JP4121290B2 - ポンプ及び食器洗い機 - Google Patents

ポンプ及び食器洗い機 Download PDF

Info

Publication number
JP4121290B2
JP4121290B2 JP2002066046A JP2002066046A JP4121290B2 JP 4121290 B2 JP4121290 B2 JP 4121290B2 JP 2002066046 A JP2002066046 A JP 2002066046A JP 2002066046 A JP2002066046 A JP 2002066046A JP 4121290 B2 JP4121290 B2 JP 4121290B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump
rotation
pump chamber
impeller
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002066046A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003269388A (ja
Inventor
幸一 貞包
浩一 岸本
基 澤▲崎▼
Original Assignee
日本電産シバウラ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 日本電産シバウラ株式会社 filed Critical 日本電産シバウラ株式会社
Priority to JP2002066046A priority Critical patent/JP4121290B2/ja
Publication of JP2003269388A publication Critical patent/JP2003269388A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4121290B2 publication Critical patent/JP4121290B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Washing And Drying Of Tableware (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、羽根車の正転又は逆転に応じて吸水口及び吐出口を選択し流体を吸水、吐出するポンプ、及びそのポンプを用いた洗浄水を装置内に循環し、汚水を排水する食器洗い機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、食器洗い機に使用されるポンプは、洗浄水を装置内に循環させ食器類の洗浄やすすぎ洗いをする機能と、洗浄後の汚水を外部に排水する機能を満たすために、1台のポンプに2種類の羽根車と2カ所の吸水口及び吐出口を設けて、モータの正転又は逆転に応じて2種類の羽根車を使い分け、一方の吸水口から洗浄水または汚水をポンプ内に吸引し、その吸水口に続く一方の吐出口から洗浄水または汚水を吐出するポンプが用いられている。
【0003】
上記従来のポンプの1例を図3のポンプ縦断面図に基づき説明する。
【0004】
図3に示すポンプ100は、外殻118で覆われたモータ部110にモータ111を配し、モータ部110とポンプ部120とがパッキン155を挟み横形に接続されてポンプを構成し、ポンプ部120には2種類の羽根車と、2つのポンプ室と、2種類の羽根車により流体を吸引し吐出する吸水口と吐出口及びその流路をそれぞれのポンプ室に備えている。
【0005】
モータ111は、外殻118の内周に配された固定子112と、その内側に配された回転子113とからなり、回転子113はその回転軸114が外殻118の両側に配設されたベアリング115、116に回転自在に支持され、外殻118の外部に冷却ファン117を備えた交流誘導形モータを構成している。
【0006】
ポンプ部120は、ケーシング(A)151とケーシング(B)152とが仕切壁153を挟み、正転用ポンプ室121と逆転用ポンプ室122を区画して形成し、モータ111の回転軸114に同軸に連結された正転用羽根車122と逆転用羽根車132とが、それぞれ正転用ポンプ室121と逆転用ポンプ室131内に設けられ、また正転用ポンプ室121には正転用吸水口123と正転用吐出口124が、逆転用ポンプ室131には逆転用吸水口133と逆転用吐出口134が設けられている。
【0007】
上記従来のポンプ100では、モータ111の正転時には、正転用羽根車122の吸引作用により正転用吸水口123から吸引された流体が、流路125を通り正転用ポンプ室121に流入されてポンプ室121内に旋回流を発生し、正転用吐出口124からポンプ100外に吐出される。
【0008】
一方、モータ111の逆転時には、逆転用羽根車132の吸引作用により逆転用吸水口133から吸引された流体は逆転用ポンプ室132に流入され、ポンプ室内の水はその粘性により羽根車132が通過したあとに渦を発生し、逆転用吐出口134からポンプ外に吐出される。
【0009】
この正転時及び逆転時には、2種類の羽根車122、132が同時に回転するが、回転方向によって一方の羽根車にのみ吸引、吐出作用が発生し、また、2つのポンプ室は仕切壁153により区画されているのでポンプ室間に流体が混入することがなく、一方の羽根車のみによる吐水運転が行われる。
【0010】
上記のようなモータ部110とポンプ部120とが横型に接続されたポンプ構造を有する従来のポンプ100は、食器洗い機内に横形に設置され、食器類の洗浄時には正転用羽根車122が機能し洗浄水を循環し、排水時には逆転用羽根車132が機能して汚水を装置外に排出するのが一般的である。
【0011】
ポンプ100を用いた従来の食器洗い機では、逆転用吸水口133が逆転用ポンプ室131の底部に位置していないために、排水運転時にポンプ室131に流入する水が徐々に少なくなると空気がポンプ室131内に混入し、所謂「エア噛み」を発生して騒音の原因となっている。
【0012】
さらに、洗浄後汚水の排水が不充分となり、食器洗い機内に残水が多く残り、衛生的に好ましくなく、かつ悪臭発生の問題となっている。
【0013】
また、上記構造のポンプ100では、逆転用ポンプ室131に設けられる吸水口133と吐出口134によって、逆転用羽根車132の羽根径が制限され、排水時の羽根車回転を高回転にする必要があり、騒音の発生をさらに大きくしている。
【0014】
また、交流誘導形モータ111を横形に設けたモータ部110がスペースをとってポンプを大形化し、またポンプ周りの配管にもスペースをとり食器洗い機がコンパクト性に欠け、またポンプ部120からの水漏れによる漏電や感電の畏れの問題もある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題点を解決するものであり、ポンプ構造を改善することで騒音を低減し、かつポンプの吐水性を向上し、特に排水時の排水性と騒音発生の改善を図り、また小形、軽量化を実現する食器洗い機に適したポンプ、及びそのポンプを用いた洗浄性能、排水性に優れた低騒音かつ衛生的な食器洗い機の提供を目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、モータ部と、吐出口と2カ所の吸水口とを有するポンプ部とを含み、前記モータ部では、固定子の内周に回転子が回転自在に配され、前記ポンプ部では、前記回転子の回転軸に連結した正転用羽根と逆転用羽根とを有する羽根車が設けられ、前記ポンプ部は、仕切壁により仕切られた正転用ポンプ室と逆転用ポンプ室を有し、前記正転用羽根車は、前記正転用ポンプ室に配され、前記逆転用羽根車は、前記逆転用ポンプ室に配され、前記正転用ポンプ室は、前記回転軸線上に正転用吸水口を有し、前記逆転用ポンプ室は、逆転用吸水口を有し、また、前記仕切壁は、前記正転用ポンプ室へ流体が流入するための正転用ポンプ室開口部を有し、さらに、前記逆転用羽根車は、その回転軸周辺部に前記正転用吸水口と前記正転用ポンプ室開口部とを連通して流体が流れる通過孔を有し、前記羽根車の正転時は、前記正転用吸水口からの流体を前記通過孔と前記正転用ポンプ室開口部から前記正転用ポンプ室に吸入して吐出口に送り、前記羽根車の逆転時は、逆転用吸水口からの流体を前記逆転用ポンプ室に吸入して吐出口に送ることを特徴とするポンプである。
【0017】
この発明のポンプによれば、モータ部と2カ所の吸水口を設けたポンプ部とにより構成され、ポンプ部の上部に形成された正転用ポンプ室ではポンプ部底部に開口する正転用吸水口からの流体を仕切壁の正転用ポンプ室開口部及びそれに連通する逆転用羽根車に設けられた通過孔から流入して吐出口に送り、逆転用ポンプ室では逆転用吸水口からの流体を吐出口に送るので、ポンプ構造をコンパクトにして小形、軽量化しながら、ポンプの吸水、吐出性を向上しポンプを設置した装置内の残水量を減らし、またポンプ内への空気の混入を防ぎ騒音を低減することができる。また、羽根車の径を従来構造よりも大きく設計できるので、低速回転においてもポンプ性能を維持でき、騒音発生を抑えられる。さらに、モータ部が流路の上方に位置するので、水漏れによる漏電や感電を防止することもできる。
【0018】
請求項2の発明は、前記正転用ポンプ室が正転用吐出口を有し、前記逆転用ポンプ室が逆転用吐出口を有し、前記羽根車の正転時は、前記正転用吸水口からの流体を前記通過孔から前記正転用ポンプ室に吸入して前記正転用吐出口に送り、前記羽根車の逆転時は、前記逆転用吸水口からの流体を前記逆転用ポンプ室に吸入して前記逆転用吐出口に送ることを特徴とする請求項1に記載のポンプである。
【0019】
この発明のポンプでは、羽根車の正転時流路と逆転時流路とがそれぞれ明確に区分され、流水は専用の流路を流れるので2種類の流体が混合することがなくなる。従って、このポンプを用いた食器洗い機では、洗浄水の供給路が汚水の排水路と分けられ、洗浄水の洗浄能力が低下することなく十分に発揮される。
【0020】
請求項3の発明は、前記ポンプ部では、仕切壁により仕切られた前記正転用ポンプ室が上部に配され、前記逆転用ポンプ室が下部に配され、前記逆転用羽根車を前記逆転用ポンプ室に配したことを特徴とする請求項1又は2に記載のポンプである。
【0021】
この発明のポンプでは、逆転用羽根車がポンプ部の下部の逆転用ポンプ室に配されているので、逆転運転時の吸水、吐出性がより向上し、ポンプを設置した装置内の残水量を減らし、またポンプ内への空気の混入を防ぎ騒音を低減することができる。
【0022】
請求項4の発明は、前記正転用吐出口が、ポンプ上方に向けて開口されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポンプである。
【0023】
この発明のポンプでは、羽根車の正転運転時には、ポンプ上方に向かって流体が吐出される。従って、このポンプを用いた食器洗い機では、ポンプの吐出口を食器洗い機のタワーノズルに直接接続することができ、洗浄水の圧力損失を防ぎ、食器類への洗浄水噴射力を高圧に維持できる。
【0024】
請求項5の発明は、前記逆転用羽根の前記通過孔周辺部に、前記正転用吸水口からの流体を前記正転用ポンプ室開口部に導くための略筒状ガイドを前記正転用吸水口の開口部に向け設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポンプである。
【0025】
この発明のポンプでは、正転用吸水口からの流体を逆転用羽根車の通過孔及び仕切壁に設けられた正転用ポンプ室開口部を経由して無駄なく正転用ポンプ室に流入させることができる。
【0026】
請求項6の発明は、前記仕切壁が前記回転軸周辺部とその外周部に段差を有する段付構造であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポンプである。
【0027】
この発明のポンプでは、仕切壁に設けられた段差により、上下のポンプ室に配された2種類の羽根車が、同時回転により生じる互いの干渉を避けて、それぞれの吐水性能を確保することができる。また、逆転用流路の流路を充分に確保することができる。
【0028】
請求項7の発明は、前記正転用羽根の上部と前記正転用ポンプ室との間の空間部に、空気溜まりを防止する充填部を設けたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポンプである。
【0029】
この発明のポンプでは、正転用ポンプ室内の空気溜まり部を無くし、かつポンプ室の流体の流れをスムーズにしてポンプ性能を向上することができる。
【0030】
請求項8の発明は、前記モータ部が、ブラシレス直流モータを構成することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポンプである。
【0031】
この発明のポンプでは、ブラシレス直流モータによりポンプが駆動制御されるので、ポンプの回転速度や回転方向の制御が容易となり、低速運転による騒音低減に効果があり、またモータ部がコンパクト化されポンプの小形化を図れる。さらに、モータ部をモールド成形し、耐水性や絶縁性を向上することもできる。
【0032】
請求項9の発明は、前記正転用羽根がヒューガル形であり、前記逆転用羽根がウエスコ形であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポンプである。
【0033】
この発明のポンプでは、ヒューガル形羽根が効率よくポンプ室内に旋回流を発生し、またウエスコ形羽根が渦流を生じて流体を吐出口に送るので、ポンプの吐水性を向上すると共に羽根車をコンパクト化することができる。
【0034】
請求項10の発明は、前記正転用羽根がセミオープン型であることを特徴とする請求項9に記載のポンプである。
【0035】
この発明のポンプでは、正転用羽根車をよりコンパクトな構造として、ポンプ室内に効率よく旋回流を発生し、ポンプの吐水性能を維持することができる。
【0036】
請求項11の発明は、洗浄水を洗浄槽に供給し、洗浄後の汚水を排水口に送るポンプを内蔵した食器洗い機において、前記ポンプが請求項1〜10のいずれか1項に記載のポンプであることを特徴とする食器洗い機である。
【0037】
この発明の食器洗い機によれば、ポンプの正転時には洗浄水を洗浄槽に供給して食器類を効果的に洗浄し、また逆転時には洗浄後の汚水を効率よく排水することができるので、騒音の発生を低減し、かつ衛生的であるコンパクトな食器洗い機を得ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、図面に基づき説明する。
【0039】
(第1の実施形態)
図1は実施形態のポンプ1の縦断面図である。
【0040】
ポンプ1は、モータ部10と、ポンプ底部に2カ所の吸水口25、35と吐出口26、36を有するポンプ部20とが立形一体に構成されている。すなわち、ポンプ部20の上部にモータ部10が配されている。
【0041】
モータ部10では、リング状に配された固定子鉄心12とそれに巻回されたコイル13とからなる固定子11が設けられ、モータを駆動制御する回路基板14が固定子12の下方に配され、全体がモールド樹脂15によりモールドされている。
【0042】
また、固定子11の内周に沿う磁性体17を有する回転子16が、モータ部10の上下外殻54、56に配設されたベアリング19a、19bに回転軸18を介して支持され、モータ部10の中心に回転自在に配されている。
【0043】
従って、モータ部10はブラシレス直流モータを構成するようになっている。
【0044】
ポンプ部20は、ケーシング(A)51とケーシング(B)52により形成され、ポンプ部20は仕切壁40により上下に仕切られ、正転用ポンプ室21と逆転用ポンプ室31とを区画形成し、前記モータ部10の下側にケーシング(A)51に配設されたオイルシール57により回転軸18部分の防水性を確保して立形に締結され、ポンプ1を構成している。
【0045】
ポンプ部20では、回転子16の回転軸18に連結されたヒューガル形羽根23を有する正転用羽根車22が正転用ポンプ室21に配され、また仕切壁40を挟み回転軸18に同軸に連結されたウエスコ形羽根33を有する逆転用羽根車32が逆転用ポンプ室31に配されいる。
【0046】
この正転用羽根車22は、回転軸18に接続された羽根車基部24の下側にヒューガル形羽根23を設けたセミオープン型に形成されている。
【0047】
正転用ポンプ室21は回転軸18線上のポンプ部20底部に下向きに開口する正転用吸水口25を有し、仕切壁40に設けられた流水の通過孔41と逆転用羽根車32に設けられた流水の通過孔34を通じて吸水口25から正転用ポンプ室21へ連通する流路45を形成している。
【0048】
また、逆転用羽根車32の通過孔34を中心とする周辺部には、正転用吸水口25からの流体を通過孔34及び仕切壁40の正転用ポンプ室開口部41に導くための筒状ガイド38が正転用吸水口25の開口部に向けて設けられ、正転用吸水口25から吸引した流体が逆転用ポンプ室31に流れ込むのを防ぎ、通過孔34及び正転用ポンプ室開口部41を経て流路45を通り無駄なく正転用ポンプ室21に流入される。
【0049】
また、正転用ポンプ室21には、正転用羽根車22とポンプ室21の上壁面との間に生じる空間部に、空気溜まりを防止するための充填部53が設けられている。
【0050】
また、仕切壁40は、回転軸18周辺部とその外周部に段差42を有する段付構造である。
【0051】
そして、正転用吐出口26が、正転用ポンプ室21からの吐出孔27に続く吐出管28の先端にポンプ上方に向けて開口され、正転用ポンプ室21の吐出孔27からほぼ90度曲がって吐出口26に向かう流路46を形成している。
【0052】
逆転用ポンプ室31はポンプ部20の底部に下向きに開口する逆転用吸水口35を有し、吸水口35からの流体を逆転用羽根車32の送水作用により、逆転用ポンプ室31の吐出孔37を経て逆転用吐出口36に送る流路47を形成している。
【0053】
上記構成のポンプ1では、ブラシレス直流モータからなるモータ部10と2カ所の吸水口25、35をポンプ部20の底部に設けられたポンプ部20とが立形に構成され、ポンプ部20の上側に形成された正転用ポンプ室21では正転用吸水口25からの流体を逆転用羽根車32に設けた通過孔34及びそれに連通する仕切壁40の正転用ポンプ室開口部41を経て流入し、セミオープン型のヒューガル形羽根23の遠心作用により正転用吐出口26に送り、逆転用ポンプ室31では逆転用吸水口35からの流体をウエスコ形羽根33の送水作用により逆転用吐出口36に送るので、羽根車がコンパクトになりポンプ部20の占める容積が縮小され、また従来の横形に接続されたモータが不要となって、ポンプ構造をコンパクトにして小形、軽量化することができる。
【0054】
また、2カ所の吸水口25、35がポンプ1底部に位置して下向きに開口しているので、ポンプ1の吸水性が向上し、ポンプ1内への空気の混入を防ぎ騒音を低減し、かつこのポンプ1を用いた装置内の残水量を減らすことができる。また羽根車の径、特に逆転用羽根車22の径を従来構造よりも大きく設計できるので、低速回転においてもポンプ性能を維持でき、騒音発生を抑えられる。
【0055】
さらに、正転用ポンプ室21の空間部の充填部53は、ポンプ室21内に空気溜まりを無くし、かつ流体の流れをスムーズにしている。
【0056】
また、段付構造を有する仕切壁40は、段差42により上下のポンプ室に配され同時に回転する2枚の羽根車の互いの干渉を避けて、それぞれのポンプ性能を発揮することができ、また、逆転用流路を充分に確保し渦流を効果的に発生することができる。
【0057】
そして、正転用吐出口26がポンプ上方に向けて開口されているので、正転運転時にはポンプ1の上方に向かって流体が吐出され、吐出口26を食器洗い機のタワーノズルなどに直接接続することができ、洗浄水の圧力損失を防ぎ、食器類への洗浄水噴射力を維持できる。もちろん、食器洗い機の構造やポンプの用途により吐出口の方向を変更することはできる。
【0058】
また、ポンプ1では、ブラシレス直流モータによりポンプ1が駆動制御されるので、ポンプ1の回転速度や回転方向の制御が容易となり、低速運転による騒音低減にも効果があり、またモータ部がコンパクト化されポンプの小形化を図れ、さらに、モータ部10をモールド成形し、耐水性や絶縁性を向上し、ポンプの長寿命化を図ることもできる。また、モータ部10がポンプ部20の上方に位置するので、流路からの水漏れによる漏電や感電を防止することもできる。
【0059】
ポンプ1は、モータ部10への通電により回転磁気が発生し、回転子20が駆動し、回転軸18に連結された羽根車の回転により、その回転方向に応じて吸水口を選択して流体を吸引し吐水運転を行う。
【0060】
回転子16の正転時は正転用羽根車22が働き、正転用吸水口25から吸引された流体が逆転用羽根車32の通過孔34及び仕切壁40の正転用ポンプ室開口部41を通過して正転用ポンプ室に流入し、ヒューガル形羽根23の遠心作用によりポンプ室21内に旋回流を発生し、吐出孔27からポンプ室21外に吐出され流路46を流れて吐出口26から吐出される。
【0061】
この正転時には、吸水口25から吸引された流体は、正転用羽根車23の吸引作用により流路45を流れるので、その水勢により逆転用ポンプ室31にはほとんど流れ込むことがない。
【0062】
また、逆転用羽根車32のウエスコ形羽根33も同時に回転するが、逆転ポンプ室31への吸引作用が弱いため流れ込む流量は少なく、ウエスコ形羽根33による渦は発生されず、正転用羽根車22の吐水作用のみが働く。
【0063】
回転子16の逆転時は逆転用羽根車32が働き、逆転用吸水口35からの流体を逆転用ポンプ室31に吸引し、ポンプ室31内にウエスコ形羽根33の通過した後に流体の渦を発生して吐出孔37からポンプ室31外に吐出し、吐出口36から流体を吐出する。
【0064】
この逆転時には、吸水口35から吸引された流体は、逆転用羽根車32外周部に設けられたウエスコ形羽根33により発生した渦に従いポンプ室31の外周部を主に流れるので、流体がポンプ室31の中央部に設けられている仕切壁の正転用ポンプ室開口部41から正転用ポンプ室21に流れ込むことはない。
【0065】
また、この逆転時にも上記と同様に正転用羽根車22も回転するが、正転用のヒューガル形羽根23は吸引、遠心作用を発生しないため、正転用吸水口25からの流体の流入は起こらない。
【0066】
従ってポンプ1では、羽根車の正転時流路と逆転時流路とがそれぞれ区分されているので、正転時及び逆転時に流水は専用の流路を流れるので2種類の流体が混合することなく吐出口に送られる。従って、このポンプを用いた食器洗い機では、洗浄水の供給路が汚水路と明確に分けられ、洗浄水の洗浄能力が低下せず十分に発揮される。
【0067】
また、上記正転時、逆転時共に、ポンプの吸水口はポンプ底部に位置して下向きに開口されているので吸水性が向上し、流体の残水量を減らして効率よく流体を吸引して吐出口に送りるので、ポンプ1内への空気の侵入を防ぎ、流体と空気の混合による、所謂「エア噛み」の発生を防止でき、ポンプの騒音を大幅に低減することができる。
【0068】
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態である食器洗い機2の構造を説明する概略図である。
【0069】
食器洗い機2は、食器類を洗浄する洗浄水を洗浄槽に供給し、洗浄後の汚水を排水口に送るポンプとして、上記ポンプ1を内蔵した食器洗い機である。
【0070】
図に示すように、食器洗い機2は、前面に洗浄物である食器類63を出し入れするための開閉自在のドア60を備えた密閉可能な洗浄槽61と、洗浄槽61内のテーブル62上に設置される食器類63をセットするラック64と、装置の底部に配された洗浄水65及び洗浄後の汚水66を回収して溜める水槽67と、洗浄槽61の下側中央部に設けられた洗浄水65の噴射孔69を複数備えた回転式タワーノズル68と、洗浄水65をタワーノズル68に供給しかつ洗浄後の汚水66を機外に排出するポンプ1、さらに洗浄後の食器類63を乾燥する乾燥用温風ファン71、その温風を機外に排出する排気ダクト72と、洗い、すすぎ、乾燥の各洗浄工程及びポンプ1の運転など食器洗い機2全体を制御するためのマイクロコンピュータを中心とする制御回路73が食器洗い機2の本体内に内蔵され、装置の外側前面には食器洗い機3の自動運転による洗浄コースや手動運転を選択するスイッチ、表示ランプ類を備えた操作パネル74が設けられている。
【0071】
ポンプ1は水槽67の上部に設置され、正転用吸水口25及び逆転用吸水口35が水槽67の底部付近まで延長され、また上方に開口する正転用吐出口36はタワーノズル68への供給管77に接続され、逆転用吐出口36は洗浄後の汚水を排水する排水管76に接続されている。また、洗浄水65を水槽67に供給する水道水あるいは給湯器などからの給水管75が水槽67に配されている。 上記構成による食器洗い機2は、食器類63を収納したラック64をテーブル62上の所定位置に配置した後、食器用洗剤が投入された水槽67に所定量の洗浄水65が給水管75から供給され溜められた後、ポンプ1の運転を開始する。
【0072】
ポンプ1の正転運転により、吸水口25から吸引された洗浄水65は、ポンプ1の吐出作用により加圧水となって吐出口36から吐出されて供給管77内を圧送され、回転可能なタワーノズル68に設けられた複数の噴射孔69から食器類63にランダムに噴射されて食器類63を洗浄するものである。
【0073】
続いて、すすぎ工程は前記洗浄工程と同様の動作であり、洗浄水として水道水を使用するもので、ポンプ1の正転運転により水槽67に溜められた水道水をポンプ1に吸引してタワーノズル68の噴射孔69から食器類63にすすぎ水を噴射し、前記洗浄工程において食器類63に付着した洗剤や食品の残渣を洗い流した後、ポンプ1の逆転運転により水槽67に回収されたすすぎ終了後の汚水を、排水管76から機外に排出する。
【0074】
洗浄、すすぎ工程が終了すると、洗浄槽61の側壁に設けられた乾燥ファン71が作動し、洗浄槽61内を温風が循環し、食器類63の乾燥が行われ一連の食器洗い工程が完了する。
【0075】
上記食器洗い機2では、ポンプ1の2つの吸水口25、35が水槽67の底部に開口され、かつ上記第1の実施形態で説明したポンプ構造の改善により吸水性、吐水性が改善されたものであり、食器洗い機の洗浄性能及び排水性を向上することができ、また空気がポンプ1内に侵入して水と混合する「エア噛み」の発生を防ぐことができるので、装置の低騒音化を図ることができる。特に、従来ポンプよりも排水性が大きく改善され、汚水排水時の騒音低減に効果がある。
【0076】
また、ポンプ1の羽根車径が従来より大きく設計できて低速運転が可能となり、ブラシレス直流モータによるポンプの駆動なども低騒音化に効果を有している。
【0077】
また、ポンプの排水性が向上するので、装置内の汚水の残水量が低減され、衛生的に良好となり、悪臭発生の問題も改善される。
【0078】
そして、ポンプ構造が立形に構成して小形、軽量化され、モータ部の耐久性も改善されるので、食器洗い機のコンパクト化、耐久性の向上を図ることができる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ポンプの吸水、吐出性能を向上し、かつポンプ内への空気の侵入による騒音発生を低減することのできる小形、軽量であり、耐久性の優れるポンプが得られる。
【0080】
そして、このポンプを用いた食器洗い機は、運転音が静かで、特に排水時の低音化に優れ、また衛生的にも良好である、コンパクトで長寿命な食器洗い機となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態のポンプの縦断面図である。
【図2】 第2の実施形態の食器洗い機の構造概略図である。
【図3】 従来例のポンプの縦断面図である。
【符号の説明】
1……ポンプ
2……食器洗い機
10……モータ部
11……固定子
16……回転子
17……磁性体
18……回転軸
20……ポンプ部
21……正転用ポンプ室
22……正転用羽根車
23……正転用羽根
25……正転用吸水口
26……正転用吐出口
31……逆転用ポンプ室
32……逆転用羽根車
33……逆転用羽根
34……通過孔
35……逆転用吸水口
36……逆転用吐出口
40……仕切壁
41……正転用ポンプ室開口部

Claims (11)

  1. モータ部と、吐出口と2カ所の吸水口とを有するポンプ部とを含み、
    前記モータ部では、固定子の内周に回転子が回転自在に配され、
    前記ポンプ部では、前記回転子の回転軸に連結した正転用羽根と逆転用羽根とを有する羽根車が設けられ、
    前記ポンプ部は、仕切壁により仕切られた正転用ポンプ室と逆転用ポンプ室を有し、
    前記正転用羽根車は、前記正転用ポンプ室に配され、
    前記逆転用羽根車は、前記逆転用ポンプ室に配され、
    前記正転用ポンプ室は、前記回転軸線上に正転用吸水口を有し、
    前記逆転用ポンプ室は、逆転用吸水口を有し、
    また、前記仕切壁は、前記正転用ポンプ室へ流体が流入するための正転用ポンプ室開口部を有し、
    さらに、前記逆転用羽根車は、その回転軸周辺部に前記正転用吸水口と前記正転用ポンプ室開口部とを連通して流体が流れる通過孔を有し、
    前記羽根車の正転時は、前記正転用吸水口からの流体を前記通過孔と前記正転用ポンプ室開口部から前記正転用ポンプ室に吸入して吐出口に送り、
    前記羽根車の逆転時は、逆転用吸水口からの流体を前記逆転用ポンプ室に吸入して吐出口に送る
    ことを特徴とするポンプ。
  2. 前記正転用ポンプ室が正転用吐出口を有し、
    前記逆転用ポンプ室が逆転用吐出口を有し、
    前記羽根車の正転時は、前記正転用吸水口からの流体を前記通過孔から前記正転用ポンプ室に吸入して前記正転用吐出口に送り、
    前記羽根車の逆転時は、前記逆転用吸水口からの流体を前記逆転用ポンプ室に吸入して前記逆転用吐出口に送る
    ことを特徴とする請求項1に記載のポンプ。
  3. 前記ポンプ部では、
    仕切壁により仕切られた前記正転用ポンプ室が上部に配され、前記逆転用ポンプ室が下部に配され、
    前記逆転用羽根車を前記逆転用ポンプ室に配した
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のポンプ。
  4. 前記正転用吐出口が、ポンプ上方に向けて開口されている
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポンプ。
  5. 前記逆転用羽根の前記通過孔周辺部に、前記正転用吸水口からの流体を前記正転用ポンプ室開口部に導くための略筒状ガイドを前記正転用吸水口の開口部に向け設けた
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポンプ。
  6. 前記仕切壁が前記回転軸周辺部とその外周部に段差を有する段付構造である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポンプ。
  7. 前記正転用羽根の上部と前記正転用ポンプ室との間の空間部に、空気溜まりを防止する充填部を設けた
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポンプ。
  8. 前記モータ部が、ブラシレス直流モータを構成する
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポンプ。
  9. 前記正転用羽根がヒューガル形であり、前記逆転用羽根がウエスコ形である
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポンプ。
  10. 前記正転用羽根がセミオープン型である
    ことを特徴とする請求項9に記載のポンプ。
  11. 洗浄水を洗浄槽に供給し、洗浄後の汚水を排水口に送るポンプを内蔵した食器洗い機において、
    前記ポンプが請求項1〜10のいずれか1項に記載のポンプである
    ことを特徴とする食器洗い機。
JP2002066046A 2002-03-11 2002-03-11 ポンプ及び食器洗い機 Expired - Fee Related JP4121290B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002066046A JP4121290B2 (ja) 2002-03-11 2002-03-11 ポンプ及び食器洗い機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002066046A JP4121290B2 (ja) 2002-03-11 2002-03-11 ポンプ及び食器洗い機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003269388A JP2003269388A (ja) 2003-09-25
JP4121290B2 true JP4121290B2 (ja) 2008-07-23

Family

ID=29198049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002066046A Expired - Fee Related JP4121290B2 (ja) 2002-03-11 2002-03-11 ポンプ及び食器洗い機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4121290B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5429231B2 (ja) * 2011-07-03 2014-02-26 株式会社デンソー ウォータポンプ

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4529100Y1 (ja) * 1966-08-19 1970-11-09
JPS56111295U (ja) * 1980-01-29 1981-08-28
JPH0540315Y2 (ja) * 1988-08-16 1993-10-13
JP3601145B2 (ja) * 1995-12-11 2004-12-15 松下電器産業株式会社 食器洗浄機
JP2000237114A (ja) * 1999-02-18 2000-09-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 食器洗浄機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003269388A (ja) 2003-09-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3082779A (en) Dishw ashing machine
TWI425130B (zh) Drum washing machine
KR100493306B1 (ko) 드럼세탁기
EP2658427B1 (en) A dishwasher wherein ozone wash is applied
TWI540235B (zh) Drum washing machine
JP4121290B2 (ja) ポンプ及び食器洗い機
JP2007222242A (ja) ポンプ及び食器洗い機
JP4278931B2 (ja) リバーシブルポンプ及び食器洗い機
JP4302955B2 (ja) ポンプ及び洗濯機
JP2003230527A (ja) ポンプ及び洗浄装置
JP2006220034A (ja) ポンプ及び食器洗い機
JP2003148396A (ja) ポンプ及びそのポンプを用いた食器洗い機
JP3661390B2 (ja) 食器洗い機
KR200461049Y1 (ko) 펌프와 이를 구비하는 세탁기
CN216585744U (zh) 洗衣机
JP3601145B2 (ja) 食器洗浄機
JP3539010B2 (ja) 食器洗浄機
KR0121235Y1 (ko) 식기세척기의 세척수 펌핑장치
KR0122437Y1 (ko) 식기세척기
JP2004060536A (ja) ポンプ及び洗濯機
JP2008167960A (ja) 食器洗い機
WO2007099112A1 (en) A washing machine
CN115726162A (zh) 洗衣机
JP2020078517A (ja) 洗濯機
JP2003097495A (ja) ポンプ及びそのポンプを用いた食器洗い機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080415

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080422

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080428

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110509

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120509

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees