JP4105826B2 - 二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二酸化炭素(CO2 )冷媒を使用する冷凍機油組成物に関する。この冷凍機油組成物は、二酸化炭素冷媒を使用する圧縮式冷凍機、具体的にはカ−エアコン、冷蔵庫、冷凍庫、空調器、ヒ−トポンプ等の冷凍、冷暖房設備に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
一般に、冷凍機、例えば圧縮機,凝縮器,膨張弁,蒸発器からなる圧縮型冷凍機の圧縮式冷凍サイクルは、冷媒と潤滑油との混合液体がこの密閉された系内を循環する構造となっている。このような圧縮型冷凍機には、冷媒として、従来ジクロロジフルオロメタン(R−12)やクロロジフルオロメタン(R−22)等のクロロフルオロカーボンが用いられており、また、それと併用する多数の潤滑油が製造され使用されてきた。しかるに、従来冷媒として使用されてきたこれらのフロン化合物は、大気中に放出されたときに、成層圏に存在するオゾン層を破壊するなどの環境汚染をもたらすおそれがあることから、最近、世界的にその使用に対する規制が厳しくなりつつある。そのため、新しい冷媒として1,1,1,2−テトラフルオロエタン(R−134a)で代表されるハイドロフルオロカーボンやフルオロカーボンなどが注目されるようになってきた。このハイドロフルオロカーボン等は、オゾン層を破壊するおそれがないが、大気中での寿命が長いため地球温暖化への影響が懸念され、近年このような問題のない自然系冷媒の使用が考えられてきた。
【0003】
一方で、二酸化炭素は環境に対して無害であり、人に対する安全性という観点では優れたものであり、更に、いたる場所で簡単に入手可能、回収不要で非常に安価であるなどの利点を有しており、従来から冷凍機などの冷媒として通常使用されてきたものである。
例えば、ポリオキシアルキレングリコ−ルが二酸化炭素冷媒用冷凍機油としてシ−ル性等を改良するという開示がある(特開平10−46169号)。
【0004】
しかし、この二酸化炭素冷媒用冷凍機油として有効なポリオキシアルキレングリコ−ルでも低温における二酸化炭素冷媒との相溶性が必ずしも完全ではないことが判明した。
従って、低温における二酸化炭素冷媒との相溶性が更に優れる冷凍機油が望まれている。
【0005】
また、二酸化炭素冷媒を使用する系は、R−134aなどを用いた系に比べ吐出圧が高く、かつ高温になり、冷凍機油が超臨界状態の二酸化炭素に晒される。そのため、従来一般的に使用されている潤滑油で潤滑すると安定性が悪くなって長期の安定使用ができなくなり、また耐摩耗性が不充分になる等潤滑性が劣ってきたりする等予想外の問題が生じていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記観点からなされたもので、二酸化炭素を主成分とする冷媒との相溶性が一層優れる冷凍機油組成物を提供することを第一の目的とする。
また、上記の相溶性を維持しながら、超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で安定性及び潤滑性が優れ長期に使用可能な冷凍機油組成物を提供することを第二の目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリオキシアルキレングリコ−ルにポリビニルエ−テルを配合すると、意外にも、ポリオキシアルキレングリコ−ルの二酸化炭素冷媒に対する相溶性が向上すること(第一発明)及び、そのような冷凍機油組成物に特定の添加剤を配合すると、相溶性を維持しつつ、超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で安定性及び潤滑性を向上できること(第二発明)を見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完成したものである。すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
【0008】
〔1〕 (A)100℃における動粘度が3〜50mm2 /sのポリオキシアルキレングリコ−ルと(B)100℃における動粘度が3〜50mm2 /sのポリビニルエ−テルとの混合物を主成分とする二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
〔2〕 100℃における動粘度が3〜50mm2 /sであり、粘度指数が100以上である上記〔1〕に記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
【0009】
〔3〕 ポリオキシアルキレングリコ−ルが一般式(I)で表される化合物である上記〔1〕又は〔2〕に記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
R1 −〔(OR2 )m −OR3 〕n ・・・(I)
(式中、R1 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10のアシル基又は結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基、R3 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基、nは1〜6の整数、mはm×nの平均値が6〜80となる数を示す。)
〔4〕 ポリビニルエ−テルが一般式(V)で表される化合物である上記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
【0010】
【化2】
【0011】
(式中、R16,R17及びR18はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R19は炭素数1〜10の二価の炭化水素基、R20は炭素数1〜20の炭化水素基、kはその平均値が0〜10の数を示し、R16〜R20は構成単位毎に同一であってもそれぞれ異なっていてもよく、またR19Oが複数ある場合には、複数のR19Oは同一でも異なっていてもよい。)
〔5〕 (A)と(B)の混合割合が40〜99.9:60〜0.1(重量比)である上記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
【0012】
〔6〕 酸捕捉剤を配合した上記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
〔7〕 極圧剤を配合した上記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
〔8〕 極圧剤がカルボン酸の金属塩及びリン系極圧剤から選ばれた1種又は2種以上である上記〔7〕に記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本出願の第一の発明は、(A)100℃における動粘度が3〜50mm2 /s、好ましくは5〜40mm2 /s、より好ましくは7〜40mm2 /s、特に好ましくは7〜30mm2 /sのポリオキシアルキレングリコ−ルと(B)100℃における動粘度が3〜50mm2 /s,好ましくは5〜30mm2 /s,特に好ましくは7〜20mm2 /sのポリビニルエ−テルとの混合物を主成分とする二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物である。
【0014】
それぞれの動粘度の限定は、その下限については混合物である二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物の動粘度を適正に保ち、その潤滑性を発揮するためであり、一方その上限については動力損失により冷凍装置の運転の実用性を損なわないためである。
すなわち、本発明の(A)成分と(B)成分との混合物からなる二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物の動粘度は3〜50mm2 /s、さらには5〜40mm2 /s、特に7〜30mm2 /sであることが好ましい。また、その粘度指数は100以上、さらには120以上、特に130以上であるものが好ましい。冷凍機油組成物の粘度指数が100未満であると、高温において実質的な動粘度が低下し、前記した潤滑性を確保する前提が満たされない場合があるからである。
【0015】
なお、本発明の(A)成分と(B)成分との混合物を主成分とする二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物の二酸化炭素冷媒に対する臨界溶解温度は−60℃以上、特に、−50℃以上であることが好ましい。臨界溶解温度が高いと冷凍サイクル内での潤滑状態を良好に保つことができる効果がある。
ここで、二酸化炭素冷媒に対する臨界溶解温度は、二酸化炭素と冷凍機油との9:1(重量比)の混合物を極低温で溶解させた後、一定速度で昇温する過程で層分離する温度をいい、具体的には、後述の実施例の項で説明する方法が用いられる。
【0016】
本発明の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物の(A)成分のポリオキシアルキレングリコ−ルと(B)成分のポリビニルエ−ルとの混合割合は(A)成分:(B)成分=40〜99.9:60〜0.1(重量比:以下同じ),さらには50〜99:50〜1,特に60〜98:40〜2であることが好ましい。(B)成分が60%を超えると冷凍機油組成物の粘度指数が充分でなく、(B)成分が0.1%未満であると冷凍機油組成物の二酸化炭素冷媒に対する溶解性の向上効果が充分でない。
【0017】
本発明の(A)成分に用いるポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば一般式(I)
R1 −〔(OR2 )m −OR3 〕n ・・・(I)
(式中、R1 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10のアシル基又は結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基、R3 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基、nは1〜6の整数、mはm×nの平均値が6〜80となる数を示す。)
で表される化合物が挙げられる。
【0018】
上記一般式(I)において、R1 ,R3 におけるアルキル基は直鎖状,分岐鎖状,環状のいずれであってもよい。該アルキル基の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,各種ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,シクロペンチル基,シクロヘキシル基などを挙げることができる。このアルキル基の炭素数が10を超えると冷媒との相溶性が低下し、相分離を生じる場合がある。好ましいアルキル基の炭素数は1〜6である。
【0019】
また、R1 ,R3 における該アシル基のアルキル基部分は直鎖状,分岐鎖状,環状のいずれであってもよい。該アシル基のアルキル基部分の具体例としては、上記アルキル基の具体例として挙げた炭素数1〜9の種々の基を同様に挙げることができる。該アシル基の炭素数が10を超えると冷媒との相溶性が低下し、相分離を生じる場合がある。好ましいアシル基の炭素数は2〜6である。
【0020】
R1 及びR3 が、いずれもアルキル基又はアシル基である場合には、R1 とR3 は同一であってもよいし、たがいに異なっていてもよい。
さらにnが2以上の場合は、1分子中の複数のR3 は同一であってもよいし、異なっていてもよい。
R1 が結合部位2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基である場合、この脂肪族炭化水素基は鎖状のものであってもよいし、環状のものであってもよい。結合部位2個を有する脂肪族炭化水素基としては、例えばエチレン基,プロピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,ヘプチレン基,オクチレン基,ノニレン基,デシレン基,シクロペンチレン基,シクロヘキシレン基などが挙げられる。また、結合部位3〜6個を有する脂肪族炭化水素基としては、例えばトリメチロールプロパン,グリセリン,ペンタエリスリトール,ソルビトール;1,2,3−トリヒドロキシシクロヘキサン;1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどの多価アルコールから水酸基を除いた残基を挙げることができる。
【0021】
この脂肪族炭化水素基の炭素数が10を超えると冷媒との相溶性が低下し、層分離が生じる場合がある。好ましい炭素数は2〜6である。
本発明においては、上記R1 及びR3 は少なくとも一つがアルキル基、特に炭素数1〜3のアルキル基であることが好ましく、とりわけメチル基であることが粘度特性の点から好ましい。更には、上記と同様の理由からR1 及びR3 の両方がアルキル基、特にメチル基であることが好ましい。
【0022】
前記一般式(I)中のR2 は炭素数2〜4のアルキレン基であり、繰り返し単位のオキシアルキレン基としては、オキシエチレン基,オキシプロピレン基,オキシブチレン基が挙げられる。1分子中のオキシアルキレン基は同一であってもよいし、2種以上のオキシアルキレン基が含まれていてもよい。とりわけ、オキシエチレン基(EO)とオキシプロピレン基(PO)を含む共重合体が好ましく、このような場合、焼付荷重,粘度特性の点からEO/(PO+EO)の値が0.1〜0.8の範囲にあることが好ましく、また、吸湿性の点からはEO/(PO+EO)の値が0.3〜0.6の範囲にあることが好ましい。
【0023】
前記一般式(I)中のnは1〜6の整数で、R1 の結合部位の数に応じて定められる。例えばR1 がアルキル基やアシル基の場合、nは1であり、R1 が結合部位2,3,4,5及び6個を有する脂肪族炭化水素基である場合、nはそれぞれ2,3,4,5及び6となる。また、mはm×nの平均値が6〜80となる数であり、m×nの平均値が前記範囲を逸脱すると本発明の目的は十分に達せられない。
【0024】
前記一般式(I)で表されるポリアルキレングリコールは、末端に水酸基を有するポリアルキレングリコールを包含するものであり、該水酸基の含有量が全末端基に対して、50モル%以下になるような割合であれば、含有していても好適に使用することができる。この水酸基の含有量が50モル%を超えると吸湿性が増大し、粘度指数が低下するので好ましくない。
【0025】
このようなポリアルキレングリコールとしては、一般式
【0026】
【化3】
【0027】
(式中、xは6〜80の数を示す。)
で表されるポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテル、一般式
【0028】
【化4】
【0029】
(式中、a及びbは、それぞれ1以上で、かつそれらの合計が6〜80となる数を示す。)
で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールジメチルエーテルが経済性及び効果の点で好適であり、また一般式
【0030】
【化5】
【0031】
(式中、xは6〜80の数を示す。)
で表されるポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、さらにはポリオキシプロピレングリコールジアセテートなどが、経済性等の点で好適である。
なお、上記一般式(I)で表されるポリアルキレングリコールについては、特開平2−305893号公報に詳細に記載されたものをいずれも使用することができる。
【0032】
本発明においては、上記ポリオキシアルキレングリコールとして、
一般式(II)
【0033】
【化6】
【0034】
〔R4 〜R7 はそれぞれ水素,炭素数1〜10の一価の炭化水素基または一般式(III)
【0035】
【化7】
【0036】
(R8 及びR9 はそれぞれ水素,炭素数1〜10の一価炭化水素基又は炭素数2〜20のアルコキシアルキル基を示し、R10は炭素数2〜5のアルキレン基,アルキル基を置換基として有する総炭素数2〜5の置換アルキレン基又はアルコキシアルキル基を置換基として有する総炭素数4〜10の置換アルキレン基を示し、nは0〜20の整数、R11は炭素数1〜10の一価炭化水素を示す。)
で表される基であり、R4 〜R7 の少なくとも1つが一般式(III)で表される基である〕
で表される構成単位を少なくとも1個有するポリオキシアルキレングリコール誘導体を使用することができる。ここで、式中R4 〜R7 はそれぞれ水素,炭素数1〜10の一価の炭化水素基または上記一般式(III)で表わされるものであるが、炭素数1〜10の一価炭化水素基としては、炭素数6以下の一価の炭化水素基を好ましく使用でき、特に炭素数3以下のアルキル基が最適である。
【0037】
また一般式(III)において、R8 およびR9 はそれぞれ水素,炭素数1〜10の一価の炭化水素基または炭素数2〜20のアルコキシアルキル基を示すが、これらの中で炭素数3以下のアルキル基または炭素数6以下のアルコキシアルキル基が好ましい。
R10は炭素数2〜5のアルキレン基,アルキル基を置換基として有する総炭素数2〜5の置換アルキレン基又はアルコキシアルキル基を置換基として有する総炭素数4〜10の置換アルキレン基を示すが、好ましくは炭素数6以下のエチレン基及び置換エチレン基である。
【0038】
R11は炭素数1〜10の一価炭化水素基を示すが、これらの中で炭素数6以下の炭化水素基が好ましく、炭素数3以下の炭化水素基が特に好ましい。
なお、前述の一般式(II)におけるR4 〜R7 のうち少なくとも1つは、一般式(III)で表される基である。特に、R4 ,R6 のいずれか一つが一般式(III)の基であって、R4 ,R6 の残りの一つ及びR5,R7 がそれぞれ水素または炭素1〜10の一価炭化水素基であるのが好ましい。
【0039】
上記ポリオキシアルキレングリコール誘導体は、前記一般式(II)で表される構成単位を少なくとも1つ含有するものであるが、より詳しくはこの一般式(II)の構成単位からなる単独重合体,一般式(II)に含まれる2つ以上の異なる構成単位からなる共重合体,及び一般式(II)の構成単位と他の構成単位、例えば
一般式(IV)
【0040】
【化8】
【0041】
〔R12〜R15はそれぞれ水素又は炭素数1〜3のアルキル基を示す。〕
で表される構成単位からなる共重合体の三種類に大別することができる。
上記単独重合体の好適例は、一般式(II)で表される構成単位Aを1〜200個有するとともに、末端基がそれぞれ水酸基,炭素数1〜10のアシルオキシ基,炭素数1〜10のアルコキシ基あるいはアリーロキシ基からなるものをあげることができる。
【0042】
一方、共重合体の好適例は、一般式(II)で表される二種類の構成単位A,Bをそれぞれ1〜200個有するか、あるいは一般式(II)で表される構成単位Aを1〜200個と一般式(III)で表される構成単位Cを1〜200個有するとともに、末端基がそれぞれ水酸基,炭素数1〜10のアシルオキシ基,炭素数1〜10のアルコキシ基あるいはアリーロキシ基からなるものをあげることができる。 これらの共重合体は、構成単位Aと構成単位B(あるいは構成単位C)との交互重合,ランダム共重合,ブロック共重合体あるいは構成単位Aの主鎖に構成単位Bがグラフト結合したグラフト共重合体など様々なものがある。
【0043】
次に、本発明の(B)成分に用いるポリビニルエ−テルは、例えば、
(A)成分である基油として用いられるポリビニルエーテルとしては、例えば一般式(V)
【0044】
【化9】
【0045】
(式中、R16,R17及びR18はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、R19は炭素数1〜10の二価の炭化水素基、R20は炭素数1〜20の炭化水素基、kはその平均値が0〜10の数を示し、R16〜R20は構成単位毎に同一であってもそれぞれ異なっていてもよく、またR19Oが複数ある場合には、複数のR19Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構成単位を有するポリビニルエーテル系化合物が挙げられる。
【0046】
また、上記一般式(V)で表される構成単位と、一般式(VI)
【0047】
【化10】
【0048】
(式中、R21〜R24は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよく、またR21〜R24は構成単位毎に同一であってもそれぞれ異なっていてもよい。)
で表される構成単位とを有するブロック又はランダム共重合体からなるポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。
【0049】
上記一般式(V)におけるR16,R17及びR18はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8、好ましくは1〜4の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。ここで炭化水素基とは、具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,各種メチルシクロヘキシル基,各種エチルシクロヘキシル基,各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基,各種メチルフェニル基,各種エチルフェニル基,各種ジメチルフェニル基のアリール基、ベンジル基,各種フェニルエチル基,各種メチルベンジル基のアリールアルキル基を示す。なお、これらのR16,R17,R18としては、特に水素原子が好ましい。
【0050】
一方、一般式(V)中のR19は、炭素数1〜10、好ましくは2〜10の二価の炭化水素基を示すが、ここで炭素数1〜10の二価の炭化水素基とは、具体的にはメチレン基;エチレン基;フェニルエチレン基;1,2−プロピレン基;2−フェニル−1,2−プロピレン基;1,3−プロピレン基;各種ブチレン基;各種ペンチレン基;各種ヘキシレン基;各種ヘプチレン基;各種オクチレン基;各種ノニレン基;各種デシレン基の二価の脂肪族基、シクロヘキサン;メチルシクロヘキサン;エチルシクロヘキサン;ジメチルシクロヘキサン;プロピルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素に2個の結合部位を有する脂環式基、各種フェニレン基;各種メチルフェニレン基;各種エチルフェニレン基;各種ジメチルフェニレン基;各種ナフチレン基などの二価の芳香族炭化水素基、トルエン;キシレン;エチルベンゼンなどのアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分と芳香族部分にそれぞれ一価の結合部位を有するアルキル芳香族基、キシレン;ジエチルベンゼンなどのポリアルキル芳香族炭化水素のアルキル基部分に結合部位を有するアルキル芳香族基などがある。これらの中で炭素数2から4の脂肪族基が特に好ましい。
【0051】
なお、一般式(V)におけるkはR19Oの繰り返し数を示し、その平均値が0〜10、好ましくは0〜5の範囲の数である。R19Oが複数ある場合には、複数のR19Oは同一でも異なっていてもよい。
さらに、一般式(V)におけるR20は炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基を示すが、この炭化水素基とは、具体的にはメチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基のアルキル基、シクロペンチル基,シクロヘキシル基,各種メチルシクロヘキシル基,各種エチルシクロヘキシル基,各種プロピルシクロヘキシル基,各種ジメチルシクロヘキシル基などのシクロアルキル基、フェニル基,各種メチルフェニル基,各種エチルフェニル基,各種ジメチルフェニル基,各種プロピルフェニル基,各種トリメチルフェニル基,各種ブチルフェニル基,各種ナフチル基などのアリール基、ベンジル基,各種フェニルエチル基,各種メチルベンジル基,各種フェニルプロピル基,各種フェニルブチル基のアリールアルキル基などを示す。
【0052】
なお、該R16〜R20は構成単位毎に同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(V)で表されるポリビニルエーテル系化合物(1)は、その炭素/酸素モル比が4.2〜7.0の範囲にあるものが好ましい。このモル比が4.2未満では、吸湿性が高く、また7.0を超えると、冷媒との相溶性が低下する場合がある。
【0053】
上記一般式(VI)において、R21〜R24は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。ここで、炭素数1〜20の炭化水素基としては、上記一般式(V)におけるR20の説明において例示したものと同じものを挙げることができる。なお、R21〜R24は構成単位毎に同一であってもそれぞれ異なっていてもよい。
【0054】
該一般式(V)で表される構成単位と一般式(VI)で表される構成単位とを有するブロック又はランダム共重合体からなるポリビニルエーテル系化合物(2)は、その炭素/酸素モル比が4.2〜7.0の範囲にあるものが好ましく用いられる。このモル比が4.2未満では、吸湿性が高く、7.0を超えると、冷媒との相溶性が低下する場合がある。
【0055】
さらに本発明においては、上記ポリビニルエーテル系化合物(1)と上記ポリビニルエーテル系化合物(2)との混合物も使用することができる。
本発明に用いられるポリビニルエーテル系化合物(1)及び(2)は、それぞれ対応するビニルエーテル系モノマーの重合、及び対応するオレフィン性二重結合を有する炭化水素モノマーと対応するビニルエーテル系モノマーとの共重合により製造することができる。
【0056】
本発明に用いられるポリビニルエーテル系化合物としては、次の末端構造を有するもの、すなわちその一つの末端が、一般式(VII)又は(VIII)
【0057】
【化11】
【0058】
(式中、R25,R26及びR27は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R25,R26及びR27はたがいに同一でも異なっていてもよく、R30,R31,R32及びR33は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R30,R31,R32及びR33はたがいに同一でも異なっていてもよい。R28は炭素数1〜10の二価の炭化水素基、R29は炭素数1〜20の炭化水素基、pはその平均値が0〜10の数を示し、R28Oが複数ある場合には、複数のR28Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表され、かつ残りの末端が一般式(IX)又は(X)
【0059】
【化12】
【0060】
(式中、R34,R35及びR36は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、R34,R35及びR36はたがいに同一でも異なっていてもよく、R39,R40,R41及びR42は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜20の炭化水素基を示し、R39,R40,R41及びR42はたがいに同一でも異なっていてもよい。R37は炭素数1〜10の二価の炭化水素基、R38は炭素数1〜20の炭化水素基、qはその平均値が0〜10の数を示し、R37Oが複数ある場合には、複数のR37Oは同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するもの、及びその一つの末端が、上記一般式(VII)又は(VIII)で表され、かつ残りの末端が一般式(XI)
【0061】
【化13】
【0062】
(式中、R43,R44及びR45は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表される構造を有するものが好ましい。
このようなポリビニルエーテル系化合物の中で、特に次に挙げるものが本発明においては好適である。
(1)その一つの末端が一般式(VII)又は(VIII)で表され、かつ残りの末端が一般式(IX)又は(X) で表される構造を有し、一般式(V)におけるR16,R17及びR18が共に水素原子、kが0〜4の数、R19が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR20が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(2)一般式(V)で表される構成単位のみを有するものであって、その一つの末端が一般式(VII)で表され、かつ残りの末端が一般式(IX)で表される構造を有し、一般式(V)におけるR16,R17及びR18が共に水素原子、kが0〜4の数、R19が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR20が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(3)その一つの末端が一般式(VII)又は(VIII)で表され、かつ残りの末端が一般式(XI)で表される構造を有し、一般式(V)におけるR16,R17及びR18が共に水素原子、kが0〜4の数、R19が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR20が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
(4)一般式(V)で表される構成単位のみを有するものであって、その一つの末端が一般式(VII)で表され、かつ残りの末端が一般式(X)で表される構造を有し、一般式(V)におけるR16,R17及びR18が共に水素原子、kが0〜4の数、R19が炭素数2〜4の二価の炭化水素基及びR20が炭素数1〜20の二価の炭化水素基及びR20が炭素数1〜20の炭化水素基であるもの。
【0063】
また本発明においては、前記一般式(V)で表される構成単位を有し、その一つの末端が一般式(VII)で表され、かつ残りの末端が一般式(XII)
【0064】
【化14】
【0065】
(式中、R46,R47及びR48は、それぞれ水素原子又は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、それらはたがいに同一であっても異なっていてもよく、R49及びR51はそれぞれ炭素数2〜10の二価の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、R50及びR52はそれぞれ炭素数1〜10の炭化水素基を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、c及びdはそれぞれその平均値が0〜10の数を示し、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、また複数のR49Oがある場合には複数のR49Oは同一であっても異なっていてもよいし、複数のR51Oがある場合には複数のR51Oは同一であっても異なっていてもよい。)
で表される構造を有するポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。さらに、本発明においては、一般式(XIII)又は(XIV)
【0066】
【化15】
【0067】
(式中、R53は炭素数1〜8の炭化水素基を示す。)
で表される構成単位からなり、かつ重量平均分子量が300〜5,000であって、片末端が一般式(XV)又は(XVI)
【0068】
【化16】
【0069】
(式中、R54は炭素数1〜3のアルキル基、R55は炭素数1 〜8 の炭化水素基を示す。)
で表される構造を有するアルキルビニルエーテルの単独重合物又は共重合物からなるポリビニルエーテル系化合物も使用することができる。
なお、上記のポリビニルエーテルについては、特開平6−128578号公報又は特願平5−125649号,特願平5−125650号,特願平5−303736号各明細書のそれぞれに詳細に記載されているものをいずれも使用することができる。
【0070】
本出願の第一発明はの冷凍機油組成物は、(A)成分(B)成分の混合物を主成分とすればよく、上記以外のポリオ−ルエステル等のポリエステル、炭酸エステル、鉱油、ポリ−α−オレフィン等の炭化水素等を含んでいても良い。
次に本出願の第二発明は、上記第一発明の冷凍機油組成物にさらに酸捕捉剤又は、酸捕捉剤と極圧剤とを配合した組成物である。
【0071】
酸捕捉剤の配合により相溶性を維持しつつ、超臨界状態の二酸化炭素に晒された状況で安定性を向上できる。さらに極圧を併用すれば、安定性を向上し潤滑性をも向上できる。
酸捕捉剤としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル,アルキルグリシジルエーテル,アルキレングリコールグリシジルエーテル,シクロヘキセンオキサイド,α−オレフインオキサイド,エポキシ化大豆油などのエポキシ化合物を挙げることができる。中でも相溶性の点でフェニルグリシジルエーテル,アルキルグリシジルエーテル,アルキレングリコールグリシジルエーテル,シクロヘキセンオキサイド,α−オレフィンオキサイドが好ましい。
【0072】
このアルキルグリシジルエ−テルのアルキル基、及びアルキレングリコールグリシジルエーテルのアルキレン基は、分岐を有していてもよく、炭素数は通常3〜30、好ましくは4〜24、特に6〜16のものである。また、α−オレフィンオキサイドは全炭素数が一般に4〜30、好ましくは4〜24、特に6〜16のものを使用する。
【0073】
本発明においては、上記酸捕捉剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その配合量は、組成物に対して、0.005〜5重量%、特に0.05〜3重量%の範囲が好ましい。この量が0.005重量%未満ではこれを配合した効果が発揮でないおそがあり、また5重量%を超えるとスラッジ発生要因となるおそれがあって好ましくない。
【0074】
極圧剤としては、カルボン酸の金属塩が挙げられる。
ここでいうカルボン酸の金属塩は、好ましくは炭素数3〜60のカルボン酸、さらには炭素数3〜30、特に12〜30の脂肪酸の金属塩である。また、前記脂肪酸のダイマ−酸やトリマ−酸並びに炭素数3〜30のジカルボン酸の金属塩を挙げることができる。これらのうち炭素数12〜30の脂肪酸及び炭素数3〜30のジカルボン酸の金属塩が特に好ましい。
【0075】
一方、金属塩の金属はアルカリ金属又はアルカリ土類金属が好ましく、特に アルカリ金属が最適である。
上記カルボン酸の金属塩を構成するカルボン酸としては、各種のものがあり、例えば、脂肪族飽和モノカルボン酸、脂肪族不飽和カルボン酸、脂肪族ジカルボン酸、芳香族カルボン酸などが挙げられる。さらに具体例を挙げると、
脂肪族飽和モノカルボン酸としては、カプロン酸:カプリル酸:カプリン酸: ラウリル酸;ミリスチン酸:パルミチン酸:ステアリン酸:アラキン酸、セロチン酸、ラクセル酸等の直鎖飽和酸、あるいはイソペンタン酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルブタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2−メチルヘキサン酸、5−メチルヘキサン酸、2,2−ジメチルヘプタン酸、2−エチル−2−メチルブタン酸、2−エチルヘキサン酸、ジメチルヘキサン酸、2−n−プロピル−ペンタン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、ジメチルオクタン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソステアリン酸イソアラキン酸、イソヘキサン酸等の分岐脂肪酸が挙げられる。また、不飽和カルボン酸としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノ−ル酸、リノレン酸など、更にはリシノ−ル酸などの不飽和ヒドロキシ酸が挙げられる。また、脂肪族ジカルボン酸としてはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸が挙げられ、芳香族カルボン酸としては安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメット酸などが挙げられる。また、ナフテン酸などの脂環式脂肪酸を用いることもできる。上記のカルボン酸は2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0076】
カルボン酸の金属塩を構成する金属も特に制限なく各種のものが挙げられる。例えば、リチウム、カリウム、ナトリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属、その他の金属として亜鉛、ニッケル、アルミニウムなどを挙げることができる。
好ましい金属は、アルカリ金属及びアルカリ土類金属であり、特にアルカリ金属が最適である。
【0077】
上記カルボン酸1種あたりに化合される金属は1種に限らず2種以上であってもよい。
本発明の冷凍機油組成物において、上記カルボン酸の金属塩の配合量は0.001〜5重量%,特に0.005〜3重量%が好ましい。0.001重量%未満の場合、耐摩耗が充分でなく,5重量%を超えると安定性を低下させることがあるので好ましくない。
【0078】
カルボン酸の金属塩を配合する本発明の組成物を製造する方法は,上記(A)(B)からなる冷凍機油組成物(基油)に、カルボン酸の金属塩を配合すればよく、様々な方法によることができる。しかし、基油に対するカルボン酸の金属塩の溶解性を向上させるために、以下の方法で組成物を製造することが有効である。まず、カルボン酸の金属塩を予め溶解させておくため、溶媒にカルボン酸と水酸化アルカリとを投入して、室温あるいは加温下で反応させて、カルボン酸の金属塩を溶媒に溶解あるいは分散した状態を形成する。次に、上記溶媒に溶解、分散しているカルボン酸の金属塩をそのまま基油に配合し、混合、分散する。このよに、カルボン酸の金属塩を予め溶媒に溶解あるいは分散させ、しかる後に、基油に上記金属塩溶液あるいは分散液を配合することにより、効率よく目的の組成物を製造することができる。
【0079】
ここに用いる溶媒には、種々のものがあり、、例えば、一価アルコ−ル類としてはn−ブチルアルコ−ル;iso−ブチルアルコ−ル;sec−ブチルアルコ−ル;t−ブチルアルコ−ル;n−アミルアルコ−ル;iso−アミルアルコ−ル;sec−アミルアルコ−ル;n−ヘキシルアルコ−ル;メチルアミルアルコ−ル;エチルブチルアルコ−ル;ヘプチルアルコ−ル;n−オクチルアルコ−ル;sec−オクチルアルコ−ル;2−エチルヘキシルアルコ−ル;iso−オクチルアルコ−ル;n−ノニルアルコ−ル;2,6−ジメチル−4−ヘプタノ−ル;n−デシルアルコ−ル;シクロヘキサノ−ルなど、グリコ−ル類及び多価アルコ−ル類としてはエチレングリコ−ル;ジエチレングリコ−ル;トリエチレングリコ−ル;テトラエチレングリコ−ル;プロピレングリコ−ル;ジプロピレングリコ−ル;1,4−ブチレングリコ−ル;2,3−ブチレングリコ−ル;ヘキシレングリコ−ル;オクチレングリコ−ル;グリセリンなど、セロソルブ類としてはエチレングリコ−ルモノメチルエ−テル;エチレングリコ−ルエチルエ−テル;エチレングリコ−ルジエチルエ−テル;エチレングリコ−ルブチルエ−テル;エチレングリコ−ルジブチルエ−テル;エチレングリコ−ルフェニルエ−テル;エチレングリコ−ルベンジルエ−テル;エチレングリコ−ルエチルヘキシルエ−テル;ジエチレングリコ−ルエチルエ−テル;ジエチレングリコ−ルジエチルエ−テル;ジエチレングリコ−ルブチルエ−テル;ジエチレングリコ−ルジブチルエ−テル;プロピレングリコ−ルメチルエ−テル;プロピレングリコ−ルエチルエ−テル;プロピレングリコ−ルブチルエ−テル;ジプロピレングリコ−ルメチルエ−テル;ジプロピレングリコ−ルエチルエ−テル;トリプロピレングリコ−ルメチルエ−テル;テトラエチレングリコ−ルジメチルエ−テル;テトラエチレングリコ−ルジブチルエ−テルなどが挙げられる。さらに、クラウンエ−テル類としてはベンゾ−15−クラウン−5、ベンゾ−12−クラウン−4、ベンゾ−18−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−6など、ケトン類としてはエチルブチルケトン、ジプロピルケトン、メチルアミノケトン、メチルヘキシルケトン、ジイソブチルケトンなど、脂肪酸類としは前記炭素数3〜30の脂肪酸などが挙げられる。
【0080】
以上の溶媒に溶解、分散させる上記金属塩の濃度は、特に限定されるものではなく、各状況に応じて適宜選定すればよい。
また、極圧剤としては、リン酸エステル,酸性リン酸エステル,亜リン酸エステル,酸性亜リン酸エステル及びこれらのアミン塩などのリン系極圧剤をも挙げることができる。リン酸エステルとしては、トリアリールホスフェート,トリアルキルホスフェート,トリアルキルアリールホスフェート,トリアリールアルキルホスフェート,トリアルケニルホスフェートなどがあり、具体的には、例えばトリフェニルホスフェート,トリクレジルホスフェート,ベンジルジフェニルホスフェート,エチルジフェニルホスフェート,トリブチルホスフェート,エチルジブチルホスフェート,クレジルジフェニルホスフェート,ジクレジルフェニルホスフェート,エチルフェニルジフェニルホスフェート,ジエチルフェニルフェニルホスフェート,プロピルフェニルジフェニルホスフェート,ジプロピルフェニルフェニルホスフェート,トリエチルフェニルホスフェート,トリプロピルフェニルホスフェート,ブチルフェニルジフェニルホスフェート,ジブチルフェニルフェニルホスフェート,トリブチルフェニルホスフェート,トリヘキシルホスフェート,トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート,トリデシルホスフェート,トリラウリルホスフェート,トリミリスチルホスフェート,トリパルミチルホスフェート,トリステアリルホスフェート,トリオレイルホスフェートなどを挙げることができる。
【0081】
酸性リン酸エステルとしては、具体的には、例えば2−エチルヘキシルアシッドホスフェート,エチルアシッドホスフェート,ブチルアシッドホスフェート,オレイルアシッドホスフェート,テトラコシルアシッドホスフェート,イソデシルアシッドホスフェート,ラウリルアシッドホスフェート,トリデシルアシッドホスフェート,ステアリルアシッドホスフェート,イソステアリルアシッドホスフェートなどを挙げることができる。
【0082】
亜リン酸エステルとしては、具体的には、例えばトリエチルホスファイト,トリブチルホスファイト,トリフェニルホスファイト,トリクレジルホスファイト,トリ(ノニルフェニル)ホスファイト,トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト,トリデシルホスファイト,トリラウリルホスファイト,トリイソオクチルホスファイト,ジフェニルイソデシルホスファイト,トリステアリルホスファイト,トリオレイルホスファイト,2−エチルヘキシルジフェニルホスファイトなどを挙げることができる。
【0083】
酸性亜リン酸エステルとしては、具体的には、例えばジブチルハイドロゲンホスファイト,ジラウリルハイドロゲンホスファイト,ジオレイルハイドロゲンホスファイト,ジステアリルハイドロゲンホスファイト,ジフェニルハイドロゲンホスファイトなどを挙げることができる。
さらに、これらとアミン塩を形成するアミン類としては、例えば一般式(XVII)、
RS NH3-S ・・・(XVII)
(式中、Rは炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基,炭素数6〜30のアリール基もしくはアラルキル基又は炭素数2〜30のヒドロキシアルキル基を示し、sは1,2又は3を示す。また、Rが複数ある場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
で表されるモノ置換アミン,ジ置換アミン又はトリ置換アミンが挙げられる。上記一般式(XVII))におけるRS のうちの炭素数3〜30のアルキル基もしくはアルケニル基は、直鎖状,分岐状,環状のいずれであってもよい。
【0084】
ここで、モノ置換アミンの例としては、ブチルアミン,ペンチルアミン,ヘキシルアミン,シクロヘキシルアミン,オクチルアミン,ラウリルアミン,ステアリルアミン,オレイルアミン,ベンジルアミンなどを挙げることができ、ジ置換アミンの例としては、ジブチルアミン,ジペンチルアミン,ジヘキシルアミン,ジシクロヘキシルアミン,ジオクチルアミン,ジラウリルアミン,ジステアリルアミン,ジオレイルアミン,ジベンジルアミン,ステアリル・モノエタノールアミン,デシル・モノエタノールアミン,ヘキシル・モノプロパノールアミン,ベンジル・モノエタノールアミン,フェニル・モノエタノールアミン,トリル・モノプロパノールなどを挙げることができる。また、トリ置換アミンの例としては、トリブチルアミン,トリペンチルアミン,トリヘキシルアミン,トリシクロヘキシルアミン,トリオクチルアミン,トリラウリルアミン,トリステアリルアミン,トリオレイルアミン,トリベンジルアミン,ジオレイル・モノエタノールアミン,ジラウリル・モノプロパノールアミン,ジオクチル・モノエタノールアミン,ジヘキシル・モノプロパノールアミン,ジブチル・モノプロパノールアミン,オレイル・ジエタノールアミン,ステアリル・ジプロパノールアミン,ラウリル・ジエタノールアミン,オクチル・ジプロパノールアミン,ブチル・ジエタノールアミン,ベンジル・ジエタノールアミン,フェニル・ジエタノールアミン,トリル・ジプロパノールアミン,キシリル・ジエタノールアミン,トリエタノールアミン,トリプロパノールアミンなどを挙げることができる。
【0085】
これらのリン系極圧剤の中で、極圧性,摩擦特性などの点からトリクレジルホスフェート,トリ(ノニルフェニル)ホスファイト,ジオレイルハイドロゲンホスファイト,2−エチルヘキシルジフェニルホスファイトなどが特に好ましい。さらに、上記以外の極圧剤としては、例えば、硫化油脂,硫化脂肪酸,硫化エステル,硫化オレフィン,ジヒドロカルビルポリサルファイド,チオカーバメート類,チオテルペン類,ジアルキルチオジプロピオネート類などの硫黄系極圧剤を挙げることができる。ここで、硫化油脂は硫黄や硫黄含有化合物と油脂(ラード油,鯨油,植物油,魚油等)を反応させて得られるものであり、その硫黄含有量は特に制限はないが、一般に5〜30重量%のものが好適である。その具体例としては、硫化ラード,硫化なたね油,硫化ひまし油,硫化大豆油,硫化米ぬか油などを挙げることができる。硫化脂肪酸の例としては、硫化オレイン酸などを、硫化エステルの例としては、硫化オレイン酸メチルや硫化米ぬか脂肪酸オクチルなどを挙げることができる。
【0086】
硫化オレフィンとしては、例えば、下記の一般式(XVIII)
R56−St −R57 ・・・(XVIII)
(式中、R56は炭素数2〜15のアルケニル基、R57は炭素数2〜15のアルキル基又はアルケニル基を示し、tは1〜8の整数を示す。)
で表される化合物などを挙げることができる。この化合物は、炭素数2〜15のオレフィン又はその二〜四量体を、硫黄,塩化硫黄等の硫化剤と反応させることによって得られ、該オレフィンとしては、プロピレン,イソブテン,ジイソブテンなどが好ましい。
【0087】
また、ジヒドロカルビルポリサルファイドは、下記の一般式(XIX)
R58−Su −R59 ・・・(XIX)
(式中、R58及びR59は、それぞれ炭素数1〜20のアルキル基又は環状アルキル基,炭素数6〜20のアリール基,炭素数7〜20のアルキルアリール基又は炭素数7〜20のアリールアルキル基を示し、それらは互いに同一でも異なっていてもよく、uは2〜8の整数を示す。)
で表される化合物である。ここで、R58及びR59がアルキル基の場合、硫化アルキルと呼ばれる。
【0088】
上記一般式(XIX)におけるR58及びR59の具体例としては、メチル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n−ブチル基,イソブチル基,sec−ブチル基,tert−ブチル基,各種ペンチル基,各種ヘキシル基,各種ヘプチル基,各種オクチル基,各種ノニル基,各種デシル基,各種ドデシル基,シクロヘキシル基,シクロオクチル基,フェニル基,ナフチル基,トリル基,キシリル基,ベンジル基,フェネチル基などを挙げることができる。
【0089】
このジヒドロカルビルポリサルファイドとしては、例えば、ジベンジルポリサルファイド,ジ−tert−ノニルポリサルファイド,ジドデシルポリサルファイド,ジ−tert−ブチルポリサルファイド,ジオクチルポリサルファイド,ジフェニルポリサルファイド,ジシクロヘキシルポリサルファイドなどを好ましく挙げることができる。
【0090】
さらに、チオカーバメート類としては、例えば、ジンクジチオカーバメートなどを、チオテルペン類としては、例えば、五硫化リンとピネンの反応物を、ジアルキルチオジプロピオネート類としては、例えば、ジラウリルチオジプロピオネート,ジステアリルチオジプロピオネートなどを挙げることができる。
本発明においては、上記極圧剤は一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。好ましい態様は、カルボン酸の金属塩及びリン系極圧剤から選ばれた1種又は2種以上、特にカルボン酸の金属塩及びリン系極圧剤を併用するのが好ましい。この場合もカルボン酸の金属塩、リン系極圧剤は各々1種又は2種以上配合する。
【0091】
上記リン系極圧剤以下の極圧剤の配合量は、組成物中に0.001〜5重量%,特に0.01〜3重量%の範囲が好ましい。この量が0.001重量%未満では潤滑性が不足するおそれがあり、また5重量%を超えるとスラッジ発生を促進するおそれがある。
本発明の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物には、更に、酸化防止剤を添加することができる。
【0092】
酸化防止剤としては2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ−ル、2、6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノ−ル、2、2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノ−ル)等のフェノール系、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン等のアミン系の酸化防止剤を配合するのが好ましい。酸化防止剤は、組成物中に0.01〜5重量%,好ましくは0.05〜3重量%配合する。この量が0.01未満では効果が不充分な場合があり、5重量%を超えても効果の向上が期待できない。前記の酸捕捉剤、極圧剤、とともに上記酸化防止剤を配合すると、超臨界状態にある二酸化炭素に晒される冷凍機油の安定性をさらに向上させる効果がある。
【0093】
本発明の冷凍機油組成物を構成する潤滑油組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、他の、公知の各種の添加剤、例えば、ベンゾトリアゾールやその誘導体、例えばN−〔N,N’−ジアルキル(炭素数3〜12のアルキル基)アミノメチル〕トルトリアゾ−ルなどの銅不活性化剤、シリコーン油やフッ化シリコーン油などの消泡剤などを適宜配合することができる。これらの添加剤は、冷凍機油組成物中に、0.001〜3重量%の量で含有される
本発明においては、二酸化炭素冷媒とは二酸化炭素を主成分とするものであればよく、これに、プロパン、イソブタン等の炭化水素冷媒、アンモニア系冷媒、1、1、1、2−テトラフルオロカ−ボン(R−134a)で代表されるハイドロフルオロカ−ボン、フルオロカ−ボン等のフロン系冷媒等を含む冷媒であってもよい。これらの場合でも、二酸化炭素を主成分とする限り本発明の効果を発揮する。
【0094】
本発明の冷凍機油組成物を使用する冷凍機の潤滑方法において、前記二酸化炭素冷媒と冷凍機油組成物の使用量については、冷媒/冷凍機油組成物の重量比で99/1〜10/90の範囲にあることが好ましい。冷媒の量が上記範囲より少ない場合は冷凍能力の低下が見られ、また上記範囲よりも多い場合は潤滑性能が低下し好ましくない。このような観点から、冷媒/冷凍機油組成物の重量比は、95/5〜30/70の範囲にあることが更に好ましい。
【0095】
本発明の冷凍機油組成物は、種々の冷凍機に使用可能であるが、特に、圧縮型冷凍機の圧縮式冷凍サイクルに好ましく適用できる。例えば、本発明の冷凍機油組成物は、例えば添付図1〜3の各々で示されるような油分離器及び/又はホットガスラインを有する圧縮式冷凍サイクルに適用する場合にもその効果を有効に奏する。通常、圧縮式冷凍サイクルは、圧縮機−凝縮機−膨張弁−蒸発器からなる。また、冷凍機用の潤滑油は、一般に、冷凍機に使用される冷媒と相溶性が良好なものが使用される。しかし、上記の冷凍サイクルで二酸化炭素を主成分とする冷媒を用いたときに、冷凍機を一般に使用されている冷凍機油で潤滑すると、耐摩耗性が不十分であったり、安定性が不足して長期安定使用ができなかった。特に、電気冷蔵庫や小型エアコンディショナーなどの冷凍サイクルのように、膨張弁としてキャピラリーチューブを使用する場合にこの傾向が著しい。本発明の冷凍機油は、油分離器及び/又はホットガスラインを有する圧縮式冷凍サイクルを二酸化炭素を主成分とする冷媒を使用して運転する場合にも、冷凍機油組成物として有効である。
【0096】
【実施例】
本発明について、更に、実施例を用いて詳細に説明する。
なお、実施例で用いた試験方法は、以下のとおりである。
〔臨界溶解温度〕
試料油0.2g,液化二酸化炭素1.8gを耐圧ガラス測定管に採取して密閉後、測定管を−60℃まで冷却して両者を溶解させる。その後一定速度で室温まで昇温させ、2層に分離する温度を臨界溶解温度とした。
〔安定性実験〕
内容積120mlのオ−トクレ−ブに潤滑油サンプル40gと二酸化炭素冷媒ガス40g及び銅、アルミニウム、鉄の金属触媒を加え、系内の水分が2000ppmになるように水を添加した。オ−トクレ−ブを密閉し175℃,10日間保持後、潤滑油サンプルを分析した。実験中の系内の圧力は16MPaである。
〔摩擦実験〕
密閉式にしたファレックス摩擦試験で、ピンを鋼(SUJ−2)、ブロックをアルミニウム(A4032)として、二酸化炭素冷媒ガス雰囲気中でのブロックの摩耗量(mg)を測定した。実験条件は、潤滑油サンプル300ml,油温50℃二酸化炭素ガス圧2MPa,回転数2000rpm,荷重350lbs,実験時間60分である。
〔基油に用いた化合物〕
実施例及び比較例の基油には、表1に示す化合物を用いた。これらには、α−オレフィンオキサイドを1.5重量%とジ−tert−ブチル−4−メチルフェノ−ルを0.5重量%配合してある。
【0097】
【表1】
【0098】
〔カルボン酸の金属塩の調整〕
溶媒としてジプロピレングリコ−ル、カルボン酸としてオレイン酸、パルミチン酸又はセバシン酸、水酸化アルカリとして水酸化カリウム又は水酸化ナトリウムを用いて、この各カルボン酸と各水酸化アルカリと反応させて、それぞれオレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム及びセバシン酸カリウムの30重量%溶液を調整した。
〔実施例1〜4、比較例1〜2〕
表2に示す組成物について、臨界溶解温度、安定性実験および摩擦実験を行った(表中の極圧剤の配合量は組成物を基準として表示)。その実験結果を表3に示した。
【0099】
なお、表2のリン系極圧剤は以下の化合物を表す。
TCP : トリクレジルフォスフェイト
TNP : トリスノニルフェニルフォスファイト
DOHP: ジオレイルハイドロゲンフォスファイト
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
【発明の効果】
(1)(A)100℃における動粘度が3〜50cStのポリオキシアルキレングリコ−ルに(B)100℃における動粘度が3〜50cStのポリビニルエ−テルを配合した冷凍機油組成物は、二酸化炭素を主成分とする冷媒との相溶性が一層優れる。
【0103】
(2)(1)の組成物に酸捕捉剤を配合した二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物は上記の相溶性を維持しながら、超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で安定性が優れ、また、(1)の組成物に酸捕捉剤と極圧剤、特にカルボン酸の金属塩とリン系極圧剤を配合した二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物は超臨界状態の二酸化炭素雰囲気下で安定性及び潤滑性が優れ長期に使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷凍機油組成物を使用することができる圧縮式冷凍サイクルの一例を示す流れ図である。
【図2】本発明の冷凍機油組成物を使用することができる圧縮式冷凍サイクルの一例を示す流れ図である。
【図3】本発明の冷凍機油組成物を使用することができる圧縮式冷凍サイクルの一例を示す流れ図である。
【図4】本発明の冷凍機油組成物を使用することができる圧縮式冷凍サイクルの一例を示す流れ図である。
【符号の説明】
1:圧縮機
2:凝縮器
3:膨張弁
4:蒸発器
5:油分離器
6:ホットガスライン
7:ホットガスライン用弁
Claims (8)
- (A)100℃における動粘度が3〜50mm2 /sのポリオキシアルキレングリコ−ルと(B)100℃における動粘度が3〜50mm2 /sのポリビニルエ−テルとの混合物を主成分とする二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
- 100℃における動粘度が3〜50mm2 /sであり、粘度指数が100以上である請求項1に記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
- ポリオキシアルキレングリコ−ルが一般式(I)で表される化合物である請求項1又は2に記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
R1 −〔(OR2 )m −OR3 〕n ・・・(I)
(式中、R1 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基,炭素数2〜10のアシル基又は結合部2〜6個を有する炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、R2 は炭素数2〜4のアルキレン基、R3 は水素原子,炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数2〜10のアシル基、nは1〜6の整数、mはm×nの平均値が6〜80となる数を示す。) - (A)と(B)の混合割合が40〜99.9:60〜0.1(重量比)である請求項1〜4のいずれかに記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
- 酸捕捉剤を配合した請求項1〜5のいずれかに記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
- 極圧剤を配合した請求項1〜6のいずれかに記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
- 極圧剤がカルボン酸の金属塩及びリン系極圧剤から選ばれた1種又は2種以上である請求項7に記載の二酸化炭素冷媒用冷凍機油組成物。
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