JP4120433B2 - 油圧式走行駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両等の走行駆動を油圧で行う油圧式走行駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ホイールローダーや自走式ショベル等の作業車両を油圧で走行させる手段として、HST(Hydrostatic Transmission;静油圧式無段階変速機)を具備する走行駆動装置の開発が進められている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、原動機により駆動される可変容量型油圧ポンプと、変速機を介して走行車輪に連結される油圧モータとで閉回路が構成されるとともに、前記原動機の回転数の上昇に伴って吐出圧が上昇する容量操作用の油圧ポンプと、この容量操作用油圧ポンプから出力される油圧を受けて当該油圧が高いほど前記可変容量型油圧ポンプの容量を増大させるレギュレータとを備えた走行駆動装置が開示されている。
【0004】
この装置によれば、原動機の回転数の変化に応じて可変容量型油圧ポンプの容量が操作されることにより、静油圧による無段階変速が実現される。さらに、油圧モータと走行車輪との間に介在する変速機の変速比を切換える(例えば高速段と低速段との間で二段切換を行う)ことにより、車速−出力馬力の特性の範囲を大幅に拡大することが可能になる。
【0005】
また、下記特許文献2では、引用文献1と同様に可変容量型油圧ポンプと走行用の油圧モータとが閉回路を構成する走行駆動装置において、前記油圧ポンプの吐出管路と吸込み管路とをバイパスするバイパス通路にリリーフ設定圧が操作可能なリリーフ弁が設けられ、かつ、前記油圧モータと走行車輪との間に介在する変速機が高速段から低速段に切換えられる際に前記リリーフ弁の設定圧を一旦下げてから徐々に増加させるコントローラを備えたものが開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−265013号公報(第2頁,図1)
【特許文献2】
特開平5−248511号公報(第1〜2頁,図1)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載される装置において、その変速機が高速段から低速段に切換えられる(すなわち油圧モータの回転数と走行車輪の回転数との比が下げられる)と、走行車輪の回転数は車両の慣性のために直ちには降下しないので、その分油圧モータの回転数が一時的に急増する。これにより、当該油圧モータの吐出側圧力が急激に高まってブレーキ圧を生じさせ、運転者に違和感を与えてしまう。さらに、その昇圧度合いが高い場合には油圧機器の寿命低下や破損を招くおそれがある。
【0008】
このような低速段切換時での不都合を解消する手段として、特許文献2には、当該低速段切換時に一旦リリーフ弁の設定圧を下げてリリーフ流量を増やすことにより余剰の圧油を積極的に逃がし、その後、当該リリーフ弁の設定圧を徐々に復帰させる方法が開示されているが、当該リリーフ流量の増加によって油圧モータの吐出側圧力の上昇を吸収するには限界があり、また、その吸収のために比較的長い時間にわたってリリーフ弁の設定圧を下げた状態を保持しておかなければならない。このため、低速段切換時には回路圧力が低下した状態、すなわち減速度が小さくなって車速がほとんど低下しない状態が、しばらく継続することになる。
【0009】
一方、運転者は一般に減速度の増大を目的として前記低速切換操作(シフトダウン操作)を行っているのであるから、当該シフトダウン操作にもかかわらず前記のように減速度が低下して車速がほとんど減少しない状態が継続することは、前記運転者の意思に反することになり、著しい違和感を生じさせるおそれがある。
【0010】
さらに、この方法では、油圧モータの回転数の上昇により発生した余剰のエネルギーがリリーフ作動によってほとんど熱エネルギーに変換されてしまうため、油圧モータと可変容量型油圧ポンプとで構成される閉回路内の温度が急激に上昇して回路機器の寿命を低下させるおそれもある。
【0011】
本発明は、このような課題を解決することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段として、本発明は、原動機により駆動される可変容量型油圧ポンプと、変速機を介して車両の走行用車輪に連結される油圧モータとを含む閉回路が構成されるとともに、前記原動機の回転数の上昇に伴って前記可変容量型油圧ポンプの容量を増大させる容量操作手段を備えこの容量操作手段は、油圧の供給を受けて当該油圧が高いほど前記可変容量型油圧ポンプの容量を大きくするレギュレータと、このレギュレータに油圧を供給するための油圧供給源と、この油圧供給源と前記レギュレータとの間に介在し、前記油圧供給源から供給される油圧を入力される指令信号に応じた圧力まで減圧して前記レギュレータに導く減圧弁と、前記原動機の回転数の上昇に伴って前記減圧弁の二次圧を高くするような指令信号の特性を記憶し、この特性に基づく指令信号を前記減圧弁に入力する圧力制御手段とを含み、かつ、この圧力制御手段は、前記変速機が高速段から低速段に切換えられる際に前記減圧弁の二次圧を前記特性に基づく指令信号に応じた圧力よりも一時的に大きくする圧力増加手段を含むものである。
【0013】
この構成によれば、低速段切換時に可変容量型油圧ポンプのポンプ容量ひいてはポンプ吸収流量が一時的に増加されるので、低速段切換に伴うモータ回転数の急増によるモータ吐出流量の増大が前記可変容量型油圧ポンプの回転を通じてエンジンブレーキという形態で吸収されることになる。すなわち、前記モータ回転数の急増によるエネルギー増加分を原動機の駆動トルクを利用して有効に吸収することができる。
【0014】
このとき、減速度は一時的に低下して車速がほとんど減速しない状態が発生し得るが、従来のようにリリーフ作動で流量を吸収するものと異なり、当該流量吸収に要する時間は高速段から低速段への変速過渡期とほぼ同等の時間で十分であって僅かであり、運転者に違和感を与えるおそれはほとんどない。また、エンジンブレーキを利用しているので閉回路内での温度上昇も生じにくく、油圧機器等を傷めるおそれもない。
【0015】
前記二次圧の増加の時期すなわちポンプ容量の増加時期は、概ね低速段切換時期に対応していればよいが、前記変速機が高速段から低速段へ切換えられる時点またはそれよりも前の時点から前記可変容量型油圧ポンプの容量の増加を開始し、前記低速段への切換終了時または当該切換終了から一定時間が経過した後に前記可変容量型油圧ポンプの容量の増加を停止することが、より好ましい。
【0016】
このような期間設定により、低速段切換移行期間中は必ずポンプ容量が増加されているので、低速段切換時におけるモータ吐出流量の吸収効果をより確実なものにすることができる。
【0017】
前記二次圧の増加を終了させるには、例えば当該二次圧を急減させるようにしてもよいが、当該二次圧を徐々に減少させるようにすれば、通常運転への移行をより円滑にすることができる。
【0018】
本発明では、前記容量操作手段として油圧の供給を受けて当該油圧が高いほど前記可変容量型油圧ポンプの容量を大きくするレギュレータと、このレギュレータに油圧を供給するための油圧供給源と、この油圧供給源と前記レギュレータとの間に介在し、前記油圧供給源から供給される油圧を入力される指令信号に応じた圧力まで減圧して前記レギュレータに導く減圧弁と、前記原動機の回転数の上昇に伴って前記減圧弁の二次圧を高くするような指令信号の特性を記憶し、この特性に基づく指令信号を前記減圧弁に入力する圧力制御手段とを含み、かつ、この圧力制御手段は、前記変速機が高速段から低速段に切換えられる際前記減圧弁の二次圧を前記特性に基づく指令信号に応じた圧力よりも一時的に大きくする圧力増加手段を含んでいるので、原動機の回転数と減圧弁二次圧との特性すなわち当該原動機回転数とポンプ容量との特性を自由に設定することが可能であり、このような特性の設定によって走行燃費の向上や走行性能のフル活用等を図ることができる。しかも、当該二次圧を一時的に昇圧させるだけの簡単な制御動作で、低速段切換時におけるポンプ容量の一時的な増加を適正な形態で行うことができる。
【0020】
さらに、前記圧力制御手段が、前記原動機の回転数に対する前記指令信号の特性として複数種の特性を記憶しており、これらの特性のうち車両の運転状態に対応した特性を選択して当該特性に基づき指令信号を決定するように構成すれば、当該特性の選択によって実際の運転状態によりマッチしたポンプ容量制御を行うことが可能になる。
【0021】
また、前記容量操作手段は、前記減圧弁に接続される油圧供給源とは別の油圧供給源として、前記原動機の出力軸に連結されて当該原動機の回転数の上昇に伴い吐出圧が増大する容量操作用油圧ポンプと、前記容量操作用油圧ポンプから供給される油圧と前記減圧弁の二次側から供給される油圧のうち高位のものを前記レギュレータに導く高圧選択部とを含み、かつ、前記減圧弁の二次圧が常に前記容量操作用油圧ポンプから供給される油圧よりも高くなるように当該二次圧の特性が設定されているものが、より好ましい。
【0022】
この構成によれば、減圧弁が正常な状態では、当該減圧弁の二次側から供給される油圧が容量操作用油圧ポンプから高圧選択部に供給される油圧を上回るため、常に前者の油圧が選択されてレギュレータに導かれる。すなわち、前記減圧弁による容量制御が実行される。これに対し、前記減圧弁に作動不良が生じてその二次圧が異常に低下した場合には、容量操作用油圧ポンプから供給される油圧が選択されてレギュレータに導かれるため、前記減圧弁の故障等にかかわらず正常な走行駆動が持続される。
【0023】
また本発明において、前記容量操作手段は、前記変速機が高速段から低速段に切換えられる際にその低速段切換時以外の運転時よりも前記可変容量型油圧ポンプの容量を一時的に大きくする容量増加手段と、前記原動機の出力軸に連結され、当該原動機の回転数の上昇に伴って吐出圧が増大する容量操作用油圧ポンプと、この容量操作用油圧ポンプからの油圧の供給を受けて前記可変容量型油圧ポンプの容量を操作し、かつ、当該油圧が高いほど前記容量を大きくするレギュレータとを含み、さらに、前記容量増加手段として、前記容量操作用油圧ポンプよりも高い油圧を供給するための高圧供給源と、前記レギュレータに対して前記容量操作用油圧ポンプから油圧が供給される状態と前記高圧供給源から油圧が供給される状態とに切換える油圧供給切換手段と、前記変速機の高速段から低速段への切換時には前記レギュレータに対して前記高圧供給源から油圧が供給される状態に切換え、当該低速段への切換時以外の運転時には前記レギュレータに対して前記容量操作用油圧ポンプから油圧が供給される状態に切換えるように前記油圧供給切換手段を作動させる切換制御手段とを含むものであってもよい。
【0024】
この構成によれば、低速段切換時以外の通常運転時には、容量操作用油圧ポンプから供給される油圧がレギュレータに導かれ、可変容量型油圧ポンプのポンプ容量が操作される。これに対し、低速段切換時には高圧供給源から出力される油圧、すなわち前記容量操作用油圧ポンプから供給される油圧よりも高い油圧がレギュレータに導かれることにより、可変容量型油圧ポンプのポンプ容量が一時的に増加される。
【0025】
具体的には、前記油圧供給切換手段として、前記高圧供給源から前記レギュレータへの油圧の供給を許容する許容状態と当該供給を遮断する遮断状態とに切換えられる切換弁と、この切換弁から出力される油圧と前記容量操作用油圧ポンプから供給される油圧のうち高位のものを前記レギュレータに導く高圧選択部とを含み、前記切換制御手段は、前記変速機の高速段から低速段への切換時には前記切換弁を前記許容状態に切換え、当該低速段への切換時以外の運転時には前記切換弁を前記遮断状態に切換えるものが好適である。
【0026】
この構成によれば、低速段切換時以外の通常運転時には、高圧供給源からの油圧供給が切換弁で遮断されているので、容量操作用油圧ポンプから供給される油圧が高位選択されてレギュレータに導かれ、可変容量型油圧ポンプのポンプ容量が操作される。これに対し、低速段切換時には高圧供給源から高圧選択部への油圧供給が許容され、かつ、この油圧が高位選択されてレギュレータに導かれることとなり、かつ、当該油圧は前記容量操作用油圧ポンプから供給される油圧よりも高いため、可変容量型油圧ポンプのポンプ容量が一時的に増加されることとなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1〜図4を参照しながら説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る油圧式走行駆動装置を具備した車両の概略構成を示したものである。この車両は、アクセルペダル10に連動して回転数が上昇する原動機12を備え、この原動機12の動力は動力分配機14を介して作業用油圧ポンプ16に供給されるとともに可変容量型油圧ポンプ18及び容量操作用油圧ポンプ20に供給される。従って、前記原動機12の回転数の増大に伴って各油圧ポンプ16,18,20の吐出流量が増大するようになっている。
【0029】
前記可変容量型油圧ポンプ18は、油圧モータ26とともに閉回路(HST回路)を構成する。この実施の形態では、可変容量型油圧ポンプ18及び油圧モータ26は双方向の作動が可能となっており、可変容量型油圧ポンプ18の一方のポートが管路22を介して油圧モータ26の一方のポートに接続され、当該油圧モータ26の他方のポートが管路24を介して可変容量型油圧ポンプ18の他方のポートに接続されている。そして、可変容量型油圧ポンプ18から管路22側に作動油が吐出されたときには油圧モータ26が車両前進方向に回転し、逆に同ポンプ18から管路24側に作動油が吐出されたときには油圧モータ26が車両後退方向に回転するようになっている。
【0030】
前記油圧モータ26の出力軸は、変速機28を介して走行車輪30に連結されている。変速機28は、外部から入力される変速指令信号に応じて変速比が複数段(この実施の形態では高速段と低速段の2段)に切換えられるようになっている。
【0031】
なお、前記管路22,24はそれぞれチェック弁付きオーバーロードリリーフ弁32を介して低圧リリーフ弁34の一次側に接続され、当該低圧リリーフ弁34の二次側がタンクに接続されている。また、管路22または管路24の圧力が所定の許容圧力にまで達したときには当該管路側のオーバーロードリリーフ弁32が開き、当該オーバーロードリリーフ弁32と他方のオーバーロードリリーフ弁におけるチェック弁とを介して管路22,24同士が開通されることにより、回路の最大圧力が規制されるようになっている。
【0032】
前記可変容量型油圧ポンプ18のポンプ容量は、容量操作手段40によって操作される。この容量操作手段40は、この実施の形態では、レギュレータ38と、3位置の電磁切換弁36と、高圧供給源42と、電磁比例減圧弁44と、シャトル弁(高圧選択弁)46と、コントローラ50と、前記容量操作用油圧ポンプ20とを含んでいる。
【0033】
前記レギュレータ38は、外部からの油圧の供給を受け、その供給向きに応じて当該油圧が高いほど可変容量型油圧ポンプ18のポンプ容量を増大させるものである。具体的に、図1の右側ポートから油圧が供給されたときには当該油圧に応じた分だけ可変容量型油圧ポンプ18のポンプ容量を前進側に増大させ、同図左側ポートから油圧が供給されたときには当該油圧に応じた分だけ可変容量型油圧ポンプ18のポンプ容量を後退側に増大させるように構成されている。
【0034】
前記高圧供給源42は、所定の油圧を出力するものであればよく、当該供給源専用の油圧ポンプを設置してもよいし、例えば作業用油圧ポンプ16を高圧供給源42として兼用することも可能である。この高圧供給源42から出力される一定の油圧は、前記電磁比例減圧弁44、シャトル弁46、及び前記電磁切換弁36を介して前記レギュレータ38に入力される。前記シャトル弁46には、絞り47及び減圧弁48を介して前記容量操作用油圧ポンプ20の吐出側が接続されている。
【0035】
電磁比例減圧弁44は、前記コントローラ50から入力される指令信号に比例した二次圧を出力するものであり、当該二次圧と、前記容量操作用油圧ポンプ20から前記絞り47及び減圧弁48を通じて出力される油圧とのうち高位のものがシャトル弁46で選択されて前記電磁切換弁36に導かれるようになっている。
【0036】
電磁切換弁36は、前記コントローラ50から入力される指令信号により、前記シャトル弁46とレギュレータ38との間をブロックする中立位置(図1では中央位置)と、前記シャトル弁46から出力される油圧をレギュレータ38の前進側ポート(同図では右側のポート)に導く前進位置(同図では右位置)と、前記シャトル弁46から出力される油圧をレギュレータ38の後退側ポート(同図では左側のポート)に導く後退位置(同図では右位置)とに切換えられる。すなわち、この電磁切換弁36の位置切換によって、走行駆動の向き(前進と後退)が切換えられるようになっている。
【0037】
コントローラ50は、原動機回転数センサ54、車速センサ56、シフトレバー装置58等に接続され、これらから入力される電気信号に基づいて次のような制御動作を行う。
【0038】
A)シフトレバー装置58から入力される指令信号に基づき、前記電磁切換弁36に指令信号を出力してその位置切換を行う。具体的に、シフトレバー装置58のレバー位置が中立位置のときは、電磁切換弁36の切換位置を中立位置とし、同様に、前記レバー位置が前進位置または後退位置にあるときは、電磁切換弁36の切換位置もそれぞれ前進位置、後退位置にする。
【0039】
B)変速機28に指令信号を出力してその変速切換を行う。
【0040】
C)原動機回転数センサ54により検出される回転数に対応する指令圧力を演算し、この指令圧力に見合う指令信号を電磁比例減圧弁44に出力してその二次圧を前記指令圧力に調節する(圧力制御手段)。この実施の形態では、コントローラ50は図2(a)の曲線bに示すように原動機の回転数の増大に伴って指令圧力が増大する特性を記憶しており、この特性に基づいて前記原動機回転数から指令圧力を演算する。
【0041】
さらに、この装置の特徴として、コントローラ50は、変速機28を高速段から低速段に切換える際には、そのときの原動機14の回転数にかかわらず、実際の指令圧力として図2(a)の曲線bに示される指令圧力(通常運転時の圧力)の最大値以上の圧力を設定し、電磁比例減圧弁44の二次圧を一時的に増加させる圧力増加手段としての機能も備えている(図3の最下段参照)。
【0042】
なお、前記電磁切換弁36の切換は、シフトレバー装置58から出力される信号を直接当該電磁切換弁36に導くことにより行ってもよい。また、コントローラ50で演算される指令圧力は、原動機回転数センサ54により検出される回転数に対応する圧力に限らず、例えばアクセルペダルの操作量に対応する指令圧力であってもよい。
【0043】
前記容量操作用油圧ポンプ20は、既述のとおり、前記原動機14の回転数の増大に伴って吐出圧が上昇するものであるが、当該油圧ポンプ20から前記絞り47及び減圧弁48を通じてシャトル弁46に入力される圧力の特性は前記図2(a)の曲線aとなっており、全回転数領域において前記電磁比例減圧弁44の指令圧力以下となっている。
【0044】
なお、この容量操作用油圧ポンプ20の吐出油の一部は、前記各チェック弁付きオーバーロードリリーフ弁32の当該チェック弁を通じて管路22,24に分配され、回路全体での作動油の補給及び冷却に供される。
【0045】
次に、この装置の作用を説明する。
【0046】
アクセルペダル10が踏み込まれると、その踏み込みに応じて原動機12の回転数が上昇し、これに伴って可変容量型油圧ポンプ18及び容量操作用ポンプ20の回転数が上昇する。
【0047】
ここで、シフトレバー装置58のレバー位置が中立位置であるときは、電磁切換弁36も中立位置にあり、レギュレータ38とシャトル弁46との間を遮断する。従って、レギュレータ38に油圧は供給されず、可変容量型油圧ポンプ18のポンプ容量はゼロであり、当該油圧ポンプ18が駆動されても吐出圧は発生しない。
【0048】
これに対し、前記レバー位置が例えば前進位置に切換えられると、電磁切換弁36が前進位置(図1では右位置)に切換えられ、シャトル弁46から出力される油圧がレギュレータ38の前進ポート(図1では右側ポート)に入力される。これを受けたレギュレータ38は可変容量型油圧ポンプ18の容量を前進方向に増大させる。この容量操作により、可変容量型油圧ポンプ18から管路22を通じて油圧モータ26に作動油が吐出され、当該油圧モータ26の出力軸及び当該出力軸に変速機28を介して連結される走行車両30が前進方向に回転する。
【0049】
ここで、前記電磁比例減圧弁44に異常がない場合、その二次圧(図2(a)の曲線b)は常に容量操作用油圧ポンプ20からシャトル弁46に入力される油圧(同図曲線a)以上の圧力に保たれるので、シャトル弁46では常に電磁比例減圧弁44から出力される油圧が高位選択され、レギュレータ38に導かれる。従って、可変容量型油圧ポンプ18の容量は、後述の低速段切換時を除いて前記曲線bで示される特性に基づき制御されることになる。
【0050】
この曲線bで示される特性は、前記容量操作用油圧ポンプ20の吐出圧特性(曲線a)に比べて特に中回転領域での指令圧力が高く、よってそのポンプ容量特性(図2(a)の曲線B)及び出力馬力特性(同図(b)の曲線B)も前記容量操作用油圧ポンプ20のポンプ容量特性(図2(a)の曲線A)及び出力馬力特性(図2(b)の曲線A)に比べて特に中回転領域で優れている。また、容量操作用油圧ポンプ20の前記各特性は油温の上昇に伴って例えば図2(a)の曲線c,C及び同図(b)の曲線Cまで低下するおそれがあるのに対し、電磁比例減圧弁44による場合の前記各特性は常に図2(a)の曲線b,B及び前記曲線Bを維持することができ、常時走行性能をフルに発揮することが可能になる。
【0051】
また、図2(c)に示す車速Vと駆動力Fとの特性についてみても、常時容量操作用油圧ポンプ20を用いてレギュレータ38を操作する場合には、原動機回転数の低下に伴って前記特性が同図曲線αで示される特性から曲線βで示される特性まで低下するのに対し、前記電磁比例減圧弁44を用いれば当該特性の低下を例えば同図曲線γの程度で抑えるといったことが可能であり、これによって走行燃費のさらなる向上を図ることが可能である。
【0052】
さらに、前記電磁比例減圧弁44の指令圧力特性として、前記図2(a)の曲線bに示される特性に加えて同図曲線b′に示される特性(曲線bに示される特性よりも低圧の特性であって曲線aで示される容量操作用油圧ポンプ20の吐出圧特性よりも高圧の特性)をコントローラ50に記憶させておき、例えば▲1▼アクセルへダル10の踏み込み操作量が少なくてローアイドル状態であると判別できる場合や、▲2▼ブレーキ操作が検出された場合には、運転者の減速の意思を推測して曲線b′の特性を選択し、適度なブレーキ力を確保する一方、それ以外の場合は前記曲線bの特性を選択して走行燃費の向上を図るようにすれば、実際の運転状態により見合ったポンプ容量制御を実現することが可能になる。
【0053】
しかも、図示の装置では、前記電磁比例減圧弁44がそのソレノイド等の故障によって正常な二次圧を出力できなくなった場合、シャトル弁46で可変容量型油圧ポンプ20側の油圧が高位選択されてレギュレータ38に導かれるため、当該電磁比例減圧弁44の故障時にも支障なく走行を持続できる効果が得られる。
【0054】
次に、変速機28が高速段から低速段に切換えられる低速段切換時の作用を図3のタイムチャート及び図4のフローチャートに基づいて説明する。
【0055】
コントローラ50は、例えば図3に示すように車速Vが徐々に減少する減速時において、車両の運転状態が特定の条件を満たしたときに変速機28を高速段から低速段に切換える。この低速段切換条件については適宜設定可能である。
【0056】
当該条件として、図4に示す例では、シフトレバー装置58でシフトダウン操作され(ステップS1でYES)、かつ、車速センサ56が予め設定された許容速度以下の車速Vを検出したとき(ステップS2でYES)、もしくは、シフトレバー装置58がオートマチック走行ポジションにあり(ステップS3でYES)、かつ、車速センサ56により検出される車速Vが原動機回転数(またはアクセルペダル10の踏み込み操作量)の関係から求められる許容車速以下であるときに(ステップS4でYES)、図3の下から3段目及び2段目に示されるように変速機28にシフトダウン指令信号を出力して低速段切換を開始する(ステップS5)。
【0057】
このような低速段切換が行われても、変速の切換応答の間は、車両の慣性があるため、図3に示すように車速V及び走行車輪30の回転数は急には低下しない。従って、油圧モータ26の回転数Nmが急激に上昇する場合がある。ここで、何らの対策も施さなければ、モータ回転数Nmの上昇に伴って管路24の圧力Pが急激に上昇し、急ブレーキの発生や油圧機器の損傷等を招くおそれがある。
【0058】
その対策として、図示の装置では、コントローラ50が、前記低速段切換の開始時(図3の点A)とほぼ同時に電磁比例減圧弁44の指令圧力を前記図2(a)の曲線bに示される圧力よりも上昇させ(図3の最下段)、低速段切換の完了時(同図点B)から僅かに遅れて前記指令圧力を本来の圧力(前記曲線bで示される圧力)に戻す。すなわち、電磁比例減圧弁44の指令圧力を所定時間だけアップする(図4のステップS6)。
【0059】
これにより、可変容量型油圧ポンプ18のポンプ容量Dpひいてはポンプ吸収流量Qpが一時的に増大し、前記モータ回転数Nmの急増に伴うモータ吐出流量Qmの増大が前記可変容量型油圧ポンプ18の回転を通じてエンジンブレーキという形態で吸収されることになる。具体的に、可変容量型油圧ポンプ18による原動機12の駆動トルクTpは、概ね、
Tp=Dp×P/2π
で表されるため、前記ポンプ容量Dpを一時的に増大させることにより、前記モータ回転数Nmの急増によるエネルギー増加分を原動機12の駆動トルクTpを利用して有効に吸収することができる。
【0060】
このとき、減速度は一時的に低下して車速Vがほとんど減速しない状態が生ずるが、従来のようにリリーフ作動で流量を吸収するものと異なり、当該流量吸収に要する時間は高速段から低速段への変速過渡期とほぼ同等の時間で十分であって一般には100msec程度と僅かであり、運転者に違和感を与えるおそれはほとんどない。また、閉回路内での温度上昇も生じにくく、油圧機器等を傷めるおそれもない。
【0061】
なお、前記変速過渡期においては、低速段切換完了前に回路圧力P及び減速度aが復帰し始め(図3の点D)、同時点から原動機回転数Ne及びポンプ吸収流量Qpも増加し始めることになる。
【0062】
また、前記変速過渡期の終了前あたりから図3に示すように電磁比例減圧弁44の指令圧力及びポンプ容量Qpを徐々に減少させていくようにすれば、当該ポンプ容量Qpを一時的な増加状態から通常状態へと滑らかに移行していくことが可能になる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施の形態を図5及び図6を参照しながら説明する。
【0064】
この実施の形態では、前記図1に示した電磁比例減圧弁44に代え、図5に示すように、高圧油圧源42と高位選択弁であるシャトル弁46との間に電磁切換弁45が介在している。
【0065】
この電磁切換弁45は、コントローラ50からソレノイドの励磁信号(指令信号)が入力されない場合には高圧油圧源42からシャトル弁46への油圧供給を遮断する位置(図5では下位置)に切換えられ、前記励磁信号が入力された場合には前記高圧油圧源42からシャトル弁46への油圧供給を許容する位置(図5では上位置)に切換えられるように構成されている。また、前記高圧油圧源42の出力する油圧は容量操作用ポンプ20から絞り47及び減圧弁48を通じてシャトル弁46に供給される作動油の最高圧よりも高い圧力に設定されている。
【0066】
一方、コントローラ50は、変速機28を高速段から低速段へ切換える低速段切換時以外の運転時には、前記電磁切換弁45に励磁信号を入力せず(すなわち電磁切換弁45を遮断位置に切換え)、逆に前記低速段切換時には、図6の最下段に示すように、低速段への切換開始時点Aとほぼ同時に電磁切換弁45に励磁信号を入力して同弁45を許容位置に切換え、その後、切換終了時点Bを所定の微小時間だけ過ぎた時点Dで前記励磁信号の入力を停止して電磁切換弁45を遮断位置に切換えるように構成されている。
【0067】
この実施の形態にかかる装置では、前記低速段切換時以外の運転時には、前記電磁切換弁45が遮断位置にあって高圧供給源42からシャトル弁46への油圧供給を遮断するため、当該シャトル弁46では前記容量操作用油圧ポンプ20から絞り47及び減圧弁48を通じて供給される油圧が高位選択される。従って、電磁切換弁36が前進位置(図4の左位置)または後退位置(同図右位置)に切換えられると、レギュレータ38には専ら容量操作用油圧ポンプ20から吐出される作動油が供給されることとなり、可変容量型油圧ポンプ18のポンプ容量Dp(図6)は、原動機回転数Neの変化に伴い前記図2(a)の曲線aで示される特性で操作される。
【0068】
これに対し、変速機28が高速段から低速段に切換えられる低速段切換時には、電磁切換弁45が許容位置に切換えられて高圧供給源42からシャトル弁46に油圧が供給される状態となり、かつ、その供給油圧は容量操作用油圧ポンプ20から絞り47及び減圧弁48を通じてシャトル弁46に供給される油圧よりも高いため、当該高圧供給源42の出力する油圧が高位選択されてレギュレータ38に導かれる。これにより、可変容量型油圧ポンプ18のポンプ容量Dp及びポンプ吸収流量Qpが一時的に増大するため(図6)、前記図1〜図4に示した装置と同様、低速段切換時のモータ回転数Nmの増大に伴うモータ吐出流量Qmの増大を前記可変容量型油圧ポンプ18で有効に吸収することができる。
【0069】
この場合も、ポンプ容量Dpの増大は低速段切換過渡期に対応した僅かな期間でよいため、当該期間で一時的に減速度aが低下しても(車速Vが低下しなくても)運転者に違和感を与えることはほとんどない。
【0070】
なお、図5に示す装置では、高圧供給源42からレギュレータに油圧が供給される状態と、容量操作用油圧ポンプ20から油圧が供給される状態とに切換える油圧供給切換手段として、電磁切換弁45及びシャトル弁46を利用しているが、例えばこれらを省略して、外部からの指令信号により前記両状態の切換を行う2位置の電磁切換弁を設置するようにしてもよい。
【0071】
その他、本発明は例えば次のような実施の形態をとることも可能である。
【0072】
1)図2(a)に示す例では、原動機回転数と電磁比例減圧弁44の指令圧力との特性として曲線b,b′で示される2種類の特性を具備するものを示したが、当該特性の数や具体的内容は適宜設定可能である。例えば、前記曲線b,b′のいずれかに代え、またはこれらに加えて、登坂時用の特性や急加速用の特性を加えるようにしてもよい。
【0073】
2)変速機26における変速段の数も特に問わない。変速段を3段以上具備する場合、全ての低速段切換時(例えば高速段から中速段への移行時も含む。)について本発明にかかるポンプ容量増大制御を適用してもよいし、特にモータ回転数の増大が深刻となる低速段切換についてのみ前記ポンプ容量増大制御を適用してもよい。
【0074】
3)前記図1では、電磁比例減圧弁44から出力される油圧と容量操作用油圧ポンプ20から出力される油圧とがシャトル弁46で高位選択されてレギュレータ38に導かれる装置が示されているが、同装置において容量操作用油圧ポンプ20の省略は可能である。高位選択を行う場合でも、必ずしも図示のようなシャトル弁(高位選択弁)46を用いるものに限らず、実質上高位選択がなされる構成であればよい。例えば、第3の実施の形態として図7に示すように、電磁比例減圧弁42からの出力と容量操作用油圧ポンプ20からの出力との合流点60と当該電磁比例減圧弁42との間にチェック弁62を介在させただけの構成でも、容量操作用油圧ポンプ20側の減圧弁48の流量が小さくて前記合流点60で実質上高位選択がなされる構成であれば、特にシャトル弁46を要しない。
【0075】
4)図3及び図6に示すタイムチャートでは、低速段切換開始と同時にポンプ容量Dpを増加させ、低速段切換終了時点から僅かな時間が経過した時点でポンプ容量Dpの増加を停止させるようにしているが、低速段切換開始時点及び終了時点と、ポンプ容量Dpの増加開始時点及び終了時点との間にはそれぞれ僅かなずれ(例えば100msec程度のずれ)があってもよい。要は、低速段切換の際に確実にポンプ容量Dpが増量され、かつ、その増量時期が当該増量による減速度の低下によって運転者に違和感を与えない程度に短時間に抑えられていればよく、変速機28の各段のクラッチの締結応答性や変速比を加味して前記ポンプ容量増加のタイミング設定をすればよい。
【0076】
【発明の効果】
以上のように本発明は、可変容量型油圧ポンプと油圧モータとで閉回路が構成される油圧式走行駆動装置において、前記油圧モータと走行用車輪との間に介在する変速機が高速段から低速段に切換えられる際に前記可変容量型油圧ポンプの容量を一時的に大きくすることによってモータ回転数の増加に伴うモータ吐出流量の急増を吸収するようにしたものであるので、閉回路内の急激な昇温や運転者の違和感を伴うことなく変速機の低速段切換時におけるショックを有効に低減することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる油圧式走行駆動装置を示す油圧回路図である。
【図2】(a)は図1に示す装置における原動機回転数と電磁比例減圧弁の指令圧力及びポンプ容量との関係を示すグラフ、(b)は同装置における原動機の回転数と原動機出力、原動機トルク、及び出力馬力との関係を示すグラフ、(c)は車速と駆動力との関係を示すグラフである。
【図3】図1に示す装置の低速段切換時における作用を示すタイムチャートである。
【図4】前記低速段切換時でのコントローラの制御動作例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかる油圧式走行駆動装置を示す油圧回路図である。
【図6】図5に示す装置の低速段切換時における作用を示すタイムチャートである。
【図7】本発明の第3の実施の形態にかかる油圧式走行駆動装置を示す油圧回路図である。
【符号の説明】
10 アクセルペダル
12 原動機
18 可変容量型油圧ポンプ
20 容量操作用油圧ポンプ
22,24 管路
26 油圧モータ
28 変速機
30 走行用車輪
38 レギュレータ
40 容量操作手段
42 高圧油圧源
44 電磁比例減圧弁
45 電磁切換弁
46 シャトル弁(高圧選択部)
50 コントローラ(圧力制御手段及び圧力増加手段)

Claims (8)

  1. 原動機により駆動される可変容量型油圧ポンプと、変速機を介して車両の走行用車輪に連結される油圧モータとを含む閉回路が構成されるとともに、前記原動機の回転数の上昇に伴って前記可変容量型油圧ポンプの容量を増大させる容量操作手段を備え、この容量操作手段は、油圧の供給を受けて当該油圧が高いほど前記可変容量型油圧ポンプの容量を大きくするレギュレータと、このレギュレータに油圧を供給するための油圧供給源と、この油圧供給源と前記レギュレータとの間に介在し、前記油圧供給源から供給される油圧を入力される指令信号に応じた圧力まで減圧して前記レギュレータに導く減圧弁と、前記原動機の回転数の上昇に伴って前記減圧弁の二次圧を高くするような指令信号の特性を記憶し、この特性に基づく指令信号を前記減圧弁に入力する圧力制御手段とを含み、かつ、この圧力制御手段は、前記変速機が高速段から低速段に切換えられる際に前記減圧弁の二次圧を前記特性に基づく指令信号に応じた圧力よりも一時的に大きくする圧力増加手段を含むことを特徴とする油圧式走行駆動装置。
  2. 請求項1記載の油圧式走行駆動装置において、前記圧力増加手段は、前記変速機が高速段から低速段へ切換えられる時点またはそれよりも前の時点から前記減圧弁の二次圧の増加を開始し、前記低速段への切換終了時または当該切換終了から一定時間が経過した後に前記減圧弁の二次圧の増加を停止することを特徴とする油圧式走行駆動装置。
  3. 請求項1または2記載の油圧式走行駆動装置において、前記圧力増加手段は、前記変速機が高速段から低速段に切換えられる際、前記減圧弁の二次圧を増加させた後に徐々に減少させることを特徴とする油圧式走行駆動装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の油圧式走行駆動装置において、前記圧力制御手段は、前記原動機の回転数に対する前記指令信号の特性として複数種の特性を記憶しており、これらの特性のうち車両の運転状態に対応した特性を選択して当該特性に基づき指令信号を決定することを特徴とする油圧式走行駆動装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の油圧式走行駆動装置において、前記容量操作手段は、前記減圧弁に接続される油圧供給源とは別の油圧供給源として、前記原動機の出力軸に連結されて当該原動機の回転数の上昇に伴い吐出圧が増大する容量操作用油圧ポンプと、前記容量操作用油圧ポンプから供給される油圧と前記減圧弁の二次側から供給される油圧のうち高位のものを前記レギュレータに導く高圧選択部とを含み、かつ、前記減圧弁の二次圧が常に前記容量操作用油圧ポンプから供給される油圧よりも高くなる
    ように当該二次圧の特性が設定されていることを特徴とする油圧式走行駆動装置。
  6. 原動機により駆動される可変容量型油圧ポンプと、変速機を介して車両の走行用車輪に連結される油圧モータとを含む閉回路が構成されるとともに、前記原動機の回転数の上昇に伴って前記可変容量型油圧ポンプの容量を増大させる容量操作手段を備え、この容量操作手段は、前記変速機が高速段から低速段に切換えられる際にその低速段切換時以外の運転時よりも前記可変容量型油圧ポンプの容量を一時的に大きくする容量増加手段と、前記原動機の出力軸に連結され、当該原動機の回転数の上昇に伴って吐出圧が増大する容量操作用油圧ポンプと、この容量操作用油圧ポンプからの油圧の供給を受けて前記可変容量型油圧ポンプの容量を操作し、かつ、当該油圧が高いほど前記容量を大きくするレギュレータとを含み、さらに、前記容量増加手段として、前記容量操作用油圧ポンプよりも高い油圧を供給するための高圧供給源と、前記レギュレータに対して前記容量操作用油圧ポンプから油圧が供給される状態と前記高圧供給源から油圧が供給される状態とに切換える油圧供給切換手段と、前記変速機の高速段から低速段への切換時には前記レギュレータに対して前記高圧供給源から油圧が供給される状態に切換え、当該低速段への切換時以外の運転時には前記レギュレータに対して前記容量操作用油圧ポンプから油圧が供給される状態に切換えるように前記油圧供給切換手段を作動させる切換制御手段とを含むことを特徴とする油圧式走行駆動装置。
  7. 請求項6記載の油圧式走行駆動装置において、前記容量増加手段は、前記変速機が高速段から低速段へ切換えられる時点またはそれよりも前の時点から前記可変容量型油圧ポンプの容量の増加を開始し、前記低速段への切換終了時または当該切換終了から一定時間が経過した後に前記可変容量型油圧ポンプの容量の増加を停止することを特徴とする油圧式走行駆動装置。
  8. 請求項6または7記載の油圧式走行駆動装置において、前記油圧供給切換手段は、前記高圧供給源から前記レギュレータへの油圧の供給を許容する許容状態と当該供給を遮断する遮断状態とに切換えられる切換弁と、この切換弁から出力される油圧と前記容量操作用油圧ポンプから供給される油圧のうち高位のものを前記レギュレータに導く高圧選択部とを含み、前記切換制御手段は、前記変速機の高速段から低速段への切換時には前記切換弁を前記許容状態に切換え、当該低速段への切換時以外の運転時には前記切換弁を前記遮断状態に切換えるものであることを特徴とする油圧式走行駆動装置。
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