JP4106092B2 - 弾性表面波装置 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は弾性表面波装置に関し、特に弾性表面波フィルタに関する。
背景技術
弾性表面波装置は圧電性基板上に設けられたくし歯状電極(IDT:Inter Digital Transducer)により電気信号を弾性表面波に変換し、圧電性基板上を伝搬する弾性表面波を、同じく圧電性基板上に設けられたIDTにより受信し、電気信号と弾性表面波との変換に関わる周波数特性を利用する装置である。
近年携帯電話などをはじめとして、薄型であり小型化できるという利点により弾性表面波フィルタなどの弾性表面波装置が広く用いられるようになってきている。この中でごく最近普及の始まった日本の簡易携帯電話システム(PHS:Personal Handy−phone System)の中間周波数(IF)段(約240MHz)には約0.1%程度の比帯域を持つ急峻な帯域外減衰特性を持つ弾性表面波フィルタが要求されている。
このような用途においては、周波数温度特性の1次係数が0で比較的電気機械結合係数k2が1%程度と大きく、IDT1本当たりの弾性表面波の反射係数が約3%と大きい45°XカットZ伝搬のLBO基板(45°X−ZLBO:特開昭60−25901)を利用することが有望視されている。このLBO基板を用いると、水晶基板(周波数温度特性の1次係数=0、k2=0.15%、IDT1本当たりの弾性表面波の反射係数=0.7%)を利用した場合に比べて弾性表面波素子・弾性表面波装置を小型化できるという利点がある。
このLBO基板を用いた従来の弾性表面波装置の1例を図18及び図19を用いて説明する。
図18は圧電性基板として45°Xカット−Z伝搬のLBO基板を採用し、この基板上に配設された弾性表面波装置900の電極パターンを模式的に示す図である。
この弾性表面波装置900は、1つの励振IDT、2つの受信IDT及び2つの反射電極を1組とする弾性表面波フィルタ901〜904を直列に4段接続したものである。弾性表面波フィルタ901は中央に励振IDT911があり、その両側に受信IDT921、931が配置され、さらにその外側には反射電極941、952が配置されている。弾性表面波フィルタ902〜904についても同様の構成である。
この弾性表面波装置において、電気信号は弾性表面波フィルタ901の励振IDT911に入力される。ここで電気信号は弾性表面波に変換され励振IDT911の両側に伝搬し受信IDT921、931で再び電気信号に変換される。弾性表面波フィルタ901の受信IDT921と弾性表面波フィルタ902の励振IDT922、同様に受信IDT931と励振IDT932は電気的に接続されている。弾性表面波フィルタ901から出力される電気信号は弾性表面波フィルタ902の励振IDT922、932で再び弾性表面波に変換され受信IDT912に伝搬し受信IDT912から電気信号として出力される。
図18において弾性表面波フィルタ903、904は弾性表面波フィルタ901、902の繰り返しであり全体では弾性表面波フィルタが4段に直列接続された構成となっている。
図19に励振IDTを20.5対、受信IDTを8対とし入受信IDT間距離を3λ(λ=vs/f0;vsは弾性表面波の位相速度、f0は弾性表面波フィルタが動作する中心周波数)、受信IDT−反射電極間距離を0.375λ、反射電極の電極本数を120本、励振IDT、受信IDT及び反射電極の長さ(アパーチャー)を0.72mm、入出力終端インピーダンスを400Ωとした場合のシミュレーションによって得られた周波数特性を示す。ここでは約300KHzの通過帯域を持ち減衰量の大きな弾性表面波フィルタが得られている。
図18及び図19に例示した弾性表面波フィルタにおいては1つの弾性表面波フィルタのアパーチャーが0.72mmと広く、チップサイズがワイヤボンディングを行うボンディング・パッド幅(約0.15mm角)を含めると小さくても2.5mm×4.1mm角程度となってしまい、大きくなってしまうという問題がある。
また実際の弾性表面波フィルタにおいては電極長さが長いことにより電気抵抗が増大し、弾性表面波フィルタとしての損失が大きくなってしまうという問題がある。
さらにアパーチャー幅が広いと、図19に示すように第3次高調波や第5次高調波のような高次の横モード・スプリアスが発生してしまうため、弾性表面波フィルタ特性を劣化させてしまうという問題がある。
この横モード・スプリアスを抑圧するには励振IDT、受信IDTに重み付けをかけて、弾性表面波の伝搬方向に垂直な方向の弾性表面波の励振分布をIDTの中心に偏らせる方法があるが、この方法では弾性表面波フィルタのインピーダンスが高くなるために、インピーダンスを下げるためにさらにアパーチャーを広く設定しなくてはならないという問題がある。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は通過周波数帯域が広く、遮断特性が優れ、インピーダンスの小さい弾性表面波装置を提供することを目的とする。また、同時に小型化が可能で、特に移動体通信や、携帯型情報機器に適した弾性表面波装置を提供することを目的とする。
本発明は挿入損失の小さい弾性表面波装置を提供することを目的とする。
さらに本発明は横モードスプリアスが小さく、帯域外特性の優れた弾性表面波装置を提供することを目的とする。
発明の開示
本発明は上述のような課題を解決するために下記のような構成を備えている。
本発明の弾性表面波装置は、圧電性基板と、前記圧電性基板上で第1の入力端子と第1の出力端子との間に配設された、中心周波数f1を有する2ポート3IDT(Inter Digital Transducer)の第1の弾性表面波フィルタと、前記第1の入力端子と前記第1の出力端子との間に前記第1の弾性表面波フィルタと並列に配設された、前記中心周波数f1とわずかに異なる中心周波数f2を有する2ポート3IDTの第2の弾性表面波フィルタとを具備し、前記第1の弾性表面波フィルタおよび前記第2の弾性表面波フィルタは、前記第1の入力端子から前記第1の弾性表面波フィルタを経由して前記第1の出力端子に出力される信号の位相と、前記第2の弾性表面波フィルタを経由して前記第1の出力端子に出力される信号の位相とが実質的に180°異なるように配設されたことを特徴とする。
前記第1の弾性表面波フィルタと前記第2の弾性表面波フィルタとは、前記第1の入力端子に入力される信号に対して位相が実質的に180°異なった弾性表面波を励振するように構成される。
すなわち、前記第1の弾性表面波フィルタは、前記第1の入力端子に接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により第1の弾性表面波を励振する第1の励振IDTと、前記第1の励振IDTの両側に配設され、前記第1の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第1の受信IDTおよび第2の受信IDTとを具備し、前記第2の弾性表面波フィルタは、前記第1の入力端子に接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により前記第1の弾性表面波と180°位相の異なった第2の弾性表面波を励振する第2の励振IDTと、前記第2の励振IDTの両側に配設され、前記第2の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第3の受信IDTおよび第4の受信IDTとを具備することを特徴としている。
あるいは、前記第1の弾性表面波フィルタと前記第2の弾性表面波フィルタとは、前記第1の入力端子に入力される信号に対して実質的に同位相の弾性表面波を励振するとともに、この弾性表面波を位相が実質的に180°異なるように電気信号に変換するように構成される。
すなわち、前記第1の弾性表面波フィルタは、前記第1の入力端子と接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により前記第1の弾性表面波を励振する前記第1の励振IDTと、前記第1の励振IDTの両側に配設され、前記第1の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第1の受信IDTおよび第2の受信IDTとを具備し、前記第2の弾性表面波フィルタは、前記第1の入力端子と接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により前記第1の弾性表面波と同位相の第2の弾性表面波を励振する第2の励振IDTと、前記第2の励振IDTの両側に配設され、前記第2の弾性表面波を受信して前記第1の受信IDTおよび第2の受信IDTとは位相が実質的に180°異なるような電気信号に変換する第3の受信IDTおよび第4の受信IDTとを具備することを特徴としている。
前記圧電性基板はこの基板上を伝搬する弾性表面波の電気機械結合係数k2が約1%であり、IDT1本あたりの前記弾性表面波の反射係数が約3%以上であるものを用いることが好ましい。
例えば、前記圧電性基板としては例えば四硼酸リチウムを用いるようにしてもよい。
また、後で詳しく説明するように、前記第1の中心周波数と前記第2の中心周波数とは約0.10%〜約0.18%異なるようにすることが好適である。
また、前記各IDTを構成する櫛歯状電極の交差幅は、この櫛歯状電極の配設周期の約10倍以下に設定するようにしてもよい。これにより、高次の横モードスプリアスを抑制することができる。
このような、中心周波数がわずかに相違する第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとを逆相並列に接続した本発明の弾性表面波装置は、同一の圧電性基板上に複数段従属接続するようにしてもよい。
このような構成を有する本発明の弾性表面波装置は、圧電性基板と、前記圧電性基板上で第1の入力端子と第1の出力端子および第2の出力端子との間に配設された、中心周波数f1を有する2ポート3IDTの第1の弾性表面波フィルタと、前記第1の入力端子と前記第1の出力端子および第2の出力端子との間に前記第1の弾性表面波フィルタと並列に配設された、前記中心周波数f1とわずかに異なる中心周波数f2を有する2ポート3IDTの第2の弾性表面波フィルタと、前記第1の出力端子および前記第2の出力端子と第3の出力端子との間に配設された、中心周波数f1を有する2ポート3IDTの第3の弾性表面波フィルタと、前記第1の出力端子および前記第2の出力端子と第3の出力端子との間に前記第3の弾性表面波フィルタと並列に配設された、前記中心周波数f2を有する2ポート3IDTの第4の弾性表面波フィルタとを具備し、前記第1の弾性表面波フィルタおよび前記第2の弾性表面波フィルタは、前記第1の入力端子から前記第1の弾性表面波フィルタを経由して前記第1の出力端子に出力される信号の位相と、前記第2の弾性表面波フィルタを経由して前記第1の出力端子に出力される信号の位相とが実質的に180°異なるように配設され、前記第3の弾性表面波フィルタおよび前記第4の弾性表面波フィルタは、前記第1の出力端子および第2の出力端子から前記第3の弾性表面波フィルタを経由して前記第3の出力端子に出力される信号の位相と、前記第4の弾性表面波フィルタを経由して前記第3の出力端子に出力される信号の位相とが実質的に180°異なるように配設されたことを特徴とする。
つまり第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとにより1段目のフィルタが構成され、第3の弾性表面波フィルタと第4の弾性表面波フィルタとにより2段目のフィルタが構成され、これら2段のフィルタが同一の圧電性基板上で従属接続されている。
1段目のフィルタと2段目のフィルタとは同一構成でもよいし、そうでなくてもよい。例えば1段目のフィルタでは逆相の弾性表面波を励振して同相に受信する構成を採用し、2段目のフィルタでは同相の弾性表面波を励振して逆相に受信するような構成を採用するようにしてもよい。
例えば、第1の入力端子と、前記第1の入力端子に接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により第1の弾性表面波を励振する第1の励振IDTと、前記第1の励振IDTの両側に配設され、前記第1の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第1の受信IDTおよび第2の受信IDTとからなる、第1の中心周波数を有する第1の弾性表面波フィルタと、前記第1の入力端子に接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により前記第1の弾性表面波と実質的に180°位相の異なった第2の弾性表面波を励振する第2の励振IDTと、前記第2の励振IDTの両側に配設され、前記第2の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第3の受信IDTおよび第4の受信IDTとからなる、前記第1の中心周波数とわずかに異なる第2の中心周波数を有する第2の弾性表面波フィルタと、前記第1の受信IDTおよび前記第3の受信IDTと並列に接続された第1の出力端子と、前記第2の受信IDTおよび前記第4の受信IDTと並列に接続された第2の出力端子と、前記第1の出力端子と接続した第2の入力端子と、前記第2の出力端子と接続した第3の入力端子と、前記第2の入力端子と接続され、この入力端子に入力された電気信号により第3の弾性表面波を励振する第3の励振IDTと、前記第3の入力端子と接続され、この入力端子に入力された電気信号により前記第3の弾性表面波を励振する第4の励振IDTと、前記第3の励振IDTと前記第4の励振IDTとの間に配設され、前記第3の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第5の受信IDTとからなる、前記第1の中心周波数を有する前記第3の弾性表面波フィルタと、前記第2の入力端子と接続され、この入力端子に入力された電気信号により前記第3の弾性表面波を励振する前記第5の励振IDTと、前記第3の入力端子と接続され、この入力端子に入力された電気信号により第4の弾性表面波を励振する前記第6の励振IDTと、前記第5の励振IDTと前記第6の励振IDTとの間に配設され、第4の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第6の受信IDTとからなる、前記第2の中心周波数を有する第4の弾性表面波フィルタと、前記第5の受信IDTおよび前記第6の受信IDTと並列に接続された第3の出力端子とを具備するようにしてもよい。
すなわち本発明の弾性表面波装置は、圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、第1の入力端子と第1の出力端子との間および第1の入力端子と第2の出力端子との間に、第1の入力端子から入力される信号の位相に対して第1および第2の出力端子に出力される信号の位相が互いに180°異なるように並列に間挿された、第1の中心周波数を有する第1の弾性表面波フィルタおよび第1の中心周波数とわずかに異なる第2の中心周波数を有する第2の弾性表面波フィルタとを具備したものである。
また本発明の弾性表面波装置は、圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、第1の入力端子と第1の出力端子との間および第1の入力端子と第2の出力端子との間に、第1の入力端子から入力される信号の位相に対して第1および第2の出力端子に出力される信号の位相が互いに180°異なるように並列に間挿された、第1の中心周波数を有する第1の弾性表面波フィルタおよび第1の中心周波数とわずかに異なる第2の中心周波数を有する第2の弾性表面波フィルタと、前記圧電性基板上に形成され、第2の入力端子と第3の出力端子との間および第3の入力端子と第3の出力端子との間に、第2および第3の入力端子から入力される信号の位相に対して第3の出力端子に出力される信号の位相が互いに180°異なるように並列に間挿された、第1の中心周波数を有する第3の弾性表面波フィルタおよび第2の中心周波数を有する第4の弾性表面波フィルタと、第1の出力端子と第2の入力端子との間および第2の出力端子と第3の入力端子との間を電気的に接続する接続手段とを具備したことを特徴とする。
また本発明の弾性表面波装置は、圧電性基板と、この圧電性基板上に形成され、入出力端子間に出力端子へ出力する電気信号の位相が互いに180°異なるように並列接続された通過周波数帯域がわずかに異なる第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとを具備したものである。
前述のように本発明の弾性表面波装置を構成する圧電性基板としては、四硼酸リチウムLi247を用いることが好適である。本発明の弾性表面波装置は四硼酸リチウムLi247を用いることにより、より大きな効果を得ることができる。四硼酸リチウム以外にも、電気機械結合係数k2がほぼ1%、IDT1本当たりの弾性表面波の反射係数が約3%以上となるような圧電性基板材料を用いれば同様の効果を得ることができる。
四硼酸リチウムの場合、四硼酸リチウム単結晶からの切り出し角および弾性表面波伝搬方向をオイラ角表示で、(90°+α、90°+β、90°+γ)と表示したとき、α=+38°〜+52°、β=−5°〜+5°かつγ=−10°〜+10°の範囲に設定するようにすればよい。
また、対向噛合して各IDTを構成する櫛歯状電極対の交差幅は、この櫛歯状電極の周期の10倍以下にすることが好適である。
また、横モードスプリアスの発生を抑制するためには、第1の中心周波数と第2の中心周波数とは0.10〜0.18%異なるように設定することが好適である。逆相並列接続した弾性表面波フィルタ対をさらに多段に接続する際には、各段を構成する弾性表面波フィルタ対を、その中心周波数が0.10〜0.18%異なるような弾性表面波フィルタにより構成するようにすればよい。例えば第1の中心周波数を有する第3の弾性表面波フィルタと、中心周波数が第3の弾性表面波フィルタと0.10〜0.18%異なる第4の弾性表面波フィルタとにより弾性表面波フィルタ対を構成するようにすればよい。
このように本発明の弾性表面波装置は、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタを、それぞれの入受信IDTを並列に接続するとともに、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタの入出力間の信号位相を180°異ならせ、さらに第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタの中心周波数をわずかに異ならせることにより、弾性表面波装置の通過周波数帯域のインピーダンスが低下するとともに、阻止域の減衰量が確保される。また、弾性表面波素子を小型化することができる。
すなわち、本発明の弾性表面波装置は第1の中心周波数を有する第1の弾性表面波フィルタと第2の中心周波数を有する第2の弾性表面波フィルタとを入出力端子間に逆相並列接続したものである。
第1の中心周波数f1と第2の中心周波数f2とは0.10〜0.18%程度ずらせてある。ここで中心周波数fiは弾性表面波フィルタを構成する櫛歯状電極のピッチをλ、圧電性基板を伝搬する弾性表面波の位相速度をvsとしたとき、fi=vs/λで表示されるものとする。
そして、本発明の弾性表面波装置においては、中心周波数f1の第1の弾性表面波フィルタと、中心周波数f2の第2の弾性表面波フィルタとが、入力端子と出力端子との間に、入力端子から入力される信号の位相に対して出力端子に出力される信号の位相が互いに180°異なるように、すなわち逆相並列に間挿されている。
図1は本発明の弾性表面波装置を構成する電極パターンの1例を模式的に示す図である。
図1に例示した弾性表面波装置100は、圧電性基板上にIDTを含む導体パターンが形成されたものであり、第1の入力端子101と第1の出力端子102aおよび第2の出力端子102bとの間に、中心周波数f1の第1の弾性表面波フィルタ103と、中心周波数f2の第2の弾性表面波フィルタ104とが逆相並列接続されている。
図2は図1に例示した弾性表面波装置100と同様の構成の弾性表面波装置100aにおいて、第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104aとの逆相並列接続の1例を模式的に示した図である。
第1の弾性表面波フィルタ103aは、入力端子101に接続して形成された弾性表面波を励振する第1の励振IDT111と、この第1の励振IDT111を挟むように面対称パターンに形成された、弾性表面波を受信する第1の受信IDT112及び第2の受信IDT113と、これら受信IDT112、113のさらに外側に、第1の励振IDT111、第1の受信IDT112及び第2の受信IDT113を挟み込んでキャビティーを形成するように配設された2個の反射電極114とから構成されている。
第2の弾性表面波フィルタ104aも同様の構成である。すなわち、第2の弾性表面波フィルタ104aは、入力端子101に接続して形成された弾性表面波を励振する第2の励振IDT121と、この第2の励振IDT121を挟むように面対称パターンに形成された、弾性表面波を受信する第3の受信IDT122及び第4の受信IDT123と、これら受信IDTのさらに外側に、第2の励振IDT121、第3の受信IDT122及び第4の受信IDT123を挟み込んでキャビティーを形成するように配設された2個の反射電極124とから構成されている。
第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の励振IDT111と第2の弾性表面波フィルタ104aの第2の励振IDT121とは、入力端子101に対して並列に接続されており、それぞれのIDTは対向噛合した1対の櫛歯状電極から構成されている。そして、第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の励振IDT111を構成する一方の櫛歯状電極111aは入力端子101に接続されており、もう一方の櫛歯状電極は基準電位側111bに接続されている。
これに対し、第2の励振IDT121においては第1の励振IDT111の基準電位側に接続した櫛歯状電極111bに対応する櫛歯状電極121bが入力端子101に接続されており、第1の励振IDT111の入力端子101に接続した櫛歯状電極111aに対応する櫛歯状電極121aが基準電位側に接続されている。第1の励振IDT111と第2の励振IDT121とをこのように接続することにより、第1の励振IDT111により励振される弾性表面波と第2の励振IDT121により、位相が180°ずれた弾性表面波が励振されることになる。
一方、第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の受信IDT112及び第2の受信IDT113も、第2の弾性表面波フィルタの第3の受信IDT122及び第4の受信IDT123も、それぞれ対向噛合した1対の櫛歯状電極から構成されている。
第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の受信IDT112と第2の弾性表面波フィルタの第3の受信IDT122とは面対称パターンに形成されており、櫛歯状電極112aと櫛歯状電極122bとが第1の出力端子102aと接続されている。櫛歯状電極112bと櫛歯状電極122aはそれぞれ基準電位に接続されている。
また、第1の弾性表面波フィルタ103aの第2の受信IDT113と第2の弾性表面波フィルタ104aの第4の受信IDT123も面対称パターンに形成されており、櫛歯状電極113aと櫛歯状電極123bとが第2の出力端子102bと接続されている。櫛歯状電極113bと櫛歯状電極123aはそれぞれ基準電位に接続されている。
したがって、第1の弾性表面波フィルタ103aの受信IDT112、113と第2の弾性表面波フィルタ104aの受信IDT122、123との間では、伝搬してきた弾性表面波の位相はずれることなく電気信号に変換される。
つまり、第1の出力端子102aおよび第2の出力端子102bには、第1の弾性表面波フィルタ103aを経由した信号の位相と、第2の弾性表面波フィルタ104aを経由した信号の位相とは互いに180°ずれた状態で電気信号として出力されることになる。
図2に例示した逆相並列接続された第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104aにおいては、第1の励振IDTと第2の励振IDTとにより位相が180°ずれた弾性表面波が励振されることになる。
第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとを逆相並列接続する方法は図2に例示した接続に限ることはなく、例えば励振IDTでは同位相の弾性表面波を励振して、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタの受信IDTで弾性表面波を受信する際に位相をずらせるようにしてもよい。
図3は弾性表面波装置100bにおいて、第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104bとの逆相並列接続の1例を模式的に示した図である。この弾性表面波装置100bの第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104bにおいては、励振IDTでは同位相の弾性表面波を励振し、受信IDTにより位相をずらせるような接続となっている。
弾性表面波装置100bの第1の弾性表面波フィルタ103aについては前述した第1の弾性表面波フィルタ103aと同様の構成である。
第2の弾性表面波フィルタ104bは、入力端子101に接続して形成された弾性表面波を励振する第2の励振IDT131と、この第2の励振IDT131を挟むように面対称パターンに形成された、弾性表面波を受信する第3の受信IDT132及び第4の受信IDT133と、これら受信IDTのさらに外側に、第2の励振IDT131、第3の受信IDT132及び第4の受信IDT133を挟み込んでキャビティーを形成するように配設された2個の反射電極134とから構成されている。
第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の励振IDT111と第2の弾性表面波フィルタ104bの第2の励振IDT131とは、入力端子101に対して並列に接続されており、それぞれ面対称パターンに対向噛合した1対の櫛歯状電極から構成されている。そして、第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の励振IDT111を構成する一方の櫛歯状電極111aは入力端子101に接続されており、もう一方の櫛歯状電極は基準電位側111bに接続されている。
第2の励振IDT131においても、第1の励振IDT111の入力端子101に接続した櫛歯状電極111aに対応する櫛歯状電極131bが入力端子101に接続されており、第1の励振IDT111の基準電位側に接続した櫛歯状電極111bに対応する櫛歯状電極131aが基準電位側に接続されている。
第1の励振IDT111と第2の励振IDT131とをこのように接続することにより、図2に例示した逆相並列接続とは異なり、第1の励振IDT111と第2の励振IDT131とにより同位相の弾性表面波が励振される。
一方、第1の弾性表面波フィルタ103の第1の受信IDT112及び第2の受信IDT113も、第2の弾性表面波フィルタの第3の受信IDT132及び第4の受信IDT133も、それぞれ対向噛合した1対の櫛歯状電極から構成されている。
第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の受信IDT112と第2の弾性表面波フィルタの第3の受信IDT132とは同じパターンに形成されており、櫛歯状電極112aと櫛歯状電極132bとが第1の出力端子102aと接続されている。
すなわち、第1の受信IDT112の基準電位に接続された櫛歯状電極112bに対応した櫛歯状電極132bが第1の出力端子102aに接続されており、第1の受信IDT112の第1の出力端子102aに接続された櫛歯状電極112aに対応した櫛歯状電極132aが基準電位に接続されている。
第1の弾性表面波フィルタ103aの第2の受信IDT113と第2の弾性表面波フィルタ104bの第4の受信IDT133についても同様に接続されている。
第1の弾性表面波フィルタ103aの第2の受信IDT113と第2の弾性表面波フィルタ104bの第4の受信IDT133についても同様に接続されている。
すなわち、第2の受信IDT113の基準電位に接続された櫛歯状電極113bに対応した櫛歯状電極133bが第1の出力端子102bに接続されており、第2の受信IDT113の第1の出力端子102bに接続された櫛歯状電極113aに対応した櫛歯状電極133aが基準電位に接続されている。
したがって、第1の弾性表面波フィルタ103aおよび第2の弾性表面波フィルタ104bにおいては、第1の励振IDT111および第2の励振IDT131とにより励振された同位相の弾性表面波は受信IDTにおいて位相が180°ずれた状態で電気信号に変換されることになる。
つまり、第1の出力端子102aおよび第2の出力端子102bには、第1の弾性表面波フィルタ103aを経由した信号の位相と、第2の弾性表面波フィルタ104bを経由した信号の位相とは互いに180°ずれた状態で電気信号として出力されることになる。
図4は第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104cとの逆相並列接続した弾性表面波装置100cの1例を模式的に示した図である。この弾性表面波装置100cの第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104cにおいても弾性表面波装置100bと同じように、励振IDTでは同位相の弾性表面波を励振し、受信IDTにより位相をずらせるような接続となっている。図3に例示した弾性表面波装置100bが受信IDTの接続により位相をずらせたものであるのに対して、図4に例示した弾性表面波装置100cにおいては受信IDTの配設位置により位相をずらせる構造となっている。
弾性表面波装置100cの第1の弾性表面波フィルタ103aについては前述した第1の弾性表面波フィルタ103a、103bと同様の構成である。
第2の弾性表面波フィルタ104cは、入力端子101に接続して形成された弾性表面波を励振する第2の励振IDT131と、この第2の励振IDT131を挟むように面対称パターンに形成された、弾性表面波を受信する第3の受信IDT142及び第4の受信IDT143と、これら受信IDTのさらに外側に、第2の励振IDT131、第3の受信IDT142及び第4の受信IDT143を挟み込んでキャビティーを形成するように配設された2個の反射電極144とから構成されている。
第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の励振IDT111と第2の弾性表面波フィルタ104cの第2の励振IDT131との接続は、図3に例示した弾性表面波装置100bの励振IDT111と励振IDT121との接続と同じように接続されている。すなわち、第1の励振IDT111と第2の励振IDT131とは、入力端子101に対して並列に接続されており、それぞれ面対称パターンに対向噛合した1対の櫛歯状電極から構成されている。そして、第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の励振IDT111を構成する入力端子101に接続された櫛歯状電極111aに対応する櫛歯状電極131bが入力端子101に接続されており、第1の励振IDTを構成するもう一方の、基準電位側に接続された櫛歯状電極111bに対応した櫛歯状電極131aが基準電位側に接続されている。
第1の励振IDT111と第2の励振IDT131とをこのように接続することにより、図3に例示した逆相並列接続と同様に、第1の励振IDT111と第2の励振IDT131とにより同位相の弾性表面波が励振される。
一方、第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の受信IDT112及び第2の受信IDT113も、第2の弾性表面波フィルタの第3の受信IDT142及び第4の受信IDT143は、前述のように、それぞれ対向噛合した1対の櫛歯状電極から構成されている。
この弾性表面波装置100cにおいては、第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の受信IDT112と、第2の弾性表面波フィルタ104cの第3の受信IDT142とは面対称パターンに形成されているが、励振IDTからの距離が異なるように配設されている。
すなわち、第1の弾性表面波フィルタ103aの第1の励振IDT111と第1および第2の受信IDT112、113との間の弾性表面波の伝搬距離をL1とすると、第2の弾性表面波フィルタ104cの第2の励振IDT131と第3および第4の受信IDT142、143との間の弾性表面波の伝搬距離L2はL1よりもλ/2だけ長くなるように配設している。当然ながらλ/2だけ短くなるように配設するようにしてもよい。
そして、第1の受信IDT112の櫛歯状電極112aと、第3の受信IDTの櫛歯状電極142bとが第1の出力端子102aと接続されており、第1の受信IDT112の櫛歯状電極112bと、第3の受信IDTの櫛歯状電極142aとが基準電位に接続されている。すなわち、第1の受信IDT112の基準電位に接続された櫛歯状電極112bに対応した櫛歯状電極142bが第1の出力端子102aに接続されており、第1の受信IDT112の第1の出力端子102aに接続された櫛歯状電極112aに対応した櫛歯状電極142aが基準電位に接続されている。
第1の弾性表面波フィルタ103aの第2の受信IDT113と第2の弾性表面波フィルタ104cの第4の受信IDT143についても同様に接続されている。すなわち、櫛歯状電極113aと櫛歯状電極143bとが第2の出力端子102bに接続されており、櫛歯状電極113bと櫛歯状電極143aとが基準電位に接続されている。
したがって、図4に例示した弾性表面波装置においては、図3に例示した弾性表面波装置と同様に、第1の励振IDT111および第2の励振IDT131とにより励振された同位相の弾性表面波は、受信IDTにおいて位相が180°ずれた状態で電気信号に変換されることになる。
つまり、第1の出力端子102aおよび第2の出力端子102bに第1の弾性表面波フィルタ103aを経由した信号の位相と、第2の弾性表面波フィルタ104cを経由した信号の位相とは互いに180°ずれた状態で電気信号として出力されることになる。
図1〜図4に例示した本発明の弾性表面波装置は、中心周波数がわずかに異なった第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとを逆相並列接続したものであるが、逆相並列接続した1対の弾性表面波フィルタを多段に接続するようにしてもよい。
図5は図1に例示した電極パターンを1段として、2段にわたってイメージ接続した弾性表面波装置500の電極パターンの1例を模式的に示す図である。図5に例示した弾性表面波装置500は、圧電性基板上にIDTを含む導体パターンが形成されたものであり、入力端子101と第1の出力端子102aおよび第2の出力端子102bとの間に、中心周波数f1の第1の弾性表面波フィルタ103と、中心周波数f2の第2の弾性表面波フィルタ104とが逆相並列接続されている。
同様に、第2の入力端子105aおよび第3の入力端子105bと第3の出力端子106との間にも、中心周波数f1の第3の弾性表面波フィルタ107と、中心周波数f2の第4の弾性表面波フィルタ108とが逆相並列接続されている。
そして、第1の出力端子102aと第2の入力端子105aとの間、および第2の出力端子102bと第3の入力端子102bとの間はそれぞれ接続手段109a、109bにより電気的に接続されている。
ここで、第3の弾性表面波フィルタ107と第4の弾性表面波フィルタ108は、中心周波数がf1、f2であり、逆相並列接続されていればよい。
例えば、第1の弾性表面波フィルタ103と第2の弾性表面波フィルタ104とを逆相並列接続した1段目を図2に例示したような第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104aとにより構成し、第3の弾性表面波フィルタ107と第4の弾性表面波フィルタ108とを逆相並列接続した2段目も図2に例示したような第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104aとにより構成するようにしてもよい。
また、1段目を図2に例示したような第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104aとにより構成し、弾性表面波フィルタ107と第4の弾性表面波フィルタ108とを逆相並列接続した2段目は図3に例示したような第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104bとにより構成するようにしてもよい。
さらに、1段目を図2に例示したような第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104aとにより構成し、弾性表面波フィルタ107と第4の弾性表面波フィルタ108とを逆相並列接続した2段目は図4に例示したような第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104cとにより構成するようにしてもよい。
またさらに、1段目を図3に例示したような第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104bとにより構成し、弾性表面波フィルタ107と第4の弾性表面波フィルタ108とを逆相並列接続した2段目は図4に例示したような第1の弾性表面波フィルタ103aと第2の弾性表面波フィルタ104cとにより構成するようにしてもよい。
このようにイメージ接続する各段の弾性表面波フィルタ対は中心周波数がf1、f2であり、かつ逆相並列接続されていれば、同一パターンでなくともよい。
本発明の弾性表面波装置は、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタを各々の通過周波数帯域をわずかに異ならせて逆相並列に接続することにより、通過周波数帯域内においては、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとは並列動作することによりインピーダンスが約半分に低下する。
また、通過周波数帯域外では信号位相が180°異なることにより、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとの信号が互いに打ち消し合うことにより減衰量が確保される。特に、逆相並列接続した1対の弾性表面波フィルタをさらに多段に接続することにより、十分な減衰量が確保され、帯域外特性は大きく向上する。
したがって、従来の直列4段の弾性表面波フィルタと比較すると、弾性表面波装置のチップを小型化することができる。また、弾性表面波フィルタのアパーチャーを狭めることができるため、横モード・スプリアスの発生を防ぐことができ、入受信IDTに重み付けを施す必要がなくなり、さらなるアパーチャーの増大を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の弾性表面波装置の構成の1例を模式的に示す図であり;
図2は本発明の弾性表面波装置における、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとの逆相並列接続の1例を模式的に示す図であり;
図3は本発明の弾性表面波装置における、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとの逆相並列接続の別の1例を模式的に示す図であり;
図4は本発明の弾性表面波装置における、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとの逆相並列接続のさらに別の1例を模式的に示す図であり;
図5は本発明の弾性表面波装置の構成の別の1例を模式的に示す図であり;
図6は本発明の弾性表面波装置における、逆相並列接続した弾性表面波フィルタ対を2段接続した例を模式的に示す図であり;
図7は図6に例示した本発明の弾性表面波装置における信号伝搬の様子を模式的に示す図であり;
図8は本発明の弾性表面波装置の周波数特性を示す図であり;
図9は本発明の弾性表面波装置の周波数特性を示す図(逆相並列2段接続)であり;
図10は図6に例示した本発明の弾性表面波装置の、弾性表面波フィルタ対間の周波数差をパラメータとしたときの周波数特性の変化を示す図であり;
図11は図6に例示した本発明の弾性表面波装置の3dB低下の周波数帯域幅と、逆相並列接続した弾性表面波フィルタ対の周波数差との関係を示す図であり;
図12は図6に例示した本発明の弾性表面波装置の段間のIDTの対数と周波数特性との関係を示す図であり;
図13は図6に例示した本発明の弾性表面波装置の段間のIDTの対数と3dB低下の周波数帯域幅との関係を示す図であり;
図14は複数段の弾性表面波フィルタ対を接続する配線の浮遊容量と4dB低下の周波数帯域幅との関係を示す図であり;
図15は本発明の弾性表面波装置における横モード・スプリアスの発生レベルの解析を行った結果を示す図であり;
図16は中心周波数f1を244MHz(λ=14.0μm)と設定した弾性表面波フィルタのアパーチャー幅に対する45°XカットZ伝搬のLBO基板の各次横モードの周波数分散特性を示す図であり;
図17は図6に例示した本発明の弾性表面波装置において、第1の励振IDT、第2の励振IDT、第5の受信IDT、第6の受信IDTの対数を45.5対、アパーチャーを8.9λと設定した場合の周波数特性を示す図であり;
図18は従来の弾性表面波装置の電極パターンの1例を模式的に示す図であり;そして、
図19は図18に例示した従来の弾性表面波装置の周波数特性を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
実施例1
図6は本発明の弾性表面波装置の電極パターンの1例を模式的に示した図である。
この弾性表面波装置600は、45°XカットZ伝搬のLBOからなる圧電性基板上に、入出力の信号位相が相互に実質的に180°ずれるように逆相並列接続した第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタを2段にわたってイメージ接続したものである。各段を構成する逆相並列接続された弾性表面波フィルタ対は互いに動作周波数を0.10〜0.18%程度ずらせてある。
1段目の弾性表面波フィルタ対は、第1の入力端子601と第1の出力端子602aおよび第2の出力端子602bとの間に逆相並列接続された中心周波数f1の第1の弾性表面波フィルタ603と中心周波数f2の第2の弾性表面波フィルタ604とから構成されている。ここでは図2に例示した弾性表面波フィルタ対と同様の、相互に実質的に180°位相のずれた弾性表面波を励振する弾性表面波フィルタ対を用いている。
2段目の弾性表面波フィルタ対も1段目の弾性表面波フィルタ対と同様の構成であるが、入力端子と出力端子が逆に接続されている。すなわち、第2の入力端子605aおよび第3の入力端子605bと第3の出力端子606との間に逆相並列接続された中心周波数f1の第3の弾性表面波フィルタ607と中心周波数f2の第2の弾性表面波フィルタ608とから構成されている。ここでは2段目の弾性表面波フィルタ対の電極パターン形状は、1段目の弾性表面波フィルタ対の電極パターン形状と同一形状に形成されている。すなわち、第1の弾性表面波フィルタ603と第3の弾性表面波フィルタ607とは同一形状に形成されており、第2の弾性表面波フィルタ604と第4の弾性表面波フィルタ608とは同一形状に形成されている。
第1の弾性表面波フィルタ603は、入力端子601に接続して形成された弾性表面波を励振する第1の励振IDT611と、この第1の励振IDT611を挟むように面対称パターンに形成された、弾性表面波を受信する第1の受信IDT612及び第2の受信IDT613と、これら受信IDT612、613のさらに外側に、第1の励振IDT611、第1の受信IDT612及び第2の受信IDT613を挟み込んで共振器として動作するようキャビティーを形成するように配設された2個の反射電極614とから構成されている。
第2の弾性表面波フィルタ604も、入力端子601に接続して形成された弾性表面波を励振する第2の励振IDT621と、この第2の励振IDT621を挟むように面対称パターンに形成された、弾性表面波を受信する第3の受信IDT622及び第4の受信IDT623と、これら受信IDT622、623のさらに外側から、第2の励振IDT621、第3の受信IDT622及び第4の受信IDT623を挟み込んで共振器として動作するようキャビティーを形成するように配設された1対の反射電極624とから構成されている。そして、第1の弾性表面波フィルタ603と第2の弾性表面波フィルタ604とは、例えばIDTの櫛歯状電極のピッチを変えるなどして、その動作周波数がわずかに異なるように設計して配設されている。
第1の弾性表面波フィルタ603と第2の弾性表面波フィルタ604とは図2に例示した弾性表面波装置100aと同様の接続方法で逆相並列に接続されている。
すなわち、第1の弾性表面波フィルタ603の第1の励振IDT603と第2の弾性表面波フィルタの第2の励振IDT621とは、入力端子に対して並列に接続されており、それぞれ対向噛合した1対の櫛歯状電極から構成されている。そして、第1の弾性表面波フィルタ603の第1の励振IDT611を構成する櫛歯状電極のうち入力端子601に接続された櫛歯状電極に対応する第2の弾性表面波フィルタ604の第2の励振IDT621の櫛歯状電極は基準電位側に接続されている。
これに対し、第1の弾性表面波フィルタ603の第1の励振IDT611を構成する櫛歯状電極のうち基準電位に接続された櫛歯状電極に対応する、第2の弾性表面波フィルタ604の第2の励振IDT621の櫛歯状電極が入力端子601にされている。
第1の励振IDT611と第2の励振IDT621とをこのように接続することにより、第1の弾性表面波フィルタ603と第2の弾性表面波フィルタ604とでは、励振される弾性表面波の位相が実質的に180°ずれることになる。
一方、前述のように第1の弾性表面波フィルタ603と第2の弾性表面波フィルタ604とでは受信IDTでは伝搬してきた弾性表面波の位相はずれることはない。
したがって、第1の出力端子602aおよび第2の出力端子602bに第1の弾性表面波フィルタ603を経由した信号の位相と、第2の弾性表面波フィルタ604を経由した信号の位相とは互いに実質的に180°ずれた状態で電気信号として出力されることになる。
つぎに図6に例示した弾性表面波装置600を構成する2段目の弾性表面波フィルタ対について説明する。
第3の弾性表面波フィルタ607は、第2の入力端子605aに接続して形成された弾性表面波を励振する第3の励振IDT631と、第3の入力端子605bに接続して形成された弾性表面波を励振する第4の励振IDT632と、この第3の励振IDT631と第4の励振IDT632とに挟まれるように形成された、弾性表面波を受信する第5の受信IDT633と、これら励振IDT631、632のさらに外側から、第3の励振IDT631および第4の励振IDT632と第5の受信IDT633とを挟み込んで共振器として動作するようキャビティーを形成するように配設された2個の反射電極634とから構成されている。
また、第1の出力端子602aと第2の入力端子605aとの間は、例えば第1乃至第4の弾性表面波フィルタと同一基板上に形成された導体薄膜からなる配線609aにより電気的に接続されている。第2の出力端子602bと第3の入力端子605bとの間についても配線609bにより同様に接続されている。
第4の弾性表面波フィルタ608も、第2の入力端子605aに接続して形成された弾性表面波を励振する第5の励振IDT641と、第3の入力端子605bに接続して形成された弾性表面波を励振する第6の励振IDT642と、この第5の励振IDT641と第6の励振IDT642とに挟まれるように形成された、弾性表面波を受信する第6の受信IDT643と、これら第5の励振IDT641および第6の励振IDT642と第6の受信IDT643とを挟み込んで共振器として動作するようキャビティーを形成するように配設された2個の反射電極644とから構成されている。
このように図6に例示した弾性表面波素子600では、2段目の弾性表面波フィルタ対を構成する電極パターン形状は1段目と同一であり、入出力端子が逆になっている。したがって、励振される弾性表面波の位相は弾性表面波フィルタ対間でずれることはない。一方、第3の弾性表面波フィルタ607と第4の弾性表面波フィルタ608とでは受信IDTにおいて伝搬してきた弾性表面波の位相が実質的に180°ずれることになる。
したがって、第3の出力端子606においては、第3の弾性表面波フィルタ607を経由した信号の位相と、第4の弾性表面波フィルタ608を経由した信号の位相とは互いに実質的に180°ずれた状態で電気信号として出力される。
図6に例示した本発明の弾性表面波装置では、1段目の弾性表面波フィルタ対と2段目の弾性表面波フィルタ対とを同一形状に形成したが、前述のように1段目と2段目の形状を変えるようにしてもよい(図2〜図4参照)。
実施例2
ここで、図6に例示した本発明の弾性表面波装置により、信号の伝搬について説明する。
この弾性表面波装置600では、入力端子601から入力された電気信号は第1の弾性表面波フィルタの第1の励振IDT611、第2の弾性表面波フィルタ604の第2の励振IDT621に入力されて弾性表面波に変換される。前述のように、図6に例示した弾性表面波装置600では、第1の励振IDTと第2の励振IDT621とでは位相が実質的に180°ずれた弾性表面波が励振される。
第1の励振IDT611により励振された弾性表面波は両側に伝搬し、第1の受信IDT612および第2の受信IDT613で再び電気信号に変換される。
第2の励振IDT612により励振された弾性表面波も同様に両側に伝搬し、第3の受信IDT622および第4の受信IDT623で再び電気信号に変換される。第1の弾性表面波フィルタ603および第2の弾性表面波フィルタ604の受信IDTにおいては、受信した弾性表面波を電気信号に変換する際に位相がずれることはない。したがって、第1の出力端子602aおよび第2の出力端子602bには、第1の弾性表面波フィルタ603を経由した信号と、この信号と実質的に180°位相のずれた第2の弾性表面波フィルタ604を経由した信号とが出力される。
第1の出力端子602aに出力した信号は、配線609aを通じて2段目の弾性表面波フィルタ対の第2の入力端子605aに入力される。同様に第2の出力端子602bに出力した信号は、配線609bを通じて2段目の弾性表面波フィルタ対の第3の入力端子605bに入力される。
第2の入力端子605aおよび第3の入力端子605bから、第3の弾性表面波フィルタ607および第4の弾性表面波フィルタ608に入力された電気信号は、第3の励振IDT631、第4の励振IDT632、第5の励振IDT641、第6の励振IDT642により再び弾性表面波に変換される。2段目の弾性表面波フィルタ対を構成する第3の弾性表面波フィルタ607と第4の弾性表面波フィルタ608とは、励振する弾性表面波の位相はずれることはない。
第3の励振IDT631と第4の励振IDT632とにより励振された弾性表面波は、第5の受信IDT633により受信され、第5の励振IDT641と第6の励振IDT642とにより励振された弾性表面波は、第6の受信IDT643により受信される。この際、第5の受信IDT633と第6の受信IDT643とにより、伝搬してきた弾性表面波はその位相が互いに実質的に180°ずれた状態で電気信号に変換され、第3の出力端子606に出力される。
図7は本発明の弾性表面波装置600の信号伝搬の様子を模式的に示した図である。
図6に例示した弾性表面波装置600では、1段目の弾性表面波フィルタ対も2段目の弾性表面波フィルタ対も図2に例示したような逆相並列接続を採用したが、各段の弾性表面波フィルタ対の構成は中心周波数がわずかにずれていることと、逆相並列接続されているならば図2以外の逆相並列接続を採用することができる。例えば、1段目の弾性表面波フィルタ対と2段目の弾性表面波フィルタ対とに、図2乃至図4に例示した逆相並列接続を適宜組み合わせて採用するようにしてもよい。
2段目の弾性表面波フィルタ対に図3または図4に例示したような逆相並列接続を採用した場合、第3の励振IDT631および第4の励振IDT632により励振される弾性表面波と、第5の励振IDT641および第6の励振IDT642により励振される弾性表面波とは、その位相が実質的に180°ずれることになるが、第5の受信IDT633と第6の受信IDT643とにより位相がずれることはない。
実施例3
以下に本発明の弾性表面波装置の周波数特性について説明する。
図6に例示した弾性表面波装置600においては、第1の弾性表面波フィルタ603の中心周波数f1(約244MHz)と第2の弾性表面波フィルタ604の中心周波数f2および第3との弾性表面波フィルタ607の中心周波数f1と第2の弾性表面波フィルタ608のの中心周波数f2とは、Δf=f2−f1=0.3MHzだけ異なるように設定されている。
この弾性表面波装置の周波数特性を図8及び図9を用いて説明する。
図8は図2または図6(1段目)に例示した構成の本発明の弾性表面波装置の周波数特性を示す図である。
ここでは第1の励振IDT611、第2の励振IDT622、第5の受信IDT633、第6の受信IDT643を20.5対とし、第1の受信IDT612、第2の受信IDT613、第3の受信IDT622、第4の受信IDT623、第3の励振IDT631、第4の励振IDT632、第5の励振IDT641、第6の励振IDT642を8対とした。
また、各弾性表面波フィルタの励振IDTと受信IDTとの間の距離を3λ(λ=vs/fi;vsは弾性表面波の位相速度、fiは弾性表面波フィルタが動作する中心周波数)とし、受信IDTと反射電極との間距離を0.375λとし、反射電極の電極本数を120本とした。
さらに、励振IDT、受信IDT及び反射電極の長さ(アパーチャー)を0.12mm、入出力終端インピーダンスを400Ωとした。また、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタでは中心周波数が0.3MHz異なるように設定している。
図8には、逆相並列接続した1段の弾性表面波フィルタ対の周波数特性800と比較して、第1の弾性表面波フィルタ603単独での特性801および第2の弾性表面波フィルタ604単独での特性802についても示した。
また、逆相並列接続された第1の弾性表面波フィルタ603と第2の弾性表面波フィルタ604とにより生じる位相差804についても合わせて示した。
第1の弾性表面波フィルタ603と第2の弾性表面波フィルタ604とからなる弾性表面波フィルタ対の位相差は、弾性表面波フィルタの通過周波数帯域近傍では110〜140°の位相差となっているが、阻止域ではほぼ逆相(実質的に180°位相差)となっていることがわかる。したがって、1段の弾性表面波フィルタ対では第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタの通過周波数帯域が重なった通過周波数帯域が得られ、同時に阻止域では第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとの信号がお互いにキャンセルして十分な減衰量が得られる。
図9は逆相並列接続された第1の弾性表面波フィルタ603と第2の弾性表面波フィルタ604とからなる1段目の弾性表面波フィルタ対と、逆相並列接続された第3の弾性表面波フィルタ607と第4の弾性表面波フィルタ608とからなる2段目の弾性表面波フィルタ対とをイメージ接続した場合に得られる周波数特性を示す図である。各段を構成する弾性表面波フィルタ対の中心周波数差は0.3MHzである。
比較のため、図中には逆相並列接続した1段の弾性表面波フィルタ対の周波数特性もあわせて示した。この1段の周波数特性は図2に例示した弾性表面波装置の周波数特性に相当するものである。またこの周波数特性は、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとを直列2段接続した際に得られる周波数特性に相当するものである。
本発明の弾性表面波装置では、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタを各々の通過周波数帯域をわずかに異ならせて逆相並列に接続することにより、通過周波数帯域内においては、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとが並列動作することによりインピーダンスを約半分に低下することができる。また、通過周波数帯域外では信号位相が実質的に180°異なることにより、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとの信号が互いに打ち消し合うことにより減衰量が確保することができる。
逆相並列接続した1段の弾性表面波フィルタは、直列2段接続した弾性表面波フィルタと実質的に同等であり、特に、逆相並列接続した1対の弾性表面波フィルタをさらに多段に接続することにより、通過周波数帯域外での減衰量がさらに大きくなり、帯域外特性が大きく向上していることがわかる。
さらに、本発明の弾性表面波装置は通過周波数帯域においては、2つの弾性表面波フィルタが並列に接続されるため、弾性表面波フィルタの入出力インピーダンスを下げることができ、この結果、弾性表面波フィルタのチップサイズを小さくすることができる。特に、弾性表面波フィルタのアパーチャーの方向の大きさを約半分程度まで縮減することができる。このことは、移動体通信などチップサイズの小型化が求められている分野においてはとりわけ大きな利点となるだけでなく、横モード・スプリアスを抑制することができ、IDTの電極抵抗を低下し損失を低減することができる。さらにこのことは、同一のチップサイズであればその周波数特性が格段に優れていることを意味する。
図9に示した弾性表面波装置のチップサイズはボンディングパッドも含め約2.8mm×3.0mm角程度となり、例えば図18に例示した従来の直列4段の弾性表面波フィルタ装置と比較しても、その大きさを格段に小型化することができる。
実施例4
次に一対の弾性表面波フィルタ対を逆相並列接続する際の好適な条件について説明する。
図10は図6を用いて説明した本発明の弾性表面波装置(逆相並列接続した弾性表面波フィルタ対の2段構成)において、弾性表面波フィルタ対間の周波数差をパラメータとして変化させた場合の弾性表面波装置の周波数特性の変化を示したものである。
図11はこの弾性表面波装置の周波数特性を特徴づけるために、3dB低下の周波数帯域幅を、逆相並列接続した弾性表面波フィルタ対の周波数差に対してプロットした図である。
図10および図11からわかるように、本発明の弾性表面波装置は弾性表面波フィルタ対間の周波数差を広げるにしたがって、その通過周波数帯域幅が拡大する。しかしながら周波数差を広げすぎると、通過周波数帯域内にリップルが現れて再び通過周波数帯域が減少することがわかる。
図11から実質的に利用できる弾性表面波フィルタ対間の周波数差は、中心周波数が244MHzの弾性表面波フィルタにおいては0.25〜0.45MHzの範囲、すなわち中心周波数で規格化した周波数差では0.10〜0.18%の範囲に設定することが好適である。
実施例5
図12は図6に例示した本発明の弾性表面波装置(逆相並列接続弾性表面波フィルタ対の2段構成)を構成する段間IDT、すなわち第1の弾性表面波フィルタ603、第2の弾性表面波フィルタ604、第3の弾性表面波フィルタ607および第4の弾性表面波フィルタ608の、第1の受信IDT612、第2の受信IDT614、第3の受信IDT622、第4の受信IDT623、第3の励振IDT631、第4の励振IDT632、第5の励振IDT641および第6の励振IDT642の電極対数をパラメータとして変えた場合の弾性表面波フィルタの周波数特性の変化を示したものである。
図13はこの弾性表面波装置の周波数特性を特徴づけるために、3dB低下の帯域幅を逆相並列接続した弾性表面波フィルタ対を構成する、第1の受信IDT612、第2の受信IDT614、第3の受信IDT622、第4の受信IDT623、第3の励振IDT631、第4の励振IDT632、第5の励振IDT641および第6の励振IDT642の対数に対してプロットした図である。
図12からわかるように、本発明の弾性表面波装置は第1の受信IDT612、第2の受信IDT614、第3の受信IDT622、第4の受信IDT623、第3の励振IDT631、第4の励振IDT632、第5の励振IDT641および第6の励振IDT642の対数を増やすにしたがって、その通過周波数帯域幅が拡大するが、その対数が9対を越えると通過周波数帯域内にリップルが現れ再び帯域幅が減少することがわかる。したがって、これらのIDTの対数は9対以下に設定することが好適である。
一方、図13からわかるようにIDTの対数を増やすにしたがって、3dB帯域幅が拡大するが、その対数が8対を越えると再び3dB帯域幅が減少することがわかる。したがって、例えば3dB帯域幅として0.35MHz以上の帯域幅を確保しようとする場合にはこれらのIDTの対数は5〜8対に設定することが好適である。この対数では通過周波数帯域内にリップルが現れ帯域幅が減少することはない。
実施例6
図14は、複数段の弾性表面波フィルタ対を接続する配線の浮遊容量と4dB低下の周波数帯域幅との関係を示す図である。
例えば段間接続により形成される浮遊容量が1.5pFである場合、0.35MHz以上の帯域幅を確保するためにはIDTの対数を10対以上にすればよいことがわかる。また例えば、段間接続により形成される浮遊容量が2.5pFである場合、0.35MHz以上の帯域幅を確保するためにはIDTの対数を13対以上にすればよいことがわかる。このように本発明の弾性表面波装置においては、段間接続により浮遊容量が形成される場合でも、IDTの対数を最適化することによって十分な帯域幅を確保することができる。
実施例7
次に本発明の弾性表面波装置において横モード・スプリアスを抑える手段を説明する。
図15は本発明の弾性表面波装置(逆相並列接続弾性表面波フィルタの2段構成)における横モード・スプリアスの発生レベルの解析を行った結果を示す図である。周波数差を0.3MHz、第1および第2の弾性表面波フィルタの励振IDT、第3および第4の弾性表面波フィルタの受信IDTを20.5対、アパーチャー幅を25.7λ(λは電極の配設周期)とした。
図15において、1stとして基本の横モードの信号成分(図9と同じもの)を示し、3rd、5thとしてそれぞれ3次と5次の横モードの信号成分を示した。図15から明らかなように、高次の横モード・スプリアスは弾性表面波フィルタの帯域外特性を劣化させてしまう。
図16は、中心周波数f1を244MHz(λ=14.0μm)と設定した弾性表面波フィルタのアパーチャー幅に対する45°XカットZ伝搬のLBO基板の各次横モードの周波数分散特性を示す図である。
図6に例示した弾性表面波装置においてアパーチャー幅を25.7λに設定した場合、5次までの高次横モードスプリアスが発生することがわかる。
アパーチャーを10λ以下に設定した場合には3次以降の高次の横モードはカットオフ周波数以上となり横モードの発生はなくなることがわかる。
図17は図6に例示した本発明の弾性表面波装置(逆相並列接続弾性表面波フィルタの2段構成)において、第1の励振IDT611、第2の励振IDT621、第5の受信IDT633、第6の受信IDT643の対数を45.5対、アパーチャーを8.9λと設定した場合の周波数特性を示す図である。図9と同様に第1の励振IDT611、第2の励振IDT621、第5の受信IDT633、第6の受信IDT643の対数を20.5対とした場合の周波数特性も比較のため示した。
第1の励振IDT611、第2の励振IDT621、第5の受信IDT633、第6の受信IDT643の対数を45.5対に設定した弾性表面波装置は、これらのIDTを20.5対と設定した場合と比較しても、その通過周波数帯域内の特性をほとんど損なわれていないことがわかる。
産業上の利用可能性
本発明の弾性表面波装置は、わずかに中心周波数の異なる2つの弾性表面波フィルタを逆相並列接続することにより、弾性表面波フィルタとしての通過周波数帯域の帯域幅を拡大することができる。
また、本発明の弾性表面波装置は、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタを各々の通過周波数帯域をわずかに異ならせて逆相並列に接続することにより、通過周波数帯域内においては、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとは並列動作することによりインピーダンスを約半分に低下することができる。
また、通過周波数帯域外では信号位相が180°異なることにより、第1の弾性表面波フィルタと第2の弾性表面波フィルタとの信号が互いに打ち消し合うことにより減衰量が確保することができる。特に、逆相並列接続した1対の弾性表面波フィルタをさらに多段に接続することにより、十分な減衰量が確保され、帯域外特性は大きく向上することができる。
したがって、従来の直列4段の弾性表面波フィルタ装置と比較すると、弾性表面波装置のチップを小型化することができる。したがって、移動体通信などチップサイズの小型化が求められている用途においてはとりわけ好適な弾性表面波装置である。
また、小型化により弾性表面波フィルタのアパーチャーを狭めることができるため、横モード・スプリアスの発生を防ぐことができ、IDTの電極抵抗を低下し損失を低減することができる。また、横モード・スプリアスの発生も抑制でき、帯域外特性を向上することができる。さらに、入受信IDTに重み付けを施す必要がなくなり、さらなるアパーチャーの増大を防ぐことができる。

Claims (3)

  1. 圧電性基板と、
    前記圧電性基板上で第1の入力端子と第1の出力端子との間に配設された、中心周波数f1を有する2ポート3IDTの第1の弾性表面波フィルタであって、前記第1の入力端子に接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により第1の弾性表面波を励振する第1の励振IDTと、前記第1の励振IDTの両側に配設され、前記第1の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第1の受信IDTおよび第2の受信IDTとを備える第1の弾性表面波フィルタと、
    前記第1の入力端子と前記第1の出力端子との間に前記第1の弾性表面波フィルタと並列に配設された、前記中心周波数f1とわずかに異なる中心周波数f2を有する2ポート3IDTの第2の弾性表面波フィルタであって、前記第1の入力端子に接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により前記第1の弾性表面波と180°位相の異なった第2の弾性表面波を励振する第2の励振IDTと、前記第2の励振IDTの両側に配設され、前記第2の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第3の受信IDTおよび第4の受信IDTとを備える第2の弾性表面波フィルタとを具備し、
    記第1の入力端子から前記第1の弾性表面波フィルタを経由して前記第1の出力端子に出力される信号の位相と、前記第2の弾性表面波フィルタを経由して前記第1の出力端子に出力される信号の位相とが実質的に180°異なることを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 圧電性基板と、
    前記圧電性基板上で第1の入力端子と第1の出力端子との間に配設された、中心周波数f1を有する2ポート3IDTの第1の弾性表面波フィルタであって、前記第1の入力端子と接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により第1の弾性表面波を励振する第1の励振IDTと、前記第1の励振IDTの両側に配設され、前記第1の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第1の受信IDTおよび第2の受信IDTとを備える第1の弾性表面波フィルタと、
    前記第1の入力端子と前記第1の出力端子との間に前記第1の弾性表面波フィルタと並列に配設された、前記中心周波数f1とわずかに異なる中心周波数f2を有する2ポート3IDTの第2の弾性表面波フィルタであって、前記第1の入力端子と接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により前記第1の弾性表面波と同位相の第2の弾性表面波を励振する第2の励振IDTと、前記第2の励振IDTの両側に配設され、前記第2の弾性表面波を受信して前記第1の受信IDTおよび第2の受信IDTとは位相が実質的に180°異なるような電気信号に変換する第3の受信IDTおよび第4の受信IDTとを備える第2の弾性表面波フィルタとを具備し、
    前記第1の入力端子から前記第1の弾性表面波フィルタを経由して前記第1の出力端子に出力される信号の立相と、前記第2の弾性表面波フィルタを経由して前記第1の出力端子に出力される信号の立相とが実質的に180°異なることを特徴とする弾性表面波装置。
  3. 圧電性基板上にIDTが形成された弾性表面波装置において、
    第1の入力端子と、
    前記第1の入力端子に接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により第1の弾性表面波を励振する第1の励振IDTと、前記第1の励振IDTの両側に配設され、前記第1の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第1の受信IDTおよび第2の受信IDTとからなる、第1の中心周波数を有する第1の弾性表面波フィルタと、
    前記第1の入力端子に接続され、前記第1の入力端子に入力された電気信号により前記第1の弾性表面波と実質的に180°位相の異なった第2の弾性表面波を励振する第2の励振IDTと、前記第2の励振IDTの両側に配設され、前記第2の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第3の受信IDTおよび第4の受信IDTとからなる、前記第1の中心周波数とわずかに異なる第2の中心周波数を有する第2の弾性表面波フィルタと、
    前記第1の受信IDTおよび前記第3の受信IDTと並列に接続された第1の出力端子と、
    前記第2の受信IDTおよび前記第4の受信IDTと並列に接続された第2の出力端子と、
    前記第1の出力端子と接続した第2の入力端子と、
    前記第2の出力端子と接続した第3の入力端子と、
    前記第2の入力端子と接続され、この入力端子に入力された電気信号により第3の弾性表面波を励振する第3の励振IDTと、前記第3の入力端子と接続され、この入力端子に入力された電気信号により前記第3の弾性表面波を励振する第4の励振IDTと、前記第3の励振IDTと前記第4の励振IDTとの間に配設され、前記第3の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第5の受信IDTとからなる、前記第1の中心周波数を有する前記第3の弾性表面波フィルタと、
    前記第2の入力端子と接続され、この入力端子に入力された電気信号により前記第3の弾性表面波を励振する前記第5の励振IDTと、前記第3の入力端子と接続され、この入力端子に入力された電気信号により第4の弾性表面波を励振する前記第6の励振IDTと、前記第5の励振IDTと前記第6の励振IDTとの間に配設され、第4の弾性表面波を受信して電気信号に変換する第6の受信IDTとからなる、前記第2の中心周波数を有する第4の弾性表面波フィルタと、
    前記第5の受信IDTおよび前記第6の受信IDTと並列に接続された第3の出力端子と
    を具備したことを特徴とする弾性表面波装置。
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