JP4098278B2 - 水溶性高分子のランピングを防止する方法及びその応用 - Google Patents

水溶性高分子のランピングを防止する方法及びその応用 Download PDF

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本発明は、水溶性高分子がランピングを起こさず容易に水に溶解する方法及びその応用に関する。
キサンタンガム、グァーガムなどの水溶性高分子を水ないしは液状食品に粉末のまま溶解させる際に、いわゆるランピングが生じて、液体に粉末が非常に溶解しにくくなることが知られている。ランピングとは、粉末を水溶液中に添加した時、当該粉末の集合体の表面部分だけが水和、溶解し、当該集合体の内部まで水分が移行しないことにより形成されるもので、別名、ママコ、ダマなどと呼ばれている。このようなランピングが起こると、なかなか水に溶解せず、完全に溶解させるには、攪拌強度を上げたり、時間を長くしたりといったことが必要である。
一方、DE(Dextrose Equivalent)値が低いデキストリンが粉末食品のケーキング防止に使用できることは知られている。例えば、スポーツ飲料粉末や果汁粉末にデキストリンを、DE値が2〜5のものの場合15〜60%添加することにより、当該粉末飲料のケーキングを防止できること(特許文献1)が記載されている。しかし、これは水溶性高分子でなく専ら低分子水溶性物質に係る技術であり、また、粉末状態での保存においてケーキングは防止できても、水に添加した場合のランピングの防止はできなかった。
そこで粉末飲料をDE値10以下のデキストリン水溶液を造粒時にスプレーして顆粒化し、顆粒状ミックス飲料を製造する方法(特許文献2)が行われている。しかし、これらも低分子に関するもので、水溶性高分子に関する記載はなく、更には粉末のランピング防止に関する記載もない。
更には、水に溶解することによってゲル化及び/又は増粘する水溶性高分子について、キサンタンガムまたはキサンタンガムと他の天然ガムとの混合物からなる増粘物1重量部に対して、DE2〜35のデキストリンと、液状乳化剤を併用する粉末状の食品用増粘剤が挙げられている(特許文献3)。この粉末状の食品用増粘剤は、醤油や各種タレ等の極端に多くの塩分や糖分を含む液体食品に粘度を付与することに適していると記載されているが、一般的な液状食品に関する記載はない。また、この粉末状の食品用増粘剤は、構成成分として乳化剤が必須とされており、乳化剤を併用していないものについては、まだ依然としてキサンタンガムなどの水溶性高分子粉末が水に溶解せずランピングを起こしていた。
さらに近年、食物を噛み砕き飲み込むという一連の動作に障害をもつ、咀嚼・嚥下障害者が増加しており、咀嚼・嚥下障害者向けのとろみを付与する食品の開発が行われている。例えば、粉末状の栄養食の分散安定剤であって、デキストリンと増粘多糖類を重量比で4〜6:1となるように配合されている粉末状栄養食用安定剤(特許文献4)、パウダー成分として、緑茶エキスの顆粒物、増粘多糖類、サイクロデキストリン及び抹茶を含有する嚥下困難者用緑茶パウダー(特許文献5)などがある。しかし、これらもキサンタンガムなどの増粘多糖類が水に溶解せずランピングが起こっていた。
特開昭57−189672号公報 特公平7−87756号公報 特許2661690号公報 特開平8−196235号公報 特開2002−306073号公報
本発明は、水溶性高分子が水中でランピングを起こさず容易に溶解する方法を提供することを目的とする。さらに上記事情に鑑みなされたもので、水に添加して即効的に粘度を付与する易溶性顆粒組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ゲル化及び/又は増粘する性質を有する水溶性高分子及びDE値5以下のデキストリンを含み、この混合物を顆粒化することにより、水溶性高分子が水中でランピングを起こさず容易に溶解することを見いだした。更には、当該溶液に即効的に粘度を付与する易溶性顆粒となり、好ましくは水溶性高分子とDE値5以下のデキストリンの配合比が重量で9:1〜1:9であり、本発明で使用する好ましい水溶性高分子として、キサンタンガム、ガラクトマンナン及びカラギナンから選ばれる1種または2種以上が好ましいことを見いだした。
本発明は、以下の態様を有する水溶性高分子のランピングを防止する方法及びその応用に関する;
項1.水溶性高分子及びDE値5以下のデキストリンを含む混合物を顆粒化することを特徴とする、水溶性高分子のランピングを防止する方法。
項2.ゲル化及び/又は増粘する性質を有する水溶性高分子とDE値5以下のデキストリンの配合比が重量で9:1〜1:9である、項1に記載の水溶性高分子のランピングを防止する方法。
項3.ゲル化及び/又は増粘する性質を有する水溶性高分子が、キサンタンガム、ガラクトマンナン及びカラギナンから選ばれる1種または2種以上である、項1又は2に記載の水溶性高分子のランピングを防止する方法。
項4.項1乃至3のいずれかに記載の方法で水溶性高分子のランピングが防止された易溶性顆粒組成物。
項5.咀嚼・嚥下困難者用補助組成物である、項4に記載の易溶性顆粒組成物。
項6.項4又は5に記載の易溶性顆粒組成物を用いて調製した咀嚼・嚥下困難者用食品。
本発明により、水溶性高分子が水中でランピングを起こさず容易に溶解し、かつ当該溶液に即効的に粘度を付与できる易溶性顆粒組成物ができるようになった。更に、本発明の方法により調製した易溶性顆粒組成物は容易に水に溶解して、直ちに増粘性を発現するため、咀嚼・嚥下障害者用のとろみを付与する組成物に適している。
本発明は、水溶性高分子及びDE値5以下のデキストリンを含む混合物を顆粒化することを特徴とする水溶性高分子のランピングを防止する方法に関する。本発明により、水溶性高分子が水中でランピングを起こさず容易に溶解するようになる。当該水溶性高分子のランピング現象は、加熱していない低温〜常温の水中でも起こるが、加熱した水においても起こりうる。本発明では、0〜100℃の加熱・非加熱の水にかかわらず、従来起こっていた水溶性高分子のランピングを有意に防止できる方法である。また、糖類や他の添加物などを含む溶液であっても、本発明では水溶性高分子のランピングを防止することができる。
まず、本発明で使用するゲル化及び/又は増粘する性質を有する水溶性高分子としては、ゲル化及び又は増粘する性質を有する水溶性高分子であれば特に限定されない。具体的には、キサンタンガム、ガラクトマンナン(グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等)、カラギナン、カシアガム、グルコマンナン、ネイティブ型ジェランガム、脱アシル型ジェランガム、タマリンドシードガム、ペクチン、サイリウムシードガム、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、マクロホモプシスガム、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カードラン、プルラン、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のセルロース誘導体、水溶性ヘミセルロース、大豆多糖類、加工・化工でん粉、未加工・未化工でん粉(生でん粉)などから選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
中でも、キサンタンガムや、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等のガラクトマンナン及びカラギナンから選ばれる1種又は2種以上を使用するのが好ましい。
本発明で使用するデキストリンは、DE値5以下、好ましくは、2〜5であるものを使用する。これよりDE値が大きいデキストリンを使用すると、水溶性高分子がランピングを起こし、水に容易に溶解しなくなる場合がある。
なお、デキストリンは当該DE値の範囲に入るものであれば市販のものが使用することができ、具体的には、デキストリン、アミノデキストリン、エリトロデキストリン、アクロデキストリン、マルトデキストリン、シクロデキストリンなどから選択される1種又は2種以上を挙げることができる。好ましくは、デキストリンを使用する。
また、ゲル化及び/又は増粘する性質を有する水溶性高分子とDE値5以下のデキストリンの配合比については、重量で9:1〜1:9、更に好ましくは、3:7〜1:9である。この配合比に設定することにより、ランピングを起こさず良好に水中で溶解することが出来、また、かつ当該溶液に即効的に粘度を付与できる。
本発明の顆粒化方法であるが、常法により製造できる。例えば、流動層造粒、転動式造粒、攪拌造粒などがある。本発明では中でも、流動層造粒法により製造するのが好ましい。流動層造粒による製造方法として、以下の方法を例示することができる。例えば、粉体を造粒機にいれ、下方から熱風を送り込むことで、粉体を流動させる。この流動層に適量の水をノズル噴霧し、粉体表面に均一に水を付着させ、凝集粒をつくり、これを乾燥させることにより顆粒を製造する方法を挙げることができる。
更に、本発明は、水溶性高分子及びDE値5以下のデキストリンを含む混合物を顆粒化することを特徴とする水溶性高分子のランピングが防止された易溶性顆粒組成物に関する。
本発明の易溶性顆粒組成物は、少なくとも前記成分を含有するものであればよいが、本発明の効果を奏する限りにおいて、他に任意の成分を配合することもできる。
本発明の易溶性顆粒組成物には、食品原材料は無論のこと、効果を妨げない範囲において、他の食品添加物、例えば、L-グルタミン酸ナトリウム、L-アスパラギン酸ナトリウム等のアミノ酸またはその塩、5'-イノシン酸二ナトリウム等の核酸またはその塩、クエン酸一カリウム等の有機酸またはその塩、および塩化カリウム等の無機塩類に代表される調味料;カラシ抽出物、ワサビ抽出物、およびコウジ酸等の日持向上剤;シラコたん白抽出物、ポリリシン、およびソルビン酸、安息香酸等の保存料;α、βアミラーゼ、α、βグルコシダ−ゼ、パパイン等の酵素;クエン酸、フマル酸、コハク酸等のpH調整剤;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、レシチン等の乳化剤;香料;β-カロチン、アナトー色素等の着色料:膨張剤;乳清たん白質、大豆たん白質等のたん白質;ショ糖、果糖、還元デンプン糖化物、エリスリトール、キシリトール等の糖類;スクラロース、ソーマチン、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等の甘味料;ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン類;鉄、カルシウム等のミネラル類等を添加することができる。
本発明の易溶性顆粒組成物を、水や既存の液状食品に添加すると、常温の液状食品にも容易に溶解し、急激に高い粘度を発現する。しかも、保水性に優れ、食塊形成能(口中での食品のまとまりやすさ)がよく、付着性の少ない物性を持った食品とすることができる。即ち、食品に添加する嚥下・困難者用補助組成物として、これらの性質は咀嚼・嚥下困難者用食品に要求される食感的および機能的性質を十分に満足するものであり、咀嚼・嚥下困難者用食品に適した易溶性顆粒組成物となる。
本発明の易溶性顆粒組成物を添加することが出来る対象食品は、例えば、水、牛乳、乳飲料、乳酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、菜汁飲料、茶飲料、スポーツ飲料、機能性飲料、ビタミン補給飲料、栄養補給バランス飲料、粉末飲料、赤ワイン等の果実酒、コンソメスープ、ポタージュスープ、クリームスープ、中華スープ等の各種スープ、味噌汁、清汁、シチュウ、カレー、グラタンなどのスープ類等の液状の最終食品を挙げることができ、これらに直接添加して増粘させることができる。
更には、製造時に本発明の易溶性顆粒組成物を添加することも出来る。例えば、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類;カスタードプリン,ミルクプリン及び果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア及びヨーグルト等のデザート類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状粒ガム);マーブルチョコレート等のコーティングチョコレートの他、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート及びメロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート等のチョコレート類;ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ等を含む)、タフィ等のキャラメル類;ソフトビスケット、ソフトクッキー等の菓子類;セパレートドレッシングやノンオイルドレッシングなどのドレッシング、ケチャップ、たれ、ソースなどのソース類;ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマレード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ等のジャム類;シロップ漬のチェリー、アンズ、リンゴ、イチゴ等の加工用果実;ハム、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工品;魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベーコン等の水産練り製品;うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中華そば、スパゲッティ、マカロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等の麺類;その他、各種総菜及び蒲鉾、麩、田麩等、種々の食品及びこれらの食品を更に加工した、加工食品等も挙げることができる。
また、このような一般食品に加えて、蛋白質・リン・カリウム調整食品、塩分調整食品、油脂調整食品、整腸作用食品、カルシウム・鉄・ビタミン強化食品、低アレルギー食品、濃厚流動食、ミキサー食、及びキザミ食等の特殊食品や治療食を挙げることができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「重量部」を意味するものとする。文中*印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、文中※印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
また、表中、パインデックス#1,パインデックス#2,パインデックス#3,パインデックス#100は松谷化学工業株式会社製、サンデック#30は三和澱粉工業株式会社製である。
実験例1
(1)易溶性顆粒組成物の調製
増粘剤製剤(ビストップ※D−1894*、グァーガム及びキサンタンガム含有製剤)30%及び表1に掲げるDE値2〜25の各デキストリンをそれぞれ70%の割合で混合した粉体を、流動造粒して顆粒を得た。
(2)水への溶解試験
200mlのビーカーに20℃及び70℃のイオン交換水100mlをそれぞれ用意し、各ビーカーに易溶性顆粒組成物2gを加え、スパーテルで30秒間攪拌した。攪拌後の溶液の状態を観察した。表1に、20℃及び70℃における添加直後の水溶性高分子の水中への分散性及び30秒間攪拌後のランピングの状態を示す。更に、20℃における状態の写真を図1に、70℃における状態の写真を図2に示す。
なお、表中の符号について、分散性及びランピングの状態について、良好な順番に、◎、○、△、×の順で表す。また、分散性について、◎はすぐに水中全体に分散した状態であり、×は添加した塊のままで分散しない状態、ランピングの状態について、◎は殆ど塊が見られない状態であり、×は大きな塊が多数見受けられる状態を示す。
Figure 0004098278
表1、図1及び図2より、DE値5以下のデキストリンを用いて顆粒化した水溶性高分子は明らかに優れた分散性、溶解性を示し、実施例1及び2の易溶性顆粒組成物は、水に添加直後の分散性も良く、また、30秒間攪拌後に速やかに溶解しており、ランピングはDE値が5より大きいデキストリンを使用した場合に比べ、著しく抑制された。これに対し、DE値が5より高いデキストリンを用いた比較例1〜3の易溶性顆粒組成物を使用した場合には大きなランピングが生じ、増粘剤製剤を充分に溶解することができなかった。特に、DE値が高いデキストリンほど、ランピング傾向が強くなり、大きな塊(ダマ)が出来やすくなることがわかった。
実験例2
(1)易溶性顆粒組成物の調製
表2に掲げる処方通り、キサンタンガム及びDE値2〜5のデキストリンを混合したものを流動造粒し、顆粒を得た。
(2)水への溶解試験
200mlのビーカーに20℃及び70℃のイオン交換水100mlにそれぞれ用意し、各ビーカーに易溶性顆粒組成物を表2に掲げる添加量を加え(キサンタンガムの水への添加量が0.6gになるように調整)、スパーテルで30秒間攪拌した。攪拌後の溶液の状態を観察した。表2に、20℃及び70℃における添加直後の水溶性高分子の水中への分散性及び30秒間攪拌後のランピングの状態を示す。更に、20℃における状態の写真を図3に、70℃における状態の写真を図4に示す。
Figure 0004098278
表2、図3及び図4より、実施例3〜7について、水溶性高分子について水中でのランピングを有意に抑制することができた。また、実施例6〜7で、キサンタンガムとデキストリンの配合割合が30:70〜10:90の場合、特に良好な状態であった。
実験例3
(1)易溶性顆粒組成物の調製
表3に掲げる1種類または2種類の水溶性高分子30%に、DE値2〜5のデキストリン70%を混合したものを流動造粒し、顆粒を得た。
(2)水への溶解試験
200mlのビーカーに20℃及び70℃のイオン交換水100mlをそれぞれ用意し、各ビーカーに易溶性顆粒組成物2gを加え、スパーテルで30秒間攪拌した。攪拌後の溶液の状態を観察した。表3に、20℃及び70℃における添加直後の水溶性高分子の水中への分散性及び30秒間攪拌後のランピングの状態を示す。更に、20℃における状態の写真を図5に、70℃における状態の写真を図6に示す。
Figure 0004098278
表3、図5及び図6より、実施例8〜14について、水溶性高分子について水中でのランピングを有意に抑制することができた。
なお、実施例8については、20℃で得られた液の粘度(B型粘度計12rpm)が、3700mPa・sであった。よって、実施例8の顆粒組成物は当該添加量で充分にとろみを付与することが出来、嚥下・咀嚼困難者向け食品等に応用できる。また、実施例8以外の実施例に記載の組成物であっても、添加する濃度を調整することによりとろみを付与することが出来、同様に優れた物性を与える。
実施例15:インスタントゼリーの調製
(1)下記処方通りの原料を粉体混合し、これを流動造粒してゲル化剤顆粒を得た。
ゲル化剤顆粒 部
ローカストビーンガム 15
カラギナン 15
DE値2〜5のデキストリン 70
計 100
(2)インスタントゼリーの調製
下記処方通りの原料を粉体混合して、粉末インスタントゼリーの素を得た。
50℃の水を攪拌しながら、調製したインスタントゼリーの素を少量ずつ添加して溶解し、型に流して冷蔵庫にて1時間以上放冷すると、滑らかな食感のゼリーとなった。
また、(1)で調製したゲル化剤顆粒とそれ以外の原料で二剤化したインスタントゼリーの素を調製することもできる。二剤化品の場合、水を攪拌しながら、下記処方中の(1)で調製した顆粒組成物及び残りの粉体混合物を加えて攪拌溶解後、固化することによりゼリーを調製することができる。
インスタントゼリーの素処方 部
(1)で調製した顆粒組成物 1.2
スクラロース* 0.03
粉末香料(サンフィックス※オレンジNO.22734*) 0.2
粉末果汁(オレンジパウダーNO.1*) 3
乳酸カルシウム 0.1
塩化カリウム 0.05
クエン酸(無水)N* 0.2
クエン酸三ナトリウムF 0.1
水 95.12
全量 100
実施例16:和風デザート食品の調製
水を攪拌しながら、下記処方中の実施例8の易溶性顆粒組成物8gのみを予め攪拌溶解し、砂糖、香料を加えてさらに攪拌溶解する。型に流して冷蔵庫にて1時間以上放冷すると、くず餅風の新食感のデザートとなった。
和風デザート食品 部
砂糖 30
実施例8の易溶性顆粒組成物 8
香料 0.1
水にて全量 100
本発明により、水溶性高分子がランピングを起こさず水中に容易に溶解することができる。更には、当該溶液に即効的に粘度が付与される易溶性顆粒組成物を提供できる。
図1は、実験例1について、20℃における攪拌後のランピングの状態についての写真である。 図2は、実験例1について、70℃における攪拌後のランピングの状態についての写真である。 図3は、実験例2について、20℃における攪拌後のランピングの状態についての写真である。 図4は、実験例2について、70℃における攪拌後のランピングの状態についての写真である。 図5は、実験例3について、20℃における攪拌後のランピングの状態についての写真である。 図6は、実験例3について、70℃における攪拌後のランピングの状態についての写真である。

Claims (5)

  1. ゲル化及び/又は増粘する性質を有する水溶性高分子及びDE値5以下のデキストリンを含む混合物であって、ゲル化及び/又は増粘する性質を有する水溶性高分子とDE値5以下のデキストリンの配合比が重量で3:7〜1:9である混合物を顆粒化することを特徴とする、水溶性高分子のランピングを防止する方法。
  2. ゲル化及び/又は増粘する性質を有する水溶性高分子が、キサンタンガム、ガラクトマンナン及びカラギナンから選ばれる1種または2種以上である、請求項1に記載の水溶性高分子のランピングを防止する方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法で水溶性高分子のランピングが防止された易溶性顆粒組成物。
  4. 咀嚼・嚥下困難者用補助組成物である、請求項3に記載の易溶性顆粒組成物。
  5. 請求項3又は4に記載の易溶性顆粒組成物を用いて調製した咀嚼・嚥下困難者用食品。
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