JP4100011B2 - 表面処理装置、有機el装置の製造装置及び製造方法 - Google Patents

表面処理装置、有機el装置の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体放電により生成されるプラズマを利用し、プラズマ中に生成される励起活性種を用いて試料の被処理面を処理する表面処理装置、この表面処理装置を備えた有機EL装置の製造装置及び製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、有機蛍光材料等の発光材料をインクのごとく液滴化し、当該インク(組成物)を基材上に吐出するインクジェット法(液滴吐出法)により、発光材料のパターニングを行う方法を採用して、陽極及び陰極の間に該発光材料からなる発光層が挟持された構造のカラー表示装置、特に発光材料として有機発光材料を用いた有機EL(エレクトロルミネッセンス:electroluminescence)表示装置の開発が行われている。有機EL表示装置(以下、「有機EL装置」と称する)は、基板上に複数の回路素子や、有機発光層を陽極及び陰極の電極層で挟んだ発光素子などを積層した構成を有している。そして、有機EL装置においては、陽極側から注入された正孔と、陰極側から注入された電子とを発光能を有する発光層内で再結合し、励起状態から失括する際に発光する現象を利用している。
【0003】
有機EL装置は複数の材料層を積層したものであり、基板上に材料を配置した後、乾燥処理や表面処理等の所定の処理を行い、これを順次繰り返すことによって製造される。表面処理としては、材料層の被処理面を撥液性や親液性に加工する処理、あるいは電極の仕事関数を調整する処理、洗浄等があり、これにはプラズマ処理が適用される場合が多い。近年において、大気圧付近の圧力下でのプラズマ放電により生成される化学的に活性な励起活性種を利用して、真空設備を必要としない比較的低コストで簡単な構成により、被処理面を様々に処理するプラズマ表面処理技術が提案されている。大気圧下でのプラズマによる表面処理には、処理ガスを電極と被処理面との間に送り込み、電極と被処理物との間の放電により作られる励起活性種を被処理面に直接曝露する直接方式と、一対の電極間での気体放電により作られたプラズマにより生成される励起活性種を輸送して被処理面を曝露する間接方式とがある。
【0004】
直接方式は、チャージアップによる被処理面の損傷、複雑な形状や凹凸がある被処理面、又は処理範囲の制限に十分に対応できないおそれがある反面、高い処理レートが得られる利点がある。また、間接方式は、チャージアップによる被処理面の損傷のおそれが無く、ガス噴射ノズルの形状やガス流量の調整により被処理面の形状や処理範囲の制限に対応し得る利点はあるが、放電により生成された活性種を移送するため、反応に寄与できる活性種が直接方式に比べ少なく、処理レートが低いので、直接方式に比して高速での大面積の処理は不利である。
【0005】
図14は、直接方式の大気圧プラズマによる従来のプラズマ処理装置の一例を示す概略図である。図14に示すプラズマ処理装置は、交流電源1に接続された電極2と、接地電極である試料ステージ10とを有している。試料ステージ10は試料3を支持しつつY軸方向に移動可能となっている。電極2の下面には、移動方向と直交するX軸方向に延在する2本の平行な放電発生部4,4が突設されているとともに、放電発生部4を囲むように誘電体部材5が設けられている。誘電体部材5は放電発生部4の異常放電を防止するものである。そして、誘電体部材5を含む電極2の下面は略平面状となっており、放電発生部4及び誘電体部材5と試料3との間には僅かな空間(放電ギャップ)が形成されるようになっている。また、電極2の中央にはX軸方向に細長く形成されたガス噴出口6が設けられている。ガス噴出口6は、電極内部のガス通路7及び中間チャンバ8を介してガス導入口9に接続している。
【0006】
ガス通路7を通ってガス噴出口6から噴射された所定のガスは、前記空間の中を移動方向(Y軸方向)の前方及び後方に分かれて流れ、誘電体部材5の前端及び後端から外部に排気される。これと同時に、電源1から電極2に所定の電圧が印加され、放電発生部4,4と試料ステージ10との間で気体放電が発生する。そして、この気体放電により生成されるプラズマで前記所定のガスの励起活性種が生成され、放電領域を通過する試料3の表面全体が連続的に処理される。
【0007】
通常、前記所定のガスは、目的とする表面処理に適した酸素(O2)、四フッ化炭素(CF4)等の処理ガスと、大気圧近傍の圧力下で放電を容易に開始させ且つ安定に維持するためのヘリウム(He)、アルゴン(Ar)等の希ガスや窒素(N2)等の不活性ガスとを混合したものである。処理ガスを適当に選択することにより、試料表面に対するエッチング、アッシング、改質、被膜形成などといった種々の表面処理が行われる。特に、処理ガスとして酸素を用いることにより、有機EL装置における電極の仕事関数の調整等が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のプラズマ処理装置には、以下に述べる問題があった。
従来のプラズマ処理装置において、ガス噴出口6は電極2の下面中央部に形成され、放電発生部4とガス噴出口6とは離間した位置に設けられた構成である。この場合、放電領域4aのうち、ガス噴出口6に対して近い領域(図14中、符号Y1参照)においては、ガス噴出口6から供給されたフレッシュなガス(フレッシュガス)を用いてプラズマ処理が行われるが、ガス噴出口6に対して遠い領域(図14中、符号Y2参照)においては、放電領域4aを通過したガス(非フレッシュガス)を用いてプラズマ処理が行われる。すなわち、従来のプラズマ処理装置においては、放電領域4aの各位置において鮮度の異なるガスで処理が行われるため、プラズマ処理分布が不均一となってしまう。プラズマ処理分布が均一化されないと、被処理面が例えば有機EL装置の電極である場合、仕事関数が不均一な電極を形成してしまう。この場合、有機EL装置の発光特性も不均一あるいは不安定となり、発光性能の低下を招く。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、試料に対してプラズマ処理を行う際、プラズマ処理分布を均一化できる表面処理装置、この表面処理装置を備えた有機EL装置の製造装置、この製造装置で製造された有機EL装置、及び電子機器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の表面処理装置は、試料の被処理面に対して所定の処理を行う表面処理装置において、前記試料を支持する試料ステージと、前記試料ステージに支持された前記試料の被処理面に対向する位置に設けられ、多孔質体部を有するプラズマ放電電極と、前記試料ステージに支持された前記試料と前記プラズマ放電電極との間に、前記多孔質体部を介して所定のガスを供給するガス供給部と、を備えてなることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、プラズマ放電電極の一部を多孔質体部とし、この多孔質体部を介して放電ギャップに対してガスが供給されるので、放電領域に対して近接した位置から均一な鮮度のガスが供給されることになる。したがって、プラズマ処理分布は均一化される。また、ガス供給を多孔質体部を介して行うので、放電領域に対して供給される単位面積当たりのガス流量分布も均一化される。
【0012】
また、本発明の表面処理装置においては、前記多孔質体部は放電発生部である構成が採用される。
これにより、ガスは放電領域に直接供給されるので、より一層供給されるガスの鮮度は均一化され、プラズマ処理分布を均一化することができる。
【0013】
また、本発明の表面処理装置においては、前記多孔質体部は多孔質金属部と多孔質誘電体部とによって形成されている構成が採用される。
これにより、多孔質体部は放電による劣化を抑えられて長寿命化し、安定した放電を長期間維持できる。
【0014】
また、本発明の表面処理装置においては、前記試料ステージと前記プラズマ放電電極とを相対的に移動する移動装置を備える構成が採用される。
これにより、試料のスキャンさせつつプラズマ処理できるので、広い被処理面を均一に処理できる。
【0015】
本発明の有機EL装置の製造装置は、基板上に設けられた電極と、前記電極に隣接して設けられた有機発光層とを有する有機EL装置の製造装置において、上記記載の表面処理装置を備えたことを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、放電強度を均一化した状態でプラズマ処理を行うことができるので、プラズマ処理分布の均一化を実現することができる。したがって、例えば、撥液性及び親液性の調整、エッチングやアッシングを所望の状態で行うことができる。
【0017】
また、本発明の有機EL装置の製造装置においては、前記所定のガスは酸素またはフッ素を含む化合物を含み、前記表面処理装置は、前記有機EL装置の前記電極の表面改質を行い、または前記電極の仕事関数の調整を行う構成が採用される。
これにより、電極は仕事関数を均一に調整されるので、良好な発光性能を有する有機EL装置を製造できる。ここで表面改質には、親液化、撥液化、洗浄等の処理が含まれる。
【0018】
本発明の有機EL装置は、上記記載の有機EL装置の製造装置によって製造されたことを特徴とする。
本発明によれば、プラズマ処理分布が均一化されているので、良好な発光性能が得られる。
【0019】
本発明の電子機器は、上記記載の有機EL装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、本発明の有機EL装置が搭載されたので、信頼性の高い動作を実現できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
<表面処理装置>
以下、本発明の有機EL装置の製造装置の一実施形態について図1〜図6を参照しながら説明する。図1は本発明の有機EL装置の製造装置としての表面処理装置(プラズマ処理装置)の一例を示す−Y方向側から見た図、図2は図1に示したプラズマ処理装置を+Y方向側から見た図、図3は図1のA−A矢視断面図、図4は図1に示したプラズマ処理装置のうち試料ステージを示す外観斜視図、図5は図3の部分拡大図、図6は図5のB−B矢視断面図である。
【0021】
なお、以下の説明におけるプラズマ処理装置を用いた処理工程は、有機EL装置の製造工程のうちの1つの工程として説明するが、処理対象は有機EL装置に限らず、例えばカラーフィルター製造装置にても適用可能であるし、表面処理を必要とする様々な試料を処理対象とすることができる。
【0022】
図1,図2,図3において、プラズマ処理装置Sは、試料(基板)43を支持する試料ステージ12と、試料ステージ12に対向する位置に設けられたプラズマ放電電極20を有する電極部11とを備えている。試料ステージ12には、この試料ステージ12を移動させるアクチュエータ(移動装置)12Aが接続されており、試料ステージ12はアクチュエータ12Aの駆動のもとで試料43を支持しつつY軸方向に移動可能となっている。また、試料ステージ12は支持した試料43を温度調整する温度調整装置を備えている。
【0023】
ここで、以下の説明において、水平面内における試料ステージ12の移動方向(スキャン方向)をY軸方向、水平面内においてY軸方向と直交する方向(非スキャン方向)をX軸方向、X軸方向及びY軸方向と直交する方向をZ軸方向とする。更に、以下の説明において、X軸方向を「幅方向」と称し、その両端を「左端、右端」と称する場合がある。また、移動方向前方側(+Y方向側)を「前端」、移動方向後方側(−Y方向側)を「後端」と称する場合がある。
【0024】
図3に示すように、電極部11は、アルミナ等の絶縁材料で形成された電極保持ブロック13と、ポリ4フッ化エチレンの絶縁樹脂材料からなる略直方体の前部ブロック14とを有している。また、電極保持ブロック13及び前部ブロック14の上方には上部ブロック16が設けられている。更に、図1及び図2に示すように、上記各ブロック13,14,16のX軸方向両側には、側板17a,17bがボルトなどの固定部材(不図示)によって結合されている。
【0025】
図3に示すように、電極保持ブロック13は、その下面に段状の凹部19を有している。凹部19はX軸方向を長手方向として形成されている。凹部19内部にはプラズマ放電電極20が設けられている。プラズマ放電電極20は側面視L字状に形成されており、L字先端に放電発生部(プラズマ放電電極)21を有している。プラズマ放電電極20は凹部19内部において放電発生部21を下向きにして配置されている。プラズマ放電電極20の先端部である放電発生部21はアルミナ(酸化アルミニウム)からなる多孔質体(多孔質金属部)によって構成されており、ガスを流通可能となっている。そして、プラズマ放電電極20は、アルミナ、石英等の誘電体からなる取付ブロック22を介してボルト23により電極保持ブロック23に対して固定されている(図1参照)。プラズマ放電電極20は交流電源24に接続されている。
【0026】
電極保持ブロック13の下側には、該ブロックと同じ長さ・幅を有するアルミナ、石英等の誘電体薄板からなるガス流制御板25が、前部ブロック14下面と一致する高さに水平に取り付けられている。ガス流制御板25のうち放電発生部21に対応する位置も多孔質体(多孔質誘電体部)となっており、ガスが流通可能となっている。ここで、少なくとも誘電体部は、耐プラズマ性に優れた材料により形成されていることが好ましい。なお、耐プラズマ性に優れた誘電体材料の例としては、アルミナの他に、窒化アルミナ等がある。ただし、処理の用途によっては、誘電体は石英等でもよく、あるいは、石英等に表面処理をすることにより、耐プラズマ性を持たせてもよい。
【0027】
また、電極保持ブロック13と前部ブロック14との間には、主ガス通路(ガス供給部)15が設けられている。主ガス通路15の一端(上端)は、上部ブロック16に形成されている中間チャンバ30に接続しており、主ガス流路15の他端(下端)は、放電発生部(多孔質体部)21に接続している。ここで、主ガス流路15の一部はプラズマ放電電極20の一部を通過するように形成されている。中間チャンバ30は、その略中央において上部ブロック16上面に開口するガス導入口31に連通している。ガス導入口31にはジョイント32が設けられており、ジョイント32はヘリウム等の放電用ガスの供給源32Aに接続する。供給源32Aからジョイント32を介してガス導入口31に導入された放電用ガスは、中間チャンバ30内で幅方向(X軸方向)にガス圧を略均一化され、主ガス通路15を幅方向に略一様に流れる。そして、主ガス流路15からのガスは、多孔質体からなる放電発生部21及びガス流制御板25の多孔質体部分を介して、放電発生部21の下面と、試料ステージ12に支持されている試料43との間の空間(放電ギャップ)47に供給されるようになっている。なお、本実施形態ではガス導入口31は1つであるが、必要に応じて複数個設け、主ガス通路15の全幅に亘って放電用ガスの流れをより均一にすることができる。
【0028】
図1に示すように、ガス流制御板25下側のうち左右両側(X軸方向両側)のそれぞれには、マイカ等の絶縁材料からなる脚部材(壁部)26a,26bが設けられている。脚部材26a,26bのそれぞれはガス流制御板25の左右両側の辺に沿って側板17a,17bの内側に取り付けられ、電極保持ブロック13の内側端面に当接するように配置されている。脚部材26a,26bのそれぞれと電極保持ブロック13とはボルトなどの固定部材により一体に結合されている。そして、ガス流制御板25と脚部26a,26bとによって、下向き「コ」字状の空間が形成されるようになっている。
【0029】
図2に示すように、前部ブロック14の下面のうち左右両側(X軸方向両側)のそれぞれには突部(壁部)27a,27bが形成されている。これら突部27a,27bのそれぞれと電極保持ブロック13の脚部材26a,26bのそれぞれとは連続するように形成されており、同一形状及び寸法の断面を有している。突部27a,27bのそれぞれは前部ブロック14の左右両側の辺の全長に亘って設けられており、図2に示すように、前部ブロック14の下面と突部27a,27bとによって、下向き「コ」字状の空間が形成されるようになっている。
【0030】
図2及び図3に示すように、前部ブロック14の背面には、この前部ブロック14の下面及び突部27a,27bの内面を後方へ延長させるように、ポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂材料からなるカバー28が取り付けられている。
【0031】
前部ブロック14の内部には、実施しようとする表面処理に適した特定の処理ガスを主ガス通路15に導入するために、その幅方向に等間隔で配置した多数の水平な小円孔からなる副ガス通路33が形設されている。副ガス通路33の一端は、電極保持ブロック13を経て主ガス流路15に接続され、副ガス流路33の他端は、前部ブロック14に内設された中間チャンバ34を経て、前部ブロック14の後面に開口するガス導入口35に接続している。ガス導入口35には、多くの場合にO2 やCF4 等である処理ガスの供給源36Aに接続するためのジョイント36が設けられている。ジョイント36から導入された処理ガスは、中間チャンバ34内で幅方向にガス圧が略均一化されるので、副ガス通路33のそれぞれを略一様な流量で流れる。
【0032】
本実施形態において、プラズマ処理装置Sは有機EL装置の電極の仕事関数調整に用いられるので、処理ガスとしてO2が用いられる。
なお、処理ガスとして酸素(O2)が用いられる場合、O2プラズマ処理はアッシング処理や親液処理に適用されることが多い。また、処理ガスとして四フッ化炭素(CF4)が用いられる場合、CF4プラズマ処理はエッチングや撥液処理に適用されることが多い。
【0033】
供給源36Aからの処理ガスは、供給源32Aからの放電用ガスとともに、主ガス流路15を介して多孔質体からなる放電発生部21を介して、電極部11の下面と、試料ステージ21に支持されている試料43との間の空間(放電ギャップ)47に供給される。
【0034】
ここで、電極部11の下面には、左右両側(X軸方向両側)の辺の全長に亘って脚部材26a,26b及び突部27a,27bからなる壁部(ガス流通規制部)が設けられたことになるので、これら壁部によって放電ギャップ47のうちX軸方向両側は閉塞され、放電ギャップ47内部と外部とのガスの流通が規制されるようになっている。
【0035】
試料ステージ12は、図4に示すように移動方向(Y軸方向)に長い長方形のアルミニウム等の金属板からなり、プラズマ放電電極20に対する接地電極として機能する。試料ステージ12は、電極部11の左右脚部26a、26b、27a、27b間の幅より僅かに狭幅の上面37と、その左右両側に全長に亘って形成され、前記左右脚部と同じ高さの段差部38a、38bとを有する。
【0036】
試料ステージ12の上面37には、その中央付近に僅かな段差39がX軸方向に形成され、段差39の下側に後方に延長する試料支持面40が設けられている。試料支持面40の後端には、突縁41が上面37を超えない高さに形成されている。
【0037】
本実施形態では、試料支持面40上にアルミナ等の絶縁材料の薄板からなるマウントプレート42を配置し、その上に試料43を載置する。マウントプレート42は試料支持面40と同じ寸法を有し、段差39と突縁41との間に前後方向に移動しないように位置決め・保持される。マウントプレート42の上面には、その移動方向前端から少し距離を置いて、例えば基板のような長方形の試料を収容するために対応する長方形の凹所44が形成されている。凹所44は、その中に収容した試料43の表面がマウントプレート上面と一致して前記移動方向に凹凸を生じないように、試料43の厚さ及び長さに対応する深さ及び長さに形成するのが好ましい。
【0038】
なお、図4では、マウントプレートの凹所44を長方形にしたが、処理しようとする試料の形状・寸法に対応した様々な形状・寸法の凹所を有するマウントプレートを用いることができる。例えば、円形の試料を処理するために、それに対応する直径の円形凹所がマウントプレートに形成されている。
【0039】
もちろん、前記マウントプレートを使用せず、試料ステージ12の試料支持面40上に試料43を直接載置することができる。この場合にも、処理しようとする試料に対応した凹所を試料支持面に形成すると、同様に移動方向に凹凸を生じないので、好ましい。
【0040】
図1及び図2に示すように、電極部11は試料ステージ12の上方に、その左右脚部26a、26b、27a、27bの間を上面37が通過するように配置される。図5に示すように、電極部11下面と試料ステージ12の上面37との間には、両者が接触しない程度の僅かな隙間が維持され、段差39によって低い位置のマウントプレート42に配置される試料43と電極部11下面との間には、前記隙間に比して十分に大きい空間(放電ギャップ)47が形成される。同様に、図6に示すように、電極部11の壁部26a,27a(26b,27b)の下面48及び内側面49と、試料ステージ12の段差部38a(38b)の底面50及び側壁面51との間には、それぞれ前記空間(放電ギャップ)47に比して十分に狭い僅かな隙間が形成される。
【0041】
次に、上述した構成を有するプラズマ処理装置Sを用いて、試料43に対してプラズマ処理する際の手順について説明する。
試料ステージ12に処理対象である試料43が支持されたら、試料ステージ12が−Y側(図3中、左側)にセットされる。そして、試料ステージ12が+Y方向に移動しながら、放電用ガスが主ガス通路15内にジョイント32を介して供給されるとともに、処理ガスがジョイント36から副ガス通路33を介して主ガス流路15に供給され、主ガス流路15において放電用ガスと処理ガスとが混合される。この混合ガス(所定のガス)は、多孔質体部(放電発生部)21及びガス流制御板25の多孔質体部分を介して放電ギャップ47内に噴射される。これと同時に交流電源24から所定の電圧がプラズマ放電電極20に印加される。すると、図3及び図5に示すように、前記放電ギャップ47の放電発生部21と試料ステージ12との間で放電が発生する。
【0042】
放電発生部21からのガスは、放電領域52に直接供給される。また、多孔質体を介することにより、放電ギャップ47に対して均一な流量(放電領域52に対する単位面積当たりの流量)のガスが供給される。
【0043】
以上説明したように、プラズマ放電電極20の一部を、多孔質体とし、また、耐プラズマ性に優れた誘電体部の一部を多孔質体として、これら多孔質部を多孔質体部21とし、この多孔質体部21を介して放電ギャップ47に対してガスが供給されるので、放電領域52に対して近接した位置から均一な鮮度のガスが供給されることになる。したがって、プラズマ処理分布は均一化される。また、ガス供給は多孔質体部21を介して行われるので、放電領域52に対して供給されるガスの流量分布も均一化される。
【0044】
放電ギャップ47は、その前方が段差39により仕切られ、かつ左右両側方が前記左右壁部26a,26b,27a,27bにより仕切られて、それぞれ実質的に閉塞されているので、ガス噴出口29から噴射された混合ガスは、放電ギャップ47を移動方向と逆向き(すなわち−Y方向)に一方向に流れる。また、上述したように試料43表面とマウントプレート42上面とが同一平面上にあって、放電ギャップ47が全長に亘って均一なことから、前記混合ガスは放電ギャップ47の中を一様に流れる。
【0045】
本実施形態では、試料ステージ12の中央付近に段差39を設けてその前端からの距離を比較的長くし、且つ前部ブロック14に電極部11の下面を延長するカバー28を設けたことにより、電極部11の下面と試料ステージ12の上面37との間の隙間が放電ギャップ47の前方に長く設けられる。このため、この隙間を介して混合ガスが放電ギャップ47から前方へ漏出したり、大気が外部から放電ギャップ47へ侵入することを有効に防止することができる。また、放電ギャップ47の左右両側方には、ガス流通規制部としての左右壁部26a,26b,27a,27bと左右段差部38a、38bとにより垂直方向及び水平方向に狭小な隙間が連続しているので、放電ギャップ47内部と外部とでガスの流通が困難であり、同様に前記混合ガスの左右側方への漏出及び大気の左右側方からの侵入を有効に防止することができる。したがって、試料43の左右両端部近傍における乱流の発生を抑えることができ、試料43の被処理面が有機EL装置の電極である場合、電極表面のいずれの位置においてもプラスマ放電は安定化される。したがって、電極の仕事関数は均一に調整される。
【0046】
また、ガス流通規制部である壁部26a,26b,27a,27bにより、放電ギャップ47に供給される混合ガスの放電ギャップ47外部(すなわち大気)への拡散及び放電ギャップ47内部に対する大気の侵入を制限できるので、放電用ガスの流量を少なくしても、放電を容易に開始させることができるとともに放電を安定化することができる。一方で、目的とする表面処理のための処理ガスの添加量を増加させることができるので、処理効率の向上及び処理コストの低下を実現することができる。
【0047】
更に、段差39とマウントプレート42上面に置いた試料43との間には、上述したように或る程度の距離が設けられているので、図5に示すように、放電ギャップ47には、試料43が放電領域52に入る前から、ガス噴出口29より前方に先行する段差39との間で閉塞された空間が画定される。ガス噴出口29から噴射された混合ガスは、その一部が一旦この閉塞された空間内へも広がって、ガス溜まりを形成するので、電極部11の下面と試料ステージ12の上面37との間の前記隙間からの大気の侵入が、より確実に防止される。
【0048】
放電領域52では、放電により作られたプラズマによる前記混合ガスの励起活性種が生成され、それによって放電領域52を通過する試料43の表面が処理される。上述したように放電ギャップ47が放電領域52よりも後方に延長して設けられ、且つ放電ギャップ47内におけるガスの流れが一方向に制限されているので、前記励起活性種を含む反応性ガスは、放電領域52から直ぐに大気中に拡散することなく、試料43表面に沿って後方にガス流制御板25の端部まで流れた後に外部に排出される。
【0049】
上記実施形態では、電極部11の下面左右両側に下方に突出する壁部26a、26b、27a、27bを設けるとともに、試料ステージ12の左右両側に段差部38a、38bを設けた構成であるが、もちろん、試料ステージ12の左右両側に上方に突出する壁部を設けるとともに、電極部11の下面左右両側に段差部を設ける構成でもよい。
【0050】
また、プラズマ処理装置に排気装置を付設し、その排気取入口をガス流制御板25の端部付近に配置して、放電ギャップ47からの排気を大気中に放出することなく、回収・処理するようにしてもよい。こうすることにより、特に気体放電により生成されるオゾン等による大気の汚染が防止される。
【0051】
以上、本発明について好適な実施例を用いて詳細に説明したが、本発明はその技術的範囲内において上記実施例に様々な変形・変更を加えて実施することができる。例えば電極部11は、上記実施例以外の様々な構造にすることができ、また1つのガス通路に予め放電用ガスと処理ガスとを適当な割合で混合したガスを供給することができる。また、試料ステージ12は逆向きに、試料支持面40側を先にして電極部11の下を移動させることができる。また、試料43側を固定して電極部11を移動させることもできる。
【0052】
<有機EL装置>
次に、有機EL装置及びその製造工程の一例について説明する。
図7は有機EL表示装置における表示領域の断面構造を拡大した図である。ここで、図7に示す有機EL装置は、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が配置された基板202側から光を取り出す形態である。
図7に示すように、有機EL装置Eは、基板202と、基板202上に設けられた発光素子(有機EL素子)203と、TFT204とを有している。発光素子203は、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)等の透明電極材料からなる画素電極(陽極)223と、画素電極223から正孔を輸送可能な正孔輸送層270と、有機発光材料を含む有機発光層260と、発光層260の上面に設けられている電子輸送層250と、電子輸送層250の上面に設けられているアルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)、金(Au)、銀(Ag)、カルシウム(Ca)等からなる対向電極(陰極)222とを有している。
【0053】
TFT204は、SiO2を主体とする下地保護層281を介して基板202の表面に設けられている。このTFT204は、下地保護層281の上層に形成されたシリコン層241と、シリコン層241を覆うように下地保護層281の上層に設けられたゲート絶縁層282と、ゲート絶縁層282の上面のうちシリコン層241に対向する部分に設けられたゲート電極242と、ゲート電極242を覆うようにゲート絶縁層282の上層に設けられた第1層間絶縁層283と、ゲート絶縁層282及び第1層間絶縁層283にわたって開孔するコンタクトホールを介してシリコン層241と接続するソース電極243と、ゲート電極242を挟んでソース電極243と対向する位置に設けられ、ゲート絶縁層282及び第1層間絶縁層283にわたって開孔するコンタクトホールを介してシリコン層241と接続するドレイン電極244と、ソース電極243及びドレイン電極244を覆うように第1層間絶縁層283の上層に設けられた第2層間絶縁層284とを備えている。
【0054】
そして、第2層間絶縁層284の上面に画素電極223が配置され、画素電極223とドレイン電極244とは、第2層間絶縁層284に設けられたコンタクトホール223aを介して接続されている。また、第2層間絶縁層284の表面のうち発光素子(有機EL素子)が設けられている以外の部分と対向電極222との間には、合成樹脂などからなバンク層221が設けられている。
【0055】
なお、シリコン層241のうち、ゲート絶縁層282を挟んでゲート電極242と重なる領域がチャネル領域とされている。また、シリコン層241のうち、チャネル領域のソース側にはソース領域が設けられている一方、チャネル領域のドレイン側にはドレイン領域が設けられている。このうち、ソース領域が、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホールを介して、ソース電極243に接続されている。一方、ドレイン領域が、ゲート絶縁層282と第1層間絶縁層283とにわたって開孔するコンタクトホールを介して、ソース電極243と同一層からなるドレイン電極244に接続されている。画素電極23は、ドレイン電極244を介して、シリコン層241のドレイン領域に接続されている。
【0056】
本例では、TFT204が設けられている基板202側から発光光を取り出す構成であるため、基板202は透明あるいは半透明であるものが好ましく、この場合の基板材料としてはガラスや石英、樹脂等の透明度の高い(透過率が高い)なものが用いられる。
また、基板に色フィルター膜や発光性物質を含む色変換膜、あるいは誘電体反射膜を配置して、発光色を制御するようにしてもよい。
【0057】
一方、発光層からの発光光をTFTが設けられている基板とは反対側から取り出す構成とすることも可能である。発光光を基板とは反対側から取り出す構成とする場合、基板202は不透明であってもよく、その場合、アルミナ等のセラミック、ステンレス等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などを用いることができる。
【0058】
次に、図8及び図9を参照しながら図7に示した有機EL装置Eの製造工程について説明する。
はじめに、基板202上にシリコン層241が形成される。シリコン層241を形成する際には、まず、図8(a)に示すように、基板202の表面にTEOS(テトラエトキシシラン)や酸素ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約200〜500nmのシリコン酸化膜からなる下地保護層281を形成する。
【0059】
次に、図8(b)に示すように、基板202の温度を約350℃に設定して、下地保護膜281の表面にプラズマCVD法あるいはICVD法により厚さ約30〜70nmのアモルファスシリコン膜からなる半導体層241Aが形成される。次いで、この半導体層241Aに対してレーザアニール法、急速加熱法、または固相成長法などによって結晶化工程を行い、半導体層241Aをポリシリコン層に結晶化する。レーザアニール法では、例えばエキシマレーザでビームの長寸が400mmのラインビームを用い、その出力強度は例えば200mJ/cm2とする。ラインビームについては、その短寸方向におけるレーザ強度のピーク値の90%に相当する部分が各領域毎に重なるようにラインビームを走査する。
【0060】
次いで、図8(c)に示すように、半導体層(ポリシリコン層)241Aをパターニングして島状のシリコン層241とし、その表面に対して、TEOSや酸化ガスなどを原料としてプラズマCVD法により厚さ約60〜150nmのシリコン酸化膜又は窒化膜からなるゲート絶縁層282が形成される。
【0061】
なお、ゲート絶縁層282の表面に水素(H2)プラズマ処理をしてもよい。これにより、空隙の表面のSi−O結合中のダングリングボンドがSi−H結合に置き換えられ、膜の耐吸湿性が良くなる。そして、このプラズマ処理されたゲート絶縁層282の表面に別のSiO2層を設けてもよい。こうすることにより、誘電率な絶縁層が形成できる。
【0062】
次いで、図8(d)に示すように、ゲート絶縁層282上にアルミニウム、タンタル、モリブデン、チタン、タングステンなどの金属を含む導電膜をスパッタ法により形成した後、これをパターニングすることにより、ゲート電極242が形成される。次いで、この状態で高濃度のリンイオンを打ち込み、シリコン層241に、ゲート電極242に対して自己整合的にソース領域241s及びドレイン領域241dが形成される。この場合、ゲート電極242はパターニング用マスクとして用いられる。なお、不純物が導入されなかった部分がチャネル領域241cとなる。
【0063】
次いで、図8(e)に示すように、第1層間絶縁層283が形成される。第1層間絶縁層283は、ゲート絶縁層282同様、シリコン酸化膜または窒化膜、多孔性を有するシリコン酸化膜などによって構成され、ゲート絶縁層282の形成方法と同様の手順でゲート絶縁層282の上層に形成される。
そして、この第1層間絶縁層283及びゲート絶縁層282にフォトリソグラフィ法を用いてパターニングすることにより、ソース電極及びドレイン電極に対応するコンタクトホールが形成される。次いで、第1層間絶縁層283を覆うように、アルミニウムやクロム、タンタル等の金属からなる導電層を形成した後、この導電層のうち、ソース電極及びドレイン電極が形成されるべき領域を覆うようにパターニング用マスクを設けるとともに、導電層をパターニングすることにより、ソース電極243及びドレイン電極244が形成される。
次に、図示はしないが、第1層間絶縁層283上に、信号線、共通給電線、走査線を形成する。このとき、これらに囲まれる箇所は後述するように発光層等を形成する画素となることから、例えば発光光を基板側から取り出す形態とする場合には、TFT204が前記各配線に囲まれた箇所の直下に位置しないよう、各配線を形成する。
【0064】
次いで、図9(a)に示すように、第2層間絶縁層284が、第1層間絶縁層283、各電極243、244、前記不図示の各配線を覆うように形成される。第2層間絶縁層284は、第1層間絶縁層283同様、シリコン酸化膜または窒化膜などによって構成され、第1層間絶縁層283の形成方法と同様の手順で第1層間絶縁層283の上層に形成される。そして、第2層間絶縁層284を形成したら、第2層間絶縁層284のうちドレイン電極244に対応する部分にコンタクトホール223aが形成される。そして、このコンタクトホール223aを介してドレイン電極244に連続するようにITO等の導電性材料をパターニングし、画素電極223が形成される。
【0065】
画素電極223は、ITOやフッ素をドープしてなるSnO2、更にZnOやポリアミン等の透明電極材料からなり、コンタクトホール223aを介してTFT204のドレイン電極244に接続されている。画素電極223を形成するには、前記透明電極材料からなる膜を第2層間絶縁層284上面に形成し、この膜をパターニングすることにより形成される。
【0066】
画素電極223を形成したら、図9(b)に示すように、第2層間絶縁層284の所定位置及び画素電極223の一部を覆うように、バンク層221が形成される。バンク層221はアクリル樹脂、ポリイミド樹脂などの合成樹脂によって構成されている。具体的なバンク層221の形成方法としては、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂など、あるいはそれらの前駆体のレジストを溶媒に融かしたものを、スピンコート、ディップコート等により塗布して絶縁層が形成される。なお、絶縁層の構成材料は、後述するインクの溶媒に溶解せず、しかもエッチング等によってパターニングしやすいものであればどのようなものでもよい。更に、絶縁層をフォトリソグラフィ技術等により同時にエッチングして、開口部221aを形成することにより、開口部221aを備えたバンク層221が形成される。
【0067】
画素電極223及びバンク部221が形成されたら、本発明の特徴部分であるプラズマ処理工程が行われる。すなわち、図9(b)に示した状態のものが試料43となる。
プラズマ処理工程は、画素電極223の表面を活性化すること、更にバンク部221の表面を表面処理することを目的として行われる。特に活性化工程は、画素電極223(ITO)上の洗浄、更に仕事関数の調整を主な目的として行われる。更に、画素電極223の表面の親液化処理、バンク部221表面の撥液化処理が行われる。
【0068】
このプラズマ処理工程は、例えば予備加熱工程、活性化処理工程(親液性にする親液化工程)、撥液化処理工程、及び冷却工程とに大別される。なお、このような工程に限られるものではなく、必要に応じて工程を削減、更なる工程追加も行われる。
【0069】
図10は、図1〜図6を用いて説明したプラズマ処理装置Sを備えたプラズマ処理システムSYSを示す図である。
図10に示すプラズマ処理システムSYSは、予備加熱処理室551、第1プラズマ処理室552、第2プラズマ処理室553、冷却処理室554、これらの各処理室551〜554に試料43を搬送する搬送装置555とから構成されている。各処理室551〜554は、搬送装置555を中心として放射状に配置されている。第1プラズマ処理室552及び第2プラズマ処理室553には、上述した本発明に係るプラズマ処理装置Sがそれぞれ配置されている。なお、第1,第2プラズマ処理室552,553のそれぞれに設置されているプラズマ処理装置Sは同じ構成のものであるが、以下の説明において、第1,第2プラズマ処理室552,553のそれぞれに設置されているプラズマ処理装置を適宜、「第1プラズマ処理装置S1」、「第2プラズマ処理装置S2」と称する。
【0070】
まず、これらの装置を用いた概略の工程を説明する。
予備加熱工程は、図10に示す予備加熱処理室551において行われる。そしてこの処理室551により、バンク部形成工程から搬送された試料43が所定の温度に加熱される。
予備加熱工程の後、親液化工程及び撥液化処理工程が行われる。すなわち、試料43は第1,第2プラズマ処理室552,553に順次搬送され、それぞれの処理室552,553においてバンク部221にプラズマ処理が行われ親液化する。この親液化処理後に撥液化処理が行われる。撥液化処理の後に試料43は冷却処理室に搬送され、冷却処理室554おいて試料43は室温まで冷却される。この冷却工程後、搬送装置555により次の工程である正孔注入/輸送層形成工程に試料43が搬送される。
【0071】
以下に、それぞれの工程について詳細に説明する。
(予備加熱工程)
予備加熱工程は予備加熱処理室551により行う。この処理室551において、バンク部221を含む試料43は所定の温度まで加熱される。
試料43の加熱方法は、例えば処理室551内にて試料43を載せるステージにヒータを取り付け、このヒータで当該ステージごと試料43を加熱する手段がとられている。なお、これ以外の方法を採用することも可能である。
予備加熱処理室551において、例えば70℃〜80℃の範囲に試料43が加熱される。この温度は次工程であるプラズマ処理における処理温度であり、次の工程に合わせて試料43が事前に加熱され、試料43の温度ばらつきが解消されることを目的としている。
仮に予備加熱工程を加えなければ、試料43は室温から上記のような温度に加熱されることになり、工程開始から工程終了までのプラズマ処理工程中において温度が常に変動しながら処理されることになる。したがって、基板温度が変化しながらプラズマ処理を行うことは、特性の不均一につながる可能性がある。したがって、処理条件を一定に保ち、均一な特性を得るために予備加熱が行われる。
【0072】
そこで、プラズマ処理工程においては、第1,第2プラズマ処理室552,553に設置されているプラズマ処理装置Sの試料ステージ12上に試料43を載置した状態で親液化工程または撥液化工程が行われるので、予備加熱温度は、親液化工程または撥液化工程を連続して行う試料ステージ12の温度にほぼ一致させることが好ましい。
そこで、第1,第2プラズマ処理装置S1,S2の試料ステージが上昇する温度、例えば70〜80℃まで予め試料43を予備加熱することにより、多数の試料43にプラズマ処理を連続的に行った場合でも、処理開始直後と処理終了直前でのプラズマ処理条件をほぼ一定にすることができる。これにより、試料43間の表面処理条件を同一にし、バンク部221の組成物に対する濡れ性を均一化することができ、一定の品質を有する表示装置を製造することができる。
また、試料43を予め予備加熱しておくことにより、後のプラズマ処理における処理時間を短縮することができる。
【0073】
(活性化処理)
次に、第1プラズマ処理室552では、活性化処理が行われる。活性化処理には、画素電極223における仕事関数の調整、制御、画素電極表面の洗浄、画素電極223表面の親液化処理が含まれる。
親液化処理として、大気雰囲気中で酸素を処理ガスとするプラズマ処理(O2プラズマ処理)が第1プラズマ処理装置S1によって行われる。
2プラズマ処理の条件は、例えば、プラズマパワー100〜800W、酸素ガス流量50〜100ml/min、基板搬送速度0.5〜20mm/sec、基板温度70〜90℃の条件で行われる。なお、試料ステージ12による加熱は、主として予備加熱された試料43の保温のために行われる。
【0074】
このO2プラズマ処理により、画素電極223の電極面、バンク層221の上面及び開口部221a壁面が親液処理される。この親液処理により、これらの各面に水酸基が導入されて親液性が付与される。
そして、このO2プラズマ処理は、親液性を付与することのほかに、上述の通り画素電極223であるITO上の洗浄,及び仕事関数の調整も兼ねている。
【0075】
(撥液処理)
次に、第2プラズマ処理室553では、撥液化工程として、大気雰囲気中でテトラフルオロメタンを処理ガスとするプラズマ処理(CF4プラズマ処理)が第2プラズマ処理装置S2によって行われる。即ち、試料43は、試料ステージ12によって加熱されつつ、試料ステージ12ごと所定の搬送速度で搬送され、その間に試料43に対してプラズマ状態のテトラフルオロメタン(四フッ化炭素)が照射される。
CF4プラズマ処理の条件は、例えば、プラズマパワー100〜800W、4フッ化メタンガス流量50〜100ml/min、基板搬送速度0.5〜20mm/sec、基板温度70〜90℃の条件で行われる。なお、加熱ステージによる加熱は、第1プラズマ処理室552の場合と同様に、主として予備加熱された試料43の保温のために行われる。
なお、処理ガスは、テトラフルオロメタン(四フッ化炭素)に限らず、他のフルオロカーボン系のガスを用いることができる。
【0076】
CF4プラズマ処理により、バンク層221の上面及び開口部221a壁面が撥液処理される。この撥液処理により、これらの各面にフッ素基が導入されて撥液性が付与される。バンク層221を構成するアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の有機物はプラズマ状態のフルオロカーボンが照射することで容易に撥液化させることができる。また、O2プラズマにより前処理した方がフッ素化されやすい、という特徴を有しており、本実施形態には特に有効である。
なお、画素電極223の電極面もこのCF4プラズマ処理の影響を多少受けるが、濡れ性に影響を与える事は少ない。
【0077】
(冷却工程)
次に冷却工程として、冷却処理室554を用い、プラズマ処理のために加熱された試料43を管理温度まで冷却する。これは、この以降の工程であるインクジェット工程(液滴吐出工程)の管理温度まで冷却するために行う工程である。
この冷却処理室554は、試料43を配置するためのプレートを有し、そのプレートは試料43を冷却するように水冷装置が内蔵された構造となっている。
また、プラズマ処理後の試料43を室温、または所定の温度(例えばインクジェット工程を行う管理温度)まで冷却することにより、次の正孔注入/輸送層形成工程において、試料43の温度が一定となり、試料43の温度変化が無い均一な温度で次工程を行うことができる。したがって、このような冷却工程を加えることにより、インクジェット法等の吐出手段により吐出された材料を均一に形成できる。例えば、正孔注入/輸送層を形成するための材料を含む第1組成物を吐出させる際に、第1組成物を一定の容積で連続して吐出させることができ、正孔注入/輸送層を均一に形成することができる。
【0078】
次いで、図9(c)に示すように、画素電極223の上面に正孔輸送層270が形成される。ここで、正孔輸送層270の形成材料としては、特に限定されることなく公知のものが使用可能であり、例えばピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等が挙げられる。具体的には、特開昭63−70257号、同63−175860号公報、特開平2−135359号、同2−135361号、同2−209988号、同3−37992号、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示されるが、トリフェニルジアミン誘導体が好ましく、中でも4,4’−ビス(N(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルが好適とされる。
【0079】
なお、正孔輸送層に代えて正孔注入層を形成するようにしてもよく、さらに正孔注入層と正孔輸送層を両方形成するようにしてもよい。その場合、正孔注入層の形成材料としては、例えば銅フタロシアニン(CuPc)や、ポリテトラヒドロチオフェニルフェニレンであるポリフェニレンビニレン、1,1−ビス−(4−N,N−ジトリルアミノフェニル)シクロヘキサン、トリス(8−ヒドロキシキノリノール)アルミニウム等が挙げられるが、特に銅フタロシアニン(CuPc)を用いるのが好ましい。
【0080】
正孔注入/輸送層270を形成する際には、インクジェット法(液滴吐出法)が用いられる。すなわち、上述した正孔注入/輸送層材料を含む組成物滴(組成物インク)を画素電極223の電極面上に吐出した後に、乾燥処理及び熱処理を行うことにより、画素電極223上に正孔注入/輸送層270が形成される。なお、この正孔注入/輸送層形成工程以降は、正孔注入/輸送層270及び発光層260の酸化を防止すべく、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。例えば、不図示のインクジェットヘッド(液滴吐出ヘッド)に正孔注入/輸送層材料を含む組成物インクを充填し、インクジェットヘッドの吐出ノズルを画素電極223の電極面に対向させ、インクジェットヘッドと試料(基板202)とを相対移動させながら、吐出ノズルから1滴当たりの液量が制御されたインキ滴を電極面に吐出する。次に、吐出後のインク滴を乾燥処理して組成物インクに含まれる極性溶媒を蒸発させることにより、正孔注入/輸送層270が形成される。
【0081】
なお、組成物インクとしては、例えば、ポリエチレンジオキシチオフェン等のポリチオフェン誘導体と、ポリスチレンスルホン酸等との混合物を、イソプロピルアルコール等の極性溶媒に溶解させたものを用いることができる。ここで、吐出されたインク滴は、親インク処理された画素電極223の電極面上に広がり、開口部221aの底部近傍に満たされる。その一方で、撥インク処理されたバンク層221の上面にはインク滴がはじかれて付着しない。したがって、インク滴が所定の吐出位置からはずれてバンク層221の上面に吐出されたとしても、該上面がインク滴で濡れることがなく、はじかれたインク滴がバンク層221の開口部221a内に転がり込むものとされている。
【0082】
次に、乾燥工程が行われる。乾燥工程を行うことにより、吐出後の組成物インクが乾燥処理され、組成物インクに含まれる極性溶媒が蒸発されることにより、正孔注入/輸送層270が形成される。
【0083】
上記の乾燥処理は、例えば窒素雰囲気中、室温〜約50℃で圧力を例えば13.3Pa(0.1Torr)程度にして行う。圧力があまりに低すぎると組成物インクが突沸してしまうので好ましくない。また、温度を室温以上例えば80℃以上の高温にすると、極性溶媒の蒸発速度が高まり、平坦な膜を形成する事ができない。
乾燥処理後は、窒素中、好ましくは真空中で200℃で10分程度加熱する熱処理を行うことで、正孔注入/輸送層270内に残存する極性溶媒や水を除去することが好ましい。
【0084】
次いで、図9(d)に示すように、正孔注入/輸送層270上面に発光層260が形成される。発光層260の形成材料としては、特に限定されることなく、例えば、[化1]〜[化5]に示すポリフェニレン誘導体、ポリフルオレン誘導体、ポリビニルカルバゾール、ポリチオフェン誘導体、またはこれらの高分子材料にペリレン係色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、例えばルブレン、ペリレン、9,10-ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープして用いることができる。
【0085】
【化1】
Figure 0004100011
【0086】
【化2】
Figure 0004100011
【0087】
【化3】
Figure 0004100011
【0088】
【化4】
Figure 0004100011
【0089】
【化5】
Figure 0004100011
【0090】
発光層260は、正孔注入/輸送層270の形成方法と同様の手順で形成される。すなわち、インクジェット法によって発光層材料を含む組成物インクを正孔注入/輸送層270の上面に吐出した後に、乾燥処理及び熱処理を行うことにより、バンク層221に形成された開口部221a内部の正孔注入/輸送層270上に発光層260が形成される。この発光層形成工程も上述したように不活性ガス雰囲気化で行われる。吐出された組成物滴(組成物インク、液体材料)は撥液処理された領域ではじかれるので、液滴滴が所定の吐出位置からはずれたとしても、はじかれた液滴滴がバンク層221の開口部221a内に転がり込む。発光層260の形成材料を含む組成物インクを設けたら、所定の条件で乾燥処理が行われる。
【0091】
なお、発光層260の上面に電子輸送層250を形成してもよい。電子輸送層250の形成材料としては、特に限定されることなく、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンおよびその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体の金属錯体等が例示される。具体的には、先の正孔輸送層の形成材料と同様に、特開昭63−70257号、同63−175860号公報、特開平2−135359号、同2−135361号、同2−209988号、同3−37992号、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示され、特に2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウムが好適とされる。
【0092】
なお、前述した正孔注入/輸送層270の形成材料や電子輸送層250の形成材料を発光層260の形成材料に混合し、発光層形成材料として使用してもよく、その場合に、正孔注入/輸送層形成材料や電子輸送層形成材料の使用量については、使用する化合物の種類等によっても異なるものの、十分な成膜性と発光特性を阻害しない量範囲でそれらを考慮して適宜決定される。通常は、発光層形成材料に対して1〜40重量%とされ、さらに好ましくは2〜30重量%とされる。
【0093】
次いで、図9(e)に示すように、電子輸送層250及びバンク層221の上面に対向電極222が形成される。対向電極222は、電子輸送層250及びバンク層221の表面全体、あるいはストライプ状に形成されている。対向電極222については、もちろんAl、Mg、Li、Caなどの単体材料やMg:Ag(10:1合金)の合金材料からなる1層で形成してもよいが、2層あるいは3層からなる金属(合金を含む。)層として形成してもよい。具体的には、Li2 O(0.5nm程度)/AlやLiF(0.5nm程度)/Al、MgF2 /Alといった積層構造のものも使用可能である。対向電極222は上述した金属からなる薄膜であり、光を透過可能な材料、構造であってもよい。
【0094】
<電子機器>
上記実施の形態の有機EL装置を備えた電子機器の例について説明する。
図11は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図11において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は上記の有機EL表示装置を用いた表示部を示している。
【0095】
図12は、腕時計型電子機器の一例を示した斜視図である。図12において、符号1100は時計本体を示し、符号1101は上記の有機EL表示装置を用いた表示部を示している。
【0096】
図13は、ワープロ、パソコンなどの携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図13において、符号1200は情報処理装置、符号1202はキーボードなどの入力部、符号1204は情報処理装置本体、符号1206は上記の有機EL表示装置を用いた表示部を示している。
【0097】
図11〜図13に示す電子機器は、上記実施の形態の有機EL表示装置を備えているので、表示品位に優れ、明るい画面の有機EL表示部を備えた電子機器を実現することができる。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の表面処理装置によれば、プラズマ放電電極の一部を多孔質体部とし、この多孔質体部を介して放電ギャップに対してガスが供給されるので、放電領域に対して近接した位置から均一な鮮度のガスが供給されることになる。したがって、プラズマ処理分布は均一化される。また、ガス供給を多孔質体部を介して行うので、放電領域に対して供給されるガス流量分布も均一化され、良好にプラズマ処理を行うことができる。
【0099】
本発明の有機EL装置の製造装置によれば、放電強度を均一化した状態でプラズマ処理を行うことができるので、プラズマ処理分布の均一化を実現することができる。したがって、例えば、撥液性及び親液性の調整、エッチングやアッシングを所望の状態で行うことができる。
【0100】
本発明の有機EL装置によれば、プラズマ処理分布が均一化されているので、良好な発光性能が得られる。
【0101】
本発明の電子機器によれば、本発明の有機EL装置が搭載されたので、信頼性の高い動作を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の表面処理装置であるプラズマ処理装置の一実施形態を示す−Y方向側から見た図である。
【図2】図1を+Y方向側から見た図である。
【図3】図1のA−A矢視断面図である。
【図4】試料ステージを示す外観斜視図である。
【図5】図3の要部拡大図である。
【図6】図5のB−B矢視断面図である。
【図7】有機EL装置の部分断面図である。
【図8】有機EL装置の製造工程を説明するための図である。
【図9】有機EL装置の製造工程を説明するための図である。
【図10】プラズマ処理システムの概略構成図である。
【図11】本発明の有機EL装置が搭載された電子機器を示す図である。
【図12】本発明の有機EL装置が搭載された電子機器を示す図である。
【図13】本発明の有機EL装置が搭載された電子機器を示す図である。
【図14】従来の表面処理装置であるプラズマ処理装置を示す図である。
【符号の説明】
11 電極部
12 試料ステージ
12A 移動装置
15 主ガス流路(ガス供給部)
20 プラズマ放電電極
21 放電発生部(多孔質体部)
26a、26b 脚部材(壁部)
27a、27b 突部(壁部)
43 試料
47 放電ギャップ(空間)
202 基板
203 発光素子
222 電極(陰極、対向電極)
223 電極(陽極、画素電極)
260 発光層
E 有機EL装置
S プラズマ処理装置(表面処理装置)
SYS プラズマ処理システム(有機EL装置の製造装置)

Claims (5)

  1. 試料の被処理面に対して所定の処理を行う表面処理装置において、
    前記試料を支持する試料ステージと、
    前記試料ステージに支持された前記試料の被処理面に対向する位置に設けられ、多孔質体部からなる放電発生部を有するプラズマ放電電極と、
    前記試料ステージに支持された前記試料と前記プラズマ放電電極との間に、前記多孔質体部を介して所定のガスを供給するガス供給部と、
    前記試料ステージに支持された前記試料と対向し、前記放電発生部に対応する位置が多孔質体であるガス流制御板と、
    前記プラズマ放電電極に対して前記試料ステージを所定のスキャン方向に移動する移動装置と、
    前記試料に対して、前記スキャン方向と交差する幅方向の両側に設けられた壁部と、
    前記試料ステージに支持された前記試料の移動方向前方側で前記試料ステージに設けられ、前記ガス流制御板と前記試料との間の第1の隙間より大きい第2の隙間を前記ガス流制御板との間で形成する上面に結ばれた段差と、
    を備えてなることを特徴とする表面処理装置。
  2. 前記多孔質体部は、多孔質金属部と多孔質誘電体部とで形成されてなることを特徴とする請求項に記載の表面処理装置。
  3. 基板上に設けられた電極と、前記電極に隣接して設けられた有機発光層とを有する有機EL装置の製造装置において、
    請求項1又は2記載の表面処理装置を備えたことを特徴とする有機EL装置の製造装置。
  4. 前記所定のガスは少なくとも酸素またはフッ素を含み、
    前記表面処理装置は、前記有機EL装置の前記電極の表面改質、又は前記電極の仕事関数の調整を行うことを特徴とする請求項記載の有機EL装置の製造装置。
  5. 基板上に設けられた電極と、前記電極に隣接して設けられた有機発光層と、前記発光層を形成するためのバンクを有する有機EL装置の製造方法において、請求項1又は2に記載の表面処理装置を用いて、少なくとも前記電極とバンクを所定の表面処理する工程を有することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
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