JP4110922B2 - 車両用外界認識装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザなどの電磁波を用いて、スキャニングすることにより、物体との相対位置を検知する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザの照射範囲を複数の検知エリアに区切り、各検知エリアの受信強度から物体の存在を判定する物体検知装置が提案されている(特許文献1参照)。この装置では、各検知エリアの受信強度の加算値と閾値との比較を行うため、物体との相対距離に関わらず確実に物体を検知することが可能となるものである。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−28718号公報(第4〜6頁)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献1に記載のような装置では、レーダからの電磁波を反射する反射物が、その全体で完全に電磁波を反射できないとき(物体の一部が検知範囲から外れる等により物体の本当の大きさに対する反射可能エリアが異なる場合)には、正しい相対横位置が検出できない場合が生じる。これについて図10〜図12を用いて説明する。時刻t0において隣接レーンから自車進行方向の前方に割り込む車両が存在し、時刻t1において割り込み車両の一部がレーダ視野角に入る。このとき、反射可能エリアを検知し、検知リフレクタ群の左端と右端の中心位置を車両の横位置として認識する。よって、図11の実線で示す位置に割り込み車両が位置し、左端側のみのリフレクタによって横位置を認識することになる。その後、時刻t2において車両全体が視野角に入り、図中右端側と左端側のリフレクタから横位置を認識するため、図11の場合、横位置が図中右側に移動することとなる。図12は物体検知装置が認識している割り込み車両の横位置と物体の幅(車幅)との関係を表すタイムチャートである。図12の横位置のタイムチャートに示すように、車幅が大きく変化すると、レーダ出力の相対横位置に段差が生じるため、これを用いる処理、例えば、相対速度の算出処理では実際とは反対方向の動きとして相対速度が算出されるといった問題や、障害物判断処理では障害物として注目すべき車両を非障害物と判断してしまうという問題が生じる。
【0005】
本発明は、上述の課題に鑑み、レーダ視野角の左右端付近に存在する物体の検出位置に段差が生じる場合であっても、誤った横方向相対速度の算出がなされることのない車両用外界認識装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願発明では、自車前方に位置する先行車の左右反射板の位置を検知して、自車と検知した先行車との横方向(車幅方向)相対位置を出力するスキャニング式測距手段と、該スキャニング式測距手段の出力から自車両と各先行車との横方向相対速度を算出する相対速度算出手段と、を備えた車両用外界認識装置において、前記スキャニング式測距手段の出力に基づき各先行車の測距状況を把握する測距状況把握手段と、該測距状況把握手段の出力に応じて前記相対速度算出手段の横方向相対速度の演算を変更する相対速度演算変更手段と、を設け、前記測距状況把握手段は、前記スキャニング式測距手段の出力から前記スキャニング式測距手段における視野角の左右端付近に検知した同一の先行車の横方向位置の変化が第1閾値よりも大きくなったときに、前記相対速度算出手段の処理の変更を知らせる情報を出力し、前記相対速度演算変更手段は、前記測距状況把握手段の出力から変更を知らせる情報が出力されると、横方向の相対速度の算出に用いる値を、その直前までの当該先行車の動きを考慮して設定することで、上記課題を解決するに至った。
【0007】
【発明の効果】
本願発明にあっては、スキャニングにより検知した各物体について、その検知状況を把握する。そして、検知状況の把握結果から、スキャニング式測距手段における視野角の左右端付近に検知した同一の検知物体の横方向位置の変化が第1閾値よりも大きくなったとき、横方向の相対速度の算出に用いる値を、その直前までの当該先行車の動きを考慮して設定することで、横方向相対速度算出処理を一時的に変更する。このようにして、変更して算出した横方向相対速度は、実際とは逆方向の動きとして算出されることがないため、横方向相対速度の算出精度を向上することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明における車両用外界認識装置の実施形態について実施例をもとに説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0009】
(第1実施例)
図1は、この発明の第1実施例を示す図である。まず構成を説明すると、車両の先頭にはスキャニング式のレーザレーダ1が設けられている。このレーザレーダ1には、走査した結果から障害物候補を抽出するレーダ処理装置2が接続され、このレーダ処理装置2では一つ又は複数の障害物候補に対して自車両を原点とする2次元(車間距離方向と車幅方向)座標値の算出と、障害物候補の幅(大きさ)の算出が実施される。
【0010】
また、自車前方の状況を高速に把握するプログレッシブスキャン式の3CCDカメラ3が搭載されている。この3CCDカメラ3の撮像結果が画像処理装置4に接続されている。この画像処理装置4ではレーダ処理装置2で捕捉した障害物候補の座標付近の画像データを記憶し、自車両のピッチング変動等によりレーダ検知物体をロストした場合に、画像処理により物体を検知する処理が実施される。
【0011】
レーダ処理装置2の出力、および画像処理装置4の出力は外界認識装置5に接続されている。この外界認識装置5には、自車両の状態量を推定するために従属左右車輪速度を検出する車速検出装置6と、前輪操舵角を検出する操舵角検出装置7が接続されている。
【0012】
上述のようなハード構成から、本発明の測距状況把握手段と後段の処理(相対速度算出処理や障害物判断処理)変更手段等の演算処理が行われ、これにより高度な車両用の外界認識システムが実施される。
【0013】
外界認識装置5では、レーダ処理装置で検知した各物体が自車両にとって障害物であるか否かを正確に判断し、その判断結果は自動ブレーキ制御装置8に出力される。そして、前後輪には任意な制動力を達成する負圧ブレーキブースタ9が接続され、自車両の自動ブレーキ制御8からの制動力指令電圧が負圧ブレーキブースタ9のソレノイドバルブに印加されることにより行われる。
【0014】
これらのレーダ処理装置2や自動ブレーキ制御装置8は、それぞれマイクロコンピュータとその周辺部品や各種アクチュエータの駆動回路などを備え、互いに通信回路を介して情報を送受信する。
【0015】
図2は、第1実施例における車両用外界認識装置の制御構成を表すブロック図である。まず構成を説明すると、図中の101は物体との相対位置を出力するスキャニング式測距手段、102はスキャニング式測距手段101の測距結果に基づき物体と自車両との相対速度を算出する相対速度算出手段、103はスキャニング式測距手段101で検知した物体の測距状況を把握する測距状況把握手段、104は測距状況把握手段103の出力をトリガーとして相対速度算出手段102の演算処理を変更する相対速度演算変更手段である。
【0016】
図3は第1実施例における相対速度算出制御を表すフローチャートである。この実施例は、自車前方の状況を把握するスキャニング式レーザレーダの走査結果(位置の変化や幅の変化)から、検知物体の測距状況を把握し、相対速度の演算処理を一時的に変更することで、より高精度に横方向相対速度を算出する場合である。尚、本制御は100[ms]毎に実施されるものとする。
【0017】
ステップ201では、スキャニング式レーザレーダ1の検知した各物体の位置ベクトル(横方向:Px_z0, 縦方向Py_z0),および、物体の幅(大きさ:W_z0)を読み込む。なお、添え字のz0とは今回の値を、z1は1サンプリング(100ms)過去の値を、znはnサンプリング過去の値を、それぞれ意味する。
【0018】
ステップ202では、ステップ201で読み込んだ検知物体の横方向位置とその過去値が、次式(1)を満足する場合にはステップ204へ、そうでない場合にはステップ203へ進む。
abs( Px_z0 − Px_z1 ) > Th_Px ・・・(1)
ここで、abs(A)とは、A(引数)の絶対値を出力する関数である。また、Th_Pxとは横方向の検知位置の変化に関する閾値であり、レーダの横方向標準偏差から決めても良い。具体的には、スキャニングレーザレーダの横方向位置の標準偏差よりも若干大きな値に設定する。これにより、式1を満たす測距状況は、何らかの普通ではない状態(横変位の急変等)であり、後述する処理を一時的に変更する必要性を判断する。
【0019】
ステップ203では、ステップ201で読み込んだ検知物体の幅とその過去値が、次式(2)を満足する場合にはステップ204へ、そうでない場合にはステップ205へ進む。
abs( W_z0 − W_z1 ) > Th_W ・・・(2)
ここで、Th_Wとは幅の変化に関する閾値であり、障害物とする物体の大きさから決めても良い。具体的には、スキャニングレーザレーダの視野角左右端付近で段差が生じる物体はある程度の車幅を有する。つまり、軽自動車以上を対象にすると、Th_Wをある程度の大きさ(少なくともバイク等の幅より大きな値)に設定すれば、片側リフレクタしか検知しない場合と両側リフレクタを検知した場合の差から、式2を満足する測距状況は、何らかの普通ではない状態(検知物体の幅(大きさ)が急変)であり、後段の処理を一時的に変更する必要性を判断する。
【0020】
なお、ステップ202とステップ203ではabs関数を使っているが、これは、検知物体がレーダ視野角の外→内だけでなく、内→外に移動した場合でも同様に<一時的な処理変更>を行うことで横位置段差に関する問題を解決することが可能なためである。
【0021】
ステップ204では、ステップ201で読み込んだ検知物体の縦位置と横位置が、次式(3)を満足する場合にはステップ206へ、そうでない場合にはステップ205へ進む。
K1 Th_L < atan( Px_z0 / Py_z0 ) <K1 Th_R ・・・ (3)
ここで、atan(A)とは、Aの逆正接値を出力する関数であり、K1は1未満の正数であり、Th_LとTh_Rはスキャニングレーザレーダの視野角における左右端の角度を表すものである。例えば、視野角12degのスキャニング式レーザレーダで自車の進行方向右側をプラスとした場合、自車正面を中心(ゼロdeg)として、Th_L = -6[deg],Th_R = +6[deg] となる。
よって、式3を満足しない場合には、検知物はレーダ視野角の左右端付近に存在する微妙な測距状態であることが分かる。
【0022】
ステップ205では、ステップ201で求めた検知物体の相対位置ベクトルとその過去値(Px,Py)から、相対速度ベクトル(横方向相対速度:rVx_z0,縦方向相対速度:rVy_z0)を次式(4)で表される伝達関数により算出し、ステップ207へ進む。
G(Z) = ( cZ2 − c ) / ( Z2 − aZ + b )・・・ (4)
ここで、Zは進み演算子であり、係数a,b,cは正数であって、これらは所望の擬似微分特性を有するようにサンプリング周期100msで離散化されたものである。これにより、相対速度が実際とは逆方向の動きとして算出されることを防ぐだけでなく、より実際の動きに近い高精度な相対速度の算出を行うことができる。
【0023】
ステップ206では、ステップ201で求めた検知物***置とその過去値、及び、ステップ205で求めた横方向の相対速度の過去値(ここで、もしステップ205で相対速度を求めていない初期状態の場合には、過去値はすべてゼロとする)を、次式のように変更して設定し、今回のサンプリング周期における横方向相対速度を算出する。なお、縦方向の相対速度に関しては(視野角の端っこでも段差や誤差は生じないため、従来同様)ステップ205の式(4)から求める。temp = Px_z1 − Px_z2 ・ ・ ・ (5)
Px_z1 = Px_z0 − temp , Px_z2 = Px_z1 − temp ・ ・ ・ (6)
rVx_z0 = a rVx_z1 − b rVx_z2 + c Px_z0 − c Px_z2 ・・・ (7)
ここで、式(5)は位置の変化を表す値が求められるならば他の算出方法(例えば、temp = 0.1 rVx_z1, ここで0.1はサンプリング周期を意味している)でも良い。また、式(6)は"変更"直後の位置を基準として、"変更"直前の動きを考慮して過去値を再設定している。更に、式(7)は式(4)の伝達関数を離散時間系の状態方程式に書き直したものである。一見Px_z1は使っていないが、次回のサンプリング周期でPx_z2として用いられる。
【0024】
ステップ207では、検知物***置や相対速度の過去値を更新して終了する。
【0025】
このようにして、検知物体の横方向相対速度を補正するため、スキャニングレーザレーダの視野角の左右端付近に検知物体が存在する際にレーダ出力が急変した場合でも、精度の高い横方向相対速度の算出が可能となり、これを用いた障害物判断処理では判断結果の正確さが向上される。なお、検知物体が複数出現した場合について明記していないが、複数の物体を検知した場合には各物体に対して同様の処理を行う。
【0026】
(参考例)
次に参考例について説明する。基本的なハード構成は第1実施例と同様であるため、異なる点についてのみ説明する。第1実施例はレーザレーダ視野角付近の横位置段差に対して横方向の相対速度算出処理を一時的に変更することにより、より高精度な相対速度算出を行うものであるが、参考例では、相対速度の演算処理だけでなくそれを使った障害物判断処理も一時的に変更する場合である。
【0027】
図4,5は参考例における相対速度算出制御及び障害物判断制御を表すフローチャートである。本実施例も100ms毎に実施され、ステップ301は第1実施例のステップ201と同様なので省略する。
【0028】
ステップ302は、ステップ202と同様であるが、次式(8)からαを求める。
α=func1{ abs( Px_z0 − Px_z1 ) − Th_Px } ・・・(8)
ここで、func1(A)とは図6のような特性を有する関数であって、func1∈[0, 1]の範囲をとる。
【0029】
ステップ303は、ステップ203と同様であるが、次式(9)からβを求める。
β=func2{ abs( W_z0 − W_z1 ) − Th_W } ・・・(9)
ここで、func2(A)とは図7のような特性を有する関数であって、func2∈[0, 1]の範囲をとる。
【0030】
ステップ304は、ステップ204と同様であるが、次式(10)からγを求める。
γ = func3[ abs{ atan( Px_z0 / Py_z0 )} − K1 Th_R ] ・・・ (10)
ここで、func3(A)とは図8のような特性を有する関数であって、func3∈[0, 1]の範囲をとる。
【0031】
ステップ305は、ステップ301で求めた検知物の位置の履歴から、δを求める。具体的な一例として以下のプログラムを示す。
δ1 = 初期値ゼロ,δ = 初期値ゼロ (物体を新たに検知した際にゼロに設定される)
if (α>0.8) δ1 = 10
if (δ1>0) δ1 = δ1−1 (サンプリング周期毎にデクリメントされる)
if ( abs(Px_z0) < abs(Px_z1) かつ abs(Px_z1) < abs(Px_z2) δ= 1
ここで、if (expression) statement とは、expressionを満たす場合にstatementを実施する関数である。すなわち、物体の位置が急変:δ1=10してから、1秒:δ1>0以内に、検知物体の横位置が自車両へ接近してくるとδ=1となる。
【0032】
ステップ306は、ステップ302から304で求めた値の合計が、次式(11)を満たす場合にはステップ307へ、そうでない場合には、第1実施例におけるステップ205の相対速度算出を行い、ステップ308へ進む。
α+β+γ > Th_Reset ・・・(11)
なお、Th_Resetとは相対速度をリセットすべきか否かを判断する正の閾値で、例えば2.1に設定する。
【0033】
ステップ307は、横方向の相対速度を次のようにリセットする。よって、実際とは逆方向の動きとして相対速度が算出されることがない。(縦方向はリセットしない。)
Px_z1 = Px_z0 , Px_z2 = Px_z0 ・・・(12)
rVx_z0 = 0 , rVx_z1 = 0 , rVx_z2 = 0 ・・・ (13)
【0034】
ステップ308では、次式(14)を実施する。
if( γ > Th_γ ) Recog[i] = 0 , Judge_Finish_Flag[i] = 1 ・・(14)
ここで、Th_γは検知物体がレーダの視野角の左右端に存在するか否かを判断する1未満の正数である。Recog[i] , Judge_Finish_Flag[i]はともに、新たに物体を検出するとゼロが初期的に設定されるものである。前者は0~1の範囲をとる変数で、障害物と判断する度合いが強いほど1に近づく。また、後者は障害物判断処理が終了した場合に1がセットされるフラグである。iは検知物体のID番号(先行車を2台検知した場合にはi=0,i=1の2つ)である。すなわち、レーダ視野角の端部に存在する検知物体については、障害物と判断しない処理を行うことで、ブレーキの誤作動を確実に防止することができる。よって、実際は非障害物である物体に対して誤ってブレーキを掛けることがない。
【0035】
ステップ309では、ステップ308でJudge_Finish_Flag[i]=1と設定されていない物体に対してステップ302から304で求めた値の合計から、次式(15)を実施する。
if (δ=0 かつ α+β+γ> Th_Hold)
Judge_Finish_Flag[i]=1 (15)
ここで、Th_Holdは検知物を保持すべきか否かを決める閾値であり、正の値を有するものである。すなわち、障害物判断を保持するため、それに該当する検知物体番号の判断終了フラグを1としている。δ=1の場合には検知物の横位置が急変してから自車方向に接近している状態であり、制動制御や警報などを許可したいため、障害物判断を保持させないことで、レーダ視野角の左右端付近での障害物判断性能の低下を防止することができる。
【0036】
ステップ310では、ステップ308とステップ309でJudge_Finish_Flag[i] = 1と設定されていない物体番号に対して、以下の障害物判断(通常の判断処理)を行う。ここで、図5に示す通常の障害物判断処理を説明する。
【0037】
ステップ310−1では、今回のサンプリングにおける自車両の車速Vspと舵角Strとヨーレートdψ/dtを読み込む。
【0038】
ステップ310−2では、310−1で求めた車速と舵角とヨーレートを用いて次式より自車両の将来の移動軌跡を、自車両の旋回半径として予測する。
R=Vsp/(dψ/dt) ( in case of Vsp > 30km/h ) (16)
R= ( lf + lr ) /Str ( in case of Vsp ≦ 30km/h )
ここで、lf, lrは、それぞれ前輪から重心までの距離と、後輪から重心までの距離を表している。
【0039】
ステップ310−3では、ステップ301で読み込んだ検知物体の位置から自車両と接触する可能性の最も高い相対速度ベクトルの向きを式(17)から、自車両とギリギリで接触する場合の相対速度ベクトルの向きを式(18)からそれぞれ求める。
direction_C[ i ] = atan( Px_z0[ i ] / Py_z0[ i ] ) ・・・ (17)
direction_L[ i ]
= atan( (Px_z0[ i ] + W_z0[ i ]/2 + w/2) / (Py_z0[ i ]) ) ・(18)
ここで、wは自車両の幅をそれぞれ表している。
次に、自車両に対する障害物候補の相対速度ベクトルの向きを式(19)で算出し、これより、検知物体が自車両にとって障害物となりえる可能性を式(20)により算出する。
direction[ i ] = atan( rVx_z0[ i ] / rVy_z0[ i ] ) ・・・(19)
Recog_rVxy[i] = (-0.2 / fabs( direction_L[ i ] - direction_C[ i ] ) )
* fabs(direction_C[ i ] - direction[ i ]) + 1.0 ・・・(20)
ここで、Recog_rVxyは接触する可能性があるときには0.8から1までの範囲を取り、可能性が低いほど小さい値となる。
【0040】
ステップ310−4では、式(16)で算出した自車の将来の移動軌跡Rから、式(21)により検知物体と自車両との接触可能性を求める。
Recog_Dist[i] = (-0.2 / w/2 ) * abs(hypot(Py_z0[ i ],( Px_z0[ i ] - R)) - R ) + 1.0 ・・・(21)
ここで、hypot(p1,p2)は ( p1×p1+p2×p2)0.5 を返す引数であり、Recog_Distは接触する可能性があるときには0.8から1までの範囲を取り、可能性が低いほど小さい値となる。
【0041】
ステップ310−5では、式(20)と式(21)で算出した2つの接触可能性を1つの接触可能性に統合する。
Recog[ i ]=func4(Th_rVy_L,Th_rVy_H,rVy_z0[i],Recog_rVxy[i],Recog_Dist[i])(22)ここで、Th_rVy_LとTh_rVy_Hは障害物判断方法の重みを決める適当な閾値である。func4(a1, a2, a3, a4, a5)は図9に表されるような特性を持つ関数であり、縦方向の相対速度が小さいときには式(21)の結果を重視し、相対速度が大きいときには式(20)の結果を重視する。
【0042】
ステップ311では、ステップ308から310で求めた障害物判断結果:Recog[ i ]を制御側へ出力し、第1の実施例におけるステップ207と同様に各変数の過去値を更新して終了する。
【0043】
このようにして、レーダ視野角の左右端付近で検知物体の横位置に段差が生じた場合、あるいは、生じそうな場合には、相対速度の演算処理を一時的に変更する。さらに、障害物判断処理も一時的に変更する。これにより、高精度な相対速度が算出でき、さらに、障害物判断結果も正確さが向上することができるため、優れた車両用外界認識装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例における基本構成を示す概略図である。
【図2】第1実施例における、外界認識装置の制御構成を表すブロック図である。
【図3】第1実施例における、相対速度算出制御を表すフローチャートである。
【図4】参考例における、相対速度算出制御を表すフローチャートである。
【図5】参考例における、通常の障害物判断処理制御を表すフローチャートである。
【図6】参考例における、関数fanc1の特性を表すマップである。
【図7】参考例における、関数fanc2の特性を表すマップである。
【図8】参考例における、関数fanc3の特性を表すマップである。
【図9】参考例における、関数fanc4の特性を表すマップである。
【図10】割り込み車両を検知した場合の測距状況を表す概略図である。
【図11】割り込み車両を検知した場合のリフレクタと車両中心の関係を表す図である。
【図12】割り込み車両を検知した場合の横位置及び車幅の関係を表す図である。
【符号の説明】
1 レーザレーダ
2 レーダ処理装置
3 CCDカメラ
4 画像処理装置
5 外界認識装置
6 車速検出装置
7 操舵角検出装置
8 自動ブレーキ制御装置
9 負圧ブレーキブースタ
Claims (2)
- 自車前方に位置する先行車の左右反射板の位置を検知して、自車と検知した先行車との横方向(車幅方向)相対位置を出力するスキャニング式測距手段と、
該スキャニング式測距手段の出力から自車両と各先行車との横方向相対速度を算出する相対速度算出手段と、
を備えた車両用外界認識装置において、
前記スキャニング式測距手段の出力に基づき各先行車の測距状況を把握する測距状況把握手段と、
該測距状況把握手段の出力に応じて前記相対速度算出手段の横方向相対速度の演算を変更する相対速度演算変更手段と、
を設け、
前記測距状況把握手段は、前記スキャニング式測距手段の出力から前記スキャニング式測距手段における視野角の左右端付近に検知した同一の先行車の横方向位置の変化が第1閾値よりも大きくなったときに、前記相対速度算出手段の処理の変更を知らせる情報を出力し、
前記相対速度演算変更手段は、前記測距状況把握手段の出力から変更を知らせる情報が出力されると、横方向の相対速度の算出に用いる値を、その直前までの当該先行車の動きを考慮して設定することを特徴とする車両用外界認識装置。 - 自車前方に位置する先行車の左右反射板の位置を検知して、自車と検知した先行車との横方向(車幅方向)相対位置および先行車の幅を出力するスキャニング式測距手段と、
該スキャニング式測距手段の出力から自車両と各先行車との横方向相対速度を算出する相対速度算出手段と、
を備えた車両用外界認識装置において、
前記スキャニング式測距手段の出力に基づき各先行車の測距状況を把握する測距状況把握手段と、
該測距状況把握手段の出力に応じて前記相対速度算出手段の横方向相対速度の演算を変更する相対速度演算変更手段と、
を設け、
前記測距状況把握手段は、前記スキャニング式測距手段の出力から前記スキャニング式測距手段における視野角の左右端付近に検知した同一の先行車の幅の変化が第2閾値よりも大きくなったときに、前記相対速度算出手段の処理の変更を知らせる情報を出力し、
前記相対速度演算変更手段は、前記測距状況把握手段の出力から変更を知らせる情報が出力されると、横方向の相対速度の算出に用いる値を、その直前までの当該先行車の動きを考慮して設定することを特徴とする車両用外界認識装置。
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