JP4120814B2 - 記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録装置に関する。更に本発明は、インク等の液体をそのヘッドから吐出して被噴射媒体に噴射を実行するインクジェット式記録装置などの液体噴射装置に関するものである。
【0002】
ここで液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録媒体に記録を行うプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒体に相当する被噴射媒体に噴射して、前記液体を前記被噴射媒体に付着させる装置を含む意味で用いる。
【0003】
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
【0004】
【従来の技術】
CD−R等の円板形状を有する記録メディアは、記録面と反対側面の所定の領域に、そのメディアに記録されている情報等の書き込みが可能になっている。そして、この領域に印刷を行う印刷装置については、特開平11−5332号公報にて、印刷方法については、特許第2794628号公報にて開示されている。
【0005】
また、国際公開第WO97/11850号公報にて、記録メディアを記録メディア搬送用トレイに装着し、その記録メディア搬送用トレイを搬送し、印刷を行う印刷装置が開示されている。これは、薄い矩形板からなる記録メディア搬送用トレー本体の表面の中央に形成した浅い円形溝からなる装着部に記録メディアを装着し、記録メディアを装着した記録メディア搬送用トレイを搬送ローラにて搬送し、記録ヘッドにて記録メディア表面に印刷を行うものである。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−5332号公報
【特許文献2】
特許第2794628号公報
【特許文献3】
国際公開第WO97/11850号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような剛性を有する記録メディアへの印刷の機会は比較的少ないため、それ専用のプリンタで印刷するわけではなく、用紙へも印刷可能なプリンタを記録メディアのプリンタとしても使用するのが通常であり、そのような機種が開発されている。このように剛性を有する記録メディアと用紙との両方に汎用性のあるプリンタでは、用紙への印刷を行うことが通常であるため、記録メディア搬送用トレイは、別途保管しておく必要がある。しかし記録メディアへの印刷の機会が少ないユーザーにとっては、記録メディア搬送用トレイの保管場所を忘れてしまったり、記録メディア搬送用トレイを無くしてしまうことがある。
【0008】
そこで本発明の目的は、CD−R等の記録メディア用の搬送用トレイを記録装置と一体的に保管しておき、使用時にだけ搬送用トレイを取り出せるようにする剛性媒体搬送用トレイの収納装置及び該装置を備える記録装置または液体噴射装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様に係る剛性媒体搬送用トレイの収納装置は、表面に記録を行うための非剛性媒体と、表面に記録を行うための剛性媒体のいずれにも記録可能な記録装置において、該記録装置が、装置本体と、前記非剛性媒体を給送するための給送部と、記録ヘッドと、前記記録ヘッドで記録された非剛性媒体を排出するための排出スタッカとを備え、前記装置本体の底面に形成された収納部には、前記剛性媒体に記録を行う際に剛性媒体を載置する剛性媒体搬送用トレイが前側へ取り出し可能に収納されており、前記排出スタッカは、前記非剛性媒体を排出可能な非剛性媒体排出可能状態と、前記剛性媒体搬送用トレイをセットするために水平姿勢を採る剛性媒体給送可能状態との間で移動可能であり、前記排出スタッカが非剛性媒体排出可能状態にあるときには使用者が前記剛性媒体搬送用トレイを取り出し不可能とし、前記排出スタッカが剛性媒体給送可能状態にあるときには使用者が前記剛性媒体搬送用トレイを取り出し可能とするように構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、剛性媒体搬送用トレイを排出スタッカと一体的に収納しておくことができるので、必要時に剛性媒体搬送用トレイを探したり、無くしてしまうことを防止できる。また、非剛性媒体排出可能状態にあるときには、使用者が剛性媒体搬送用トレイを取り出し不可能であり、不要時に使用者が剛性媒体搬送用トレイを取り出したまま放置して無くすことを防止することができる。
【0011】
また、本発明の第2の態様に係る剛性媒体搬送用トレイの収納装置は、上記第1の態様において、前記排出スタッカが非剛性媒体排出可能状態にあるときには、排出スタッカの基端の下方には、使用者が前方から指を入れることができない程度の間隙しか形成されず、前記排出スタッカが剛性媒体給送可能状態にあるときには、排出スタッカの基端の下方には、使用者が前方指を入れて前記剛性媒体搬送用トレイを取り出せるのに十分な間隙が形成されるよう構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、剛性媒体搬送用トレイを必要としない排出スタッカの非剛性媒体排出可能状態時に、使用者が排出スタッカの下端の下方に指を入れることができないので、不用意に剛性媒体搬送用トレイを取り出して無くしてしまうことを防止できる。
【0012】
また、本発明の第3の態様に係る剛性媒体搬送用トレイの収納装置は、上記第1の態様または2の態様において、前記排出スタッカは、その収納状態において前記装置本体の前面を閉鎖するようにその基端を支点に回動可能であり、該排出スタッカの収納状態においては、使用者が前記剛性媒体搬送用トレイを取り出し不可能に構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、排出スタッカの収納状態においても、使用者が排出スタッカの下端の下方に指を入れることができないので、不用意に剛性媒体搬送用トレイを取り出して無くしてしまうことを防止できる。
【0013】
また、本発明の第4の態様に係る剛性媒体搬送用トレイの収納装置は、上記第1の態様〜第3の態様のいずれかの態様において、前記剛性媒体搬送用トレイは、常時、前方向に付勢されており、前記排出スタッカが非剛性媒体排出可能状態にあるとき、前記排出スタッカの後端側に形成されたストッパにより剛性媒体搬送用トレイの前方への突出を規制しており、前記排出スタッカが剛性媒体給送可能状態に移行したとき、前記ストッパによる規制が解除されることを特徴とする。
本態様によれば、非剛性媒体排出可能状態から剛性媒体給送可能状態に移行することによりストッパが解除されて、剛性媒体搬送用トレイが自動的に前方へ突出するようになる。
【0014】
また、本発明の第5の態様に係る剛性媒体搬送用トレイの収納装置は、上記第1の態様〜第4の態様いずれかにおいて、前記排出スタッカの両側面の後方側には、排出スタッカとほぼ平行に延びる下面を有する案内突起が形成されており、各案内突起からは係止突起が外方へ突出するように形成されており、前記装置本体の前面の両側に位置する各本体側板には案内突起受入凹部が形成され、案内突起受入凹部の最前部の下端には、剛性媒体給送可能状態にある排出スタッカの案内突起の下面を支持するスタッカ支持面が形成されており、該スタッカ支持面の下方には、非剛性媒体排出可能状態にある排出スタッカの案内突起の下面を支持可能な傾斜下面が案内突起受入凹部内に形成され、前記各本体側板には、ほぼ上下方向に延びる長溝が形成されており、前記係止突起が、これら長溝に沿ってスライド可能に挿入され、排出スタッカが剛性媒体給送可能状態にあるときに前記係止突起が前記長溝の最上端に係止して水平状態を維持することを特徴とするものである。
【0015】
本態様によれば、非剛性媒体排出可能状態では、排出スタッカの案内突起の下面が傾斜下面によって斜め状態で支持されるので、排出スタッカの前端側が上がった姿勢で排出スタッカの姿勢が固定される。また剛性媒体給送可能状態では、排出スタッカの案内突起の下面がスタッカ支持面により支持されるとともに係止突起が長溝の最上端に係止して水平状態を維持することができる。
【0016】
また、本発明の第6の態様に係る記録装置は、上記第1の態様〜第5の態様のいずれかに係る剛性媒体搬送用トレイの収納装置を備えることを特徴とするものである。
本態様によれば、剛性媒体搬送用トレイを必要時にのみ取り出しやすくする記録装置を提供できるので、必要時に剛性媒体搬送用トレイを探したり、剛性媒体搬送用トレイを無くすことがなくなる。
【0017】
また、本発明の第7の態様に係る剛性媒体搬送用トレイの収納装置は、表面に液体噴射を行うための非剛性媒体と、表面に液体噴射を行うための剛性媒体のいずれにも液体噴射可能な液体噴射装置において、該液体噴射装置が、装置本体と、前記非剛性媒体を給送するための給送部と、液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドで液体噴射された非剛性媒体を排出するための排出スタッカとを備え、前記装置本体の底面に形成された収納部には、前記剛性媒体に液体噴射を行う際に剛性媒体を載置する剛性媒体搬送用トレイが前側へ取り出し可能に収納されており、前記排出スタッカは、前記非剛性媒体を排出可能な非剛性媒体排出可能状態と、前記剛性媒体搬送用トレイをセットするために水平姿勢を採る剛性媒体給送可能状態との間で移動可能であり、前記排出スタッカが非剛性媒体排出可能状態にあるときには使用者が前記剛性媒体搬送用トレイを取り出し不可能とし、前記排出スタッカが剛性媒体給送可能状態にあるときには使用者が前記剛性媒体搬送用トレイを取り出し可能に構成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の第8の態様に係る液体噴射置は、上記第7の態様に係る剛性媒体搬送用トレイの収納装置を備えることを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る剛性媒体搬送用トレイの収納装置を適用した記録装置または液体噴射装置の一例であるインクジェットプリンタ1の側断面図であり、図2は、同インクジェットプリンタ1の排出スタッカが閉じた状態を示す側断面図である。
【0019】
尚、本明細書において「前方」とは、インクジェットプリンタ1から記録後または液体噴射後の被記録媒体または被噴射媒体が排出されていく方向をいい、「後方」とは前方の反対方向をいうものとする。
【0020】
インクジェットプリンタ1は、湾曲状態で給送可能な被記録媒体(例えば、普通紙、はがきなど、以下これらを「非剛性媒体」と称する(被噴射媒体の場合も同様))及び湾曲状態で給送不可能な被記録媒体(例えばCD−RやDVDなど、以下これらを「剛性媒体」と称する(被噴射媒体の場合も同様))を給送し、これらに記録を行うことができる。本実施形態では、「非剛性媒体」の一例として用紙Pを使用し、「剛性媒体」の一例としてCD−R36を使用することとする。
【0021】
インクジェットプリンタ1は、装置本体3の後方上部に給送部5を備え、装置本体3の前方に排出部7を備えるという概略構成を備えている。図1に示す如く給送部5には、複数枚の用紙Pを積載可能な給送トレイ11を備え、給送トレイ11には、使用する用紙が長尺である場合に必要に応じて使用可能なペーパーサポート12が設けられている。また給送トレイ11には、使用する用紙の幅に応じて給送方向と直交する方向(主走査方向)に移動可能なエッジガイド14を備えている。
【0022】
給送トレイ11の最上部に位置する用紙は、給送トレイ11の直ぐ下流側に設けられた給送ローラ13の外周面が摩擦接触することで、対向する分離パッド16との協働により1枚の用紙だけを送り出す作用を担う。給送トレイ11から送り出された用紙Pは、装置本体3に設けられる下側の送り駆動ローラ15と上側の送り従動ローラ17とから構成される送りローラ19に至り、駆動系により記録工程における精密な送り動作を受けながら、送りローラ19の下流側に位置する記録ヘッド21(液体噴射ヘッドでもある)へ給送される。
【0023】
記録ヘッド21はキャリッジ23に支持されており、キャリッジ23は主走査方向(装置本体3の幅方向)へ往復運動できるようになっている。図示しないが、非記録時にキャリッジ23が待機するためのホームポジションが設けられており、キャリッジ23は記録途中に適宜のタイミングでホームポジションへ一時的に移行して、そこでノズルのインク詰まりを防止するためのフラッシング動作を行う。
【0024】
記録ヘッド21と対向する位置にはプラテン25が設けられており、プラテン25は、記録ヘッド21によって用紙に記録を行う際に、用紙を下側から支持する作用を担う。記録ヘッド21とプラテン25との距離、即ち媒体ギャップは、記録ヘッド21を支持するキャリッジ23を上下動させることにより、用紙の厚さに応じて適宜調節できるようになっている。媒体ギャップが適正に調整されている状態で、用紙はプラテン25上を滑らかに通過しながら、高品質の記録が行なわれるようになっており、記録ヘッド21で記録された用紙Pは、排出部7に設けられる排出ローラ27によって順次排出される。排出ローラ27は、下側の排出駆動ローラ29及び上側の排出ギザローラ31から構成されており、用紙が排出駆動ローラ29の回転駆動により引き出されて排出される機構となっている。
【0025】
排出部7には排出スタッカ33が設けられている。排出スタッカ33は、装置本体3の前面下方の回動軸線を中心として、使用時には前方へ開放可能に、不使用時には装置本体3の前面を閉鎖するように回動可能に設けられている。
【0026】
以上がインクジェットプリンタ1の概略構成であり、以下本願発明の特徴的構成について説明する。図3は、排出スタッカ33を開放状態とし、記録後に排出された用紙Pを載置可能な状態(本明細書において「非剛性媒体排出可能状態」という)を示し、図4は、剛性媒体の一例であるCD−Rに記録を行うために使用する剛性媒体搬送用トレイ35を使用可能な状態(本明細書において「剛性媒体給送可能状態」という)を示す。また図5の(a)は、非剛性媒体排出可能状態における排出スタッカ33の状態を示し、図5の(b)は、剛性媒体給送可能状態における排出スタッカ33の状態を示し、図6は、本発明の他の実施の形態を示す側断面図である。
【0027】
排出スタッカ33の両側面の後方側には、排出スタッカ33とほぼ平行に延びる下面を有する案内突起37が形成されており、各案内突起37からは更に、細長い係止突起39が外方へ突出するように形成されている。
【0028】
図5に示す如く、装置本体3の前面の両側に位置する各本体側板4には、案内突起受入凹部41が形成されており、案内突起受入凹部41の最前部の下端にはスタッカ支持面43が形成されている。スタッカ支持面43の下方には案内突起受入凹部41の底面に相当する位置に傾斜下面42が形成されており、この傾斜下面42は案内突起37の下面38を支持可能である。また各本体側板4にはほぼ上下方向に延びる長溝45が形成されており、係止突起39が、これらの長溝45に沿ってスライド可能に挿入されている。尚、図5に示す案内突起37、係止突起39及び案内突起受入凹部41から構成される形態は一例に過ぎず、排出スタッカ33が「非剛性媒体排出可能状態」と「剛性媒体給送可能状態」とに選択的に切換わるための他の構成を採り得ることは云うまでもない。
【0029】
図1〜図4に示す如く、装置本体3の底面には収納部47が形成されており、収納部47には剛性媒体搬送用トレイ35が手前側に引き出し自在に保持された状態で収納されている。剛性媒体搬送用トレイ35の上面にはCD−R36を載せるための載置面38が形成されている。
【0030】
剛性媒体搬送用トレイ35は、排出スタッカ33が「剛性媒体給送可能状態」にあるときには、使用者が排出スタッカ33の下側から指を入れることにより引き出し可能であるが、図2に示す如く排出スタッカ33が装置本体3の前面を閉鎖しているとき、及び図3に示す如く排出スタッカ33が「非剛性媒体排出可能状態」にあるときには、排出スタッカ33の下端と、インクジェットプリンタ1が載置されているテーブル等の面との間隙が狭くなり、使用者は指を入れて排出スタッカ33を引き出せないようになっている。
【0031】
次に、本実施の形態に係る本願発明の作用について説明する。まず図2に示す如く、排出スタッカ33が装置本体3の前面を閉鎖しているときには、排出スタッカ33の下端の下側に指を入れるだけの間隙が形成されていないため、使用者は収納部47に収納されている剛性媒体搬送用トレイ35を取り出すことができない。従って、使用者が不必要に剛性媒体搬送用トレイ35を取り出し、その管理を怠ることにより剛性媒体搬送用トレイ35を無くしてしまうことが防止される。
【0032】
使用者が用紙に記録を行う場合には、排出スタッカ33を手前に回動して開放する。これにより案内突起37の下面38が傾斜下面42に支持されるようになるため、図3に示す如く、排出スタッカ33の前側が上がり気味の状態で固定され、排出スタッカ33が「非剛性媒体排出可能状態」となる。このとき排出スタッカ33の下端の位置は実質的に変化しないため、排出スタッカ33の下端の下側に指を入れるだけの間隙は形成されず、使用者は剛性媒体搬送用トレイ35を取り出すことができない。
【0033】
使用者がCD−Rに記録を行う場合には、図3に示す排出スタッカ33の状態から、図3中矢印49で示す如く前方斜め上方へ排出スタッカ33を引き上げ、スタッカ支持面43の上に案内突起37の下面38が載るようにする。そしてこの状態から排出スタッカ33を図3中矢印51で示す如く回動させることにより、図4に示す如く係止突起39が長溝45の最上端に係止し、排出スタッカ33の上面は、剛性媒体搬送用トレイ35の移動平面と同一平面上で水平状態となる。このようにして排出スタッカ33は「剛性媒体給送可能状態」となる。尚、「剛性媒体給送可能状態」では、排出スタッカ33の自重により、係止突起39が長溝45の最上端に係止する力が作用し続けるので、排出スタッカ33は水平状態を維持することができる。
【0034】
排出スタッカ33が「剛性媒体給送可能状態」になるとき、排出スタッカ33全体が上方へ上がるため、排出スタッカ33の下方に指が十分入る程度の間隙が形成される。従って使用者はこの間隙から指を入れて、剛性媒体搬送用トレイ35を引き出すことができる。使用者は、引き出した剛性媒体搬送用トレイ35を排出スタッカ33上に載せ、載置面38にCD−R36を載せた状態で前方側から排出駆動ローラ29と排出ギザローラ31との間に排出スタッカ33を押し込むことでCD−R36への記録可能な状態となる。その後、CD−Rへの記録モードにおいて適宜のスイッチ動作を行うことでCD−Rへの記録が行われる。
【0035】
以上、本発明の一実施の形態について説明したが、上記実施の形態を一部変更した形態とすることもできる。例えば上記実施形態では剛性媒体搬送用トレイ35を使用者が指で引き出す形式としたが、図6に示すような形態を採ることもできる。即ち、剛性媒体搬送用トレイ35をバネ53で、常時、装置本体3の前方向に付勢しておき、一方、排出スタッカ33が設けられる位置よりも後端寄りの本体側板4に対して、ほぼ錨型をしたストッパ55を回動可能に設ける。ストッパ55の回動支点より上方の位置には係止窪み57が形成されており、この係止窪み57は、排出スタッカ33の回動支点付近に形成される係止凸部59に係止可能である。
【0036】
このような構成を採用することにより、排出スタッカ33が閉鎖状態及び「非剛性媒体排出可能状態」にあるときには、ストッパ55の係止窪み57が係止凸部59に係止するとともに、ストッパ55のストップ作用部61が、剛性媒体搬送用トレイ35の前端に当接して、該トレイの前方への突出を規制する。排出スタッカ33が「非剛性媒体排出可能状態」から「剛性媒体給送可能状態」へ移行したときには、排出スタッカ33の上方への移行に伴い、ストッパ55の係止窪み57の係止凸部59への係止が外れ、バネ53の付勢力により自動的に剛性媒体搬送用トレイ35が前方へ飛び出てくるようになる。
【0037】
また上記実施形態では、排出スタッカ33が装置本体3の前面を閉鎖した状態及び「非剛性媒体排出可能状態」において、剛性媒体搬送用トレイ35を引き出せるように使用者が指を入れることができない構成としたが、このような構成は必ずしも必須の構成ではない。即ち本願発明では、「剛性媒体給送可能状態」において使用者が最も剛性媒体搬送用トレイ35を取り出し易く、排出スタッカ33が装置本体3の前面を閉鎖した状態及び「非剛性媒体排出可能状態」においては、使用者が剛性媒体搬送用トレイ35を取り出しにくい状態となることが重要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用したインクジェットプリンタの側断面図。
【図2】 同プリンタの排出スタッカが閉じた状態を示す側断面図。
【図3】 排出スタッカが非剛性媒体排出可能状態にある側断面図。
【図4】 排出スタッカが剛性媒体給送可能状態にある側断面図。
【図5】 (a)は非剛性媒体排出可能状態における排出スタッカの状態、(b)は剛性媒体給送可能状態における排出スタッカ33の状態。
【図6】 本発明の他の実施の形態を示す側断面図。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ、3 装置本体、4 本体側板、5 給送部、
7 排出部、11 給送トレイ、12 ペーパーサポート、13 給送ローラ
14 エッジガイド、15 送り駆動ローラ、16 分離パッド、
17 送り従動ローラ、19 送りローラ、21 記録ヘッド、
23 キャリッジ、25 プラテン、27 排出ローラ、
29 排出駆動ローラ、31 排出ギザローラ、33 排出スタッカ
35 剛性媒体搬送用トレイ、36 CD−R、37 案内突起、
38 載置面、39 係止突起、41 案内突起受入凹部、42 傾斜下面、43 スタッカ支持面、45 長溝、47 収納部、49 矢印、51 矢印、
53 バネ、55 ストッパ、57 係止窪み、59 係止凸部、
61 ストップ作用部、P 用紙
Claims (1)
- 表面に記録を行うための非剛性媒体と、表面に記録を行うための剛性媒体のいずれにも記録可能な記録装置であって、
装置本体と、
前記装置本体の後方に配設され、前記非剛性媒体を給送するための給送部と、
前記給送部により給送される前記被剛性媒体に記録をするための記録ヘッドと、
前記装置本体の前方に配設され、前記記録ヘッドで記録された非剛性媒体を排出するための排出スタッカとを備え、
前記装置本体の底面に形成された収納部には、前記剛性媒体に記録を行う際に剛性媒体を載置する剛性媒体搬送用トレイが前側へ取り出し可能に収納されており、
前記排出スタッカは、該排出スタッカの基端が前記装置本体の前側の下部に前記基端を支点にして開閉方向に回動可能に取り付けられと共に、該支点が前記下部の位置より上方の位置にも変位可能に構成され、
該排出スタッカは、前記支点が前記下部位置に在る状態で当該排出スタッカを開方向に回動させると前記非剛性媒体を排出可能な非剛性媒体排出可能状態となり、前記支点が前記上方位置に在る状態で開方向に回動させると前記剛性媒体搬送用トレイをセットするために水平姿勢を採る剛性媒体給送可能状態となり、
前記収納部の前側は、前記排出スタッカが非剛性媒体排出可能状態にあるときには、該排出スタッカの基端により塞がれ、前記排出スタッカが剛性媒体給送可能状態にあるときには、該排出スタッカの基端の下方部位に使用者が前記剛性媒体搬送用トレイを取り出し可能に開放されるように構成されていることを特徴とする記録装置。
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