JP4107844B2 - 多段ポンプ - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多段ポンプに係り、特に複数の中間ケーシングを備えた多段ポンプに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、複数の中間ケーシングを備え、各中間ケーシングの内部に羽根車を収容した多段ポンプが知られている。図３は、このような従来の多段ポンプにおける中間ケーシング付近の構造を示す部分断面図である。図３に示すように、従来の多段ポンプにおいては、吐出ケーシング１００に接続される最終段の中間ケーシング１０１は、前段の中間ケーシング１０２と同一のものが使用されている。このため、ポンプの軸方向長さが長くなってしまい、ポンプが大型化してしまうという問題があった。
【０００３】
また、各中間ケーシング１０１，１０２には、中間ケーシングの内面の摩耗を防止するバッフル１０３，１０４がそれぞれ設けられている。これらのバッフル１０３，１０４としては、プレス成形された専用の部材が溶接により各中間ケーシング１０１，１０２に取付けられる。このように、複数の中間ケーシングを備えた従来のポンプにおいては、専用のバッフルを各中間ケーシング毎に設けなければならないため、部品点数が増加し、コストの増大を招いていた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、ポンプのコンパクト化を図ることができ、また部品点数を減らしてコストの低減を図ることができる多段ポンプを提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
このような従来技術における問題点を解決するために、本発明の第１の態様は、複数の中間ケーシングを備えた多段ポンプにおいて、最終段の中間ケーシングの内面の摩耗を防止するバッフル部を有する吐出ケーシングを備えたことを特徴とする多段ポンプである。
【０００６】
このように、最終段の中間ケーシングの内面の摩耗を防止するバッフル部を吐出ケーシングに設けることにより、最終段の中間ケーシングに別途専用品のバッフルを設ける必要がなくなるため、部品点数を減らしてコストの低減を図ることができる。
【０００７】
本発明の第２の態様は、複数の中間ケーシングを備えた多段ポンプにおいて、最終段の中間ケーシングの軸方向長さを前段の中間ケーシングよりも短くしたことを特徴とする多段ポンプである。
【０００８】
このようにすることで、ポンプのコンパクト化を図ることが可能となる。また、従来と略同一の軸方向長さで羽根車を１段追加することも可能となる。
【０００９】
この場合において、前記最終段の中間ケーシングの内面の摩耗を防止するバッフル部を有する吐出ケーシングを備えることが好ましい。このようにすれば、最終段の中間ケーシングに別途バッフルを設ける必要がなくなるため、最終段の中間ケーシングの軸方向長さを更に短くすることができ、より効果的にポンプのコンパクト化を図ることができる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る多段ポンプの一実施形態について図１及び図２を参照して詳細に説明する。図１は本発明の一実施形態における多段ポンプを示す縦断面図、図２は図１の多段ポンプにおける中間ケーシング付近の構造を示す部分断面図である。図２においては、中間ケーシングの上半分のみが示されている。
【００１１】
本実施形態における多段ポンプは、吸込口１ａを有する吸込ケーシング１と、ステンレス鋼板をプレス成形して製作された２つの中間ケーシング２，３と、吐出口４ａを有する吐出ケーシング４とを備えている。吸込ケーシング１及び中間ケーシング２，３の内部にはそれぞれ主軸５に取付けられた羽根車６が収容されている。
【００１２】
図２に示すように、中間ケーシング２は、円筒状の側面部２１と、略Ｓ字状に形成された嵌合部２２と、嵌合部２２から径方向内側に延びる底面部２３とを備えている。この中間ケーシング２の嵌合部２２には、図１に示すように、吸込ケーシング１の軸方向端部が当接するようになっており、吸込ケーシング１の軸方向端部と略Ｓ字状の嵌合部２２とによってＯリング（図示せず）を装着する溝２４が形成されている。
【００１３】
また、同様に、中間ケーシング３は、円筒状の側面部３１と、略Ｓ字状に形成された嵌合部３２と、嵌合部３２から径方向内側に延びる底面部３３とを備えている。この中間ケーシング３の嵌合部３２には、前段の中間ケーシング２の円筒状側面部２１の軸方向端面２１ａ及び内面２１ｂが当接するようになっており、円筒状側面部２１の内面２１ｂと略Ｓ字状の嵌合部３２とによってＯリング（図示せず）を装着する溝３４が形成されている。
【００１４】
中間ケーシング２，３の底面部２３，３３には、それぞれ側板２５，３５との間に挟まれた戻し羽根２６，３６が溶接により取付けられている。また、吸込ケーシング１及び中間ケーシング２，３の内周側の縁部２７，３７にはそれぞれライナリング４０が取付けられており、このライナリング４０と羽根車６の吸込部との間に微小な隙間が形成されている。このライナリング４０によって、高圧水の漏れが防止される。
【００１５】
ポンプの運転時に、吸込口１ａ（図１参照）から吸い込まれた揚液は、主軸５により回転される羽根車６により昇圧され、昇圧された揚液は、戻し羽根２６により形成される流路を通って次段の羽根車６の吸込部に導かれる。その後、揚液は次段の羽根車６により昇圧され、昇圧された揚液は、戻し羽根３６により形成される流路を通って最終段の羽根車６の吸込部に導かれる。最終段の羽根車６により昇圧された揚液は、吐出ケーシング４の吐出口４ａから外部に吐出される。
【００１６】
ここで、最終段の中間ケーシング３の円筒状側面部３１の軸方向長さは前段の中間ケーシング２の円筒状側面部２１の軸方向長さよりも短くなっている。このようにすることで、ポンプのコンパクト化を図ることが可能となる。また、従来と略同一の軸方向長さで羽根車を１段追加することも可能となる。
【００１７】
中間ケーシング２の内面の外周側には、中間ケーシング２の内面の摩耗を防止するバッフル２８が設けられている。吐出ケーシング４の中間ケーシング３側の端部には、最終段の中間ケーシング３の底面部３３の近傍まで延びるバッフル部４１が設けられている。このように、最終段の中間ケーシング３の内面の摩耗を防止するバッフル部４１を吐出ケーシング４に設けることにより、最終段の中間ケーシング３に別途専用品のバッフルを設ける必要がなくなるため、部品点数を減らしてコストの低減を図ることができる。特に、バッフル部４１を吐出ケーシング４に設けることにより、最終段の中間ケーシング３の円筒状側面部３１の軸方向長さを極めて短くすることができるので、より効果的にポンプのコンパクト化を図ることができる。
【００１８】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【００１９】
【発明の効果】
上述したように、本発明によれば、最終段の中間ケーシングの内面の摩耗を防止するバッフル部を吐出ケーシングに設けることにより、最終段の中間ケーシングに別途専用品のバッフルを設ける必要がなくなるため、部品点数を減らしてコストの低減を図ることができる。
【００２０】
また、最終段の中間ケーシングの軸方向長さを前段の中間ケーシングよりも短くすることにより、ポンプのコンパクト化を図ることが可能となる。また、従来と略同一の軸方向長さで羽根車を１段追加することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施形態における多段ポンプを示す縦断面図である。
【図２】図１の多段ポンプにおける中間ケーシング付近の構造を示す部分断面図である。
【図３】従来の多段ポンプにおける中間ケーシング付近の構造を示す部分断面図である。
【符号の説明】
１ 吸込ケーシング
１ａ 吸込口
２，３ 中間ケーシング
４ 吐出ケーシング
４ａ 吐出口
５ 主軸
６ 羽根車
２１，３１ 円筒状側面部
２２，３２ 嵌合部
２３，３３ 底面部
２４，３４ 溝
２５，３５ 側板
２６，３６ 戻し羽根
２７，３７ 縁部
２８ バッフル
４０ ライナリング
４１ バッフル部

Claims (2)

1. 複数の中間ケーシングを備えた多段ポンプにおいて、
   最終段の中間ケーシングの内面の摩耗を防止するバッフル部を有する吐出ケーシングを備えたことを特徴とする多段ポンプ。
2. 複数の中間ケーシングを備えた多段ポンプにおいて、
   最終段の中間ケーシングの軸方向長さを前段の中間ケーシングよりも短くし、
   前記最終段の中間ケーシングの内面の摩耗を防止するバッフル部を有する吐出ケーシングを備えたことを特徴とする多段ポンプ。

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