JP4107588B2 - 施肥装置付き乗用型田植機 - Google Patents
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Description
前記肥料タンク及び前記繰り出し機構を、車体横向きの軸芯まわりで一体に車体前後方向に揺動自在に連結するとともに肥料タンクと繰り出し機構が車体上下方向に並ぶ状態に起立した起立取り付け状態と、肥料タンクが前記起立取り付け状態から車体後方側に揺動して繰り出し機構が肥料タンクから車体前方向きに突出する状態に倒伏した倒伏取り付け状態とに切り換わるように構成し、
前記繰り出し機構の繰り出しケースを、前記肥料タンクに連結した上部ケース部分と、前記苗植付け装置に肥料供給する送り出し口を有した下部ケース部分とに分割自在に構成するとともに、
前記下部ケース部分は、前記車体後方側の横向きの軸芯が設けられた側と同じ車体後方側における別の横向きの軸芯周りで前記上部ケース部分に対して揺動開閉可能に連結され、
前記苗植付け装置が上昇非作業状態にあると、前記肥料タンク及び前記繰り出し機構が前記倒伏取り付け状態に切り換わることを許容し、前記苗植付け装置が下降作業状態にあると、前記肥料タンク及び前記繰り出し機構が前記倒伏取り付け状態に切り換わることを阻止する牽制手段を設けてあることを特徴とする。
また、肥料タンク及び繰り出し機構を倒伏取り付け状態にして点検や修理することができるのみならず、倒伏取り付け状態にした繰り出しケースを上部ケース部分と下部ケース部分とに分離させることにより、繰り出し機構の内部を開放して内部も点検や修理しやすくなるものである。
また、肥料タンク及び繰り出し機構が倒伏取り付け状態に切り換えられると、繰り出し機構から苗植付け装置に肥料供給するように延出されている施肥ホースが自走車体の方に引き寄せられる事態が発生する。このため、作業時に繰り出し機構から苗植付け装置に肥料供給するための供給路の長さが極力短くなるようにした場合、苗植付け装置を下降作業状態にしたたまで肥料タンク及び繰り出し機構が倒伏取り付け状態に切り換えられると、施肥ホースが変形したり外れたりする事態が発生しやすくなる。この種の田植機にあっては、苗植付け装置を上昇非作業状態に上昇させると、下降作業状態に下降させた場合よりも自走車体に近づくことから、作業時において肥料供給路の長さが極力短くなるようにしても、苗植付け装置を上昇非作業状態に上昇させた状態にしておけば、施肥ホースの変形や離脱を発生しにくくしながら、肥料タンク及び繰り出し機構を倒伏取り付け状態に切り換えることができる。
本第1発明は、苗植付け装置が下降作業状態にあると、牽制手段のために肥料タンク及び繰り出し機構を倒伏取り付け状態に切り換えることが阻止され、苗植付け装置が上昇非作業状態にあると、肥料タンク及び繰り出し機構を倒伏取り付け状態に切り換えることが許容されるものであるから、作業時には肥料繰り出し装置から苗植付け装置に極力短い距離の供給路で肥料供給されるようにしても、メンテナンス作業を行なう際、苗植付け装置を上昇非作業状態に上昇させて施肥ホースの変形や離脱を発生しにくくしながら、肥料タンク及び繰り出し機構を倒伏取り付け状態に切り換えられるようにすることができる。
また、肥料タンク及び繰り出し機構を倒伏取り付け状態に切り換えて繰り出し機構を運転部から容易に取り扱うとともに見て能率よくメンテナンス作業をすることができるのみならず、繰り出しケースの内部も開放して内部のメンテナンス作業も能率よく行なうことができる。
さらに、本第1発明によれば、作業時には肥料繰り出し装置から苗植付け装置に極力短い距離の供給路で迅速かつスムーズに肥料供給することができながら、肥料タンク及び繰り出し機構を倒伏取り付け状態に切り換えてメンテナンス作業を行なうのに、施肥ホースが変形したり外れたりするトラブルを発生しにくくしながら行なうことができる。
図1,2に示すように、左右一対の操向操作自在な前車輪1、及び、左右一対の後車輪2が原動部3に位置するエンジン(図示せず)からの動力によって駆動されて自走し、かつ、原動部3の後方に位置する運転座席4が装備された運転部を備えた自走車体の車体フレーム5の後部に、リフトシリンダ6が装備されたリンク機構7を介して苗植付け装置10を連結するとともに、前記エンジンからの駆動力を回転軸8を介して苗植付け装置10に伝達するように構成し、自走車体の運転座席4の後側に肥料タンク21が装備された施肥装置20を設けて、施肥装置付きの乗用型田植機を構成してある。
これにより、肥料タンク21と各繰り出し機構30とは、一体となって前記連結ピン55の車体横向きの軸芯55aまわりで自走車体に対して車体前後方向に揺動し、図5、図10(イ)に示す如く可動側フレーム65の車体横向きのメインフレーム部分65aが固定側フレーム60の車体横向きの梁部分60aの上面側に当接して可動側フレーム65がこれ以上は下降しないようにストップされたストロークエンドになって、肥料タンク21と各繰り出し機構30が車体上下方向に並ぶ状態に起立した起立取り付け状態になったり、図9、図10(ロ)に示す如く可動側フレーム65の前記メインフレーム部分65aの後端部位が固定側フレーム60の前記梁部分60aの後端部の上面側に当接してこれ以上は上昇しないようにストップされたストロークエンドになって、肥料タンク21が前記起立取り付け状態から車体後方側に揺動した状態で、かつ、各繰り出し機構30が肥料タンク21から車体前方向きにやや車体下方向きに突出する状態に倒伏した倒伏取り付け状態になるようになっている。送風管24が各繰り出し機構30の送り出し口31に連結し、送風装置26が送風管24に連結し、回収管25が送風管24、及び、各繰り出し機構30の残留物取り出し口37に連結しており、肥料タンク21と繰り出し機構30が軸芯55aまわりで揺動する際、送風管24も送風装置26も回収管25も肥料タンク21及び繰り出し機構30と一体になって肥料タンク21や繰り出し機構30と共に揺動する。
すなわち、苗植付け装置10を上昇非作業状態に上昇させてあれば、肥料タンク21及び繰り出し機構30を倒伏取り付け状態に切り換えることが許容されるが、苗植付け装置10を下降作業状態に下降させてあれば、肥料タンク21及び繰り出し機構30を倒伏取り付け状態に切り換えることが延長苗載せ台14によって牽制されるようになっている。
すなわち、肥料タンク21及び繰り出し機構30を倒伏取り付け状態に切り換えた場合、起立取り付け状態に戻さなければ、運転座席4を下降使用姿勢に戻すことができず、肥料タンク21及び繰り出し機構30を倒伏取り付け状態に切り換えたままになっていると、運転座席4を下降使用姿勢に戻すことができず、これによって、肥料タンク21及び繰り出し機構30が倒伏取り付け状態になっていると認識させることができるようになっている。
すなわち、下部ケース部分32dは、送風管24が外れ、かつ、閉じフック70が外れた状態にして連結ピン39の車体横向きの軸芯39aを揺動軸芯にして上下に揺動操作することにより、図11(ロ)に示す如く下部ケース部分32dの開口Aが開き、かつ、上部ケース部分32cの開口Bを開いた下降開き状態と、図11(イ)に示す如く下部ケース部分32dの開口Aも上部ケース部分32cの開口Bも閉じた上昇閉じ状態とに切り換わるようになっている。前記下部ケース部分32dを上昇閉じ状態にした場合、閉じフック70を上部ケース部分c2cの係合部71に係止作用させて下部ケース部分32dの閉じロックを行なうようになっている。
すなわち、各繰り出し機構30の繰り出しロール34が繰り出し駆動機構40によって後輪用伝動軸45からの駆動力によって駆動され、繰り出しロール34の周面に回転方向に並んでいる図6の如き繰り出し凹部34aによってこの繰り出し凹部34aの容積によって決まる設定量ずつで肥料タンク21の肥料を送り出し口31に繰り出す。これに伴い、送風装置26が外気より温度が高い搬送風を送風管24に供給し、このとき、送風管24の送風装置側とは反対側から回収管25に搬送風が流入するが、各残留物取り出し口37が弁体38で閉になり、回収管25の回収物排出口25bが蓋体51で閉になっていて搬送風が回収管25から外部に漏れ出ないことにより、送風管24が送風装置26からの搬送風を各繰り出し機構30の各送り出し口31に供給し、各繰り出し機構30において、送り出し口31に繰り出された肥料を順次、送風管24からの搬送風によって施肥ホース22に送り出して施肥器23に供給していく。
すなわち、図7に示す如く回収管25の回収物排出口25bを格納状態から使用状態に取り出すとともにこの回収管25の蓋体51を取り外して回収物排出口25bを開けておき、送風装置26の電動モータ26bをオンに操作する。すると、送風装置26が常温より高い温度の搬送風を送風管24に供給し、その搬送風が送風管24の送風装置側とは反対側から回収管25に流入し、回収管25の内部を風導入口25aが位置する側から回収物排出口25bに向けて流動していく。各繰り出し機構30において、図6に二点鎖線で示す如くシャッター35の操作ロッド52を繰り出しケース32から引き出し操作し、シャッター35を収納部53から繰り出しロール34の上方に引き出して繰り出しロール34の上方を閉じて肥料が繰り出しロール34に流下しないようにし、残留物取り出し口37の弁体38を開き操作する。すると、シャッター35が収納部53から出ても弁体38の上方までは至らなくて残留物取り出し口37を閉じないとともに、シャッター35の操作ロッド52が弁体38の上方に位置しても残留物取り出し口37を閉じないことにより、肥料タンク21や繰り出しケース32の繰り出しロール34よりも上方に残留していた肥料が、残留物取り出し口37から流下して回収管25に入り込み、回収管25を流動する送風管24からの搬送風によって回収管25の内部を搬送されて回収物排出口25bから排出される。このとき、搬送風が回収管25の絞り部25cのために逆流しにくいことと、流動方向下手側に至るほど回収管25の内径が大になっていることとによって回収管25の内部をスムーズに流動して肥料を回収管内に残りにくいように搬送していく。
上記実施形態の如く、苗植付け装置10が下降作業状態にあれば、肥料タンク21及び繰り出し機構30を倒伏取り付け状態に切り換えることが延長苗載せ台14によって牽制されるように構成する他、苗植付け装置10の苗載せ台13や機体フレームなどから延出する専用の牽制部材によって牽制されるように構成しても、本発明の目的を達成できる。従って、延長苗載せ台14、牽制部材などを総称して牽制手段14と呼称する。
7 リンク機構
10 苗植付け装置
14 牽制手段
20 施肥装置
21 肥料タンク
24 送風管
25 付属装置
26 送風装置
26c 送風装置の吸気口
27 吸気ダクト
28 可撓性ダクト
30 繰り出し機構
31 繰り出し機構の送り出し口
32 繰り出しケース
32c 繰り出しケースの上部ケース部分
32d 繰り出しケースの下部ケース部分
55a 肥料タンク及び繰り出し機構の揺動軸芯
57 ロック手段
72 作業用ステップ
Claims (6)
- 自走車体の後部にリンク機構を介して昇降操作自在に苗植付け装置を連結し、肥料タンク、及び、この肥料タンクの肥料を繰り出して苗植付け装置に供給するように前記肥料タンクの下部に連結した繰り出し機構を備えた施肥装置を、前記自走車体の運転座席の後側に設けた施肥装置付き乗用型田植機であって、
前記肥料タンク及び前記繰り出し機構を、車体後方側の横向きの軸芯まわりで一体に車体前後方向に揺動自在に連結するとともに肥料タンクと繰り出し機構が車体上下方向に並ぶ状態に起立した起立取り付け状態と、肥料タンクが前記起立取り付け状態から車体後方側に揺動して繰り出し機構が肥料タンクから車体前方向きに突出する状態に倒伏した倒伏取り付け状態とに切り換わるように構成し、
前記繰り出し機構の繰り出しケースを、前記肥料タンクに連結した上部ケース部分と、前記苗植付け装置に肥料供給する送り出し口を有した下部ケース部分とに分割自在に構成するとともに、
前記下部ケース部分は、前記車体後方側の横向きの軸芯が設けられた側と同じ車体後方側における別の横向きの軸芯周りで前記上部ケース部分に対して揺動開閉可能に連結され、
前記苗植付け装置が上昇非作業状態にあると、前記肥料タンク及び前記繰り出し機構が前記倒伏取り付け状態に切り換わることを許容し、前記苗植付け装置が下降作業状態にあると、前記肥料タンク及び前記繰り出し機構が前記倒伏取り付け状態に切り換わることを阻止する牽制手段を設けてあることを特徴とする施肥装置付き乗用型田植機。 - 前記繰り出し機構に肥料搬送風を供給する送風管、及びこの送風管に肥料搬送風を供給する送風装置を、前記肥料タンク及び前記繰り出し機構と一体揺動自在に連結してある請求項1記載の施肥装置付き乗用型田植機。
- 前記送風装置がエンジン排熱で加熱された空気を吸引するように送風装置の吸気口から延出する吸気ダクトを設け、前記吸気ダクトを自走車体に支持させるとともに、前記吸気ダクトと、前記送風装置の吸気口とを接続する可撓性ダクトを設けてある請求項1又は2記載の施肥装置付き乗用型田植機。
- 前記肥料タンク及び前記繰り出し機構を前記倒伏取り付け状態に固定するロック状態と、ロック解除状態とに切り換え自在なロック手段を設けてある請求項1〜3のいずれか1項記載の施肥装置付き乗用型田植機。
- 前記運転座席の横側方に作業用ステップを設け、前記肥料タンク及び前記繰り出し機構が前記起立取り付け状態から前記倒伏取り付け状態に切り換わることにより、前記繰り出し機構の付属装置が前記作業用ステップから上方に離間するように構成してある請求項1〜4のいずれか1項記載の施肥装置付き乗用型田植機。
- 前記運転座席を、上昇格納姿勢と下降使用姿勢とに揺動切り換え自在な状態で、かつ、前記肥料タンク及び前記繰り出し機構が前記倒伏取り付け状態にあれば、前記繰り出し機構又はこれの付属装置に当接して前記下降使用姿勢に下降しない状態に取り付けてある請求項1〜5のいずれか1項記載の施肥装置付き乗用型田植機。
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