JP4108968B2 - 転削工具の測定方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドリルやエンドミルなどの回転切削工具の回転による振れ量および振れを含んだ刃径など、回転時における切刃を直接測定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の技術革新に伴い、電化製品や情報通信機器などの電気・電子機器の高性能化および小型化が急激に進行し、これらの製品に使用される部品や金型の小型化、高精度化が要求されている。そして、このような状況に対応するため、ドリルやエンドミル等の回転切削工具(転削工具)の小径化、高精度化が図られ、非常に精度の高い切削加工が要求されている。
【0003】
高い加工精度を得るためには、転削工具の回転時における状態を把握することが重要である。特に、転削工具の回転に伴う振れは、加工精度に大きな影響を与える。しかも、転削工具の回転振れは、チャックを介して転削工具を回転させるスピンドルの状態や製造誤差、スピンドルのチャックへの転削工具の装着状態などによって変化する。しかも、転削工具は、刃が摩耗するためにある程度使用した段階で交換しなければならない。このため、一般に、精密加工の分野においては、転削工具を交換するたびごとに回転振れを求めて所定の加工精度が得られるようにしている。
【0004】
ところが、現在、マシニングセンタに代表される転削工具を用いる工作機械においては、装着した転削工具を高速回転させた使用状態での回転振れを求めることが困難であるため、通常、次のような方法によって求めた値を、転削工具の使用時における回転振れの代用としている。
【0005】
その第1の方法は、転削工具の代わりに丸棒をチャックに装着し、丸棒を回転させて側方から丸棒に光を照射し、その振れ量を光学的に求める。また、第2の方法として、スピンドルのチャックに転削工具を装着し、ダイヤルゲージを転削工具の周面に接触させるとともに、スピンドルを手などによってゆっくり回転させ、転削工具の各外周切刃位置におけるダイヤルゲージの指針が示す値の変化の最大値を目で読み取り、この値を転削工具の振れの値としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した第1の方法は、丸棒を高速回転させた状態で振れを測定することが可能である。しかし、この方法は、丸棒を転削工具の代用としているため、得た振れの値が実際に転削工具を使用している状態における振れと異なっているおそれがある。しかも、転削工具の回転振れは、前記したように、転削工具をスピンドルのチャックへ装着するごとに変化するため、丸棒を回転させて得た振れ量を代用したのでは高精度な加工が困難である。
【0007】
また、第2のダイヤルゲージによる振れの測定は、ダイヤルゲージを転削工具に接触させるため、転削工具を高速回転させた状態での振れを測定することができず、スピンドルを手によって回転させて測定するいわゆる静的な振れしか得ることができない。また、第2の方法は、ダイヤルゲージを転削工具に接触させるため、転削工具の切刃を損傷するおそれがあるばかりでなく、直径が1mm以下のような小径の工具の場合、折損させるおそれがあり、測定することができない。
【0008】
一方、特許第2505534号公報には、回転している転削工具の側方から光を照射し、転削工具の影を受光素子に投影し、投影された影から転削工具の直径(刃径)と振れ量とを求める工具検出装置が提案されている。
【0009】
ところが、特許第2505534号公報に記載されている発明は、回転している転削工具に光を連続的に照射し、工具の1回転する間における受光素子の出力の変化から振れを測定するようにしているが、平均的な振れしか得られず、本当の振れがどの程度のものかを知ることができず、加工精度を充分に高めることが困難である。
【0010】
本発明は、前記従来技術の欠点を解消するためになされたもので、高速回転している転削工具の振れ量および振れを含んだ刃径など、回転時の切刃を直接測定できるようにすることを目的としている。
また、本発明は、転削工具による加工精度を向上できるようにすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、加工精度の向上を図るために研究し、種々実験を行なった結果、転削工具に回転振れが生じている場合、切刃が螺旋状に形成してあると、転削工具の振れ量が転削工具の軸方向に沿って正弦波状に周期的に変化する現象を見出した。また、本発明者等は、転削工具の先端の振れ量が、転削工具を回転させるスピンドルの不釣合い位置に対する、転削工具先端の刃の位相と一定の関係があることを見出した。本発明者等の研究によると、例えば2枚刃の場合、スピンドルの不釣合い位置に対する工具先端の刃の位相が0度であると、転削工具先端の振れ量が最大となり、前記位相が90度であると、転削工具先端の振れ量が最小(零)となる。本発明は、上記の知見に基づいてなされたものである。
【0012】
すなわち、本発明に係る転削工具の測定方法は、加工機にチャッキングされて回転している転削工具の側方から光を照射して前記転削工具の影を光センサ上に投影し、前記転削工具の軸方向の複数位置において、前記光センサの出力信号に基づいて投影された前記影の両端位置を検出し、これら検出した前記影の両端位置に基づいて、前記転削工具の軸方向に沿って振れ成分を求め、この振れ成分に基づいて前記転削工具を回転させるスピンドルの不釣合い位置に対する前記転削工具の刃の位相と、前記スピンドルの振れ量との少なくともいずれか一方を求めることを特徴としている。
【0013】
また、本発明に係る転削工具の測定方法は、加工機にチャッキングされて回転している転削工具の側方から光を照射して前記転削工具の影を光センサ上に投影し、前記転削工具の軸方向の複数位置において、前記光センサの出力信号に基づいて投影された前記影の一側端位置を検出し、これら検出した前記影の一側端位置に基づいて、前記転削工具の軸方向に沿って振れ成分を求め、この振れ成分に基づいて前記転削工具を回転させるスピンドルの不釣合い位置に対する前記転削工具の刃の位相と、前記スピンドルの振れ量との少なくともいずれか一方を求めることを特徴としている。
【0014】
なお、上記転削工具測定方法において、前記光センサの出力信号に基づいて投影された前記影の両端位置を検出し、これら検出した前記影の両端位置に基づいて、前記転削工具の刃径、前記転削工具の振れ量、前記転削工具の振れを含んだ刃径の少なくとも1つを求めることができる。また、前記光センサの出力信号に基づいて投影された前記影の一側端位置を検出し、これら検出した前記影の一側端位置に基づいて、前記転削工具の振れを含む刃径の片側位置を求めることも可能である。
【0015】
そして、上記転削工具の測定方法を実施する転削工具の測定装置は、時間間隔を変えてパルス状の光を加工機にチャッキングされて回転している転削工具に照射する光源と、この光源の照射した光による前記転削工具の影が投射される光センサと、この光センサの出力信号に基づいて、光センサに投射された前記影の両端の少なくとも一方を検出する投影位置検出部と、前記光センサを前記転削工具の加工使用領域の軸方向に相対的に移動させる送り部と、前記投影位置検出部が出力した前記影の投影位置情報により、前記転削工具の加工に使用される軸方向における振れ量の変動、前記転削工具の刃径の変動、前記転削工具の振れを含む刃径の変動の少なくともいずれか一方を求める変動検出部と、この変動検出部の求めた前記転削工具の振れ量の変動、前記転削工具の刃径または前記転削工具の振れを含んだ刃径の変動に基づいて、前記転削工具を回転させるスピンドルの不釣合い位置に対する前記転削工具の刃の位相と前記スピンドルの振れ量との少なくともいずれか一方を求める位相検出部と、を有することを特徴としている。
【0016】
【作用】
上記のようになっている発明においては、回転している転削工具に例えば時間間隔を変えてパルス状の光を照射して転削工具の影を光センサの上に投影し、その影の両端の位置を求める。また、この影の両端位置を転削工具の軸方向に沿った複数位置で求める。これにより、回転している転削工具の軸線に直交した方向の影の両端位置について、転削工具の軸方向における変動が得られる。従って、転削工具の軸線に沿って得られた影の投影位置の変動に基づいて、転削工具の刃径(直径)や転削工具の実際の振れ量、転削工具の振れを含んだ実際の刃径を求めることができる。
【0017】
すなわち、前記したように転削工具の振れは、転削工具の軸方向に沿って変動するため、従来のように、転削工具の軸方向のある点(1点)における振れ量を測定できたとしても、その振れ量が最大の振れ量であるか、最小の振れ量であるかを判断することができないため、転削工具の使用する部分における実際の振れ量、振れを含んだ実際の刃径がどのようなものであるかを知ることができず、加工精度を充分に高めることができない。
【0018】
これに対して、本発明では、実際に使用する回転数における転削工具の軸線に沿った振れ量、振れを含んだ刃径を求めているため、実際に使用する回転数における転削工具の実際の振れ量が得られ、この振れ量を加工の際の参考とし、振れ量が大きい場合に転削工具を交換したり、スピンドルのメンテナンスや交換をするなどにより、加工精度を高めることができる。また、常に大きな回転振れを発生させるチャックの把握などによってチャックの良否を判定することができ、スピンドルとチャックとを組み合せた状態での良否を判断することが可能となる。さらに、実際に使用する回転速度における転削工具の振れを含んだ実際の刃径が得られるため、この刃径を考慮した補正を工作機械に与えることにより、加工精度を向上することができる。
【0019】
また、本発明においては、影の投影位置を、基準位置に対する前記影の一側端を検出して行なうようにしているため、偶数の切刃を有する転削工具の場合ばかりでなく、刃径を求めることができない切刃の数が奇数の場合であっても、振れを含んだ刃径の片側位置を求めることができるため、刃径の片側位置に変動に基づいて実際の工具の振れ量を正確、確実に求めることができる。従って、奇数刃を有する転削工具による加工精度を向上することが可能となる。
【0020】
転削工具の振れ量は、前記したように転削工具の軸方向に正弦波状に周期的に変化する。そして、例えば2枚刃の場合の転削工具の振れ量は、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具の刃の位相が0度の位置で最大となり、その位相が90度の位置で最小となる。従って、転削工具の軸線に沿って振れ量や振れを含んだ刃径の片側位置などの振れ成分を求め、この振れ成分の値を最大の振れ成分の値と比較することにより、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具の軸線に沿った各位置における刃の位相を容易に求めることができる。そして、転削工具の軸線に沿った各位置における振れ成分である振れ量は、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具の刃の位相と一定の関係にあるため、チャックに転削工具を装着する際に、刃の位相を調節することにより、転削工具の軸方向における使用位置の振れ量を調節することが可能であり、加工精度を向上することができる。
【0021】
例えば、ボールエンドミルによる金型加工のように、転削工具の先端部のみを使用するような場合、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具先端の刃の位相を求め、転削工具の振れが大きいような場合に、転削工具を回転させてチャッキングす直すことにより、転削工具先端の振れを小さくすることにより加工精度を高めることができる。
【0022】
さらに、転削工具の軸線に沿って振れ量を求めているため、実際に使用する回転速度における転削工具の形状精度誤差による振れを含んだスピンドルの振れ量が、転削工具の最大振れ量として求めることが可能で、このスピンドル振れを監視することにより、スピンドルの良否、チャックの良否などの判定に利用することができる。
【0023】
なお、この発明においては、スピンドルの振れ量とは、スピンドル自体の振ればかりでなく、転削工具の形状精度誤差による振れや、ツールホルダ、コレットなどの形状誤差に基づく振れを含んだものをいう。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明に係る転削工具の測定方法および装置の好ましい実施の形態を、添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、本発明に係る転削工具の振れ測定装置の概略ブロック図である。図1において、振れ測定装置10は、検出部20と制御・演算部30とを有する。検出部20は、光源であるLED21、コリメートレンズ22、結像レンズ24、光センサ25などから構成してある。
【0025】
回転振れを検出すべきドリルやエンドミルなどの転削工具12は、コリメートレンズ22と結像レンズ24との間に配置される。そして、LED21は、転削工具12に照射するための光を放射する。LED21が放射した光は、LED21の前方に配設しているコリメートレンズ22によって平行光26にされ、平行光26の光路に挿入された転削工具12に側方から照射される。
【0026】
結像レンズ24は、コリメートレンズ22の出射した平行光26が入射し、転削工具12による影27を拡大して光センサ25に投影する。光センサ25は、例えば図1の上の方から下の方に、CCDなどの複数の受光素子が直線状に配置してある。なお、転削工具12は、図示しない回転装置(スピンドル)によって軸回りに回転するとともに、送り部である送り制御装置14によって軸方向に移動可能となっている。
【0027】
制御・演算部30は、LED駆動制御部32、信号処理部34、センサ出力読込み部36、発振回路38、読込みパルス生成部40などを有している。LED駆動制御部32は、信号処理部34からの命令により、発振回路38の出力する基準パルスに基づいてLED21の駆動信号を作成し、詳細を後述するように、LED21を駆動してパルス状に光を放射させる。そして、LED駆動制御部32は、LED21を駆動したことを示す信号を信号処理部34に入力する。また、発振回路38の出力する基準パルスは、読込みパルス生成部40に入力するようになっている。
【0028】
読込みパルス生成部40は、発振回路38から入力する基準パルスに基づいて、光センサ25の各受光素子を順次切り替えてその出力信号を読み込むためのパルスを生成し、センサ出力読込み部36と信号処理部34とに入力する。そして、センサ出力読込み部36は、例えばマルチプレクサなどから構成してあって、読込みパルス生成部40の出力するパルスに同期して光センサ25の各受光素子を順次切り替え、その出力信号を信号処理部34に入力する。一方、信号処理部34は、LED駆動制御部32からLED駆動信号が入力すると、読込みパルス生成部40にパルス命令を与えて読込みパルスを出力させるとともに、読込みパルス生成部40の出力する読込みパルスに同期してセンサ出力読込み部36の出力信号を読み込み、後述するように、転削工具12の直径(刃径)と振れ量、振れを含んだ刃径と、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具12の刃の位相、転削工具12の形状精度誤差による振れを含んだスピンドルの振れ量を演算する。
【0029】
信号処理部34は、図2に示したようになっていて、2値化回路52を有する。この2値化回路52は、センサ出力読込み部36の出力、すなわち光センサ25の各受光素子の出力を増幅して2値化する。実施形態の場合、2値化回路52は、反転出力するようになっていて、光の当たっている受光素子の出力を「L」、光の当たっていない影27の部分にある受光素子の出力を「H」として出力する。
【0030】
信号処理部34は、2値化回路52の出力側に投影位置検出部53を構成している第1エッジ点検出回路54、第2エッジ点検出回路56が設けてある。第1エッジ点検出回路54は、実施形態の場合、図1に示した光センサ25の最も上側の影になった受光素子(第1エッジ点E1 )を検出する。また、第2エッジ点検出回路56は、光センサ25の最も下側の影になって受光素子(第2エッジ点E2 )を検出する。そして、第1エッジ点検出回路54の出力と、第2エッジ点検出回路56との出力は、変動検出部57の一部をなす工具幅算出回路58に入力するようになっている。この工具幅算出回路58が求めた工具幅は、最大幅ホールド回路60に入力する。最大幅ホールド回路60は、工具幅算出回路58が求めた値の最大値を記憶保持し、転削工具12の直径(刃径)として出力する。
【0031】
また、第1エッジ点検出回路54の出力は、変動検出部57を構成する最小値ホールド回路62に入力し、第1エッジ点E1 を複数回検出したときに、図1において光センサ25の最も上側となって受光素子の位置が最小値ホールド回路62によって記憶、保持される。さらに、第2エッジ点検出回路56の出力は、最大値ホールド回路64の入力し、第2エッジ点E2 を複数回検出したときに、光センサ25の図1における最も下側となった受光素子の位置が最大値ホールド回路64によって記憶、保持される。
【0032】
最小値ホールド回路62と最大値ホールド回路64との出力側には、振れ幅演算回路66が接続してある。振れ幅演算回路66は、最小値ホールド回路62と最大値ホールド回路64とが保持していた値に基づいて、転削工具12の振れを含んだ最大刃径(直径)を算出し、出力する。そして、振れ幅演算回路66の求めた値は、振れ幅演算回路66の出力側に設けた振れ量算出回路68に入力する。振れ量算出回路68は、最大幅ホールド回路60が記憶保持していた転削工具12の刃径である最大幅と、振れ幅演算回路66が求めた振れを含んだ最大刃径とから、回転している転削工具12の振れ量を演算して出力する。
【0033】
この実施形態に係る振れ測定装置10の作用は、次の通りである。ドリルやエンドミルなどの転削工具12は、図示しないスピンドルのチャックに装着され、所定の回転速度で回転される。そして、転削工具12は、送り制御装置14によって軸方向に移動させられ、先端部が回転した状態で所定の測定位置に配置される。すなわち、転削工具12の先端部は、光センサ25と対応した位置の平行光26の光路中に挿入される。この転削工具12の先端部の位置は、図示しない位置センサによって検出され、送り制御装置14に入力される。送り制御装置14は、位置センサからの先端位置検出信号の入力により転削工具12の送りを停止する。そして、制御・演算部30は、送り制御装置14からの信号により測定プログラムを起動する。
【0034】
図3は、実施形態に係る制御・演算部30の作用を説明するフローチャートである。制御・演算部30は、振れ量測定プログラムが起動されると、まず、信号処理部34がLED駆動制御部32にLED21の駆動命令を与える。そして、LED駆動制御部32は、発振回路38の出力する基準パルスに基づいて、LED21を駆動するパルスを生成し、LED21を駆動しパルス状の光を放射させる。このLED21によるパルス状の光の放射時間は、放射時間中における転削工具外周刃先端位置の周方向移動量が測定分解能未満となるように設定してある。また、LED駆動制御部32は、LED21の駆動信号を信号処理部34に入力する。
【0035】
LED21が放射したパルス状の光は、コリメートレンズ22によって平行光26にされたのち、転削工具12に、その軸方向に直交した側方から照射され、結像レンズ24に入射する。結像レンズ24は、転削工具12の影27を光センサ25の上に拡大して投影する。
【0036】
一方、制御・演算部30の信号処理部34は、LED駆動制御部32からLED駆動信号が入力すると、読込みパルス生成部40にパルス出力命令を与える。読込みパルス生成部40は、発振回路38が出力する基準パルスを取り込んで読込みパルスを生成し、センサ出力読込み部36と信号処理部34とに入力する。そして、センサ出力読込み部36は、読込みパルス生成部40から読込みパルスが入力すと、光センサ25を構成している各受光素子を、図1の上の方から順次切り替えてその出力信号を読み込み、信号処理部34に入力する。なお、読込みパルス生成部40は、光センサ25を構成しているすべての受光素子の出力信号が得られるように読込みパルスを生成してセンサ出力読込み部36に与える。
【0037】
信号処理部34は、2値化回路52が読込みパルス生成部40の出力するパルスに同期してセンサ出力読込み部36の出力、すなわち受光素子の出力信号を順次読み込み、2値化して第1エッジ点検出回路54と第2エッジ点検出回路56とに入力する。2値化回路52は、受光素子の出力信号を増幅し、2値化して出力するようになっていて、光を受けている受光素子の出力信号が入力すると「L」を出力し、転削工具12の投影された影27の中に位置して光を受けていない受光素子の出力信号が入力すると「H」を出力するようになっている(図3ステップ81)。
【0038】
信号処理部34の第1エッジ点検出回路54は、2値化回路52の出力信号を順次読み込み、2値化回路52の出力信号が「L」から「H」に変わったときの受光素子の位置、第1エッジ点E1 を求め、工具幅算出回路58と最小値ホールド回路62とに送出する。最小値ホールド回路62は、その値E1 を記憶保持する(ステップ82)。
【0039】
一方、第2エッジ点検出回路56は、2値化回路52の出力信号を順次読み込み、2値化回路52の出力信号が「H」から「L」に変わったときに、その「L」を出力した受光素子の1つ前の受光素子の位置、第2エッジ点E2を求め、その値E2を工具幅算出回路58と最大値ホールド回路64とに出力する。最大値ホールド回路64は、第2エッジ点検出回路56の出力した値E2を記憶保持する(ステップ82)。
【0040】
工具幅算出回路58は、第1エッジ点検出回路54が求めたE1と、第2エッジ点検出回路56が求めたE2とに基づいて、
【数1】
を演算し、この求めたDを転削工具12の工具幅として最大幅ホールド回路60に送出する。最大幅ホールド回路60は、工具幅算出回路58が求めた工具幅を記憶保持する(ステップ83)。
【0041】
その後、制御・演算部30の信号処理部34は、LED駆動制御部32が予め設定されている回数LED21を点灯させたか否か判断する(ステップ84)。信号処理部34は、LED21の駆動が所定回数になっていない場合、ステップ85に進み、LED21の駆動時刻になったか否かを判断し、駆動時刻になっていないときには駆動時刻になるのを待つ。そして、信号処理部34は、LED21の駆動時刻になったと判断すると、ステップ81に戻ってLED駆動制御部32にLED21を駆動する指令を与え、LED21を点灯させて転削工具12に平行光26を照射し、ステップ81〜ステップ84の処理を行なう。
【0042】
この実施形態の場合、LED21の駆動間隔、すなわち、LED21を点灯してから次の点灯までの時間を相互に異ならせてある。例えば、LED駆動制御部32は、最初のLED21の駆動(点灯)を終了してから1000パルス後に2回目の駆動を行なったとすると、3回目の駆動は、2回目の駆動が終了してから1005パルス後に駆動し、4回目は3回目の駆動が終了してから1010パルス後に駆動するなど、以下同様にLED21駆動間隔を異ならせている。これは、一定間隔でLED21を点灯させた場合、LED21の点灯周期と転削工具12の回転周期とが同期し、常に同じ回転位相のところを測定するのを避けるためである。従って、LED21の点灯周期を変えて複数回検出することにより、測定される転削工具12の位相が測定ごとに異なることとなり、転削工具12の真の刃径を確実に求めることができる。しかも、実施形態においては、パルス状の光を転削工具12に照射し、転削工具12の瞬間的な影27の位置を検出するとともに、適宜の間隔で複数回検出するため、転削工具12の瞬間、瞬間の位置を正確に求めることができ、振れ量の正確な値を得ることができる。
【0043】
2回目以降におけるLED21の光の放射に同期した測定で、第1エッジ点検出回路54が求めた第1エッジ点E1 の値が前回求めた値よりも小さな値である場合、最小値ホールド回路62は、今まで記憶保持していた値に代えて、第1エッジ点検出回路54から新たに入力されたE1 の値を記憶保持する。第1エッジ点検出回路54が新たに求めたE1 が今まで最小値ホールド回路62の保持していたE1の値以上である場合には、最小値ホールド回路62は、記憶保持しているE1の値を更新しない。また、最大値ホールド回路64は、第2エッジ点検出回路56が新たに求めたE2 の値が今まで保持していた値よりも大きい場合、それを更新して記憶保持し、第2エッジ点検出回路56が新たに求めたE2の値が前に求めたE2の値以下である場合、既に記憶保持している値をそのまま記憶保持し続ける。
【0044】
一方、2回目以降の測定においても、工具幅算出回路58は、第1エッジ点検出回路54と第2エッジ点検出回路56とが求めた第1エッジ点E1と第2エッジ点E2とから
【数2】
を演算し、求めたDの値を最大幅ホールド回路60に送出する。最大幅ホールド回路60は、新たに入力した工具幅Dの値が記憶保持している値より大きい場合に更新して記憶保持し、新たに入力したDの値が記憶保持している値以下である場合、今までの値をそのまま記憶保持する。
【0045】
制御・演算部30は、信号処理部34が図3のステップ84においてLED制御駆動部32によるLED21の駆動、点灯回数が所定値に達したと判断すると、ステップ86に進んで転削工具12の刃径と振れ量とを出力する。すなわち、信号処理部34の最大幅ホールド回路60は、記憶保持しているD(DMAX)を転削工具12の刃径(直径)として表示装置などに出力する。また、信号処理部34の振れ幅算出回路66は、最小値ホールド回路62が記憶保持しているE1の最小値E1MINと、最大値ホールド回路64が記憶保持しているE2の最大値E2MAXとを読み出し、転削工具12の振れ成分の一種である振れを含んだ刃径D′を、
【数3】
のように演算して求め、表示装置などに出力する。
【0046】
また、振れ幅算出回路66が求めたD′の値は、最大幅ホールド回路60の出力したDMAXとともに振れ量算出回路68に入力される。振れ量算出回路68は、入力された刃径DMAXと振れを含んだ刃径D′とから、転削工具12の刃径の寸法を除去したスピンドルの振れによる転削工具12の振れ成分である振れ量2Bを次式により算出し、表示装置等に出力する。
【数4】
【0047】
このように実施形態においては、転削工具12を実際に使用する回転状態における転削工具の振れ量2Bを求められるようになっているため、振れ量の経時的変化を観察したり、チャックごとの振れ量の大きさを比較するなどして、スピンドルの良否やチャックの良否などを判別することができる。また、実施形態においては、転削工具の実際に使用する回転速度における転削工具の振れを含んだ刃径D′が求められるようになっているため、この刃径D′に基づいて補正を工作機械に与えることにより、加工精度を向上することができる。
【0048】
ところで、発明者等は、加工精度の向上を図るために研究し、種々実験を行なったところ、転削工具、特に切刃が螺旋状に形成してある転削工具においては、スピンドルに振れが存在する場合、転削工具12の軸線に沿った方向で回転振れ量が周期的に変化する現象を見出した。そこで、この実施形態においては、転削工具12に対して軸方向の振れの変化も測定するようになっている。このため、最大幅ホールド回路60が出力した刃径であるDMAX、振れ幅算出回路66が出力した転削工具12の振れを含んだ刃径D′、振れ量算出回路68が求めた振れ量2Bの値は、図示しない記憶部に、転削工具12の軸方向位置に対応して記憶される(図3ステップ86)。そして、制御・演算部34の信号処理部34は、転削工具12の軸方向の予め設定されている測定範囲のすべてについて測定を終了したか否かを判断する(ステップ87)。
【0049】
制御・演算部30の信号処理部34は、測定範囲のすべてについての測定が終了していない場合、送り制御装置14に送り指令を出力し(ステップ88)、ステップ80に戻る。送り制御装置14は、制御・演算部30からの指令に基づいて、転削工具12を軸方向に所定量移動させる。そして、信号処理部34は、送り制御装置14から転削工具12を軸方向に所定量(例えば、0.1mm)移動させた旨の信号が入力すると、ステップ80〜ステップ87の処理を繰り返す。そして、信号処理部34は、ステップ87において測定範囲のすべてについて振れの測定が終了すると、ステップ89において転削工具12を軸線方向に移動させて測定したときの最大振れ量2BMAXや、振れ量を含んだ転削工具の刃径の最大値D′MAXなどを出力する。
【0050】
図9は、信号処理部34による転削工具12の軸方向における振れ量の変動を求める処理の概略を示したものである。信号処理部34は、送り制御部14によって転削工具12が所定量ずつ軸方向に送られると、転削工具12の軸方向における各測定位置Z(Z1〜Zn)に対応して、前記したように刃径DMAX(DMAX1〜DMAXn)と振れを含んだ刃径D′(D′1〜D′n)とを求める。振れを含んだ刃径D′は、測定位置の情報Zとともに出力され、振れ量2Bの演算に供されるとともに、位相検出部における振れ量の転削工具の軸方向における変動を表す関数を求めるのに供される。また、振れを含まない刃径DMAX は、振れを含んだ刃径D′とともに振れ量の演算とその変動を表す関数の演算とに供される。
【0051】
振れ量2Bの演算は、転削工具12の軸方向における各測定点Zにおける測定ごとに行なわれる。例えば、転削工具12が2枚刃の場合、振れ量2Bの演算は、前記したようにD′−DMAXによって求められる。そして、この求めた振れ量2Bは、最大値ホールドされ、振れ量の測定が転削工具12の軸方向における振れの変動の1周期以上にわたって行なわれた場合、その最大値2BMAXを、転削工具12の精度誤差による振れや、ツールホルダ、コレットなどの形状誤差を含んだスピンドルの振れ量(以下、単にスピンドル振れ量という)R0 として出力される。また、このスピンドルの振れ量R0 を含んだ最大刃径D′MAX(DMAX+R0)が求められて出力される。
【0052】
一方、エンドミルのように転削工具12の長さが刃の捩じれの1周期より短い場合、信号処理部34は、測定した転削工具の軸方向長さにおける振れ量2Bの最大値を出力と、振れを含んだ刃径の最大値D′(=DMAX+2B)とを出力する。
【0053】
転削工具12の軸方向における振れの変動、および振れを含んだ刃径D′の変動は、発明者等の研究によると、正弦波状となっている。そして、変動する振れ量の周期は、刃径Dと切刃の捩じれ角θと刃数Nとの関数として表すことができる。このため、振れの変動を表す関数を求めるためには、予め刃の捩じれ角θと刃数Nとを与えておく。
【0054】
関数の演算は、転削工具12の軸方向における測定位置Zと、その測定位置Zに対応した刃径DMAXと、振れを含んだ刃径D′、および予め与えられた刃の捩じれ角、刃数とを用いてD′の関数近似により、
【数5】
として求められる。また、この関数演算においては、振れの周期T(振れの変動の工具軸方向における1周期)が求められる。振れの変動の周期Tは、刃径をD、刃の捩じれ角をθ、刃数をNとした場合、これらの関数であって、
【数6】
と表すことができる。
【0055】
このようにして求めた振れを含んだ刃径D′の変動を示す関数と周期Tとは、最大振れ量(スピンドル振れ量R0)と、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具12の軸方向に沿った刃の位相αの算出に供される。
【0056】
すなわち、発明者等の研究によると、スピンドルに振れがある場合、スピンドルの不釣合い位置に対する工具の刃の位相αと、工具の振れ量との間には一定の関係が存在する。この関係は、例えば転削工具12の先端位置の場合、スピンドルの不釣合い位置に対して、転削工具12の先端における刃の位相αが0度であると、転削工具12の先端の振れ量が最大となる。すなわち、転削工具の軸方向に沿って正弦波状に変化する振れ量の腹の部分が工具の刃先位置となる。これに対して、スピンドルの不釣合い位置に対する工具先端の刃の位相αが90度である場合、正弦波状に変動する振れ量の節の部分が転削工具12の先端位置となり、ほとんど振れない。このことは、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具12の軸方向における刃の位相との関係においても同様である。
【0057】
従って、測定可能な転削工具12の長さが刃の捩じれの1周期以上の長さを有していない場合であっても、前記のようにして求めた振れを含んだ刃径D′の変動を示す関数と、この関数の工具軸方向における周期Tとにより、転削工具12の振れの最大値であるスピンドルの振れ量R0と、転削工具12の先端の振れ量とを求めることができる。そして、転削工具12の先端の振れ量が求められれば、この先端振れ量のスピンドルの振れ量R0に対する割合から、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具12の先端における刃の位相αを求めることができ、工具軸方向に沿ったスピンドルの不釣合い位置に対する刃の位相もどうように求められる。そして、転削工具12の装着状態からスピンドルの不釣合い位置も容易に求めることができる。
【0058】
このように実施形態においては、転削工具12を実際に使用する回転速度における転削工具12の軸方向における振れの変動、振れを含んだ刃径の変動を求めることができるため、転削工具12の使用時における実際の振れ量、実際の振れを含んだ刃径が得られ、これに基づいて補正を行なうことにより、加工精度を向上することができる。また、スピンドルの不釣合い位置に対する工具先端の刃の位相を求めることができるため、例えば、ボールエンドミルによる金型加工のように、転削工具の先端部のみを使用するような場合、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具先端の刃の位相を求め、転削工具の振れが大きいような場合に、転削工具を回転させてチャッキングし直すことにより、転削工具先端の振れを小さくすることにより加工精度を高めることができる。
【0059】
また、前記実施形態においては、転削工具12の軸方向に工具幅Dを求めているため、転削工具12の加工誤差に基づく刃径の変動、すなわち転削工具12の加工精度をも求めることができる。
【0060】
図4は、2枚刃の転削工具12を軸方向に移動させて測定した振れ量を模式的に示したものである。図4に示したように、転削工具12の振れは、破線に示したように、転削工具の軸線に沿ってほぼ正弦波状に変化する。また、転削工具のチャックへの装着状態によっては、同図(1)と同図(2)とに示したように、転削工具12の先端部における振れが最小になる場合がある。これは、前記したように、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具12の先端における刃の位相によるものである。図4(1)に示したように、転削工具12の先端において振れ量変動の節となる場合、スピンドルの不釣合い位置に対する先端の刃の位相が90度のときである。また、同図(2)に示したように、転削工具12の先端における振れの変動が最大となる場合は、スピンドルの不釣合い位置に対する工具先端の刃の位相が0度のときである。なお、振れ量の変化の周期Tは、転削工具12の刃径をD、切刃のねじれ角をθ、刃数をNとした場合、発明者等の解析によると、
【数7】
と表すことができる。
【0061】
このように、実施形態においては、転削工具12を軸方向に移動させて軸方向の複数箇所において振れ量を求めるようにしているため、転削工具12の回転による振れ量の最大値、すなわち本当の振れ量と、振れを含んだ刃径の最大値とを確実に求めることができる。従って、これらの値を考慮した切削加工を行なうことにより、加工精度を向上することができる。
【0062】
ところで、任意の基準点に対するエッジ点E1またはエッジ点E2のいずれか一方を求めることにより、偶数刃ばかりでなく、奇数刃の転削工具12に対しても振れ成分である振れ量や振れを含んだ刃径の片側位置などを求めることができる。すなわち、図5に示したように、ある基準点、例えば図1の光センサ25の上端を基準点とし、その点から影27の上端(第1エッジ点E1)までの距離xを、転削工具12を軸線方向に移動させつつ、上記のようにして求める。そして、求めたxの最大値xMAXと最小値xMINとの差から、転削工具12の中心に対する半径方向片側の振れ量を算出することができる。
【0063】
これにより、影27の両端位置を検出して測定した2Bの値の半分に相当する値、すなわち転削工具12の中心に対する片側の振れ量BがxMAX−xMINとして得られ、これを2倍することによって全体の振れ量2Bを得ることができる。また、前記した影27の両端の位置を求める方法では、求めることができなかった刃数が奇数の場合においても、後述するように、振れ量2Bを求めることができる。
【0064】
また、この影27の片側の位置だけを検出する方法によって振れ量2Bを求める方法においても、転削工具12の軸方向における振れの変動、スピンドルの振れ量、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具の刃の位相を求めることができる。図10は、光センサ25に投影された影27の片側端位置を検出して軸方向の振れの変動を求める処理の概略を説明する図である。この場合、図2に示したように、影27の片側端位置(第1エッジ点E1)の値をeとして出力させる。
【0065】
すなわち、信号処理部34は、転削工具12の軸方向における各測定位置Zに対応して第1エッジ点の情報e(e1〜en)を求める。この求めた値eは、最大値ホールド回路と最小値ホールド回路とにおいて最大値eMAXと最小値eMINとが選択される。このeMAXとeMINとは、図5の説明におけるxMAXとxMINとに相当する。
【0066】
次に、信号処理部34は、これらの最大値と最小値との偏差gN(=eMAX−eMIN)を求める(図6(4)参照)。このようにして求めた偏差gNは、転削工具12の軸方向における測定範囲が刃の捩じれの1周期より短い場合、その測定範囲における振れ量の変動値として出力される。また、測定範囲が転削工具の刃の捩じれの1周期以上である場合、予め与えられている刃数Nを用いてスピンドルの振れ量R0が次式により求められる。
【数8】
ここにkN は、刃数Nによって定まる定数である。発明者等の研究によると、
【数9】
として求められる。なお、数式9においてNは刃数であって、N≧2である。ただし、1枚刃(N=1)の場合は、N=2とする。
【0067】
また、信号処理部34は、前記と同様にして刃の捩じれ角と刃数とが与えられてeの変動に基づく関数近似により転削工具12の軸方向における変動の状態を表す関数e=f(Z)と、その周期Tとを求める。そして、前記したと同様に、これらからスピンドルの振れ量R0と、スピンドルの不釣合い位置に対する工具の軸方向に沿った各点における刃の位相αとを演算する。
【0068】
なお、転削工具12を軸方向に沿って移動させて振れ量を測定した場合、切刃の数によって検出される振れの軸方向変化のパターンが異なる。図6は、その状態を模式的に示したものである。同図(1)は1枚刃の振れの軸方向変化を示したものであり、同図(2)は直径方向のそれぞれに切刃を有する2枚刃の場合を示したものである。これらは、いずれも正弦波状に変化する曲線のピークの高さが転削工具12の使用状態における実際の片側の振れ量と見なすことができ、工具の形状精度誤差による振れを含んだスピンドルの片側の振れ量(R0/2=B)となる。従って、振れを含んだ刃径D′は、転削工具12の刃径Dに2Bを加えた値(D+2B)となる。
【0069】
図6(3)は、中心に対して90度間隔で4枚の切刃を有する転削工具の軸方向における振れの変化を模式的に示したものである。この4枚刃の場合、図6(3)の左側に示したように、実線で示した1番目の刃による振れ量のピークと3番目の刃による振れ量のピークとの間に、破線で示した2番目の刃による振れ量のピークが現われ、3番目の刃によるピークと1番目の刃によるピークとの間に4番目の刃によるピークがくる。このため、実際に測定される振れ量の軸方向の変化は、図6(3)の右側のようになる。
【0070】
また、同図(4)は、中心に対して120度間隔で3枚の切刃を有する転削工具の軸方向における振れの変化を示している。この場合にも、4枚刃の場合と同様に、各刃による振れ量の変化が図6(4)の左側に示したように相互に重なるため、実際に測定される振れ量の軸方向に沿った変化は、図6(4)の右側に示したようになる。
【0071】
図6(3)、(4)のように、4枚刃または3枚刃の場合、図5に示したように、影の片側の位置を検出しただけでは振れ量を求めることができない。しかし、各刃による振れ量の軸方向の変化は、正弦波状に変化するため、前記したように、切刃の捩じれ角と刃数とがわかれば振れ量を容易に求めることができる。
【0072】
なお、前記実施形態は、本発明の一態様の説明であって、これに限定されるものではない。例えば、前記実施形態においては、軸方向の振れの変化を求める場合に、転削工具12を軸方向に所定量ずつ送り、送りを停止した状態で振れ量を求める場合について説明したが、転削工具12の軸方向への移動をゆっくり連続しておこない、転削工具12を移動させつつ振れを測定してその最大値を実際の振れ量としてもよい。すなわち、例えば転削工具12が2枚刃の場合、転削工具12を軸方向に移動させつつ図5に示したxの値を求め、求めたxの最大値と最小値とから得た振れ量を2倍して実際の振れ量としてもよい。また、刃数が偶数の場合、第1エッジ点E1と第2エッジ点E2とから振れ量を求める場合にも、転削工具12を軸方向に移動させつつ第1エッジ点E1の最小値と、第2エッジ点E2の最大値とを求めることによって、同様に振れ量を求めることができる。
【0073】
また、前記実施形態においては、転削工具12の軸方向における振れ量の変動を求める場合に、転削工具12を軸方向に移動させる場合について説明したが、光センサ25側を移動させるようにしてもよい。また、前記実施形態においては、光源がLED21である場合について説明したが、光源はレーザダイオードなどであってもよい。
【0074】
さらに、前記実施形態においては、LED21によってパルス状の光を転削工具12に照射し、光センサ25の受光素子を順次切り替えて受光素子の出力信号を読み込む場合について説明したが、転削工具12に光を連続的に照射するとともに、光センサ25の各受光素子に対応してバッファを設け、任意のタイミングで各受光素子の出力を対応するバッファに同時に読み込み、これに基づいて振れを求めるようにしてもよい。
【0075】
図7と図8は、実施例に係る振れ測定装置10によって転削工具の回転振れを実測した結果を示したものである。
図7は、エンドミルに対する軸方向における振れを含んだ刃径D′の変化の状態を示したもので、横軸がエンドミルの回転軸方向の移動距離(軸方向移動量)をmm単位で示してあり、縦軸がエンドミルの刃径(直径)をmmで示してある。使用したエンドミルは、外径(刃径)が0.990mmの2枚刃であって、切刃の捩じれ角は30度である。そして、エンドミルの回転速度は、2000rpmである。また、図中実線の曲線は同じ条件下における解析による値であり、■が振れを含んだ刃径の実測値、すなわち図2に示した振れ幅演算回路66の出力による値を示したものである。さらに、図7の破線は、エンドミルの外径の実測値、すなわち図2に示した最大幅ホールド回路60の出力による値である。
【0076】
図7に示されているように、振れを含んだ刃径、すなわち振れ量がエンドミルの軸線に沿って変化していることがわかる。そして、図7から得られたスピンドルの最大振れ量は、約10μm(1.000〜0.990=0.01[mm])であった。
【0077】
図8は、2枚刃のドリルの軸方向における振れを含んだ刃径の変化の状態を示したものであり、横軸がドリルの回転軸方向の移動距離(単位:mm)、縦軸が刃径(単位:mm)である。そして、使用したドリルは、外径が0.403mm、切刃の捩じれ角が30度であり、ドリルの回転速度が12000rpmである。また、図中の実線はシミュレーションによる値、■は振れを含んだ刃径の実測値、破線がドリルの刃径の実測値である。
【0078】
図8に示されているように、ドリルにおいても軸方向で振れを含んだ刃径(振れ量)が変化する。しかも、振れを含んだ刃径(振れ量)は、軸方向において周期的に変化する。
【0079】
図11は、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具12の先端における切刃の位相と、振れを含む刃径(振れ量)との関係を示したものであって、横軸が工具先端からの距離(単位:mm)であり、縦軸が刃径(単位:mm)である。また、図中破線で示した曲線は、スピンドルの不釣合い位置に対する工具先端の刃の位相が0度の場合の解析値を示し、二点鎖線は同じく位相が45度の場合、実線は位相が90度の場合を示している。そして、図中の▲は同じく位相が0度の場合の実測値、×は位相が45度の場合の実測値、●は位相が90度の場合の実測値である。
【0080】
図から明らかなように、2枚刃の転削工具の場合、転削工具の先端における振れは、スピンドルの不釣合い位置に対する工具先端の刃の位相が0度の場合に最大となり、位相が90度のときに最小となる。そして、位相が45度のときには、両者の中間となる。
【0081】
このように、スピンドルに振れが存在すると、転削工具12の振れが軸方向に周期的に変動し、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具12の刃の位相と振れ量との間に一定の関係が存在する。このため、例えばエンドミルによる側面切削加工をすると、エンドミルの振れのパターンが加工した切削面に転写される。そこで、例えばエンドミル先端の振れ量を最大となるように刃の位相を調整してチャックに装着し、最初にエンドミルの挿入量を最大にして切削加工したのち、エンドミルを挿入位置が浅くなるように軸方向に少しずらし、エンドミルから切削面に転写された凸部を削るように再度切削し、このような切削工程を複数回繰り返すことによって、加工した切削面の平坦化がはかれ、加工精度を向上することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、回転している転削工具に光を照射して転削工具の影を光センサの上に投影し、その影の両端の位置を求めるとともに、この影の両端位置を転削工具の軸方向に沿った複数位置で求めることにより、回転している転削工具の軸線に直交した方向の影の両端位置ついて、転削工具の軸方向における変動が得られる。従って、転削工具の軸線に沿って得られた影の投影位置の変動に基づいて、転削工具の刃径(直径)や転削工具の実際の振れ量、転削工具の振れを含んだ実際の刃径を求めることができる。このため、実際に使用する回転数における転削工具の軸線に沿った振れ量、振れを含んだ刃径を求めているため、実際に使用する回転数における転削工具の実際の振れ量が得られ、この振れ量を加工の際の参考とし、振れ量が大きい場合に転削工具を交換したり、スピンドルのメンテナンスや交換をするなどにより、加工精度を高めることができる。また、常に大きな回転振れを発生させるチャックの把握などによってチャックの良否を判定することができ、スピンドルとチャックとを組み合せた状態での良否を判断することが可能となる。さらに、実際に使用する回転速度における転削工具の振れを含んだ実際の刃径が得られるため、この刃径を考慮した補正を工作機械に与えることにより、加工精度を向上することができる。
【0083】
また、本発明においては、影の投影位置を、基準位置に対する前記影の一側端を検出して行なうようにしているため、偶数の切刃を有する転削工具の場合ばかりでなく、刃径を求めることができない切刃の数が奇数の場合であっても、その実際の振れ量を正確、確実に求めることができる。従って、奇数刃を有する転削工具による加工精度を向上することが可能となる。
【0084】
そして、転削工具の軸方向に沿って振れ量求めているため、この振れ量を最大の振れ量と比較することにより、スピンドルの不釣合い位置に対する転削工具の軸線に沿った各位置における刃の位相を容易に求めることができ、チャックに転削工具を装着する際に、刃の位相を調節することにより、転削工具の軸方向における使用位置の振れ量を調節することが可能であり、加工精度を向上することができる。
【0085】
さらに、転削工具の軸線に沿って振れ量を求めているため、実際に使用する回転速度における転削工具の形状精度誤差による振れを含んだスピンドルの振れ量が、転削工具の最大振れ量として求めることが可能で、このスピンドル振れを監視することにより、スピンドルの良否、チャックの良否などの判定に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る転削工具の測定装置の概略ブロック図である。
【図2】 本発明の実施の形態に係る信号処理部のブロック図である。
【図3】 本発明の実施の形態に係る転削工具の振れ測定方法を説明するフローチャートである。
【図4】 転削工具の軸方向における振れ量の変化を模式的に示した説明図である。
【図5】 本発明の第2実施形態の係る転削工具の振れ測定方法を説明する図である。
【図6】 転削工具の軸方向における振れ量の変化の刃数による相違を説明する図である。
【図7】 実施の形態により測定したエンドミルの軸方向における振れを含んだ刃径の変化を示す図である。
【図8】 実施の形態により測定したドリルの軸方向における振れを含んだ刃径の変化を示す図である。
【図9】 実施の形態に係る影の両端位置に基づいて転削工具の軸方向における振れの変動を求める方法の説明図である。
【図10】 実施の形態に係る影の片側端位置に基づいて転削工具の軸方向における振れの変動を求める方法の説明図である。
【図11】 スピンドルの不釣合い位置に対する2枚刃の工具先端における刃の位相と転削工具の振れを含んだ刃径との関係を示す図である。
【符号の説明】
10………転削工具測定装置、12………転削工具、14………送り制御装置、20………検出部、21………LED、22………コリメートレンズ、24………結像レンズ、25………光センサ、30………制御・演算部、34………信号処理部、53………投影位置検出部、54………第1エッジ点検出回路、56………第2エッジ点検出回路、57………変動検出部、58………工具幅算出回路、60………最大幅ホールド回路、66………振れ幅演算回路、68………振れ量算出回路。
Claims (3)
- 加工機にチャッキングされて回転している転削工具の側方から光を照射して前記転削工具の影を光センサ上に投影し、前記転削工具の軸方向の複数位置において、前記光センサの出力信号に基づいて投影された前記影の両端位置を検出し、これら検出した前記影の両端位置に基づいて、前記転削工具の軸方向に沿って振れ成分を求め、この振れ成分に基づいて前記転削工具を回転させるスピンドルの不釣合い位置に対する前記転削工具の刃の位相と、前記スピンドルの振れ量との少なくともいずれか一方を求めることを特徴とする転削工具の測定方法。
- 加工機にチャッキングされて回転している転削工具の側方から光を照射して前記転削工具の影を光センサ上に投影し、前記転削工具の軸方向の複数位置において、前記光センサの出力信号に基づいて投影された前記影の一側端位置を検出し、これら検出した前記影の一側端位置に基づいて、前記転削工具の軸方向に沿って振れ成分を求め、この振れ成分に基づいて前記転削工具を回転させるスピンドルの不釣合い位置に対する前記転削工具の刃の位相と、前記スピンドルの振れ量との少なくともいずれか一方を求めることを特徴とする転削工具の測定方法。
- 時間間隔を変えてパルス状の光を加工機にチャッキングされて回転している転削工具に照射する光源と、
この光源の照射した光による前記転削工具の影が投射される光センサと、
この光センサの出力信号に基づいて、光センサに投射された前記影の両端の少なくとも一方を検出する投影位置検出部と、
前記光センサを前記転削工具の加工使用領域の軸方向に相対的に移動させる送り部と、
前記投影位置検出部が出力した前記影の投影位置情報により、前記転削工具の加工に使用される軸方向における振れ量の変動、前記転削工具の刃径の変動、前記転削工具の振れを含む刃径の変動の少なくともいずれか一方を求める変動検出部と、
この変動検出部の求めた前記転削工具の振れ量の変動、前記転削工具の刃径または前記転削工具の振れを含んだ刃径の変動に基づいて、前記転削工具を回転させるスピンドルの不釣合い位置に対する前記転削工具の刃の位相と前記スピンドルの振れ量との少なくともいずれか一方を求める位相検出部と、
を有することを特徴とする転削工具の測定装置。
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