JP4114130B2 - 硬化型組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化型組成物に関し、詳しくは特に耐候性が良好なシーリング材として用いるのに適した硬化型組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物による硬化型組成物は、チオール基含有ポリサルファイドポリマーとポリイソシアネート化合物によるポリサルファイド系シーリング材として使用されており、これまでの酸化剤硬化によるポリサルファイド系シーリング材に比べ、良好な動的耐久性を有し、かつ従来品と同様に屋外で硬化物表面が汚染されることのない非汚染性に優れている。このため建築、土木、自動車、航空機用等のシーリング材、接着剤、コーティング材として多くの用途で使用することが可能である。
【0003】
しかしながら、このような硬化型組成物は、樹脂単独では良好な耐候性を有するものの、硬化物の経済性、組成物を施工する際の作業性及び硬化後の物性を改良する目的で可塑剤、充填剤、及び添加剤を併用すると、耐候性が低下する場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、可塑剤、充填剤、及び添加剤を併用しても良好な耐候性を有し、シーリング材として用いるのに適した硬化型組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物に、特定の炭化水素系重合体を特定量加えることで、可塑剤、充填剤、及び添加剤を併用した場合でも、良好な耐候性を有する硬化型組成物が得られることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明の硬化型組成物は、下記の構成を有する。
[1](a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと、(b)1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物と、(c)(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合することにより得られる数平均分子量が500〜30,000である炭化水素系重合体を含有し、(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと(b)1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物の合計100重量部に対して、(c)ビニル系単量体を重合することにより得られる数平均分子量が500〜30,000である炭化水素系重合体を0.5〜500重量部含有することを特徴とする硬化型組成物。
[2](d)光硬化性化合物を含有し、(d)光硬化性化合物が、分子内に二重結合を2個以上含有するエチレン性不飽和化合物であることを特徴とする上記[1]に記載の硬化型組成物。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の硬化型組成物について詳細に説明する。
【0008】
本発明の硬化型組成物における1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物は、チオール基とイソシアネートの反応によりチオウレタン結合を形成することにより、室温で硬化する組成物である。以下に各ポリマー、化合物等について説明する。
【0009】
(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマー
本発明で用いられる1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーは、主鎖中にエーテル結合、チオエーテル結合、ジスルフィド結合、ウレタン結合及びエステル結合を含むものであってもよい。
【0010】
このような1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーの好ましい例として、特公昭47−48279号公報に記載されているポリオキシアルキレンポリオールや、米国特許第4,092,293号明細書及び特公昭46−3389号公報に記載されているポリメルカプタンが挙げられる。また、この他の既知化合物としては、米国特許第3,923,748号明細書に記載のチオール基末端液状ポリマー、米国特許第4,366,307号明細書に記載の液状チオエーテルの内のチオール基末端のもの等が挙げられる。さらに、特に好ましいポリマーは、下記記載のポリサルファイドポリエーテルポリマー及びポリサルファイドポリマーである。
【0011】
このような一分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーの数平均分子量は、好ましくは100〜200,000であり、より好ましくは400〜100,000である。
【0012】
・ポリサルファイドポリエ−テルポリマ−
好ましいポリサルファイドポリエーテルポリマーは、主鎖中に、
(ア)−(R1O)n−(但し、R1は炭素数2〜4のアルキレン基、nは6〜200の整数を示す。)で表されるポリエーテル部分と、
(イ)−(C24OCH2OC24−1分子中に−Sx−)−及び−(CH2CH(OH)CH2−1分子中に−Sx−)−(但し、xは1〜5の整数である。)で示される構造単位とを含有し、かつ末端に、
(ウ)−C24OCH2OC24−SH及び/又は−CH2CH(OH)CH2−SHで示されるチオール基を有するものである。
【0013】
このポリサルファイドポリエーテルポリマー中において、(ア)のポリエーテル部分と(イ)で示される構造単位は、任意の配列で結合していてよい。また、その割合は、(ア)の−(R1O)n−成分が2〜95重量%、(イ)の(C24OCH2OC24−1分子中に−Sx−)成分が3〜70重量%、及び(CH2CH(OH)CH2−1分子中に−Sx−)成分が1〜50重量%となることが好ましい。
【0014】
このポリサルファイドポリエーテルポリマーの数平均分子量は、通常600〜200,000であり、好ましくは800〜50,000である。このようなポリサルファイドポリエーテルポリマーは、例えば、特開平4−363325号公報に記載されているように、ポリオキシアルキレングリコールにエピハロヒドリンを付加して得られるハロゲン末端プレポリマーとポリサルファイドポリマーを、95/5〜5/95のような重量比で水硫化アルカリおよび/または多硫化アルカリとともに反応させる方法により製造することができる。
【0015】
・ポリサルファイドポリマ−
ポリサルファイドポリマーは、主鎖中に、
(エ)−(C24OCH2OC24−1分子中に−Sx−)−(但し、xは1〜5の整数である。)で表される構造単位とを含有し、かつ末端に、
(オ)−C24OCH2OC24−SHで表されるチオール基を有するものである。このポリサルファイドポリマーは、室温で流動性を有し、数平均分子量が好ましくは100〜200,000であり、より好ましくは400〜50,000である。このようなポリサルファイドポリマーの好ましい例は、米国特許2,466,963号明細書に記載されている。
【0016】
さらに(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーは、特開昭63−145321号公報に記載されているようなシリル化試薬によりチオール基をトリアルキルシリルチオ基として保護したものであってもよい。
【0017】
このような1分子中に2個以上のトリアルキルシリルチオ基を含有するポリマーと1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物は一液硬化型組成物とすることが可能である。
【0018】
(b)1分子中にイソシアネート基を2個以上含む化合物
本発明で用いられる1分子中にイソシアネート基を2個以上含む化合物としては、有機ポリイソシアネート化合物及び/又は活性水素含有化合物に有機ポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタンプレポリマーが好ましく用いられる。
【0019】
有機ポリイソシアネート化合物としては、具体的には、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート(クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0020】
また、活性水素含有化合物としては、水酸基末端ポリエステル、多価ポリアルキレンエーテル、水酸基末端ポリウレタン重合体、アクリル炭化水素系重合体に水酸基を導入したアクリルポリオール、水酸基末端ポリブタジエン、多価ポリチオエーテル、ポリアセタール、脂肪族ポリオール、及びチオール基を2個以上有するアルキレンチオールを包含するアルカン、アルケン及び脂肪族チオール、末端にチオール基を有するポリサルファイドポリマー、芳香族、脂肪族及び複素環ジアミン等を包含するジアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0021】
ウレタンプレポリマーとしては、前述のチオール基含有化合物と有機ポリイソシアネート化合物を、イソシアネート化合物過剰の条件で反応させることにより得られる。
【0022】
本発明の硬化型組成物において、 (a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと、(b)1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物とをあらかじめ反応させて、上述のウレタンプレポリマーとしたもののみを用いることにより、一液硬化型組成物として使用することも可能である。
【0023】
本発明においては、前記(b)の化合物中のイソシアネ−ト基と、上述した(a)の1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマー中のチオール基とのモル比(イソシアネート基/チオール基)が、0.5〜4.0となるように配合することが好ましい。前記モル比が0.5未満では、硬化型組成物が十分に高分子量化しないため好ましくなく、一方4.0を超えると硬化物が硬く脆いものとなり、好ましくない。より好ましいモル比は、0.7〜3.0である。
【0024】
(c)炭化水素系重合体
本発明で用いられる炭化水素系重合体は(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸を重合することにより得られる。これらは、単独で用いても良いし、複数を共重合させても構わない。なかでも、生成物の物性等から、好ましくは、アクリル酸エステルモノマー及びメタクリル酸エステルモノマーである。
【0025】
また、特願平7−196753号公報に例示されるように、前記ビニル系単量体をラジカル重合する際に両末端にチオール基を有するポリサルファイドポリマーを連鎖移動剤として存在させることにより得られるポリサルファイド含有ブロック共重合体は、(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと相溶性が良好であり、好適に使用できる。
【0026】
上記の重合には、ラジカル重合開始剤を用いてもよい。具体的には、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルオキシジカーボネート、ターシャリーブチルパーオキシピバレート、ジターシャリーブチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド及びラウロイルパーオキサイド等の過酸化物;又は2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)及び2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;過硫酸アンモニウム及び過硫酸カリウム等の無機過酸化物を使用することができる。
【0027】
炭化水素系重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCという。)による数平均分子量(ポリスチレン換算)は、500〜30,000であり、700〜10,000であることが好ましい。数平均分子量が小さすぎると、得られる組成物が硬化物の強度や耐候性が不十分なものとなり、大きすぎると、組成物が粘度の高い作業性に劣るものとなる。
【0028】
これらの炭化水素系重合体に、水酸基、カルボキシル基あるいはアミノ基等の活性水素含有基が含まれている場合は、(b)1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物中のイソシアネ−ト基と、(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマー中のチオール基及び活性水素含有基を含む炭化水素系重合体中の活性水素含有基の合計とのモル比(イソシアネート基/(チオール基+活性水素含有基))が、0.5〜4.0となるように配合すれば良好な結果が得られ、問題なく使用することができる。従って、水酸基、カルボキシル基あるいはアミノ基等の活性水素含有基が含まれている炭化水素系重合体を用いる場合には、上記したモル比の条件をとることが好ましい。
【0029】
上記炭化水素系重合体の配合量は、(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと(b)1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物の合計100重量部に対して0.5〜500重量部であり、好ましくは1〜200重量部である。炭化水素系重合体の配合量が0.5重量部より少ないと、耐候性改良効果に乏しくなり、500重量部より多くなると作業性が悪化する。
【0030】
(d)光硬化性化合物
本発明で好ましく用いられる光硬化性化合物としては、光によって反応硬化する基を分子内に1個以上有する化合物であり、例えば、上述のビニル系単量体や、ウレタンアクリレート、ウレタンメタクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエステルメタクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリエーテルメタクリレート等の単量体やオリゴマー等が挙げられる。このうち耐候性を高める効果の点から、分子内に二重結合を2個以上含有するエチレン性不飽和化合物が好ましく、更に、アクリル酸系化合物、メタクリル酸系化合物、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル等のアクリル系化合物で、分子量10,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基又はメタクリロイル基を1分子当り平均して2個以上含有するものが好ましい。
【0031】
本発明において光硬化性化合物の配合量は、(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと(b)1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物の合計100重量部に対して、好ましくは、0.01〜100重量部、より好ましくは0.1〜50重量部である。光硬化性化合物の配合量が0.01重量部より少ない場合は耐候性改良効果が乏しくなり、100重量部より多くなると硬化物が堅く脆いものとなってしまうため、または経済上好ましくない。
【0032】
・その他の配合物
本発明の硬化型組成物には、経済性、組成物を施工する際の作業性及び硬化後の物性を改良する目的で、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化チタン、シリカ、ゼオライト、パーライト、セラミックバルーン、ガラスバルーン、シリカバルーン、シラスバルーン、アルミナバルーン、プラスチックバルーン等の中空微小球等の充填材、フタル酸エステル、ブチルベンジルフタレート、塩素化パラフィン、水添ターフェニル、また特開平10−60261号公報記載のキシレン樹脂等の可塑剤、添加剤として特開平7−268058号公報記載の不飽和化合物及び/又は亜リン酸エステル化合物、特開2000−344853号公報記載の脂肪酸エステル、特開2001−64504号公報に記載の紫外線吸収剤、特開2001−220423号公報に記載の1分子中に−Sx−(但し、xは2以上の整数)を1つのみ持つ有機ポリサルファイド化合物を用いることが出来る。
【0033】
前記キシレン樹脂とは、キシレン又はメシチレンとホルマリンとを強酸触媒下で反応させて得られる淡黄色透明の水飴状樹脂で、キシレンが原料であるものがキシレンホルムアルデヒド樹脂で、キシレンの3つの異性体の中ではメタキシレンが最も反応性が高い。また、メシチレンが出発原料であるものがメシチレンホルムアルデヒド樹脂となる。これら樹脂はキシレン又はメシチレンとホルマリンとのモル比を変えることで粘度、組成を調整することができる。また、得られた樹脂は主としてキシレン核又はメシチレン核がメチレン、アセタールまたはエーテル結合で結ばれ、末端にキシレン核又はメシチレン核及び一部メチロール基やメトキシメチル基等を有する多分子性の構造をもつもので、数平均分子量が250〜700程度のオリゴマーである。
【0034】
また、前記不飽和化合物とは、炭素−炭素二重結合及び/又は三重結合を有する不飽和炭化水素、不飽和エステル、不飽和エーテル、不飽和アルデヒド、不飽和ケトン、不飽和アルコール類等である。不飽和炭化水素としては、1−オクテン、1−ヘキサデセン、1−オクチン、1−ヘキサデシン、1,4−オクタジエン−7−イン等が挙げられ、不飽和エステルとしては、オレイン酸オクチル、リノレン酸オクチル、メチルアセチルリシノレート、アジピン酸ジオレイル、オレイン酸モノグリセライド、オレイン酸ジグリセライド、トリオレイルホスフェート、アクリル酸オクチル、ケイ皮酸オクチル、2−ヒドロキシオクチルアクリレート等が挙げられる。不飽和エーテルとしては、1−オクテニルメチルエーテル、シンナミルメチルエーテル、アネトール、ジブテニルエーテル、1−オクテニルヒドロキシメチルエーテル等が、また不飽和アルデヒドとしては、オレイルアルデヒド、シンナムアルデヒド、2,3−ヘキセナール、シトラール、シトロネラール、6−ヒドロキシヘキセナール等が挙げられる。また不飽和ケトンとしては、1−オクテン−4−オン、1−ヘキサデセン−4−オン、イローン、ヨノーン、8−ヒドロキシオクテン−4−オン等、不飽和アルコールとしては、シンナミルアルコール、オイゲノール、オレイルアルコール、10−ウンデセン−1−オール、リノレイルアルコール、キウリアルコール、ゲラニオール、シトロネロール、イソフィトール、リナロール等が挙げられる。
【0035】
また、これら不飽和化合物の中でもOH基を含有するものが好ましく、上述の不飽和アルコールの他、2−ヒドロキシオクチルアクリレート、1−オクテニルヒドロキシメチルエーテル、6−ヒドロキシヘキセナール、8−ヒドロキシオクテン−4−オン等のOH基及びその他の官能基を含有する不飽和化合物が挙げられる。特に、不飽和アルコールの中では1級OH基を1個のみ含有するものがより好ましい。
【0036】
これら化合物の例としては、シンナミルアルコール、オイゲノール、オレイルアルコール、10−ウンデセン−1−オール、リノレイルアルコール、キウリアルコール、ゲラニオール、シトロネロール等挙げられる。オレイルアルコールとしては、新日本理化(株)製の商品名:「アンジェコール」を使用することができる。
【0037】
一方、亜リン酸エステル化合物としては、活性の低いトリアルキルホスファイトが好ましく、例としてトリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、トリストリデシルホスファイト、トリペンチルホスファイト、ジイソデシルトリデシルホスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、トリステアリルホスファイト、ビス(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト等が挙げられる。
【0038】
前記脂肪酸エステルとしては、脂肪酸と1価又は2価のアルコールからなるワックスや、脂肪酸とグリセリンからなる脂肪酸グリセリンエステル(以下、脂肪酸グリセライド)の使用が可能であり、酸基は飽和脂肪酸及び/又は不飽和脂肪酸であってもよい。飽和脂肪酸としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグリノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸が挙げられ、不飽和脂肪酸としてはトウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、マッコウ酸、ミリストオレイン酸、ゾーマリン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、鯨油酸、エルシン酸、サメ油酸、リノール酸、ヒラゴ酸、エレオステアリン酸、ブニカ酸、トリコサン酸、リノレン酸、モロクチ酸、パリナリン酸、アラキドン酸、イワシ酸、ヒラガシラ酸、ニシン酸等が挙げられる。
【0039】
上記脂肪酸エステルのうち、特に脂肪酸グリセライドが好ましく、具体的には酸基が飽和脂肪酸であるステアリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノジグリセライド、酸基が不飽和脂肪酸であるオレイン酸モノグリセライド、オレイン酸モノジグリセライド、さらにこれら酸基が混在するオレイン酸ステアリン酸モノジグリセライドが挙げられる。
【0040】
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸フェニル系、トリアジン系、ニッケル塩及びニッケル錯塩系が挙げられる。特に好ましい紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系、ニッケル塩、ニッケル錯塩系の紫外線吸収剤であり、とりわけベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好ましい。具体的には2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2−ヒドロキシ−3(3,4,5,6−テトラ−ヒドロフタルイミドメチル)−5−メチルフェニル]ベンソトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、ニッケルジブチルジチオカルバメート、[2,2'−チオビス(4−t−オクチルフェノレート)]−2−エチルヘキシルアミン−ニッケル等が挙げられる。
【0041】
前記1分子中に−Sx−(但し、xは2以上の整数)を1つのみ持つ有機ポリサルファイド化合物としては、脂肪族及び/又は芳香族基を持つ直鎖状もしくは環状化合物が挙げられる。具体的には、ジメチルジサルファイド、ジ−t−ブチルジサルファイド、ジチオジグリコール酸、ジチオプロピオン酸、ジチオプロピオン酸エステル、ジチオ安息香酸、ジチオサリチル酸、ジ−t−ノニルポリサルファイド、ジ−t−ドデシルポリサルファイド、ジフェニルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、レンチオニン、スポリデスミン等が挙げられる。特に好ましい例は、臭気の少ないジ−t−ドデシルポリサルファイドである。
【0042】
加えて、本発明の硬化型組成物には、硬化前の配合物の貯蔵性を改良するために、特開平7−268058号公報等に記載の加硫促進剤及び/又はイオウを添加することができる。加硫促進剤の例としては、チウラム類、チアゾール類、チオウレア類、スルフェンアミド類、ジチオカルバミン酸塩類等が挙げられるが、特にチウラム類が好ましい。チウラム類としては、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチオウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。チアゾール類の具体例としては、2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド、2−(4−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等が、スルフェンアミド類の具体例としては、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。チオウレア類の具体例として、N,N,−ジエチルチオ尿素等が、ジチオカルバミン酸塩の具体例としては、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄等が挙げられる。また、イオウについては、特に制限はないが、ゴム配合用の粉末状のものが好ましい。
【0043】
加えて、本発明の硬化型組成物には、硬化後の表面残存タックを改良するために、特開2000−178334号公報に記載の空気酸化可能な不飽和基を含有する化合物を添加することができる。空気酸化可能な不飽和基を含有する化合物としては、乾性油、ジエン系化合物、乾性油の各種変性物が挙げられる。具体的には不飽和脂肪酸の混合トリグリセライドで、ヨウ素価130以上の油脂(乾性油及び魚油)が使用可能である。不飽和脂肪酸としてはトウハク酸、リンデル酸、ツズ酸、マッコウ酸、ミリストオレイン酸、ゾーマリン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、鯨油酸、エルシン酸、サメ油酸、リノール酸、ヒラゴ酸、エレオステアリン酸、ブニカ酸、トリコサン酸、リノレン酸、モロクチ酸、パリナリン酸、アラキドン酸、イワシ酸、ヒラガシラ酸、ニシン酸が挙げられる。具体的には、植物油としては亜麻仁油、エノ油、桐油、日本桐油、オイチシカ油、麻実油、カヤ油、イヌガヤ油、クルミ油、オニグルミ油、ケシ油、ヒマワリ油、大豆油、サフラワー油等。魚油としてイワシ油、ニシン油、メンヘーデン油等が挙げられる。これら以外にも、魚油のアルカリ異性化による異性化油、ヒマシ油の脱水化による脱水ヒマシ油等挙げられる。特に好ましい例は、エレオステアリン酸等の共役酸型の不飽和脂肪酸を多く含むキリ油、オイチシカ油である。
【0044】
本発明においては、乾性油の添加量は1分子中に2個以上の活性水素を含有するポリマーと1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物の合計100重量部に対し0.1〜50重量部、より好ましくは0.5〜20重量部であることが望ましい。であることが望ましい。0.1重量部以下の場合残存タック改良の効果が乏しくなり、50重量部以上では経済的及び臭気の点で好ましくない。
【0045】
さらに、空気酸化可能な不飽和基を含有する化合物は活性水素含有化合物と有機ポリイソシアネート化合物をイソシアネ−ト化合物過剰の条件で反応させる際に共存させて合成することにより1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物と空気酸化可能な不飽和基を含有する化合物を安定に存在させることが可能となり、特に好ましい。
【0046】
さらに本発明の硬化型組成物には、施工後の硬化を迅速かつ確実におこなわせるために、チオール基とイソシアネート基との反応触媒を、また硬化遅延剤として酸性物質を添加することができる。
【0047】
上記の反応触媒としては、3級アミン及び有機金属化合物等が用いられる。
【0048】
3級アミンとしては、モノアミン類、ジアミン類、トリアミン類、ポリアミン類、環状アミン類、アルコールアミン類、エーテルアミン類等があり、具体例としては、トリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、N,N,N',N'−テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、N,N,N',N",N"−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N',N",N"−ペンタメチルジプロピレントリアミン、テトラメチルグアニジン、N,N−ジポリオキシエチレンステアリルアミン、N,N−ジポリオキエチレン牛脂アルキルアミン、トリエチレンジアミン、N,N'−ジメチルピペラジン、N−メチル− N'−(2ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、N−( N',N'−ジメチルアミノエチル)−モルホリン、1,2−ジメチルイミダゾ−ル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N'−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N'−(2ヒドロキシエチル)−ピペラジン、N−(2ヒドロキシエチル)−モルホリン、ビス−(2ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコールビス−(3ジメチル)−アミノプロピルエーテル、テトラキス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジノールとトリデシルアルコールと1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸との縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β',β'−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジノールとβ,β,β',β'−テトラメチル−3,9−(2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン)ジエタノールとの縮合物、1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレート等が挙げられる。これら3級アミンは2種以上を用いてよい。
【0049】
また、有機金属化合物としては、有機錫化合物、有機水銀化合物、有機鉛化合物、有機カルシウム化合物、有機セリウム化合物、有機亜鉛化合物等が挙げられ、具体的にはオクチル酸錫、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫メルカプチド、ジブチル錫チオカルボキシレート、ジブチル錫マレエート、ジオクチル錫メルカプチド、ジオクチル錫チオカルボキシレート、フェニル水銀プロピオン酸塩、オクテン酸鉛、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸カルシウム、オクチル酸セリウム、ナフテン酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等が挙げられる。これら有機金属化合物は、2種以上を用いてよい。
【0050】
また、硬化遅延剤として、酸性物質を添加することができる。酸性物質としては、クエン酸、ステアリン酸、2エチルヘキサン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等の有機酸が好ましく用いられる。
【0051】
本発明によれば、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物に、特定の炭化水素系重合体を加えることで、可塑剤、充填剤、及び添加剤を併用した場合でも、良好な耐候性を有する硬化物が得られる。
【0052】
本発明の硬化型組成物は、建築用、複層ガラス用及び車両用等のシーリング材、接着剤およびコーティング剤等の用途に好適に用いられる。
【0053】
【実施例】
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
【0054】
(合成例1)
プロピレングリコールにプロピレンオキサイドを付加して得られる二官能性ポリプロピレングリコール(OH価55.3mgKOH/g )800gと、87.7gのエピクロロヒドリンと、1.0gの塩化第二錫五水塩とを反応容器に仕込み、80〜90℃で3時間攪拌した。さらに、ポリサルファイドポリマ−(東レチオコール(株)製、商品名"チオコールLP−55")887.7gを加え混合した後、76gの水硫化ソーダ(純度70%)を加え、80℃で2時間攪拌した。その後、クエン酸の50%水溶液7.1gを加えて、15分間攪拌してから脱水した。さらに、塩を除去し、チオール基を2個以上有するメルカプタン含量2.0重量%、粘度80ポイズ(25℃)の淡黄色透明なポリマーを得た。
【0055】
(合成例2)
アクリル酸n-ブチル128g(1.0モル)にポリサルファイドポリマー(東レチオコール(株)製、商品名"チオコールLP−3")47.83g(チオール基含有量6.9重量%)を加えて混合し、その混合物の30重量%を反応容器に仕込んだ。この混合物を窒素置換した後、緩やかに攪拌しながら60℃に昇温して2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2gを加えた。混合物が100℃を越えないように70℃まで昇温して、混合物を重合させた。発熱が穏やかになってから残りの混合物70重量%にAIBN0.3gを加えて混合したものを重合物の温度が80℃が越えないように、反応容器に滴下した。滴下終了後、発熱が認められなくなった時点で重合を終了した。得られたポリサルファイド含有ブロック共重合体は均一透明な液状であり、チオール基は0.03重量%以下であった。
【0056】
(実施例1)
合成例1のポリマーに、炭化水素系重合体として合成例2のポリサルファイド含有ブロック共重合体を用い、可塑剤、充填剤、及び添加剤を表1の割合で配合して主剤を得た。また、充填剤、及び可塑剤を表2の割合で配合して色剤ペーストを得た。このようにして得た主剤390重量部、色剤ペースト10重量部と、2官能性ポリプロピレングリコールと3官能性ポリプロピレングリコールにキシリレンジイソシアネートを付加する際に桐油を添加して得られたウレタンプレポリマー(イソシアネート含有量3.8重量%、桐油含有量4.5重量%)72重量部を混合した。得られた混合物から厚さ3mmで30mm×50mmのシート状硬化物をアルミ板上に作製した。このシート状硬化物のサンシャインウエザオメーター(SWOM−スガ試験機製WS型)による暴露試験(試験条件:スプレーサイクル 120分中18分、ブラックパネル温度53℃)の結果を表3に示す。
【0057】
(実施例2)
合成例1のポリマーに、炭化水素系重合体としてアクリル系重合体(東亞合成(株)製、商品名"ARUFON UP−1060")、充填剤、及び添加剤を表1の割合で配合して主剤を得た。実施例1と同様に色剤ペースト10重量部、ウレタンプレポリマー72重量部を混合した。得られた混合物から実施例1と同様のシート状硬化物を作製し、同様な暴露試験を行った。結果を表3に示す。
【0058】
(実施例3)
合成例1のポリマーに、炭化水素系重合体としてアクリル系重合体(東亞合成(株)製、商品名"ARUFON UP−1080")、充填剤、及び添加剤を表1の割合で配合して主剤を得た。実施例1と同様に色剤ペースト10重量部、ウレタンプレポリマー72重量部を混合した。得られた混合物から実施例1と同様のシート状硬化物を作製し、同様な暴露試験を行った。結果を表3に示す。
【0061】
(実施例
合成例1のポリマーに、炭化水素系重合体としてアクリル系重合体(東亞合成(株)製、商品名"ARUFON UP−1060")、光硬化性化合物としてポリエステルアクリレート(東亞合成(株)製、商品名"アロニックス M−8060")、充填剤、及び添加剤を表1の割合で配合して主剤を得た。実施例1と同様に色剤ペースト10重量部、ウレタンプレポリマー72重量部を混合した。得られた混合物から実施例1と同様のシート状硬化物を作製し、同様な暴露試験を行った。結果を表3に示す。
【0062】
(実施例
合成例1のポリマーに、炭化水素系重合体として水酸基含有アクリル系重合体(東亞合成(株)製、商品名"ARUFON UH−2000")、充填剤、及び添加剤を表1の割合で配合して主剤を得た。得られた主剤390重量部に、実施例1で用いた色剤ペーストを10重量部、実施例1で用いたウレタンプレポリマーを62重量部混合した。得られた混合物から実施例1と同様のシート状硬化物を作製し、同様な暴露試験を行った。結果を表3に示す。
【0063】
(実施例
合成例1のポリマーに、炭化水素系重合体としてアクリル系重合体(東亞合成(株)製、商品名"ARUFON UP−1060")、水酸基含有アクリル系重合体(東亞合成(株)製、商品名"ARUFON UH−2000")、充填剤、及び添加剤を表1の割合で配合して主剤を得た。得られた主剤に、実施例7と同様にして色剤ペースト10重量部、ウレタンプレポリマー62重量部を混合した。得られた混合物から実施例1と同様のシート状硬化物を作製し、同様な暴露試験を行った。結果を表3に示す。
【0064】
(実施例
合成例1のポリマーに、炭化水素系重合体としてアクリル系重合体(東亞合成(株)製、商品名"ARUFON UP−1060")、水酸基含有アクリル系重合体(東亞合成(株)製、商品名"ARUFON UH−2000")、光硬化性化合物としてポリエステルアクリレート(東亞合成(株)製、商品名"アロニックス M−8060")、充填剤、及び添加剤を表1の割合で配合して主剤を得た。得られた主剤に、実施例7と同様にして色剤ペースト10重量部、ウレタンプレポリマー62重量部を混合した。得られた混合物から実施例1と同様のシート状硬化物を作製し、同様な暴露試験を行った。結果を表3に示す。
【0065】
(比較例1)
合成例1のポリマーに、可塑剤、充填剤、及び添加剤を表1の割合で配合して主剤を得た。実施例1と同様に色剤ペースト10重量部、ウレタンプレポリマー72重量部を混合した。得られた混合物から実施例1と同様のシート状硬化物を作製し、同様な暴露試験を行った。結果を合わせて表3に示す。
【0066】
【表1】
Figure 0004114130
【0067】
【表2】
Figure 0004114130
【0068】
【表3】
Figure 0004114130
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物に、特定の炭化水素系重合体を特定量加えることで、可塑剤、充填剤、及び添加剤を併用した場合でも、良好な耐候性を有し、建築、土木、自動車、航空機用のシーリング材、接着剤、コーティング材として用いるのに適した硬化型組成物が得られる。

Claims (2)

  1. (a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと、(b)1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物と、(c)(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸−t−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペンチル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘプチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−アミノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサイド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチル、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合することにより得られる数平均分子量が500〜30,000である炭化水素系重合体を含有し、(a)1分子中に2個以上のチオール基を含有するポリマーと(b)1分子中に2個以上のイソシアネート基を含有する化合物の合計100重量部に対して、(c)ビニル系単量体を重合することにより得られる数平均分子量が500〜30,000である炭化水素系重合体を0.5〜500重量部含有することを特徴とする硬化型組成物。
  2. (d)光硬化性化合物を含有し、(d)光硬化性化合物が、分子内に二重結合を2個以上含有するエチレン性不飽和化合物であることを特徴とする請求項1記載の硬化型組成物。
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