JP4103104B2

JP4103104B2 - Restoration method and repair equipment for paper books, etc.

Info

Publication number: JP4103104B2
Application number: JP2001398094A
Authority: JP
Inventors: 道弘木原
Original assignee: Nissha Printing Co Ltd
Current assignee: Nissha Printing Co Ltd
Priority date: 2001-12-27
Filing date: 2001-12-27
Publication date: 2008-06-18
Anticipated expiration: 2021-12-27
Also published as: JP2003191698A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、主として紙製文化遺産の中の、和紙製または洋紙製の古文書などの欠損部分を修復する方法と装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、和紙製または洋紙製の古文書の欠損部分（Ｐａ）を修復するには、基本的に次のような工程を経ていた。
（１）濾過シート材の上に漉きシート状材を重ね、さらに漉きシート状材上に修復対象紙（Ｐ）を重ね、修復対象紙（Ｐ）を湿らせるために、人手で水を噴霧する。
（２）工程１で準備した濾過シート状材を、人手で漉き枠に填め込む。
（３）修復用繊維などを溶かした修復用液をバケツ等の容器に汲み取り、そのバケツから漉き槽の一定箇所に人手で流し込んで、漉き槽に修復用液を満たす。
（４）工程（３）で準備した漉き槽に満たされた修復用液の中へ、工程（２）で準備した漉き枠を浸漬させて、漉き槽は静止させたままで、漉き枠を人手で前後左右に揺すったり、沈下浮上を繰り返したりすることにより漉き作業を行ない、修復用液を欠損部分（Ｐａ）を通過させて該欠損部分（Ｐａ）に修復用液を平滑に充填する。なお、修復対象紙（Ｐ）の欠損部分（Ｐａ）に修復用液中の修復用繊維が平滑に充填されるのは、欠損部分（Ｐａ）を通過する修復用液中の修復用繊維が、欠損部分（Ｐａ）に飛び出た紙繊維の端部に引っ掛かり、断面に垂直方向に繋がっていくことにより、欠損部分（Ｐａ）が覆われるものと考えられる。また、平滑になるのは、欠損部分（Ｐａ）において紙繊維は厚み方向には飛び出ていないため、修復用繊維は、平面方向にのみ伸びていくからと考えられる。
（５）漉き作業の完了後、漉き槽から漉き枠を人手で取り出して水切りを行ない、乾燥台に置き換えて、一定時間自然乾燥させる。
（６）未乾燥状態の修復対象紙（Ｐ）を人手で乾燥装置に移し変えて、乾燥を行なう。
（７）修復対象紙（Ｐ）から漉きシート状材、濾過シート状材を人手で除去する。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の和紙製または洋紙製の古文書の欠損部分（Ｐａ）の修復は、以下のような課題を有していた。
【０００４】
工程１から工程７までの各工程が人手で行われ、修復対象紙（Ｐ）を填め込んだ漉き枠を各工程へ人手で移動させていたため、作業労力が大きいにもかかわらず、作業効率は低いものであった。
【０００５】
工程（１）、（２）において、濾過シート状材、漉きシート状材を重ね、さらに修復対象紙（Ｐ）を重ね、これを人手で漉き枠に填め込む作業が必要であるため、非常に手数がかかり、作業効率が低い。
【０００６】
工程（３）において、バケツ等の容器から漉き槽へ人手で修復用液を流し込んでいたため、修復対象紙（Ｐ）に対して均一にムラなく修復用液を供給することが困難であった。従って、修復用液を流し込んだ箇所では修復用繊維の密度が大きくなり、流し込んだ箇所から遠く離れるほど修復用繊維の密度が小さくなって、修復用液の密度が漉き槽全体において不均一になる。このような修復用液の中へ、工程（２）で準備した漉き枠を浸漬させて、漉き作業を行なうと、流し込んだ部分から遠い位置にある欠損部分（Ｐａ）では修復用液の充填が不足して、修復部分の厚みにムラが発生したり、修復部分の一部に孔が残存していた。
【０００７】
また、工程（３）において、バケツ等の容器から漉き槽へ人手で修復用液を流し込んでいたため、静かに修復用液を供給することが困難であり、修復用液の流れ込みの強さによって修復対象紙（Ｐ）がめくれ上がったり、破れたりしていた。
【０００８】
工程（４）において、漉き枠を人手で前後左右に揺すったり、沈下浮上を繰り返す漉き作業を行なっており、静止している修復用液に対して、漉き枠のほうを人手で動かしていた。このため、修復用液の欠損部分（Ｐａ）への充填の度合いは人手の動作加減に左右され、また、修復用液を欠損部分（Ｐａ）に強制的に通り抜けさせることができなかったので、作業効率が低く、修復用液の充填が不足して修復部分の厚みにムラが発生したり、修復部分の一部に孔が開いたりしていた。
【０００９】
工程（３）において、漉き槽は静止させたままで、漉き枠を人手で前後左右に揺すったり、沈下浮上を繰り返すことにより漉き作業を行なうため、漉き枠が漉き槽に衝突したり、沈下させすぎた漉き枠が漉き槽の底面に衝突することがあり、修復対象紙（Ｐ）に無用な衝撃を与えるとともに、作業者が作業中神経を使うため、作業効率が低い。
【００１０】
また、漉き枠が浸漬する程度の大量の修復原料液を使用しなければならないので、修復用液に無駄が多くなり、経済的でないという問題も有していた。
【００１１】
工程（５）においては、漉き作業の完了後、漉き容器から漉き枠を人手で取り出して水切りをして自然乾燥を行なわなければならないため、手数を要し、作業効率が低いという問題があった。
【００１２】
工程（６）においては、未乾燥状態の修復対象紙（Ｐ）を人手で乾燥装置に移し変えていたが、未乾燥状態の修復対象紙（Ｐ）は破れやすく、慎重に作業を行う必要があったので時間がかかり作業効率が低いという問題もあった。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る、紙製書画等の修復方法は上記従来の課題を解決すべくなされたものである。すなわち、ベルト移送手段で修復対象紙を移送し、修復対象紙の欠損部分を修復するために、修復対象紙の欠損部分を少なくとも含む上面に修復用液をコーティングするＡ工程と、修復対象紙及びこれにコーティングされた修復用液を吸引し、欠損部分に修復用液を通過させて修復用液を欠損部分に充填するＢ工程と、修復対象紙の上面に対して、流体で修復対象紙の欠損部分以外に残存する修復用液を除去するＣ工程と、修復対象紙及びこれに付着する水滴など余分な水分を吸引し、修復対象紙に付着する余分の水分を除去するＦ工程と、修復対象紙を乾燥させるＤ工程との各工程を備えた紙製書画等の修復方法において、前記ベルト移送手段は、濾過シート及び／又は漉きシート状材の役目を果たす手段として、絵絹（紗）に代表される生地と同程度の目の細かさを備えたものとし、前記Ｂ工程において、ベルト移送手段の下方より修復対象紙及びこれにコーティングされた修復用液を吸引し、前記Ｆ工程において、ベルト移送手段に載置された修復対象紙をベルトの下方より吸引し、前記Ｃ工程とＤ工程の間、又はＣ工程とＦ工程との間にベルト移送手段に流体を噴射してベルトを洗浄するＧ工程と、Ｄ工程の後に乾燥した修復対象紙をベルト移送手段から剥離させるＨ工程を備えたことを特徴とする紙製書画等の修復方法を基本とする。
【００１４】
次に、本発明に係る紙製書画等の修復装置も上記従来の課題を解決すべくなされたものである。すなわち、ベルト移送手段と、修復対象紙に対して修復用液をコーティングする修復用液コーティング手段と、未乾燥状態の修復対象紙を乾燥させる乾燥手段とを備えた紙製書画等の修復装置において、前記ベルト移送手段は、濾過シート及び／又は漉きシート状材の役目を果たす手段として、絵絹（紗）に代表される生地と同程度の目の細かさを備えたものとし、前記修復用液コーティング手段の前に、修復対象紙を加湿し皺の無い状態とする修復準備手段を備え、修復用液コーティング手段の後でベルト移送手段の下方に、修復対象紙及びこれにコーティングされた修復用液を吸引し欠損部分に修復用液を通過させて修復用液を欠損部分に充填する吸引手段を備え、前記吸引手段と乾燥手段との間に、流体で修復対象紙の欠損部分以外に残存する修復用液を除去する修復用液除去手段を備え、修復用液除去手段と乾燥手段の間でベルト移送手段の下方に、修復対象紙に付着する余分の水分を除去する水切り手段を備え、乾燥した修復対象紙をベルトから剥離させる剥離手段を乾燥手段の後に配設したことを特徴とする紙製書画等の修復装置を基本とする。
【００１５】
また、ベルト（Ｔａ）に流体を噴射してベルト（Ｔａ）を洗浄するベルト洗浄手段（７）を修復用液除去手段（３）と同位置または後に配設してもよい。
【００１６】
【発明の効果】
本発明にかかる修復方法または修復装置によれば、修復対象紙（Ｐ）がベルト（Ｔａ）で移送されて各工程を順次実施する修復方法、あるいは、修復対象紙（Ｐ）を移送するベルト移送手段（Ｔ）を有し、各手段をベルト移送手段（Ｔ）に沿って順次配設した修復装置としたことと、ベルト移送手段は、修復対象紙Ｐを載置して移送するだけでなく、従来の修復作業において使用される濾過シート状材または／および漉きシート状材の役目を果たすことにより、ベルト（Ｔａ）に載置された修復対象紙（Ｐ）に対して流れ作業で修復がなされる。よって、修復に必要な各工程が連続して自動的に行われることとなり、作業労力が著しく減少し、作業効率も飛躍的に向上する。
【００１７】
修復方法では、絵絹（紗）に代表される生地と同程度の目の細かさとした通水性を具備したベルト（Ｔａ）に修復対象紙（Ｐ）を載置し、修復装置では、絵絹（紗）に代表される生地と同程度の目の細かさとした通水性を具備したベルト（Ｔａ）により修復対象紙（Ｐ）を移送するベルト移送手段（Ｔ）を有するから、濾過シート状材、漉きシート状材を重ね、さらに修復対象紙（Ｐ）を重ね、これを人手で漉き枠に填め込む作業が不要となり、手数が少なくなって、作業効率が高い。
【００１８】
修復方法では、ベルト（Ｔａ）に載置した修復対象紙（Ｐ）に対して、欠損部分（Ｐａ）を少なくとも含む上面に修復用液をコーティングする工程、修復装置では、移送される修復対象紙（Ｐ）に対して、欠損部分（Ｐａ）を少なくとも含む上面に修復用液をコーティングする修復用液コーティング手段（１）を有するので、修復対象紙（Ｐ）に対して均一に修復用液を供給することができる。よって、修復用液の供給のムラがなく、修復部分の厚みにムラが発生したり、修復部分の一部に孔が残存することがない。また、修復原料液を修復に必要な量だけコーティングするため、修復用液に無駄がなく、経済的である。
【００１９】
修復方法では、ベルト（Ｔａ）の下方より修復対象紙（Ｐ）およびこれにコーティングされた修復用液を吸引し、欠損部分（Ｐａ）に修復用液を通過させて修復用液を欠損部分（Ｐａ）に充填する工程、修復装置では、ベルト（Ｔａ）の下方より修復対象紙（Ｐ）およびこれにコーティングされた修復用液を吸引し、欠損部分（Ｐａ）に修復用液を通過させて修復用液を欠損部分（Ｐａ）に充填する吸引手段（２）を有するので、修復用液をコーティングする際に修復対象紙（Ｐ）がめくれや破れが生じることがない。また、修復用液を欠損部分（Ｐａ）に強制的に通り抜けさせることができるため、作業効率が高く、修復用液の不足による修復部分の厚みのムラが発生したり、修復部分の一部に孔が開くことがない。
【００２０】
また、本発明にかかる修復方法または修復装置によれば、ベルト（Ｔａ）に載置された修復対象紙（Ｐ）に対して流れ作業で修復がなされるため、修復対象紙（Ｐ）に対して無用な衝撃を与える畏れがなく、作業中に作業者が余分な神経を使う必要がない。また、乾燥もベルト（Ｔａ）に載置した状態で行われ、従来のように漉き枠等から取り出す作業が不要である。よって、作業に手数を要さず、作業効率が高い。また修復対象紙（Ｐ）を移す作業が不要であるため、未乾燥状態の修復対象紙（Ｐ）を破る畏れがない。
【００２１】
以上、本発明に係る修復方法または修復装置により、和紙製または洋紙製の古文書などの欠損部分（Ｐａ）の修復における従来の課題を解決することができる。
【００２２】
【発明の実施の形態及び実施例】
本発明の紙製書画等の修復方法を図１を参考として実施例により説明すると、紙製書画等の修復方法は、
通水性を具備したベルトＴａに載置した修復対象紙Ｐを湿らせ、皺の無い状態とするＥ工程と、
ベルトＴａに載置した修復対象紙Ｐに対し、欠損部分Ｐａを少なくとも含む上面に修復用液をコーティングするＡ工程と、
Ａ工程を実施しながら、ベルトＴａの下方より修復対象紙Ｐおよびこれにコーティングされた修復用液を吸引し、欠損部分Ｐａに修復用液を通過させて修復用液を欠損部分Ｐａに充填するとともに、
Ａ工程の終了後、ひきつづきベルトＴａの下方よりベルトＴａに載置された修復対象紙Ｐおよびこれに残存する修復用液を吸引し、欠損部分Ｐａに修復用液を通過させて欠損部分Ｐａに充填するＢ工程と、
ベルトＴａに載置された修復対象紙Ｐの上面に対して、流体で修復対象紙Ｐの欠損部分Ｐａ以外に残存する修復用液を除去するＣ工程と、
ベルトＴａに流体を噴射してベルトＴａを洗浄するＧ工程と、
ベルトＴａに載置された修復対象紙ＰをベルトＴａの下方より吸引して、修復対象紙Ｐおよびこれに付着する水滴など余分の水分を吸引し、修復対象紙Ｐに付着する余分の水分を除去するＦ工程と、
ベルトＴａに載置された未乾燥状態の修復対象紙Ｐを乾燥させるＤ工程と、
乾燥した修復対象紙ＰをベルトＴａから剥離させるＨ工程
とからなる各工程を有し、ベルトＴａで修復対象紙Ｐを移送しつつ、各工程を順次実施する紙製書画等の修復方法である。
【００２３】
上記修復用液は、修復対象紙Ｐが和紙の場合には楮（コウゾ）、三椏（ミツマタ）、雁皮（ガンピ）等に代表される皮繊維からなる和紙用原料または和紙製古紙原料の一方又は両方と、トロロアオイの粘液またはアロンペイポリ−（東亜合成株式会社登録商標）等の化学のりに代表される粘着材を必要量混合し、ｐＨ６〜８程度としたイオン水に溶解して得る。また、修復対象紙Ｐが洋紙の場合には楮、三椏等の和紙用原料または木材パルプ、化学パルプ等からなる洋紙用原料若しくはこれと古紙パルプ（ぼろパルプを含む）等の補助原料とトロロアオイの粘液またはアロンペイポリ−（東亜合成株式会社登録商標）等の化学のりに代表される粘着材を必要量混合し、ｐＨ６〜８程度としたイオン水に溶解して得る。そして、修復用繊維をほぐすように混練し、修復用繊維が均一になるようにして漉き可能に仕上げる。
【００２４】
上記ベルトＴａは修復対象紙Ｐを直接載置し、修復方法の開始から終了まで修復対象紙Ｐを一貫して移送するものであり、本修復装置の各工程を実施し、修復を行う場所でもある。よってベルトＴａは、修復対象紙Ｐを載置して移送するだけでなく、従来の修復作業において使用される濾過シート状材または／および漉きシート状材の役目を果たすものである。ベルトＴａは、目の細かいステンレス製メッシュなど、従来の修復手段に用いられていた漉きシート状材である絵絹（紗）に代表される生地と同程度の通水性を具備するものが好ましく、柔軟性を有するものであればより好ましい。ベルトＴａと修復対象紙Ｐとの間に濾過シート状材または／および漉きシート状材を介在させてもよい。
【００２５】
上記Ｅ工程は、霧吹きや刷毛を用いて修復対象紙Ｐに湿り気を与えることにより、後に修復用液をコーティングするＡ工程において修復用液がよくなじむようにするという目的を有する工程である。修復対象紙Ｐに蒸留水やイオン水で湿り気を与えたのち、修復対象紙Ｐの表面に生じた皺を刷毛等で軽くのばして除去し、修復対象紙ＰをベルトＴａに密着させる。
【００２６】
Ａ工程における修復用液のコーティングは、ベルトＴａ上に載置される修復対象紙Ｐに対して、漉き可能に仕上られた修復用液を供給する工程である。コーティングは修復対象紙上に修復用液を静かに流す手段のほか、刷毛等で塗布する手段、修復用液を吹きつける散布手段等を用いることができる。修復用液の供給は、ムラがあると各修復部分の厚みが異なったものになったり、修復部分の一部に孔が残る畏れがある。したがってコーティングは修復対象紙Ｐにムラなく修復用液を供給して行う必要があり、修復用液のコーティングはできるだけ修復対象紙Ｐに近づけて行うことが望ましい。修復対象紙Ｐに近い位置からコーティングすることにより、修復用液をコーティングする勢いを和らげ、修復対象紙Ｐの上に静かにムラなくコーティングできるようになるからである。また、修復用液を静かにコーティングすることで、修復対象紙Ｐの捲れや破れを生じさせない。さらに、修復用液の流れ落ちる落差を小さくすると、修復用液が混ざりすぎず、修復用液の繊維が必要以上に絡まりにくくなって修復用液を均一に供給することができる効果もある。修復用液は欠損部分Ｐａを充填するために供給されるものであるから、欠損部分Ｐａが修復対象紙Ｐの一部であることが明白なときは、修復対象紙Ｐの上面全面ではなく、欠損部分Ｐａの存在する箇所にのみ修復用液を供給するようにしてもよい。
【００２７】
Ｂ工程における修復用液の吸引は、ベルトＴａ上に載置される修復対象紙ＰをベルトＴａの下方から吸引して修復対象紙Ｐ上の修復用液を欠損部分Ｐａに通過させ、かつ余分の修復用液を吸引する工程である。Ｂ工程は厳密な意味ではＡ工程の後で行うが、大まかな意味ではＡ工程と同時的に行うことができる。つまり、ベルトＴａ上の修復対象紙Ｐの上面に修復用液をコーティングしながら、ベルトＴａの下方から修復用液を吸引する。このＡ工程で修復用液をコーティングしながら行う吸引は、ベルトＴａ上に載置される修復対象紙Ｐの欠損部分Ｐａに修復用液を効率よく充填するために行うものである。すなわち、修復対象紙Ｐの下方から吸引を行うことによって修復対象紙Ｐに生じている欠損部分Ｐａに修復用液を集め、そこから修復用液を吸引して、欠損部分Ｐａに強制的に修復用液を通り抜けさせるのである。ベルトＴａには通水性を有する素材を用いているため、ベルトＴａを通じて修復対象紙Ｐの上の修復用液を吸い取ることができる。また、修復対象紙Ｐ上に修復用原料をコーティングした際に修復対象紙Ｐがめくれ上がらないようにベルトＴａ上に固定する効果も有する。
【００２８】
Ａ工程の終了後、Ｂ工程において、ひきつづき吸引を行ってもよい。このような方法を採るのは、修復対象紙Ｐの欠損部分Ｐａに充填した修復用液を重ねて吸引し、確実に欠損部分Ｐａに修復用液を充填するためである。すなわち、欠損部分Ｐａに充填された修復用液はＡ工程で充填された時点では繊維同士が離れていて、繊維同士の絡みがやや不足するため、このまま乾燥させると修復部分があまり強くない。また、修復用液が欠損部分Ｐａに盛り上がるように充填される場合もある。そこでさらに吸引することにより、修復用繊維同士を接近させ、充分に絡みを強くして修復部分の耐久性を一層保証するとともに、盛り上がった修復繊維を平坦とするのである。尚、Ａ工程で修復対象紙Ｐにピンホールが残存していても、この吸引において修復することができる。
【００２９】
Ｃ工程はベルトＴａ上に載置される修復対象紙Ｐ上に残存する余分の修復用液を除去する工程であって、修復対象紙Ｐ上に残存する余分の修復用液や、修復対象紙Ｐの欠損部分Ｐａ以外に残存する修復用液を流体（液体、気体）を噴射することにより除去して、欠損部分Ｐａ以外に余分な修復用繊維等が積層されることを回避することを目的とする。流体の噴射強度は修復対象紙Ｐの欠損部分Ｐａに充填した修復用液を除去しない程度の強度とし、特に修復対象紙Ｐは未乾燥であり、欠損部分Ｐａの修復用液も水分により脱落するので、液体を使用する場合は余分な修復用液等を軽く洗い流すようにして除去を行う。
【００３０】
Ｇ工程は、ベルトＴａの目に詰まった修復用液その他の不要物を流体の噴射で除去することにより、ベルトＴａの通水性を回復し、後工程の吸引脱水や乾燥を効率的に行なえるようにする工程である。Ｇ工程はＣ工程とＤ工程との間またはＣ工程とＦ工程との間に行うことができる。
【００３１】
Ｆ工程は、ベルトＴａ上を移送される修復対象紙Ｐに残存している水滴等を除去するための工程であって、未乾燥状態の修復対象紙ＰをＤ工程で乾燥させる前に、予備的工程として、水分を吸引し、水滴の除去等の水切りを行うことを目的とする。水切りを行えば余分な水分が除去され後工程であるＤ工程を迅速に行うことができる。
【００３２】
Ｄ工程は、ベルトＴａ上に載置される未乾燥状態の修復対象紙Ｐを乾燥させる工程である。乾燥させて修復用液の修復用繊維を欠損部分Ｐａに固定する目的を有する。尚、修復対象紙Ｐが洋紙の場合は、乾燥手段５の後に粘着剤塗布を行う必要がある。
【００３３】
Ｈ工程は、ベルトＴａから修復対象紙Ｐを剥離することを目的とする。乾燥した修復対象紙ＰはベルトＴａに密着して剥がれにくいため、修復対象紙ＰをベルトＴａから引き剥がすのではなく、ベルトＴａの下から押し上げるようにして剥離させることが望ましい。修復対象紙ＰとベルトＴａの間に濾過シート状材または／および漉きシート状材を介在させた場合も同じである。
【００３４】
これに続いて、ベルトＴａから剥離させた修復対象紙Ｐに対して熱と圧力を加えることにより皺を除去して仕上を行うようにすることもできる。
【００３５】
次に、本発明の紙製書画等の修復装置を実施例により説明すると、まず、図１は紙製書画等の修復装置の模式図、図２は修復準備手段の斜視簡略図、図３は修復用液コーティング手段と第一吸引手段の斜視簡略図、図４は他の実施例の修復用液コーティング手段の斜視簡略図、図５は他の実施例の修復用液コーティング手段の斜視簡略図、図６は第二吸引手段の斜視簡略図、図７は修復用液除去手段の斜視簡略図、図８はベルト洗浄手段の斜視簡略図、図９は水切り手段の斜視簡略図、図１０は乾燥手段の側面簡略図、図１１は剥離手段の斜視簡略図、図１２は攪拌手段の側面簡略図、図１３は仕上混練手段の側面簡略図、図１４は加熱加圧乾燥手段の側面簡略図、図１５は他の実施例の加熱加圧乾燥手段の側面簡略図、図１６は移送手段の斜視簡略図である。
【００３６】
本発明の実施例に係る紙製書画等の修復装置の構成は、
ベルトＴａにより修復対象紙Ｐを移送するベルト移送手段Ｔと、原料を仕上混練して漉き可能な修復用液とする修復用液調製手段９５と、
ベルトＴａに載置した修復対象紙Ｐを湿らせ、皺の無い状態とする修復準備手段４と、
移送される修復対象紙Ｐに対し、欠損部分Ｐａを少なくとも含む上面に修復用液をコーティングする修復用液コーティング手段１と、
ベルトＴａの下方より修復対象紙Ｐおよびこれにコーティングされた修復用液を吸引し、欠損部分Ｐａに修復用液を通過させて修復用液を欠損部分Ｐａに充填する吸引手段２と、
ベルトＴａに載置された修復対象紙Ｐの上面に対して、流体で修復対象紙Ｐの欠損部分Ｐａ以外に残存する修復用液を除去する修復用液除去手段３と、
ベルトＴａに流体を噴射してベルトＴａを洗浄するベルト洗浄手段７と、
ベルトＴａに載置された修復対象紙ＰをベルトＴａの下方より吸引して、修復対象紙Ｐおよびこれに付着する水滴など余分の水分を吸引し、修復対象紙Ｐに付着する余分の水分を除去する水切り手段６と、
ベルトＴａに載置された未乾燥状態の修復対象紙Ｐを乾燥させる、乾燥手段５と、
乾燥した修復対象紙ＰをベルトＴａから剥離させる剥離手段８と、
修復対象紙Ｐを取り上げ、移送する移送手段７５、
とを前記ベルト移送手段Ｔに沿って順次配設した構成である。
【００３７】
ベルト移送手段Ｔは、修復対象紙ＰをベルトＴａ上に直接載置して移送し、本修復装置の各手段を施し、修復を行うものであって、修復装置の開始部分から終了部分まで修復対象紙Ｐを一貫して移送するベルトコンベア機構である。ベルトコンベア機構に用いられるベルトＴａは修復対象紙Ｐを載置して移送するだけでなく、濾過シート状材または／および漉きシート状材を用いない場合には、従来の修復作業において使用される濾過シート状材または／および漉きシート状材の役目を果たすものである。
【００３８】
ベルトＴａとして目の細かいステンレス製メッシュ、ゴム製メッシュまたは銅製メッシュを用いることが好ましい。目の細かいこれらのメッシュをベルトＴａのすべてに用いてもよく、修復対象紙Ｐを載置する部分だけ目を細かくしてもよい。メッシュの目の細かさは、従来の修復手段に用いられていた漉きシート状材である、絵絹（紗）に代表される生地と同程度の通水性を具備できるものが好ましい。また、修復対象紙Ｐを載置する部分をメッシュではなく、絵絹（紗）やこれと同程度の柔軟性と通水性を具備する生地を用いることもできる。さらに、ベルトＴａを通水性を有するものとし、そのようなベルトＴａの上に絵絹（紗）に代表される柔軟性と通水性を有する生地を載置するようにすることも可能である。
【００３９】
ベルトＴａは前述の通り、従来の修復作業において使用される濾過シート状材または／および漉きシート状材の役目を果たすものである。後述するように、ベルトＴａに載置した修復対象紙Ｐに修復用液をコーティングすると、修復用液が修復対象紙Ｐの欠損部分Ｐａを通過せずに上面を流れてしまう場合がある。あまりに早く流れ出てしまうと欠損部分Ｐａに修復用液の充填を充分に行うことができないため、図４に示すように、ベルトＴａ上に修復対象紙Ｐの収まる程度の間隔をあけて突条Ｔｂを具備させるとともに、修復用液コーティング手段１の位置においてベルトＴａを挟むように側部に囲い部材Ｔｃを設けて修復対象紙Ｐを囲む、枠状の空間を形成するようにしてもよい。
【００４０】
また、図５に示すように、ベルトＴａに載置した修復対象紙Ｐを囲むことができる枠体１６を具備してもよい。該枠体１６はベルトＴａに対して上下自在に具備されるものとし、コーティングに際してベルトＴａ上の修復対象紙Ｐを囲むように下降して、コーティングされた修復用液が修復対象紙Ｐの上面を流れてしまうことを防止するようにする。
【００４１】
ベルト移送手段Ｔの移送速度は、０．５〜２ｍ／分であるのが好ましい。この数値は、後記修復用液コーティング手段１から供給される修復用液の量や、吸引手段２による吸引力などとの関連における最適値に設定を行う。
【００４２】
修復準備手段４は、図２に示すように、ベルト移送手段ＴのベルトＴａ上に載置した修復対象紙Ｐに対して水を噴霧する手段であって、噴霧用ノズル４３、噴霧用ポンプ４２、噴霧水槽４１から構成される。噴霧水として、蒸留水やイオン水などを用いることができる。修復準備手段４は修復対象紙Ｐに湿り気を与えることにより、後工程である修復用液コーティング手段１において修復用液がよくなじむようにするという目的を有する。修復対象紙ＰをベルトＴａ上に載置し、修復対象紙Ｐに水を噴霧したのち、修復対象紙Ｐの表面に生じた皺を刷毛等で軽くのばして除去し、修復対象紙ＰをベルトＴａに密着させる。
【００４３】
修復用液調製手段９５は図１に示すように修復用繊維、粘着材、イオン水等の修復用液の原料を貯留し、原料から漉き可能な修復用液を調製するとともに、修復用液を修復用液コーティング手段１に供給する手段であって、本実施例では修復用繊維等槽９６、イオン水槽９７、補充液槽９８、攪拌槽１１、仕上混練槽１２から構成される。
【００４４】
上記修復用繊維等槽９６は修復用繊維、粘着材等を混在して貯留し、イオン水槽９７はイオン水を貯留する。また補充液槽９８は、原料とイオン水をあらかじめ混合したものを補充液として貯留する。補充液は、回収液を戻すことによって濃度が低下した修復用液に加えて修復用液の濃度を一定に保つためのものである。後記攪拌槽１１への供給は、ポンプを用いて行う。
【００４５】
上記攪拌槽１１は図１及び図１２に示すように修復用液を攪拌、調製する容器である。修復用繊維、粘着材、イオン水、補充原料を攪拌する攪拌手段１３を有するとともに、調製される修復用液の濃度、比重及びｐＨを計測し、所定の性質を管理するための濃度計、比重計、ｐＨ計を有している。ここでは供給された原料を攪拌手段１３で攪拌して均一に混ざるようにすることが目的であり、絡みあっている修復用繊維をほぐすことは目的としていない。漉き可能とするためには、更に仕上の混練を行うことを要する。後述するように回収液が攪拌槽１１に戻された場合には槽内の修復用液の濃度が変化するので補充液を追加して修復用液の濃度等が一定に保たれるようにする。
【００４６】
図１２に示す攪拌手段１３は、上述したように供給した原料を攪拌して均一に混ざるようにするためのものである。供給された原料は濃度、粘度等が部位によって異なるため、攪拌を行って均一な濃度、粘度等を有する修復用液を調製する。また原料には修復用繊維など比重の異なるものが混在しており、重いものが沈澱しやすいので、攪拌手段１３は攪拌槽１１の底部付近を十分に攪拌できる手段が好ましく、例えば、軸に複数枚の羽根を放射状に具備させ、羽根部分を攪拌槽１１の底部付近で回転させる手段などが好ましい。なお、後述する仕上混練槽１２が前記攪拌手段１３を兼備している場合には、攪拌槽１１を設ける必要はなく、原料を仕上混練槽１２に直接供給するようにしてもよい。
【００４７】
前記攪拌槽１１で調製される修復用液は、攪拌槽１１に供給された繊維からなる和紙用原料、古紙原料、木材パルプ、化学パルプ、粘着材、イオン水からなり、これらを攪拌手段１３で静かに攪拌して繊維を均一にしつつ、所定の濃度、比重及びｐＨに調整したものである。
【００４８】
上記仕上混練槽１２は図１、図３及び図１３に示すように修復用液を仕上混練して修復用液を調製する容器である。前記攪拌槽１１から供給された修復用液を仕上混練手段１４で静かに混練し、液中で絡みあっている修復用繊維をほぐして修復用液を均一にすることを目的とする。原料や修復用液中では、修復用繊維は絡み合って小さい塊状になって存在しており、修復用繊維を修復対象紙Ｐの小さな面積の欠損部分Ｐａへ充填することができない。そこで修復用繊維をほぐして小さな欠損部分Ｐａへ充填できるようにするとともに、修復用繊維が欠損部分Ｐａで結合しやすくする。調製される修復用液の濃度、比重及びｐＨを計測し、所定の性質を管理するための濃度計、比重計、ｐＨ計を有している。
【００４９】
仕上混練手段１４は、図１３に示すように、棒状体や板状体を仕上混練槽１２内で遅い速度で往復する手段など、修復用液に対して直線的な動きを行う手段が好ましい。強い過流を生じさせると却って修復用繊維が絡み合ってしまうからである。仕上混練槽１２内を往復可能な棒状体や板状体をモータを用いた往復運動機構で遅い速度で往復させる手段が好ましい。なお、仕上混練槽１２は仕上混練手段１４と攪拌手段１３を兼備してもよい。原料の特性に応じて両手段を別々に作動させる必要がある場合、または同時に作動させることができる場合がある。
【００５０】
上記修復用液は、修復対象紙Ｐが和紙の場合には楮（コウゾ）、三椏（ミツマタ）、雁皮（ガンピ）等に代表される皮繊維からなる和紙用原料または和紙製古紙原料の一方又は両方と、トロロアオイの粘液またはアロンペイポリ−（東亜合成株式会社登録商標）等の化学のりに代表される粘着材を必要量混合し、ｐＨ６〜８程度としたイオン水に溶解して得る。また、修復対象紙Ｐが洋紙の場合には楮、三椏等の和紙用原料または木材パルプ、化学パルプ等からなる洋紙用原料若しくはこれと古紙パルプ（ぼろパルプを含む）等の補助原料とトロロアオイの粘液またはアロンペイポリ−（東亜合成株式会社登録商標）等の化学のりに代表される粘着材を必要量混合し、ｐＨ６〜８程度としたイオン水に溶解して得る。そして、仕上混練槽１２で、修復用繊維をほぐすように混練し、修復用液が均一になるようにして漉き可能に仕上げる。
【００５１】
修復用液コーティング手段１は、図１、図３に示すように供給された修復用液を修復対象紙Ｐにコーティングするコーティング用ノズル１５を有している。コーティング用ノズル１５は、ベルトＴａ上を移送される修復対象紙Ｐに対して、前記仕上混練槽１２から供給される修復用液をコーティングするものであって、一端が閉塞されたパイプの側面に細パイプを装着して各細パイプから液が静かに流れ出るようにしたものである。細パイプの直径は修復用繊維が絡み、詰まらない程度の大きさがあればよい。また、修復対象紙Ｐからコーティング用ノズル１５までの高さは１０〜５０ｍｍ程度とし、コーティング用ノズル１５を修復対象紙Ｐに接近させて、修復用液をコーティングする勢いを和らげ、修復対象紙Ｐの上に静かにムラなくコーティングできるようにする。コーティング用ノズル１５の高さは調節できるようにしてもよい。また図４のコーティング用ノズル１５ａのように、修復用液が帯状に吐出される細いスリット状の開口部を有するようにしてもよい。尚、コーティングは修復対象紙上に修復用液を静かに流す手段のほか、刷毛等で塗布する手段、修復用液をシャワー状に吹きつける散布手段等を用いることができる。コーティング手段１はベルト移送手段Ｔの移送方向に沿って複数箇所に設置してもよい。この場合、修復用液の充填が不充分であっても、さらに修復用液を充填できるので好ましい。
【００５２】
前記コーティング用ノズル１５はベルト移送手段Ｔ上に載置される修復対象紙Ｐとともに移動してもよい。この場合には、修復対象紙Ｐに対するコーティング用ノズル１５の相対速度が遅くなり、コーティング時間が長く取れる結果、修復対象紙Ｐにより多くの修復用液をコーティングできるようになる。コーティング用ノズル１５の移動速度は修復対象紙Ｐと同じ速度でもよく、それより遅い速度で移動するようにしてもよい。コーティング用ノズル１５は一定範囲を移動した後、もとの位置まで戻り、次の修復対象紙Ｐに対して修復用液をコーティングできるようにする。また、修復用液のコーティングは修復対象紙Ｐにコーティングを終えて次の修復対象紙Ｐにコーティングを行うまでの間、修復用液の消耗を防ぐため、コーティングを停止することが好ましい。
【００５３】
コーティング用ノズル１５は図３に示すように仕上混練槽１２の下方に位置させ、修復用液を供給するには、仕上混練槽１２の下に具備しバルブを開閉して行う。仕上混練槽１２を上方に位置させてこのように修復用液を供給するのは、仮にポンプ等を用いて修復用液を供給すると修復用液をポンプ内で不必要に混ぜ合わせることになり、修復用液を修復対象紙Ｐに供給する前の段階で修復用繊維が絡み合って固まりになり、修復用液を修復対象紙Ｐの小さな面積の欠損部分Ｐａに充填することができなくなるからである。
【００５４】
吸引手段２は、図１、図３および図６に示すように、ベルトＴａ上を移送される修復対象紙ＰをベルトＴａの下方から吸引して修復対象紙Ｐ上の修復用液を下方に通過させ、かつ余分の修復用液を吸引するものであって、修復用液のコーティングを行いながら吸引を行う第一吸引手段２１と、修復用液のコーティング後に吸引を行う第二吸引手段２２とからなる。それぞれ吸引手段２は、ベルトＴａの下方に設置される吸引部２４と、気体および液体の吸引ができる吸引用ポンプ２３、吸引部２４と吸引用ポンプ２３を接続するパイプから構成される。吸引部２４は修復対象紙Ｐの全面をムラなく吸引することができるものとする。欠損部分Ｐａが修復対象紙Ｐのどのような部分にあっても均一に修復用液を通過させ、均一に修復用液を充填するためである。よって、修復対象紙Ｐの面積に対応した大きさの吸引部２４を単独で設置するほか、複数の小型の吸引部２４をベルトＴａの幅方向に設置して、吸引部２４の上方を通過する修復対象紙Ｐの全面を吸引できるよう隙間なく吸引部２４を設置するようにしてもよい。また、吸引部２４は修復対象紙Ｐの幅に対応した長さの細長い形状のものであってもよい。
【００５５】
第一吸引手段２１は、図３に示すように前記修復用液コーティング手段１の下方に設置されて、ベルトＴａ上を移送される修復対象紙Ｐの欠損部分Ｐａに修復用液を効率よく充填するためのものである。すなわち、修復対象紙Ｐの下方から吸引を行うことによって修復対象紙Ｐに生じている欠損部分Ｐａに修復用液を集め、そこから修復用液を吸引して、欠損部分Ｐａに強制的に修復用液を通り抜けさせるのである。ベルトＴａには通水性を有する素材を用いているため、ベルトＴａを通じて修復対象紙Ｐの上の修復用液を吸い取ることができる。また、修復対象紙Ｐ上に修復用液をコーティングした際に修復対象紙Ｐがめくれ上がらないようにベルトＴａ上に固定する効果も有する。吸引部２４は修復対象紙Ｐの全面をムラなく吸引することができ、かつ、余分な修復用液を受け止められるように、修復対象紙Ｐの面積に対応した大きさの吸引部２４を単独で設置する。また、吸引部２４と吸引用ポンプ２３の間に回収液槽２５を設置する。
【００５６】
第二吸引手段２２は、図１、図６に示すように前記修復用液コーティング手段１のあとに設置されて、ベルトＴａ上を移送される修復対象紙Ｐの欠損部分Ｐａに充填した修復用液を重ねて吸引し、確実に欠損部分Ｐａに修復用液を充填するためのものである。すなわち、欠損部分Ｐａに充填された修復用液は第一吸引手段２１で充填された時点では繊維同士が離れていて、繊維同士の絡みがやや不足するため、このまま乾燥させると修復部分があまり強くない。また、修復用液が欠損部分Ｐａに盛り上がるように充填される場合もある。そこで第二吸引手段２２でさらに吸引することにより、修復用繊維同士を接近させ、充分に絡みを強くして修復部分の耐久性を一層保証するとともに、盛り上がった修復繊維を平坦とするのである。吸引部２４は修復対象紙Ｐの幅に対応した長さの細長い形状のものとする。
【００５７】
修復用液除去手段３は、図１、図７に示すようにベルトＴａ上を移送される修復対象紙Ｐ上に液体を噴射して残存する余分の修復用液を除去するためのものであって、洗浄用液を貯留する洗浄用液槽３１、洗浄用液体を供給する除去用ポンプ３２、修復用液除去用ノズル３３と、これらを接続するパイプ、および排出される修復用液や洗浄用液体を回収する受け３４から構成される。修復対象紙Ｐ上に残存する余分の修復用液や、修復対象紙Ｐの欠損部分Ｐａ以外に残存する修復用液を除去して、欠損部分Ｐａ以外に余分な修復用繊維等が積層されることを回避する。修復用液除去用ノズル３３は修復対象紙Ｐの幅に合わせて配設し、修復対象紙Ｐの上面をムラなく洗浄するものとする。洗浄用液体として蒸留水あるいはイオン水を使用することができる。また圧搾空気など、気体を使用することもできる。洗浄用流体の噴射強度は修復対象紙Ｐの欠損部分Ｐａに充填した修復用液を除去しない程度の強度とし、特に修復対象紙Ｐは未乾燥であり、欠損部分Ｐａの修復用液も水分により脱落するので、液体を使用する場合は余分な修復用液等を軽く洗い流すようにして除去を行う。
【００５８】
ベルト洗浄手段７は図１、図８に示すように、ベルト移送手段ＴのベルトＴａを下方から洗浄するものであって、流体として洗浄液を用いており、洗浄液を貯留するベルト洗浄液槽７１、ベルト洗浄用ポンプ７２、ベルト洗浄用ノズル７３およびこれらを接続するパイプから構成される。ベルト洗浄手段７は、ベルトＴａの目に詰まった修復用繊維その他の不要物を除去することにより、ベルトＴａの通水性を回復し、後工程の吸引脱水や乾燥を効率的に行なえるようにするものである。ベルト洗浄手段７は修復用液除去手段３の直下または修復用液除去手段３と後述する水切り手段６の間に設置することができる。洗浄に用いる流体は、洗浄液として蒸留水やイオン水を用いることができ、圧搾空気など気体を用いることもできる。
【００５９】
水切り手段６は、図１、図９に示すようにベルトＴａ上を移送される修復対象紙Ｐに残留している水滴等を除去するためのものであって、気体と液体の吸引ができる水切り用ポンプ６１、水切り吸引部６２およびこれらを接続するパイプから構成される。ベルトＴａ上に載置された修復対象紙Ｐ上に前記修復用液除去手段３による水分等が残留するため、未乾燥状態の修復対象紙Ｐを乾燥手段により乾燥させる前に、乾燥手段の予備的手段として、水滴の除去等の水切りを行うことを目的とする。水切りを行えば余分な水分が除去され後工程である乾燥手段を用いた乾燥を迅速に行うことができる。水切り吸引部６２は、修復対象紙Ｐの幅に対応した長さの細長い形状のものであり、修復対象紙Ｐの全面をムラなく吸引することができる。また、水切り吸引部６２は複数の吸引部２４をベルトＴａの幅方向に設置するようにしてもよい。吸引部２４の上方を通過する修復対象紙Ｐの全面を吸引できるよう隙間なく吸引部２４を設置することが好ましい。
【００６０】
乾燥手段５は、図１、図１０に示すようにベルトＴａ上を移送される未乾燥状態の修復対象紙ＰをベルトＴａに載置した状態で乾燥させるものであり、ベルト移送手段Ｔを覆うように加熱乾燥炉５１を形成してなる。加熱乾燥炉５１内には上方にヒータ５２が設置され、ヒータ５２として赤外線ヒータ、遠赤外線ヒータなどを用いることができる。修復対象紙Ｐの下方にヒータ５２の熱を輻射するアルミニウム板等で形成される反射板５３を設置してもよい。この場合、両面から修復対象紙Ｐを加熱することができ、迅速に乾燥をさせることができる。加熱乾燥炉５１内の温度は１００から２００℃、乾燥を行う時間は１分〜２分であるが修復対象紙Ｐ、ベルトＴａの移送速度等を考慮して最適な条件で加熱乾燥を行うものとする。乾燥手段５としては、温風によるエアカーテン方式を用いることもできる。この場合、温風を噴出するノズルはベルトＴａ上を移送される修復対象紙Ｐにムラなく温風を噴射できるように配設するものとする。尚、修復対象紙Ｐが洋紙の場合は、乾燥手段５の後に霧吹き手段等により全体的に湿りを付与し、修復された欠損部分Ｐａの周囲を重点的に略中性の表層用糊、トロロアオイの粘液またはアロンペイポリ−（東亜合成株式会社登録商標）等の化学のりに代表される粘着材を塗布した後、再度乾燥させる。
【００６１】
剥離手段８は、図１、図１１に示すように、ベルトＴａ上に載置した修復対象紙ＰをベルトＴａから剥離するためのものであって、エアコンプレッサ８１、剥離用ノズル８２およびこれらを接続するパイプから構成される。ベルトＴａの下方に配設された剥離用ノズル８２から噴出された圧搾空気が修復対象紙ＰをベルトＴａから持ち上げる作用を及ぼし、修復対象紙ＰをベルトＴａから剥離させる。剥離手段８は前記乾燥手段５のあとに設置する。
【００６２】
移送手段７５は、図１６に示すように、修復を終えた修復対象紙ＰをベルトＴａから取り上げ、移送するものである。移送手段７５は真空ポンプに連結された吸盤７６の多数により、前記剥離手段８でベルトＴａより剥離した修復対象紙Ｐを吸着して取り上げ、移送を行う。前記剥離手段８では完全に剥離しない修復対象紙ＰをベルトＴａから外す効果も有する。
【００６３】
欠損部分Ｐａの修復を行って乾燥させ、前記移送手段７５でベルトＴａから取り上げた修復対象紙Ｐに対し、修復対象紙Ｐに残存する皺等を除去し、欠損部分Ｐａに修復用液が盛り上がった場合にこれを平坦にするため、加熱加圧乾燥手段８５を用いてプレスして仕上げを行うことができる。
【００６４】
上記加熱加圧乾燥手段８５の一例は、図１４に示すように修復対象紙Ｐを挟む金属板８６と修復対象紙Ｐを載置する弾性板状体８８、金属板８６を加熱する加熱手段８７、金属板８６を修復対象紙Ｐに押圧して圧力を加えるプレス機構８９から構成される。金属板８６はステンレス板、アルミニウム板を用い、弾性板状体８８の材質は、スチロールまたはウレタンである。加熱手段８７は、金属板８６の温度が１００℃〜２００℃程度となるものであればよい。
【００６５】
加熱加圧乾燥手段８５の他の実施例として、図１５に示すように未乾燥状態の修復対象紙Ｐを加熱したローラ９０で挟み、圧力を加えて乾燥を行うようにしてもよい。この場合の構成は２本のローラ９０、ローラ９０を加熱する加熱手段９１、ローラ９０間に圧力を加えるプレス機構９４、ローラ９０を回転させる回転機構９３から構成される。当該加熱加圧乾燥手段８５は、ローラ９０を上下に対峙させ、両ローラ９０の間隙を調節自在として間を通過する修復対象紙Ｐに加える圧力を調節する。加熱手段９１として上側ローラ９０の上方、及び下側ローラ９０の下方にローラ９０に沿ったステンレス製又はアルミニウム製の覆い９２を設け、ローラ９０に面した覆い９２の内面にローラ９０に沿って遠赤外線ヒータ等を設ける。ローラ９０の表面温度は、加熱手段９１を調節して常温から１５０℃の間で調節する。両ローラ９０を回転させ、修復対象紙Ｐを送り出しながら加圧、加熱して乾燥させ、皺取りなどの仕上げを行う。
【００６６】
図１、図３に示すように、第一吸引手段２１で吸引した修復用液を回収して、修復用液調製手段９５に戻して再利用するようにしてもよい。回収液槽２５からはパイプがポンプを介して修復用液調製手段９５の攪拌槽１１または仕上混練槽１２に接続される構成とする。通常、修復用液コーティング手段１の液を約３回循環させても、修復用液の濃度はあまり薄くならないため、再調整をしなくてもそのまま再利用できる。４回程度循環させると、修復用液を構成する修復用繊維等の濃度が薄くなるため、攪拌槽１１または仕上混練槽１２に補充液を追加して適宜調製しなおす必要が生じ得る。
【図面の簡単な説明】
【図１】紙製書画等の修復装置の模式図である。
【図２】修復準備手段の斜視簡略図である。
【図３】修復用液コーティング手段と第一吸引手段の斜視簡略図である。
【図４】他の実施例の修復用液コーティング手段の斜視簡略図である。
【図５】他の実施例の修復用液コーティング手段の斜視簡略図である。
【図６】第二吸引手段の斜視簡略図である。
【図７】修復用液除去手段の斜視簡略図である。
【図８】ベルト洗浄手段の斜視簡略図である。
【図９】水切り手段の斜視簡略図である。
【図１０】乾燥手段の側面簡略図である。
【図１１】剥離手段の斜視簡略図である。
【図１２】攪拌手段の側面簡略図である。
【図１３】仕上混練手段の側面簡略図である。
【図１４】加熱加圧乾燥手段の側面簡略図である。
【図１５】他の実施例の加熱加圧乾燥手段の側面簡略図である。
【図１６】移送手段の斜視簡略図である。
【符号の説明】
１修復用液コーティング手段
２吸引手段
３修復用液除去手段
４修復準備手段
５乾燥手段
６水切り手段
７ベルト洗浄手段
８剥離手段
１１攪拌槽
１２仕上混練槽
１３攪拌手段
１４仕上混練手段
１５コーティング用ノズル
１５ａコーティング用ノズル
１６枠体
２１第一吸引手段
２２第二吸引手段
２３吸引用ポンプ
２４吸引部
２５回収液槽
３１洗浄用液槽
３２除去用ポンプ
３３修復用液除去用ノズル
３４受け
４１噴霧水槽
４２噴霧用ポンプ
４３噴霧用ノズル
５１加熱乾燥炉
５２ヒータ
５３反射板
６１水切り用ポンプ
６２水切り吸引部
７１ベルト洗浄液槽
７２ベルト洗浄用ポンプ
７３ベルト洗浄用ノズル
７５移送手段
７６吸盤
８１エアコンプレッサ
８２剥離用ノズル
８５乾燥手段
８６金属板
８７加熱手段
８８弾性板状体
８９プレス機構
９０ローラ
９１加熱手段
９２覆い
９３回転機構
９４プレス機構
９５修復用液調製手段
９６修復用繊維等槽
９７イオン水槽
９８補充液槽
Ｔベルト移送手段
Ｔａベルト
Ｔｂ突条
Ｔｃ囲い部材
Ｐ修復対象紙
Ｐａ欠損部分[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
    The present invention mainly relates to a method and an apparatus for repairing a defective portion such as an old document made of Japanese paper or Western paper in a paper cultural heritage.
[0002]
[Prior art]
  Conventionally, in order to repair a missing portion (Pa) of an old document made of Japanese paper or Western paper, the following steps are basically performed.
(1) Overlay the sheet material on the filter sheet material, further layer the repair target paper (P) on the sheet material, and spray water manually to moisten the repair target paper (P). .
(2) The filtration sheet material prepared in step 1 is manually inserted into a hand-rolled frame.
(3) The restoration liquid in which the restoration fibers are dissolved is pumped into a container such as a bucket, and poured manually into a certain part of the soaking tank to fill the soaking tank with the repairing liquid.
(4) Dipping the fired frame prepared in step (2) into the repair solution filled in the fired tank prepared in step (3), leaving the fired tank stationary, and manually moving the fired frame The work is carried out by rocking back and forth, left and right, or by repeatedly sinking and floating, and the repair liquid is passed through the defect portion (Pa) to smoothly fill the defect portion (Pa) with the repair solution. The restoration fiber in the restoration liquid is smoothly filled in the defect part (Pa) of the restoration target paper (P) because the restoration fiber in the restoration liquid passing through the defect part (Pa) It is considered that the defective portion (Pa) is covered by being caught by the end portion of the paper fiber that has jumped out to the defective portion (Pa) and being connected in a direction perpendicular to the cross section. Further, it is considered that the smoothing is because the paper fibers do not protrude in the thickness direction at the defect portion (Pa), and the repair fibers extend only in the plane direction.
(5) After completion of the sowing operation, the soot frame is manually removed from the soaking tank, drained, replaced with a drying table, and naturally dried for a certain period of time.
(6) The restoration target paper (P) in an undried state is manually transferred to a drying apparatus and dried.
(7) The sheet-like material and the filter sheet-like material are manually removed from the repair target paper (P).
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
  The restoration of the missing portion (Pa) of the conventional Japanese paper or Western paper old document has the following problems.
[0004]
  Since each process from process 1 to process 7 was performed manually and the paper frame filled with the paper to be repaired (P) was manually moved to each process, the work efficiency was high despite the large work effort. It was low.
[0005]
  In steps (1) and (2), it is necessary to stack the filtration sheet-like material and the sheet-like material, and further stack the paper to be repaired (P), and then manually insert this into the firing frame. It takes time and work efficiency is low.
[0006]
  In the step (3), since the repair liquid was manually poured from a container such as a bucket into the spreading tank, it was difficult to supply the repair liquid evenly and uniformly to the repair target paper (P). . Therefore, the density of the repairing fiber increases at the location where the repairing liquid is poured, and the density of the repairing fiber decreases as the distance from the pouring site decreases, and the density of the repairing liquid becomes non-uniform throughout the entire spreading tank. . When the soaking frame prepared in step (2) is immersed in such a repairing solution and the sowing operation is performed, the repairing solution is filled in the defect portion (Pa) located far from the poured portion. Insufficient, unevenness occurred in the thickness of the repaired part, or holes remained in a part of the repaired part.
[0007]
  Further, in the step (3), since the repair liquid is manually poured from the container such as a bucket into the watering tank, it is difficult to supply the repair liquid quietly, depending on the strength of the flow of the repair liquid. The repair target paper (P) was turned up or torn.
[0008]
  In the step (4), the handing frame was manually shaken back and forth, left and right, or the sinking and flying was repeated, and the handing frame was moved manually with respect to the resting repair solution. For this reason, the degree of filling the defective part (Pa) of the repair liquid depends on the movement of the human hand, and the repair liquid could not be forced to pass through the defective part (Pa). The work efficiency was low, the repair liquid was insufficiently filled, and the thickness of the repaired portion was uneven, or a hole was formed in a part of the repaired portion.
[0009]
  In step (3), the whirling tank is kept stationary, the whirling frame is manually shaken back and forth and left and right, and the whirling work is carried out by repeating the sinking and floating. There is a case where the whirling frame collides with the bottom surface of the whirling tub, and an unnecessary impact is given to the paper to be repaired (P), and the operator uses the nerve during the work, so the work efficiency is low.
[0010]
  In addition, since a large amount of the restoration raw material liquid that can be immersed in the fired frame must be used, there is a problem that the restoration liquid is wasted and is not economical.
[0011]
  In step (5), after the completion of the sowing operation, it is necessary to manually remove the soot frame from the soaking container, drain it, and dry it naturally, which is troublesome and low in work efficiency. .
[0012]
  In step (6), the undried restoration target paper (P) was manually transferred to the drying device, but the undried restoration target paper (P) is easily torn and needs to be carefully handled. There was also a problem that it took time and work efficiency was low.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
  A method for repairing a paper book or the like according to the present invention has been made to solve the above-described conventional problems. That is,In order to transport the repair target paper by the belt transfer means and repair the defective portion of the repair target paper, the process A for coating the repair liquid on the upper surface including at least the defective portion of the repair target paper; B process of sucking the coated repair liquid, passing the repair liquid through the defect portion and filling the defect liquid with the repair liquid, and the defect portion of the repair target paper with fluid against the upper surface of the repair target paper In addition to the C process for removing the rest of the repairing liquid, the F process for removing excess water adhering to the repair target paper by sucking excess water such as the repair target paper and water droplets adhering thereto, and the repair target paper In the restoration method for paper-made drawings and the like, each of which includes a step D and a step D for drying the belt, the belt transfer means is represented by picture silk as a means for serving as a filter sheet and / or a sheet-like material. As much as dough In step B, the paper to be repaired and the repair liquid coated thereon are sucked from below the belt transfer unit, and placed in the belt transfer unit in step F. G process and D process in which the sheet to be repaired is sucked from below the belt, and the belt is cleaned by spraying a fluid to the belt transfer means between the C process and the D process or between the C process and the F process. A method for repairing a paper book or the like, characterized in that it comprises an H step of peeling the dried paper to be repaired from the belt transfer means afterBased on.
[0014]
  Next, a restoration apparatus for paper-made book drawings and the like according to the present invention is also made to solve the above-mentioned conventional problems. That is,In a restoration device such as a paper book, comprising a belt transfer means, a restoration liquid coating means for coating the restoration target paper on the restoration target paper, and a drying means for drying the restoration target paper in an undried state, The belt transfer means is a means for serving as a filter sheet and / or a sheet-like material, and has a fineness similar to that of a cloth represented by picture silk, and the liquid coating means for repairing A repair preparation means for humidifying the paper to be repaired and free of wrinkles, and after the repair liquid coating means, the paper to be repaired and the repair liquid coated thereon are placed below the belt transfer means. A suction means for sucking and passing the repair liquid through the defective portion and filling the defective portion with the repair liquid is provided, and the repair remaining between the suction means and the drying means other than the defective portion of the paper to be repaired is provided between the suction means and the drying means. It is provided with a repairing liquid removing means for removing the liquid for repairing, and is provided with a draining means for removing excess water adhering to the paper to be repaired between the repairing liquid removing means and the drying means, below the belt transfer means, and dried. A device for repairing a paper book or the like, characterized in that a separating means for separating the paper to be repaired from the belt is disposed after the drying means.Based on.
[0015]
  Further, the belt cleaning means (7) for cleaning the belt (Ta) by jetting fluid onto the belt (Ta) may be disposed at the same position as or after the repair liquid removing means (3).
[0016]
【The invention's effect】
  According to the repair method or the repair device of the present invention, the repair target paper (P) is transferred by the belt (Ta).Each processSequential repair methods,Alternatively, a repairing apparatus having belt transporting means (T) for transporting the paper to be repaired (P) and sequentially arranging each means along the belt transporting means (T).The belt transfer means not only mounts and transports the paper P to be repaired, but also serves as a filter sheet material and / or a rolled sheet material used in conventional repair operations. ,The repair target paper (P) placed on the belt (Ta) is repaired by a flow operation. Therefore, each process required for the repair is automatically performed continuously, so that the work labor is remarkably reduced and the work efficiency is greatly improved.
[0017]
  In the repair method,The fineness of the eyes is the same as that of fabrics such as picture silkThe paper to be restored (P) is placed on a belt (Ta) having water permeability.The fineness of the eyes is the same as that of fabrics such as picture silkSince it has a belt transfer means (T) for transferring the paper to be repaired (P) by means of a belt (Ta) having water permeability, the filter sheet material and the sheet material are stacked, and the paper to be repaired (P) is further stacked. This eliminates the need to manually fit this in a hand-rolled frame, reduces the number of operations, and increases the work efficiency.
[0018]
  In the restoration method, the restoration target paper (P) placed on the belt (Ta) is coated with a restoration liquid on the upper surface including at least the defective portion (Pa). With respect to (P), since the repair liquid coating means (1) for coating the repair liquid on the upper surface including at least the defect portion (Pa) is provided, the repair liquid is uniformly applied to the repair target paper (P). Can be supplied. Therefore, there is no unevenness in the supply of the repair liquid, and there is no unevenness in the thickness of the repaired part, and no holes remain in a part of the repaired part. Further, since the restoration raw material liquid is coated in an amount necessary for the restoration, the restoration liquid is not wasted and is economical.
[0019]
  In the restoration method, the restoration target paper (P) and the restoration liquid coated thereon are sucked from below the belt (Ta), and the restoration liquid is passed through the defect portion (Pa) to pass the restoration liquid to the defect portion ( In the process of filling Pa) and the repair device, the repair target paper (P) and the repair liquid coated thereon are sucked from below the belt (Ta), and the repair liquid is passed through the defective portion (Pa). Since it has the suction means (2) that fills the defect portion (Pa) with the repair liquid, the repair target paper (P) does not turn or tear when the repair liquid is coated. In addition, since the repair liquid can be forced to pass through the defective part (Pa), the work efficiency is high, the thickness of the repair part is uneven due to the lack of the repair liquid, or part of the repair part. There are no holes.
[0020]
  Further, according to the repairing method or the repairing apparatus according to the present invention, the repair target paper (P) placed on the belt (Ta) is repaired by a flow operation, so that the repair target paper (P)InThere is no fear of giving unnecessary impact to the operator, and the operator does not need to use extra nerves during the work. Further, the drying is performed in a state where it is placed on the belt (Ta), and there is no need to take it out from a scooping frame or the like as in the prior art. Therefore, work is not required and work efficiency is high. Further, since there is no need to transfer the restoration target paper (P), there is no possibility of breaking the undried restoration target paper (P).
[0021]
  As described above, the repair method or the repair device according to the present invention can solve the conventional problems in repairing a defective portion (Pa) of an old document made of Japanese paper or Western paper.
[0022]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
  The method for repairing a paper book or the like according to the present invention will be described by way of example with reference to FIG.
  E process of moistening the restoration target paper P placed on the belt Ta having water permeability and making it free from wrinkles;
  A process of coating the repair target liquid P on the upper surface including at least the defective portion Pa with respect to the repair target paper P placed on the belt Ta;
  While carrying out step A, the restoration target paper P and the restoration liquid coated thereon are sucked from below the belt Ta, and the restoration liquid is passed through the defect portion Pa to fill the defect portion Pa with the restoration liquid. With
  After the completion of the process A, the sheet P to be repaired placed on the belt Ta and the repair liquid remaining on the belt Ta are sucked from below the belt Ta, and the repair liquid is passed through the defect portion Pa to the defect portion Pa. B step of filling,
  C process for removing the rest of the repair liquid remaining on the upper surface of the repair target paper P placed on the belt Ta with the fluid other than the defective portion Pa of the repair target paper P;
  A G step of cleaning the belt Ta by injecting fluid onto the belt Ta;
  The restoration target paper P placed on the belt Ta is sucked from below the belt Ta, excess moisture such as the restoration target paper P and water droplets adhering thereto is sucked, and the extra moisture adhering to the restoration target paper P is removed. F process to be removed;
  D step of drying the undried restoration target paper P placed on the belt Ta;
  H process for peeling dried paper P to be repaired from belt Ta
A method for repairing a paper book or the like, in which each process is sequentially performed while the repair target paper P is transferred by the belt Ta.
[0023]
  When the paper P to be repaired is Japanese paper, the above-mentioned restoration liquid is either a Japanese paper raw material or a Japanese paper waste paper raw material made of leather fibers typified by cocoon, mitsumata, ganpi, etc. Both of them are mixed with a necessary amount of adhesive material represented by chemical glue such as Troloaoi mucus or Aronpei Poly (registered trademark of Toa Gosei Co., Ltd.) and dissolved in ionic water having a pH of about 6-8. In addition, when the paper P to be restored is western paper, it is for western paper made from Japanese paper raw materials such as straw and cocoons, wood pulp, chemical pulp, etc.materialOr this and auxiliary materials such as waste paper pulp (including rag pulp) are mixed with the necessary amount of adhesive material represented by chemical paste such as mud of Troloaoi or Aronpei Poly (registered trademark of Toa Gosei Co., Ltd.), pH of about 6-8 It is obtained by dissolving in ionic water. Then, the restoration fibers are kneaded so as to loosen, and finished so that the restoration fibers can be made uniform.
[0024]
  The belt Ta directly mounts the repair target paper P, and transports the repair target paper P from the start to the end of the repair method. is there. Therefore, the belt Ta serves not only to place and transfer the paper P to be repaired, but also to serve as a filter sheet material and / or a rolled sheet material used in conventional repair operations. The belt Ta preferably has a water permeability equivalent to that of a cloth represented by picture silk (amber), which is a sheet-like material used in conventional restoration means, such as a fine mesh made of stainless steel. If it has property, it is more preferable. A filter sheet material and / or a rolled sheet material may be interposed between the belt Ta and the repair target paper P.
[0025]
  The step E is a step having the purpose of allowing the repairing liquid to become familiar in the step A in which the repairing liquid is coated later by applying moisture to the repairing target paper P using a spray or a brush. After moistening the repair target paper P with distilled water or ionic water, the wrinkles generated on the surface of the repair target paper P are removed with a brush or the like, and the repair target paper P is brought into close contact with the belt Ta.
[0026]
  The coating of the repairing liquid in the process A is a process of supplying the repairing liquid finished so as to be able to be spun onto the repair target paper P placed on the belt Ta. For the coating, in addition to a means for gently flowing the repair liquid over the paper to be repaired, a means for applying with a brush or the like, a spraying means for spraying the repair liquid, and the like can be used. If there is unevenness in the supply of the repairing liquid, the thickness of each repaired part may be different, or holes may remain in a part of the repaired part. Therefore, the coating needs to be performed by supplying the repairing liquid to the repair target paper P without unevenness, and the coating of the repairing liquid is preferably performed as close to the repair target paper P as possible. This is because by coating from a position close to the restoration target paper P, the momentum of coating the restoration liquid is eased, and the restoration target paper P can be coated gently and evenly. Further, by gently coating the repair liquid, the repair target paper P is not curled or torn. Further, if the drop of the repair liquid flowing down is reduced, the repair liquid is not mixed too much, and the fibers of the repair liquid are less likely to be entangled more than necessary, so that the repair liquid can be supplied uniformly. Since the repair liquid is supplied to fill the defective portion Pa, when it is clear that the defective portion Pa is a part of the repair target paper P, not the entire upper surface of the repair target paper P, The repair liquid may be supplied only to a portion where the defective portion Pa exists.
[0027]
  The suction of the repair liquid in the process B is performed by sucking the repair target paper P placed on the belt Ta from below the belt Ta and passing the repair liquid on the repair target paper P to the defective portion Pa. This is a step of sucking the repair liquid. The B step is performed after the A step in a strict sense, but can be performed simultaneously with the A step in a rough sense. That is, the repair liquid is sucked from below the belt Ta while coating the repair liquid on the upper surface of the repair target paper P on the belt Ta. The suction performed while coating the repairing liquid in step A is performed in order to efficiently fill the repairing liquid into the defective portion Pa of the repair target paper P placed on the belt Ta. That is, by performing suction from below the repair target paper P, the repair liquid is collected in the defective portion Pa generated in the repair target paper P, and the repair liquid is sucked from there to forcibly repair the defective portion Pa. The working solution is passed through. Since a material having water permeability is used for the belt Ta, the repair liquid on the repair target paper P can be sucked through the belt Ta. Further, it has an effect of fixing on the belt Ta so that the restoration target paper P does not turn up when the restoration raw material P is coated on the restoration target paper P.
[0028]
  After the completion of the A process, the suction may be continuously performed in the B process. The reason for adopting such a method is that the repairing liquid filled in the defective portion Pa of the paper P to be repaired is superposed and sucked, and the defective portion Pa is reliably filled with the repairing liquid. That is, the repair liquid filled in the defect portion Pa is separated from each other at the time when it is filled in step A, and the entanglement between the fibers is slightly insufficient. In some cases, the repair liquid is filled so as to rise to the defective portion Pa. Therefore, by further sucking, the repairing fibers are brought closer to each other, and the entanglement is sufficiently strengthened to further ensure the durability of the repaired part, and the raised repairing fiber is flattened. Even if pinholes remain in the repair target paper P in the process A, the suction can be repaired.
[0029]
  The process C is a step of removing excess repair liquid remaining on the repair target paper P placed on the belt Ta, and the excess repair liquid remaining on the repair target paper P or the repair target paper The purpose is to remove the resting repair liquid remaining outside the defective portion Pa of P by spraying a fluid (liquid, gas), and to avoid the stacking of extra repair fibers other than the defective portion Pa. And The jetting strength of the fluid is set so as not to remove the repair liquid filled in the defective portion Pa of the repair target paper P. In particular, the repair target paper P is undried, and the repair liquid of the defective portion Pa also falls off due to moisture. Therefore, when using a liquid, it is removed by washing away excess liquid for repairing.
[0030]
  The G process recovers the water permeability of the belt Ta by removing the repair liquid and other unnecessary substances clogged in the belt Ta by fluid injection, and can efficiently perform suction dehydration and drying in the subsequent process. It is a process to make it. The G step can be performed between the C step and the D step or between the C step and the F step.
[0031]
  The F process is a process for removing water droplets and the like remaining on the restoration target paper P transferred on the belt Ta, and before the undried restoration target paper P is dried in the D process, The objective is to aspirate the water and drain the water droplets. If drainage is performed, excess water is removed, and the D process, which is a subsequent process, can be performed quickly.
[0032]
  The process D is a process of drying the undried repair target paper P placed on the belt Ta. The purpose is to dry and fix the repairing fiber of the repairing liquid to the defect part Pa. When the restoration target paper P is a paper, it is necessary to apply an adhesive after the drying means 5.
[0033]
  The purpose of the H process is to peel the repair target paper P from the belt Ta. Since the dried restoration target paper P is in close contact with the belt Ta and is not easily peeled off, it is desirable that the restoration target paper P is not peeled off from the belt Ta but is pushed up from below the belt Ta to be peeled off. The same applies to the case where a filtration sheet material and / or a sheet material is interposed between the paper P to be restored and the belt Ta.
[0034]
  Subsequent to this, it is possible to remove the wrinkles by applying heat and pressure to the restoration target paper P peeled from the belt Ta, and finish it.
[0035]
  Next, the restoration device for paper-made drawings and the like according to the present invention will be described with reference to an embodiment. First, FIG. 1 is a schematic diagram of the restoration device for paper-made drawings, FIG. 2 is a simplified perspective view of the restoration preparation means, and FIG. 4 is a simplified perspective view of the repair liquid coating means and the first suction means, FIG. 4 is a simplified perspective view of the repair liquid coating means of another embodiment, and FIG. 5 is a simplified perspective view of the repair liquid coating means of another embodiment. 6 is a simplified perspective view of the second suction means, FIG. 7 is a simplified perspective view of the repair liquid removing means, FIG. 8 is a simplified perspective view of the belt cleaning means, FIG. 9 is a simplified perspective view of the draining means, and FIG. FIG. 11 is a simplified side view of the peeling means, FIG. 12 is a simplified side view of the stirring means, FIG. 13 is a simplified side view of the finishing kneading means, and FIG. 14 is a simplified side view of the heating and pressurizing drying means. 15 is a simplified side view of the heating and pressure drying means of another embodiment, and FIG. It is a simplified diagram seen.
[0036]
  The configuration of a repair device for paper-made drawings according to an embodiment of the present invention is as follows:
  A belt transfer means T for transferring the paper P to be repaired by the belt Ta; a repair liquid preparation means 95 for finishing and kneading the raw material to prepare a repairable liquid;
  A repair preparing means 4 for moistening the repair target paper P placed on the belt Ta so as not to have wrinkles;
  A repair liquid coating means 1 for coating a repair liquid on the upper surface including at least the defect portion Pa on the transport target paper P to be transferred;
  A suction means 2 for sucking the repair target paper P and the repair liquid coated thereon from below the belt Ta, passing the repair liquid through the defect portion Pa, and filling the defect portion Pa with the repair liquid;
  A repair liquid removing means 3 for removing the repair liquid remaining on the upper surface of the repair target paper P placed on the belt Ta with the fluid other than the defective portion Pa of the repair target paper P;
  Belt cleaning means 7 for cleaning the belt Ta by injecting fluid onto the belt Ta;
  The restoration target paper P placed on the belt Ta is sucked from below the belt Ta, excess moisture such as the restoration target paper P and water droplets adhering thereto is sucked, and the extra moisture adhering to the restoration target paper P is removed. Draining means 6 to be removed;
  Drying means 5 for drying the undried restoration target paper P placed on the belt Ta;
  Peeling means 8 for peeling the dried restoration target paper P from the belt Ta;
Transport means 75 for picking up and transporting the paper P to be restored;
  Are sequentially arranged along the belt transfer means T.
[0037]
  The belt transfer means T is for directly placing and transferring the paper P to be repaired on the belt Ta, applying each means of this repair device, and performing repair, and repairing from the start portion to the end portion of the repair device. This is a belt conveyor mechanism that consistently transfers the target paper P. The belt Ta used in the belt conveyor mechanism not only mounts and transports the paper P to be repaired, but also is used in a conventional repair operation when a filter sheet material and / or a sheet material is not used. It plays the role of a filtration sheet-like material and / or a sheet-like material.
[0038]
  As the belt Ta, it is preferable to use a fine mesh made of stainless steel, rubber mesh or copper mesh. These fine meshes may be used for all of the belt Ta, or only the portion on which the restoration target paper P is placed may be fine. As for the fineness of the mesh, it is preferable that the mesh has a water permeability comparable to that of a cloth represented by picture silk (cocoon), which is a sheet-like material used in conventional restoration means. In addition, instead of a mesh, the part on which the restoration target paper P is placed may be picture silk or a cloth having the same degree of flexibility and water permeability. Furthermore, it is possible to allow the belt Ta to have water permeability, and to place a fabric having flexibility and water permeability typified by picture silk (cocoon) on such a belt Ta.
[0039]
  As described above, the belt Ta serves as a filter sheet material and / or a rolled sheet material used in a conventional restoration operation. As will be described later, when the repair target paper P placed on the belt Ta is coated with the repair liquid, the repair liquid may flow on the upper surface without passing through the defective portion Pa of the repair target paper P. If it flows out too quickly, the defect portion Pa cannot be sufficiently filled with the repairing liquid. Therefore, as shown in FIG. 4, the protrusions Tb are spaced on the belt Ta so as to accommodate the repair target paper P. And a frame-shaped space surrounding the restoration target paper P by providing a surrounding member Tc so as to sandwich the belt Ta at the position of the restoration liquid coating means 1.
[0040]
  Further, as shown in FIG. 5, a frame body 16 that can surround the restoration target paper P placed on the belt Ta may be provided. The frame 16 is provided so as to be freely movable up and down with respect to the belt Ta. In coating, the frame 16 descends so as to surround the restoration target paper P on the belt Ta, and the coated restoration liquid is applied to the upper surface of the restoration target paper P. To prevent it from flowing.
[0041]
  The transfer speed of the belt transfer means T is preferably 0.5-2 m / min. This numerical value is set to an optimum value in relation to the amount of the repair liquid supplied from the repair liquid coating means 1 described later, the suction force by the suction means 2, and the like.
[0042]
  As shown in FIG. 2, the repair preparation means 4 is means for spraying water onto the repair target paper P placed on the belt Ta of the belt transfer means T, and includes a spray nozzle 43 and a spray pump 42. The spray water tank 41 is configured. As spray water, distilled water, ionic water, or the like can be used. The repair preparation means 4 has the purpose of giving the repair liquid well in the repair liquid coating means 1 which is a subsequent step by applying dampness to the paper P to be repaired. After the restoration target paper P is placed on the belt Ta and water is sprayed on the restoration target paper P, the wrinkles generated on the surface of the restoration target paper P are gently removed with a brush or the like to remove the restoration target paper P. Adhere to Ta.
[0043]
  As shown in FIG. 1, the restoration liquid preparation means 95 stores the restoration liquid raw materials such as restoration fibers, adhesives, ionic water, etc., and prepares a restoration liquid that can be sprinkled from the raw materials. In this embodiment, it is composed of a restoration fiber tank 96, an ionic water tank 97, a replenisher tank 98, a stirring tank 11, and a finishing kneading tank 12.
[0044]
  The repairing fiber tank 96 stores and stores repairing fibers, adhesives, and the like, and the ionic water tank 97 stores ionic water. The replenisher tank 98 stores a mixture of the raw material and ionic water in advance as a replenisher. The replenisher is used to keep the concentration of the repair solution constant in addition to the repair solution whose concentration has been reduced by returning the recovered solution. Supply to the stirring tank 11 described later is performed using a pump.
[0045]
  The agitation tank 11 is a container for agitating and preparing the repair liquid as shown in FIGS. Concentration meter and specific gravity for measuring the concentration, specific gravity and pH of the prepared repair liquid and managing predetermined properties while having the agitation means 13 for agitating the restoration fiber, adhesive material, ionic water and supplementary raw material And a pH meter. The purpose here is to stir the supplied raw material with the stirring means 13 so that they are uniformly mixed, and not to loosen the intertwined repair fibers. In order to make it possible, it is necessary to perform further kneading. As will be described later, when the recovered liquid is returned to the agitation tank 11, the concentration of the repair liquid in the tank changes, so a replenisher is added to keep the concentration of the repair liquid constant. .
[0046]
  The agitation means 13 shown in FIG. 12 is for agitating the raw materials supplied as described above and mixing them uniformly. Since the supplied raw material has different concentrations, viscosities, and the like depending on the site, stirring is performed to prepare a repair solution having a uniform concentration, viscosity, and the like. In addition, since materials having different specific gravities, such as restoration fibers, are mixed in the raw material and heavier ones are likely to settle, the stirring means 13 is preferably a means that can sufficiently stir the vicinity of the bottom of the stirring tank 11. It is preferable that the blades are provided radially, and the blades are rotated near the bottom of the stirring tank 11. In addition, when the finishing kneading tank 12 mentioned later has the said stirring means 13, it is not necessary to provide the stirring tank 11, and you may make it supply a raw material directly to the finishing kneading tank 12. FIG.
[0047]
  The restoration liquid prepared in the stirring tank 11 is made of a raw material for Japanese paper made of fibers supplied to the stirring tank 11, a used paper raw material, wood pulp, chemical pulp, an adhesive, and ionic water. Gently agitated to make the fibers uniform and adjusted to a predetermined concentration, specific gravity and pH.
[0048]
  The finishing kneading tank 12 is a container for preparing a repairing liquid by finish-kneading the repairing liquid as shown in FIGS. An object of the present invention is to gently knead the repairing liquid supplied from the agitation tank 11 by the finishing kneading means 14 and loosen the repairing fibers entangled in the liquid to make the repairing liquid uniform. In the raw material and the repair liquid, the repair fibers are entangled and exist in a small lump, and the repair fibers cannot be filled into the defect area Pa of the small area of the paper P to be repaired. Therefore, the repair fiber is loosened so that the small defect portion Pa can be filled, and the repair fiber is easily bonded at the defect portion Pa. It has a concentration meter, a specific gravity meter, and a pH meter for measuring the concentration, specific gravity, and pH of the prepared repair solution and managing predetermined properties.
[0049]
  As shown in FIG. 13, the finish kneading means 14 is preferably a means that linearly moves with respect to the repairing liquid, such as a means for reciprocating a rod-like body or plate-like body at a low speed in the finish kneading tank 12. This is because when the strong overflow is generated, the repairing fibers are entangled. A means for reciprocating a rod-like body or plate-like body capable of reciprocating in the finishing kneading tank 12 at a low speed by a reciprocating mechanism using a motor is preferable. The finishing kneading tank 12 may have both the finishing kneading means 14 and the stirring means 13. Depending on the properties of the raw material, it may be necessary to operate both means separately or in some cases.
[0050]
  When the paper P to be repaired is Japanese paper, the above-mentioned restoration liquid is either a Japanese paper raw material or a Japanese paper waste paper raw material made of leather fibers typified by cocoon, mitsumata, ganpi, etc. Both are mixed with a necessary amount of adhesive material represented by chemical glue such as mud of Troloaoi or Aronpei Poly (registered trademark of Toa Gosei Co., Ltd.) and dissolved in ionic water having a pH of about 6-8. In addition, when the paper P to be restored is a western paper, it is made of Japanese paper raw materials such as straw and cocoons, wood pulp, chemical pulp, etc.Raw material for paperOr this and auxiliary materials such as waste paper pulp (including rag pulp) are mixed with the necessary amount of adhesive material represented by chemical paste such as mud of Troloaoi or Aronpei Poly (registered trademark of Toa Gosei Co., Ltd.), pH of about 6-8 It is obtained by dissolving in ionic water. Then, in the finishing kneading tank 12, the restoration fibers are kneaded so as to be loosened, and the restoration liquid is finished so as to be uniform so as to be uniform.
[0051]
  The repair liquid coating means 1 has a coating nozzle 15 for coating the repair target paper P with the supplied repair liquid as shown in FIGS. The coating nozzle 15 coats the restoration target paper P transferred on the belt Ta with the restoration liquid supplied from the finishing kneading tank 12, and is applied to the side surface of the pipe whose one end is closed. A thin pipe is attached so that the liquid flows gently from each thin pipe. The diameter of the thin pipe should be large enough to prevent clogging with the restoration fibers. Further, the height from the repair target paper P to the coating nozzle 15 is about 10 to 50 mm, the coating nozzle 15 is brought close to the repair target paper P, the momentum of coating the repair liquid is eased, and the repair target paper P Be sure to coat it gently and evenly. The height of the coating nozzle 15 may be adjustable. Moreover, you may make it have the thin slit-shaped opening part from which the liquid for a repair is discharged in strip shape like the coating nozzle 15a of FIG. In addition to the means for gently flowing the repair liquid onto the paper to be repaired, the coating can be applied by means such as applying with a brush or the like, or spraying means for spraying the repair liquid in the form of a shower. The coating means 1 may be installed at a plurality of locations along the transfer direction of the belt transfer means T. In this case, even if the repair liquid is insufficiently filled, the repair liquid can be further filled, which is preferable.
[0052]
  The coating nozzle 15 may move together with the repair target paper P placed on the belt transfer means T. In this case, the relative speed of the coating nozzle 15 with respect to the repair target paper P becomes slow, and a long coating time can be obtained. As a result, more repair liquid can be coated on the repair target paper P. The moving speed of the coating nozzle 15 may be the same as that of the paper P to be repaired, or may be moved at a slower speed. After the coating nozzle 15 moves within a certain range, the coating nozzle 15 returns to the original position so that the next repair target paper P can be coated with the repair liquid. In addition, the coating of the repair liquid is preferably stopped in order to prevent the repair liquid from being consumed during the period from the completion of the coating on the repair target paper P to the coating of the next repair target paper P.
[0053]
  As shown in FIG. 3, the coating nozzle 15 is positioned below the finishing kneading tank 12 and is supplied under the finishing kneading tank 12 by opening and closing the valve in order to supply the repair liquid. The supply of the repair liquid in this way with the finishing kneading tank 12 positioned upward means that if the repair liquid is supplied using a pump or the like, the repair liquid is unnecessarily mixed in the pump. This is because, before the repair liquid is supplied to the repair target paper P, the repair fibers are entangled and solidified, and the repair liquid cannot be filled into the defective portion Pa of a small area of the repair target paper P. .
[0054]
  As shown in FIGS. 1, 3, and 6, the suction unit 2 sucks the repair target paper P transported on the belt Ta from below the belt Ta so that the repair liquid on the repair target paper P is directed downward. A first suction means 21 that passes and sucks an extra repair liquid, and performs suction while coating the repair liquid; and a second suction means 22 that sucks after coating the repair liquid; Consists of. Each of the suction means 2 includes a suction part 24 installed below the belt Ta, a suction pump 23 capable of sucking gas and liquid, and a pipe connecting the suction part 24 and the suction pump 23. The suction unit 24 can suck the entire surface of the repair target paper P without unevenness. This is because, even if the defective portion Pa is present in any portion of the paper P to be repaired, the repair liquid is allowed to pass through uniformly and the repair liquid is uniformly filled. Accordingly, the suction unit 24 having a size corresponding to the area of the paper P to be repaired is installed alone, and a plurality of small suction units 24 are installed in the width direction of the belt Ta and pass above the suction unit 24. The suction unit 24 may be installed without a gap so that the entire surface of the repair target paper P can be sucked. Further, the suction unit 24 may have an elongated shape having a length corresponding to the width of the repair target paper P.
[0055]
  As shown in FIG. 3, the first suction means 21 is installed below the repair liquid coating means 1 and efficiently fills the defective portion Pa of the repair target paper P transferred on the belt Ta with the repair liquid. Is to do. That is, by performing suction from below the repair target paper P, the repair liquid is collected in the defective portion Pa generated in the repair target paper P, and the repair liquid is sucked from there to forcibly repair the defective portion Pa. The working solution is passed through. Since a material having water permeability is used for the belt Ta, the repair liquid on the repair target paper P can be sucked through the belt Ta. Further, when the repair target paper P is coated with the repair liquid, the repair target paper P is also fixed on the belt Ta so that the repair target paper P is not turned up. The suction unit 24 can suck the entire surface of the repair target paper P without unevenness, and the suction unit 24 having a size corresponding to the area of the repair target paper P can be received by itself so as to receive excess repair liquid. Install. A recovery liquid tank 25 is installed between the suction unit 24 and the suction pump 23.
[0056]
  The second suction means 22 is installed after the repair liquid coating means 1 as shown in FIGS. 1 and 6, and is used for repairing in which the defective portion Pa of the repair target paper P transferred on the belt Ta is filled. The liquid is stacked and sucked to ensure that the defect portion Pa is filled with the repairing liquid. That is, the repair liquid filled in the defect portion Pa is separated from each other at the time when the first suction means 21 is filled, and the entanglement between the fibers is slightly insufficient. Absent. In some cases, the repair liquid is filled so as to rise to the defective portion Pa. Then, by further sucking with the second suction means 22, the repairing fibers are brought closer to each other, sufficiently entangled to further ensure the durability of the repaired portion, and the raised repaired fiber is made flat. The suction part 24 has an elongated shape having a length corresponding to the width of the paper P to be repaired.
[0057]
  As shown in FIGS. 1 and 7, the repair liquid removing means 3 is for ejecting liquid onto the repair target paper P transferred on the belt Ta to remove the remaining repair liquid. The cleaning liquid tank 31 for storing the cleaning liquid, the removing pump 32 for supplying the cleaning liquid, the repairing liquid removing nozzle 33, the pipe connecting them, and the repairing liquid and the cleaning liquid to be discharged It is comprised from the receptacle 34 which collect | recovers liquids. Excess repair liquid remaining on the repair target paper P or repair liquid remaining other than the defective portion Pa of the repair target paper P is removed, and extra repair fibers and the like are stacked in addition to the defective portion Pa. Avoid that. The repair liquid removal nozzle 33 is arranged in accordance with the width of the repair target paper P, and the upper surface of the repair target paper P is cleaned evenly. Distilled water or ionic water can be used as the cleaning liquid. A gas such as compressed air can also be used. The jetting strength of the cleaning fluid is set so as not to remove the repair liquid filled in the defective portion Pa of the repair target paper P. In particular, the repair target paper P is undried, and the repair liquid of the defective portion Pa is also caused by moisture. When using a liquid, remove excess liquid for repair by gently washing it away.
[0058]
  As shown in FIGS. 1 and 8, the belt cleaning means 7 cleans the belt Ta of the belt transfer means T from below, uses a cleaning liquid as a fluid, and stores a cleaning liquid tank 71 and a belt for storing the cleaning liquid. It comprises a cleaning pump 72, a belt cleaning nozzle 73 and a pipe connecting them. The belt cleaning means 7 recovers the water permeability of the belt Ta by removing the repairing fibers and other unnecessary matters clogged in the belt Ta so that the suction dehydration and drying in the subsequent steps can be performed efficiently. To do. The belt cleaning means 7 can be installed directly below the repair liquid removing means 3 or between the repair liquid removing means 3 and the draining means 6 described later. As the fluid used for cleaning, distilled water or ionic water can be used as a cleaning liquid, and gas such as compressed air can also be used.
[0059]
  As shown in FIGS. 1 and 9, the draining means 6 is for removing water droplets and the like remaining on the repair target paper P transferred on the belt Ta, and drains gas and liquid. Pump 61, draining suction part 62, and a pipe connecting them. Since moisture or the like by the restoration liquid removing unit 3 remains on the restoration target paper P placed on the belt Ta, the drying unit reserves the drying unit before the undried restoration target paper P is dried by the drying unit. The purpose is to perform draining such as removal of water droplets. If drainage is performed, excess moisture is removed, and drying using a drying means as a subsequent process can be quickly performed. The draining suction part 62 has an elongated shape having a length corresponding to the width of the repair target paper P, and can suck the entire surface of the repair target paper P without unevenness. Further, the draining suction part 62 may be provided with a plurality of suction parts 24 in the width direction of the belt Ta. It is preferable to install the suction part 24 without a gap so that the entire surface of the paper P to be repaired passing above the suction part 24 can be sucked.
[0060]
  As shown in FIGS. 1 and 10, the drying unit 5 dries the undried restoration target paper P transferred on the belt Ta in a state of being placed on the belt Ta, and covers the belt transfer unit T. Thus, the heating and drying furnace 51 is formed. A heater 52 is installed in the heating and drying furnace 51, and an infrared heater, a far infrared heater, or the like can be used as the heater 52. A reflection plate 53 formed of an aluminum plate or the like that radiates the heat of the heater 52 may be installed below the restoration target paper P. In this case, the repair target paper P can be heated from both sides, and can be dried quickly. The temperature in the heating and drying furnace 51 is 100 to 200 ° C., and the drying time is 1 to 2 minutes. However, the drying is performed under optimum conditions in consideration of the transfer speed of the paper P to be restored and the belt Ta. And As the drying means 5, an air curtain system using warm air can also be used. In this case, the nozzle that ejects the warm air is disposed so that the warm air can be ejected evenly onto the restoration target paper P that is transported on the belt Ta. In the case where the paper P to be repaired is a western paper, the drying means 5 is generally moistened by a spraying means or the like, and the surface of the repaired defective portion Pa is mainly concentrated and the surface layer paste, After applying a sticky material typified by a chemical paste such as mucus or Aronpei Poly (registered trademark of Toa Gosei Co., Ltd.), it is dried again.
[0061]
  As shown in FIGS. 1 and 11, the peeling means 8 is for peeling the repair target paper P placed on the belt Ta from the belt Ta, and includes an air compressor 81, a peeling nozzle 82, and these. Consists of connecting pipes. The compressed air ejected from the peeling nozzle 82 disposed below the belt Ta acts to lift the repair target paper P from the belt Ta, and the repair target paper P is peeled from the belt Ta. The peeling means 8 is installed after the drying means 5.
[0062]
  As shown in FIG. 16, the transport means 75 picks up and transports the repair target paper P, which has been repaired, from the belt Ta. The transfer means 75 uses a number of suction cups 76 connected to a vacuum pump to adsorb and pick up the paper P to be repaired peeled off from the belt Ta by the peeling means 8 and transfer it. The peeling means 8 also has an effect of removing the repair target paper P that is not completely peeled off from the belt Ta.
[0063]
  The defective portion Pa is repaired and dried, the wrinkles remaining on the repair target paper P are removed from the repair target paper P picked up from the belt Ta by the transfer means 75, and the repair liquid rises in the defective portion Pa. In order to make it flat in the case of heating, it can be finished by pressing using the heating and pressure drying means 85.
[0064]
  As shown in FIG. 14, an example of the heating and pressure drying means 85 includes a metal plate 86 sandwiching the repair target paper P, an elastic plate-like body 88 on which the repair target paper P is placed, and a heating means 87 for heating the metal plate 86. The press mechanism 89 applies pressure by pressing the metal plate 86 against the paper P to be repaired. The metal plate 86 is a stainless plate or an aluminum plate, and the elastic plate 88 is made of styrene or urethane. The heating means 87 should just be what the temperature of the metal plate 86 becomes about 100 to 200 degreeC.
[0065]
  As another example of the heat and pressure drying means 85, as shown in FIG. 15, the undried repair target paper P may be sandwiched between heated rollers 90 and dried by applying pressure. The configuration in this case includes two rollers 90, a heating unit 91 that heats the rollers 90, a press mechanism 94 that applies pressure between the rollers 90, and a rotation mechanism 93 that rotates the rollers 90. The heating and pressing and drying means 85 controls the pressure applied to the repair target paper P passing between the rollers 90 with the rollers 90 facing each other up and down so that the gap between the rollers 90 is adjustable. A stainless steel or aluminum cover 92 is provided along the roller 90 above the upper roller 90 and below the lower roller 90 as the heating means 91, and the inner surface of the cover 92 facing the roller 90 is distant along the roller 90. An infrared heater is provided. The surface temperature of the roller 90 is adjusted between normal temperature and 150 ° C. by adjusting the heating means 91. Both rollers 90 are rotated, and the paper P to be repaired is pressurized, heated and dried while sending out, and finishing such as wrinkling is performed.
[0066]
  As shown in FIGS. 1 and 3, the repair liquid sucked by the first suction means 21 may be collected and returned to the repair liquid preparation means 95 for reuse. A pipe is connected from the recovered liquid tank 25 to the stirring tank 11 or the finish kneading tank 12 of the repair liquid preparation means 95 via a pump. Usually, even if the liquid of the repair liquid coating means 1 is circulated about three times, the concentration of the repair liquid does not become so thin, and therefore it can be reused without being readjusted. When it is circulated about 4 times, the concentration of the repairing fibers constituting the repairing liquid becomes thin, so that it may be necessary to add the replenisher to the stirring tank 11 or the finishing kneading tank 12 and prepare it again.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram of a repair device for paper-made book drawings and the like.
FIG. 2 is a simplified perspective view of a repair preparation means.
FIG. 3 is a simplified perspective view of a repair liquid coating means and a first suction means.
FIG. 4 is a simplified perspective view of a repair liquid coating means of another embodiment.
FIG. 5 is a simplified perspective view of a liquid coating means for repair according to another embodiment.
FIG. 6 is a simplified perspective view of a second suction means.
FIG. 7 is a schematic perspective view of a repair liquid removing unit.
FIG. 8 is a simplified perspective view of belt cleaning means.
FIG. 9 is a simplified perspective view of the draining means.
FIG. 10 is a simplified side view of a drying means.
FIG. 11 is a simplified perspective view of a peeling means.
FIG. 12 is a simplified side view of the stirring means.
FIG. 13 is a simplified side view of the finish kneading means.
FIG. 14 is a simplified side view of a heating and pressure drying means.
FIG. 15 is a simplified side view of a heating and pressure drying means of another embodiment.
FIG. 16 is a simplified perspective view of a transfer means.
[Explanation of symbols]
1 Repair liquid coating means
2 suction means
3 Liquid removal means for repair
4 Repair preparation means
5 Drying means
6 Draining means
7 Belt cleaning means
8 Peeling means
11 Stirring tank
12 Finishing kneading tank
13 Stirring means
14 Finishing kneading means
15 Nozzle for coating
15a Nozzle for coating
16 frame
21 First suction means
22 Second suction means
23 Suction pump
24 Suction unit
25 Recovery liquid tank
31 Liquid tank for cleaning
32 Removal pump
33 Repairing liquid removal nozzle
34 Receiving
41 Spray tank
42 Spraying pump
43 Nozzle for spraying
51 Heating and drying furnace
52 Heater
53 Reflector
61 Draining pump
62 Draining suction part
71 Belt washing liquid tank
72 Belt washing pump
73 Nozzle for belt cleaning
75 Transportation means
76 sucker
81 Air compressor
82 Nozzle for peeling
85 Drying means
86 Metal plate
87 Heating means
88 Elastic plate
89 Press mechanism
90 Laura
91 Heating means
92 Cover
93 Rotating mechanism
94 Press mechanism
95 Repair solution preparation means
96 Restoration fiber tank
97 Ion water tank
98 Replenisher tank
T belt transfer means
Ta belt
Tb ridge
Tc enclosure
P Paper to be restored
Pa deficient part

Claims

ベルト移送手段で修復対象紙を移送し、修復対象紙の欠損部分を修復するために、修復対象紙の欠損部分を少なくとも含む上面に修復用液をコーティングするＡ工程と、修復対象紙及びこれにコーティングされた修復用液を吸引し、欠損部分に修復用液を通過させて修復用液を欠損部分に充填するＢ工程と、修復対象紙の上面に対して、流体で修復対象紙の欠損部分以外に残存する修復用液を除去するＣ工程と、修復対象紙及びこれに付着する水滴など余分な水分を吸引し、修復対象紙に付着する余分の水分を除去するＦ工程と、修復対象紙を乾燥させるＤ工程との各工程を備えた紙製書画等の修復方法において、In order to transfer the repair target paper by the belt transfer means and repair the defective portion of the repair target paper, the process A for coating the repair liquid on the upper surface including at least the defective portion of the repair target paper, and the repair target paper and the same B step of sucking the coated repair liquid, passing the repair liquid through the defect part and filling the defect liquid with the repair liquid, and the defect part of the repair target paper with fluid against the upper surface of the repair target paper In addition to the C process for removing the rest of the repairing liquid, the F process for removing excess moisture adhering to the repair target paper by sucking excess water such as the repair target paper and water droplets adhering thereto, and the repair target paper In a restoration method such as paper book drawing provided with each step of D step for drying
前記ベルト移送手段は、濾過シート及び／又は漉きシート状材の役目を果たす手段として、絵絹（紗）に代表される生地と同程度の目の細かさを備えたものとし、The belt transfer means is provided with a fineness of the same degree as that of a cloth represented by picture silk (cocoon) as a means for serving as a filtration sheet and / or a sheet-like material.
前記Ｂ工程において、ベルト移送手段の下方より修復対象紙及びこれにコーティングされた修復用液を吸引し、In the step B, the restoration target paper and the restoration liquid coated thereon are sucked from below the belt transfer means,
前記Ｆ工程において、ベルト移送手段に載置された修復対象紙をベルトの下方より吸引し、In the F step, the paper to be repaired placed on the belt transfer means is sucked from below the belt,
前記Ｃ工程とＤ工程の間、又はＣ工程とＦ工程との間にベルト移送手段に流体を噴射してベルトを洗浄するＧ工程と、A G step of cleaning the belt by injecting a fluid onto the belt transfer means between the C step and the D step or between the C step and the F step;
Ｄ工程の後に乾燥した修復対象紙をベルト移送手段から剥離させるＨ工程を備えたことを特徴とする紙製書画等の修復方法。A method of repairing a paper book or the like, characterized by comprising an H step of peeling the dried paper to be repaired from the belt transfer means after the D step.

前記ベルト移送手段は、濾過シート及び／又は漉きシート状材の役目を果たす手段として、絵絹（紗）に代表される生地と同程度の目の細かさを備えたものとし、The belt transfer means is provided with a fineness of the same degree as that of a cloth represented by picture silk (cocoon) as a means for serving as a filtration sheet and / or a sheet-like material.
前記修復用液コーティング手段の前に、修復対象紙を加湿し皺の無い状態とする修復準備手段を備え、Before the liquid coating means for repair, comprising a repair preparation means for humidifying the paper to be repaired and without wrinkles,
修復用液コーティング手段の後でベルト移送手段の下方に、修復対象紙及びこれにコーティングされた修復用液を吸引し欠損部分に修復用液を通過させて修復用液を欠損部分に充填する吸引手段を備え、After the repair liquid coating means, below the belt transfer means, the paper to be repaired and the repair liquid coated thereon are sucked, and the repair liquid is passed through the defect part to fill the defect part with the repair liquid. With means,
前記吸引手段と乾燥手段との間に、流体で修復対象紙の欠損部分以外に残存する修復用液を除去する修復用液除去手段を備え、Between the suction means and the drying means, provided with a repair liquid removing means for removing the repair liquid remaining in the fluid other than the defective portion of the paper to be repaired,
修復用液除去手段と乾燥手段の間でベルト移送手段の下方に、修復対象紙に付着する余分の水分を除去する水切り手段を備え、A draining means for removing excess water adhering to the paper to be repaired is provided below the belt transfer means between the repair liquid removing means and the drying means,
乾燥した修復対象紙をベルトから剥離させる剥離手段を乾燥手段の後に配設したことを特徴とする紙製書画等の修復装置。An apparatus for repairing a paper book or the like, wherein a separating means for separating the dried paper to be repaired from the belt is disposed after the drying means.

ベルトに流体を噴射してベルト移送手段を洗浄するベルト洗浄手段を修復用液除去手段と同位置または後に配設したことを特徴とする請求項２記載の紙製書画等の修復装置。3. A repair apparatus for paper book prints or the like according to claim 2, wherein a belt cleaning means for injecting fluid onto the belt to clean the belt transfer means is disposed at the same position as or after the repair liquid removing means.