JP3241293B2 - 弾性表面波素子およびこれを用いた分波器 - Google Patents

弾性表面波素子およびこれを用いた分波器

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JP3241293B2 JP10966697A JP10966697A JP3241293B2 JP 3241293 B2 JP3241293 B2 JP 3241293B2 JP 10966697 A JP10966697 A JP 10966697A JP 10966697 A JP10966697 A JP 10966697A JP 3241293 B2 JP3241293 B2 JP 3241293B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、弾性表面波素子
に関し、特に、移動通信端末等のRF部(高周波部)に
用いられる弾性表面波素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、小型で軽量な自動車電話,携帯電
話等の移動通信端末の開発が急速に進められている。こ
れに伴い使用される部品の小型,高性能化が求められて
おり、RF部(高周波部)の小型化に寄与する弾性表面
波(SAW:Surface AcousticWave)素子(共振子,段
間フィルタ,アンテナデュプレクサ)の需要も急速に伸
びている。
【0003】この中でアンテナデュプレクサは、RF部
のフロントエンド部に位置し、高い耐電力性を必要とす
る。これまで弾性表面波素子(以下SAWフィルタとも
呼ぶ)は耐電力性が十分でなかったため、アンテナデュ
プレクサには、誘電体フィルタが主に用いられてきた。
しかし、誘電体フィルタはその大きさが大きいため、移
動通信端末の小型化を困難なものとしていた。
【0004】一方では、SAWフィルタを準マイクロ波
帯(1.8GHz帯)などの高周波帯域で使用する場合
には、電極配線が微細になり、SAWフィルタの耐電力
性が問題となる。従って、移動通信端末の小型化ととも
に、SAWフィルタの耐電力性をより一層向上させるニ
ーズは非常に大きい。
【0005】従来、弾性表面波素子の耐電力性を向上さ
せるために、次のような設計面での改善技術が報告され
ている。特開平6−29779号公報には、梯子型のS
AWフィルタにおいて、入力側初段の直列共振器の電極
指の対数を、他段の直列共振器の電極指の対数より多く
することにより、あるいは、入力側初段の直列共振器の
開口長を、他段の直列共振器の開口長より狭くすること
により、初段の直列共振器の抵抗を低減し、温度上昇を
抑制し、SAWフィルタの耐電力性を向上させる技術が
記載されている。また、SAWフィルタを形成する各共
振器の電極材料を改良することによってSAWフィルタ
の耐電力性を向上させる技術も提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような工夫によ
って、一定の周波数の信号を連続的に印加しつづける寿
命試験(たとえば、環境温度85℃、印加周波数188
5MHz、印加電力0.3w)では、数十時間の寿命が
確保されている。しかし、アンテナデュプレクサにおい
ては、1〜2w程度の電力負荷がかかることもあり、高
周波信号を印加した場合には、十分な耐電力性があると
は言えない。特に、入力側から見て、SAWフィルタを
構成する後段の共振器の電極には変化が見られなくて
も、初段の直列共振器の電極に溶断が生じる場合が多
い。
【0007】そこで、この発明は以上のような事情を考
慮してなされたものであり、弾性表面波素子を構成する
共振器の電極周期を変化させることによって、耐電力性
を向上させた弾性表面波素子を提供することを課題とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、所定の共振
周波数を有する第1の1端子対弾性表面波共振器を並列
腕に、該第1の1端子対弾性表面波共振器の***振周波
数に略一致する共振周波数を有する第2の1端子対弾性
表面波共振器を直列腕にそれぞれ複数個配列した梯子型
の弾性表面波素子を送信用のフィルタに用いた分波器
あって、前記第1及び第2の1端子対弾性表面波共振器
が、所定数の電極指を有するくし形電極から構成され、
第2の1端子対弾性表面波共振器のうち、少なくとも1
つの1端子対弾性表面波共振器の電極指の周期λが、次
式、0.99λav2<λ<1.01λav2(式中、
λav2:第2の1端子対弾性表面波共振器の電極指の周
期の平均値、ただしλ≠λav2)で表されることを特徴
とする弾性表面波素子を送信用のフィルタに用いた分波
を提供するものである。ここで、さらに第1の1端子
対弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの1端子対
弾性表面波共振器の電極指の周期λが、次式、0.99
λ av1 <λ<1.01λ av1 (式中、λ av1 :第1の1端
子対弾性表面波共振器の電極指の周期の平均値、ただし
λ≠λ av1 )で表わされるようにしてもよい。
【0009】また、この発明は、所定の共振周波数を有
する第1の1端子対弾性表面波共振器を並列腕に、該第
1の1端子対弾性表面波共振器の***振周波数に略一致
する共振周波数を有する第2の1端子対弾性表面波共振
器を直列腕にそれぞれ複数個配列した梯子型の弾性表面
波素子を送信用のフィルタに用いた分波器であって、前
記第1及び第2の1端子対弾性表面波共振器が、所定数
の電極指を有するくし形電極から構成され、第1の1端
子対弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの1端子
対弾性表面波共振器の電極指の周期λが、次式、0.9
9λav1<λ<1.01λav1 (式中、λav1:第1の1端子対弾性表面波共振器の電
極指の周期の平均値、ただし、λ≠λ av1 ) で表わされることを特徴とする弾性表面波素子を送信用
のフィルタに用いた分波器を提供するものである。
【0010】さらに、所定の共振周波数を有する第1の
1端子対弾性表面波共振器を並列腕に、該第1の1端子
対弾性表面波共振器の***振周波数に略一致する共振周
波数を有する第2の1端子対弾性表面波共振器を直列腕
にそれぞれ複数個配列した梯子型の弾性表面波素子であ
って、信号入力側から見て初段の第2の1端子対弾性表
面波共振器のみが、直列に接続された複数個の分割弾性
表面波共振器から構成されたことを特徴とする弾性表面
波素子を提供するものである。ここで、信号入力側から
見て初段の第2の1端子対弾性表面波共振器は、1つの
共振器によって構成される場合の静電容量よりも大きな
静電容量を持つ複数個の1端子対弾性表面波共振器に分
割して構成すればよい。このような構成を採用すること
により、耐電力性に優れた弾性表面波素子を提供するこ
とができる。
【0011】
【発明の実施の形態】上記のような構成を有する弾性表
面波素子において、信号入力側から見て初段の第2の1
端子対弾性表面波共振器の電極指の周期が、他の第2の
1端子対弾性表面波共振器の電極指の周期よりも小さく
してもよく、複数個の第2の1端子対弾性表面波共振器
の電極指の周期が、信号入力側から順に等しいか大きく
なるようにしてもよい。また、この発明は、所定の共振
周波数を有する第1の1端子対弾性表面波共振器を並列
腕に、該第1の1端子対弾性表面波共振器の***振周波
数に略一致する共振周波数を有する第2の1端子対弾性
表面波共振器を直列腕にそれぞれ複数個配列した梯子型
の弾性表面波素子であって、前記第1及び第2の1端子
対弾性表面波共振器が、所定数の電極指を有するくし形
電極から構成され、第2の1端子対弾性表面波共振器の
うち、少なくとも1つの1端子対弾性表面波共振器の電
極指の周期λが、次式、0.99λ av2 <λ<1.01
λ av2 (式中、λ av2 :第2の1端子対弾性表面波共振器の電
極指の周期の平均値、ただし、λ≠λ av2 で表され、信号入力側から見て初段の第2の1端子対弾
性表面波共振器の電極指の周期が、他の第2の1端子対
弾性表面波共振器の電極指の周期よりも小さいことを特
徴とする弾性表面波素子を提供するものである。 さら
に、この発明は、所定の共振周波数を有する第1の1端
子対弾性表面波共振器を並列腕に、該第1の1端子対弾
性表面波共振器の***振周波数に略一致する共振周波数
を有する第2の1端子対弾性表面波共振器を直列腕にそ
れぞれ複数個配列した梯子型の弾性表面波素子であっ
て、前記第1及び第2の1端子対弾性表面波共振器が、
所定数の電極指を有するくし形電極から構成され、第2
の1端子対弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの
1端子対弾性表面波共振器の電極指の周期λが、次式、
0.99λ av2 <λ<1.01λ av2 (式中、λ av2 :第2の1端子対弾性表面波共振器の電
極指の周期の平均値、ただしλ≠λ av2 で表され、複数個の第2の1端子対弾性表面波共振器の
電極指の周期が、信号入 力側から順に等しいか大きいこ
とを特徴とする弾性表面波素子を提供するものである。
【0012】また、信号入力側から見て初段の第1の1
端子対弾性表面波共振器の電極指の周期が、他の第1の
1端子対弾性表面波並列共振器の電極指の周期よりも大
きくしてもよく、複数個の第1の1端子対弾性表面波共
振器の電極指の周期が、信号入力側から順に等しいか小
さくなるようにしてもよい。
【0013】さらに、この発明の弾性表面波素子を受信
用のフィルタに用いた分波器の場合には、信号入力側か
ら見て初段の第1の1端子対弾性表面波共振器の電極指
の周期が、他の第1の1端子対弾性表面波共振器の電極
指の周期よりも小さくしてもよく、さらに、複数個の第
1の1端子対弾性表面波共振器の電極指の周期が、信号
入力側から順に等しいか大きくなるようにしてもよい。
【0014】
【0015】以下、並列腕として構成される前記第1の
1端子対弾性表面波共振器を「並列共振器」と呼び、直
列腕として構成される前記第2の1端子対弾性表面波共
振器を「直列共振器」と呼ぶ。
【0016】最初に、直列共振器と並列共振器とから構
成される梯子型の弾性表面波共振器の構成及び動作原理
を示す。図1に、梯子型の弾性表面波素子の回路図の一
例を示す。信号入力側の端子をa1,a2,信号出力側の
端子をb1,b2とする。梯子型の弾性表面波素子は、一
般に、入力端子と出力端子との間に直列に接続された直
列共振器(S1,S2,S3,……)と、2つの入力端子
間及び出力端子間から見て並列に接続された並列共振器
(P1,P2,P3,……)とから構成される。
【0017】図2に、直列共振器及び並列共振器の基本
的なパターン構成図を示す。どちらの共振器ともいわゆ
る一端子対弾性表面波共振器であり、くし形形状の電極
指10が互いに入り組んだ2つの励振電極1,2から構
成されるインタディジタルトランスデューサ部分と、そ
の両側に配置される反射器3,4とから構成される。同
図に示すように、励振電極の電極指10の繰り返しサイ
クルの長さを電極指の周期λと呼び、上下方向から互い
に入り組んだ電極指が横方向から見て互いに交差してい
る部分の長さを開口長Yと呼ぶ。図1の共振器の回路図
記号との関係は図2の右側に示すとおりであり、励振電
極の一方の端子Aが信号入力側であり、他方の端子Bが
信号出力側となる。
【0018】図3に、このような梯子型の弾性表面波素
子の周波数と減衰量との関係、及び周波数と素子の温度
との関係のグラフを示す。ここで、弾性表面波素子の直
列共振器の電極指の周期は2.065μmですべて同じ
であり、並列共振器の電極指の周期は2.140μmで
すべて同じである。アンテナから電気信号が入力される
と、弾性表面波素子は、一定の周波数帯域幅を持つ信号
のみを通過させる帯域通過フィルタとしての役割を果た
す。
【0019】同図において、この帯域通過フィルタの2
ケ所のカットオフ周波数付近(Fh 1,Fh2)におい
て、素子の温度が最も高くなっていることがわかる。一
般的に、温度が高くなるということは、耐電力性が弱く
なるので、素子の温度が最も高いカットオフ周波数付近
では弾性表面波素子の耐電力性が最も弱い。一方、弾性
表面波素子の低周波側のカットオフ周波数Fh1は、並
列共振器の共振周波数に近く、高周波側のカットオフ周
波数Fh2は直列共振器の共振周波数に近いため、各共
振器の共振周波数付近で、最も耐電力性が弱いことにな
る。
【0020】図4(a)に、直列共振器(S1等)のイ
ンピーダンス(ZS=r+jx,r:抵抗分,x:リア
クタンス分)と、並列共振器(P1等)のアドミタンス
(YP=g+jb,g:コンダクタンス分,b:サセプ
タンス分)の周波数特性を示す。図の縦軸がインピーダ
ンス又はアドミタンスを示すが、リアクタンス分x及び
サセプタンス分bがゼロとなる位置がそれぞれ直列共振
器及び並列共振器の共振周波数である。
【0021】図4(b)は、図4(a)の周波数特性に
合わせて描いた弾性表面波素子のフィルタ特性を示して
いる。信号を通過させる仕様帯域では、直列共振器の共
振周波数が含まれ、インピーダンスZSはほぼゼロであ
るため、ほとんど直接共振器に電流が流れる。また、こ
の直列共振器の共振周波数の近傍では、並列共振器のア
ドミタンスは必ずしもゼロになっていないため、並列共
振器にもわずかではあるが電流が流れる。
【0022】図1において、信号入力側の初段の直列共
振器S1を流れる電流をiS1、2段目,3段目の直列共
振器S2,S3を流れる電流をiS2,iS3とし、信号入力
側の初段の並列共振器P1を流れる電流をiP1、2段
目,3段目の並列共振器P2,P 3を流れる電流をiP2
P3とする。このとき、各共振器の電流のロスも考慮す
ると、各直列共振器に流れる電流は、iS1>iS2>iS3
という関係が成立する。すなわち、信号入力側の初段の
直列共振器S1は最も大きな電流が流れ、最も温度が高
くなるので、初段の直列共振器S1の耐電力性が最も弱
いことになる。
【0023】また、図4(a)より、並列共振器の共振
周波数の近傍では、信号減衰量が大きくなり、ほとんど
並列共振器に電流が流れることになる。しかし、この並
列共振器の共振周波数近傍において、直列共振器のイン
ピーダンスは無限大とはなっていないため、直列共振器
にもわずかではあるが電流が流れる。したがって、並列
共振器の共振周波数近傍の周波数の信号が入力されると
き、各並列共振器に流れる電流は、iP1>iP2>iP3
いう関係が成立する。すなわち、信号入力側の初段の並
列共振器P1は、最も大きな電流が流れるので、最も耐
電力性が低いことになる。以上の説明により、弾性表面
波素子の耐電力性を向上させるためには、信号入力側か
ら見て初段の直列共振器又は並列共振器の耐電力性を改
善する必要があることがわかる。
【0024】ところで、送信用のフィルタでは、仕様帯
域内に電力が印加される。また、図3,図4(b)か
ら、伝送される信号が仕様帯域の高周波側に近づけば近
づくほど、直列共振器の共振周波数に近づくため、信号
入力側から見て耐電力性の最も弱い初段の直列共振器が
劣化しやすくなる。一般に、共振器の共振周波数fと、
共振器の電極指の周期λとは反比例の関係(v=fλ,
vは伝搬速度)があることが知られている。そこで、直
列共振器の電極指の周期λを小さくすれば、直接共振器
の共振周波数fは大きくなるので、耐電力性が最も弱く
なる共振周波数を仕様帯域外方向にシフトさせることが
でき、仕様帯域内での耐電力性が向上できる。
【0025】すなわち、この発明では、仕様帯域内での
信号の周波数特性に影響を与えない範囲内で、信号入力
側の初段の直列共振器の電極指の周期λS1を他段の直列
共振器の電極指の周期よりも小さくする。具体的には、
入力側初段の直列共振器の電極指の周期λS1を、直列共
振器全体の電極指の周期の平均値λSavよりも1%以内
だけ小さくする。すなわち、0.99λSav≦λS1<λ
Savとする。これにより、入力側初段の直列共振器の共
振周波数は、他段の直列共振器の共振周波数より高周波
側にシフトするため、入力側初段の直列共振器は劣化し
にくくなり、その結果、弾性表面波素子の耐電力性が向
上できる。
【0026】また、図3,図4(b)から、伝送される
信号が仕様帯域の低周波側に近づけば近づくほど、並列
共振器の共振周波数に近づくため、信号入力側から見て
耐電力性の最も弱い初段の並列共振器が劣化しやすくな
る。そこで、並列共振器の電極指の周期λを大きくすれ
ば、並列共振器の共振周波数fは小さくなるので、耐電
力性の最も弱くなる共振周波数を仕様帯域外方向にシフ
トさせることができ、仕様帯域内での耐電力性が向上で
きる。
【0027】すなわち、この発明において、弾性表面波
素子の耐電力性を向上させる第2の方法として、仕様帯
域内での信号の周波数特性に影響を与えない範囲内で、
信号入力側の初段の並列共振器の電極指の周期λP1を他
段の並列共振器の電極指の周期よりも大きくする。具体
的には、入力側初段の並列共振器の電極指の周期λ
P1を、並列共振器全体の電極指の周期の平均値λPav
りも1%以内だけ大きくする。すなわちλPav<λP1
1.01λPavとする。これにより入力側初段の並列共
振器の共振周波数は、他段の並列共振器の共振周波数よ
り低周波側にシフトするため、入力側初段の並列共振器
は劣化しにくくなり、その結果、弾性表面波素子の耐電
力性が向上できる。また、前記した入力側初段の直列共
振器の周期の減少と、この入力側初段の並列共振器の周
期の増加とを組合せて弾性表面波素子を構成してもよ
い。
【0028】次に、通過帯域が送信用フィルタの通過帯
域よりも高周波数側にある受信用フィルタを構成する場
合の耐電力性について説明する。ここで、一般に弾性表
面波素子を用いた分波器は、図5のような構成を持つ。
アンテナ部に対して、共通信号端子TOを介して、送信
用フィルタTX(F2)と受信用フィルタRX(F1)と
が接続されている。ここで、図6に示すように、受信用
フィルタRXの通過帯域(中心周波数f1)が、送信用フ
ィルタTXの通過帯域(中心周波数f2)よりも高周波側
にある場合を考えると、受信用フィルタRXの低周波側
の抑圧域に送信用フィルタTXからの漏れ電力が印加さ
れて受信用フィルタRXが劣化する場合がある。
【0029】すなわち、送信用フィルタTXの漏れ電力
は、受信側フィルタRXの通過帯域の低周波側の近傍付
近に印加されるため、受信側フィルタRXの低周波側の
最弱部分である信号入力側の初段の並列共振器が劣化す
る。
【0030】そこで、このような受信用フィルタにおい
ては、入力側初段の並列共振器の電極指の周期λP1を、
他段の並列共振器の電極指の周期よりも小さくする。具
体的には、入力側初段の並列共振器の電極指の周期λP1
を並列共振器全体の電極指の周期の平均値λPavより
も、1%以内だけ小さくする。すなわち、0.99λ
Pav≦λP1<λPavとする。これにより、入力側初段の並
列共振器の共振周波数は、他段の並列共振器の共振周波
数より高周波側にシフトするため、入力側初段の並列共
振器は劣化しにくくなり、その結果、受信用の弾性表面
波素子の耐電力性が向上できる。
【0031】また、1つの弾性表面波共振器は、その静
電容量Cが大きいほど耐電力性に優れていることが知ら
れている。したがって、弾性表面波素子の直列共振器に
ついて、より静電容量の大きな共振器に分割して構成す
れば、耐電力性に優れた共振器とすることができる。た
とえば、静電容量Cを持つ直列腕の弾性表面波共振器
は、静電容量がCであるただ1つの共振器によって構成
するよりも、共振器を2つに分割し、静電容量が2Cで
ある2つの共振器を直列に接続することによって構成し
た方が耐電力性が高くなる。あるいは、静電容量が1つ
の共振器の静電容量よりも大きい3個以上の共振器に分
割して、これらの3個以上の共振器を直列に接続して、
1つの直列腕の弾性表面波共振器を構成してもよい。
【0032】以上、この発明について、主として4つの
実施の形態を示したが、それぞれの形態についての実施
例を次に示す。なお、これらの実施例によって、この発
明が限定されるものではない。
【実施例】
実施例1:直列共振器の電極指の周期の変化 この実施例では、1.8GHz帯の送信用フィルタ(送
信帯域;1850〜1885MHz)を対象とした。図
7に示すように、正規型の一端子対弾性表面波共振器を
直列腕に4個(直列共振器:S1,S2,S3,S4)、並
列腕に2個(並列共振器:P1,P2)接続した梯子型の
送信用フィルタ(弾性表面波素子)を作製した。単結晶
圧電基板にLiTaO336°Ycut−X伝播の基板
を使用し、励振電極、反射器の電極膜はDCスパッタ法
により成膜したA1(700Å)/Cu(150Å)/
A1(700Å)3層膜とした。ここで、S1が入力側
から見て初段の直列共振器、P1が入力側から見て初段
の並列共振器とする。
【0033】直列共振器の周期を変えた3種類のサンプ
ルA,B,Cを作成して、耐電力性の試験を行った。各
サンプルの共振器の設計内容を次に示す。開口長,電極
指の対数は各サンプルとも共通であり、直列共振器につ
いては、開口長:30μn,対数:155対,反射器:
80対とし、並列共振器は、開口長:60μm,対数:
90対,反射器:100対とした。
【0034】電極指の周期については、並列共振器は各
サンプルとも共通であり、2.140μmとした。直列
共振器に関しては、サンプルAは、S1〜S4まですべて
共通であり2.065μm、サンプルBはS1が2.0
60μm、S2〜S4が2.065μm、サンプルCは、
1が2.055μm、S2とS3が2.060μm、S4
が2.065μmである。この時、サンプルBでは、S
1の周期が各直列共振器の周期の平均値の−0.18%
だけ変えられており、サンプルCでは、S1の周期が−
0.24%、S4の周期が+0.24%だけ変えられて
いる。
【0035】上記の各サンプルについて耐電力評価を寿
命試験で行った。試験の条件は、環境温度85℃、印加
周波数は仕様帯域内で最も弱い周波数の1885MHz
である。評価結果を図8に示す。ここで縦軸の寿命(時
間:hr)とは、送信用フィルタの仕様帯域幅が5%以
上小さくなるまでの時間である。0.3W印加時の寿命
は、サンプルA,B,Cの順に、80hr,165h
r,270hrであった。
【0036】このように、各直列共振器の電極指の周期
を変えることにより、サンプルAに対し、サンプルBの
場合約2倍,サンプルCの場合約3.5倍に、寿命すな
わち耐電力性が改善した。特に、入力側初段の直列共振
器の周期を小さくすることは有効である。また、サンプ
ルCのように、信号入力側から見て、直列共振器の電極
指の周期を順に大きくするか、又は、途中の一部分の周
期を等しくしてもよい。
【0037】実施例2:並列共振器の電極指の変化 実施例1と同様な構成の梯子型の送信用フィルタを用意
した。しかし、ここでは、各直列共振器の周期をすべて
一定とし、各並列共振器の周期のみを変化させた。サン
プルは2種類用意し、サンプルAは、実施例1と全く同
じものを用い、サンプルDは、並列共振器P2の周期を
2.140μm,P1の周期を2.145μmとした。
この時、サンプルDのP1の周期は、各並列共振器の周
期の平均値の+0.12%だけ変えられている。すなわ
ち、入力側から見て初段の並列共振器P1の電極指の周
期を大きくしている。
【0038】上記の2種類のサンプルの耐電力評価を寿
命試験で行った。試験の条件は、環境温度85℃,印加
周波数は通過帯域内の左端の周波数の1850MHzで
ある。評価結果を図9に示す。0.3W印加時の寿命
は、サンプルA,Dの順に325hr,780hrであ
った。このように、各並列共振器の周期を変えることに
より、サンプルAに対し、Dの場合約2.4倍に寿命す
なわち耐電力性が改善した。また、3つ以上の並列共振
器からなる場合は、信号入力側から見て、並列共振器の
電極指の周期を順に小さくするか、又は途中の一部分の
周期を等しくしてもよい。
【0039】実施例3:受信用フィルタの並列共振器の
電極指の変化 この実施例では、1.8GHz帯の受信用フィルタ(受
信帯域;1930〜1965MHz)を対象とした。図
10に示すように、正規型の一端子弾性表面波共振器を
直列腕に4個(直列共振器:S1,S2,S3,S4)、並
列腕に3個(並列共振器:P1,P2,P3)接続した梯
子型の受信用フィルタを作製した。単結晶圧電基板にL
iTaO336°Ycut−X伝播の基板を使用し、電
極膜はDCスパッタ法により成膜したA1(700Å)
/Cu(150Å)/A1(700Å)3層膜とした。
【0040】並列共振器の周期を変えた3種類のサンプ
ルをE,F,Gを作成して、耐電力性の試験を行った。
各サンプルの共振器の設計内容を次に示す。開口長,電
極指の対数は各サンプルとも共通であり、直列共振器に
ついては、開口長:30μm,対数:150対,反射
器:80対とし、並列共振器は、開口長:60μm,対
数:90対,反射器:100対とした。
【0041】電極指の周期については、直列共振器は各
サンプルとも共通であり、2.040μm、並列共振器
に関して、サンプルEは、P1〜P3まですべて共通であ
り2.110μm、サンプルFは、P1が2.105μ
m、P2,P3が2.110μm、サンプルGは、P1
2.105μm、P2が2.110μm、P3が2.11
5μmである。この時、サンプルFでは、P1の周期が
各並列共振器の周期の平均値の−0.16%だけ変えら
れており、サンプルGでは、P1の周期が−0.24
%、P3の周期が+0.24%だけ変えられている。
【0042】上記の各サンプルの耐電力評価を寿命試験
で行った。ところで、アンテナデュプレクサにおいて
は、送信用フィルタよりも高周波側にある受信用フィル
タの場合、送信用フィルタからの漏れ電力が、受信用フ
ィルタの低周波側の減衰域に印加される。試験の条件
は、環境温度85℃,印加周波数は送信フィルタの帯域
内で最も受信フィルタの耐電力性が弱い周波数の188
5MHzである。
【0043】評価結果を図11に示す。80mW印加時
の寿命は、サンプルE,F,Gの順に、40hr,14
5hr,170hrであった。このように、各並列共振
器の周期を変えることにより、サンプルEに対し、サン
プルFの場合約3.6倍,サンプルGの場合約4.3倍
に、寿命すなわち耐電力性が改善した。特に、信号入力
側初段の並列共振器の周期を小さくすることは有効であ
る。
【0044】実施例4:直列共振器の分割構成 この実施例では、1.8GHz帯の送信用フィルタ(送
信帯域;1850〜1885MHz)を対象とした。単
結晶圧電基板にLiTaO336°Ycut−X伝播の
基板を使用し、電極膜はDCスパッタ法により成膜した
A1(700Å)/Cu(150Å)/A1(700
Å)3層膜である。図4に示すような正規型一端子対弾
性表面波共振器を直列腕に4個(S1,S2,S3
4)、並列腕に2個(P1,P2)接続した梯子型の送
信用フィルタ(サンプルA)と、図12に示すようなS
1共振器を2つに分割した送信用フィルタ(サンプル
H)の耐電力性を比較評価した。
【0045】この際、サンプルAのS1共振器1個の容
量と、サンプルHの2個の共振器S1 1,S12の容量の和
が同じになるようにした。2つの共振器S11,S12は、
直列に接続され、どちらもサンプルAのS1共振器の容
量の2倍である。たとえば、S1共振器1個の静電容量
を、開口長100μm,1対当り4×10-2pF程度と
するとき、S11,S12の静電容量は、開口長100μ
m,1対当り8×10-2pFとする。
【0046】各サンプルの共振器の設計内容を次に示
す。サンプルAは、実施例1で用いたものと同じサンプ
ルである。また、サンプルHの2個の共振器S11,S12
は同じ構成を有し、開口長:60μm,対数:155
対,反射器:80対である。電極指の周期は、直列共振
器はすべて2.065μm、並列共振器はすべて2.1
40μmである。
【0047】上記の各サンプルの耐電力評価を寿命試験
で行った。試験の条件は、環境温度85℃、印加周波数
は通過帯域内で最も弱い周波数の1885MHzであ
る。評価結果を図13に示す。0.3W印加時の寿命
は、サンプルA,Hそれぞれ、80hr,460hrで
あった。上記のように、直列共振器の全体の容量を変え
ずに、直列共振器を分割して構成することにより、サン
プルAに対し、Hの寿命は5.8倍改善した。なお、こ
の実施例では直列共振器を2つに分割したものを示した
が、3個以上に分割して構成してもよい。
【0048】また、以上の4つの実施例に示した弾性表
面波共振器の構成は、分波器等を構成する場合に、必要
に応じて、適当に組み合わせて用いてもよい。この場合
でも送信用あるいは受信用フィルタの帯域特性に影響を
与えないで、耐電力性を向上させることができる。
【0049】
【発明の効果】この発明によれば、各直列共振器あるい
は並列共振器の電極指の周期を異ならせた構成、あるい
は、1つの直列共振器の容量が増えるようにその直列共
振器を複数個に分割した構成を採用するため、弾性表面
波素子の耐電力性を向上させることができる。よって、
この発明は、弾性表面波素子を用いたアンテナデュプレ
クサの実用化に寄与するばかりでなく、電極指の線幅を
微細化する必要のある準マイクロ波帯弾性表面波素子の
信頼性向上にも大きく寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の梯子型の弾性表面波素子の一実施例
の回路図である。
【図2】この発明の1端子対弾性表面波共振器の一実施
例のパターン構成図である。
【図3】この発明の弾性表面波素子の減衰量及び温度の
周波数特性を示した図である。
【図4】この発明の弾性表面波素子の共振器の周波数特
性の説明図である。
【図5】この発明の弾性表面波素子を利用した分波器の
基本構成図である。
【図6】図5の分波器における各フィルタの周波数特性
図である。
【図7】この発明の実施例1における弾性表面波素子の
回路図である。
【図8】この発明の実施例1における寿命試験結果のグ
ラフである。
【図9】この発明の実施例2における寿命試験結果のグ
ラフである。
【図10】この発明の実施例3における弾性表面波素子
の回路図である。
【図11】この発明の実施例3における寿命試験結果の
グラフである。
【図12】この発明の実施例4における弾性表面波素子
の回路図である。
【図13】この発明の実施例4における寿命試験結果の
グラフである。
【符号の説明】
1 励振電極 2 励振電極 3 反射器 4 反射器 10 電極指 λ 電極指の周期 Y 開口長 S1 直列共振器 S2 直列共振器 S3 直列共振器 S4 直列共振器 P1 並列共振器 P2 並列共振器 F1 受信用フィルタ(RX) F2 送信用フィルタ(TX
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−55640(JP,A) 特開 平5−183380(JP,A) 特開 平10−209807(JP,A) 特開 平9−116380(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H03H 9/64 H03H 9/145 H03H 9/25

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の共振周波数を有する第1の1端子
    対弾性表面波共振器を並列腕に、該第1の1端子対弾性
    表面波共振器の***振周波数に略一致する共振周波数を
    有する第2の1端子対弾性表面波共振器を直列腕にそれ
    ぞれ複数個配列した梯子型の弾性表面波素子を送信用の
    フィルタに用いた分波器であって、前記第1及び第2の
    1端子対弾性表面波共振器が、所定数の電極指を有する
    くし形電極から構成され、第2の1端子対弾性表面波共
    振器のうち、少なくとも1つの1端子対弾性表面波共振
    器の電極指の周期λが、次式、0.99λav2<λ<
    1.01λav2(式中、λav2:第2の1端子対弾性表面
    波共振器の電極指の周期の平均値、ただしλ≠λ av2
    で表されることを特徴とする弾性表面波素子を送信用の
    フィルタに用いた分波器。
  2. 【請求項2】 さらに第1の1端子対弾性表面波共振器
    のうち、少なくとも1つの1端子対弾性表面波共振器の
    電極指の周期λが、次式、0.99λav1<λ<1.0
    1λav1(式中、λ av1 :第1の1端子対弾性表面波共振
    器の電極指の周期の平均値、ただしλ≠λ av1 )で表わ
    されることを特徴とする請求項1記載の分波器
  3. 【請求項3】 所定の共振周波数を有する第1の1端子
    対弾性表面波共振器を並列腕に、該第1の1端子対弾性
    表面波共振器の***振周波数に略一致する共振周波数を
    有する第2の1端子対弾性表面波共振器を直列腕にそれ
    ぞれ複数個配列した梯子型の弾性表面波素子であって、
    前記第1及び第2の1端子対弾性表面波共振器が、所定
    数の電極指を有するくし形電極から構成され、第2の1
    端子対弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの1端
    子対弾性表面波共振器の電極指の周期λが、次式、0.
    99λ av2 <λ<1.01λ av2 (式中、λ av2 :第2の1端子対弾性表面波共振器の電
    極指の周期の平均値、ただし、λ≠λ av2 で表され、 信号入力側から見て初段の第2の1端子対弾
    性表面波共振器の電極指の周期が、他の第2の1端子対
    弾性表面波共振器の電極指の周期よりも小さいことを特
    徴とする弾性表面波素子。
  4. 【請求項4】 所定の共振周波数を有する第1の1端子
    対弾性表面波共振器 を並列腕に、該第1の1端子対弾性
    表面波共振器の***振周波数に略一致する共振周波数を
    有する第2の1端子対弾性表面波共振器を直列腕にそれ
    ぞれ複数個配列した梯子型の弾性表面波素子であって、
    前記第1及び第2の1端子対弾性表面波共振器が、所定
    数の電極指を有するくし形電極から構成され、第2の1
    端子対弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの1端
    子対弾性表面波共振器の電極指の周期λが、次式、0.
    99λ av2 <λ<1.01λ av2 (式中、λ av2 :第2の1端子対弾性表面波共振器の電
    極指の周期の平均値、ただしλ≠λ av2 で表され、 複数個の第2の1端子対弾性表面波共振器の
    電極指の周期が、信号入力側から順に等しいか大きいこ
    とを特徴とする弾性表面波素子。
  5. 【請求項5】 所定の共振周波数を有する第1の1端子
    対弾性表面波共振器を並列腕に、該第1の1端子対弾性
    表面波共振器の***振周波数に略一致する共振周波数を
    有する第2の1端子対弾性表面波共振器を直列腕にそれ
    ぞれ複数個配列した梯子型の弾性表面波素子を送信用の
    フィルタに用いた分波器であって、前記第1及び第2の
    1端子対弾性表面波共振器が、所定数の電極指を有する
    くし形電極から構成され、第1の1端子対弾性表面波共
    振器のうち、少なくとも1つの1端子対弾性表面波共振
    器の電極指の周期λが、次式、0.99λav1<λ<
    1.01λav1 (式中、λav1:第1の1端子対弾性表面波共振器の電
    極指の周期の平均値、ただし、λ≠λ av1 ) で表わされることを特徴とする弾性表面波素子を送信用
    のフィルタに用いた分波器。
  6. 【請求項6】 所定の共振周波数を有する第1の1端子
    対弾性表面波共振器を並列腕に、該第1の1端子対弾性
    表面波共振器の***振周波数に略一致する共振周波数を
    有する第2の1端子対弾性表面波共振器を直列腕にそれ
    ぞれ複数個配列した梯子型の弾性表面波素子であって、
    前記第1及び第2の1端子対弾性表面波共振器が、所定
    数の電極指を有するくし形電極から構成され、第2の1
    端子対弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの1端
    子対弾性表面波共振器の電極指の周期λが、次式、0.
    99λ av2 <λ<1.01λ av2 (式中、λ av2 :第2の1端子対弾性表面波共振器の電
    極指の周期の平均値、ただし、λ≠λ av2 で表わされ、さらに第1の1端子対弾性表面波共振器の
    うち、少なくとも1つの1端子対弾性表面波共振器の電
    極指の周期λが、次式、0.99λ av1 <λ<1.01
    λ av1 (式中、λ av1 :第1の1端子対弾性表面波共振器の電
    極指の周期の平均値、ただし、λ≠λ av1 で表わされ、 信号入力側から見て初段の第1の1端子対
    弾性表面波共振器の電極指の周期が、他の第1の1端子
    対弾性表面波並列共振器の電極指の周期よりも大きいこ
    とを特徴とする弾性表面波素子。
  7. 【請求項7】 所定の共振周波数を有する第1の1端子
    対弾性表面波共振器を並列腕に、該第1の1端子対弾性
    表面波共振器の***振周波数に略一致する共振周波数を
    有する第2の1端子対弾性表面波共振器を直列腕にそれ
    ぞれ複数個配列した梯子型の弾性表面波素子であって、
    前記第1及び第2の1端子対弾性表面波共振器が、所定
    数の電極指を有するくし形電極から構成され、第1の1
    端子対弾性表面波共振器のうち、少なくとも1つの1端
    子対弾性表面波共振器の電極指の周期λが、次式、0.
    99λ av1 <λ<1.01λ av1 (式中、λ av1 :第1の1端子対弾性表面波共振器の電
    極指の周期の平均値、ただし、λ≠λ av1 で表わされ、信号入力側から見て初段の第1の1端子対
    弾性表面波共振器の電極指の周期が、他の第1の1端子
    対弾性表面波並列共振器の電極指の周期よりも大きいこ
    とを特徴とする弾性表面波素子。
  8. 【請求項8】 複数個の第1の1端子対弾性表面波共振
    器の電極指の周期が、信号入力側から順に等しいか小さ
    いことを特徴とする請求項2又は5記載の弾性表面波素
    子を送信用のフィルタに用いた分波器。
  9. 【請求項9】 信号入力側から見て初段となり、所定の
    共振周波数を有する第1の1端子対弾性表面波共振器を
    並列腕に、該第1の1端子対弾性表面波共振器の***振
    周波数に略一致する共振周波数を有する第2の1端子対
    弾性表面波共振器を直列腕にそれぞれ複数個配列した梯
    子型の弾性表面波素子を受信用のフィ ルタに用いた分波
    器であって、前記第1及び第2の1端子弾性表面波共振
    器が、所定数の電極指を有するくし形電極から構成さ
    れ、第1の1端子対弾性表面波共振器のうち、少なくと
    も1つの1端子対弾性表面波共振器の電極指の周期λ
    が、次式、0.99λ av1 <λ<1.01λ av1 (式中、
    λ av1 :第1の1端子対弾性表面波共振器の電極指の周
    期の平均値、ただしλ≠λ av1 )で表され、前記第1の
    1端子対弾性表面波共振器の電極指の周期が、他の第1
    の1端子対弾性表面波共振器の電極指の周期よりも小さ
    いことを特徴とする弾性表面波素子を受信用のフィルタ
    に用いた分波器。
  10. 【請求項10】 信号入力側から見て初段となり、所定
    の共振周波数を有する第1の1端子対弾性表面波共振器
    を並列腕に、該第1の1端子対弾性表面波共振器の***
    振周波数に略一致する共振周波数を有する第2の1端子
    対弾性表面波共振器を直列腕にそれぞれ複数個配列した
    梯子型の弾性表面波素子を受信用のフィルタに用いた分
    波器であって、前記第1及び第2の1端子弾性表面波共
    振器が、所定数の電極指を有するくし形電極から構成さ
    れ、第1の1端子対弾性表面波共振器のうち、少なくと
    も1つの1端子対弾性表面波共振器の電極指の周期λ
    が、次式、0.99λ av1 <λ<1.01λ av1 (式中、
    λ av1 :第1の1端子対弾性表面波共振器の電極指の周
    期の平均値、ただしλ≠λ av1 )で表され、複数個の第
    1の1端子対弾性表面波共振器の電極指の周期が、信号
    入力側から順に等しいか大きいことを特徴とする弾性表
    面波素子を受信用のフィルタに用いた分波器。
  11. 【請求項11】 所定の共振周波数を有する第1の1端
    子対弾性表面波共振器を並列腕に、該第1の1端子対弾
    性表面波共振器の***振周波数に略一致する共振周波数
    を有する第2の1端子対弾性表面波共振器を直列腕にそ
    れぞれ複数個配列した梯子型の弾性表面波素子であっ
    て、信号入力側から見て初段の第2の1端子対弾性表面
    波共振器のみが、直列に接続された複数個の分割弾性表
    面波共振器から構成されたことを特徴とする弾性表面波
    素子。
  12. 【請求項12】 信号入力側から見て初段となる第2の
    1端子対弾性表面波共振器のみが、直列に接続された複
    数個の分割弾性表面波共振器から構成されたことを特徴
    とする請求項1,2又は5のいずれかに記載した分波
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