JP4110383B2 - 近接センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、誘導型の近接センサに係り、特に、電気コード半田付け工程を封止用充填材注入工程の後工程として、封止用充填材注入工程における作業性を改善した近接センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図7及び図8に示されるように、電気コードが半田付けされた回路基板を本体ケース内に装着したのちに封止用樹脂を本体ケース内に注入充填するようにした誘導型の近接センサが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図7及び図8において、100は誘導型の近接センサ、101は検知コイル組立体が収容される樹脂製のコイルケース、102は検知コイル、103は検知コイルが巻回される樹脂製コイルスプール、104は検知コイルの磁芯となるフェライトコア、105は近接センサを構成する回路部品が搭載された回路基板、106は回路基板を包み込むシールドフィルム、107は検知コイル組立体(コイルケース101、検知コイル102、コイルスプール103、フェライトコア104、シールドフィルム106を含む)並びに回路基板105を収容する金属製又は樹脂製の本体ケース、108はケースエンド部材、108aはエンドプラグ部、108bはコードクランプ部、109は電気コード、110は電気コード外皮端部を閉塞するストップリング、111は本体ケース内に封止用樹脂を注入充填する際に使用される樹脂注入口、112は回路基板105の後端部に搭載された発光ダイオード、113は電気コードの芯線、113aは芯線に含まれる導体、114はコード接続用パッド、115はコイルケース内に注入充填される一次注型樹脂、116は本体ケース内に注入充填される二次注型樹脂(封止用樹脂)である。
【0004】
上述の従来例(以下、第1従来例と言う)にあっては、コード接続用パッド部114が回路基板105の前後方向の中程に位置しいるため、二次注型樹脂(封止用樹脂)116の注入充填が完了すると、回路基板105上のコード接続用パッド部114は二次注型樹脂116内に埋もれてしまうから、封止用樹脂116を本体ケース107内に注入充填するに先だって、電気コード109を回路基板105に接続しておく必要がある。そのため、本体ケース107に二次注型樹脂116を注入充填して検出端モジュールや回路基板105を封止する際に、電気コード109がハンドリングの邪魔になって作業性が低下する。
【0005】
本出願人は、図9〜図11に示されるように、本体ケースの後部開口から回路基板の一部が突出する状態で本体ケース内に封止用樹脂を注入充填し、それが固化したのちに、回路基板に対して電気コードを半田付けするようにした誘導型の近接センサを提案している(特許文献2参照)。
【0006】
図9及び図10において、200は誘導型の近接センサ、201は検知コイル組立体が収容される樹脂製のコイルケース、202はコイルケース先端部外周に外嵌されたマスク導体としての導電性リング、203は検知コイル、204は検知コイルが巻回されるコイルスプール、205は検知コイルの磁芯となるフェライトコア、206は検知コイルを共振要素とする発振回路が主として搭載される検知回路基板、207はフレキシブル配線基板、208は出力回路が搭載される出力回路基板、208aは出力回路基板の後端部、208b,208cはコード接続用パッド部、209は出力回路基板に搭載される出力IC部品、210は動作表示灯となる発光ダイオード、211は検出端モジュール(コイルケース201、導電性リング202、コイル203、コイルスプール204、フェライトコア205、検知回路基板206を含む)と出力回路モジュール(出力回路基板208を含む)とをフレキシブル配線基板207を介して接続してなる組立体が収容される本体ケース、212は本体ケースの後部開口を塞ぐ透明なエンドプラグ部材、212aは本体ケース内に封止用樹脂を注入するための樹脂注入口、212bは樹脂注入の際に本体ケース211内の空気を抜くための排気口、212cは出力回路基板の後端部を貫通突出させるためのスリット、212dはコードプロテクタ成型時の融着を促進させるための環状の微細凹凸、213はエンドプラグ部材の後端面と電気コード外皮214cの先端の所定長さ部分との間の外周を取り巻くように、インサート成型技術を用いて樹脂成型された黒色不透明なコードプロテクタ部材、214は電気コード、214a,214bは芯線、214cは外皮、214a−1,214b−1は導体、215は一次注型樹脂、215aは検知回路基板の封止樹脂、216は透明な二次注型樹脂(封止樹脂)である。
【0007】
この近接センサ200の製造工程が図11に示されている。同図に示されるように、最初の工程(A)では、コイル(スプール204含む)203と、フェライトコア205と、検知回路基板206を一体に組み付けて、組立途中品217を製作する。次の工程(B)では、組立途中品217の電気的な接続対象箇所にレーザビームを照射することで、組立途中品217の該当箇所を半田付けする。次の工程(C)では、半田付けが完了した組立途中品217に対して、動作確認試験並びに外観検査を行う。次の工程(D)では、組立途中品217が収容されるべきコイルケース201を用意し、これに例えばエポキシ樹脂を充填して、モールド一体化の準備を行う。なお、この例では、コイルケース201の外部には、その外周に沿うようにして、真鍮、銅、アルミニウム等からなるマスク導体として機能する導電性リング202が装着されている。次の工程(E)では、樹脂の満たされたコイルケース201内に、組立途中品217を配置する。次の工程(F)では、例えば、常温で1時間程度放置することで樹脂を硬化させ、検出端モジュール218を得る。次の工程(G)では、レーザトリミング技術を利用して、規定の距離で動作が確実に行われるように距離調整を行う。このとき、調整は本体ケースを装着せずに行うことができる。これは、検出端モジュール218にマスク導体としての導電性リング202が組み込まれ、検知特性が本体ケースの有無に拘わらず、殆ど変動しないからに他ならない。以上で、本体ケースの有無が検知特性にあまり影響しないようにした、換言すれば、特性完結した検出端モジュール218が完成する。
【0008】
上述の従来例(以下、第2従来例と言う)にあっては、出力回路基板208の後端部208aにコード接続用パッド部208b,208cを配置する一方、本体ケース211の後部開口を塞ぐエンドプラグ部材212から出力回路基板208の後端部208aを突出させた状態にて、エンドプラグ部材212の樹脂注入口212aから本体ケース211内へと二次注型樹脂216の注入充填を行い、それが固化するのを待って、電気コード214から引き出された芯線214a,214bの導体214a−1,214b−1を出力回路基板後端部208aのコード接続用パッド部208b,208cに半田付けし、しかるのち、エンドプラグ部材212の後端面と電気コード214の外皮214cの先端の所定長さ部分との間の外周を取り巻くように、インサート成型技術を用いてコードプロテクタ部材213を樹脂成型するようにしている。そのため、本体ケース211に二次注型樹脂216を注入充填して検出端モジュール218や出力回路基板208を封止する作業を電気コード214を接続する前に行うことができるから、電気コード214が二次注型樹脂による成型工程におけるハンドリングの邪魔にならず、作業性が向上する。また、動作表示灯を構成する発光ダイオード210からの光は、透明な二次注型樹脂216、透明なエンドプラグ部材212を透過して図示しない導光窓からケース斜め後方へと導出される。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−92105号公報
【0010】
【特許文献2】
WO02−075763号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
第2従来例に示される誘導型近接センサにあっては、出力回路基板208の後端部218aに設けられたコード接続用パッド部208b,208cが、エンドプラグ部材212から突出した状態とされているため、コード接続用パッド部208b,208cと導体214a−1,214b−1との半田付け箇所の封止は、コードプロテクタ部材213それ自体にて行われる。そのため、コードプロテクタ部材213とエンドプラグ部材212との接着、並びに、コードプロテクタ部材213と電気コード外皮214cとの接着が確実でないと、それらの隙間から湿分や油分が侵入して、電気的な接続不良の原因となりかねない。
【0012】
この種の近接センサの動作表示灯は据付状態を考慮すると、センサの後方から視認できることが好ましい。そのためには、プロテクタ部材213の透明性を高める必要がある。一方、この種の近接センサの使用環境を考慮すると、プロテクタ部材213には耐油性が要求される。そのためには、プロテクタ部材213の構成樹脂を結晶構造化することが要求される。しかし、一般に、樹脂は結晶構造化するに連れて不透明度が増すため、耐油性を満足しつつ透明度を維持することは容易ではない。
【0013】
この発明は、上述の問題点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、本体ケース内への封止樹脂注入充填工程において電気コードが邪魔にならず、しかも電気コードの半田付け箇所を確実に封止できるようにした近接センサを提供することにある。
【0014】
この発明の他の目的とするところは、使用環境下における耐水耐油性を満足しつつも、プロテクタ部材の透明性を確保して、動作表示灯の確認を後方からでも行い得るようにした近接センサを提供することにある。
【0015】
この発明のさらに他の目的並びに作用効果については、明細書の以下の説明を参照することにより、当業者であれば容易に理解されるであろう。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の近接センサは、両端が開放された筒状の本体ケースと、本体ケースの前端部開口を塞ぐ検知コイル組立体と、本体ケース内に収容されかつ後端部に電気コード接続用パッド部が配置された回路基板と、本体ケースの後端部開口を塞ぎかつ回路基板の後端部が貫通突出するスリットを有するエンドプラグ部材と、回路基板が収容されかつエンドプラグにて塞がれた本体ケース内に充填される封止用充填材と、封止用充填材の充填固化の後にあってエンドプラグ部材から突出する回路基板後端部のコード接続用パッド部に芯線の導体が半田付け接続される電気コードと、エンドプラグ部材の後端面と電気コード外皮先端の所定長さ部分との間の外周を取り巻くように、インサート成型技術を用いて樹脂成型されたコードプロテクタ部材とを有する。これにより、本体ケース内への封止樹脂注入充填工程において電気コードが邪魔にならないと言う作用効果を奏する。
【0017】
本発明者等は、上記の基本構造を有する近接センサにおいて、前記エンドプラグ部材の材質としてポリアリレート(PAR)、前記電気コード外皮の材質としてポリ塩化ビニル(PVC)を、さらに両者に接する前記コードプロテクタ部材の材質として熱可塑性エラストマ(TPE)をそれぞれ選定した。これにより、コードプロテクタ部材と前記エンドプラグ部材212との接着、並びに、前記コードプロテクタ部材213と前記電気コード外皮214cとの接着において、良好な接着強度を獲得することに成功した。
【0018】
すなわち、以上の構成からなる本発明の近接センサによれば、コードプロテクタ部材と前記エンドプラグ部材212との接着、並びに、前記コードプロテクタ部材213と前記電気コード外皮214cとの接着において、良好な接着強度を獲得することによって、本体ケース内への封止樹脂注入充填工程において電気コードが邪魔にならず、しかも電気コードの半田付け箇所を確実に封止できると言う作用効果を得ることができた。
【0019】
また、上述の基本構成において、前記回路基板の後端部に動作表示灯となる発光素子を搭載すると共に、前記封止用充填材の材質として透明なウレタン樹脂を、前記エンドプラグ部材の材質として透明なポリアリレート(PAR)を、前記電気コード外皮の材質としてポリ塩化ビニル(PVC)を、さらに両者に接する前記コードプロテクタ部材の主たる材質として透明な熱可塑性エラストマ(TPE)をそれぞれ選定することにより、本体ケース内の発光素子からの光が、封止用充填樹脂、エンドプラグ部材、並びに、コードプロテクタ部材を透過して、本体ケースの後方へと導出されると言う作用効果を得ることができた。
【0020】
すなわち、以上の構成からなる本発明の近接センサによれば、使用環境下における耐水耐油性を満足しつつも、プロテクタ部材の透明性を確保して、動作表示灯の確認を後方からでも行い得る、と言う作用効果を得ることができた。
【0021】
上記の各発明において、前記熱可塑性エラストマ(TPE)としては、ポリエステルエラストマ(PEE)が好ましいことが確認された。その理由は、ポリエステルエラストマ(PEE)は、同じく熱可塑性であるウレタン系エラストマやオレフィン系エラストマに比して融点が高く耐熱性にも優れるため、射出成形時の成形温度を高温に設定できることから、透明ポリアレート(PAR)およびポリ塩化ビニル(PVC)との接着性に優れるためである。
【0022】
また、コードプロテクタの材質としては、ポリエステルエラストマ(PEE)とポリエチレンテレフタレート(PET)との混合樹脂であることが好ましいことが確認された。その理由は、ポリエステルエラストマ(PEE)により、透明ポリアレート(PAR)およびポリ塩化ビニル(PVC)との良好な接着性が確保されると共に、ポリエチレンテレフタレート(PET)を混合することにより、良好な透明性が維持されるためである。
【0023】
さらに、前記コードプロテクタのインサート成型における成型条件については、温度185℃〜245℃、成型圧力6Mpa〜10Mpa、成型時間8秒〜180秒である、ことが好ましいことが確認された。その理由は、成形温度については、185℃以上にすることで、透明ポリアレート(PAR)とポリ塩化ビニル(PVC)との所定の接着力が発揮されると共に耐水性が発現される一方、245℃を超えると、材料物性が劣化して連続成形が困難となるためである。また、成形圧力については、コードプロテクタで保護されるべき内部部材の変形防止のために比較的低圧力とする必要がある一方、所定以下の圧力とすると、金型内分での不要な樹脂流動が生じやすくなる。また、成形時間については、短時間では樹脂の固化が困難である一方、長時間では生産性が極めて悪くなる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る誘導型の近接センサの好適な実施の一形態を添附図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態はあくまでも本発明に係る近接センサの一例を示すものに過ぎず、本発明に係る近接センサの技術的な範囲は特許請求の範囲の記載により定義されることは言うまでもない。
【0025】
先に、図9〜図11を参照して説明したように、本発明の近接センサは、両端が開放された筒状の本体ケース(例えば、ステンレス又は樹脂)211と、本体ケース211の前端部開口を塞ぐ検出端モジュール(検知コイル組立体を含む)218と、本体ケース211内に収容されかつ後端部208aに電気コード接続用パッド部208b,208cが配置された出力回路基板208と、本体ケース211の後端部開口を塞ぎかつ出力回路基板208の後端部208aが貫通突出するスリット212を有するエンドプラグ部材212と、出力回路基板208が収容されかつエンドプラグ部材212にて塞がれた本体ケース211内に充填される二次注型樹脂(封止用充填材)216と、封止用充填材216の充填固化の後にあってエンドプラグ部材212から突出する回路基板後端部208aのコード接続用パッド部208b,208cに芯線214a,214bの導体214a−1,214b−1が半田付け接続される電気コード214と、エンドプラグ部材212の後端面と電気コード外皮214cの先端の所定長さ部分との間の外周を取り巻くように、インサート成型技術を用いて樹脂成型されたコードプロテクタ部材213とを有している。
【0026】
従って、本発明の近接センサによれば、出力回路基板208と電気コード214とを接続する前の段階で、本体ケース211内への二次注型樹脂216の注入を行うことができるから、二次注型工程において電気コード214がハンドリングの邪魔になることがなく、作業性が良好となる利点がある。
【0027】
次に、図1〜図5を参照しつつ、二次注型工程、電気コード半田付け工程、コードプロテクタ成型工程を説明し、併せて、本発明の要部であるエンドプラグ部材212の材質、電気コード214の外皮214cの材質、コードプロテクタ部材213の材質のそれぞれの選定について説明する。
【0028】
本発明に係る近接センサの二次注型前状態の縦断面図が図1に示されている。同図に示されるように、二次注型前の状態においては、本体ケース211の前端部開口は検出端モジュール217(図11参照)にて塞がれ、後端部開口はエンドプラグ部材212にて塞がれている。出力回路基板208の先端部はフレキシブル配線基板207を介して検知回路基板206の後端部に支持され、また後端部208aはエンドプラグ部材212のスリット212cを貫通して挟持されている。なお、本体ケース211の材質はステンレスや樹脂、エンドプラグ部材212の材質は透明なポリアリレート(PAR)とされている。
【0029】
二次注型工程が開始されると、図1において矢印225で示すように、エンドプラグ部材212の樹脂注入口212aから二次注型樹脂216の注入充填が開始され、同時に、矢印226で示すように、排気口212bからケース本体211内の空気が逃される。このとき、二次注型樹脂としては、透明なウレタン樹脂(常温でイソシアネートとポリオールが混合され、化学反応により硬化する)が採用される。好ましくは、樹脂注入口212b並びに排気口212cには小容量の樹脂貯め用のホッパ(図示せず)が一体的に形成され、樹脂インジェクタのノズルは樹脂注入口側のホッパに嵌め込まれる。ケース本体211内の空隙が溶融樹脂で満たされると、排気口212bから溢れ出た溶融樹脂は排気口側のホッパに貯留される。注入樹脂が冷却固化して収縮すると、それに連れて排気口212b側のホッパ内に貯留された溶融樹脂は、ケース本体211内に逆流して、ケース本体211内の空隙を満たす。これにより、ケース本体211内の空隙は溶融したウレタン樹脂により緊密に満たされ、それが固化するのを待って、2つのホッパを切除することで、二次注型済半完成品221が得られる。
【0030】
本発明に係る近接センサのコード取付前状態の縦断面図が図2に示されている。同図に示されるように、二次注型済半完成品221にあっては、ケース本体211内の空隙は二次注型樹脂216である透明なウレタン樹脂で満たされ、また透明なポリアリレート(PAR)からなるエンドプラグ部材212からは出力回路基板208の後端部208aが突き出た状態にある。この出力回路基板208の後端部208aには、図9に示されるように、コード接続用パッド部208b,208cが配置されている。
【0031】
本発明に係る近接センサのコード半田付け状態の縦断面図が図3に示されている。同図に示されるように、二次注型樹脂の注入充填工程が終了すると、続いて、電気コード214の半田付け工程が順次に行われ、コード付近接センサ半完成品が得られる。すなわち、この半田付け工程においては、電気コード214から引き出された芯線214a,214bの導体214a−1,214b−1を出力回路基板208の後端部208aのコード接続用パッド部208b,208cに半田付けすることで、出力回路基板208と電気コード214との電気的な接続が行われる。なお、電気コード214としては、外皮214cの材質としてポリ塩化ビル(PVC)を使用したものが選定される。
【0032】
本発明に係る近接センサのコードプロテクタ成型状態の縦断面図が図4に示されている。同図に示されるように、コード半田付け工程が終了すると、コード半田付け部分は成型型301のキャビティ302内に配置され、矢印304で示すように、溶融樹脂がランナ303を介してキャビティ302内へと注入され、所謂インサート成型が行われる。このとき、プロテクタ成型用樹脂としては、ポリエステルエラストマ(PEE)を主成分とする透明樹脂が採用される。より詳細には、成型用樹脂としては、ポリエステルエラストマ(PEE)にポリエチレンテレフタレート(PET)を添加した混合樹脂が使用される。PETの含有率は10〜50%が好ましい。成型条件としては、例えば、溶融樹脂温度190℃〜245℃、圧力6〜10Mpa(金型形状等に応じて選択的に調整される)、成型時間30秒(技術的な上限は特にないが、この例では、生産個数の確保と他工程に要する時間との関係からこの時間とされる)が採用される。このような成形樹脂並びに成型条件を採用することにより、透明性を維持しつつも、十分な耐油性を満足する結晶構造を実現することができる。このとき、溶融樹脂であるポリエステルエラストマ(PEE)とエンドプラグ部材を構成するポリアリレート(PAR)との親和性、並びに、溶融樹脂であるポリエステルエラストマ(PEE)とコード外皮214cを構成するポリ塩化ビル(PVC)との親和性は、いずれも良好であるから、それらの界面における密着性並びに接着強度は極めて大きい。加えて、溶融樹脂の熱により、エンドプラグ部材212の微細凹凸212dが溶融して、エンドプラグ部材212とコードプロテクタ部材213との融着が一層に促進される。
【0033】
本発明に係る近接センサの完成状態における縦断面図が図5に示されている。同図に示されるように、本発明近接センサの完成品においては、出力回路基板208の後端部208aのコード接続用パッド部208b,208cと電気コード214の芯線214a,214bの導体214a−1,214b−1との半田付け部分は、コードプロテクタ部材213を構成する透明な樹脂により完全に封止されている。また、コードプロテクタ部材213とエンドプラグ部材212との密着性並びに接着強度は高く、加えて、コードプロテクタ部材213と電気コード214の外皮214cとの密着性並びに接着強度も高い。具体的には、図6に示されるように、コードプロテクタ部材を構成するポリエステルエラストマ樹脂(PEE)と,ポリアリレート樹脂(PAR)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)のそれぞれとの接着における引っ張り強度をダンベル試験した結果によれば、ポリエステルエラストマ樹脂(PEE)とポリアリレート樹脂(PAR),ポリブチレンテレフタレート(PBT)との間には、大なる引っ張り強度が得られることが確認された。そのため、本発明の近接センサによれば、出力回路基板214と電気コード214との半田付け部分への湿分侵入を長期にわたり遮断して、電気的な接続不良の発生を未然に防止することができる。
【0034】
さらに、二次成型樹脂216であるウレタン樹脂、エンドプラグ部材212を構成するポリアリレート(PAR)樹脂、コードプロテクタ部材213を構成するポリエステルエラストマ(PEE)樹脂はいずれも透明度が高くなるように作られているため、出力回路基板208に搭載された動作表示灯である発光ダイオード210からの光は、二次注型樹脂216、エンドプラグ部材212、コードプロテクタ部材213を順に透過して、センサの後方へと導出される。そのため、本発明の近接センサによれば、取付板に頭部から埋め込まれたり、装置の奥方に据え付けられたような場合でも、センサの後方から動作表示灯の視認により動作状態を確認できる利点がある。
【0035】
【実施例】
本発明に係る近接センサのより具体的な一実施例としては、ポリアリレート(PAR)としては、ユニチカ製のuポリマー U800(商品名)、ポリエステルエラストマ(PEE)としては、帝人化成製のヌーベラン P4110BN(商品名)が使用された。これにより、良好な接着強度並びに透明性が得られることが確認された。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明の近接センサによれば、本体ケース内への封止樹脂注入充填工程において電気コードが邪魔にならず、しかも電気コードの半田付け箇所を確実に封止できる。
【0037】
また、本発明の近接センサによれば、使用環境下における耐水耐油性を満足させつつも、プロテクタ部材の透明性を確保して、動作表示灯の確認を後方からでも行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る近接センサの二次注型前状態の縦断面図である。
【図2】本発明に係る近接センサのコード取付前状態の縦断面図である。
【図3】本発明に係る近接センサのコード半田付状態の縦断面図である。
【図4】本発明に係る近接センサのコードプロテクタ成型状態の縦断面図である。
【図5】本発明に係る近接センサの完成状態における縦断面図である。
【図6】接着強度に関する比較結果の説明図である。
【図7】第1従来例に係る近接センサの分解斜視図である。
【図8】第1従来例に係る近接センサの縦断面図である。
【図9】第2従来例に係る近接センサの分解斜視図である。
【図10】第2従来例に係る近接センサの縦断面図である。
【図11】第2従来例に係る近接センサの製造手順を示す工程図である。
【符号の説明】
100 近接センサ
101 コイルケース
102 検知コイル
103 コイルスプール
104 フェライトコア
105 回路基板
106 シールドフィルム
107 本体ケース
108 ケースエンド部材
108a エンドプラグ部
108b コードクランプ部
109 電気コード
110 ストップリング
111 樹脂注入口
112 発光ダイオード
113 電気コードの芯線
113a 導体
114 コード接続用パッド
115 一次注型樹脂
116 二次注型樹脂(封止用樹脂)
200 近接センサ
201 コイルケース
202 導電性リング(マスク導体)
203 検知コイル
204 コイルスプール
205 フェライトコア
206 検知回路基板
207 フレキシブル配線基板
208 出力回路基板
208a 出力回路基板の後端部
208b コード接続用パッド部
208c コード接続用パッド部
209 出力IC部品
210 発光ダイオード(動作表示灯)
211 本体ケース
212 エンドプラグ部材
212a 樹脂注入口
212b 排気口
212c スリット
212d 環状の微細凹凸
213 コードプロテクタ部材
214 電気コード
214a 芯線
214b 芯線
214c 外皮
214a−1 導体
214b−1 導体
215 一次注型樹脂
215a 検知回路基板の封止樹脂
216 二次注型樹脂(封止樹脂)
217 組立途中品
218 検出端モジュール

Claims (5)

  1. 両端が開放された筒状の本体ケースと、本体ケースの前端部開口を塞ぐ検知コイル組立体と、本体ケース内に収容されかつ後端部に電気コード接続用パッド部が配置された回路基板と、本体ケースの後端部開口を塞ぎかつ回路基板の後端部が貫通突出するスリットを有するエンドプラグ部材と、回路基板が収容されかつエンドプラグ部材にて塞がれた本体ケース内に充填される封止用充填材と、封止用充填材の充填固化の後にあってエンドプラグ部材から突出する回路基板後端部のコード接続用パッド部に芯線の導体が半田付け接続される電気コードと、エンドプラグ部材の後端面と電気コード外皮先端の所定長さ部分との間の外周を取り巻くように、インサート成型技術を用いて樹脂成型されたコードプロテクタ部材とを有し、
    前記エンドプラグ部材の材質がポリアリレート(PAR)、前記電気コード外皮の材質がポリ塩化ビニル(PVC)であり、かつ両者に接する前記コードプロテクタ部材の主たる材質が熱可塑性エラストマ(TPE)である、ことを特徴とする近接センサ。
  2. 前記回路基板の後端部には動作表示灯となる発光素子が搭載されており、かつ前記封止用充填材の材質が透明なウレタン樹脂、前記エンドプラグ部材の材質が透明なポリアリレート(PAR)、前記電気コード外皮の材質がポリ塩化ビニル(PVC)であり、かつ両者に接する前記コードプロテクタ部材の主たる材質が透明な熱可塑性エラストマ(TPE)であり、
    それにより、本体ケース内の発光素子からの光が、封止用充填樹脂、エンドプラグ部材、並びに、コードプロテクタ部材を透過して、本体ケースの後方へと導出される、ことを特徴とする請求項1に記載の近接センサ。
  3. 前記熱可塑性エラストマ(TPE)がポリエステルエラストマ(PEE)である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の近接センサ。
  4. 前記コードプロテクタの材質が、ポリエステルエラストマ(PEE)とポリエチレンテレフタレート(PET)との混合樹脂である、ことを特徴とする請求項3に記載の近接センサ。
  5. 前記コードプロテクタのインサート成型における成型条件が、温度185℃〜245℃、成型圧力6Mpa〜10Mpa、成型時間8秒〜180秒である、ことを特徴とする請求項4に記載の近接センサ。
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