JP4097519B2 - 危険感受度推定装置、安全運転評価装置及び警報装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、危険感受度推定装置、安全運転評価装置及び警報装置に係り、特に、運転状況に応じた主観的リスクを推定する危険感受度推定装置、安全運転評価装置及び警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、運転者に交通状況の危険度を知らせることで交通事故を抑止することを狙った様々な車両予防安全装置が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
特許文献1に記載された危険度評価装置は、自車の車速、自車と先行車との車間距離、運転者の反応時間をもとに、先行車との衝突可能性を演算して、危険の程度を運転者に提示するものである。
【0004】
特許文献2に記載された警報装置は、電子地図上の各位置の危険度や、運転者の普段の制動行動から危険の有無を検出して電子地図上の各位置の危険度を記憶した記憶手段を備えている。そして、現在位置において、記憶手段に蓄積された危険度より小さい危険度を感受していると判断された場合に、警報を出すものである。
【0005】
また、運転教育によって危険判断能力を高め、安全運転意識を向上させることを狙ったものがある(例えば、特許文献3参照。)。特許文献3に記載された教習システムは、運転者(この場合、受講者)に対して一般的に危険な交通状況を提示し、当該交通状況での適切な対処方法をQ&A形式で学習させるものである。
【0006】
一方、交通事故のほとんどに、運転者のヒューマンエラーが関与していると言われている。特に、「この交差点はめったに車が通らないから今日も大丈夫だろう。」、「自車の方の道が優先道路だから相手は出てこないだろう。」、「自分の方の信号が青だから相手は出てこないだろう。」といった運転者の「思い込み」が、ヒューマンエラーの大半を占めている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0007】
ここで、「思い込み」とは、運転者が現在走行中の交通状況に対してどの程度危険を感じているかという危険感受度(主観的リスク)と、その交通状況が客観的にどの程度危険なのかという規範的危険感受度(客観的リスク)とを比較したとき、図24に示すように、客観的リスクに比べて主観的リスクが低い場合、と定義できる(例えば、非特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−109346号公報
【特許文献2】
特開2002−140775号公報
【特許文献3】
特開2001−109364号公報
【非特許文献1】
(財)交通事故総合分析センター編:イタルダ・インフォメーション,No 33,2001
【非特許文献2】
國分ら:ドライバーのリスク感受特性分析,ヒューマンインタフェースシンポジウム2002論文集,Pp.409−412,2002
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載された危険度評価装置は、リアルタイムで交通状況の危険度を表示することで、運転者の防衛運転を助けることができる。しかし、危険度判定における運転者の特性として、運転者の反応時間のみしか考慮していないため、運転者が危険と分かっている場合でも、客観的に危険と判断されればいつでも危険性が報知されるため、運転者にとってわずらわしいものとなる可能性がある。既述のように、交通事故の主要因は運転者の「思い込み」、つまり、危険な状況を危険と感じていないことであり、これ以外の場合での警報等は運転者にとってはわずらわしくなってしまう。
【0010】
また、特許文献2に記載された警報装置は、普段の運転者の行動から危険な場所を特定してゆくことで、運転者の運転スタイルに適合した警報を発することが可能である。かつ、周辺環境を認識する必要がないので、構成が簡易ですむ。
【0011】
しかしながら、交差点の右左折、赤信号・一時停止、先行車の停止、路上の障害物などがある場合、運転者は無条件に制動を行うため、このような場合でも運転者の危険感受度が高いと判定され、蓄積されてしまう。
【0012】
いつも同じ場所を右左折するとは限らないし、同じ場所に障害物があるとは限らない。そして、何ら危険性がないにもかかわらず、当該場所での普段の制動行動と異なっている(普段より危険感受度が低い)という理由のみで警報が発せられてしまうことが考えられ、運転者に対するわずらわしさにつながる。逆に、いつもは危険でない場所で、その時に隈って偶発的に危険な交通状況となった場合には警報は発せられない。したがって、「警報が鳴っていないから大丈夫。」といった誤った安心感を運転者に与えてしまい、事故の危険性を高める可能性がある。
【0013】
また、特許文献3に記載された教習システムのように、交通状況に対する危険感受度を高めるための教育的手段としては、ビデオ、イラスト、CG画面などを視聴しながら机上でQ&Aを行う方式が一般的である。このような方法は、道絡上の運転経験がないか運転経験が乏しい教習中の運転者などにとっては、いつでも机上で学習できるので、有効である。
【0014】
しかしながら、学習に用いる運転場面は通常、典型的に危険な交通状況であって、交通状況に潜在する多種多様な場面について学習することは困難である。また、Q&A方式であるため、交通状況の危険判断能力が知識としては習得されたとしても、実際の運転行動に反映される(実際の運転場面で適切な危険を感受できる)とは限らない。また、知識の正しさは判定できるが、運転行動の適切さを判定できるものではない。
【0015】
一方、非特許文献1及び非特許文献2によると、運転者の「思い込み」を防ぐことができれば、交通事故を大幅に低減させることが期待できる。つまり、運転者は、危険な交通状況を適切に危険であると感じていれば、その危険を回避したり、予め危険を減らすような運転(防衛運転)をすることができる。これにより、交通事故の危険性を低減させることができる。逆に、運転者は、危険な交通状況なのに危険と感じていなければ、危険回避や防衛運転をできない。これにより、交通事故の危険性が高まると考えられる。
【0016】
そこで、運転者が「思い込み」に至っているときに、適切な危険判断に導くような情報提示や警報を行うことができれば、交通事故の危険性を低減させることができる。このためには、運転中の運転者の危険感受度(主観的リスク)をリアルタイムで定量的に求めることが必要である。
【0017】
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、運転者が主観的に感じる危険感受度を定量的に推定する危険感受度推定装置、推定された危険感受度を用いて安全運転しているかを評価する安全運転評価装置、及び事故を防止するために警報を出力する警報装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明である危険感受度推定装置は、運転者によるアクセルペダル操作量を計測するアクセルペダル操作量計測手段と、前記運転者によるブレーキペダル操作量を計測するブレーキペダル操作量計測手段と、前記運転者によるステアリング操作量を計測するステアリング操作量計測手段と、自車位置を特定する自車位置特定手段と、自車に対する障害物を認識する障害物認識手段と、前記アクセル操作量計測手段により計測されたアクセル操作量と、前記ブレーキペダル操作量計測手段により計測されたブレーキペダル操作量とに基づいて前記運転者がどの程度を減速意図しているかを示す減速意図項を演算し、前記ステアリング操作量計測手段により計測されたステアリング操作量に基づいて前記運転者がどの程度大きく又は速く操舵しているかを示す操舵状態量を演算し、前記自車位置特定手段により運転者が無条件で制動または操舵を行う状況に自車が位置していることが特定された場合、及び前記障害物認識手段により自車の減速または停止の要因となる障害物が認識された場合に危険感受度を小さくし、かつ前記状況に自車が位置していることが特定されない場合、及び自車の減速または停止の要因となる障害物が認識されない場合に前記危険感受度を変更しないようにする補正項を演算し、前記減速意図項、前記操舵状態量、前記補正項に基づいて前記運転者の危険感受度を推定する危険感受度推定手段と、を備えている。
【0019】
アクセル操作量計測手段は、アクセル操作量を計測するものに限らず、アクセル操作量に関連する物理量、例えばスロットルポジション等を計測してもよい。
【0020】
ブレーキ操作量計測手段は、ブレーキ操作量を計測するものに限らず、ブレーキ操作量に関連する物理量、例えばマスタシリンダ圧等を計測してもよい。
【0021】
ステアリング操作量計測手段は、ステアリング操作量を計測するものに限らず、ステアリング操作量に関連する物理量、例えば操舵角速度、横加速度、ヨーレイト等を計測してもよい。
【0022】
自車位置特定手段は、自車の走行位置である自車位置を特定する。ここで、自車位置は、減速・停止の要因となり、かつ所定位置に対して絶対的に存在する外部環境(信号機や一時停止線等の有無)を確認するために用いられる。
【0023】
障害物認識手段は、自車に対する障害物、つまり自車の走行を妨げる障害物を認識する。障害物認識手段による障害物認識結果は、減速・停止の要因となり、かつ所定時間において自車に対して相対的に存在する外部環境(人間や車両等の有無)を確認するために用いられる。
【0024】
危険感受度推定手段は、アクセル操作量及びブレーキペダル操作量に基づいて運転者の減速意図項を求め、ステアリング操作量に基づいて操舵状態量を求め、さらに、運転者が無条件で制動または操舵を行う状況に自車が位置していることが特定された場合、及び自車の減速または停止の要因となる障害物が認識された場合に危険感受度を小さくし、かつ前記状況に自車が位置していることが特定されない場合、及び自車の減速または停止の要因となる障害物が認識されない場合に危険感受度を変更しないようにする補正項を演算する。そして、これらを考慮して、運転者の主観的な危険度である危険感受度を推定する。
【0025】
したがって、請求項1に記載の発明によれば、減速意図、操舵状態量及び補正項をそれぞれ求めることで、運転者の行動だけでなく、外部環境も考慮して、運転者の危険感受度を高精度に推定することができる。
【0026】
請求項2に記載の発明である危険感受度推定装置は、運転者によるアクセルペダル操作量を計測するアクセルペダル操作量計測手段と、前記運転者によるブレーキペダル操作量を計測するブレーキペダル操作量計測手段と、前記運転者によるステアリング操作量を計測するステアリング操作量計測手段と、走行予定の自車位置を予め記憶した自車位置記憶手段と、自車位置に対応する障害物認識結果を予め記憶した障害物記憶手段と、前記アクセル操作量計測手段により計測されたアクセル操作量と、前記ブレーキペダル操作量計測手段により計測されたブレーキペダル操作量とに基づいて前記運転者がどの程度を減速意図しているかを示す減速意図項を演算し、前記ステアリング操作量計測手段により計測されたステアリング操作量に基づいて前記運転者がどの程度大きく又は速く操舵しているかを示す操舵状態量を演算し、前記自車位置記憶手段により運転者が無条件で制動または操舵を行う状況に自車が位置していることが記憶されている場合、及び前記障害物記憶手段により自車の減速または停止の要因となる障害物が記憶されている場合に危険感受度を小さくし、かつ前記状況に自車が位置していることが記憶されていない場合、及び自車の減速または停止の要因となる障害物が記憶されていない場合に前記危険感受度を変更しないようにする補正項を演算し、前記減速意図項、前記操舵状態量、前記補正項に基づいて前記運転者の危険感受度を推定する危険感受度推定手段と、を備えている。
【0027】
自車位置記憶手段は、走行予定の自車位置を予め記憶したものである。ここで、自車位置は、減速・停止の要因となり、かつ所定位置に対して絶対的に存在する外部環境(信号機や一時停止線等の有無)を確認するために用いられる。なお、自車位置は、光ディスクやハードディスクに記録された情報であってもよいし、外部から送信された情報であってもよい。
【0028】
障害物記憶手段は、自車位置に対応する障害物認識結果を予め記憶したものである。ここで、障害物認識結果は、減速・停止の要因となり、かつ所定時間において自車に対して相対的に存在する外部環境(人間や車両等の有無)を確認するために用いられる。
【0029】
したがって、請求項2に記載された発明によれば、自車位置や障害物認識結果を予め用意することで、減速意図、操舵状態量及び補正項をそれぞれ求めて、運転者の危険感受度を高精度に推定することができる。
【0030】
請求項3に記載の発明である危険感受度推定装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記運転者の足位置がアクセルペダル及びブレーキペダルのいずれの上にあるか否かを計測するペダル足位置計測手段を更に備え、前記危険感受度推定手段は、前記ペダル足位置計測手段の計測結果を更に用いて前記減速意図項を演算することにより、前記運転者の危険感受度を推定する。
【0031】
運転者の足位置がアクセルペダルの上にある場合、運転者は、自車を定速状態から加速状態に移行させる意思がある。運転者の足位置がブレーキペダルの上にある場合、運転者は、自車を定速状態から減速状態に移行させる意思がある。つまり、運転者の足位置を計測することで、運転者の減速意図の程度を判別することができる。
【0032】
したがって、請求項3に記載の発明によれば、運転者の足位置がアクセルペダル及びブレーキペダルのいずれの上にあるか否かを計測し、この計測結果を更に用いて運転者の危険感受度を推定することで、運転者の詳細な減速意図を判別して、より高精度に危険感受度を求めることができる。
【0033】
請求項4に記載の発明である安全運転評価装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の危険感受度推定装置と、前記自車位置と前記障害物認識結果とに基づいて前記運転者の規範的危険感受度を計算する規範的危険感受度計算手段と、前記危険感受度推定装置により推定された危険感受度と、前記規範的危険感受度計算手段により計算された規範的危険感受度とに基づいて、前記運転者による運転の安全性を評価する安全性評価手段と、を備えている。
【0034】
規範的危険感受度計算手段は、前記自車位置と前記障害物認識結果とに基づいて、自車の外部環境から客観的に得られる危険度、すなわち規範的危険感受度を計算する。
【0035】
安全評価手段は、危険感受度推定装置により推定された危険感受度と、規範的危険感受度計算手段により計算された規範的危険感受度とを比較して、安全性を評価する。ここで、交通事故の主要因は、運転者の「思い込み」、つまり危険な状況を危険と感じていないことである。運転者の危険感受度が規範的危険感受度よりも小さい場合、運転者が「思い込み」に至っていると考えられる。
【0036】
したがって、請求項4に記載の発明によれば、危険感受度と規範的危険感受度とを比較することで、運転者が「思い込み」に至っている程度を判定できるので、運転者による運転の安全性を正確に評価することができる。
【0037】
請求項5に記載の発明である安全運転評価装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の危険感受度推定装置と、各々の走行位置に対応する規範的危険感受度を予め記憶した規範的危険感受度記憶手段と、前記危険感受度推定装置により推定された危険感受度と、前記規範的危険感受度記憶手段に記憶され、かつ現在の走行位置に対応する規範的危険感受度とに基づいて、前記運転者による運転の安全性を評価する安全性評価手段と、を備えている。
【0038】
規範的危険感受度記憶手段は、各々の走行位置に対応する規範的危険感受度を予め記憶している。したがって、自車の走行位置が分かれば、規範的危険感受度をすぐに求めることが可能である。
【0039】
したがって、請求項5に記載の発明によれば、各々の走行位置に対応する規範的危険感受度を予め記憶した規範的危険感受度記憶手段を備えることで、規範的危険感受度を計算する負荷を省いて、運転者による運転の安全性を評価することができる。
【0040】
請求項6に記載の発明である安全運転評価装置は、請求項5に記載の発明において、前記規範的危険感受度記憶手段は、前記危険感受度推定装置により推定された危険感受度と現在の走行位置とに基づいて、各々の走行位置に対応する規範的危険感受度を更新する。
【0041】
したがって、請求項6に記載の発明によれば、規範的危険感受度記憶手段に記憶された規範的危険感受度を運転者の運転スタイルに適応させることができるので、運転者の運転の特徴を学習して安全性を評価することができる。
【0042】
請求項7に記載の発明である警報装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の危険感受度推定装置と、前記危険感受度推定装置により推定された危険感受度の大きさを出力する危険感受度出力手段と、を備えている。
【0043】
ここで、危険感受度出力手段は、人間が五官を通じて警報があったことを感じ取ることができれば特に限定されず、例えば、所定の画像を表示したり、警報音を出力したり、振動を発してもよい。
【0044】
したがって、請求項7に記載の発明によれば、運転者又は第三者に対して運転者の危険感受度を報知することにより、交通事故を予防することができる。
【0045】
請求項8に記載の発明である警報装置は、請求項4から6のいずれか1項に記載の安全運転評価装置と、前記安全運転評価装置により評価された運転の安全性の大きさを出力する安全性出力手段と、を備えている。
【0046】
したがって、請求項8に記載の発明によれば、運転者又は第三者に対して運転者の運転の安全性を報知することにより、運転者の「思い込み」を抑制し、交通事故を予防することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0048】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。
【0049】
警報装置は、アクセルペダルの上方に配置された光学式センサ11aと、ブレーキペダルの上方に配置された光学式センサ11bと、アクセルペダル操作量(アクセルペダル踏込量)を計測するアクセルポジションセンサ12と、マスタシリンダ圧(ブレーキペダル踏込量)を計測するマスタシリンダ圧センサ13と、運転者によるステアリング操作の程度(操舵角)を計測する操舵角センサ14と、自車位置データベース15と、前方障害物データベース16と、運転者の主観的リスクである危険感受度の推定演算を行うコンピュータ20と、運転者危険感受度に応じて所定の表示を行う表示装置30と、を備えている。
【0050】
光学式センサ11aは、いわゆるアクセルペダル構えセンサであり、アクセルペダル上に運転者の足が構えられているときにオン信号を出力する。光学式センサ11bは、いわゆるブレーキペダル構えセンサであり、ブレーキペダル上に運転者の足が構えられているときにオン信号を出力する。なお、光学式センサ11a,11bは、ダッシュボード下部に配置されてもよい。また、アクセルペダル又はブレーキペダル上に運転者の足が構えられているかを計測することができれば、光学式センサ11a,11bに限定されず、1つのセンサであってもよい。
【0051】
アクセルポジションセンサ12は、例えばアクセルペダルのステーに対して接続されたポテンショメーターであり、アクセルペダルの踏み込みストローク量を電気的に計測する。
【0052】
マスタシリンダ圧センサ13は、マスタシリンダのブレーキ圧を電気的に計測する圧力計である。なお、マスタシリンダ圧センサ13の代わりに、アクセルポジションセンサ12と同様に、ポテンショメーターを用いてもよい。
【0053】
操舵角センサ14は、ステアリングシャフトに接続した回転式のポテンショメーターであり、ステアリングの角度を表す操舵角を電気的に計測する。
【0054】
自車位置データベース15には、サンプリング時間毎の自車位置、具体的には「1」又は「0」の時系列データが記憶されている。ここで、「1」は、自車が信号機や一時停止線の付近(例えば信号機や一時停止線のある交差点から30m以内)にあることを表している。「0」は、自車が信号機や一時停止線の付近にないことを表している。すなわち、ここにいう自車位置とは、減速・停止の要因となり、かつ所定位置に対して絶対的に存在する外部環境(信号機や一時停止線等の有無)を表したものである。
【0055】
前方障害物データベース16には、サンプリング時間毎の障害物、具体的には「1」又は「0」の時系列データが記憶されている。ここで、「1」は、前方進路上(例えば自車から30m以内)に障害物があることを表している。「0」は、前方進路上に障害物がないことを表している。すなわち、ここにいう障害物とは、減速・停止の要因となり、かつ所定時間において自車に対して相対的に存在する外部環境(人間や車両等の有無)を表したものである。
【0056】
なお、自車位置データベース15及び前方障害物データベース16に記憶された時系列データは、運転者が例えば1分間運転したときに撮影された前方風景のビデオ映像に基づいて、実験者の判断により「1」又は「0」に抽出されたデータである。
【0057】
コンピュータ20は、図1に示すように、運転者の危険感受度を推定する危険感受度推定部23を備えている。ここで、危険感受度推定部23は、光学式センサ11a,11b、アクセルポジションセンサ12、マスタシリンダ圧センサ13、操舵角センサ14のそれぞれのセンサ出力と、自車位置データベース15及び前方障害物データベース16を参照して、式(1)に従って、時間tにおける運転者の危険感受度Rtを計算する。
【0058】
【数1】
Figure 0004097519
【0059】
tは、時間tにおいて運転者がどの程度強く減速を意図しているかを示す減速意図項である。危険感受度推定部23は、ペダル操作分類基準テーブルを参照して、光学式センサ11a,11b、アクセルポジションセンサ12、マスタシリンダ圧センサ13の各センサ出力に基づいて、減速意図項Dtを算出する。
【0060】
図2は、ペダル操作分類基準テーブルを示す図である。危険感受度推定部23は、ペダル操作分類基準テーブルを参照し、各センサ出力が「操作量の範囲」のいずれの項目に該当するかを判定し、該当する項目に対応する値(0〜6のいずれか)を算出する。
【0061】
tは、時間tにおいて運転者がどの程度大きく(または速く)操舵しているかを示す操舵項である。危険感受度推定部23は、ステアリング操作分類基準テーブルを参照して、操舵角センサ14のセンサ出力(操舵角)に基づいて操舵項Stを算出する。また、操舵角を時間微分して、操舵角速度に基づいて操舵項Stを算出することもできる。
【0062】
図3は、ステアリング操作分類基準テーブルを示す図である。危険感受度推定部23は、ステアリング操作分類基準テーブルを参照し、センサ出力が「操作量の範囲」のいずれの項目に該当するかを判定し、該当する項目に対応する値(0〜4のいずれか)を算出する。
【0063】
tは、時間tにおける補正項である。危険感受度推定部23は、自車位置データベース15及び前方障害物データベース16から時間tのデータを読み出し、環境情報分類基準を参照して、補正項Mtを算出する。
【0064】
図4は、環境情報分類基準テーブルを示す図である。危険感受度推定部23は、環境情報分類基準テーブルを参照し、自車位置データベース15及び前方障害物データベース16から読み出された時間tのデータが「条件」のいずれの項目に該当するかを判定し、該当する項目に対応する値(0.5又は1)を算出する。なお、後述する実施形態においても同様に、警報装置に自車位置データベース15及び前方障害物データベース16が設けられている場合は、図4に示す環境情報基準テーブルが使用される。
【0065】
補正項Mtは、信号機や一時停止または前方障害物があった場合(当該位置での自車位置データベース15の値と前方障害物データベース16の値のいずれか一方が1の場合)では0.5になる。また、補正項Mtは、信号機等や前方障害物のいずれも無い場合(当該位置での自車位置データベース15の値と前方障害物データベース16の値の両方が0の場合)では1.0になる。
【0066】
a及びbは、各項が危険感受度に及ぼす重みを示す重み付け係数であり、用途や運転者に応じて適宜変更が可能である。
【0067】
ここで、減速意図項Dt及び操舵項Stを算出した理由について説明する。
【0068】
図5は、運転者の危険感受度と運転行動の関係を説明する図である。運転者は、交通状況を認知し、運転中に危険を感じたとき、その危険を回避したり、危険を減らすような防衛運転を行う。
【0069】
例えば、運転者は、前方に路上駐車車両があり、対向車もあって自車の進路が狭くて、駐車車両が動き出したり駐車車両の陰から歩行者が飛び出したら避けられない、といった危険を感じたとしたら、対向車をやりすごすために減速したり一時停止したりする。また、運転者は、例えば、交差点を直進する際、左側の交差路から車両が飛び出してきて危険そうだと感じたとしたら、減速したり、進路を右に変更するなどしてその危険を避けようとする。
【0070】
つまり、運転者、交通状況に何らかの危険を感じていれば、ほとんどの場合は、何らかの回避・対処のための運転行動を行う。例えば、いつでも減速開始できるようにブレーキペダルに足を構えたり、実際に減速するためにブレーキペダルを踏んだり、左右に避けるために早くまたは大きくステアリングを回したりする。逆に、これらの運転行動を捉えることで、その運転者がどの程度危険を感じているか(危険感受度)を推定できる。
【0071】
そこで、危険感受度推定部23は、光学式センサ11a,11b、アクセルポジションセンサ12、マスタシリンダ圧センサ13の各センサ出力に基づいて、減速・停止によって危険を避けようとする運転者の意思を数量化して減速意図項Dtを算出する。さらに、危険感受度推定部23は、操舵角センサ14のセンサ出力に基づいて、進路変更・旋回により危険を避けようとする運転者の意思を数量化して操舵項Stを算出する。そして、これらの演算によって、運転者の危険感受度をリアルタイムで定量的に求めている。
【0072】
つぎに、補正項Mtを算出した理由について説明する。
【0073】
上述のような減速・停止や進路変更・旋回といつた運転行動は、危険を回避する目的以外の状況によっても発生する。運転者は、例えば、信号機が赤であったり、一時停止標識・表示があれば、危険性の有無や大小にかかわらず、減速および停止を行う。これは危険を回避する行動ではなく、交通法規に従っているだけの行動である。運転者は、同様に、交差点等で右左折を行う場合も、ほぼ無条件に減速や停止のための操作を行い、右左折のためのステアリング操作による旋回を行う。また同様に、運転者は、車両前方の先行車が何らかの理由によって減速・停止したり、進路上に道路工事や何らかの障害物があれは、無条件に減速・停止や進路変更・旋回を行う。
【0074】
このような状況の場合、実際には運転の危険性が低いにもかかわらず、危険感受度が高くなるという問題がある。
【0075】
そこで、危険感受度推定部23は、自車が信号機や一時停止付近にあるか否かを特定し、自車が信号機・一時停止や交差点付近にあることを検出した場合、その地点・時点における減速・停止や進路変更・旋回といった運転行動が危険感受度にあまり影響を与えないようにすべく、補正項Mtを演算する。
【0076】
同様に、危険感受度推定部23は、先行車が減速・停止しようとしている状態、または、道路工事や障害物等がある状態を検出した場合、その地点・時点における減速・停止や進路変更・旋回といった運転行動が危険感受度にあまり影響を与えないようにすべく、補正項Mtを演算する。
【0077】
なお、本実施形態では、危険感受度推定部23は、図2から図4のテーブル(例えば、各操作量の閾値、分類の数、分類ごとに割り振られる値)を用いたが、これに限定されるものではなく、任意に変更することができる。
【0078】
図6は、1分間運転したときの運転者危険感受度Rの推定値を示す図である。なお、式(1)において、重み付け係数a,bを1.0とした。ここで、報告値とは、運転者の主観的な危険感受度を示す値をいう。
【0079】
図7は、運転者が危険感受度を主観的に報告する状態を示す図である。報告値は、運転者に対して運転中に撮影された前方風景ビデオを提示して、前方風景から感じられる主観的な危険度をレバーで報告させることで得られた値である。
【0080】
推定値と報告値との相関係数はr=0.8となった。これにより、運転行動と自車位置や前方障害物といった環境情報の組み合わせによって、運転者の危険感受度が高精度に求められることが確かめられた。
【0081】
図8は、比較例として運転行動のみから求められた危険感受度の推定値を示す図である。ここでは、危険感受度推定部23は、次の(2)式に従って危険感受度を求めた。
【0082】
【数2】
Figure 0004097519
【0083】
この際、減速意図項Dt、操舵項St、重み付け係数a,bは、上述した式(1)と同様である。
【0084】
推定値と報告値との相関係数はr=0.5と低い値になった。環境情報を用いずに、運転行動のみを用いるだけでは、運転者の危険感受度が高精度に求められないことが確かめられた。
【0085】
ここで、図8において、特に推定開始直後(0〜15秒)と推定終了直前(55秒以降)で推定値と報告値との解離が大きくなった。推定開始直前は、図9に示すように、交差点を右折する場面である。また、推定終了直前は、図10に示すように、先行車に続いて赤信号で停止する場面である。
【0086】
これらの場面では、運転者は危険感受度の程度に関わらず無条件に制動や操舵を行うため、相関係数rが低くなったと考えられる。これらの場面以外(15〜55秒まで)では、相関係数はr=0.8になった。
【0087】
交差点や前方障害物のない場面に限定すれば、運転操作のみから危険感受度が高精度に求められる。しかし、多種多様な交通状況における危険感受度を高給度に推定するためには、自車位置や前方障害物の情報が必要であることが確かめられた。
【0088】
そして、表示装置30は、コンピュータ20の危険感受度推定部23で演算された危険感受度の程度を表示する。
【0089】
図11(A)はタコメータ40とスピードメータ50との間に設けられた表示装置30を示す図、同図(B)は表示装置30の拡大図である。表示装置30は、赤色、黄色、緑色をそれぞれ発光する複数のLED31を備えている。危険感受度が小さいときは、緑色のLED31Gのみが発光する。危険感受度が大きくなるに従って、緑色のLED31Gだけでなく、黄色のLED31Yも発光する。そして、さらに危険感受度が大きくなると、赤色のLED31Rも発光する。これにより、運転者は、自分自身が現在どの程度の危険を感じているかを自己評価することができる。すなわち、運転者は、自分自身がどのような状況でどの程度の危険度を感じているのかを、客観的に認識することができ、危険回避や防衛運転の能力を自己評価することできる。
【0090】
図12(A)は車体のリア側に設けられた表示装置30を示す図、同図(B)は表示装置30の拡大図である。ここでは、表示装置30は、自車後方に向けて設置されている。これにより、後続車両の運転者は、前方車両がどの程度危険なのかを、その地点に達する以前にあらかじめ予測することが可能となり、危険を回避するための準備(例えば、ブレーキペダルに足を構え、いつでも減速できるよう準備すること)を早い段階で行うことができる。つまり、運転者は、先行車の運転者が感じている危険度を検知して先行車の進路の危険度を予め予測できるので、早い段階で減速の準備等の対処が可能となって、追突などの事故を予防することできる。
【0091】
また、表示装置30は、車外に向けて表示を行う場合は、後方に向けて設置することに限定されるものではなく、前後左右のいずれかの方向やそれらの組み合わせのどれであってもよい。
【0092】
表示装置30は、上述のような複数のLEDを点灯させる構成に限定されるものではなく、アナログメーターやデジタルメーターとして数値的に表示してもよい。また、表示装置30の代わりに、運転者や第三者に警報できるものであってもよい。例えば、ブザー音を出力するスピーカであってもよいし、ステアリングやシートを振動させるバイブレータであってもよい。なお、運転者や第三者に対して警報を出力することができるものであれば、表示装置30に限定されないのは、後述する実施形態でも同様である。
【0093】
以上のように、第1の実施形態に係る警報装置は、運転者の実際の運転行動と運転中の環境情報とに基づいて定量的に危険感受度を推定することができる。このとき、警報装置は、運転者のアクセル操作量、ブレーキペダル操作量、足位置に基づいて運転者の減速意図を求め、ステアリング操作量に基づいて操舵意図を求め、さらに自車位置及び自車に対する障害物に基づいて外部環境を求め、これらすべてを考慮しているので、運転者の感受する危険感受度を高精度に推定することができる。
【0094】
特に自車の外部環境を考慮しているので、自車が交差点や先行車に接近したために運転者が減速運転した場合であっても、危険感受度が実際よりも高くなってしまうのを防止することができる。
【0095】
[第2の実施形態]
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0096】
図13は、本発明の第2の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。
【0097】
警報装置は、図1に示した自車位置データベース15、前方障害物データベース16に代えて、GPS信号を受信するGPS受信機17と、電子地図が記憶された電子地図データベース18と、自車の前方障害物を認識するためのレーダ装置19とを備えている。
【0098】
GPS受信機17は、GPSアンテナを介してGPS信号を受信し、現在の自車の位置情報をコンピュータ20に供給する。
【0099】
電子地図データベース18は、例えば、ナビゲーション装置の光ディスクやハードディスクに予め記憶された電子地図である。なお、電子地図データベース18は、外部の通信回線を介してリアルタイムでダウンロードされた情報であってもよい。
【0100】
レーダ装置19は、自車前方に向けて配置され、レーダを所定方向に走査することによって自車前方の障害物を認識し、認識結果をコンピュータ20に供給する。
【0101】
また、コンピュータ20は図13に示すように構成されている。すなわち、コンピュータ20は、自車位置を特定する自車位置特定部21と、自車前方の障害物を認識する前方障害物認識部22と、各センサ出力、自車位置及び障害物認識結果に基づいて危険感受度を推定する危険感受度推定部23とを備えている。
【0102】
自車位置特定部21は、GPS受信機17から供給された自車の位置情報(緯度・経度)を用いて、電子地図データベース18を参照しながら、自車が電子地図上で信号機や一時停止線のある交差点の30m以内の範囲にあるか否かを判定し、自車が信号機や交差点の30m以内にある場合は「1」を出力し、自車が信号機や交差点の30m以内にない場合は「0」を出力する。
【0103】
前方障害物認識部22は、レーダ装置19の認識結果に基づいて、障害物の大きさ(幅や面積)、距離、数を認識する。さらに、前方障害物までの距離を認識し、自車前方30m以内に障害物がある場合は「1」、自車前方30m以内に障害物がない場合は「0」を出力する。
【0104】
図14は、本実施形態に係る環境情報分類基準テーブルを示す図である。危険感受度推定部23は、この環境情報分類基準テーブルを参照し、時間tにおける自車位置特定部21及び前方障害物認識部22の出力値が「条件」のいずれの項目に該当するかを判定し、該当する項目に対応する値(0.5又は1)を補正項Mtとして算出する。なお、後述する実施形態においても同様に、警報装置に自車位置特定部21及び前方障害物認識部22が設けられている場合は、図14に示す環境情報基準テーブルが使用される。
【0105】
また、危険感受度推定部23は、第1の実施形態と同様に、操舵項St及び減速意図項Dtを算出する。そして、算出された補正項Mt,操舵項St,減速意図項Dtを用いて、式(1)に従って、運転者の危険感受度Rtを推定する。
【0106】
以上のように、第2の実施形態に係る警報装置は、第1の実施形態と同様に、運転者の実際の運転行動と運転中の環境情報とに基づいて、運転者の危険感受度をリアルタイムで定量的に推定することができる。
【0107】
警報装置は、特に、GPS受信機17で得られた実時間の自車位置と、電子地図データベース18に蓄積された電子地図と、レーダ装置19で認識された実時間の前方障害物情報とを用いているので、運転中に時々刻々と変化する危険感受度を推定し、運転者や第三者に対して、推定された危険感受度に応じて警報を発することができる。
【0108】
なお、自車位置特定部21によって自車が交差点付近にあると判定する距離は、30mに限定するものではなく、任意の距離に設定してもよい。同様に、前方障害物認識部22によって前方障害物があると判定する距離は、30mに限定するものではなく、任意の距離に設定してもよい。
【0109】
また、レーダ装置19の代わりにCCDカメラを用いてもよい。このとき、前方障害物認識部22は、CCDカメラにより撮影された前方画像に対して画像処理を施することで、障害物を検出すればよい。
【0110】
[第3の実施形態]
つぎに、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0111】
図15は、本発明の第3の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る警報装置は、第2の実施形態と比べて、コンピュータ20の機能的な構成が異なっている。
【0112】
コンピュータ20は、自車位置を特定する自車位置特定部21と、自車の前方障害物を認識する前方障害物認識部22と、運転者の危険感受度を推定する危険感受度推定部23と、外部環境に基づく客観的リスクである規範的危険感受度を計算する規範的危険感受度計算部24と、危険感受度と規範的危険感受度とを比較する危険感受度比較部25と、を備えている。
【0113】
規範的危険感受度計算部24は、自車位置特定部21と前方障害物認識部22の少なくとも一方の出力に基づいて、交通状況において感受すべき規範的な危険感受度を計算する。具体的には、規範的危険感受度計算部24は、自車位置特定部21の出力や、前方障害物認識部22によって得られた障害物の大きさ(幅や面積)、距離、数にもとづいて、その交通状況で感受すべき適切な危険感受度の程度ρを式(3)に従って計算する。
【0114】
【数3】
Figure 0004097519
【0115】
ここで、nは前方障害物の個数、wiは障害物iの幅、diは障害物iと自車との距離を示す。したがって、前方障害物の数が多くなるに従って、前方障害物が大きくなるに従って、前方障害物の距離が近くなるに従って、規範的危険感受度ρはそれぞれ大きくなる。
【0116】
また、mtは、時間tにおける補正係数である。例えば時間tにおいて、規範的危険感受度計算部24は、自車位置特定部21が「1」を出力した場合(自車が信号機や交差点の30m以内にある場合)は、補正係数mtとして「0.5」を出力する。また、規範的危険感受度計算部24は、自車位置特定部21が「0」を出力した場合(自車が信号機や交差点の30m以内にない場合)は、補正係数mtとして「1.0」を出力する。
【0117】
交差点付近は、その他の道路に比べて、先行車、交差車両、横断する歩行者や自転車などの障害物の数が多い。また、交差点付近で先行車に続いて停止している場合などは、先行車との距離は短く、先行車の大きさも大きくなる。このような場合、式(3)の規範的危険感受度ρが大きくなりすぎるのを防ぐために、補正係数mtを用いている。
【0118】
危険感受度比較部25は、危険感受度推定部23で推定された運転者の危険感受度Rtと、規範的危険感受度計算部24で計算された規範的危険感受度ρtとを比較して、運転者が「思い込み」に至っているかを判定する。
【0119】
危険感受度比較部25は、例えば(ρt−Rt)を演算し、(ρt−Rt)が所定の閾値(例えば、ゼロ近傍の値)より大きいときは運転者が「思い込み」に至っていると判定し、(ρt−Rt)が所定の閾値より大きくないときは「思い込み」に至っていないと判定する。また、危険感受度比較部25は、例えば(ρt/Rt)を演算し、(ρt/Rt)が所定の閾値(例えば、1近傍の値)より大きいときは運転者が「思い込み」に至っていると判定し、(ρt−Rt)が所定の閾値より大きくないときは「思い込み」に至っていないと判定してもよい。
【0120】
そして、危険感受度比較部25は、運転者が「思い込み」に至っていると判定したときに、表示装置30を介して、例えば図11に示すように運転者に「思い込み」を警報させたり、例えば図12に示すように車外の第三者に「思い込み」を警報させる。
【0121】
以上のように、第3の実施形態に係る警報装置は、運転者の危険感受度Rが規範的危険感受度ρよりも小さい場合に運転者が「思い込み」をしていると判定し、運転者や車外の第三者に対して情報提示や警報を行うことができる。これにより、運転者の「思い込み」を抑制し、交通事故を予防することができる。
【0122】
また、警報装置は、客観的には危険であるのに運転者の主観では危険と感じていないといった「思い込み」の状況においてのみ有効な警報を行うので、運転者に対して煩わしい思いをさせることなく最適なタイミングで警報を行うことができる。
【0123】
さらに、警報装置は、予め運転者によるデータベースの蓄積を行う必要が無く、運転行動からリアルタイムで定量的に危険感受度を推定できるため、運転者の負担がなくなる。さらに、知識としてではなく、実際の運転行動にもとづいて運転者の危険感受度の適切さを判定できるため、運転者への教育的効果も高めることができる。
【0124】
なお、規範的危険感受度ρの計算式は、式(3)に限定されるものではない。規範的危険感受度ρは、例えば障害物の数のみから求めても良いし、例えば最も近い障害物との距離のみから求めても良いし、例えば最も近い障害物の大きさのみから求めても良い。また、補正係数mについても任意に変更しても良い。
【0125】
また、表示装置30を用いて運転者の「思い込み」を警報したが、運転者や周囲の者に対して注意を喚起するような方法であれは、任意に変更しても構わない。
【0126】
[第4の実施形態]
つぎに、本発明の第4の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第3の実施形態に係る警報装置はリアルタイムで計算された規範的危険感受度を用いて所定の警報を行うのに対して、第4の実施形態に係る警報装置は規範的危険感受度データベースに蓄積された規範的危険感受度を用いて警報を行うものである。
【0127】
図16は、本発明の第4の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る警報装置は、第3の実施形態の規範的危険感受度計算部24に代えて、規範的危険感受度を予め蓄積した規範的危険感受度データベース50を備えている。
【0128】
図17は、規範的危険感受度データベース50に蓄積されている規範的危険感受度の概念を示す図である。すなわち、規範的危険感受度データベース50には、電子地図上の一定の座標区間毎に感受すべき規範的危険感受度が予め蓄積されている。なお、規範的危険感受度データベース50は、電子地図データベース18に予め組み込まれた構成であってもよい。
【0129】
なお、規範的危険感受度データベース50には、交通状況の危険度を規範的に感受することのできる熟練者(自動車学校運転指導員、タクシー運転者、バス運転者など)が実際に走行したときの危険感受度を「規範的危険感受度」として蓄積したものが好ましい。
【0130】
規範的危険感受度データベース50は、GPS受信機17で得られた自車の位置情報に基づいて、現在の自車位置に対応する規範的危険感受度ρを読み出して、危険感受度比較部25に供給する。一方、危険感受度推定部23は、第3の実施形態と同様にして運転者の危険感受度Rを推定して、規範的危険感受度計算部24に供給する。
【0131】
規範的危険感受度計算部24は、第3の実施形態と同様に、規範的危険感受度ρと運転者の危険感受度Rとを比較(例えば(ρ−R)や(ρ/R)を演算)して、比較結果に応じて、表示装置30によって運転者や車外に対して注意を喚起するような表示を出力させる。なお、注意を喚起することができれば、表示装置30の代わりに、スピーカやバイブレータ等を用いてもよい。
【0132】
以上のように、第4の実施形態に係る警報装置は、規範的危険感受度データベース50を用いることによって、規範的危険感受度を計算する手間を省くことで、全体的な処理速度を向上させることができる。
【0133】
なお、コンピュータ20は、規範的危険感受度データベース50を運転者自身の運転スタイルに適応させることもできる。このとき、コンピュータ20は、運転者が感受した危険感受度と位置情報とを規範的危険感受度データベース50に入力することで、規範的危険感受度データベース50を運転者自身の運転スタイルに適応させることができる。このようなコンピュータ20は、例えば次のように構成されている。
【0134】
図18は、本実施形態に係るコンピュータ20の他の構成を示すブロック図である。コンピュータ20は、図16に示した構成に加えて、規範的危険感受度データベース50から読み出された規範的危険感受度を補正する補正部26を備えている。
【0135】
規範的危険感受度データベース50は、危険感受度推定部23によってリアルタイムで推定された危険感受度と自車位置とを対応付けて蓄積すると共に、必要に応じて蓄積されている規範的危険感受度を逐次更新する。例えば、危険感受度の所定時間当たりの平均値が規範的危険感受度よりも低いときは規範的危険感受度を全体的に低くしたり、危険感受度の所定時間当たりの平均値が規範的危険感受度より高いときは規範的危険感受度の値を全体的に高くしてもよい。
【0136】
補正部26は、前方障害物認識部22で認識された前方障害物に基づいて、規範的危険感受度データベース50から読み出された規範的危険感受度を補正する。補正部26は、例えば、自車に対して前方障害物が存在した場合(前方障害物認識部22の出力値が「1」の場合)には、規範的危険感受度データベース50から読み出された規範的危険感受度の値が高くなるように補正して、補正済みの規範的危険感受度を危険感受度比較部25に供給する。これにより、補正部26は、前方障害物が突然現れた場合であっても、その状況に応じた規範的危険感受度を求めることができる。
【0137】
さらに、コンピュータ20は、車両に情報センターと通信可能な車戴情報端末が接続されている場合は、次のようにしてもよい。コンピュータ20は、運転者が感受した危険感受度と自車位置情報を、ネットワーク通信により情報センターに送信する。一方、情報センターは、本装置を装備した複数の車両から送信されてきた危険感受度情報を統合し、電子地図上のある一定の座標空間ごとの危険感受度を演算し直し、演算された危険感受度をコンピュータ20に送信する。これにより、コンピュータ20は、地図上の各位置における最新の危険感受度を用いて、規範的危険感受度データベース50を更新することができる。
【0138】
以上のように、第4の実施形態に係る警報装置は、規範的危険感受度データベース50を運転者の運転スタイルに適応させることによって、危険の感じ方について運転者固有の特徴がある場合でも、運転者の特徴を考慮して「思い込み」に至ったかを判定して、最適なタイミングで警報を発することができる。
【0139】
なお、規範的危険感受度データベース50は、上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、規範的危険感受度データベース50は、ナビゲーション装置の光ディスクやハードディスクに記憶されたソフトウェアとして予め用意されたものでもよいし、車載情報端末によりインターネット等のネットワーク回線を介してダウンロードされたものでもよいし、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報として道路インフラからの通信回線(例えば、光学式・電波式ビーコン)を介して受信した情報であってもよい。
【0140】
[第5の実施形態]
つぎに、本発明の第5の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0141】
図19は、本発明の第5の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る警報装置は、例えば、交通状況をコンピュータ・グラフィクス(CG)やビデオ映像で表示する運転模擬装置(ドライビングシミュレータ)に用いて好適なものである。
【0142】
警報装置は、光学式センサ11a,光学式センサ11bと、アクセルペダル操作量を計測するアクセルポジションセンサ12と、マスタシリンダの油圧を計測するマスタシリンダ圧センサ13と、運転者によるステアリング操作の程度(操舵角)を計測する操舵角センサ14と、自車位置データベース15と、前方障害物データベース16Aと、運転者の主観的リスクである危険感受度の推定演算を行うコンピュータ20と、運転者危険感受度に応じて所定の表示を行う表示装置30と、を備えている。
【0143】
前方障害物データベース16Aには、第1の実施形態と同様に、サンプリング時間毎に「1」又は「0」の時系列データが記憶されている。さらに、前方障害物データベース16Aには、サンプリング時間毎に前方障害物の個数n、障害物iの幅wi、障害物iと自車との距離diが記憶されている。
【0144】
また、コンピュータ20は、各センサ出力及び各データベースを参照して運転者の危険感受度を推定する危険感受度推定部23と、各データベースを参照して規範的危険感受度を計算する規範的危険感受度計算部24と、危険感受度及び規範的危険感受度を比較する危険感受度比較部25と、を備えている。
【0145】
危険感受度推定部23は、第1の実施形態と同様に、式(1)に従って運転者の危険感受度Rtを推定する。
【0146】
規範的危険感受度計算部24は、自車位置データベース15及び前方障害物データベース16Aを参照しながら、所定の順序で時間tにおける規範的危険感受度を計算する。具体的には以下の通りに計算する。
【0147】
規範的危険感受度計算部24は、最初に、自車位置データベース15の時系列データに基づいて、時間tの補正係数mtを求める。例えば時間tにおいて、自車位置データベース15が「1」を出力した場合(自車が信号機や交差点の30m以内にある場合)は、補正係数mtとして「0.5」を求める。また、自車位置データベース15が「0」を出力した場合(自車が信号機や交差点の30m以内にない場合)は、補正係数mtとして「1.0」を求める。
【0148】
次に、規範的危険感受度計算部24は、補正係数mt、前方障害物データベース16Aに記憶されている時間tにおける障害物の大きさ(幅や面積)、距離、数を用いて、上述した式(3)に従って規範的危険感受度ρtを計算する。
【0149】
危険感受度比較部25は、規範的危険感受度ρtと運転者の危険感受度Rtとを比較する。危険感受度比較部25は、例えば、ρt>Rtのときに式(4)に従って(ρt−Rt)(但し、(ρt−Rt)≧0に限る。)を加算平均してQを求める。なお、Tは、運転した総時間(tの総数)を示している。
【0150】
【数4】
Figure 0004097519
【0151】
図20は、総合評価基準テーブルを示す図である。危険感受度比較部25は、式(4)により得られたQの大きさを図20に示す総合評価基準テーブルに照らして、運転者の危険感受度の総合評価(例えばA〜Eの5段階評価)を行う。ここでは、Aの評価が最もよく、Eの評価が最も悪くなっている。
【0152】
また、危険感受度比較部25は、例えば、ρt>Rtのときに式(5)に従って(ρt/Rt)(但し、ρt/Rt≧1に限る。)を加算平均してQを求めてもよい。なお、Tは、運転した総時間(tの総数)を示している。
【0153】
【数5】
Figure 0004097519
【0154】
危険感受度比較部25は、式(5)により得られたQの大きさを所定の総合評価基準テーブルに照らして、運転者の危険感受度の総合評価を行えばよい。
【0155】
そして、危険感受度比較部25は、Qと総合評価基準テーブルとの比較結果に基づいて、表示装置30に所定の警報表示を行う。
【0156】
図21は、表示装置30による警報表示の一例を示す図である。ここでは、表示装置30は、運転者が模擬運転を行った後、模擬運転の様子をリプレイ表示しながら、模擬運転中の運転者の危険感受度推定値Rと規範的危険感受度ρの程度をグラフに表示し、さらに、それらの比較値(例えば(ρ−R)や(ρ/R))をグラフに表示する。
【0157】
図22は、表示装置30による警報表示の他の例を示す図である。ここでは、表示装置30は、運転者の危険感受度R(図中「あなた」)と規範的危険感受度ρ(図中「規範」)の時系列変化をグラフで表示するとともに、時系列の中で危険感受度Rと規範的危険感受度ρとが最も乖離した場面も表示している。さらに、表示装置30には、自車位置データベース15と前方障害物データベース16の参照結果として、この場面ではどんな障害物があったかなどを表した文章も表示されている。
【0158】
以上のように、第5の実施形態に係る警報装置は、運転者が普段の運転において注意すべき交通状況を具体的に提示することにより、運転者の安全運転教育の効果を高めることができる。特に、運転者の「思い込み」の程度を運転者自身にフィードバックすることにより、運転者に「思い込み」を自覚させ、安全運転意識を向上させることができる。
【0159】
なお、運転者の危険感受度と規範的危険感受度危険感受度との比較による総合的判断を行うことができれば、式(4)や式(5)に限定されるものではない。また、図20に示した総合評価基準テーブルは任意に変更しても良い。同様に、総合評価の表示はA〜Eのアルファベットに限らず、数値や任意の表記をとってもかまわない。
【0160】
[第6の実施形態]
つぎに、本発明の第6の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0161】
図23は、本発明の第6の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。本実施形態に係る警報装置は、第5の実施形態の規範的危険感受度計算部24に代えて、補正部26及び規範的危険感受度データベース50を備えている。なお、補正部26及び規範的危険感受度データベース50は、第4の実施形態と同様に構成されている。
【0162】
ここで、規範的危険感受度データベース50には、交通状況の危険度を規範的に感受することのできる熟練者(自動車学校運転指導員、タクシー運転者、バス運転者など)が所定のコースを運転したときの危険感受度を蓄積しておくのが好ましい。または、規範的危険感受度データベース50には、数多くの運転者が同一コースを運転したときの危険感受度の平均値などを蓄積してもよい。
【0163】
したがって、第6の実施形態に係る警報装置は、運転者の危険感受度Rと規範的危険感受度ρとを比較して、比較結果を表示装置30を介して運転者に対してフィードバックすることにより、運転者に「思い込み」を自覚させ、安全運転意識を向上させることができる。
【0164】
【発明の効果】
本発明に係る危険感受度推定装置は、アクセル操作量、ブレーキペダル操作量、ステアリング操作量、自車位置及び認識された障害物とに基づいて運転者の危険感受度を推定することにより、運転者の減速意図及び操舵意図、さらに外部環境を考慮して、運転者の感受する危険感受度を高精度に推定することができる。
【0165】
本発明に係る安全運転評価装置は、運転者の主観的な危険感受度と、外部環境に基づく客観的な規範的危険感受度とに基づいて、運転者による運転の安全性を高精度に評価することができる。
【0166】
本発明に係る警報装置は、危険感受度推定装置により推定された危険感受度に基づいて警報を出力することにより、運転者又は第三者に運転者の危険感受度を報知することで、交通事故を防止することができる。
【0167】
本発明に係る警報装置は、安全運転評価装置により評価された運転の安全性に基づいて警報を出力することにより、運転者又は第三者に運転者の運転の安全性を報知することができ、交通事故を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ペダル操作分類基準テーブルを示す図である。
【図3】ステアリング操作分類基準テーブルを示す図である。
【図4】環境情報分類基準テーブルを示す図である。
【図5】運転者の危険感受度と運転行動の関係を説明する図である。
【図6】1分間運転したときの運転者危険感受度Rの推定値を示す図である。
【図7】運転者が危険感受度を主観的に報告する状態を示す図である。
【図8】運転行動のみから求められた危険感受度の推定値を示す図である。
【図9】交差点を右折する場面の図である。
【図10】先行車に続いて赤信号で停止する場面を示す図である。
【図11】(A)はタコメータとスピードメータとの間に設けられた表示装置を示す図、(B)は表示装置の拡大図である。
【図12】(A)は車体のリア側に設けられた表示装置を示す図、(B)は表示装置の拡大図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。
【図14】環境情報分類基準テーブルを示す図である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。
【図16】本発明の第4の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。
【図17】規範的危険感受度データベースに蓄積されている規範的危険感受度の概念を示す図である。
【図18】コンピュータ20の他の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第5の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。
【図20】総合評価基準テーブルを示す図である。
【図21】表示装置による警報表示の一例を示す図である。
【図22】表示装置による警報表示の他の例を示す図である。
【図23】本発明の第6の実施形態に係る警報装置の構成を示すブロック図である。
【図24】主観的リスク、客観的リスク及び思い込みの関係を示す図である。
【符号の説明】
11a,11b 光学式センサ
12 アクセルポジションセンサ
13 マスタシリンダ圧センサ
14 操舵角センサ
15 自車位置データベース
16 前方障害物データベース
17 GPS受信機
18 電子地図データベース
19 レーダ装置
20 コンピュータ
21 自車位置特定部
22 前方障害物認識部
23 危険感受度推定部
24 規範的危険感受度計算部
25 危険感受度比較部
26 補正部
30 表示装置
50 規範的危険感受度データベース

Claims (8)

  1. 運転者によるアクセルペダル操作量を計測するアクセルペダル操作量計測手段と、
    前記運転者によるブレーキペダル操作量を計測するブレーキペダル操作量計測手段と、
    前記運転者によるステアリング操作量を計測するステアリング操作量計測手段と、
    自車位置を特定する自車位置特定手段と、
    自車に対する障害物を認識する障害物認識手段と、
    前記アクセル操作量計測手段により計測されたアクセル操作量と、前記ブレーキペダル操作量計測手段により計測されたブレーキペダル操作量とに基づいて前記運転者がどの程度を減速意図しているかを示す減速意図項を演算し、前記ステアリング操作量計測手段により計測されたステアリング操作量に基づいて前記運転者がどの程度大きく又は速く操舵しているかを示す操舵状態量を演算し、前記自車位置特定手段により運転者が無条件で制動または操舵を行う状況に自車が位置していることが特定された場合、及び前記障害物認識手段により自車の減速または停止の要因となる障害物が認識された場合に危険感受度を小さくし、かつ前記状況に自車が位置していることが特定されない場合、及び自車の減速または停止の要因となる障害物が認識されない場合に前記危険感受度を変更しないようにする補正項を演算し、前記減速意図項、前記操舵状態量、前記補正項に基づいて前記運転者の危険感受度を推定する危険感受度推定手段と、
    を備えた危険感受度推定装置。
  2. 運転者によるアクセルペダル操作量を計測するアクセルペダル操作量計測手段と、
    前記運転者によるブレーキペダル操作量を計測するブレーキペダル操作量計測手段と、
    前記運転者によるステアリング操作量を計測するステアリング操作量計測手段と、
    走行予定の自車位置を予め記憶した自車位置記憶手段と、
    自車位置に対応する障害物認識結果を予め記憶した障害物記憶手段と、
    前記アクセル操作量計測手段により計測されたアクセル操作量と、前記ブレーキペダル操作量計測手段により計測されたブレーキペダル操作量とに基づいて前記運転者がどの程度を減速意図しているかを示す減速意図項を演算し、前記ステアリング操作量計測手段により計測されたステアリング操作量に基づいて前記運転者がどの程度大きく又は速く操舵しているかを示す操舵状態量を演算し、前記自車位置記憶手段により運転者が無条件で制動または操舵を行う状況に自車が位置していることが記憶されている場合、及び前記障害物記憶手段により自車の減速または停止の要因となる障害物が記憶されている場合に危険感受度を小さくし、かつ前記状況に自車が位置していることが記憶されていない場合、及び自車の減速または停止の要因となる障害物が記憶されていない場合に前記危険感受度を変更しないようにする補正項を演算し、前記減速意図項、前記操舵状態量、前記補正項に基づいて前記運転者の危険感受度を推定する危険感受度推定手段と、
    を備えた危険感受度推定装置。
  3. 前記運転者の足位置がアクセルペダル及びブレーキペダルのいずれの上にあるか否かを計測するペダル足位置計測手段を更に備え、
    前記危険感受度推定手段は、前記ペダル足位置計測手段の計測結果を更に用いて前記減速意図項を演算することにより、前記運転者の危険感受度を推定する
    請求項1または2に記載の危険感受度推定装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の危険感受度推定装置と、
    前記自車位置と前記障害物認識結果とに基づいて前記運転者の規範的危険感受度を計算する規範的危険感受度計算手段と、
    前記危険感受度推定装置により推定された危険感受度と、前記規範的危険感受度計算手段により計算された規範的危険感受度とに基づいて、前記運転者による運転の安全性を評価する安全性評価手段と、
    を備えた安全運転評価装置。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の危険感受度推定装置と、
    各々の走行位置に対応する規範的危険感受度を予め記憶した規範的危険感受度記憶手段と、
    前記危険感受度推定装置により推定された危険感受度と、前記規範的危険感受度記憶手段に記憶され、かつ現在の走行位置に対応する規範的危険感受度とに基づいて、前記運転者による運転の安全性を評価する安全性評価手段と、
    を備えた安全運転評価装置。
  6. 前記規範的危険感受度記憶手段は、前記危険感受度推定装置により推定された危険感受度と現在の走行位置とに基づいて、各々の走行位置に対応する規範的危険感受度を更新する
    請求項5に記載の安全運転評価装置。
  7. 請求項1から3のいずれか1項に記載の危険感受度推定装置と、
    前記危険感受度推定装置により推定された危険感受度の大きさを出力する危険感受度出力手段と、
    を備えた警報装置。
  8. 請求項4から6のいずれか1項に記載の安全運転評価装置と、
    前記安全運転評価装置により評価された運転の安全性の大きさを出力する安全性出力手段と、
    を備えた警報装置。
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