JP2011208558A - 遠心式流体機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠心式流体機械において、ケーシングと羽根車の隙間における流体の漏れ流れを抑制すると共に部材の接触による損傷を防止して耐久性の向上を図る。
【解決手段】ケーシング11にハブ14とシュラウド15と複数の羽根16からなる羽根車13を回転自在に支持し、この羽根車13に対して流体が軸方向に沿って吸入される吸入通路17と、羽根車13で圧送された流体が径方向に沿って排出されるディフューザ18とを設けると共に、羽根車13のハブ14及びシュラウド15からディフューザ18の各シュラウド19,20へ延出することで羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート22,23を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遠心式のポンプやポンプ水車などとして使用される遠心式流体機械に関するものである。
例えば、遠心式流体機械として、流体を圧送する遠心ポンプは、ケーシングと、このケーシングの内部で回転可能に配置された羽根車と、この羽根車を回転させる駆動装置とから構成されている。従って、駆動装置により羽根車を回転させることで、羽根車の軸線方向前側からケーシングの内部に流体を取り込み、この流体を羽根車の径方向外側に圧送してケーシングの外部に送り出すことができる。
このような遠心ポンプにて、ケーシングの内部に取り込まれた流体は、羽根車の回転により圧力が上昇されながら、ケーシングの外部に送り出されることから、流体の圧力は、羽根車の出口側で高く、入口側で低いものとなっている。そのため、羽根車の出口側の高圧流体が、ケーシングと羽根車の間の隙間を通り、羽根車の入口側に流れる流体の漏れ流れが発生する。この流体の漏れ流れは、遠心ポンプの体積効率が低下し、ポンプ効率が低下してしまうという問題がある。
従来、遠心ポンプにて、ケーシングと羽根車の間の隙間により発生する流体の漏れ流れを抑制するために、このケーシングと羽根車との間の要所に、非接触式のシール部材を設けることが各種提案されている。
このような従来の回転機械としては、下記特許文献1〜3に記載されたものがある。
特開平11−082364号公報 特開平11−013688号公報 特開昭61−053500号公報
従来の遠心ポンプにて、ケーシングと羽根車の間の隙間により発生する流体の漏れ流れを抑制するため、ケーシングと羽根車との間にシール部材を設けてシールする場合、このシール部材によりケーシングと羽根車とのクリアランスを小さく設定する必要がある。ところが、遠心ポンプが作動し、羽根車が高速で回転すると、回転振動が発生する。すると、この回転振動により軸方向、半径方向、周方向に同程度の振動が発生し、クリアランスが小さく設定された領域で、ケーシングと羽根車またはシール部材が接触し、各部材を損傷させてしまうおそれがある。
本発明は上述した課題を解決するものであり、ケーシングと羽根車の隙間における流体の漏れ流れを抑制すると共に部材の接触による損傷を防止して耐久性の向上を図る遠心式流体機械を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の遠心式流体機械は、中空形状をなすケーシングと、円環部材の平面部に周方向に複数の羽根が並設されて前記ケーシング内に回転自在に支持される羽根車と、前記羽根車に対して流体が該羽根車の軸方向に沿って吸入される吸入通路と、前記羽根車で圧送された流体が該羽根車の軸方向に交差する方向に沿って排出される排出通路と、前記円環部材と前記排出通路のいずれか一方から他方へ延出することで前記羽根車の軸方向に所定のシール隙間をもって重なるリング形状をなすシール部材と、を備えることを特徴とするものである。
従って、シール部材が円環部材から排出通路、または、排出通路から円環部材へ延出し、羽根車軸方向に所定のシール隙間を形成することで、羽根車から吐出した流体が排出通路に排出されるとき、このシール隙間により排出通路の入口における静圧が低下すると共に、ケーシングと羽根車との隙間における圧力損失が増加することとなり、ケーシングと羽根車の隙間に流れる流体の流量を低減することができ、流体の漏れ流れを抑制して効率を向上することができると共に、部材の接触による損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
本発明の遠心式流体機械では、前記ケーシングと前記円環部材との間にリング形状をなす回転隙間が設けられ、該回転隙間は、前記円環部材における外周側端部と前記ケーシングとの羽根車の径方向における第1径方向隙間及び前記シール隙間を介して前記排出通路に連通すると共に、前記円環部材における軸心側端部とケーシングとの羽根車の径方向における第2径方向隙間を介して前記吸入通路に連通し、前記シール隙間の通路面積が、前記第2径方向隙間の通路面積とほぼ同じ面積に設定されることを特徴としている。
従って、羽根車の吐出側から回転隙間を通って羽根車の吸入側に流れる流体の漏れは、シール隙間及び第2径方向隙間によりシールされ、この場合、羽根車の吐出側にあるシール隙間の通路面積を羽根車の吸入側にある第2径方向隙間の通路面積とほぼ同じ面積に設定することで、この回転隙間における圧力損失が確実に増加することができ、流体の漏れ流れを抑制して効率を向上することができる。
本発明の遠心式流体機械では、前記ケーシングと前記円環部材との間にリング形状をなす回転隙間が設けられ、該回転隙間は、前記円環部材における外周側端部と前記ケーシングとの羽根車の径方向における第1径方向隙間及び前記シール隙間を介して前記排出通路に連通すると共に、前記円環部材における軸心側端部とケーシングとの羽根車の軸方向における第2軸方向隙間を介して前記吸入通路に連通し、前記シール隙間に第1圧力面が形成される一方、前記第2軸方向隙間に前記第1圧力面の圧力を介して相互に作用する第2圧力面が形成されることを特徴としている。
従って、回転する羽根車が軸方向に移動したとき、シール隙間の距離が増加すると第2軸方向隙間の距離が減少し、一方、第2軸方向隙間の距離が増加するとシール隙間の距離が減少することとなり、このとき、シール隙間の圧力と第2軸方向隙間の圧力が変動する。そのため、シール隙間における第1圧力面に作用する圧力と、第2軸方向隙間における第2圧力面に作用する圧力が相反に作用し、この変動する圧力により羽根車を所定の軸方向位置に自動的に調整配置することができる。
本発明の遠心式流体機械では、前記シール部材は、基端部が前記円環部材の外周部に固定され、先端部が前記排出通路の壁面に前記シール隙間をもって配置されることを特徴としている。
従って、羽根車から吐出した流体がシール部材に沿って流れ、シール隙間により排出通路の入口における静圧が低下すると共に、ケーシングと羽根車との隙間における圧力損失が増加し、ケーシングと羽根車の隙間に流れる流体の流量を低減することができる。
本発明の遠心式流体機械では、前記羽根車の吐出部における通路面積が、前記排出通路の入口部における通路面積より小さく設定され、前記シール部材は、前記先端部が前記排出通路の内壁面に前記シール隙間をもって配置されることを特徴としている。
従って、羽根車の吐出部における通路面積と排出通路の入口部における通路面積との関係により、シール部材を排出通路の内側に配置することができ、構成を簡素化して大型化を防止することができる。
本発明の遠心式流体機械では、前記シール部材は、前記先端部が前記排出通路の内壁面に前記シール隙間をもって配置され、該シール隙間をもって対向しない面に先細となる傾斜面が形成されることを特徴としている。
従って、羽根車から吐出した流体がシール部材における傾斜面に沿って流れるため、シール隙間により排出通路の入口における静圧が低下すると共に、ケーシングと羽根車との隙間における圧力損失が増加し、且つ、排出通路に流れる主流流体の損失を低減することができる。ケーシングと羽根車の隙間に流れる流体の流量を低減することができると共に、効率を向上することができる。
本発明の遠心式流体機械では、前記シール部材と前記羽根車の軸方向に対向する前記円環部材または前記排出通路との間に、段付形状をなすシール部が設けられることを特徴としている。
従って、シール部材と円環部材または排出通路との間に、シール隙間だけでなく、段付形状をなすシール部を設けることで、更に、羽根車の吐出側の流体の漏れを低減することができる。
本発明の遠心式流体機械では、前記ケーシングと前記円環部材との間にリング形状をなす回転隙間が設けられ、該回転隙間を構成する前記ケーシング側または前記円環部材に段付形状をなすシール部が設けられることを特徴としている。
従って、回転隙間を構成するケーシング側または円環部材に段付形状をなすシール部を設けることで、回転隙間における圧力損失を更に増加させることができ、回転隙間に流れる流体の流量を低減し、流体の漏れ流れを抑制して効率を向上することができる。
本発明の遠心式流体機械によれば、羽根車の円環部材と排出通路のいずれか一方から他方へ延出することで羽根車の軸方向に所定のシール隙間をもって重なるリング形状をなすシール部材を設けるので、排出通路の入口における静圧が低下すると共に、ケーシングと羽根車との隙間における圧力損失が増加することとなり、ケーシングと羽根車の隙間に流れる流体の流量を低減し、流体の漏れ流れを抑制して効率を向上することができると共に、部材の接触による損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
図1は、本発明の実施例1に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。 図2は、実施例1の遠心ポンプにおける流体出口部を表す断面図である。 図3は、本発明の実施例2に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。 図4は、実施例2の変形例を表す遠心ポンプを表す要部断面図である。 図5は、実施例2の変形例を表す遠心ポンプを表す要部断面図である。 図6は、本発明の実施例3に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。 図7は、本発明の実施例4に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。 図8は、本発明の実施例5に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。 図9は、本発明の実施例6に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。 図10は、本発明の実施例7に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。 図11は、本発明の実施例8に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る遠心式流体機械の好適な実施例を詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施例1に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図、図2は、実施例1の遠心ポンプにおける流体出口部を表す断面図である。
実施例1の遠心ポンプは、ベーンドディフューザポンプである。この遠心ポンプにおいて、図1に示すように、ケーシング11は中空形状をなし、中央部に回転軸12が図示しない軸受により回転自在に支持され、この回転軸12の端部に図示しない駆動装置が連結されている。回転軸12は、外周部に羽根車(インペラ)13が固定されている。この羽根車13は、円環部材としてのハブ14と、円環部材としてのシュラウド15と、このハブ14とシュラウド15との間の平面部に挟まれるように固定される複数の羽根16とにより構成されている。この場合、ハブ14は、ボス部14aが回転軸12に固定され、シュラウド15は円錐形状をなして回転軸12から離間して配置され、複数の羽根16は、ハブ14とシュラウド15との間にて、周方向に所定間隔をもって並設されている。従って、羽根車13は、回転軸12と共にケーシング11内で回転可能に支持されることとなる。
ケーシング11は、羽根車13に対して流体が、この羽根車13の軸方向に沿って吸入される吸入通路17が形成されており、流体をこの吸入通路17を介して羽根車13の前面部に取込可能となっている。また、ケーシング11は、羽根車13の外周側に羽根車13で圧送された流体が、この羽根車13の軸方向に交差する径方向に沿って排出される排出通路としてのディフューザ18が形成されており、羽根車13で圧縮した流体をこのディフューザ18に吐出可能となっている。そして、このディフューザ18は、その外周部に流体を外部に吐出する図示しない吐出口が形成されている。このディフューザ18は、円環形状をなす一対のシュラウド19,20と、このシュラウド19,20の間に挟まれて周方向に沿って固定される複数の羽根(ディフューザベーン)21とにより構成されている。なお、本願でいう「流体」とは液体でも気体でもよい。
従って、駆動装置により回転軸12が回転すると、羽根車13が回転し、流体が吸入通路17を通してケーシング11内に吸い込まれる。すると、この流体は、回転する羽根車13を流過する過程で昇圧された後、ディフューザ18に吐出され、このディフューザ18にて圧縮流体の動圧が静圧に変換され、吐出口から外部に吐出される。
このように構成された実施例1の遠心ポンプにおいて、図1及び図2に示すように、羽根車13のハブ14からディフューザ18のシュラウド19へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Saをもって重なるリング形状をなすシールプレート(シール部材)22が設けられている。また、羽根車13のシュラウド15からディフューザ18のシュラウド20へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート(シール部材)23が設けられている。
即ち、羽根車13における吐出部(外周部)13aの厚さT1と、ディフューザ18における入口部(内周部)18aの厚さT2とは、ほぼ同じ厚さ(T1≒T2)であるが、羽根車13における吐出部(外周部)13aの羽根高さH1と、ディフューザ18における入口部(内周部)18aの羽根高さH2とは相違し、H1<H2となっている。即ち、羽根車13の吐出部13aにおける通路面積が、ディフューザ18の入口部18aにおける通路面積より小さく設定されている。
ケーシング11におけるハブ面11aとハブ14との間にリング形状をなす回転隙間Sxが設けられ、ケーシング11におけるシュラウド面11bとシュラウド15との間にリング形状をなす回転隙間Syが設けられている。また、ハブ14における外周側端部とケーシング11及びディフューザ18(シュラウド19)との間には、羽根車13の径方向に沿った第1径方向隙間S1aが設けられ、シュラウド15における外周側端部とケーシング11及びディフューザ18(シュラウド20)との間には、羽根車13の径方向に沿った第1径方向隙間S1bが設けられている。更に、ハブ14における軸心側端部とケーシング11との間には、羽根車13の径方向に沿った第2径方向隙間S2aが設けられ、シュラウド15における軸心側端部とケーシング11との間には、羽根車13の径方向に沿った第2径方向隙間S2bが設けられている。
そして、ハブ14側の回転隙間Sxは、第1径方向隙間S1a及びシール隙間Saを介してディフューザ18の入口部18aに連通すると共に、第2径方向隙間S2aを介して吸入通路17に連通している。また、シュラウド15側の回転隙間Syは、第1径方向隙間S1b及びシール隙間Sbを介してディフューザ18の入口部18aに連通すると共に、第2径方向隙間S2bを介して吸入通路17に連通している。
シールプレート22は、内周部(基端部)がハブ14の外周端面に固定され、外周部(先端部)がディフューザ18のシュラウド19における内壁面19a側に沿って延出されている。そして、シールプレート22とディフューザ18のシュラウド19における内壁面19aとの間に軸方向のシール隙間Saが設けられている。また、シールプレート23は、内周部(基端部)がシュラウド15の外周端面に固定され、外周部(先端部)がディフューザ18のシュラウド20における内壁面20a側に沿って延出されている。そして、シールプレート23とディフューザ18のシュラウド20における内壁面20aとの間に軸方向のシール隙間Sbが設けられている。この場合、各シールプレート22,23は、外周部がディフューザ18の羽根21に接触しないように径方向の所定隙間をもって配置されている。本実施例では、シール隙間Sa,Sbの通路面積が、第2径方向隙間S2a,S2bの通路面積とほぼ同じ面積に設定されている。
従って、吸入通路17からケーシング11内に吸い込まれ、羽根車13により昇圧された流体は、吐出部13aから吐出された後、入口部18aからディフューザ18に導かれる。このとき、羽根車13の吐出部13aからディフューザ18の入口部18aに流れる流体は、各シールプレート22,23に沿って流れた後、先端部で剥離してから、通路面積が拡大したディフューザ18に流れ込むことから、ここで、各シールプレート22,23の外周部を回り込む渦流(バックステップ流れ)が発生し、静圧が低下する。
また、羽根車13のハブ14とシールプレート22との間にシール隙間Saが設けられると共に、羽根車13のシュラウド15とシールプレート23との間にシール隙間Sbが設けられていることで、このシール隙間Sa,Sbによりハブ14とケーシング11、シュラウド15とケーシング11との回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が増加する。
そのため、ディフューザ18の入口部18aにおける静圧が低下すると共に、ケーシング11と羽根車13との回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が増加することで、羽根車13の吐出部13aからシール隙間Sa,Sbを介して回転隙間Sx,Syに漏れ出る流体の漏れ流れ流量を低減することができる。
このように実施例1の遠心ポンプにあっては、中空形状をなすケーシング11にハブ14とシュラウド15と複数の羽根16からなる羽根車13を回転自在に支持し、この羽根車13に対して流体が軸方向に沿って吸入される吸入通路17と、羽根車13で圧送された流体が径方向に沿って排出されるディフューザ18とを設けると共に、羽根車13のハブ14及びシュラウド15からディフューザ18の各シュラウド19,20へ延出することで羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート22,23を設けている。
従って、羽根車13から吐出した流体がディフューザ18に排出されるとき、シール隙間Sa,Sbによりディフューザ18の入口部18aにおける静圧が低下すると共に、ケーシング11と羽根車13との回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が増加することとなり、この回転隙間Sx,Syに流れる流体の流量を低減することができ、流体の漏れ流れを抑制して効率を向上することができると共に、部材の接触による損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
また、実施例1の遠心ポンプでは、回転隙間Sx,Syが第1径方向隙間S1a,S1b及びシール隙間Sa,Sbを介してディフューザ18に連通すると共に、第2径方向隙間S2a,S2bを介して吸入通路17に連通し、シール隙間Sa,Sbの通路面積が、第2径方向隙間S2a,S2bの通路面積とほぼ同じ面積にに設定されている。従って、羽根車13の吐出部13aから回転隙間Sx,Syに流れる流体の漏れは、シール隙間Sa,Sb及び第2径方向隙間S2a,S2bによりシールされ、この場合、羽根車13の吐出部13aにあるシール隙間Sa,Sbの通路面積を羽根車13の吸入側にある第2径方向隙間S2a,S2bの通路面積とほぼ同じ面積に設定することで、この回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が確実に増加することができ、流体の漏れ流れを抑制して効率を向上することができる。
また、実施例1の遠心ポンプでは、シールプレート22,23は、基端部がハブ14及びシュラウド15の外周部に固定され、先端部がディフューザ18の各シュラウド19,20の内壁面19a,20aにシール隙間Sa,Sbをもって配置されている。従って、羽根車13から吐出した流体がシールプレート22,23に沿って流れ、剥離することによりディフューザ18の入口部18aにおける静圧が低下すると共に、回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が増加し、この回転隙間Sx,Syに流れる流体の流量を低減することができる。
また、実施例1の遠心ポンプでは、羽根車13の吐出部13aにおける通路面積を、ディフューザ18の入口部18aにおける通路面積とほぼ同じ面積に設定し、シールプレート22,23の先端部をディフューザ18の各シュラウド19,20の内壁面19a,20aに配置している。従って、羽根車13の吐出部13aにおける通路面積とディフューザ18の入口部18aにおける通路面積との関係により、シールプレート22,23をディフューザ18の内側に配置することができ、構成を簡素化して大型化を防止することができる。
図3は、本発明の実施例2に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図、図4及び図5は、実施例2の変形例を表す遠心ポンプを表す要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の記号を付して詳細な説明は省略する。
実施例2の遠心ポンプにおいて、図3に示すように、羽根車13のハブ14からディフューザ18のシュラウド19へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Saをもって重なるリング形状をなすシールプレート(シール部材)31が設けられている。また、羽根車13のシュラウド15からディフューザ18のシュラウド20へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート(シール部材)32が設けられている。
シールプレート31は、内周部(基端部)がハブ14の外周端面に固定され、外周部(先端部)がディフューザ18のシュラウド19における内壁面19a側に沿って延出されている。そして、シールプレート31とディフューザ18のシュラウド19における内壁面19aとの間にシール隙間Saが設けられている。また、シールプレート32は、内周部(基端部)がシュラウド15の外周端面に固定され、外周部(先端部)がディフューザ18のシュラウド20における内壁面20a側に沿って延出されている。そして、シールプレート32とディフューザ18のシュラウド20における内壁面20aとの間にシール隙間Sbが設けられている。
また、シールプレート31は、ディフューザ18のシュラウド19の内壁面19aとシール隙間Saをもって対向しない面に、先端部側に向けて先細となる傾斜面31aが形成されている。一方のシールプレート32は、ディフューザ18のシュラウド20の内壁面20aとシール隙間Sbをもって対向しない面に、先端部側に向けて先細となる傾斜面32aが形成されている。即ち、シールプレート31の傾斜面31aとシールプレート32の傾斜面32aとは、羽根車13の吐出部13a及びディフューザ18の入口部18aを挟んで対向しており、羽根車13の吐出部13aとディフューザ18の入口部18aの通路面積が、各傾斜面31a,32aにより滑らかに拡大するように構成されている。
従って、羽根車13の吐出部13aからディフューザ18の入口部18aに流れる流体は、各シールプレート31,32に沿って流れてから、通路面積が拡大したディフューザ18に流れ込むことから、ここで、静圧が低下すると共に、シール隙間Sa,Sbによりハブ14とケーシング11、シュラウド15とケーシング11との回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が増加する。そのため、羽根車13の吐出部13aからシール隙間Sa,Sbを介して回転隙間Sx,Syに漏れ出る流体の漏れ流れ流量を低減することができる。
また、羽根車13から吐出した流体は、各シールプレート31,32の傾斜面31a,32aに沿って滑らかに流れるため、ディフューザ18に流れる主流流体の損失が低減されることとなり、ポンプ効率が向上する。
このように実施例2の遠心ポンプにあっては、羽根車13のハブ14及びシュラウド15からディフューザ18の各シュラウド19,20へ延出することで羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート31,32を設けると共に、各シールプレート31,32にシュラウド19,20の内壁面19a,20aとシール隙間Sa,Sbをもって対向しない面に先端部側に向けて先細となる傾斜面31a,32aを形成している。
従って、羽根車13から吐出した流体がディフューザ18に排出されるとき、各シールプレート31,32の傾斜面31a,32aに沿って滑らかに流れるため、シール隙間Sa,Sbによりディフューザ18の入口部18aにおける静圧が低下すると共に、ケーシング11と羽根車13との回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が増加することとなり、回転隙間Sx,Syを通る流体の漏れ流れを抑制することができると共に、ディフューザ18に流れる流体の損失を低減することができ、ポンプ効率を向上することができる。
なお、この実施例2では、各シールプレート31,32にシュラウド19,20の内壁面19a,20aとシール隙間Sa,Sbをもって対向しない面に先端部側に向けて先細となる傾斜面31a,32aを形成したが、この形状に限定されるものではない。
例えば、図4に示すように、羽根車13のハブ14及びシュラウド15からディフューザ18の各シュラウド19,20へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート(シール部材)33,34を設け、ディフューザ18の各シュラウド19,20の内壁面19a,20aとシール隙間Sa,Sbをもって対向しない面に、先端部側に向けて先細となる傾斜面33a,34aを形成することで、シールプレート33,34の断面形状を台形形状としている。
従って、羽根車13から吐出した流体がディフューザ18に排出されるとき、なだらかな傾斜面33a,34aにより、ディフューザ18に流れる主流流体の損失を低減することができる一方で、シール隙間Sa,Sbの入口での圧力損失を増加して回転隙間Sx,Syを通る流体の漏れ流れを抑制することができる。
また、図5に示すように、羽根車13のハブ14及びシュラウド15からディフューザ18の各シュラウド19,20へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート(シール部材)35,36を設け、ディフューザ18の各シュラウド19,20の内壁面19a,20aとシール隙間Sa,Sbをもって対向しない面に、先端部側に向けて先太となる傾斜面35a,36aを形成することで、シールプレート35,36の断面形状を逆台形形状としている。
従って、羽根車13から吐出した流体がディフューザ18に排出されるとき、傾斜面35a,36aにより、シール隙間Sa,Sbの入口での圧力損失を増加して回転隙間Sx,Syを通る流体の漏れ流れを抑制することができる。
図6は、本発明の実施例3に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の記号を付して詳細な説明は省略する。
実施例3の遠心ポンプにおいて、図6に示すように、羽根車13のハブ14からディフューザ18のシュラウド19へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Saをもって重なるリング形状をなすシールプレート(シール部材)22が設けられている。また、羽根車13のシュラウド15からディフューザ18のシュラウド20へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート(シール部材)23が設けられている。
本実施例では、羽根車13における吐出部13aの羽根高さH1と、ディフューザ18における入口部18aの羽根高さH2を同じ高さ(H1=H2)としている。即ち、羽根車13の吐出部13aにおける通路面積と、ディフューザ18の入口部18aにおける通路面積とがほぼ同じ面積に設定されている。そして、羽根車13のハブ14及びシュラウド15にて、両者が対向する面側、つまり、吐出部13aにおける内壁面14a,15aに沿って主流通路面に段差が生じないようにシールプレート22,23の基端部を固定している。一方、ディフューザ18のシュラウド19,20は、両者が対向する面側、つまり、入口部18aにおける内壁面19a,20a側に凹部19b,20bを形成することで、シールプレート22,23との間に、羽根車13の軸方向に重なるシール隙間Sa,Sbを設けている。
従って、羽根車13の吐出部13a、シールプレート22,23、ディフューザ18の入口部18aがほぼ直線状に構成されることとなり、羽根車13の吐出部13aからの流体は、各シールプレート22,23によりほぼ直線状にディフューザ18の入口部18aに流れ込むため、ディフューザ18に流れる流体の損失が低減される。
このように実施例3の遠心ポンプにあっては、羽根車13のハブ14及びシュラウド15からディフューザ18の各シュラウド19,20へ延出することで羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート22,23を設けると共に、羽根車13の吐出部13a、シールプレート22,23、ディフューザ18の入口部18aをほぼ直線状に構成している。
従って、羽根車13から吐出した流体がディフューザ18に排出されるとき、各シールプレート22,23に沿って流れるため、シール隙間Sa,Sbによりディフューザ18の入口部18aにおける静圧が低下すると共に、ケーシング11と羽根車13との回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が増加することとなり、回転隙間Sx,Syを通る流体の漏れ流れを抑制することができると共に、ディフューザ18に流れる流体の損失を低減することができ、ポンプ効率を向上することができる。
図7は、本発明の実施例4に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の記号を付して詳細な説明は省略する。
実施例4の遠心ポンプにおいて、図7に示すように、羽根車13のハブ14及びシュラウド15からディフューザ18の各シュラウド19,20へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート22,23が設けられている。ケーシング11とハブ14との間に回転隙間Sxが設けられ、ケーシング11とシュラウド15との間に回転隙間Syが設けられている。また、ハブ14及びシュラウド15における外周側端部とケーシング11及びディフューザ18との間には、羽根車13の径方向に沿った第1径方向隙間S1a,S1bが設けられている。
一方、羽根車13のハブ14及びシュラウド15は、軸心側端部からケーシング11側へ径方向に延出するシールプレート(シール部材)41,42が設けられている。このシールプレート41,42とケーシング11との間には、羽根車13の径方向に沿った第2径方向隙間S2a,S2bが設けられると共に、羽根車13の軸方向に沿った第2軸方向隙間S2c,S2dが設けられている。そして、各回転隙間Sx,Syは、第1径方向隙間S1a,S1b及びシール隙間Sa,Sbを介してディフューザ18に連通すると共に、第2軸方向隙間S2c,S2d及び第2径方向隙間S2a,S2bを介して吸入通路17に連通している。
そのため、シール隙間Sa,Sbを構成するシールプレート22,23とシュラウド19,20の対向面が第1圧力面として機能し、第2軸方向隙間S2c,S2dを構成するシールプレート41,42とケーシング11の対向面が、第1圧力面と相互に作用する第2圧力面として機能する。
従って、羽根車13が回動するとき、圧力変動などによりこの羽根車13が軸方向に移動することがある。このとき、例えば、羽根車13が軸方向の一方側(図7にて、左方側)に移動すると、シール隙間Saの距離が増加する一方で、第2軸方向隙間S2cの距離が減少する。すると、シール隙間Saにおける第1圧力面の面圧が低下する一方で、第2軸方向隙間S2cにおける第2圧力面の面圧が上昇する。そのため、第2軸方向隙間S2c(第2圧力面)の高圧力が、シールプレート41に作用し、羽根車13を軸方向の他方側(図7にて、右方側)に移動し、元の軸方向位置に復帰させる。
また、羽根車13が軸方向の他方側(図7にて、右方側)に移動すると、シール隙間Saの距離が減少する一方で、第2軸方向隙間S2cの距離が増加する。すると、シール隙間Saにおける第1圧力面の面圧が上昇する一方で、第2軸方向隙間S2cにおける第2圧力面の面圧が低下する。そのため、シール隙間Sa(第1圧力面)の高圧力が、シールプレート22に作用し、羽根車13を軸方向の一方側(図7にて、左方側)に移動し、元の軸方向位置に復帰させる。
即ち、羽根車13が軸方向のいずれに移動しても、シール隙間Saと第2軸方向隙間S2cの面圧が増減することとなり、この変動する圧力により羽根車13を所定の軸方向位置に自動的に調整配置される。なお、シール隙間Sb及び第2軸方向隙間S2dにおける各圧力面の作用も同様である。
このように実施例4の遠心ポンプにあっては、回転隙間Sx,Syを、羽根車13の外周側で第1径方向隙間S1a,S1b及びシール隙間Sa,Sbを介してディフューザ18に連通すると共に、羽根車13の軸心側で第2軸方向隙間S2c,S2d及び第2径方向隙間S2a,S2bを介して吸入通路17に連通し、シール隙間Sa,Sbに第1圧力面を形成する一方、第2軸方向隙間S2c,S2dに第1圧力面と回転隙間Sx,Syの圧力を介して相互に作用する第2圧力面を形成している。
従って、回転する羽根車13が軸方向に移動したとき、シール隙間Sa,Sbの距離と第2軸方向隙間S2c,S2dの距離が変動することとなり、このとき、シール隙間Sa,Sbの圧力と第2軸方向隙間S2c,S2dの圧力が変動するため、シール隙間Sa,Sbにおける第1圧力面に作用する圧力と、第2軸方向隙間S2c,S2dにおける第2圧力面に作用する圧力が相反に作用し、この変動する圧力により羽根車13を所定の軸方向位置に自動的に調整配置することができる。更には、部材の接触による損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
図8は、本発明の実施例5に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の記号を付して詳細な説明は省略する。
実施例5の遠心ポンプにおいて、図8に示すように、羽根車13のハブ14及びシュラウド15からディフューザ18の各シュラウド19,20へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート51,52が設けられている。この場合、各シールプレート51,52は、羽根車13のハブ14及びシュラウド15からディフューザ18の各シュラウド19,20へ外側に延出している。そのため、シールプレート51とシュラウド19の外壁面との間にシール隙間Saが形成され、シールプレート52とシュラウド20の外壁面との間にシール隙間Sbが形成される。そして、ケーシング11とハブ14との間に回転隙間Sxが設けられ、ケーシング11とシュラウド15との間に回転隙間Syが設けられている。
一方、羽根車13のハブ14及びシュラウド15における軸心側端部とケーシング11との間に、羽根車13の径方向に沿った第2径方向隙間S2a,S2bが設けられると共に、羽根車13の軸方向に沿った第2軸方向隙間S2c,S2dが設けられている。そして、各回転隙間Sx,Syは、第1径方向隙間S1a,S1b及びシール隙間Sa,Sbを介してディフューザ18に連通すると共に、第2軸方向隙間S2c,S2d及び第2径方向隙間S2a,S2bを介して吸入通路17に連通している。
そのため、シール隙間Sa,Sbを構成するシールプレート51,52とシュラウド19,20の対向面が第1圧力面として機能し、第2軸方向隙間S2c,S2dを構成するハブ14及びシュラウド15とケーシング11の対向面が、第1圧力面の圧力を介して相互に作用する第2圧力面として機能する。
従って、羽根車13が回動するとき、圧力変動などによりこの羽根車13が軸方向に移動することがある。このとき、例えば、羽根車13が軸方向の一方側(図8にて、左方側)に移動すると、シール隙間Saの距離が減少する一方で、第2軸方向隙間S2cの距離が増加する。すると、シール隙間Saにおける第1圧力面の面圧が上昇する一方で、第2軸方向隙間S2cにおける第2圧力面の面圧が低下する。そのため、シール隙間Sa(第1圧力面)の高圧力が、シールプレート51に作用し、羽根車13を軸方向の他方側(図8にて、右方側)に移動し、元の軸方向位置に復帰させる。
また、羽根車13が軸方向の他方側(図8にて、右方側)に移動すると、シール隙間Saの距離が増加する一方で、第2軸方向隙間S2cの距離が減少する。すると、シール隙間Saにおける第1圧力面の面圧が低下する一方で、第2軸方向隙間S2cにおける第2圧力面の面圧が上昇する。そのため、第2軸方向隙間S2c(第2圧力面)の高圧力が、ハブ14に作用し、羽根車13を軸方向の一方側(図8にて、左方側)に移動し、元の軸方向位置に復帰させる。
このように実施例5の遠心ポンプにあっては、回転隙間Sx,Syを、羽根車13の外周側で第1径方向隙間S1a,S1b及びシール隙間Sa,Sbを介してディフューザ18に連通すると共に、羽根車13の軸心側で第2軸方向隙間S2c,S2d及び第2径方向隙間S2a,S2bを介して吸入通路17に連通し、シール隙間Sa,Sbに第1圧力面を形成する一方、第2軸方向隙間S2c,S2dに第1圧力面の圧力を介して相互に作用する第2圧力面を形成している。
従って、回転する羽根車13が軸方向のいずれに移動しても、シール隙間Sa,Sbの距離と第2軸方向隙間S2c,S2dの距離が変動することとなり、このとき、シール隙間Sa,Sbの圧力と第2軸方向隙間S2c,S2dの圧力が変動するため、シール隙間Sa,Sbにおける第1圧力面に作用する圧力と、第2軸方向隙間S2c,S2dにおける第2圧力面に作用する圧力が相反に作用し、この変動する圧力により羽根車13を所定の軸方向位置に自動的に調整配置することができる。更には、部材の接触による損傷を防止して耐久性の向上を図ることができる。
図9は、本発明の実施例6に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の記号を付して詳細な説明は省略する。
実施例6の遠心ポンプにおいて、図9に示すように、ディフューザ18の各シュラウド19,20から羽根車13のハブ14及びシュラウド15へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート61,62が設けられている。この場合、各シールプレート61,62は、ディフューザ18の各シュラウド19,20から羽根車13のハブ14及びシュラウド15へこれらを挟み込むように外側に延出している。そのため、シールプレート61とハブ14の外壁面14bとの間にシール隙間Saが形成され、シールプレート62とシュラウド15の外壁面15bとの間にシール隙間Sbが形成される。
従って、羽根車13の吐出部13aからディフューザ18の入口部18aに流れる流体は、シール隙間Sa,Sb側への流れが発生することで、静圧が低下すると共に、このシール隙間Sa,Sbによりハブ14とケーシング11、シュラウド15とケーシング11との回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が増加する。そのため、羽根車13の吐出部13aからシール隙間Sa,Sbを介して回転隙間Sx,Syに漏れ出る流体の漏れ流れ流量を低減することができる。
このように実施例6の遠心ポンプにあっては、ディフューザ18の各シュラウド19,20から羽根車13のハブ14及びシュラウド15へ延出することで羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート61,62を設けている。
従って、羽根車13から吐出した流体がディフューザ18に排出されるとき、シール隙間Sa,Sbによりディフューザ18の入口部18aにおける静圧が低下すると共に、ケーシング11と羽根車13との回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が増加することとなり、回転隙間Sx,Syを通る流体の漏れ流れを抑制することができると共に、ディフューザ18に流れる流体の損失を低減することができ、ポンプ効率を向上することができる。
図10は、本発明の実施例7に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の記号を付して詳細な説明は省略する。
実施例7の遠心ポンプにおいて、図10に示すように、羽根車13のハブ14及びシュラウド15からディフューザ18の各シュラウド19,20へ延出することで、羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート(シール部材)71,72が設けられている。
各シールプレート71,72は、ディフューザ18の各シュラウド19,20と対向する面に、段付形状をなすシール部、つまり、各シュラウド19,20の内壁面19c,20cとの隙間が減少する凸部71a,72aと、各シュラウド19,20の内壁面19c,20cとの隙間が増加する凹部71b,72bとが隣接して設けられている。
従って、羽根車13の吐出部13aからの流体が、各シールプレート71,72を介してディフューザ18の入口部18aに流れ込むとき、一部がシール隙間Sa,Sbを通って回転隙間Sx,Syに漏れようとするが、このシール隙間Sa,Sbに凸部71a,72a及び凹部71b,72bからなるシール部が設けられることで、回転隙間Sx,Syを通る流体の漏れ流れが抑制される。
このように実施例7の遠心ポンプにあっては、羽根車13のハブ14及びシュラウド15からディフューザ18の各シュラウド19,20へ延出することで羽根車13の軸方向に所定のシール隙間Sa,Sbをもって重なるリング形状をなすシールプレート71,72を設けると共に、シールプレート71,72に凸部71a,72a及び凹部71b,72bからなる段付形状をなすシール部を設けている。
従って、羽根車13から吐出した流体がディフューザ18に排出されるとき、シール隙間Sa,Sbによりディフューザ18の入口部18aにおける静圧が低下すると共に、ケーシング11と羽根車13との回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が増加することとなり、回転隙間Sx,Syを通る流体の漏れ流れを抑制することができると共に、ディフューザ18に流れる流体の損失を低減することができ、ポンプ効率を向上することができる。また、シール隙間Sa,Sbにシール部が設けられることで、更に、羽根車13の吐出側の流体の漏れを低減することができる。
図11は、本発明の実施例8に係る遠心式流体機械としての遠心ポンプを表す要部断面図である。なお、上述した実施例と同様の機能を有する部材には、同一の記号を付して詳細な説明は省略する。
実施例8の遠心ポンプにおいて、図11に示すように、ケーシング11のハブ面11aと羽根車13のハブ14との間に回転隙間Sxが設けられると共に、ケーシング11のシュラウド面11bと羽根車13のシュラウド15との間に回転隙間Syが設けられている。そして、この回転隙間Sxにて、ハブ14の外壁面14bに段付形状をなすシール部が設けられると共に、シュラウド15の外壁面15bに段付形状をなすシール部が設けられている。
即ち、ハブ14は、ケーシング11のハブ面11aと対向する面14bに、羽根車13と同心状をなす複数のリング部材81が固定されている。一方、シュラウド15は、シュラウド面11bと対向する面15bに、羽根車13と同心状をなす複数のリング部材82が固定されている。つまり、各回転隙間Sx,Syにて、各リング部材81,82により、羽根車13の径方向に沿って隙間が増減することでシール可能な段付形状をなすシール部が形成されることとなる。
従って、羽根車13の吐出部13aからの流体が、各シールプレート22,23を介してディフューザ18の入口部18aに流れ込むとき、一部がシール隙間Sa,Sbから回転隙間Sx,Syに漏れて流れようとするが、この回転隙間Sx,Syに複数のリング部材81,82からなるシール部が設けられることで、回転隙間Sx,Syを通る流体の漏れ流れを抑制される。
このように実施例8の遠心ポンプにあっては、ケーシング11と羽根車13のハブ14及びシュラウド15との間に回転隙間Sx,Syを設けると共に、ハブ14及びシュラウド15に複数のリング部材81,82を固定することで段付形状をなすシール部を設けている。
従って、羽根車13から吐出した流体がディフューザ18に排出されるとき、シール隙間Sa,Sbによりディフューザ18の入口部18aにおける静圧が低下すると共に、ケーシング11と羽根車13との回転隙間Sx,Syにおける圧力損失が増加することとなり、回転隙間Sx,Syを通る流体の漏れ流れを抑制することができると共に、ディフューザ18に流れる流体の損失を低減することができ、ポンプ効率を向上することができる。また、回転隙間Sx,Syにシール部が設けられることで、更に、羽根車13の吐出側の流体の漏れを低減することができる。
なお、本実施例ではハブ14及びシュラウド15に複数のリング部材81,82を設けたが、これに限られることはなく、ハブ14またはシュラウド15のいずれか一方側のみにリング部材81または82を設けてもよい。また、リング部材81,82は複数とは限らず少なくとも1つ以上あればよい。
またなお、上述した各実施例では、ハブ14及びシュラウド15とディフューザ18の各シュラウド19,20のいずれか一方から他方に向けて延出させたシール部材としたが、これに限られることはなく、両者共にそれぞれシール部材を設けてもよい。
また、上述した各実施例では、ハブ14側の回転隙間Sxを、第2径方向隙間S2aを介して吸入通路17に連通し、シュラウド15側の回転隙間Syを、第2径方向隙間S2bを介して吸入通路17に連通したが、この構成に限定されるものではない。
例えば、多段の遠心式流体機械であって、後段側に羽根車が配置されている構成では、ハブ14側の回転隙間Sxが第2径方向隙間S2aを介して後段側の吸入通路に連通しており、この場合であっても、後段側の吸入通路の静圧が高いことから、流体が後段側の吸入通路から前段側の排出通路に流れため、本発明を適用することで、上述した作用効果を奏することができる。また、ハブ14側の回転隙間Sxがオイルシールやメカシール等でシールされている構成では、シュラウド側だけに本発明を適用すればよい。更に、バランスホールが設けられている構造であっても、本発明を適用することで、上述した作用効果を奏することができる。
なお、上述した各実施例では、本発明の遠心式流体機械をベーンドディフューザポンプとして説明したが、ベーンレスディフューザポンプとしてもよく、この場合、ディフューザ18にはディフューザベーン21は設けない。また、渦巻きポンプとしてもよく、この場合、排出通路がボリュートとなる。また、ポンプ水車や遠心圧縮機としてもよい。
本発明に係る遠心式流体機械は、羽根車の円環部材と排出通路との間に羽根車の軸方向に所定のシール隙間をもって重なるシール部材を配置することで、ケーシングと羽根車の隙間における流体の漏れ流れを抑制すると共に部材の接触による損傷を防止して耐久性の向上を図るものであり、いずれの種類の遠心式流体機械にも適用することができる。
11 ケーシング
12 回転軸
13 羽根車
14 ハブ(円環部材)
15 シュラウド(円環部材)
16 羽根
17 吸入通路
18 ディフューザ(排出通路)
22,23,31,32,33,34,35,36,41,42,51,52,61,62,71,72 シールプレート(シール部材)
31a,32a,33a,34a,35a,36a 傾斜面
71a,72a 凸部(シール部)
71b,72b 凹部(シール部)
81,82 リング部材(シール部)

Claims (8)

  1. 中空形状をなすケーシングと、
    円環部材の平面部に周方向に複数の羽根が並設されて前記ケーシング内に回転自在に支持される羽根車と、
    前記羽根車に対して流体が該羽根車の軸方向に沿って吸入される吸入通路と、
    前記羽根車で圧送された流体が該羽根車の軸方向に交差する方向に沿って排出される排出通路と、
    前記円環部材と前記排出通路のいずれか一方から他方へ延出することで前記羽根車の軸方向に所定のシール隙間をもって重なるリング形状をなすシール部材と、
    を備えることを特徴とする遠心式流体機械。
  2. 前記ケーシングと前記円環部材との間にリング形状をなす回転隙間が設けられ、該回転隙間は、前記円環部材における外周側端部と前記ケーシングとの羽根車の径方向における第1径方向隙間及び前記シール隙間を介して前記排出通路に連通すると共に、前記円環部材における軸心側端部とケーシングとの羽根車の径方向における第2径方向隙間を介して前記吸入通路に連通し、前記シール隙間の通路面積が、前記第2径方向隙間の通路面積とほぼ同じ面積に設定されることを特徴とする請求項1に記載の遠心式流体機械。
  3. 前記ケーシングと前記円環部材との間にリング形状をなす回転隙間が設けられ、該回転隙間は、前記円環部材における外周側端部と前記ケーシングとの羽根車の径方向における第1径方向隙間及び前記シール隙間を介して前記排出通路に連通すると共に、前記円環部材における軸心側端部とケーシングとの羽根車の軸方向における第2軸方向隙間を介して前記吸入通路に連通し、前記シール隙間に第1圧力面が形成される一方、前記第2軸方向隙間に前記第1圧力面を介して相互に作用する第2圧力面が形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の遠心式流体機械。
  4. 前記シール部材は、基端部が前記円環部材の外周部に固定され、先端部が前記排出通路の壁面に前記シール隙間をもって配置されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の遠心式流体機械。
  5. 前記羽根車の吐出部における通路面積が、前記排出通路の入口部における通路面積より小さく設定され、前記シール部材は、前記先端部が前記排出通路の内壁面に前記シール隙間をもって配置されることを特徴とする請求項4に記載の遠心式流体機械。
  6. 前記シール部材は、前記先端部が前記排出通路の内壁面に前記シール隙間をもって配置され、該シール隙間をもって対向しない面に先細となる傾斜面が形成されることを特徴とする請求項5に記載の遠心式流体機械。
  7. 前記シール部材と前記羽根車の軸方向に対向する前記円環部材または前記排出通路との間に、段付形状をなすシール部が設けられることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の遠心式流体機械。
  8. 前記ケーシングと前記円環部材との間にリング形状をなす回転隙間が設けられ、該回転隙間を構成する前記ケーシング側または前記円環部材に段付形状をなすシール部が設けられることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の遠心式流体機械。
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