸蔵材を含む溶液をアルミナに付着させて焼成した場合には、すなわちマイクロエマルジョン法を採用しない場合には、NOx 吸蔵材が定まった粒子形状を呈することがなく、膜状に広がった形状となっていた。一方、NOx 吸蔵材を炭酸化するための方法として、二酸化炭素のバブリングをおこなうことにより、炭酸水素アンモニウム含有W/Oマイクロエマルジョンを混合する方法よりも微細な粒子を得ることができた。
【0028】
つぎにNOx の吸蔵量について検討すると、この発明の実施例のように、NOx 吸蔵材粒子が微細化されてその比表面積が30m2/g以上、特に40m2/g以上であれば、図2に示す測定結果から知られるように、参考例や比較例に示す触媒よりもNOx の飽和吸蔵量が明らかに優れている。また、RS吸蔵量すなわち還元性能についても図3に示す測定結果から知られるように、比表面積が30m2/g以上のこの発明による触媒によれば、参考例や比較例に示す触媒に対して明らかに優れている。したがってこの発明では、NOx 吸蔵材の比表面積を30m2/g以上とした。また上述したこの発明の方法によれば、比表面積が30m2/g以上となる微細なNOx 吸蔵材粒子を担持した排ガス触媒を好適に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の方法でマイクロエマルジョンを形成しているミセルおよびその内部での沈殿の生成ならびに濃縮の過程を模式的に示す図である。
【図2】 実施例および参考例ならびに比較例についての飽和吸蔵量の測定結果を示す図である。
【図3】 実施例および参考例ならびに比較例についてのリッチスパイク吸蔵量の測定結果を示す図である。
【図4】 この発明のNOx 吸蔵材の粒子形状をTEMで目視観察して描いた模式図である。
Claims (1)
- NOx 吸蔵材粒子と貴金属とを担体に担持させ、空燃比が大きくて還元ガスと反応しきれないNOxをNOx吸蔵材に吸蔵させ、還元ガス濃度が高いガスを接触させて吸蔵したNOxを還元浄化する排ガス浄化触媒において、
前記NOx 吸蔵材粒子は、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、希土類金属酸化物である酸化ランタンのいずれか一種もしくは二種以上により、球状もしくは針状で、かつその比表面積が30m2/g以上に形成され、該NOx吸蔵材粒子が前記担体に担持されていることを特徴とする排ガス浄化触媒。
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