JP4118585B2 - マスクブランクの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、方形状等の基板表面にレジスト、レジスト下地反射防止膜(BARC:Bottom Anti-Reflective Coating)、レジスト上層反射防止膜(TARL:Top Anti-Reflective Layer)、レジスト上層保護膜、導電性膜等(本明細書中、代表(総称)してレジストと称す)を特定の方法で回転塗布する回転塗布方法に関し、特に、レジストの塗布膜厚をより均一にするためのレジスト回転塗布条件決定方法、及びレジスト回転塗布方法、並びにこれらの方法によってレジスト膜、レジスト下地反射防止膜、レジスト上層反射防止膜、レジスト上層保護膜、導電性膜等々あるいはこれらの組合せが形成されたフォトマスクブランク等に関する。
【0002】
【従来の技術】
レジストの回転塗布方法としては、従来一般に、図15にその基本構成を示す回転塗布装置が使われているが、特に方形状基板における塗布膜厚の均一化を目的に、「所望の膜厚に対応した設定回転数と、所定の回転時間と、前記設定回転数と前記所定の回転時間との積を選定して基板を回転させる均一化工程と、これに引き続いて、前記均一化工程の設定回転数よりも低い回転数で前記基板を回転させてレジストを乾燥させる乾燥工程からなることを特徴とするレジスト塗布方法」が提案されている(特公平4−29215号公報)。
この提案では、レジストの膜厚及び濃度(粘度)を考慮して、均一化工程での基板の回転数設定値Rを100〜6000(rpm)の範囲内の所定値に選定し(望ましくは250〜2000(rpm)としている)、回転時間Tを前記設定回転数R(所定値)に到達してから20(秒)以下にし、かつ、前記設定回転数Rと回転時間Tとの積(R×T)を24000(rpm・秒)以下としている。また、均一化工程に引き続く乾燥化工程の回転数は実験的には130(rpm)以下としている。
さらに、レジストの粘度を調整する溶媒の蒸気圧(20℃において)を20(mmHg)以下としている。そして、これらの条件を満たすことによって、方形基板の内接円の外側のレジストの盛り上がり(フリンジ)を低減でき、このフリンジの低減によって膜厚が均一である領域を広げることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記提案は、均一化工程の回転数と回転時間の組み合わせ(回転条件)の範囲を図16の曲線aの内側(左下斜線を付した範囲)、望ましくは右下斜点線を付した範囲に限定しているに過ぎす、上記利用分野で実用的に要求される条件下において、即ち、所定のレジスト種と所望の膜厚及び所望の有効領域において、「最も高い面内膜厚均一性」が得られる回転条件の選定手法を提案するものではない。
また、乾燥工程における回転数の選定についても上限を定めているのみであり、これもまた、最も高い面内膜厚均一性が得られる回転条件の選定手法や乾燥回転数の最適化手法を提案するものではない。
さらに、レジスト液の濃度(粘度)の調整法についても、溶媒の蒸気圧に上限を設けているに過ぎず、濃度の最適化の手法を提案するものではない。
以上のことから従来は、上記提案の数値範囲内において試行錯誤でレジス卜塗布条件を決定しており、所望の面内膜厚均一性を得るために多大な時間を要していた。
また従来は、各塗布条件同士での面内膜厚均一性の相対的な評価を行うことはできたが、決定した条件(回転数や回転時間)が、面内膜厚均一性の限界値であるか否か(即ち最も高い面内膜厚均一性を得るための最適塗布条件であるか否か)を判断することができなかった。即ち、従来の方法では、面内膜厚均一性の絶対的な評価を行うことができなかった。
また、レジスト溶液(塗布する液)の製造ばらつき(品質のばらつき)、あるいは粘度調整のための希釈ばらつき、からレジスト濃度が規格値あるいは目標値に対し大きく変動することがある。このレジスト濃度が大きく変動した状態で、レジストを塗布すると、所望の面内膜厚均一性が得られないという問題点もあった。
また、面内膜厚均一性が塗布条件(回転数や回転時間)や塗布環境(周囲の温度や湿度)に非常に敏感なあるレジスト種において、塗布装置要因や環境要因によるこれら条件の設定値に対する変動があると、所望の面内膜厚均一性が得られないという問題点もあった。
また、あるレジスト種において、例えば3000〜5000オングストローム又は3000〜4000オングストロームの広い範囲で、所望の面内膜厚均一性を得たいという場合に、従来の方法では、それぞれ各レジスト膜厚に対する塗布条件を求めていたため、多大な時間を要していた。また、多くの濃度(粘度)の異なるレジストの溶液と各溶液のための設備(溶液の濾過機構を含むレジストの溶液滴下装置)を必要としていた。
【0004】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、上述した特定の方法でレジストや他の塗布溶液を回転塗布する回転塗布方法に関し、主回転条件の最適化手法、乾燥回転条件の最適化手法、及び、レジストや他の塗布溶液の濃度(粘度)条件の最適化手法の提供、並びに、これらの最適条件を試行錯誤によらず確実(一義的)に求める手法の確立を、第1の目的とする。
また、レジスト種や他の塗布溶液が変化した場合、所望の有効領域が変化した場合、所望の膜厚が変化した場合、回転塗布装置(例えば、カップ形状、チャック形状等々)が変化した場合、においても、最適回転塗布条件を試行錯誤によらず迅速かつ一義的に求めることができる手法の提供を、目的とする。
また、所定のレジスト種や他の塗布溶液において、所望の有効領域において所望の面内膜厚均一性(特に最も高い面内膜厚均一性)を試行錯誤によらず確実(一義的)に得ることができる回転塗布条件決定方法、及び回転塗布方法、並びにこの方法によってレジスト膜、その他の膜等々あるいはそれらの組合せが形成されたマスクブランク又は基板の提供を第2の目的とする。
また、所定のレジスト種や他の塗布溶液において、所望の有効領域における所望の(平均)膜厚と所望の面内膜厚均一性を試行錯誤によらず確実(一義的)に得ることができる回転塗布条件決定方法、及び回転塗布方法、並びにこの方法によってレジスト膜、その他の膜等々あるいはそれらの組合せが形成されたマスクブランク又は基板の提供を第3の目的とする。
また、レジストや他の塗布溶液の特性に応じて、最適な回転塗布条件を試行錯誤によらず確実に得ることができる回転塗布条件決定方法、及び回転塗布方法、並びにこの方法によってレジスト膜、その他の膜等々あるいはそれらの組合せがが形成されたマスクブランク又は基板の提供を第4の目的とする。
また、1つのレジスト濃度又は他の塗布溶液の1つの濃度で、複数のレジスト膜厚又は複数の塗布膜厚が、所定の面内膜厚均一性の範囲内で塗布できる回転塗布方法の提供を第5の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は以下の構成を有する。
(構成1)基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、上記回転塗布方法において、レジスト液の濃度(粘度)を任意の濃度に固定し、かつ、前記乾燥工程における乾燥回転数を任意の回転数に固定し、この条件下で、前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間をそれぞれパラメータとしてそれぞれ段階的に変化させて得られる複数の条件でレジストを塗布した複数の試料を作製し、
各試料のレジスト膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られる面内膜厚分布から求めた面内膜厚均一性を求めることによって、各試料の主回転数及び主回転時間の組合せ条件と、各試料の面内膜厚均一性との関係を求め、これを基準データAとし、
所望の面内膜厚均一性を得るための主回転数及び主回転時間の組合せ条件Iを、前記基準データAから決定し、
この主回転数及び主回転時間の組合せ条件Iに従ってレジスト塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成2) 前記基準データAが、縦軸、横軸を前記主回転数、前記主回転時間とし、同じ面内膜厚均一性となる点を等高線で結んだ等高線図、又は、X軸、Y軸、Z軸に前記主回転数、前記主回転時間、前記面内膜厚均一性の点をプロットして描いた鳥瞰図、であることを特徴とする構成1に記載の回転塗布方法。
(構成3)基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、構成1又は2における基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を、レジスト液の濃度(粘度)を段階的に変化させて複数求め、この複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群の中から最も高い面内膜厚均一性が得られるレジスト液の濃度(粘度)条件IIを決定し、
このレジスト液の濃度(粘度)条件IIに従ってレジスト塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成4)基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、構成1又は2における基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を、レジスト液の濃度(粘度)は任意の濃度に固定し、前記乾燥工程における乾燥回転数を段階的に変化させて複数求め、この複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群の中から最も高い面内膜厚均一性が得られる乾燥回転数条件IIIを決定し、
この乾燥回転数条件IIIに従ってレジスト塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成5)基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間を、構成1で決定した主回転数及び主回転時間の条件Iに固定した条件下で、前記乾燥工程における乾燥回転数を段階的に変化させて得られる複数の条件でレジストを塗布した複数の試料を作製し、
各試料のレジスト膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られる面内膜厚分布から求めた面内膜厚均一性を求めることによって、各試料の乾燥回転数と、各試料の面内膜厚均一性との関係を求め、これを基準データBとし、最も高い面内膜厚均一性を得るための乾燥回転数の条件IVを、前記基準データBから決定し、
この乾燥回転数の条件IVに従ってレジスト塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成6)基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間を、構成1で決定した主回転数及び主回転時間の条件Iに固定した条件下で、レジスト液の濃度(粘度)を段階的に変化させて得られる複数の条件でレジストを塗布した複数の試料を作製し、
各試料のレジスト膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られるレジスト膜厚の平均値を求めることによって、各試料のレジスト液の濃度(粘度)と、各試料のレジスト膜厚の平均値との関係を求め、これを基準データCとし、
所望のレジスト平均膜厚を得るためのレジスト液の濃度(粘度)の条件Vを、前記基準データCから決定し、
このレジスト液の濃度(粘度)の条件Vに従ってレジスト塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成7)基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間を、構成1で決定した主回転数及び主回転時間の条件Iに固定し、かつ、前記乾燥工程における乾燥回転数を構成5で決定した乾燥回転数の条件IVに固定した条件下で、レジスト液の濃度(粘度)を段階的に変化させて得られる複数の条件でレジストを塗布した複数の試料を作製し、
各試料のレジスト膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られるレジスト膜厚の平均値を求めることによって、各試料のレジスト液の濃度(粘度)と、各試料のレジスト膜厚の平均値との関係を求め、これを基準データC’とし、
所望のレジスト平均膜厚を得るためのレジスト液の濃度(粘度)の条件V’を、前記基準データC’から決定し、
このレジスト液の濃度(粘度)の条件V’に従ってレジスト塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成8)基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、まず、構成1又は2記載の主回転条件の決定方法によって主回転数及び主回転時間の条件Iに選択固定し、
次いで、構成5記載の乾燥回転条件の決定方法によって乾燥回転数の条件IVに選択固定し、
次いで、構成7記載のレジスト濃度(粘度)の決定方法によってレジスト液の濃度(粘度)の条件V’に選択固定し、
これらの条件I、条件IV及び条件V’に従ってレジスト塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成9) 構成4記載の回転塗布方法において、前記乾燥回転数の条件IIIを、前記複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群から決定するに際し、実際の塗布プロセスにおける主回転数及び/又は主回転時間の設定値に対する変動、又は所望のレジスト平均膜厚を得るためのレジスト濃度(粘度)の変動に対し、面内膜厚均一性の変動が小さく安定となる乾燥回転数の条件を選択して、レジスト塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成10) 構成4記載の回転塗布方法において、前記乾燥回転数の条件IIIを、前記複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群から決定するに際し、 同じレジスト濃度(粘度)のレジストを用いて複数の膜厚を塗布した場合、一定の面内膜厚均一性の範囲で複数の膜厚を塗布可能な乾燥回転数の条件IIIを選択して複数の膜厚のレジスト塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成11) 前記基板は方形状基板であることを特徴とする構成1〜10の何れかに記載の回転塗布方法。
(構成12) 前記構成1〜7に記載の回転塗布方法において求めた少なくとも一の基準データに基づいて回転塗布条件を決定することを特徴とする回転塗布条件決定方法。
(構成13) 遮光機能を有する遮光機能層及び/又は位相シフト層を少なくとも有する基板上に、前記構成1〜11に記載の回転塗布方法によってレジスト膜を形成したことを特徴とするマスクブランク。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について、レジストの塗布を例に詳細に説明する。 本発明は、特定のレジス卜回転塗布方法、即ち、基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有するレジス卜回転塗布方法に関するものである。尚、ここで言う乾燥回転時間の下限値は、一般にレジストが完全に乾燥するまでに要する時間を言う。
【0007】
構成1記載の発明における基準データAを求めるには、まず、上記特定のレジス卜回転塗布方法において、レジスト液の濃度(粘度)を任意の濃度(例えば市販のレジスト濃度)に固定し、かつ、前記乾燥工程における乾燥回転数を任意の回転数(例えば50〜300rpm)に固定し、この条件下で、前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間をそれぞれパラメータとしてそれぞれ段階的に変化させて得られる複数の条件でレジストを塗布した複数の試料を作製する。そして、各試料のレジスト膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られる面内膜厚分布から求めた面内膜厚均一性(即ち、面内膜厚分布における膜厚の最大値と最小値の差異、又は標準偏差)を求めることによって、各試料の主回転数及び主回転時間の組合せ条件と、各試料の面内膜厚均一性との関係を求め、これを基準データAとする。
上記基準データAは、主回転数及び主回転時間の組合せ条件(点)、各組合せ条件(点)に対応する面内膜厚均一性のデータ(さらには各組合せ条件(点)に対応する膜厚の平均値データ)をそのまま記録した生データ、あるいはこの生データを加工し視覚的に面内膜厚均一性がわかるようにしたもの、又は、前記生データを記憶手段に記憶させたもの、あるいは記憶手段に記憶させた前記生データを加工し視覚的に面内膜厚均一性がわかるようにしたもの等が挙げられる。
【0008】
以下、基準データAの一態様である等高線図(構成2)について説明する。
尚、以下に示す例では、電子線描画用ポジ型レジストZEP7000(日本ゼオン社製)を使用した場合を挙げて本発明を説明するが、他のレジスト種についても本発明を適用できることは言うまでもない。また、データ加工例の具体例として等高線図を挙げて本発明を説明するが、面内膜厚均一性や平均膜厚を3次元的に模式化する鳥瞰図を使用した場合についても本発明を適用できることは言うまでもない。
例えば、図1(a)に示すように、レジスト濃度5.2%、乾燥回転数300rpmに固定し、この条件下で、6インチ(1インチ=25.4mm)角(152.4mm×152.4mm)の基板上に、回転数を900〜1800rpmの範囲で150rpm間隔で段階的に変化させ(7条件)、回転時間を4〜16秒の範囲で2秒間隔で段階的に変化させ(7条件)、これらの条件の組合せ7×7=49条件について、レジストを塗布しその後ホットプレート等の熱処理装置によって220℃で10分間塗布後のベーク処理をして49枚の基板を作製し、各基板について基板上の有効領域(132mm×132mm)内の全体に均等に配した11×11=121点(図9参照)でレジストの膜厚を分光反射型膜厚計(ナノメトリクス・ジャパン社製:AFT6100M)で測定し、面内膜厚分布(各測定点における膜厚データ)を求める。この面内膜厚分布データから、(膜厚の最大値)−(膜厚の最小値)=(面内膜厚均一性)として面内膜厚均一性を求める。また、121点で測定した膜厚の平均値を算出してレジスト平均膜厚を後で使用するため求めておく。
これらの主回転数、主回転時間、面内膜厚均一性、及びレジスト平均膜厚のデータをデータ記憶手段に記憶する。
次に、主回転数、主回転時間、面内膜厚均一性の関係が視覚的にわかるように、以下のようにデータ加工する。
主回転数を横軸とし主回転時間を縦軸とするグラフの対応する位置に、前記面内膜厚均一性をプロットする。プロットした面内膜厚均一性のデータをもとに、横軸方向、縦軸方向、両対角線方向に仮想の面内膜厚均一性データを割り振る。この割り振られた仮想の面内膜厚均一性データに対し、20〜200オングストロームの範囲で、10オングストローム間隔で段階的に設定した面内膜厚均一性(30オングストローム、40オングストローム、50オングストローム、…、200オングストロームの18段階)となる点を求め(割り振り)、同じ面内膜厚均一性となる点を等高線で結んで等高線図を作成する。
尚、上記等高線図は、データ記憶手段に記憶したデータを、データ加工(ソフトウエア処理)することによって作成することができる。
また、上述の主回転数、主回転時間、面内膜厚均一性の範囲は、適宜調整することができ、面内膜厚均一性のレベルが精度良く判定できる程度に上記間隔を細かくすることが好ましい。また、上述の主回転数、主回転時間をそれぞれ段階的に変化させる範囲は、面内膜厚均一性の変化の傾向が把握でき、良好な面内膜厚均一性の範囲が把握できる程度に、広く取ることが好ましい。
【0009】
そして、実際、基板上にレジストを塗布するに当たっては、上記基準データA又は上記等高線図あるいは鳥瞰図から、所望の面内膜厚均一性を得るための主回転数及び主回転時間の組合せ条件Iを求め、この求めた組合せ条件Iに従ってレジスト塗布を行う。例えば、上記図1(a)における面内膜厚均一性が30〜40オングストロームと最も高い最適領域内や、面内膜厚均一性が40〜50オングストロームと高い領域内の条件でレジスト塗布を行うことが可能である。但し、この場合、所望の面内膜厚均一性が得られる条件でレジスト塗布を行うことが可能であるが、所望の膜厚が得られるとは限らない。
尚、上述の例では、面内膜厚均一性の等高線図を作成して基準データAを視覚化したが、段階的に面内膜厚均一性の範囲を設定せずに、各方向に対し面内膜厚均一性値が連続的に変化するように基準データAを視覚化(例えばグレースケールによる濃淡化処理、色の変化(スードカラー(pseudo-color)を使った連続化処理等)しても構わない。また、上記の仮想の面内膜厚均一性データは、横軸方向、縦軸方向の2方向、あるいは片側の対角線方向に割り振ることもできるが、精度は落ちる。さらに、基準データAから直接又はソフトウエア処理を介して、所望の面内膜厚均一性を得るための主回転数及び主回転時間の組合せ条件Iを求めることも可能である。
【0010】
図1(b)は、主回転数を横軸とし主回転時間を縦軸とするグラフにおける対応する位置に、上記で求めたレジスト平均膜厚をプロットし、図1(a)と同様の手法で塗布膜厚の等高線を求めた図である。
詳しくは、以下のようにしてレジスト塗布膜厚の等高線図を求める。
上記基準データAから主回転数を横軸とし主回転時間を縦軸とするグラフの対応する位置に、上記で求めたレジスト平均膜厚をプロットし、プロットしたレジスト平均膜厚のデータをもとに、横軸、縦軸、平均膜厚が減少或いは増加傾向を示す対角線方向に仮想のレジスト平均膜厚データを割り振る。
この割り振られた仮想のレジスト平均膜厚データに対し、2000〜7500オングストロームの範囲で、500オングストローム間隔で段階的に設定したレジスト平均膜厚(2000オングストローム、2500オングストローム、…、7500オングストロームの11段階)となる点を求め(割り振り)、同じレジスト膜厚となる点を等高線で結んでレジスト平均膜厚の等高線図を作成する(図1(b))。
図1(a)の面内膜厚均一性30〜40オングストロームの最適領域内の条件では、約3500〜4700オングストロームの範囲の膜厚を塗布できる(図1(b))。同様に図1(a)の面内膜厚均一性41〜50オングストロームの領域内の条件では約3300〜4800オングストロームの範囲の膜厚を塗布できる(図1(b))。したがって、上述したように、所望する膜厚がこれらの膜厚範囲内にあれば、これらの条件でレジストを塗布できる。
尚、上記レジスト平均膜厚の等高線図においては、主回転数、主回転時間、レジスト平均膜厚の範囲は、上述と同様に適宜調整することができる。また、上記レジスト平均膜厚の等高線図を用いると、例えば主回転数及び主回転時間の変動に対する塗布膜厚安定性等がわかるなど、情報量が多いので好ましい。
【0011】
構成3記載の発明は、上記構成1又は2記載の基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を、レジスト液の濃度(粘度)を段階的に変化(少なくとも2段階)させて複数求め、この複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群の中から最適なレジスト液の濃度(粘度)条件IIを決定し、このレジスト液の濃度(粘度)条件IIに従ってレジスト塗布を行う方法に関する。即ち上記構成1又は2記載の基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を利用したレジスト濃度の最適化方法に関する。
構成3では、第1に、例えば、これら複数の等高線図群のうちで、面内膜厚均一性が最も高くなる領域が得られるレジスト濃度及びそれに対応する等高線図を選択し、選択した等高線図における面内膜厚均一性が最も高い最適領域内の条件でレジスト塗布を行うことができる。
具体的には、例えば、図2(a)に示すように、レジスト濃度を4.7%に変え、乾燥回転数を300rpmに固定し、6インチ角の基板について、上記と同様にして等高線図を求める。図2(a)から、レジスト濃度が4.7%の場合は20〜30オングストローム以下の面内膜厚均一性が得られ、図1(a)に示すレジスト濃度5.2%の場合の30〜40オングストローム以下の面内膜厚均一性に比べ、面内膜厚均一性を向上できることがわかる。ただし、例えば、レジスト濃度が4.7%の場合は、20〜30オングストローム以下の面内膜厚均一性範囲内でレジストを塗布できる膜厚が約2800〜3800オングストロームの範囲限られてしまう。このように、実際には所望のレジスト平均膜厚が得られる主回転数及び主回転時間の組合せ条件と、所望の面内膜厚均一性が得られる主回転数及び主回転時間の組合せ条件と、が一致しない場合がある。
【0012】
その場合の一態様として、次に示す方法を採用できる。
構成3では、第2に、例えば、これら複数の等高線図群のうちで、面内膜厚均一性が最も高い最適領域内又は面内膜厚均一性が高い領域内の条件で、所望のレジスト膜厚が得られる等高線図を選択することによって、レジストの面内膜厚均一性が高くかつ所望の膜厚が得られる条件でレジスト塗布を行うことができる。具体的には、例えば、所望のレジスト膜厚が4000〜4500オングストロームである場合、面内膜厚均一性31〜40オングストロームの領域内の条件で4000〜4500オングストロームのレジスト膜厚が得られる図1(a)の等高線図を選択する。図2(a)の等高線図を選択した場合、面内膜厚均一性31〜40オングストロームの領域内の条件では2200〜3750オングストロームのレジスト膜厚を得ることができる。
尚、上記の例では、いずれもレジスト濃度を2段階しか変化させていないが、より広い範囲でより段階的に変化させて、より最適なレジスト濃度条件を見いだすことができることは言うまでもない。
【0013】
尚、構成3では、構成3記載の複数の等高線図群を比較することによって、レジスト濃度変化では相対的な面内膜厚均一性の分布がほぼ変化しない傾向にあること、即ち、レジスト濃度が変化しても上記等高線図群における最も高い面内膜厚均一性が得られる主回転数及び主回転時間の最適条件(1点又は範囲)が、変化しないかほとんど変化しないことが判明した。
例えば、図1(b)と図2(b)との比較から、レジストの濃度が変化した場合、レジスト平均膜厚の絶対値は変化するが、図1(a)と図2(a)との比較から、相対的な面内膜厚均一性の分布の傾向はほぼ変化しない(最も面内膜厚均一性が高くなる主回転数及び主回転時間の条件範囲(回転数:約1500〜1650rpm、回転時間:約8〜10秒)が変化しないことが確認できる。
従って、最も高い面内膜厚均一性を確保しながら、所望のレジスト膜厚を得るための最適レジスト濃度条件を簡便且つ確実に決定する方法としては、まず、任意のレジスト濃度で面内膜厚均一性の分布図を作成して、最も高い面内膜厚均一性が得られる主回転数と主回転時間の組合せ条件Iを求め、その条件Iで所望するレジスト膜厚が得られるレジスト濃度を、例えば条件I下で作成した膜厚−レジスト濃度のグラフ(図7)から決定すれば良い(構成6)。構成6に関しては後述する。
【0014】
構成4記載の発明は、上記構成1又は2記載の基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を、乾燥回転を段階的に変化(少なくとも2段階)させて複数求め、この複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群の中から最も高い面内膜厚均一性が得られる乾燥回転条件IIIを決定し、この乾燥回転条件IIIに従ってレジスト塗布を行う方法に関する。即ち上記構成1又は2記載の基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を利用した乾燥回転の最適化方法に関する。
以下に具体例を挙げて説明する。
例えば、図2(a)〜図6(a)に示すように、レジスト濃度4.7%のレジストを、6インチ角の基板上に、乾燥回転数50〜300rpmの範囲で50rpm(図3(a))、150rpm(図4(a))、200rpm(図5(a))、250rpm(図6(a))、300rpm(図2(a))と段階的に変化させ上記と同様の方法により等高線図を作成した。
【0015】
上記図2(a)、図4(a)〜図6(a)から、乾燥回転数150〜300rpmの場合、20〜30オングストローム以下の面内膜厚均一性が得られ、図3(a)に示す乾燥回転数50rpmの場合の30〜40オングストロームの面内膜厚均一性に比べ、面内膜厚均一性を向上できることがわかる。
従って、構成4では第1に、面内膜厚均一性が最も高くなるようにするために、乾燥回転数を150〜300rpmに設定してレジストを塗布することによって、レジストの面内膜厚均一性を最も高くすることができる。
【0016】
また、上記図2(a)、図5(a)〜図6(a)から、乾燥回転数200〜300rpmの場合、面内膜厚均一性が20〜30オングストロームと最も高くなる最適領域が広くなることがわかる。このように最適領域範囲が広くなると、実際の塗布プロセスにおいて、例えば主回転数、主回転時間が設定値に対して変動した場合、最適領域内の条件でレジストが塗布される可能性が高く変動に対し安定である。つまり、主回転数、主回転時間の変動が、最適領域内に収まる変動であれば最も高い面内膜厚均一性が得られる範囲内でレジスト塗布が可能である。また、最適領域内の中心部分の条件を選択すると、主回転数、主回転時間が変動しても、最適領域内の条件でレジストを塗布できるので好ましい。これらのことは、所望のレジスト平均膜厚を得るためのレジスト濃度(粘度)が変動した場合についても同様である。
従って、構成4では第2に、構成4記載のレジス卜回転塗布方法において、前記乾燥回転数の条件IIIを、前記複数の基準データ群から決定するに際し、実際の塗布プロセスにおける主回転数及び/又は主回転時間の設定値に対する変動、又は所望のレジスト平均膜厚を得るためのレジスト濃度(粘度)の変動に対し、面内膜厚均一性の変動が小さく安定となる乾燥回転数の条件を選択して、レジスト塗布を行う(構成9)。
この方法は、面内膜厚均一性が塗布条件(主回転数や主回転時間等)に非常に敏感なレジストの場合に非常に有効である。
【0017】
また、上記図2(a)、図5(a)〜図6(a)から、乾燥回転数200〜300rpmの場合、面内膜厚均一性が20〜30オングストロームと最も高くなる最適領域が広くなる、又は面内膜厚均一性が30〜40オングストロームと高くなる領域が広くなることがわかる。つまり、乾燥回転の最適化により,同じ濃度のレジストでかつ同じ面内膜厚均一性が得られる範囲内で塗布できる膜厚範囲が拡大できることがわかる。従って、同じレジスト濃度(粘度)のレジスト溶液を用いて、同じ面内膜厚均一性の範囲内で、複数の膜厚を塗布できる。例えば、図6(a)の乾燥回転数250rpmの場合、面内膜厚均一性が20〜30オングストロームと最も高くなる最適領域が広く、図6(b)を参酌して20〜30オングストロームの同じ面内膜厚均一性の範囲内で、約2500〜4500オングストロームの範囲内の複数の膜厚を塗布できる。
従って、構成4では第3に、構成4記載の回転塗布方法において、前記乾燥回転数の条件IIIを、前記複数の基準データ群から決定するに際し、同じレジスト濃度(粘度)のレジスト溶液を用いて複数の膜厚を塗布した場合、一定の面内膜厚均一性の範囲で複数の膜厚を塗布可能な乾燥回転数の条件IIIを選択して複数の膜厚のレジスト塗布を行う(構成10)。
【0018】
尚、構成4では、構成4記載の複数の等高線図群を比較することによって、乾燥回転数が変化しても各等高線図における最も高い面内膜厚均一性が得られる主回転数及び主回転時間の最適条件(範囲)が、変化しないかほとんど変化しないことが判明した。例えば、上記図2(a)〜図6(a)から、最も面内膜厚均一性が高くなる主回転数及び主回転時間の条件(回転数:約1500〜1650rpm、回転時間:約8〜10秒)(1点又は範囲)がほぼ変化しないことが確認できる。
従って、乾燥回転数を簡便に最適化する方法としては、まず、任意のレジスト濃度で構成1の等高線図を作成して、最も高い面内膜厚均一性が得られる主回転数と主回転時間の組合せ条件I(1点又は範囲)を求め、その条件Iで最も高い面内膜厚均一性が得られる乾燥回転数を、例えば条件I下で作成した面内膜厚均一性−乾燥回転のグラフ(図8)から決定すれば良い(構成5)。つまり、構成5は乾燥回転数の簡便な最適化手法であり、図1(b)などのようなレジスト膜厚の等高線図を求める必要がなく簡便である。また、図1(a)などのような面内膜厚均一性の分布を示す等高線図を乾燥回転数毎に求める必要がなく簡便である。
即ち、構成5では まず、構成1で決定した主回転数及び主回転時間の条件Iに固定した条件下で、乾燥工程における乾燥回転数を段階的に変化させて得られる複数の条件でレジストを塗布した複数の試料を作製する。次に、各試料のレジスト膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られる面内膜厚分布から求めた面内膜厚均一性(即ち、面内膜厚分布における膜厚の最大値と最小値の差異、又は標準偏差)を求めることによって、各試料の乾燥回転数と、各試料の面内膜厚均一性との関係を求め、これを基準データBとする。次に、最も高い面内膜厚均一性を得るための乾燥回転数の条件IVを、前記基準データBから決定し、この乾燥回転数の条件IV、及び通常の場合上記で固定した主回転数及び主回転時間の条件I、に従ってレジスト塗布を行う(構成5)。
【0019】
構成6は、上述したように、レジスト濃度変化では相対的な面内膜厚分布がほぼ変化しない傾向にあること、即ち、レジスト濃度が変化しても等高線図群における最も高い面内膜厚均一性が得られる主回転数及び主回転時間の最適条件(1点又は範囲)が、変化しないかほとんど変化しないことを利用して、所望するレジスト膜厚の最適塗布条件(主回転数及び主回転時間、及び、レジスト濃度)を簡便且つ試行錯誤によらず確実に決定する方法に関する。
つまり、レジスト濃度(粘度)を変えても最も面内膜厚均一性が高くなる主回転条件が変化しないことが判ったので、まずこの最も面内膜厚均一性が高くなる主回転条件に固定し、次いで所定の膜厚が得られるレジスト濃度(粘度)に変えることによって、最も面内膜厚均一性が高くかつ所望の膜厚が得られるレジスト濃度(粘度)が一義的に求められる、即ちレジスト濃度の最適化を図ることができる。尚、従来は、このようなレジスト濃度の最適化手法が確立されていないことから、与えられたレジスト濃度で主回転条件等の最適条件を試行錯誤で求めており、レジスト濃度を変化させた場合はそのレジスト濃度で主回転条件等の最適条件を試行錯誤で求めてた(レジスト濃度を変化させると最適主回転条件が変化すると考えられていたため)。
構成6では、まず、ある特定のレジスト濃度で、上記構成1又は2記載の基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を作成して、最も高い面内膜厚均一性が得られる主回転数と主回転時間の組合せ条件Iを求め、その条件Iで所望するレジスト膜厚が得られるレジスト濃度を、例えば条件I下で作成した膜厚−レジスト濃度のグラフ(図7)から決定すれば良い(構成6)。
即ち、構成6では まず、構成1で決定した主回転数及び主回転時間の条件Iに固定した条件下で、レジスト液の濃度(粘度)を段階的に変化させて得られる複数の条件でレジストを塗布した複数の試料を作製する。次に、各試料のレジスト膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られるレジスト膜厚の平均値を求めることによって、各試料のレジスト液の濃度(粘度)と、各試料のレジスト膜厚の平均値との関係を求め、これを基準データCとする。次に、所望のレジスト平均膜厚を得るためのレジスト液の濃度(粘度)の条件Vを、前記基準データCから決定し、このレジスト液の濃度(粘度)の条件V、及び通常の場合上記で固定した主回転数及び主回転時間の条件I、に従ってレジスト塗布を行う(構成6)。
【0020】
構成7は、上述した構成5に記載の簡便な乾燥回転の最適化手法によって、乾燥回転を最適化した条件下で、上記構成6の手法を実施するものである。
【0021】
構成8は、主回転条件、乾燥回転条件、レジスト濃度条件の決定手順に関する。
まず、任意のレジスト濃度で上記構成1又は2記載の基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を作成して、最も高い面内膜厚均一性が得られる主回転数と主回転時間の組合せ条件Iを決定する(構成1又は2)。次に、その条件Iで最も高い面内膜厚均一性が得られる乾燥回転数の条件IVを、例えば条件I下で作成した面内膜厚均一性−乾燥回転のグラフ(図8)から決定する(構成5)。最後に、最適な主回転条件I及び最適な乾燥回転条件IVに固定した条件下で、所望するレジスト膜厚が得られるレジスト濃度条件V’を、例えば条件I下で作成した膜厚−レジスト濃度のグラフ(図7)から決定する(構成7)。このように、濃度は所望のレジスト膜厚が得られるように最後に決定する。
構成8によれば、最も面内膜厚均一性が高くかつ所望の膜厚が得られる主回転条件、乾燥回転条件、レジスト濃度条件を一義的に決定できる。
即ち、構成8では まず、構成1又は2記載の主回転条件の決定方法によって主回転数及び主回転時間の条件Iに選択固定する。次に、構成5記載の乾燥回転条件の決定方法によって乾燥回転数の条件IVに選択固定する。次に、構成7記載のレジスト濃度(粘度)の決定方法によってレジスト液の濃度(粘度)の条件V’に選択固定する。そして、これらの条件I、条件IV及び条件V’に従ってレジスト塗布を行う(構成8)。
【0022】
構成11記載の発明では、基板が方形状基板である場合に、本発明の効果及び必要性が特に高いので規定したものである。
方形状基板には、正方形、長方形などの四角形状基板が含まれる。
本発明においては、遮光機能を有する遮光機能層及び/又は位相シフト層等の薄膜が形成されている基板上にレジストを塗布する場合の他、レジスト下地反射防止膜、レジスト上層反射防止膜、レジスト上層保護膜、導電性膜、その他の塗布膜、あるいはこれらの膜を任意に組み合わせた膜等を塗布する場合を含む。また、薄膜が形成されていない基板上にレジスト、レジスト下地反射防止膜、レジスト上層反射防止膜、レジスト上層保護膜、導電性膜、その他の塗布膜、あるいはこれらの膜を任意に組み合わせた膜等を塗布する場合を含む。
【0023】
構成12記載の発明は、上記構成1〜7に記載のレジスト回転塗布方法において求めた少なくとも一の基準データに基づいてレジスト塗布条件を決定することを特徴とするレジスト塗布条件決定方法に関するものである。
ここで、レジスト塗布条件としては、主回転数、主回転時間、乾燥回転数、乾操回転時間、レジスト濃度、レジストの種類及び溶媒等が挙げられる。
【0024】
構成13記載の発明は、少なくとも遮光機能を有する遮光機能層及び/又は位相シフト層を有する基板上に、上記構成1乃至10に記載のレジスト塗布方法によってレジスト膜、レジスト下地反射防止膜、レジスト上層反射防止膜、レジスト上層保護膜、導電性膜、その他の塗布膜、あるいはこれらの膜を任意に組み合わせた膜等を形成したことを特徴とするマスクブランクに関するものである。
【0025】
【実施例】
以下、電子線描画用ポジ型レジストであるFEP171(フジフィルムアーチ社製)の8.5%溶液(溶剤はPGMEA(プロピレン・グリコール・モノメチル・エーテル・アセテート)とPGME(プロピレン・グリコール・モノメチル・エーテル)の8対2の混合液)を用い、上記(構成8)に従って、レジスト塗布を行った。
具体的には、上記FEP171の8.5%溶液を用い、乾燥回転数を300rpmに固定し、この条件下で、サイズ6インチ角(152.4mm角)、厚さ0.25インチ(6.35mm)の基板上に、主回転数を750〜1750の範囲で250rpm間隔で段階的に変化させ(5条件)、主回転時間を1〜5秒の範囲で1秒間隔で段階的に変化させ(5条件)、これらの条件の組み合わせ5×5=25条件についてFEP171を塗布した25枚の試料基板を作製し、各試料について基板中央の有効領域132×132mm内の全体に均等に配置した11×11=121点で分光反射型膜厚計(ナノメトリクスジャパン社製:AFT6100M)を用いて膜厚測定し、面内膜厚分布(各測定点における膜厚データ)を求めた。
各試料において、この面内膜厚分布データから、(膜厚の最大値)−(膜厚の最小値)=(面内膜厚均一性)として、面内膜厚均一性を求めた(基準データA)。また、上記121点で測定した膜厚の平均値を算出して、各試料の平均膜厚を求めた。
次に、これらの主回転数と主回転時間との組み合わせと面内膜厚均一性、及び平均膜厚、これらデータをデータ記憶手段に記憶した。次に、主回転数と主回転時間の組み合わせと面内膜厚均一性の関係、主回転数と主回転時間の組み合わせと平均膜厚との関係、これらが視覚的にわかるように、前述の手法に従い、データ加工した。
次に、加工された主回転数と主回転時間の組み合わせと面内膜厚均一性の関係のデータに対し、40〜100オングストロームの範囲で、10オングストローム間隔で段階的に設定した面内膜厚均一性(50オングストローム、60オングトローム、70オングストローム、…100オングストローム、100オングストローム以上の7段階)となる点を求め(割り振り)、同じ面内膜厚均一性となる点を等高線で結んで等高線図を作成した。図11は主回転数を縦軸に、主回転時間を横軸としたグラフにおける、対応する位置に、上記で求めた面内膜厚均一性をプロットし、その等高線図を求めたものである。尚、上記等高線図は、データ記憶手段に記憶したデータをソフトウェア処理(データ加工)することにより作成した。
そして、上記基準データA及び等高線図から、最も高い面内膜厚均一性が得られた主回転数と主回転時間の組み合わせ(即ち条件I)を求めた。即ち、上記基準データA及び等高線図から、最も高い面内膜厚均一性40オングストロームが得られた「主回転数:1500rpm、主回転時間:2秒」を主回転条件Iとした。
ここで、図12は 加工された主回転数と主回転時間の組み合わせと平均膜厚との関係のデータに対し、250オングストローム間隔で段階的に設定した平均膜厚となる点を求め(割り振り)、同じ平均膜厚となる点を等高線で結んで、主回転数を縦軸に、主回転時間を横軸とした等高線図である。
最も高い面内膜厚均一性40オングストロームが得られた条件、即ち、主回転数を1500rpm、主回転時間を2秒とした場合に得られた塗布膜厚の平均値は6488オングストロームであり、所望の膜厚5000オングストローム、あるいは別の所望の膜厚3000オングストロームは得られなかった。
【0026】
続いて、乾繰回転数の最適化を行った。
既述の通り、乾繰回転数が変化しても、面内膜厚均一性の分布を表す等高線図においては、最も高い面内膜厚均一性が得られる主回転数と主回転時間の組み合わせ条件はほぼ変化しないことから、下記の通り、乾燥回転数の最適化を行った。
レジスト濃度8.5%のFEP171を、6インチ角、0.25インチ厚の基板上に、主回転数は1500rpm、主回転時間は2秒に固定して、乾燥回転数を100〜300rpmの範囲で50rpm間隔で段階的に変化させて試料基板を作製した。次いで、各試料基板の面内膜厚均一性を既述の通りに測定し、面内膜厚均一性と乾燥回転数の関係(グラフ)を求めた(図13)。
図13から、面内膜厚均一性を最も高くできる乾燥回転数(乾燥回転条件IV)は250rpmであることがわかる。
【0027】
続いて、レジスト濃度の最適化を行った。
既述の通り、レジスト濃度が変化しても面内膜厚均一性の分布を表す等高線図においては、最も高い面内膜厚均一性が得られる主回転数と主回転時間の組み合わせ条件はほぼ変化しない。また、乾燥回転が変化しても、面内膜厚均一性の分布を表す等高線図においては最も高い面内膜厚均一性が得られる主回転数と主回転時間の組み合わせ条件はほぼ変化しない。これらの事実に従い、下記の通り、レジスト濃度の最適化を行った。
まず、レジスト濃度8.5%のFEP171を、溶剤であるPGMEA(プロピレン・グリコール・モノメチル・エーテル・アセテート)とPGME(プロピレン・グリコール・モノメチル・エーテル)の8対2の混合液で、原液(8.5%)に対する溶剤添加量(希釈比率)を10対0、10対1、10対2、10対3、10対4、10対5、及び10対10(1対1)として希釈調整した。
上記の7種の各調整液を用い、6インチ角、0.25インチ厚の基板上に、主回転数は1500rpm、主回転時間は2秒に固定し、乾燥回転数は250rpmに固定して、試料基板を作製した。次いで、各試料基板の平均膜厚を既述の方法で測定し、平均膜厚とレジスト濃度との関係(グラフ)を求めた(図14)。図14から、希釈比100対20(即ち、レジスト濃度条件V’を約7.08%)とすることで、別の所望の膜厚5000オングストロ−ムが得られる。また、希釈比100対65(即ち、レジスト濃度条件V’を約5.15%)とすることで、所望の膜厚3000オングストロ−ムが得られることがわかる。
【0028】
最後に、レジスト濃度を約7.08%に調整したFEP171溶液を用い、6インチ角,0.25インチ厚の基板上に、主回転数を1500rpm、主回転時間を2秒、乾燥回転数を250rpmとして塗布し、塗布後のベーク処理をして試料基板を作製した。
次に、上記試料基板について、基板上の有効領域「132×132mm」内の全体に均等に配置した11×11=121点で塗布膜厚を分光反射型膜厚計(ナノメトリクスジャパン社製:AFT6100M)で測定し、平均膜厚(各測定点における膜厚データから算出された平均値)と面内膜厚均一性(各測定点における膜厚データから算出されたレンジ値)を求めた結果、平均膜厚5003オングストロームにおいて、面内膜厚均一性38オングストロームが得られた。
また、レジスト濃度を約5.15%に調整したFEP171溶液を用い、6インチ角、0.25インチ厚の基板上に、主回転数を1500rpm、主回転時間を2秒、乾燥回転数を250rpmとして塗布し、塗布後のベーク処理をして試料基板を作製した。
次に、上記試料基板について、基板上の有効領域「132×132mm」内の全体に均等に配置した11×11=121点で塗布膜厚を分光反射型膜厚計(ナノメトリクスジャパン社製:AFT6100M)で測定し、平均膜厚(各測定点における膜厚データから算出された平均値)と面内膜厚均一性(各測定点における膜厚データから算出されたレンジ値)を求めた結果、平均膜厚3005オングストロームにおいて、面内膜厚均一性28オングストロームが得られた。
上記2つの結果からレジスト濃度が薄い方(レジスト平均膜厚が薄い方)が、面内膜厚均一性が良くなっていることもわかる。
上記の結果は、まず、構成1又は2記載の主回転条件の決定方法によって主回転数及び主回転時間の条件Iを選択固定し、次に、構成5記載の乾操条件の決定方法によって乾燥回転数の条件IVを選択固定し、最後に、構成7記載のレジスト濃度の決定方法によってレジスト溶液の濃度の条件V’を選択固定し、そして、これらの条件I、条件IV及び条件V’に従ってレジスト塗布を行うことで、各条件は一義的に決定され、最も高い面内膜厚均一性が達成できることを明示する。
【0029】
尚、本発明は、上述した内容に限定されない。
本発明では、レジスト濃度や乾燥回転数等を最適化した結果をフィードバックして、上記基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を作成できることは言うまでもない。
本発明では、レジストの種類を変えて上記基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を作成できることは言うまでもない。
回転塗布法により得られるレジスト膜厚の均一性は、レジスト種及び溶媒、塗布装置のカップの形状、あるいは、排気量等、の影響を受ける。したがって、これらの条件の改良によってレジスト膜厚の均一性が向上した場合には、これらの条件と本発明を組み合わせることによって、上記で例示した面内膜厚均一性より高い面内膜厚均一性で塗布可能となる。
基板のサイズや形状も6インチ角基板に限定されない。
【0030】
本発明では、レジスト膜厚を測定する領域は、基板内であれば特に限定されないが、好ましくは、基板上にパターン(マスクパターン、回路パターンなど)等が形成される有効領域内を測定することが望ましい。また、等高線図又は鳥瞰図を精度良く作成するためには有効領域内においてなるべく多くの複数点を等間隔でまんべんなく測定することが望ましい。
【0031】
本発明では、レジスト膜厚の測定は、例えば、分光反射型膜厚計、触針式膜厚測定器などを用いて行うことができる。上記レジストの各試料の面内膜厚分布を測定の際も、これらの分光反射型膜厚計を用いて測定した。
【0032】
本発明では、基板上の有効領域は、要求される仕様に応じて適宜選定することができる。例えば、基板が方形状基板であるフォトマスクブランクや位相シフトマスクブランクの場合、マスクパターンが形成される領域を選定する。マスクパターンが形成される領域においてレジスト膜の面内膜厚均一性が所定の値以上ある場合、所望のパターニング特性(パターン寸法精度)が得られないからである。例えば、基板の大きさが6インチ×6インチの場合、有効領域をマスクパターンが形成される基板中央部の132mm×132mmの方形とする。また、マスクパターンが形成される領域の外側に形成されるアライメントマークやマスクの品質保証を示すQAパターンなどの補助パターンが形成される領域まで所望の面内膜厚均一性となることが必要な場合は、それらの領域に応じて各試料の面内膜厚分布測定の有効領域とする。
上記所望の有効領域は、マスクパターンが形成される領域が方形状の場合、図10(1)に示すように四角形状(マスクパターンが形成される領域と相似形状や、方形状基板と相似形状など)が、マスクパターンが形成される領域が矩形状の場合は、図10(2)に示すように四隅部分を除くように設定された十字形状を所望の有効領域とする。
尚、通常、レジストの面内膜厚分布(面内膜厚均一性)を測定する所望の有効領域が変化すると、面内膜厚分布も変化するので、要求される仕様ごとに面内膜厚分布(面内膜厚均一性)を測定することが必要となる。
【0033】
本発明では、所定の面内膜厚均一性は、要求される仕様に応じて適宜選定することができる。また、面内膜厚均一性の下限値は、レジスト種、所望の膜厚、レジスト塗布装置や、面内膜厚分布(面内膜厚均一性)の測定限界等によって制限されるので、これらに応じて適宜選定することができる。
【0034】
尚、本発明で言うマスクブランクには、フォトマスクブランク、位相シフトマスクブランクが含まれる。本発明で言うマスクブランクには、レジスト膜付きブランクの他、レジスト膜、レジスト下地反射防止膜(BARC:Bottom Anti-Reflective Coating)、レジスト上層反射防止膜(TARL:Top Anti-Reflective Layer)、レジスト上層保護膜、導電性膜、その他の塗布膜、これらの膜を任意に組み合わせた膜等が成膜されたマスクブランクや、これらの膜を形成する前のブランクが含まれる。本発明で言うマスクには、フォトマスク、位相シフトマスクが含まれる。本発明で言うマスクには、レチクルが含まれる。
【0035】
本発明には以下の構成が含まれる。
(構成1’) 基板上に塗布溶液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、塗布膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化された塗布膜を主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、
上記回転塗布方法において、塗布溶液の濃度(粘度)を任意の濃度に固定し、かつ、前記乾燥工程における乾燥回転数を任意の回転数に固定し、この条件下で、前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間をそれぞれパラメータとしてそれぞれ段階的に変化させて得られる複数の条件で塗布溶液を塗布した複数の試料を作製し、
各試料の塗布膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られる面内膜厚分布から求めた面内膜厚均一性を求めることによって、各試料の主回転数及び主回転時間の組合せ条件と、各試料の面内膜厚均一性との関係を求め、これを基準データAとし、
所望の面内膜厚均一性を得るための主回転数及び主回転時間の組合せ条件Iを、前記基準データAから決定し、
この主回転数及び主回転時間の組合せ条件Iに従って塗布溶液の塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成2’) 前記基準データAが、縦軸、横軸を前記主回転数、前記主回転時間とし、同じ面内膜厚均一性となる点を等高線で結んだ等高線図、又は、X軸、Y軸、Z軸に前記主回転数、前記主回転時間、前記面内膜厚均一性の点をプロットして描いた鳥瞰図、であることを特徴とする構成1’に記載の回転塗布方法。
(構成3’) 基板上に塗布溶液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、塗布膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化された塗布膜を主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、
構成1’又は2’における基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を、塗布溶液の濃度(粘度)を段階的に変化させて複数求め、この複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群の中から最も高い面内膜厚均一性が得られる塗布溶液の濃度(粘度)条件IIを決定し、
この塗布溶液の濃度(粘度)条件IIに従って塗布溶液の塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成4’) 基板上に塗布溶液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、塗布膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化された塗布膜を主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、
構成1’又は2’における基準データA又は等高線図又は鳥瞰図を、塗布溶液の濃度(粘度)は任意の濃度に固定し、前記乾燥工程における乾燥回転数を段階的に変化させて複数求め、この複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群の中から最も高い面内膜厚均一性が得られる乾燥回転数条件IIIを決定し、
この乾燥回転数条件IIIに従って塗布溶液の塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成5’) 基板上に塗布溶液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、塗布膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化された塗布膜を主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、
前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間を、構成1’で決定した主回転数及び主回転時間の条件Iに固定した条件下で、前記乾燥工程における乾燥回転数を段階的に変化させて得られる複数の条件で塗布溶液を塗布した複数の試料を作製し、
各試料の塗布膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られる面内膜厚分布から求めた面内膜厚均一性を求めることによって、各試料の乾燥回転数と、各試料の面内膜厚均一性との関係を求め、これを基準データBとし、
最も高い面内膜厚均一性を得るための乾燥回転数の条件IVを、前記基準データBから決定し、
この乾燥回転数の条件IVに従って塗布溶液の塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成6’) 基板上に塗布溶液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、塗布膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化された塗布膜を主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、
前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間を、構成1’で決定した主回転数及び主回転時間の条件Iに固定した条件下で、塗布溶液の濃度(粘度)を段階的に変化させて得られる複数の条件で塗布溶液を塗布した複数の試料を作製し、
各試料の塗布膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られる塗布膜厚の平均値を求めることによって、各試料の塗布溶液の濃度(粘度)と、各試料の塗布膜厚の平均値との関係を求め、これを基準データCとし、
所望の平均塗布膜厚を得るための塗布溶液の濃度(粘度)の条件Vを、前記基準データCから決定し、
この塗布溶液の濃度(粘度)の条件Vに従って塗布溶液の塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成7’) 基板上に塗布溶液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、塗布膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化された塗布膜を主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、
前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間を、構成1’で決定した主回転数及び主回転時間の条件Iに固定し、かつ、前記乾燥工程における乾燥回転数を構成5’で決定した乾燥回転数の条件IVに固定した条件下で、塗布溶液の濃度(粘度)を段階的に変化させて得られる複数の条件で塗布溶液を塗布した複数の試料を作製し、
各試料の塗布膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られる塗布膜厚の平均値を求めることによって、各試料の塗布溶液の濃度(粘度)と、各試料の塗布膜厚の平均値との関係を求め、これを基準データC’とし、
所望の平均塗布膜厚を得るための塗布溶液の濃度(粘度)の条件V’を、前記基準データC’から決定し、
この塗布溶液の濃度(粘度)の条件V’に従って塗布溶液の塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成8’) 基板上に塗布溶液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、塗布膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化された塗布膜を主に乾燥させる乾燥工程と、を有する回転塗布方法であって、
まず、構成1’又は2’記載の主回転条件の決定方法によって主回転数及び主回転時間の条件Iに選択固定し、
次いで、構成’5記載の乾燥回転条件の決定方法によって乾燥回転数の条件IVに選択固定し、
次いで、構成7’記載の塗布溶液の濃度(粘度)の決定方法によって塗布溶液の濃度(粘度)の条件V’に選択固定し、
これらの条件I、条件IV及び条件V’に従って塗布溶液の塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成9’) 構成4’記載の回転塗布方法において、前記乾燥回転数の条件IIIを、前記複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群から決定するに際し、
実際の塗布プロセスにおける主回転数及び/又は主回転時間の設定値に対する変動、又は所望の平均塗布膜厚を得るための塗布溶液の濃度(粘度)の変動に対し、面内膜厚均一性の変動が小さく安定となる乾燥回転数の条件を選択して、塗布溶液の塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成10’) 構成4’記載の回転塗布方法において、前記乾燥回転数の条件IIIを、前記複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群から決定するに際し、
同じ濃度(粘度)の塗布溶液を用いて複数の膜厚を塗布した場合、一定の面内膜厚均一性の範囲で複数の膜厚を塗布可能な乾燥回転数の条件IIIを選択して複数の膜厚の塗布膜の塗布を行うことを特徴とする回転塗布方法。
(構成11’) 前記基板は方形状基板であることを特徴とする構成1’〜10’の何れかに記載の回転塗布方法。
(構成12’) 前記構成1’〜7’に記載の回転塗布方法において求めた少なくとも一の基準データに基づいて回転塗布条件を決定することを特徴とする回転塗布条件決定方法。
(構成13’) 遮光機能を有する遮光機能層及び/又は位相シフト層を少なくとも有する基板上に、前記構成1’〜11’に記載の回転塗布方法によって塗布膜を形成したことを特徴とするマスクブランク。
(構成14’) 前記構成1’〜11’に記載の回転塗布方法によって基板上に塗布膜を形成したことを特徴とする基板。
上記構成1’〜13’において、塗布膜には、レジスト、レジスト下地反射防止膜(BARC:Bottom Anti-Reflective Coating)、レジスト上層反射防止膜(TARL:Top Anti-Reflective Layer)、レジスト上層保護膜、導電性膜、その他の塗布膜、これらの膜を任意に組み合わせた膜等が含まれる。塗布溶液はこれらの塗布膜を形成するための溶液である。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、上述した特定の方法でレジスト等の塗布溶液を回転塗布する回転塗布方法に関し、主回転条件の最適化手法、乾燥回転条件の最適化手法、及び、レジスト等の塗布溶液の濃度(粘度)条件の最適化手法を提供でき、並びに、これらの最適条件を試行錯誤によらず確実(一義的)に求める手法を提供できる。
また、レジスト種や他の塗布溶液が変化した場合(溶媒の変化を含む)、所望の有効領域が変化した場合、所望の膜厚が変化した場合、回転塗布装置(例えば、カップ形状、チャック形状等々)が変化した場合、など回転塗布におけるあらゆる条件が変化した場合においても、最適レジスト回転塗布条件を試行錯誤によらず迅速かつ一義的に求めることができる。
また、所定のレジスト種や他の塗布溶液において、所望の有効領域において所望の面内膜厚均一性(特に最も高い面内膜厚均一性)を試行錯誤によらず確実(一義的)に得ることができる回転塗布条件決定方法、及び回転塗布方法、並びにこの方法によってレジスト膜等又は他の塗布膜が形成されたマスクブランク又は基板を提供できる。
また、所定のレジスト種や他の塗布溶液において、所望の有効領域における所望の(平均)膜厚と所望の面内膜厚均一性を試行錯誤によらず確実(一義的)に得ることができる回転塗布条件決定方法、及び回転塗布方法、並びにこの方法によってレジスト膜等又は他の塗布膜が形成されたマスクブランク又は基板を提供できる。
また、レジスト溶液や他の塗布溶液の特性に応じて、最適な回転塗布条件を試行錯誤によらず確実に得ることができる回転塗布条件決定方法、及び回転塗布方法、並びにこの方法によってレジスト膜等又は他の塗布膜が形成されたマスクブランク又は基板を提供できる。
また、1つのレジスト濃度又は他の塗布溶液の1つの濃度で、複数の所望のレジスト膜厚又は複数の所望の塗布膜厚が、所定の面内膜厚均一性の範囲内で塗布できる回転塗布方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転塗布方法で用いる基準データの一態様である等高線図を説明するための図であり、(a)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの面内膜厚均一性の分布を示す等高線図、(b)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの膜厚を示す等高線図である。
【図2】レジスト濃度を変化させたときの等高線図を示す図であり、(a)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの面内膜厚均一性の分布を示す等高線図、(b)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの膜厚を示す等高線図である。
【図3】乾燥回転数を変化させたときの等高線図を示す図であり、(a)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの面内膜厚均一性の分布を示す等高線図、(b)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの膜厚を示す等高線図である。
【図4】乾燥回転数を変化させたときの等高線図を示す図であり、(a)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの面内膜厚均一性の分布を示す等高線図、(b)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの膜厚を示す等高線図である。
【図5】乾燥回転数を変化させたときの等高線図を示す図であり、(a)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの面内膜厚均一性の分布を示す等高線図、(b)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの膜厚を示す等高線図である。
【図6】乾燥回転数を変化させたときの等高線図を示す図であり、(a)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの面内膜厚均一性の分布を示す等高線図、(b)は主回転数及び主回転時間を変化させたときの膜厚を示す等高線図である。
【図7】レジスト膜厚とレジスト濃度の関係を示す図である。
【図8】面内膜厚均一性と乾燥回転数の関係を示す図である。
【図9】有効領域等を説明するための模式図である。
【図10】方形状基板の場合の有効領域を説明するための模式図である。
【図11】実施例における回転塗布方法で用いる基準データの一態様である等高線図を説明するための図であり、主回転数及び主回転時間を変化させたときの面内膜厚均一性の分布を示す等高線図である。
【図12】実施例における回転塗布方法で用いる基準データの一態様である等高線図を説明するための図であり、主回転数及び主回転時間を変化させたときの膜厚を示す等高線図である。
【図13】実施例における面内膜厚均一性と乾燥回転数の関係を示す図である。
【図14】実施例におけるレジスト膜厚とレジスト濃度の関係を示す図である。
【図15】回転塗布装置の基本構成を示す模式図である。
【図16】従来法における主回転数と主回転時間との組合せ範囲を示す図である。
Claims (16)
- 方形状基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有するマスクブランクの製造方法であって、
上記製造方法において、レジスト液の濃度(粘度)を任意の濃度に固定し、かつ、前記乾燥工程における乾燥回転数を任意の回転数に固定し、この条件下で、前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間をそれぞれパラメータとしてそれぞれ段階的に変化させて得られる複数の条件でレジストを塗布した複数の試料を作製し、
各試料のレジスト膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られる面内膜厚分布から求めた面内膜厚均一性を求めることによって、各試料の主回転数及び主回転時間の組合せ条件と、各試料の面内膜厚均一性との関係を求め、これを基準データAとし、 所望の面内膜厚均一性を得るための主回転数及び主回転時間の組合せ条件Iを、前記基準データAから決定し、
この主回転数及び主回転時間の組合せ条件Iに従ってレジスト塗布を行うことを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 前記基準データAが、縦軸、横軸を前記主回転数、前記主回転時間とし、同じ面内膜厚均一性となる点を等高線で結んだ等高線図、又は、X軸、Y軸、Z軸に前記主回転数、前記主回転時間、前記面内膜厚均一性の点をプロットして描いた鳥瞰図、であることを特徴とする請求項1に記載のマスクブランクの製造方法。
- 基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有するマスクブランクの製造方法であって、
請求項1における基準データA、又は請求項2における等高線図又は鳥瞰図を、レジスト液の濃度(粘度)を段階的に変化させて複数求め、この複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群の中から最も高い面内膜厚均一性が得られるレジスト液の濃度(粘度)条件IIを決定し、
このレジスト液の濃度(粘度)条件IIに従ってレジスト塗布を行うことを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有するマスクブランクの製造方法であって、
請求項1における基準データA、又は請求項2における等高線図又は鳥瞰図を、レジスト液の濃度(粘度)は任意の濃度に固定し、前記乾燥工程における乾燥回転数を段階的に変化させて複数求め、この複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群の中から最も高い面内膜厚均一性が得られる乾燥回転数条件IIIを決定し、
この乾燥回転数条件IIIに従ってレジスト塗布を行うことを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有するマスクブランクの製造方法であって、
前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間を、請求項1で決定した主回転数及び主回転時間の条件Iに固定した条件下で、前記乾燥工程における乾燥回転数を段階的に変化させて得られる複数の条件でレジストを塗布した複数の試料を作製し、
各試料のレジスト膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られる面内膜厚分布から求めた面内膜厚均一性を求めることによって、各試料の乾燥回転数と、各試料の面内膜厚均一性との関係を求め、これを基準データBとし、
最も高い面内膜厚均一性を得るための乾燥回転数の条件IVを、前記基準データBから決定し、
この乾燥回転数の条件IVに従ってレジスト塗布を行うことを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有するマスクブランクの製造方法であって、
前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間を、請求項1で決定した主回転数及び主回転時間の条件Iに固定した条件下で、レジスト液の濃度(粘度)を段階的に変化させて得られる複数の条件でレジストを塗布した複数の試料を作製し、
各試料のレジスト膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られるレジスト膜厚の平均値を求めることによって、各試料のレジスト液の濃度(粘度)と、各試料のレジスト膜厚の平均値との関係を求め、これを基準データCとし、
所望のレジスト平均膜厚を得るためのレジスト液の濃度(粘度)の条件Vを、前記基準データCから決定し、
このレジスト液の濃度(粘度)の条件Vに従ってレジスト塗布を行うことを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有するマスクブランクの製造方法であって、
前記均一化工程における前記主回転数及び前記主回転時間を、請求項1で決定した主回転数及び主回転時間の条件Iに固定し、かつ、前記乾燥工程における乾燥回転数を請求項5で決定した乾燥回転数の条件IVに固定した条件下で、レジスト液の濃度(粘度)を段階的に変化させて得られる複数の条件でレジストを塗布した複数の試料を作製し、
各試料のレジスト膜厚を、基板内の所望の有効領域内で複数点測定して得られるレジスト膜厚の平均値を求めることによって、各試料のレジスト液の濃度(粘度)と、各試料のレジスト膜厚の平均値との関係を求め、これを基準データC’とし、
所望のレジスト平均膜厚を得るためのレジスト液の濃度(粘度)の条件V’を、前記基準データC’から決定し、
このレジスト液の濃度(粘度)の条件V’に従ってレジスト塗布を行うことを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 基板上にレジスト液を滴下し、所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、レジスト膜厚を主に均一化させる均一化工程と、前記均一化工程の後、所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、前記均一化されたレジストを主に乾燥させる乾燥工程と、を有するマスクブランクの製造方法であって、
まず、請求項1又は2記載の主回転条件の決定方法によって主回転数及び主回転時間の条件Iに選択固定し、
次いで、請求項5記載の乾燥回転条件の決定方法によって乾燥回転数の条件IVに選択固定し、
次いで、請求項7記載のレジスト濃度(粘度)の決定方法によってレジスト液の濃度(粘度)の条件V’に選択固定し、
これらの条件I、条件IV及び条件V’に従ってレジスト塗布を行うことを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 請求項4記載の製造方法において、前記乾燥回転数の条件IIIを、前記複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群から決定するに際し、
実際の塗布プロセスにおける主回転数及び/又は主回転時間の設定値に対する変動、又は所望のレジスト平均膜厚を得るためのレジスト濃度(粘度)の変動に対し、面内膜厚均一性の変動が小さく安定となる乾燥回転数の条件を選択して、レジスト塗布を行うことを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 請求項4記載の製造方法において、前記乾燥回転数の条件II
Iを、前記複数の基準データ群又は等高線図群又は鳥瞰図群から決定するに際し、
同じレジスト濃度(粘度)のレジストを用いて複数の膜厚を塗布した場合、一定の面内膜厚均一性の範囲で複数の膜厚を塗布可能な乾燥回転数の条件IIIを選択して複数の膜厚のレジスト塗布を行うことを特徴とするマスクブランクの製造方法。 - 方形状基板上に少なくともレジスト膜が形成されたマスクブランクの製造方法であって、
基板上にレジスト液を滴下し、
所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、
レジストの膜厚を主として均一化させる均一化処理と、
所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、
均一化されたレジストを主として乾燥させる乾燥処理と、を有する
回転塗布によるレジスト膜の形成工程を含むマスクブランクの製造方法において、
任意の濃度のレジスト液と、任意の乾燥回転数を選択し、
該選択されたレジスト液と、該選択された乾燥回転数の条件の下で、
予め、複数の主回転数と複数の主回転時間の組み合せからなる均一化処理の処理条件と、
形成されたレジスト膜の基板面内における膜厚の均一性を示す膜厚分布との関係を把握 しておき、
この予め把握された関係を基準として、
基板面内で所望の均一な膜厚のレジスト膜が形成される主回転数と主回転時間の組み合 せからなる均一化処理の処理条件を定めておき、
この定められた処理条件で均一化処理を行うことを特徴とする、マスクブランクの製 造方法。 - 基板上に少なくともレジスト膜が形成されたマスクブランクの製造方法であって、
基板上にレジスト液を滴下し、
所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、
レジストの膜厚を主として均一化させる均一化処理と、
所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、
均一化されたレジストを主として乾燥させる乾燥処理と、を有する
回転塗布によるレジスト膜の形成工程を含むマスクブランクの製造方法において、
任意の濃度のレジスト液と、任意の乾燥回転数を選択し、
該選択されたレジスト液と、該選択された乾燥回転数の条件の下で、
予め、複数の主回転数と複数の主回転時間の組み合せからなる均一化処理の処理条件と、
形成されたレジスト膜の基板面内における膜厚の均一性を示す膜厚分布との関係を把握 しておき、
この予め把握された関係を基準として、
基板面内で所望の均一な膜厚のレジスト膜が形成される主回転数と主回転時間の組み合 せからなる均一化処理の処理条件を定め、
この定められた均一化処理の処理条件の下で、
乾燥処理の乾燥回転数と、形成されたレジスト膜の基板面内における膜厚の均一性を示 す膜厚分布との関係を把握し、
この予め把握された関係を基準として、
基板面内で所望の均一な膜厚のレジスト膜が形成される乾燥回転数を定め、
前記定められた処理条件で均一化処理を行うとともに、前記定められた乾燥回転数で 乾燥処理を行うことを特徴とする、マスクブランクの製造方法。 - 基板上に少なくともレジスト膜が形成されたマスクブランクの製造方法であって、
基板上にレジスト液を滴下し、
所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、
レジストの膜厚を主として均一化させる均一化処理と、
所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、
均一化されたレジストを主として乾燥させる乾燥処理と、を有する
回転塗布によるレジスト膜の形成工程を含むマスクブランクの製造方法において、
任意の濃度のレジスト液と、任意の乾燥回転数を選択し、
該選択されたレジスト液と、該選択された乾燥回転数の条件の下で、
予め、複数の主回転数と複数の主回転時間の組み合せからなる均一化処理の処理条件と、
形成されたレジスト膜の基板面内における膜厚の均一性を示す膜厚分布との関係を把握 しておき、
この予め把握された関係を基準として、
基板面内で所望の均一な膜厚のレジスト膜が形成される主回転数と主回転時間の組み合 せからなる均一化処理の処理条件を定め、
この定められた均一化処理の処理条件の下で、
乾燥処理の乾燥回転数と、形成されたレジスト膜の基板面内における膜厚の均一性を示 す膜厚分布との関係を把握し、
この予め把握された関係を基準として、
基板面内で所望の均一な膜厚のレジスト膜が形成される乾燥回転数を定め、
前記定められた均一化処理の処理条件と、前記定められた乾燥回転数の下で、
レジスト液の濃度と、形成されたレジスト膜の平均膜厚との関係を把握し、
この予め把握された関係を基準として、
所望の平均膜厚を有するレジスト膜が形成されるレジスト液の濃度を定め、
前記定められた濃度のレジスト液を使用し、前記定められた処理条件で均一化処理を 行うとともに、前記定められた乾燥回転数で乾燥処理を行うことを特徴とする、マスク ブランクの製造方法。 - 方形状基板上に少なくともレジスト膜が形成されたマスクブランクの製造方法であって、
基板上にレジスト液を滴下し、
所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、
レジストの膜厚を主として均一化させる均一化処理と、
所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、
均一化されたレジストを主として乾燥させる乾燥処理と、を有する
回転塗布によるレジスト膜の形成工程を含むマスクブランクの製造方法において、
任意の粘度のレジスト液と、任意の乾燥回転数を選択し、
該選択されたレジスト液と、該選択された乾燥回転数の条件の下で、
予め、複数の主回転数と複数の主回転時間の組み合せからなる均一化処理の処理条件と、
形成されたレジスト膜の基板面内における膜厚の均一性を示す膜厚分布との関係を把握 しておき、
この予め把握された関係を基準として、
基板面内で所望の均一な膜厚のレジスト膜が形成される主回転数と主回転時間の組み合 せからなる均一化処理の処理条件を定めておき、
この定められた処理条件で均一化処理を行うことを特徴とする、マスクブランクの製
造方法。 - 基板上に少なくともレジスト膜が形成されたマスクブランクの製造方法であって、
基板上にレジスト液を滴下し、
所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、
レジストの膜厚を主として均一化させる均一化処理と、
所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、
均一化されたレジストを主として乾燥させる乾燥処理と、を有する
回転塗布によるレジスト膜の形成工程を含むマスクブランクの製造方法において、
任意の粘度のレジスト液と、任意の乾燥回転数を選択し、
該選択されたレジスト液と、該選択された乾燥回転数の条件の下で、
予め、複数の主回転数と複数の主回転時間の組み合せからなる均一化処理の処理条件と、
形成されたレジスト膜の基板面内における膜厚の均一性を示す膜厚分布との関係を把握 しておき、
この予め把握された関係を基準として、
基板面内で所望の均一な膜厚のレジスト膜が形成される主回転数と主回転時間の組み合 せからなる均一化処理の処理条件を定め、
この定められた均一化処理の処理条件の下で、
乾燥処理の乾燥回転数と、形成されたレジスト膜の基板面内における膜厚の均一性を示 す膜厚分布との関係を把握し、
この予め把握された関係を基準として、
基板面内で所望の均一な膜厚のレジスト膜が形成される乾燥回転数を定め、
前記定められた処理条件で均一化処理を行うとともに、前記定められた乾燥回転数で 乾燥処理を行うことを特徴とする、マスクブランクの製造方法。 - 基板上に少なくともレジスト膜が形成されたマスクブランクの製造方法であって、
基板上にレジスト液を滴下し、
所定の主回転数と所定の主回転時間で基板を回転させ、
レジストの膜厚を主として均一化させる均一化処理と、
所定の乾燥回転数と所定の乾燥回転時間で基板を回転させ、
均一化されたレジストを主として乾燥させる乾燥処理と、を有する
回転塗布によるレジスト膜の形成工程を含むマスクブランクの製造方法において、
任意の粘度のレジスト液と、任意の乾燥回転数を選択し、
該選択されたレジスト液と、該選択された乾燥回転数の条件の下で、
予め、複数の主回転数と複数の主回転時間の組み合せからなる均一化処理の処理条件と、
形成されたレジスト膜の基板面内における膜厚の均一性を示す膜厚分布との関係を把握 しておき、
この予め把握された関係を基準として、
基板面内で所望の均一な膜厚のレジスト膜が形成される主回転数と主回転時間の組み合 せからなる均一化処理の処理条件を定め、
この定められた均一化処理の処理条件の下で、
乾燥処理の乾燥回転数と、形成されたレジスト膜の基板面内における膜厚の均一性を示 す膜厚分布との関係を把握し、
この予め把握された関係を基準として、
基板面内で所望の均一な膜厚のレジスト膜が形成される乾燥回転数を定め、
前記定められた均一化処理の処理条件と、前記定められた乾燥回転数の下で、
レジスト液の粘度と、形成されたレジスト膜の平均膜厚との関係を把握し、
この予め把握された関係を基準として、
所望の平均膜厚を有するレジスト膜が形成されるレジスト液の粘度を定め、
前記定められた粘度のレジスト液を使用し、前記定められた処理条件で均一化処理を 行うとともに、前記定められた乾燥回転数で乾燥処理を行うことを特徴とする、マスク ブランクの製造方法。
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