JP4106795B2 - 分割型光ファイバテープ心線 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバテープ心線(以下、サブユニットともいう。)を複数含む分割型光ファイバテープ心線、特にその先端部を手先で長手方向に引裂くことによりサブユニットに分割して容易に端末処理をすることができる分割型光ファイバテープ心線に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信網の加入者系において使用される分割型光ファイバテープ心線を布設、配線する場合、その先端部を引裂いて、サブユニットである複数の光ファイバテープ心線に分割等する端末処理作業が数多く行われる。
【0003】
即ち、分割型光ファイバテープ心線を構成するサブユニットである複数の光ファイバテープ心線を、光通信網や光学機器と接続する場合には、まず、分割型光ファイバテープ心線の先端部を、通常指先で光ファイバテープ心線間に裂け目を入れてその両側部分を反対方向に引張ることによりその間の連結樹脂被覆層の部分を引裂いて長手方向に所定の長さだけ分割する端末処理作業が行われる。
【0004】
具体的には、この分割作業は、まず、指先又は口出し工具により分割型光ファイバテープ心線の先端部に裂け目を入れて口出しを行い、この裂け目の両側の部分を指先でつまんで反対方向に引張ることにより長手方向に約5m程度だけ亀裂を伝搬させて引裂く。
【0005】
一方、分割型光ファイバテープ心線の断面サイズは、幅2mm、厚さ0.3mm程度の微細なものであり、通常この分割作業は容易でない。
また、従来分割型光ファイバテープ心線の複数のサブユニットを一体化して最外層を形成する連結樹脂被覆層とサブユニットの表面を形成する一括樹脂被覆層とはある程度の力で密着しているので、分割に際して連結樹脂被覆層に加えた力が一括樹脂被覆層に及び、この一括樹脂被覆層が損傷を受けて内部の光ファイバ心線が単離することがある。
【0006】
この単離した光ファイバ心線は、環境の影響を受けて劣化しやすくかつその後の取扱いを困難とするので作業のやり直しが必要になるとともに、布設、配線に要する期間が長くなり、布設配線コストが上昇するという問題を生ずる。
【0007】
そこで、従来より分割型光ファイバテープ心線の最外層を形成し、サブユニットである複数の光ファイバテープ心線を連結している連結樹脂被覆層の材料強度を、その内側に含む複数の光ファイバテープ心線の表面を形成する一括樹脂被覆層の破断強度や破断時の伸びよりも小さい樹脂材料を使用することにより、容易に分割できるようにするための工夫がなされている(特開平6−313827号公報、特開平1−138518号公報)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば分割型光ファイバテープ心線の連結樹脂被覆層の破断強度が、一括樹脂被覆層のそれよりも小さくなるように形成した分割型光ファイバテープ心線であっても、分割の際に連結樹脂被覆層に加えた引裂き力が一括樹脂被覆層に及び、図4に例示するように光ファイバが一括樹脂被覆層から単離しその部分を廃棄しなければならない場合がある。
【0009】
これは、連結樹脂被覆層に加えられる力がその破断強度を超え一括樹脂被覆層のそれよりも小さい場合であっても、一括樹脂被覆層の横断面形状の影響によりその内部の応力が破断強度を超える部分を生じてこの部分が破断することに起因するものと考えられる。
【0010】
因みに、分割型光ファイバテープ心線の好ましい分割としては、図1に例示するように、分割型光ファイバテープ心線の連結樹脂被覆層の部分のみに分割の裂け目が生じ一括樹脂被覆層の部分に裂け目が及ばず、勿論光ファイバ心線の単離を生じない分割の仕方が好適で、100%このような分割が実現するものが望まれる。
【0011】
また、分割型光ファイバテープ心線の先端部の端末処理だけでなく、分割型光ファイバテープ心線の布設後に、分割型光ファイバテープ心線に含まれる一つのサブユニットにおいて光通信中のときに、他の未使用のサブユニットから分岐して、他の光通信網又は光学機器に接続することが必要となる場合がある。
【0012】
この場合は、分割型光ファイバテープ心線の中間部の連結樹脂被覆層を長手方向に分割して、分岐の対象とするサブユニットを取出す作業(以下、この分岐のための端末処理を「分岐分割」という。)が行われるが、この処理においては通信中のサブユニットの光通信に悪影響を及ぼさないことが必要となる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を克服するために本発明は、複数本の光ファイバを平行に並べた上に紫外線硬化型のウレタンアクリレート系の樹脂からなる一括樹脂被覆層を被覆して一体化した光ファイバテープ心線を軸方向に平行に並べて紫外線硬化型のウレタンアクリレート系の樹脂からなる連結樹脂被覆層を被覆して連結した分割型光ファイバテープ心線において、前記連結樹脂被覆層の降伏点応力が0.30kg/mm乃至1.0kg/mm、前記一括樹脂被覆層の降伏点応力が1.0kg/mm 乃至2.5kg/mm、かつ前記連結樹脂被覆層の降伏点応力が前記一括樹脂被覆層の降伏点応力よりも小さく、前記連結樹脂被覆層の破断伸びが20%乃至80%であることを特徴とする分割型光ファイバテープ心線である。
【0014】
また、本発明は、前記連結樹脂被覆層のヤング率が10kg/mm乃至50kg/mmであることを特徴とする分割型光ファイバテープ心線である。
【0015】
発明者等は、分割型光ファイバテープ心線を分割する場合のメカニズムを、その使用樹脂材料の応力―歪曲線に基づいて考察し、降伏点以上の外力を加えたときであっても連結樹脂被覆層中に発生する応力は、破断に至るまでの大部分の変形範囲において降伏点応力以上に増加すること無く変形することに注目した。
【0016】
具体的には、連結樹脂被覆層の降伏点応力が一括樹脂被覆層のそれよりも小さくなるようにこれら各層を形成すれば、分割の際に連結樹脂被覆層に降伏点以上の力が加えられた場合であってもこの力は大部分この層の伸びと変形、破断に消費されて、一括樹脂被覆層に対してその降伏強度を超える力が及ぶのを効果的に抑制できるので、一括樹脂被覆層中にその破断強度を超える応力が生ずるのを大部分回避できると考えられる。
【0017】
発明者等は、連結樹脂被覆層の降伏点応力が一括樹脂被覆層のそれよりも小さくなるようにこれら各層を形成すれば、分割型光ファイバテープ心線の連結樹脂被覆層の部分だけに亀裂が生じ、図4に例示するような一括樹脂被覆層が破断して光ファイバの単離が生ずることが殆どなくなることを突き止め、これにより本発明を完成した。
【0018】
また、分割型光ファイバテープ心線の分岐分割については、その連結樹脂被覆層のヤング率を50kg/mm2 以下とすると、分割の際にせん断応力が加えられるものの、通信中のサブユニットに大きな側圧が及ぶことがなく光通信に影響を与えないことを見出し本発明を完成した。
【0019】
本発明により、分割型光ファイバテープ心線を布設配線する際にまず必要となるその先端部の光ファイバテープ心線間の分割に関し、一括樹脂被覆層が破損して各光ファイバ心線が単離すること無く、容易、迅速に各サブユニットに分割できる分割型光ファイバテープ心線を実現でき、その布設と配線を容易にする。
また、分岐分割については、使用中のサブユニットの光通信に影響を与えない分割型光ファイバテープ心線を実現して、この面から、その布設と配線を容易にする
この結果、本発明の分割型光ファイバテープ心線により、加入者系の光ケーブルの布設、配線に要する工事期間が短縮され、また布設配線コストが低減される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図3及び表1、表2に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、同じ部位には同じ番号を付して重複する説明を省略する。
【0021】
【実施例】
(分割型光ファイバテープ心線の構造と概略製造方法)
本実施例で使用する分割型光ファイバテープ心線の構造を図3(a)に例示する。
外径125μmのシングルモード石英系ガラスファイバの上に、ウレタンアクリレート系の紫外線硬化樹脂からなる、柔らかい1次被覆層と硬い2次被覆層の2種の層で構成される保護被覆層を被覆して紫外線硬化し、更にその上に紫外線硬化型インクを塗布して着色層を形成して紫外線硬化し、外径250μmの光ファイバ心線1を製造する。
尚、この着色層のない光ファイバ心線1であって、外径250μmとしたものでもよい。
【0022】
この、光ファイバ心線1の4本を同一平面上に平行に並べた上に紫外線硬化型のウレタンアクリレート系の一括被覆樹脂1aを被覆して一体化し、紫外線硬化することにより幅1.0mm、厚さ0.3mmの光ファイバテープ心線8を製造する。
【0023】
更に、この光ファイバテープ心線8を2枚、同一平面上に平行に並べた上に紫外線硬化型のウレタンアクリレート系の連結用樹脂を被覆し、紫外線硬化して連結樹脂被覆層1bを形成することにより幅2.2mm、厚さ0.32mmの8心の分割型光ファイバテープ心線9を製造する。
【0024】
分割型光ファイバテープ心線9の製造工程の詳細については後述する。
このようにして製造した各種分割型光ファイバテープ心線9の一括被覆樹脂1aと連結樹脂被覆層1bの各強度特性及び分割特性の評価結果等を表1に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0004106795
【0026】
尚、表1に示す分割型光ファイバテープ心線9の連結樹脂被覆層1b及び一括樹脂被覆層1aについては、紫外線硬化型樹脂のオリゴマーのウレタン基濃度、分子量及び配合量、並びに多官基モノマーの種類及び配合量を調整することにより、降伏点強さ、伸び及びヤング率が種々異なる各種の分割型光ファイバテープ心線9を製造した。
これら各強度特性の測定方法については後に詳述する。
【0027】
また、表1に示す各分割型光ファイバテープ心線9の連結樹脂被覆層1b及び一括樹脂被覆層1aに関しては、全てのケースについてウレタンアクリレート系の紫外線硬化樹脂を使用して形成したものである。
【0028】
(表1の説明)
表1に記載の実施例及び比較例は、連結樹脂被覆層1bの降伏点応力、破断伸び及び一括樹脂被覆層1aの降伏点応力が種々異なる分割型光ファイバテープ心線9を製造し、分割特性及びその他の関連諸特性が良好なものを実施例1〜8とし、そうでないものを比較例1〜9として、分類整理したものである。
【0029】
具体的には、まず最初に後述の方法により、各種の形成条件で一括樹脂被覆層1a用の樹脂(以下、単に一括被覆樹脂という。)及び連結樹脂被覆層1b用の樹脂(以下、単に連結被覆樹脂という。)からなるフィルムを形成してこれら強度特性を決定した上で、その後これら各フィルムの形成条件と等価な一括樹脂被覆層1a及び連結樹脂被覆層1bを有する、表1、2の各分割型光ファイバテープ心線9を製造したものである。
【0030】
表1の評価結果よりわかるように、連結樹脂被覆層1bの降伏点応力が0.3kg/mm2 乃至1.0kg/mm2 、破断伸びが20%から80%の範囲で、かつ連結樹脂被覆層1bの降伏点応力が一括樹脂被覆層1aのそれよりも小さい場合に、良好な分割特性及び関連諸特性が得られた。
【0031】
表1の分割特性(成功回数/試行回数)は、各実施例、比較例の各ケースについて同一条件で分割試験を20回試行し、各回について先端部から引裂き部分の全長に亘り光ファイバ心線1が単離していないケースを成功と認定したものである。実施例1乃至8では、光ファイバ心線の単離がまったく生ずることがなく、かつ容易に分割引裂きを行うことができ、その他の取扱い上の問題も生じなかった。
【0032】
しかし、前記降伏点応力及び破断伸びの範囲を外れると、比較例1乃至9に示すように、分割の際に光ファイバ心線1の単離を生じ、また分割型光ファイバテープ心線9の取扱い上、様々な好ましくない結果を生じた。
尚、表1の比較例において、参考までに前記良好な結果が得られた強度特性の範囲からはづれているパラメータ範囲には×印が付してある。
【0033】
まず、連結樹脂被覆層1bの降伏点応力が一括樹脂被覆層1aのそれよりも大きく、かつ連結樹脂被覆層1bの降伏点応力が前記上限1.0kg/mm2 を超える場合は、比較例1乃至4に示すように、一括樹脂被覆層1aが一部損傷を受け光ファイバ心線の単離を生じた。
またこの場合、光ファイバ心線1が単離する部分が生ずる問題に加えて、引裂きが長手方向に進行しないなどの分割の困難さを生じた。
【0034】
連結樹脂被覆層1bの降伏点応力が前記下限0.3kg/mm2 未満の場合は、比較例5に示すように、取扱い時に塑性変形を生じて曲がり癖が付き、布設後に接続部のクロージャ内に曲げて収納するときに作業がしずらくなるという問題を生じた。
【0035】
連結樹脂被覆層1bの破断伸びが前記下限20%未満の比較例6の場合は、分割型光ファイバテープ心線9の製造中にこの層が割れてしまうなどの問題を生じた。
具体的には、比較例6では、各5枚の分割型光ファイバテープ心線を、光ケーブル製造工程中の特にポリエチレン製のスロットロッドのらせん状の各スロットに収納する際に割れが生じた。
他方、比較例7の、連結樹脂被覆層1bの破断伸びが前記上限80%を超える場合は、分割型光ファイバテープ心線に引裂き変形を与えてもこの層が伸びて引裂きの亀裂が進行せず、分割が困難になるという問題を生じた。
【0036】
一括樹脂被覆層1aの降伏点応力が前記上限の値3kg/mm2 を超える比較例8では、一括樹脂被覆層1aの材料強度が大きいためにこの層を手で裂いてサブユニット8から各光ファイバ心線1を分離して取出す作業が困難となるという問題を生じ、逆に下限1kg/mm2 未満の比較例9ではサブユニット8を単独で取扱うときに変形しやすくて取扱いにくいという問題を生じた。
【0037】
(分割型光ファイバテープ心線の中央部を分岐する場合)
次に、分割型光ファイバテープ心線9の分割の方法として、前記のように先端部を5mほど引裂く場合の他に、分割型光ファイバテープ心線9の布設後にいづれか一のサブユニット8において通信回線として使用中に、即ち通信中に、他の通信回線として未使用のサブユニト8の部分を分岐して配線することが必要となるときには、通信中のサブユニット8との間を1mほど、分割工具を用いてせん断応力を加えることにより分割し、未使用のサブユニト8を分岐する。
【0038】
この場合において、通信中のサブユニット8に一定以上の変形エネルギーが加わると、光損失が増加したり、光損失の変動が生じてビットエラーが起こるという問題がある。
これを回避するためには、連結樹脂被覆層1bの材料特性として、分岐分割時にこの連結樹脂被覆層1bに一定の応力が加えられた場合であっても一括樹脂被覆層1aにはできるだけ変形エネルギを及ばないものであるものが好ましい。
【0039】
この観点から、発明者は前記分割の場合と同様な検討を行い、連結樹脂被覆層1b樹脂材料としてヤング率が50kg/mm2 以下であるものが好適であることを見出した。検討結果を、表1と同様な要領で表2に示す。
【0040】
【表2】
Figure 0004106795
【0041】
(表2の説明)
表2の実施例9乃至実施例11に示すように、連結樹脂被覆層1bの樹脂材料としてヤング率が50kg/mm2 以下の場合、光損失増加は0.2dB以下で、かつ光損失の変動、ビットエラーも生じなかった。
但し、ヤング率が50kg/mm2 をこえる比較例11、12の場合は、光損失増加がそれぞれ3.6dB、4.0dBと大きくなり、また光損失の変動、ビットエラーも生じた。
【0042】
また、比較例13の、ヤング率が10kg/mm2 未満となると、光損失増加は0.2dB以下に押さえられるが、連結樹脂被覆層1bに粘着性を生じ、分割型光ファイバテープ心線9の布設時においてボビンから繰出す際に、連結樹脂被覆層1b同士が粘着して一部がはがれてしまうという問題を生じた。
【0043】
なお、表2に記載の分割型光ファイバテープ心線9について、その連結樹脂被覆層1bの形成条件の決定と分割型光ファイバテープ心線9の製造は、表1の場合と同様の手順による。
連結樹脂被覆層1bのヤング率の測定法は後述する。
分岐分割時の光損失増加及びその変動は、100mの分割型光ファイバテープ心線9の中央部をせん断応力を利用する分割工具を用いて1mの長さにわたり分割し、その作業中の光伝送損失の変動をストレージオシロスコープを用いて測定した。
【0044】
(降伏点応力、ヤング率、破断伸びの測定方法)
表1、表2に記載の降伏点応力、ヤング率、破断伸びの測定方法は、各分割型光ファイバテープ心線9の連結樹脂被覆層1b又は一括樹脂被覆層1aとそれぞれ同じ樹脂材料のフィルムをこれら各層の形成条件とほぼ等価な条件で形成し、これを後述の方法で測定することにより行った。
【0045】
即ち、各分割型光ファイバテープ心線9と同じ連結被覆樹脂材料又は一括被覆樹脂材料の樹脂液をスピンコ―タによりポリプロピレンフィルム上に、薄膜を形成し、メタルハライドランプにより窒素中にて紫外線を100mジュール/cm2だけ照射して硬化させ、 JIS−K7127に準拠し、その薄膜から2号ダンベルを採取し、これを使用して、降伏点応力、破断伸び及びヤング率を測定した。
【0046】
降伏点応力とヤング率は引張り速度1mm/分、破断伸びは引張り速度50mm/分で引張ったときの値である。またヤング率は伸びが2.5%のときの割線弾性率を採用した。
【0047】
(分割型光ファイバテープ心線の製造工程)
前記表1、2に記載の実施例、比較例の検討に供した、図3(a)に示す構造の8心の分割型光ファイバテープ心線9の製造方法を図2に基づいて説明する。まず、外径125μmの、石英系シングルモード光ファイバ裸ガラスにウレタンアクリレート系の紫外線硬化樹脂を2層被覆した上に着色層を形成して外径250μmとした前記光ファイバ心線1を製造する。
【0048】
この光ファイバ心線1が巻かれたリール2を8個備えた繰り出し用サプライ3から8本の光ファイバ心線1を繰り出す。この時、光ファイバ心線1には数十グラム程度の張力がダンサーローラ4を介して与えられている。繰り出された8本の光ファイバ心線1はそれぞれ溝を付けられたガイドローラ5を介して集線装置15に送られる。
【0049】
8本の光ファイバ心線1は、この集線装置15から塗布装置6の間で図2の紙面に垂直な方向に密着して一列に配列された状態で、塗布装置6に送られる。この塗布装置6では紫外線硬化型樹脂からなるウレタンアクリレート系の一括樹脂被覆材が加圧式のタンク7から供給されて、2組の4本の光ファイバ心線1に一括樹脂被覆材が塗布されて一括樹脂被覆層1aが形成される。
この時、各サブユニットは一括被覆樹脂が塗布されて相互に接触することなく一定の距離だけ離れてた状態に維持されている。
【0050】
この一括樹脂被覆された光ファイバ心線1を紫外線硬照射装置8を通過させると、一括して塗布された一括樹脂被覆層1aが硬化して、サブユニットである4心の光ファイバテープ心線8が2枚形成される。
【0051】
更に、この4心の光ファイバテープ心線8を2枚幅方向に平行に並べた状態で塗布装置16に供給して、紫外線硬化樹脂からなるウレタンアクリレート系の
連結被覆樹脂が加圧式のタンク17から供給、被覆される。
更に、この連結被覆樹脂を被覆した光ファイバテープ心線8を紫外線硬照射装置18を通過させると、被覆された連結被覆樹脂が硬化して連結樹脂被覆層1bが形成されて分割型光ファイバテープ心線9が製造される。
【0052】
この分割型光ファイバテープ心線9は、ガイドローラ10、送り出しキャプスタン11、巻取り制御ダンサ12を経て、巻取り装置13によって、巻取り張力を数150グラムに設定した所定のリール14に巻き取られる。
これにより分割型光ファイバテープ心線9の製造が完了する。
製造された分割型光ファイバテープ心線9のサイズは、前記の通り厚さ0.32mm、幅2.2mmである。
【0053】
(分割特性の評価方法)
表1に示す、各分割型光ファイバテープ心線の分割特性(成功回数/試行回数)の評価方法は、まず各分割型光ファイバテープ心線9について、引裂き分割作業を同一条件で20回試行し、各回について、分割用口出し工具を使用してその先端部の光ファイバテープ心線8の間の連結樹脂被覆層1bの部分に長手方向に10mmの切込みを入れ、その後切込みの両側部分を指先でつまんで5mに亙り引裂き、図1に例示するように、その全長に亙り連結樹脂被覆層1bの部分で分割がなされ光ファイバ心線1の単離を発見できない場合を成功とし、図4に例示するように一部分でも一括樹脂被覆層1aが破断して光ファイバ心線1が単離している部分が認定される場合の分割を失敗と評価したものである。
【0054】
尚、口出し工程は、平行な諸刃によるせん断力を利用する分割用口出し工具を使用した。
なお、前記実施例では、4心の分割型光ファイバテープ心線8を2枚含む8心の分割型光ファイバテープ心線9について説明したが、これに限定されるものではなく図3(b)に示す2心の分割型光ファイバテープ心線8を2枚含む4心の分割型光ファイバテープ心線9であってもよく、更に他の形式のものであってもよい。
【0055】
【発明の効果】
本発明の分割型光ファイバテープ心線は、その連結樹脂被覆層の降伏点応力を0.30kg/mm2 乃至1.0kg/mm2 、かつ連結樹脂被覆層の降伏点応力を一括樹脂被覆層の降伏点応力よりも小さく形成することにより、分割型光ファイバテープ心線を布設配線する際にまず必要となるその先端部のサブユニットである光ファイバテープ心線間の引裂き分割に関し、連結樹脂被覆層の部分のみに亀裂が生じ、一括樹脂被覆層が破損して光ファイバ心線が単離することが無く、容易に各光ファイバテープ心線に分割できる分割型光ファイバテープ心線を実現でき、その布設と配線を容易にする。
【0056】
また、本発明は、前記数値限定範囲に加重して連結樹脂被覆層の破断伸びと一括樹脂被覆層の降伏点応力の範囲を所定の範囲に限定することにより、分割特性及びその他の取扱い性について更に優れた特性を有する分割型光ファイバテープ心線を得ることができる。
【0057】
また、本発明は、分割型光ファイバテープ心線の連結樹脂被覆層のヤング率を10kg/mm2 乃至50kg/mm2 として、分岐部の形成のための連結樹脂被覆層の分割作業をも容易とする。
この結果、加入者系の光ケーブルの布設配線に要する工事期間が短縮され、また布設配線コストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分割型光ファイバテープ心線の分割後の状態を示す横断面図である。
【図2】分割型光ファイバテープ心線の製造工程を示す工程図である。
【図3】分割型光ファイバテープ心線の構造を例示するための横断面図である。図3(a)は4心の光ファイバテープ心線2枚を含む分割型光ファイバテープ心線を、同図(b)は2心の光ファイバテープ心線2枚を含む分割型光ファイバテープ心線をそれぞれ現す。
【図4】従来の分割型光ファイバテープ心線の分割後の状態を示す横断面図である。
【符号の説明】
1:光ファイバ心線
1a:一括被覆樹脂被覆層
1b:連結樹脂被覆層
8:光ファイバテープ心線、サブユニット
9:分割型光ファイバテープ心線

Claims (2)

  1. 複数本の光ファイバを平行に並べた上に紫外線硬化型のウレタンアクリレート系の樹脂からなる一括樹脂被覆層を被覆して一体化した光ファイバテープ心線を軸方向に平行に並べて紫外線硬化型のウレタンアクリレート系の樹脂からなる連結樹脂被覆層を被覆して連結した分割型光ファイバテープ心線において、前記連結樹脂被覆層の降伏点応力が0.30kg/mm乃至1.0kg/mm、前記一括樹脂被覆層の降伏点応力が1.0kg/mm 乃至2.5kg/mm、かつ前記連結樹脂被覆層の降伏点応力が前記一括樹脂被覆層の降伏点応力よりも小さく、前記連結樹脂被覆層の破断伸びが20%乃至80%であることを特徴とする分割型光ファイバテープ心線。
  2. 前記連結樹脂被覆層のヤング率が10kg/mm乃至50kg/mmであることを特徴とする請求項1に記載の分割型光ファイバテープ心線。
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