JP4104254B2 - 簡易真空弁ユニット - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は簡易真空弁ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
各家庭等から排出される汚水を、真空圧を利用して搬送して集める真空式下水システムが開発されている。真空式下水システムでは、各家庭等から排出される汚水が貯留される汚水槽を有する真空弁ユニットと、汚水が集められる集水タンクとの間に真空式下水管が設けられている。集水タンクは、真空下水管の内部を真空にする真空ポンプが配備された真空ステーションに設けられており、真空ステーションの真空ポンプによって真空下水管の内部が真空状態とされる。
【0003】
真空弁ユニットには、汚水槽内にて大気圧に開放された状態で貯留された汚水を吸引する汚水吸引管と、汚水吸引管と真空下水管とを連通及び遮断する真空弁とが設けられている。真空弁は、真空下水管内の真空を利用するコントローラにより開閉制御されるようになっており、真空弁が開放されることによって、真空下水管と汚水吸引管とが連通状態になり、汚水槽内の汚水が真空状態になった真空下水管内に吸引される。
【0004】
真空下水管内には、汚水が吸引された後に、或いは汚水とともに、空気が吸引されるようになっており、吸引された空気は、真空下水管内にて汚水の流速よりも高速で流動する。このように、真空下水管内を汚水に対して空気が高速で流動することにより、真空下水管内には、汚水と空気との気液二相流が形成され、その気液二相流が真空下水管内を高速で流動して、汚水が搬送される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
然るに、従来技術には以下の問題点がある。
▲1▼真空弁が精密機器であるコントローラを備えており、複雑で高コストである。
【0006】
▲2▼真空弁がコントローラを備えるため、真空下水管と汚水吸引管の連絡部に対し真空弁が斜め上方から交差するように結合され、この連絡部がY型管路の如くになり、平面的な寸法が大き目めになる。
【0007】
本発明の課題は、真空弁ユニットにおいて、真空弁のコントローラをなくし、低コストとコンパクトを図ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、汚水槽に設けた汚水溜まりに連通する汚水吸引管と、真空源に連通する真空下水管との連絡部に真空弁を設け、真空弁を開くことによって、汚水溜まりの汚水を汚水吸引管から真空下水管に吸引可能としてなる簡易真空弁ユニットにおいて、真空弁が、汚水吸引管に連通する汚水流入口と真空下水管に連通する汚水流出口とそれらの流入口と流出口の間の弁座とを備える弁箱と、該弁箱の弁座に接離可能とされる弁体とを有してなり、真空弁の弁体に連結手段を介して汚水溜まりを連結するとともに、該弁体を弁座に接する閉じ側に付勢するばねを備え、真空弁の弁体に作用する真空下水管の真空圧と上記ばねの付勢力に起因する閉じ方向力と、真空弁の弁体に連結されている汚水溜まりの汚水貯留重力に起因する開き方向力とのつり合いの変化により、該真空弁を開閉可能としてなるようにしたものである。
【0009】
請求項2記載の建物は、請求項1に記載の本発明において更に、前記ばねが汚水槽と汚水溜まりの間に介装されてなるようにしたものである。
【0010】
請求項3記載の建物は、請求項1に記載の本発明において更に、前記ばねが真空弁の弁箱に設けたばね室に納められてなるようにしたものである。
【0011】
請求項4記載の建物は、請求項1〜3のいずれかに記載の本発明において更に、前記真空下水管の真空弁に近接した部分に、真空下水管内の真空によって閉鎖されるように吸気弁が接続されており、真空下水管内の真空度が低下した際に吸気弁が開放されて真空下水管内に空気が供給可能とされるようにしたものである。
【0012】
請求項5記載の建物は、請求項1〜4のいずれかに記載の本発明において更に、前記汚水溜まりに汚水を流下せしめる汚水流入管に、固形汚物等を分離可能とする分離マスを備えてなるようにしたものである。
【0013】
【作用】
請求項1の発明によれば下記▲1▼、▲2▼の作用がある。
▲1▼汚水溜まりと真空弁の弁体とを連結手段で連結し、且つ弁体を弁座に接する閉じ側に付勢するばねを備えるようにしたので、コントローラをなくし、低コストにできる。
【0014】
▲2▼真空下水管と汚水吸引管の連絡部に真空弁を介装するに際し、真空弁の直下に汚水吸引管を接続し、この汚水吸引管を弁体と汚水溜まりとの連結手段に並べて配置することにより、この連絡部をL型管路の如くとし、平面的な寸法をコンパクトにできる。
【0015】
請求項2の発明によれば下記▲3▼の作用がある。
▲3▼ばねを汚水槽と汚水溜まりの間に介装することにより、汚水溜まりを安定支持できる。
【0016】
請求項3の発明によれば下記▲4▼の作用がある。
▲4▼ばねを真空弁の弁箱に設けたばね室に納めることにより、真空弁の弁箱に予めばねを組込みでき、真空弁ユニットの部品組込性を向上できる。
【0017】
請求項4の発明によれば下記▲5▼の作用がある。
▲5▼真空弁が開放されて汚水及び空気が、順次、真空下水管内に吸引されると、真空弁が閉鎖されるが、真空弁が閉鎖状態になった後にも、真空下水管内の真空度に応じて吸気弁が開放されて、真空下水管内に必要とされる空気が吸引されるようになるために、真空下水管内では、気液同時分離吸引方式における気液二相流に近い気液二相流とすることができる。その結果、予め設定された空気を真空下水管内に供給する制御方式とは異なり、真空下水管内において頻繁に変化する真空度に対応した適切な空気量の供給が可能になる。
【0018】
請求項5の発明によれば下記▲6▼の作用がある。
▲6▼汚水溜まりに接続される汚水流入管に分離マスを備えることにより、固形汚物等を分離できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は真空式下水システムを示す配置図、図2は真空下水管の埋設状態を示す断面図、図3は第1実施形態の真空弁ユニットを示す断面図、図4は吸気弁の閉じ状態を示す断面図、図5は吸気弁の開き状態を示す断面図、図6は第2実施形態の真空弁ユニットを示す断面図、図7は第3実施形態の真空弁ユニットを示す断面図である。
【0020】
(第1実施形態)(図1〜図5)
図1、図2は本発明の真空式下水システムの実施の形態の一例を示す概略構成図である。この真空式下水システムでは、家庭、工場等から排出される汚水が、汚水流入管12内を自然流下して、地中に埋設された真空弁ユニット10内に貯留され、真空弁ユニット10内に貯留された汚水が真空下水管31を通って、真空ステーション32に設けられた集水タンク32Aに集められ、その後圧送ポンプ32Bにより下水処理場等に送られる。真空弁ユニット10と真空ステーション32に設けられた集水タンクとを連結する真空下水管31は、真空ステーション32に設けられた真空ポンプ32Cによって、内部が真空状態とされている。
【0021】
真空下水管31は、地表に近接した比較的浅い地中部分において、緩やかに下り勾配になった下り傾斜部分31aと、この下り傾斜部分31aの下流側に連続して、高低差が30cm程度の上り勾配になった上り傾斜部分(リフト部)31bとが、順次繰り返されるように埋設されており、また、真空下水管31が、河川、既設水道管等の障害物33が存在する場合には、その障害物33の下方を通過するように迂回部分31cが設けられている。尚、迂回部分31cは、障害物33の上方を通過する場合もある。
【0022】
図3は、真空式下水システムに設けられる真空弁ユニット10の一例を示す概略構成図である。真空弁ユニット10は、地中に埋設される樹脂製又はコンクリート製の汚水槽11を有し、汚水槽11には別体とされる汚水溜まり11aを備え、家庭等から排出される汚水を汚水流入管12から汚水溜まり11aに貯留するようにしている。汚水槽11には、真空下水管31の上流側の端部が略水平に挿入されており、汚水溜まり11aに連通するように略鉛直に立上げられている汚水吸引管13と、真空下水管31との連絡部には真空弁14を設けている。真空弁14は、汚水溜まり11aに一定量以上の汚水が貯留されたときに後述する如くに開き、汚水溜まり11aの汚水を汚水吸引管13から真空下水管31に吸引せしめる。
【0023】
真空弁14は、汚水吸引管13に連通する汚水流入口15Aと、真空下水管31に連通する汚水流出口15Bと、それらの流入口15Aと流出口15Bの間の弁座15Cとを備える弁箱15と、弁箱15の弁座15Cに接離可能とされる弁体16とを有する。弁箱15の弁体貫通部にはOリング15Dが装着されている。
【0024】
また、真空弁14は、弁体16に連結ロッド16aを結合し、連結ロッド16aを汚水吸引管13に並置するように垂下して、その下端部に前述の汚水溜まり11aの底部をナット止めしている。そして、汚水槽11の底部と汚水溜まり11aの底部の間に、弁体16を弁座15Cに接する閉じ側に付勢するばね17を介装している。
【0025】
これにより、真空弁14は、弁体16に作用する真空下水管31の真空圧と上記ばね17の付勢力に起因する閉じ方向力と、弁体16に連結されている汚水溜まり11aの汚水貯留重力に起因する開き方向力とのつり合いの変化により、弁体16を弁座15Cに接離するように開閉せしめる。
【0026】
従って、真空弁14では、汚水溜まり11aの汚水貯留重量が未だ軽量の定常状態で、ばね17の付勢力により汚水溜まり11aを上昇させて弁体16を閉じ、汚水吸引管13の汚水溜まり11aとの隙間を小さくしている。汚水溜まり11aの汚水貯留重量が重くなり、弁体16が開くと、汚水吸引管13と汚水溜まり11aとの隙間が大き目となって汚水を吸引開始する。汚水溜まり11aの汚水貯留重量が汚水の吸引によって軽量化すると、汚水溜まり11aはばね17の付勢力により再び上昇せしめられて弁体16を閉じる。
【0027】
尚、弁箱15内の流路は、真空下水管31の側に吸い込みきれなかった汚水を排出し易いように滑らかな下降勾配を付与されている。
【0028】
汚水槽11の下部に設けられた汚水溜まり11aの上部には、空気流入管100が接続されている。この空気流入管100は、地中内に配管されており、その先端部は、地表から上方に突出して大気中に配置されている。この空気流入管100は、汚水槽11の汚水溜まり11a内に貯留された汚水及び空気が、汚水吸引管13内に真空吸引された際に、汚水槽11の汚水溜まり11a内に地表の空気を流入させて、汚水溜まり11a内の圧力の低下を防止するようになっている。
【0029】
空気流入管100内には、空気流入管100内の空気を、吸気弁20を介して真空下水管31内に直接供給する空気導入管18が設けられている。このように、空気流入管100内に空気導入管18が設けられていることにより、真空弁ユニット10の汚水槽11内が水没したような場合にも、真空下水管31内に確実に空気を供給することができる。但し、真空弁ユニット10の汚水槽11内の水没状態を考慮する必要がないような場合等には、吸気弁20を汚水槽11内に開放して、汚水槽11内の空気を直接真空下水管31に供給するようにしても良い。
【0030】
図4は、吸気弁20の断面図である。吸気弁20は、空気導入管18の上流側部分18a及び下流側部分18bにそれぞれ連結される弁箱21と、この弁箱21内に設けられた弁体22と、弁箱21に取付けられたキャップ体23とを有している。空気導入管18の下流側部分18bは、真空下水管31に接続されている。
【0031】
弁箱21は、軸方向中央部に側方に円筒状に突出した弁体収容部21dが設けられた円筒体に構成されており、一方の端部が空気導入管18の上流側部分18aに連結される流入部21aになっている。流入部21aと同心状態になった他方の端部は、空気導入管18の下流側部分18bに連結される円筒状の流出部21bになっている。弁体収容部21dは、流入部21a及び流出部21bとそれぞれ直交状態となっており、流出部21bに連通している。弁箱21の流入部21aは、隔壁部21cによって流出部21b及び弁体収容部21dと隔絶された状態になっており、隔壁部21cに弁体収容部21dと流入部21aとを連通する吸気口21eが、弁体収容部21dの軸心と同心状態で設けられている。
【0032】
弁体収容部21dの先端部には、その先端開口部を気密状態で覆うダイヤフラム24を介して、中空円錐台形状のキャップ23が、ボルト23bによって、ダイヤフラム24とともに、弁体収容部21dに一体的に取付けられている。円筒状をした弁体収容部21dには、円柱状をした弁体22が、隔壁部21cに設けられた吸気口21eとは同心状態で、然も、吸気孔21eに対して接離する方向にスライド可能に設けられている。ダイヤフラム24は、熱可塑性エラストマー等によって構成されている。
【0033】
弁収容部23dに取付けられたキャップ体23の外径は、弁体収容部21dから離れるにつれて順次外径が小さくなっており、その先端部における軸心部分に、ナット部材23aが取付けられている。ナット部材23aには、キャップ体23の軸心部を挿通する調整ボルト23cがネジ結合されており、調整ボルト23cの頭部が弁体収容部21dに近接するように配置されている。調整ボルト23cの頭部とは反対側の先端部は、キャップ体23の先端部から上方に突出しており、キャップ体23から突出した部分が、キャップ体23に対して着脱可能になったカバー部材26によって覆われている。
【0034】
調整ボルト23cは、キャップ体23から突出した先端部を操作して、正逆回転させることにより、キャップ体23の先端部に取付けられたナット部材23aに対してネジ送りされ、軸方向に沿って上下方向にスライドされる。
【0035】
キャップ体23内に配置された調整ボルト23cの軸部には、圧縮ばね23eが嵌合されている。圧縮ばね23eは、調整ボルト23cの頭部に隣接して取付けられた下側ばね受け23fと、調整ボルト23cの中程にスライド可能に設けられた上側ばね受け23hとによって、圧縮状態で調整ボルト23cに嵌合されている。上側ばね受け23hは、C型止め輪23gによって抜け止めされている。
【0036】
圧縮ばね23eは、調整ボルト23cに同心状態で嵌合された円筒状のピストン部材23d内に収容されている。ピストン部材23dにおけるナット部材23aに近接した端面は、圧縮ばね23eの上端部を支持するばね受け23fに、C型止め輪23gを介して係合されており、従って、ピストン部材23dは、圧縮ばね23eによって、弁体収容部21dから離れるように上方に付勢された状態で、調整ボルト23cに沿ってスライドし得るように支持されている。
【0037】
ピストン部材23dにおける弁体収容部21dに近接した下端面の軸心部には、弁棒22aの上端部が支持されている。弁棒22aは、ピストン部材23dの下端面及びダイヤフラム24の軸心部を貫通して弁体収容部21d内に挿入されており、弁体収容部21dの軸心部を挿通しており、弁体収容部21d内に設けられた弁体22の軸心部を貫通している。弁棒23dの下端部は、弁体収容部21dと流入部21aとを連通する吸気口21e内に同心状態で挿入されている。吸気口21e内に挿入された弁棒22aの下端部には、パッキン22bを介して、ガイド体25が取付けられている。
【0038】
ガイド体25は、弁箱21の隔壁部21cに設けられた吸気口21e内を挿通して、弁箱21の流入部21a内に進入している。ガイド体25は、弁体22に近接した上端部を除いて、弁棒22a及び吸気口21eとは同心状態になった円柱状に構成されており、吸気口21eとは一定の間隔が設けられている。ガイド体25の上端部は、上側になるにつれて順次外径が大きくなった円錐台形状のガイド部25aになっている。
【0039】
弁体22とガイド体25との間に設けられたパッキン22bは、ゴム等の弾性体によって、ガイド体25が挿通した吸気口21eの外径よりも若干大きな外径を有する円板状に構成されており、弁体22の下端面の中心部に形成された凹部内に嵌入されて、弁体22の下端面に圧接されている。パッキン22bは、吸気口21eの周囲の弁座部21fの全周に渡って気密状態で圧接されるようになっている。
【0040】
ガイド体25aは、弁体22との間に設けられたパッキン22bを弁体22とともに挟み込んだ状態で、然も、弁体22の上端面がダイヤフラム24を介して、ピストン部材23dの下端面に圧接されるように、弁棒22aの下端部に一体的に取付けられている。従って、キャップ体23内に設けられたピストン部材23dと、弁体収容部21d内に設けられた弁体22と、これらピストン部材23d及び弁体22間に設けられたダイヤフラム24とともに一体化されており、また、弁体22及びガイド体25も、パッキン22bとともに一体化されている。
【0041】
ガイド体25は、圧縮ばね23eのばね力に抗してピストン部材23dが下方にスライドされることによって、弁体22とともに下方にスライドされ、ガイド体25と弁体22との間に設けられたパッキン22bが、吸気口21eの周囲の弁座21fに圧接されて、この吸気口21eを気密状に閉鎖することになっている。反対に、ガイド体25が上方にスライドすることによって、パッキン22bと弁座21fとの圧接状態が解除され、吸気口21eの内周面とガイド体25の外周面との間隙を通して、弁箱21の流入部21aと弁体収容部21dの内部とが連通状態になる。このような状態になると、地表の空気が流入する空気流入管100と、真空下水管31とが連通状態になり、地表の空気が、空気流入管18及び吸気弁20を通って、真空下水管31に供給される。
【0042】
このような構成の真空下水システムは、真空弁ユニット10の稼動状態において、真空下水管31の内部が、真空ステーションに設けられた真空ポンプによって真空状態にされる。
【0043】
真空下水管31の内部が真空状態になると、真空弁ユニット10に設けられた吸気弁20は、弁体収容部21dの内部が真空下水管31の内部と同様の真空状態になり、弁体収容部21dとキャップ体23とを気密状態に隔絶するダイヤフラム24には、弁体収容部21dの内部に向かう吸引力Pが作用する。そして、この吸引力Pが、調整ボルト23cによって設定された圧縮ばね23eのばね力Fよりも大きくなると、ダイヤフラム24は、弁体収容部21d内に吸引され、ピストン部材23d、弁体22、ガイド体25が一体となって下方にスライドして、パッキン22bが弁座21fに気密状態で圧接される。これにより、弁箱21の流入部21aと弁体収容部21dとを連通する吸気口21eが気密状態で閉鎖される。
【0044】
その後、真空弁ユニット10における汚水槽11の汚水溜まり11a内に貯留された汚水の貯留重力に起因する真空弁14の開き方向力が、真空弁14の弁体16に作用する真空下水管31の真空圧とばね17の付勢力に起因する閉じ方向力を上回ると、真空弁14は、開放状態とされる。これにより、汚水吸引管13と真空下水管31とが連通して、汚水吸引管13の内部が真空下水管31の内部と同様の真空状態となり、汚水槽11の汚水溜まり11a内に貯留された汚水が、汚水吸引管13を通って真空下水管31内に吸引される。汚水溜まり部11a内の汚水が真空下水管31内に吸引されて、汚水溜まり部11a内の汚水の水位が低下し、その汚水貯留重量が軽量化すると、汚水吸引管13は、汚水溜まり11a内の空気を吸引し、その後に、真空弁14は閉鎖状態とされる。
【0045】
真空下水管31内に汚水及び空気が吸引されると、汚水は、空気とともに気液二相流となって真空下水管31内を流動する。然しながら、空気は汚水よりも高速で流動するために、真空下水管31の上り傾斜部分31bでは、空気のみが通過して汚水が上り傾斜部分31bの最低位部分に滞溜する。
【0046】
このように、真空下水管31の上り傾斜部分31bに汚水が溜まって、上り傾斜部分31bの下部にのみを封止する水栓が形成されるが、その後、更に空気量を上回る汚水流入等によって、上り傾斜部分31b全体が完全に水封されたウォーターブロックが形成されると、ウォーターブロックが形成された部分よりも下流側の真空下水管31内の真空圧が、ウォーターブロックの上流側に伝達されず、ウォーターブロックの上流側部分の圧力が上昇する。これにより、ウォーターブロックが形成された部分よりも上流側の真空下水管31内の圧力が上昇して、その内部の真空度が低下する。
【0047】
このような状態になると、真空弁ユニット10内において真空下水管31に接続された空気導入管18の下流側部分18bの真空度が低下し、吸気弁20の流出部21b及び弁体収容部21d内の圧力が上昇する。そして、図5に示すように、ダイヤフラム24に作用する吸引力Pが、圧縮ばね23eのばね力Fよりも小さくなると、ピストン部材23dが圧縮ばね23eのばね力Fによって上方にスライドするとともに、ピストン部材23dと一体となった弁体22及びガイド体25の上方にスライドする。これにより、流入部21aと弁体収容部21dとを連通する吸気口21eの周囲の弁座21fに圧接されたパッキン22bも上方にスライドされる。その結果、吸気口21eが開放されて、流入部21aが弁体収容部21dを介して流出部21bに連通した状態になる。
【0048】
このとき、流出部21bは、真空下水管31の内部と同様に、真空度が低下しているものの、大気圧よりも低い真空状態になっているために、吸気口21eが開放されることによって、流入部21aには、空気流入管100及び空気導入管18の上流側部分18aを介して、地表の空気が吸引される。そして、流入部21a内に流入した空気が、弁体収容部21d、流出部21b、空気導入管21の下流側部分18bを通って、真空下水管31内に供給される。
【0049】
真空下水管31内に空気が吸引されると、真空下水管31内を封止するウォーターブロックにより、真空下水管31におけるウォーターブロックよりも上流側部分の圧力が上昇して真空度が低下する。そして、吸気口21eの開放が継続されていることによって、真空下水管31内の圧力が上昇すると、真空下水管31内に供給された空気がウォーターブロックを通過する。ウォーターブロックを空気が通過する際には、ウォーターブロックを形成している汚水が、高速で流動する空気とともに気液二相流となって、真空下水管31内を流動する。これにより、汚水は、真空下水管31内における上り傾斜部分31bを通過する。
【0050】
真空下水管31内に滞溜した汚水が流動して、ウォーターブロックが解消されると、真空下水管31の内部は、全体に渡って、真空度が上昇する。そして、吸気弁20のダイヤフラム24に作用する吸引力Pが、圧縮ばね23eのばね力Fよりも大きくなると、吸気口21eが閉鎖される。
【0051】
以下、同様の動作が繰り返されることによって、汚水は、気液二相流となって、順次、搬送され、真空ステーション32に設けられた集水タンクに供給される。
【0052】
このように、本発明の真空式下水システムでは、真空弁14が開放されて汚水及び空気が、順次、真空下水管31内に吸引されると、真空弁14が閉鎖されるが、真空弁14が閉鎖状態になった後にも、真空下水管31内の真空度に応じて吸気弁20が開放されて、真空下水管31内に必要とされる空気が吸引されるようになっているために、真空下水管31内では、気液同時分離吸引方式における気液二相流に近い気液二相流とすることができる。その結果、予め設定された空気を真空下水管内に供給する制御方式とは異なり、真空下水管31内において頻繁に変化する真空度に対応した適切な空気量の供給が可能になる。
【0053】
吸気弁20が吸気口21eを開閉する際の真空下水管31内の真空度は、調整ボルト23cを回転操作して圧縮ばね23eのばね力Fを変更することによって調整することができる。即ち、調整ボルト23cを回転させて調整ボルト23cの全体を吸気口21eから離れる方向に移動させると、圧縮ばね23eのばね力Fが増加し、吸気口21eを閉鎖するために必要とするダイヤフラム24の吸引力P、即ち、真空下水管31内の真空度が大きくなる。反対に、調整ボルト23c全体を吸気口21eに接近する方向に移動させると、圧縮ばね23eのばね力Fが減少し、吸気口21eを閉鎖するために必要とするダイヤフラム24の吸引力P、即ち、真空下水管31内の真空度は小さくなる。
【0054】
通常は、真空下水管31内の圧力が−4.5mAqに設定されている場合には、吸気弁20における吸気口21eが開放される圧力としては、−3.0mAq程度に設定される。
【0055】
吸気口21eを開放するための真空度を、真空下水管31内の定常状態の真空度との差が大きくなるように小さく設定すると、ウォーターブロックを解消した後に、真空下水管31内が定常の真空度に復帰するまでに時間がかかる虞れがあり、好ましいものではない。然しながら、上り傾斜部分31bが少ない長い真空下水管31の上流側の末端部に設けられた真空弁ユニット10の吸気弁20では、真空弁が作動しないような低い真空度でも開放されるようにしておくと、比較的長時間に渡って空気が真空下水管31内に吸引され、これにより、真空下水管31に滞溜する汚水が、緩やかに流動されることになる。
【0056】
吸気口21eが開放される真空度を、定常状態の真空下水管31内の真空度との差が小さくなるように大きく設定すると、真空下水管31内の真空度が僅かに低下することによって、吸気弁20が開放されることになる。従って、真空弁ユニット10の真空弁14が開放されて汚水吸引管15からの汚水の吸引が開始された当初に真空下水管31内の真空度が低下すると、直ちに吸気弁20の吸気口21eが開放されて、真空下水管31内に空気が吸引されることになる。その結果、汚水の吸引開始当初において、真空下水管31内に吸引される空気とともに汚水が流動する気液二相流を形成することができ、気液同時吸引方式に類する吸引形態とすることができる。
【0057】
従って、本実施形態によれば、以下の作用がある。
▲1▼汚水溜まり11aと真空弁14の弁体16とを連結ロッド16aで連結し、且つ弁体16を弁座15cに接する閉じ側に付勢するばね17を備えるようにしたので、コントローラをなくし、低コストにできる。
【0058】
▲2▼真空下水管31と汚水吸引管13の連絡部に真空弁14を介装するに際し、真空弁14の直下に汚水吸引管13を接続し、この汚水吸引管13を弁体16と汚水溜まり11aとの連結ロッド16aに並べて配置することにより、この連絡部をL型管路の如くとし、平面的な寸法をコンパクトにできる。
【0059】
▲3▼ばね17を汚水槽11と汚水溜まり11aの間に介装することにより、汚水溜まり11aを安定支持できる。
【0060】
(第2実施形態)(図6)
第2実施形態が第1実施形態と異なる点は、真空弁14の流出側に設けてあった吸気弁20を撤去したことにある。
【0061】
(第3実施形態)(図7)
第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、真空弁14の弁体16を閉じ方向に付勢するばね17を、真空弁14の弁箱15に設けたばね室17Aに納めたことにある。
【0062】
第3実施形態では、汚水槽11の中で汚水溜まり11aは弁体16に吊下げられて浮いた状態になっている。汚水溜まり11aの汚水貯留重力により開き方向力を付与し、この開き方向力が、弁体16に作用する真空圧とばね17の付勢力に起因する閉じ方向力より大きくなったときに弁体16を開き、汚水の吸引を開始する。汚水の吸引によって汚水溜まり11aが軽量化すると、ばね17を付勢力によって汚水溜まり11aが上昇し、弁体16が閉じる。
【0063】
第3実施形態によれば、ばね17を真空弁14の弁箱15に設けたばね室17aに納めることにより、真空弁14の弁箱15に予めばね17を組込みでき、真空弁ユニット10の部品組込性を向上できる。
【0064】
尚、第1実施形態〜第3実施形態の真空弁ユニット10にあっては、汚水溜まり11aに汚水を流下せしめる汚水流入管12に、固形汚物等を分離可能とする分離マスを備えても良い。
【0065】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
【0066】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、真空弁ユニットにおいて、真空弁のコントローラをなくし、低コストとコンパクトを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は真空式下水システムを示す配置図である。
【図2】図2は真空下水管の埋設状態を示す断面図である。
【図3】図3は第1実施形態の真空弁ユニットを示す断面図である。
【図4】図4は吸気弁の閉じ状態を示す断面図である。
【図5】図5は吸気弁の開き状態を示す断面図である。
【図6】図6は第2実施形態の真空弁ユニットを示す断面図である。
【図7】図7は第3実施形態の真空弁ユニットを示す断面図である。
【符号の説明】
10 真空弁ユニット
11 汚水槽
11a 汚水溜まり
12 汚水流入管
13 汚水吸引管
14 真空弁
15 弁箱
15a 汚水流入口
15b 汚水流出口
15c 弁座
16 弁体
16a 連結ロッド(連結手段)
17 ばね
17a ばね室
20 吸気弁
31 真空下水管

Claims (5)

  1. 汚水槽に設けた汚水溜まりに連通する汚水吸引管と、真空源に連通する真空下水管との連絡部に真空弁を設け、真空弁を開くことによって、汚水溜まりの汚水を汚水吸引管から真空下水管に吸引可能としてなる簡易真空弁ユニットにおいて、
    真空弁が、汚水吸引管に連通する汚水流入口と真空下水管に連通する汚水流出口とそれらの流入口と流出口の間の弁座とを備える弁箱と、該弁箱の弁座に接離可能とされる弁体とを有してなり、
    真空弁の弁体に連結手段を介して汚水溜まりを連結するとともに、該弁体を弁座に接する閉じ側に付勢するばねを備え、
    真空弁の弁体に作用する真空下水管の真空圧と上記ばねの付勢力に起因する閉じ方向力と、真空弁の弁体に連結されている汚水溜まりの汚水貯留重力に起因する開き方向力とのつり合いの変化により、該真空弁を開閉可能としてなることを特徴とする簡易真空弁ユニット。
  2. 前記ばねが汚水槽と汚水溜まりの間に介装されてなる請求項1記載の簡易真空弁ユニット。
  3. 前記ばねが真空弁の弁箱に設けたばね室に納められてなる請求項1記載の簡易真空弁ユニット。
  4. 前記真空下水管の真空弁に近接した部分に、真空下水管内の真空によって閉鎖されるように吸気弁が接続されており、真空下水管内の真空度が低下した際に吸気弁が開放されて真空下水管内に空気が供給可能とされる請求項1〜3のいずれかに記載の簡易真空弁ユニット。
  5. 前記汚水溜まりに汚水を流下せしめる汚水流入管に、固形汚物等を分離可能とする分離マスを備えてなる請求項1〜4のいずれかに記載の簡易真空弁ユニット。
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