JP5192189B2 - 水溶性高分子のランピング防止方法及びランピングが防止された顆粒組成物 - Google Patents

水溶性高分子のランピング防止方法及びランピングが防止された顆粒組成物 Download PDF

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Description

本発明は、水溶性高分子がランピングを起こさず容易に溶液に溶解する方法、及び係る方法を用いて調製された易溶性顆粒組成物に関する。
キサンタンガムやカラギナン、グァーガムといった水溶性高分子を水ないしは液状食品に添加し、液体をゲル化若しくは増粘させるためには、まず完全に水溶性高分子を水和させることが必要である。しかし、これら水溶性高分子を粉末の状態で水ないしは液状食品に添加した場合はいわゆるランピングが生じて、液体に粉末が非常に溶解しにくくなることが知られている。ランピングとは、粉末を液体に添加した時、当該粉末の集合体の表面部分だけが水和、溶解し、当該集合体の内部まで水分が移行しないことにより形成されるもので、別名、継粉、ダマなどと呼ばれている。特に、水溶性高分子は水を抱え込む性質を持つため、ランピングが生じやすい。いったんこのようなランピングが起こるとなかなか溶解せず、生じたダマを完全に溶解させことは難しく、撹拌強度を上げたり、撹拌時間を長くするといった厳しい撹拌工程をとることが必要になる。
水溶性高分子のダマを防止する従来技術としては、継粉防止剤として炭酸水素ナトリウム及び有機酸を用いること(特許文献1)、食塩、塩化カリウム、乳酸ナトリウム、乳酸カリウム等の塩類を添加して分散性を改良すること(特許文献2)が開示されている。しかし、その方法は炭酸ガスを発生させながら発泡させるといった発泡作用を利用するなど使い勝手に欠け、またそのダマ防止効果も十分なものとはいえなかった。特に、キサンタンガムやカラギナンなどの水溶性高分子を用いて咀嚼・嚥下困難者用向けの食品を調製する場合は、患者やその介護者がその場で咀嚼・嚥下困難者用食品を手(スパーテル)撹拌で調製するといった場面が多々見られる。かかる弱い撹拌条件では水溶性高分子はランピングを生じ易く、いったん生じたダマは取り除くことが難しい一方、ダマが生じたままでは誤嚥の原因になる可能性もあり、手(スパーテル)撹拌のような弱い撹拌条件においてもランピングを生じることなく水溶性高分子が良好に分散することが切望されてきた。
一方、特許文献3、4にはグルタミンソーダ結晶を造粒する際の液状成分として有機酸を添加できること、及び糖類粒子に酸味料が結着してなる糖顆粒が開示されている。しかし特許文献3、4は、造粒物自体の塊状物や吸湿の防止を目的としており、水溶性高分子のランピングといった水溶性高分子特有の課題自体一切開示されていない。同様に特許文献5、6にはカラギナンを含有してなる粉末ミックスが開示されているが、カラギナンを噴霧乾燥する際に使用する水性媒体に酸味料を任意添加できる旨の記載にとどまっている。
特開2003−104912号公報 特開2000−270792号公報 特開平8−298956号公報 特開平7−194334号公報 特開平6−237710号公報 特開平7−322832号公報
本発明では水や液状食品などの液体中に、増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子を添加した際の、水溶性高分子のランピングを防止することを目的とする。特には、手撹拌といった弱い撹拌条件においても、水溶性高分子がランピングを生じることなく容易に溶解する易溶性顆粒組成物を提供し、ひいては患者や介護者が簡便に咀嚼・嚥下困難者用食品を調製することができる、咀嚼・嚥下困難者用補助組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上を含有する水溶液をバインダーとして、増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子を造粒することによって水溶性高分子のランピングを防止できることを見出した。
本発明は、以下の態様を有する水溶性高分子のランピング防止方法に関する;
項1.リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上を含有する水溶液をバインダーとして、増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子を造粒することを特徴とする、水溶性高分子のランピング防止方法。
項2.リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上を、水溶性高分子100重量部に対し1〜20重量部含まれるように造粒する、項1記載の水溶性高分子のランピング防止方法。
項3.増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子がキサンタンガム及び/又はカラギナンである、項1又は2に記載の水溶性高分子のランピング防止方法。
項4.流動層造粒法を用いて造粒する、項1〜3のいずれかに記載のランピング防止方法。
また本発明は、上記ランピング防止方法によってランピングが防止された易溶性顆粒組成物に関する;
項5.項1〜4のいずれかに記載の方法によってランピングが防止された、顆粒組成物。
項6.増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子を1〜80重量%含有する、項5に記載の顆粒組成物。
項7.咀嚼・嚥下困難者用補助組成物である、項5又は6に記載の顆粒組成物。
項8.下記(1)〜(3)のうち少なくとも1種以上の条件を満たす液状組成物に使用される、項5〜7のいずれかに記載の顆粒組成物;
(1)脂肪の含有量が液状組成物全量に対して0.01〜15重量%である。
(2)pHが2〜9の範囲である。
(3)ミネラル分の含有量が液状組成物全量に対して0.01〜3重量%である。
本発明により、ランピングを起こすことなく、水や液状食品などの液体中に水溶性高分子を容易に溶解させることができる。また手撹拌といった弱い撹拌条件によっても水溶性高分子のランピングを顕著に防止できるため、特に咀嚼・嚥下困難者用補助組成物として
好適な易溶性顆粒組成物を調製でき、かかる組成物を用いることによって患者や介護者が簡便に咀嚼・嚥下困難者用食品を調製することができる。
本発明の水溶性高分子のランピング防止方法はリンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上を含有する水溶液をバインダーとして、増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子を造粒することを特徴とする。
係る水溶液をバインダーとして水溶性高分子を造粒することにより、液体に添加した際にランピングが生じやすい水溶性高分子であっても、ランピングを生じることなく容易に溶解することが可能となった。水溶性高分子のランピング現象は、加熱していない低温〜常温の水中でも起こるが、加熱した水においても起こりうる。係る点において、本発明は0〜100℃の加熱・非加熱の水に関わらず、従来起こっていた水溶性高分子のランピングを顕著に防止できる方法であり、糖類や他の添加物などを含む液体に添加した場合であっても、水溶性高分子のランピングを防止することができる。
増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子としては、特に限定されずに上記性質を有する水溶性高分子を用いることができる。この様な水溶性高分子として具体的には、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カラギナン、キサンタンガム、ネイティブ型ジェランガム、脱アシル型ジェランガム、マクロホモプシスガム、カードラン、プルラン、ガラクトマンナン(グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム、カシアガム等)、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、グルコマンナン、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、ガティガム、ペクチン、水溶性ヘミセルロース、大豆多糖類、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のセルロース誘導体、加工・化工でん粉、未加工でん粉(生でん粉)、デキストリン、ゼラチンなどから選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
中でも、キサンタンガム、カラギナンや、グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等のガラクトマンナンから選ばれる1種又は2種以上を使用することが好ましく、本発明の効果が顕著にあらわれることからも、特にキサンタンガム及び/又はカラギナンを使用することが好ましい。
本発明では、上記水溶性高分子を造粒するバインダーとして、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上を含有する水溶液を特定量用いることを特徴とし、特にはリンゴ酸、酒石酸若しくは乳酸、又はこれらの塩からなる一種以上を用いることによって顕著に水溶性高分子のランピングを防止することができる。リンゴ酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩若しくは酢酸塩としては塩の種類は特に限定されず各種塩類を用いることができ、例えば、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩、マグネシウム塩など)、マンガン、ニッケル、クロム、鉄、銅、亜鉛等が挙げられる。本発明では中でも、ナトリウム塩、カリウム塩、又はカルシウム塩、特にナトリウム塩を好適に用いることができる。
本発明のランピング防止方法では上記のリンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上を、水溶性高分子100重量部に対し1〜20重量部、好ましくは5〜15重量部含まれるように造粒することが好ましい。ここで、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上の添加量が水溶性高分子に対し1重量部より少なくなると効果が十分に発揮できなくなる場合がある。
造粒工程におけるバインダー中のリンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上の添加量、及び増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子に対する該バインダーの添加量は、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上と水溶性高分子の配合割合が上記範囲内であれば特に限定されず、塩の溶解度や造粒の条件等によって適宜調節することが可能である。バインダー中のリンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上の添加量の具体例としては、水溶液中のリンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上の添加量が1〜20重量%、更には5〜15重量%となるよう添加することが好ましい。
バインダーの添加量としては、造粒する粉末に対して10〜100重量%、更には20〜60重量%を好適な例として挙げることができる。バインダーの添加量は造粒する際の顆粒の成長度合いにより任意に変えることができる。
造粒方法としては、食品や医薬の分野で一般に行われている攪拌造粒、押出造粒、転動造粒、流動層造粒などの方法を用いて行うことができる。本発明では中でも、流動層造粒により造粒を行うことにより、顕著に水溶性高分子のランピングを防止することができる。流動層造粒による造粒方法として、以下の方法を例示することができる。例えば、粉体を造粒機に入れ、下方から熱風を送り込むことで、粉体を流動させる。この流動層にバインダー液をノズル噴射し、粉体表面に均一にバインダー液を付着させ、凝集粒をつくり、これを乾燥させることにより顆粒を製造する方法を挙げることができる。なお、顆粒の粒子径が75〜1200μmとなるように造粒することが好ましい。
本発明で用いるバインダーには、上記リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上に加え、本発明の効果を奏する限りにおいて、デキストリン、キサンタンガム、カラギナン、グァーガム、プルラン、塩化カリウム、クエン酸又はクエン酸塩などの任意成分を配合することもできる。
更に本発明は、前述の方法により製造された、水溶性高分子粉末のランピングが防止された易溶性顆粒組成物に関する。
本発明の易溶性顆粒組成物は、前述のリンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩からなる一種以上、及び増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子に加え、食品原材料は無論のこと、効果を妨げない範囲において、他の食品添加物を添加することができる。例えば、L-グルタミン酸ナトリウム、L-アスパラギン酸ナトリウム等のアミノ酸またはその塩、5'-イノシン酸二ナトリウム等の核酸またはその塩、クエン酸一カリウム等の有機酸またはその塩、および塩化カリウム等の無機塩類に代表される調味料;カラシ抽出物、ワサビ抽出物、およびコウジ酸等の日持向上剤;シラコたん白抽出物、ポリリシン、およびソルビン酸、安息香酸等の保存料;α・βアミラーゼ、α・βグルコシダ−ゼ、パパイン等の酵素;クエン酸、フマル酸、コハク酸等のpH調整剤;ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、レシチン等の乳化剤;香料;β-カロチン、アナトー色素等の着色料:膨張剤;乳清たん白質、大豆たん白質等の蛋白質;ショ糖、果糖、還元デンプン糖化物、エリスリトール、キシリトール等の糖類;スクラロース、ソーマチン、アセスルファムカリウム、アスパルテーム等の甘味料;ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK等のビタミン類;鉄、カルシウム等のミネラル類等が挙げられる。
本発明の易溶性顆粒組成物中の増粘及び/またはゲル化する性質を有する水溶性高分子の含有量は、最終組成物に求められる粘度やゲル強度によって適宜調節することが可能であるが、易溶性顆粒組成物中1〜80重量%、好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは20〜50重量%含有することができる。
従来、易溶性顆粒組成物中の増粘及び/またはゲル化する性質を有する水溶性高分子の分散性を高めるためには、分散剤として配合するデキストリン、糖類等の割合を多くするなどの工夫がなされていた。しかし、易溶性顆粒組成物中の水溶性高分子の含有量が少ないと、増粘及び/又はゲル化といった水溶性高分子本来の効果を発揮するためには組成物の多量添加が必要となるため、改善が求められていた。本発明に係る方法をとると従来の顆粒組成物に比して水溶性高分子の含有量を目的に応じて適宜調節することが可能となり、ひいては増粘及び/又はゲル化といった性質の発揮機能が高い顆粒組成物を提供できるようになった。
調製された易溶性顆粒組成物は、手撹拌といった弱い撹拌条件で水や液状食品などの液体に溶解した際も、水溶性高分子のランピングが防止されているため、増粘やゲル化効果を求められる組成物に広範囲に適用され、簡便に増粘された組成物やゲル化物を調製することができる。例えばキサンタンガムやカラギナンのような増粘性を示す水溶性高分子粉末を使用して造粒した易溶性顆粒組成物は、水や液状食品などの液体に添加すると、常温でも容易に溶解して、即座に高い粘度を発現、もしくは冷却した際に本来のゲル強度を発揮する。しかも保水性に優れ、食塊形成能(口中での食品のまとまりやすさ)がよく、付着性の少ない物性を持った食品とすることができる。即ち、これらの性質は咀嚼・嚥下困難者用食品に要求される食感的および機能的性質を十分に満足するものであり、本発明の易溶性顆粒組成物は、咀嚼・嚥下困難者用補助組成物として適した易溶性顆粒組成物となる。更には本発明の易溶性顆粒組成物は、手(スパーテル)撹拌といった弱い撹拌条件においても水溶性高分子のランピングを防止することができるため、患者やその介護者がその場で簡便に咀嚼・嚥下困難者用食品を調製できるといった大きな利点を有しており、係る点においても咀嚼・嚥下困難者用補助組成物として好適である。
本発明の易溶性顆粒組成物を添加する対象食品として、例えば、水、牛乳、乳飲料、乳
酸菌飲料、果汁入り清涼飲料、炭酸飲料、果汁飲料、菜汁飲料、茶飲料、スポーツ飲料、
機能性飲料、ビタミン補給飲料、栄養補給バランス飲料、粉末飲料、赤ワイン等の果実酒
、コンソメスープ、ポタージュスープ、クリームスープ、中華スープ等の各種スープ、味
噌汁、清汁、シチュウ、カレー、グラタンなどのスープ類等の液状の最終食品を挙げるこ
とができ、これらに直接添加して増粘させることができる。
更には、各種加工食品の製造時に本発明の易溶性顆粒組成物を添加することもできる。
例えば、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、シャーベット、氷菓等の冷菓類
;カスタードプリン,ミルクプリン及び果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、ババロア
及びヨーグルト等のデザート類;チューインガムや風船ガム等のガム類(板ガム、糖衣状
粒ガム);マーブルチョコレート等のコーティングチョコレートの他、イチゴチョコレー
ト、ブルーベリーチョコレート及びメロンチョコレート等の風味を付加したチョコレート
等のチョコレート類;ソフトキャンディー(キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マ
シュマロ等を含む)、タフィ等のキャラメル類;ソフトビスケット、ソフトクッキー等の
菓子類;セパレートドレッシングやノンオイルドレッシングなどのドレッシング、ケチャ
ップ、たれ、ソースなどのソース類;ストロベリージャム、ブルーベリージャム、マーマ
レード、リンゴジャム、杏ジャム、プレザーブ等のジャム類;シロップ漬のチェリー、ア
ンズ、リンゴ、イチゴ等の加工用果実;ハム、ソーセージ、焼き豚等の畜肉加工品;魚肉
ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、鯨ベ
ーコン等の水産練り製品;うどん、冷麦、そうめん、ソバ、中華そば、スパゲッティ、マ
カロニ、ビーフン、はるさめ及びワンタン等の麺類;その他、各種総菜類等を挙げること
ができる。
また、このような一般食品に加えて、蛋白質・リン・カリウム調整食品、塩分調整食品
、油脂調整食品、整腸作用食品、カルシウム・鉄・ビタミン強化食品、低アレルギー食品
、濃厚流動食、ミキサー食、及びキザミ食等の特殊食品や治療食を挙げることができる。
本発明の易溶性顆粒組成物は、中でも、増粘化剤添加による粘度発現が比較的遅いとされている液状食品に好適に使用することができ、下記(1)〜(3)のうち少なくとも1種以上の条件を満たす液状組成物に使用された場合であっても、水溶性高分子の粘度発現が早い点で優れている。
(1)脂肪の含有量が液状組成物全量に対して0.01〜15重量%、特に0.1〜10重量%である。
これら液状食品の一例として、牛乳等の乳飲料、乳酸菌飲料、ミルク入りコーヒー、ミ
ルク入り茶類、ミルクココア、ミルクセーキ、酸乳入り飲料、フルーツ牛乳、濃厚流動食などを挙げることができる。
(2)pHが2〜9、特に3〜8の範囲である。
これら液状食品の一例として、オレンジジュース等の果汁飲料、清涼飲料、酸性乳飲料
、ドリンクヨーグルトなどを挙げることができる。
(3)ミネラル分の含有量が液状組成物全量に対して0.01〜3重量%、特に0.05〜2重量%である。
ミネラル分としては、ナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、鉄、銅、ク
ロム、モリブデン、マンガン、亜鉛、リン、セレニウム、リチウム、バナジウム、コバル
ト、ニッケル、ホウ素、ゲルマニウム、臭素、ヨウ素などが含まれる。これら一定量のミ
ネラル分を含有する液状食品の一例として、食塩水、イオン飲料、ビタミン補給飲料、栄
養補給バランス飲料、醤油、ソース、ドレッシングなどを挙げることができる。
更に、前記(1)〜(3)の条件を複合的に満たす液状食品にも好適に使用できる。こ
のような液状食品の一例として、スープ、ドリンクヨーグルト、濃厚流動食(1kcal
/ml程度の濃度に調整され、長期間の単独摂取によっても著しい栄養素の過不足が生じ
ないよう、各栄養素の質的構成が十分考慮されている栄養食品)などが挙げられる。濃厚流動食としては、脂肪分2〜6重量%、ミネラル分0.1〜2重量%、pH6〜7のものが具体例として挙げられる。
従来、キサンタンガム、カラギナンをはじめとした水溶性高分子は、溶解する液体の脂肪分やミネラル含量、pHによって到達粘度や溶解性が変化し、濃厚流動食や牛乳、オレンジジュース、味噌汁、ミネラルバランス飲料等の液状食品に添加した場合に、粘度発現が遅い等の問題点を抱えていた。粘度発現が遅いと実際に患者や介護者が目的とする咀嚼・嚥下困難者用食品を調製する際の撹拌・溶解時間が増大し、患者や介護者自身に負担がかかるだけでなく、粘度発現が遅いことから目的とする食品の粘度調整が困難となり、撹拌しても粘度が十分でないことから粘度調整剤を追加で投入し、ダマがより発生してしまう場合や、溶解後時間が経過すると粘度が高くなりすぎることが問題となっていた。しかし、本発明は係る点も解決できるものである。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明は
これらに何ら限定されるものではない。また、特に記載のない限り「部」とは、「重量部
」を意味するものとする。文中「*」印のものは、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、
文中「※」印は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。
調製例1 易溶性顆粒組成物の調製(1)
表1、表2に示す処方に従って、水溶性高分子製剤(ビストップ※D−3000−DF−C*、キサンタンガム)、デキストリンの粉体混合物500gを流動層造粒機に投入し、表1に記載のバインダーを使用して流動層造粒を行い、易溶性顆粒組成物を得た(実施例1〜6)。一方、比較例として水、若しくはデキストリンを含有した溶液をバインダーとして流動層造粒を行い、比較例1及び2の易溶性顆粒組成物を得た。比較例3〜7は、水溶性高分子製剤及びデキストリンに、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、又は酢酸ナトリウムを適宜添加して混合した粉体混合物を、水をバインダーとして流動層造粒を行い調製した。詳細には、粉体を造粒機に入れ、下方から熱風を送り込み、粉体を流動させた。この流動層に表1、表2に記載のバインダー液をノズル噴射し、粉体表面に均一にバインダー液を付着させ、凝集粒をつくり、これを乾燥させ、実施例1〜6、及び比較例1〜7の顆粒を調製した。バインダー液は、粉体混合物500gに対し、150g噴霧した。
実験例1 水への溶解性試験
200mlのビーカーに20℃のイオン交換水各100mlを用意した。各ビーカーに
調製例1で調製した易溶性顆粒組成物2g(実施例1〜6、比較例1〜7)を加え、10秒間静置させた後にスパーテルで30秒間攪拌し、攪拌後の溶液の状態を観察した。表1、2に攪拌後のランピングの状態を示す。なお、評価は表3の基準に従って行った。
Figure 0005192189
Figure 0005192189
Figure 0005192189
表1、2より、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、又は酢酸ナトリウムを含有する水溶液をバインダーとして用いて水溶性高分子を造粒することにより、ダマを顕著に生じ易いキサンタンガムを用いた場合であっても、水中に溶解した際にダマがなく、非常に良好な分散性を示す易溶性顆粒組成物となった(実施例1〜6)。一方、バインダーとして、イオン交換水や10%デキストリン溶液を用いた場合は(比較例1、2)、水溶性高分子のランピングを防止することができず、易溶性顆粒組成物を水中に溶解させた際に多量のダマが生じ、いったん生じたダマは強い攪拌を加えてもなかなか溶解しなかった。また、同じ(A)リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、フマル酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、又は酢酸ナトリウムを用いた場合であっても、単に水溶性高分子と粉体混合し、イオン交換水をバインダーとして造粒して易溶性顆粒組成物を調製した場合は(比較例3〜7)、水溶性高分子の水中でのランピングを防止することはできず、ダマが多量に発生し、水中に容易に溶解する易溶性顆粒組成物を調製することができなかった。以上の結果から、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸若しくは酢酸、又はこれらの塩が水溶性高分子のランピング防止に効果があり、その効果はバインダー液に添加した場合にのみ顕著であることがわかった。
調製例2 易溶性顆粒組成物の調製(2)
表4に示す処方に従って、易溶性顆粒組成物を調製した。詳細には、カラギナンとデキストリンの粉体混合物500gを流動層造粒機に投入し、10%リンゴ酸ナトリウム溶液をバインダーとして用い、調製例1と同様にして流動層造粒を行い、易溶性顆粒組成物を得た(実施例7)。粉体混合物500gに対し、バインダー液150gを噴霧した。
実験例2 濃厚流動食への溶解性試験
200mlのビーカーに20℃の濃厚流動食100ml(pH7、脂肪分5.6%、ミネラル分0.6%)を用意した。濃厚流動食に調製例2で調製した実施例7の易溶性顆粒組成物1gを加えた後、スパーテルにて1分間攪拌し、攪拌後の溶液の状態を観察した。一方、比較例としてイオン交換水、若しくはデキストリンを含有した溶液をバインダーとして流動層造粒を行い、比較例8及び9の易溶性顆粒組成物を得た。評価は、実験例1と同様に攪拌後のランピングの状態、及び粘度発現性を5分ごとに粘度を測定することにより評価し、その結果を表4、図1に示した。粘度の測定は、粘度はB型回転粘度計、12rpmの条件で測定した。
Figure 0005192189
表4より、カラギナン100重量部に対し、リンゴ酸ナトリウムの添加量が10重量部となるように、リンゴ酸ナトリウムを含有した溶液をバインダーとしてカラギナンを造粒して調製することにより(易溶性顆粒組成物、実施例7)、脂肪分及びイオン濃度が高い濃厚流動食に添加した場合であっても、水溶性高分子がランピングを起こすことなく非常に良好な分散性を示した。更には、実施例7の易溶性顆粒組成物は、濃厚流動食に添加した場合に一定の粘度に達し、粘度が安定するまでに要する時間が短いという利点があった。一方、イオン交換水やデキストリン溶液をバインダー液としてカラギナンを造粒した、比較例8、9は、濃厚流動食に添加した際にランピングが多発し、濃厚流動食に容易に溶解する易溶性顆粒組成物を調製することができなかった。
本発明により、増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子を液体に添加した際のランピングを防止し、水溶性高分子を容易に溶液に溶解させ、液体を増粘又はゲル化させることができる。特に、手撹拌といった弱い撹拌条件でも水溶性高分子のランピングを防止することができるため、患者や介護者が簡便に咀嚼・嚥下困難者用食品を調製することができる、咀嚼・嚥下困難者用補助組成物を提供できる。
10%リンゴ酸ナトリウム溶液、イオン交換水、及び10%デキストリン溶液をそれぞれバインダー液としてカラギナンを造粒した顆粒物(実施例7、比較例8及び比較例9)を濃厚流動食へ添加した場合の、濃厚流動食の粘度の経時変化を示すグラフである。

Claims (5)

  1. コハク酸又はその塩を含有する水溶液をバインダーとして、増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子を造粒することを特徴とする、水溶性高分子のランピング防止方法。
  2. コハク酸又はその塩を、水溶性高分子100重量部に対し1〜20重量部含まれるように造粒する、請求項1記載の水溶性高分子のランピング防止方法。
  3. 増粘及び/又はゲル化する性質を有する水溶性高分子がキサンタンガム及び/又はカラギナンである、請求項1又は2に記載の水溶性高分子のランピング防止方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の方法によってランピングが防止された、顆粒組成物。
  5. 咀嚼・嚥下困難者用補助組成物である、請求項4に記載の顆粒組成物。
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