JP4095738B2 - 原子力発電設備 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉で発生する熱により二次系の水を蒸気に変えてタービン発電機を駆動する原子力発電設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に原子力発電設備では、原子炉で発生する熱により一次系の水を加熱し、加熱された高温の一次系の水は蒸気発生器に送られ、蒸気発生器で一次系の高温の水により二次系の水を蒸気に変えて蒸気タービンを駆動して発電機を作動させるようになっている。蒸気タービンで仕事を終えた蒸気は復水器で海水により冷却されて復水され、蒸気発生器に戻される。復水器の後流側には復水脱塩装置が設けられ、復水器で復水された流体の不純物が復水脱塩装置でイオン交換されて除去される。原子力発電設備では、蒸気発生器に不純物が蓄積して濃縮されるのを防止するため、二次系の水の一部をブローダウンして蒸気発生器から排出し、ブローダウンした流体は系外に捨てられるか復水器に直接回収されている。
【0003】
一方、原子力発電設備の蒸気発生器は、一次系の水の熱交換チューブの外側に二次系の水が存在する構造になっている。二次系の水の循環系統では、エロージョン・コロージョンにより機器配管内の鉄成分等が溶出して蒸気発生器内の一次系の水の熱交換チューブの外側における流れの絞り部や停滞部にスケールがたい積するのを防止するため、二次系の水の循環系統の流体(復水脱塩装置の出口側)にアンモニア等を投入して流体を高pH(例えばpH9.8 〜pH10.0)として運用する。流体を高pHとして運用することで、炭素鋼等の鉄成分等の溶出が抑制される。
【0004】
二次系の水の循環系統の流体を高pHで運用する場合、復水脱塩装置の入口側のアンモニア濃度が高くなり、過大な不純物処理能力を備えた復水脱塩装置が必要となる。そこで、流体を高pHで運用する原子力発電設備では、復水脱塩装置をバイパスするバイパス路を設け、流体を高pHで運用する際には流体をバイパス路にバイパスさせ、復水脱塩装置を通さないようにする必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の原子力発電設備では、二次系の流体を高pHで運用する場合、蒸気発生器の流体をブローダウンして復水器で回収された後の流体が復水脱塩装置をバイパスすることになる。このため、不純物の除去が十分に行なえないことになってしまう。蒸気発生器からのブローダウン流体の系路に不純物除去手段を設け、復水器で回収する前でブローダウンした後の流体の不純物を除去することも考えられるが、新たに不純物除去手段を構築する必要があり、大幅なコスト高につながってしまう。また、ブローダウンした流体は高温のまま復水器に回収されるので、熱回収効率の点で改善の余地が十分に考えられる。
【0006】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、コストを高めることなく蒸気発生器からのブローダウン流体の不純物を除去することができ、しかも、熱回収効率に優れた原子力発電設備を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の構成は、原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、
蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させると共に循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用する際には流体をバイパス系統に循環させ、
蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入する排出系統を設け、復水系統の流体を冷却媒体としてブローダウン流体を冷却する熱交換手段を排出系統に設け、熱交換手段に対する出入流路の間における復水系統に加熱手段を設けたことを特徴とする。
【0010】
また、上記目的を達成するための本発明の構成は、原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、
蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させると共に機器配管中の鉄成分等の溶出を防止するため循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用する際には流体をバイパス系統に循環させて復水脱塩装置への通水をなくし、起動時等に流体を高pHとして運用しない際には流体を復水脱塩装置に全量通水させ、
流体を高pHとして運用する際に蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入してブローダウン流体の不純物を除去させる排出系統を設け、復水系統の流体を冷却媒体として排出系統のブローダウン流体を冷却することで復水脱塩装置のイオン交換樹脂耐熱温度以下にブローダウン流体の温度を低下させる熱交換手段を排出系統に設け、熱交換手段に対する出入流路の間における復水系統に復水系統の流体を加熱する加熱手段を複数段に設けたことを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するための本発明の構成は、原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、
蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させると共に循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用する際には流体をバイパス系統に循環させ、
蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入する排出系統を設け、排出系統に複数のフラッシュタンクを直列に連結して設けることでブローダウン流体を冷却する冷却手段を構成し、冷却手段のフラッシュタンクにミストセパレータを設ける一方、圧力に応じて複数段の加熱手段を復水系統に設け、各フラッシュタンクの蒸気を圧力に応じた加熱手段にそれぞれ投入する投入系を設けたことを特徴とする。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明の構成は、原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、
蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させるに際し、機器配管中の鉄成分等の溶出を防止するため循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用する際には流体をバイパス系統に循環させて復水脱塩装置への通水をなくし、起動時等に流体を高pHとして運用しない際には流体を復水脱塩装置に全量通水させ、
流体を高pHとして運用する際に蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入してブローダウン流体の不純物を除去させる排出系統を設け、排出系統に複数のフラッシュタンクを直列に連結して配設することで排出系統のブローダウン流体を冷却して復水脱塩装置のイオン交換樹脂耐熱温度以下にブローダウン流体の温度を低下させる冷却手段を設け、冷却手段のフラッシュタンクにミストセパレータを設ける一方、圧力に応じた複数段の加熱手段を復水系統に設け、各フラッシュタンクの蒸気を圧力に応じた加熱手段にそれぞれ投入する投入系を設けたことを特徴とする。
【0013】
そして、復水脱塩装置は、複数の脱塩塔が並列に備えられ、複数の脱塩塔に流体を送る一つの入口ラインと、複数の脱塩塔から通水されイオン交換された後の流体が排出される一つの出口ラインとが備えられ、入口ラインと出口ラインとが再循環路で連通され、再循環路に出口ライン側の流体を入口ラインに圧送するポンプが設けられていることを特徴とする。また、複数の脱塩塔から一つの出口ラインへの流路から分岐する分岐路がそれぞれ設けられ、分岐路は、一つの回収ラインによって復水器側に連通し、回収ラインと入口ラインとが循環路で連通され、再循環路に回収ライン側の流体を入口ラインに圧送する循環ポンプが設けられていることを特徴とする。また、復水脱塩装置は、流体を高pHとして運用して流体を再循環系統に循環させブローダウン流体が一つの入口ラインに送られた際に、複数の脱塩塔の最低流量を確保するためにポンプを駆動して出口ライン側の流体を入口ラインに圧送することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1には本発明の第一実施形態例に係る原子力発電設備の全体構成、図2には復水脱塩装置の詳細構成を示してある。
【0017】
図1に示すように、原子力発電設備では、原子炉1で発生する熱により一次系の水(加圧水)が加熱されて蒸気発生器2に送られ、蒸気発生器2では一次系の高温の水により二次系の水が蒸気に変えられて駆動手段としての蒸気タービン3に送られ、蒸気タービン3を駆動して発電機3aを作動させる。蒸気タービン3の排気蒸気は復水器4に送られて海水等により冷却されて復水され、復水器4で復水された水は復水系統5から蒸気発生器2に給水されるようになっている。復水系統5は、上流側から順に、復水ポンプ6、復水脱塩装置7、復水ブースタポンプ8、低圧給水加熱器9及び脱気器10を備えている。尚、低圧給水加熱器9は、2個乃至5個のヒータを直列に配設して構成してもよい。
【0018】
復水脱塩装置7には、復水脱塩装置7をバイパスするバイパス系統としてのバイパス路12が備えられている。バイパス路12の基端側の流路の下流における復水脱塩装置7の上流側には第1弁装置13が設けられ、バイパス路12には第2弁装置14が設けられている。第1弁装置13を閉じる共に第2弁装置を開くことで、復水器4からの流体はバイパス路12を通って蒸気発生器2側に送られる。また逆に、第1弁装置13を開くと共に第2弁装置14を閉じることで、復水器4からの流体は復水脱塩装置7に通水されて蒸気発生器2側に送られる。
【0019】
上述した原子力発電設備では、蒸気発生器2から蒸気タービン3、復水器4及び復水系統5により、二次系の流体が循環して循環系統が構築されている。蒸気発生器2は、一次系の水の熱交換チューブの外側に二次系の水が存在する構造になっているため、蒸気発生器2内の一次系の水の熱交換チューブの外側における流れの絞り部や停滞部にスケールが堆積するのを防止する必要がある。このため、二次系の流体の循環系統では、エロージョン・コロージョンにより機器配管内の鉄成分等が溶出しないように、復水脱塩装置7の下流側における復水系統5にアンモニア等を投入して流体を高pH(例えばpH9.8 〜pH10.0)として運用できるようになっている。流体を高pHとして運用することで、二次系の流体の循環系統における炭素鋼等の鉄成分等の溶出が抑制される。
【0020】
復水系統5にアンモニア等を投入して高pHで運用する場合、復水脱塩装置7の第1弁装置13を閉じる共に第2弁装置14を開くことで、復水器4からの流体をバイパス路12に通して復水脱塩装置7への通水をなくし、また、起動時等高pHで運用しない場合、第1弁装置13を開くと共に第2弁装置14を閉じることで、復水器4からの流体を復水脱塩装置7に全量通水させる。
【0021】
一方、原子力発電設備では、蒸気発生器2に不純物が蓄積して濃縮されるのを防止するため、二次系の水の一部をブローダウンして蒸気発生器2から排出し、ブローダウンした流体を復水系統5に回収するようにしている。即ち、蒸気発生器2と、第1弁装置13と復水脱塩装置7との間(復水脱塩装置7の上流側でバイパス系統分岐の下流側)における復水系統5とで、排出系統15が構築されており、二次系の水の一部をブローダウンした流体は、排出系統15によって復水系統5に投入されるようになっている。
【0022】
高pHで運用する場合に復水器4からの流体をバイパス路12に通して復水脱塩装置7への通水をなくしても、二次系の水の一部をブローダウンした流体を排出系統15によって復水脱塩装置7に通水することができる。このため、ブローダウンした流体の不純物を除去する専用の装置を設けることなく、二次系の水の一部をブローダウンした流体の不純物除去が可能となる。
【0023】
排出系統15にはフラッシュタンク21が設けられ、蒸気発生器2でブローダウンした二次系の水の一部はフラッシュタンク21に導入される。フラッシュタンク21にはミストセパレータ22が設けられ、ミストセパレータ22ではフラッシュタンク21に戻される流体と蒸気とが分離され、分離された蒸気は脱気器10に送られる。フラッシュタンク21の下流の排出系統15には冷却手段16が備えられ、冷却手段16により蒸気発生器2から排出されたブローダウン流体が復水脱塩装置7のイオン交換樹脂耐熱温度(例えば40度) 以下に冷却される。尚、図中の符号で23は排出系統15に設けられた供給ポンプである。尚、供給ポンプ23は非設置であってもよい。また、図中の符号で24は切換弁であり、ブローダウンした二次系の水の一部を直接復水器4に送る時に動作される。
【0024】
冷却手段16は、熱交換手段としての熱交換器17,18により構成され、熱交換器17,18は、復水系統5の流体を冷却媒体としている。即ち、復水系統5の低圧給水加熱器9の上流側には抽出ライン20が設けられ、抽出ライン20は熱交換器18,17を経由して低圧給水加熱器9の下流側における復水系統5に合流している。尚、熱交換手段としての熱交換器は、1個もしくは3個以上の複数個であってもよい。また、供給ポンプ23の下流には熱交換手段としての熱交換器19が設けられ、熱交換器19は海水(または蒸気タービンの軸冷水)を冷却媒体としている。尚、熱交換器19は非設置であってもよい。
【0025】
図2に基づいて復水脱塩装置7を説明する。図に示すように、復水脱塩装置7は6基の脱塩塔31が並列に備えられ、復水器4及び排出系統15からの流体を6基の脱塩塔31に送る一つの入口ライン32が設けられている。脱塩塔31はイオン交換樹脂が充填されており、イオン交換によって流体の不純物を除去するようになっている。尚、脱塩塔31の数は2基以上の複数であれば6基に限定されない。一つの入口ライン32からは、各脱塩塔31にそれぞれ入口弁33を介して復水器4及び排出系統15からの流体が送られる。6基の脱塩塔31からはそれぞれ出口弁34を介して出口路35から一つの出口ライン36に通水されイオン交換された後の流体が送られ、出口ライン36は復水系統5に連通している。
【0026】
出口ライン36と入口ライン32は再循環路41で連通されており、再循環路41には出口ライン36側の流体を入口ライン32に圧送するリサイクルポンプ42が設けられている。脱塩塔31は、不純物の処理能力を確保するために流体の最低流量が設定されている。高pHで運用する場合に復水器4からの流体をバイパス路12に通して復水脱塩装置7への通水をなくし、排出系統15からのブローダウン流体が復水脱塩装置7に送られた場合、ブローダウン流体は全流量の約1%乃至3%であるため、脱塩塔31の流体の最低流量(処理能力を確保するための流量)が確保出来なくなる。このため、ブローダウン流体だけが復水脱塩装置7に送られた場合には、流量が確保されるまで、リサイクルポンプ42を駆動して6基の脱塩塔31の系内に必要な流体流量を確保するようにしている。
【0027】
また、高pHで運用する場合に復水器4からの流体をバイパス路12に通して復水脱塩装置7への通水をなくし、蒸気発生器2から排出されたブローダウン流体を系外に捨てる運用時において、復水器4の細管漏洩が生じた場合は復水器4からの流体を復水脱塩装置7へ通水する必要がある。この場合、復水脱塩装置7には急激に復水器4からの流体を通水するため、復水脱塩装置7の出口水質が一時的に悪化する。この一時的水質悪化を防止するためにも高pHで運用する場合に復水器4からの流体をバイパス路12に通水している場合はリサイクルポンプ42を駆動して6基の脱塩塔31の系内に必要な流体流量を確保するようにしている。
【0028】
尚、一部の脱塩塔31のみに流体を通水させることも考えられるが、一部の脱塩塔31の劣化が進み再生能力回復作業の頻度が高くなってしまい、全体としての能力が劣ってしまう。
【0029】
一方、各出口路35の出口弁34の上流側からは分岐路37が分岐して設けられ、分岐路37は分岐弁38を介して復水器4側につながる一つの回収路39に連通している。回収路39と入口ライン32は循環路40で連通され、循環路40には回収路39側の流体を入口ライン32に圧送する循環ポンプ43が設けられている。所望の入口弁33を開くと共に所望の出口弁34を閉じて所望の分岐弁38を開き、循環ポンプ43を駆動することで、入口ライン32からの流体を所望の脱塩塔31に通水して復水器4に循環させる。
【0030】
これは、例えば、劣化した脱塩塔31のみの通水を止めてイオン交換能力回復作業(イオン交換樹脂再生作業)を個別に行なう運転時や、脱塩塔31の流体の最低流量(処理能力を確保するための流量)が確保されるための待機運転時や、脱塩塔31のイオン交換能力回復作業を個別または全塔同時に実施した後にイオン交換能力が安定するまで循環通水を行う運転時等に適用される。また、これ以外にも、第2弁装置14、入口弁33、出口弁34及び分岐弁38の開閉制御や、リサイクルポンプ42及び循環ポンプ43の駆動制御を行なうことで、復水脱塩装置7の部分通水や全量通水等様々な通水態様を状況に応じて適宜選定することができる。
【0031】
上記構成の復水脱塩装置7は、復水器4及び排出系統15からの流体が送られる原子力発電設備だけでなく、ブローダウン流体の不純物の処理や復水器4からの流体の処理を専用に行なう復水脱塩装置として用いる等、図1に示した原子力発電設備以外にも適用可能である。また、リサイクルポンプ42及び循環ポンプ43を独立して設けたが、リサイクルポンプ42(循環ポンプ43)を循環ポンプ43(リサイクルポンプ42)の吐出流体を駆動源とするジェットポンプとすることも可能である。
【0032】
上記構成の原子力発電設備では、二次系の流体の循環系統で、エロージョン・コロージョンにより機器配管内の鉄成分等が溶出しないように、復水脱塩装置7の下流側における復水系統5にアンモニア等を投入して流体を高pH(例えばpH9.8 〜pH10.0)として運用するようになっている。復水系統5にアンモニア等を投入して流体を高pHで運用する場合、復水器4の出口側での流体のアンモニア濃度が高くなり、復水脱塩装置7での不純物処理能力をオーバーしてしまう。このため、二次系の流体を高pHで運用する場合、復水脱塩装置7の第1弁装置13を閉じる共に第2弁装置14を開くことで、復水器4からの流体をバイパス路12に通して復水脱塩装置7への通水をなくしている。これにより、復水脱塩装置7での不純物処理能力が確保される。
【0033】
一方、蒸気発生器2に不純物が蓄積して濃縮されるのを防止するため、二次系の水の一部をブローダウンして蒸気発生器2から排出し、ブローダウンした流体を排出系統15から復水脱塩装置7に投入して復水系統5に回収するようにしている。この時、復水脱塩装置7には二次系の流体のごく一部のブローダウン流体だけが送られ、復水脱塩装置7の脱塩塔31は処理能力を維持するための最低流量が確保されない状態となる。このため、脱塩塔31の処理能力を維持する流量が確保されるまで、入口弁33及び出口弁34を開くと共に分岐弁38を閉じ、リサイクルポンプ42を駆動して6基の脱塩塔31の系内に必要な流体流量を確保するようにしている。これにより、流体を高pHで運用する場合でも、ブローダウンした流体を復水脱塩装置7に通すことができ、不純物の除去を十分に行なうことが可能になる。
【0034】
また、冷却手段16によりブローダウンした流体を冷却しているので、流体の温度を復水脱塩装置7のイオン交換樹脂の耐熱温度以下に保つことができ、復水脱塩装置7のイオン交換樹脂の劣化を防止することができる。また、冷却手段16は、復水系統5の流体との間で熱交換を行なう熱交換器17,18となっているので、ブローダウンした流体の熱回収を有効に行なうことができる。
【0035】
本発明の第二実施形態例に係る原子力発電設備を説明する。図3には本発明の第二実施形態例に係る原子力発電設備の全体構成を示してある。尚、図1に示した構成物と同一物には同一符号を付してある。図3に示した原子力発電設備は、二次系の水の一部をブローダウンした流体を復水系統5に投入する排出系統の構成が図1に示した原子力発電設備を異なっている。
【0036】
図に示すように、原子力発電設備では、原子炉1の一次系の水の熱により二次系の水が蒸気発生器2で蒸気に変えられ、蒸気により蒸気タービン3を駆動して発電機3aを作動させる。蒸気タービン3の排気蒸気は復水器4に送られて復水され、復水器4で復水された水は復水系統5から蒸気発生器2に給水される。復水系統5は、上流側から順に、復水ポンプ6、復水脱塩装置7、復水ブースタポンプ8、低圧給水加熱器9及び脱気器10を備えている。低圧給水加熱器9は4段のヒータ9a,9b,9c,9が直列に配設されている。
【0037】
復水脱塩装置7には、復水脱塩装置7をバイパスするバイパス系統としてのバイパス路12が備えられている。バイパス路12の基端側の流路の下流における復水脱塩装置7の上流側には第1弁装置13が設けられ、バイパス路12には第2弁装置14が設けられている。第1弁装置13を閉じる共に第2弁装置を開くことで、復水器4からの流体はバイパス路12を通って蒸気発生器2側に送られる。また逆に、第1弁装置13を開くと共に第2弁装置14を閉じることで、復水器4からの流体は復水脱塩装置7に通水されて蒸気発生器2側に送られる。
【0038】
上述した原子力発電設備では、蒸気発生器2から蒸気タービン3、復水器4及び復水系統5により、二次系の流体が循環して循環系統が構築されている。蒸気発生器2は、一次系の水の熱交換チューブの外側に二次系の水が存在する構造になっているため、蒸気発生器2内の一次系の水の熱交換チューブの外側における流れの絞り部や停滞部にスケールがたい積するのを防止する必要がある。このため、二次系の流体の循環系統では、エロージョン・コロージョンにより機器配管内の鉄成分等が溶出しないように、復水脱塩装置7の下流側における復水系統5にアンモニア等を投入して流体を高pH(例えばpH9.8 〜pH10.0)として運用できるようになっている。流体を高pHとして運用することで、二次系の流体の循環系統における炭素鋼の鉄成分等の溶出が抑制される。
【0039】
復水系統5にアンモニア等を投入して高pHで運用する場合、復水脱塩装置7の第1弁装置13を閉じる共に第2弁装置14を開くことで、復水器4からの流体をバイパス路12に通して復水脱塩装置7への通水をなくし、起動時等高pHで運用しない場合、第1弁装置13を開くと共に第2弁装置14を閉じることで、復水器4からの流体を復水脱塩装置7に全量通水させる。
【0040】
一方、原子力発電設備では、蒸気発生器2に不純物が蓄積して濃縮されるのを防止するため、二次系の水の一部をブローダウンして蒸気発生器2から排出し、ブローダウンした流体を復水系統5に回収するようにしている。即ち、蒸気発生器2と、第1弁装置13と復水脱塩装置7との間(復水脱塩装置7の上流側でバイパス系統分岐の下流側)における復水系統5とで、排出系統51が構築されており、二次系の水の一部をブローダウンした流体は、排出系統51によって復水系統5に投入されるようになっている。
【0041】
高pHで運用する場合に復水器4からの流体をバイパス路12に通して復水脱塩装置7への通水をなくしても、二次系の水の一部をブローダウンした流体を排出系統51によって復水脱塩装置7に通水することができる。このため、ブローダウンした流体の不純物を除去する専用の装置を設けることなく、二次系の水の一部をブローダウンした流体の不純物除去が可能となる。
【0042】
排出系統51には冷却手段52の一部を構成するフラッシュタンク21が設けられ、蒸気発生器2でブローダウンした二次系の水の一部はフラッシュタンク21に導入される。フラッシュタンク21にはミストセパレータ22が設けられ、ミストセパレータ22ではフラッシュタンク21に戻される流体と蒸気とが分離され、分離された蒸気は脱気器10に送られる。フラッシュタンク21にミストセパレータ22を設けたことにより、フラッシュタンク21のタンク容量を小さくすることができる。
【0043】
フラッシュタンク21の下流の排出系統51には冷却手段52が備えられ、冷却手段52により蒸気発生器2から排出されたブローダウン流体が復水脱塩装置7のイオン交換樹脂の耐熱温度(例えば40度) 以下に冷却される。尚、図中の符号で23は排出系統51に設けられた供給ポンプである。また、供給ポンプ23の下流には熱交換手段としての熱交換器19が設けられ、熱交換器19は海水(または蒸気タービンの軸冷水)を冷却媒体としている。
【0044】
冷却手段52は、第1フラッシュタンク53,第2フラッシュタンク54,第3フラッシュタンク55及び第4フラッシュタンク56が直列に連結されて構成され、フラッシュタンク21で気水分離された液体が第1フラッシュタンク53に投入され、第1フラッシュタンク53で気水分離された液体が第2フラッシュタンク54に投入され、第2フラッシュタンク54で気水分離された液体が第3フラッシュタンク55に投入され、第3フラッシュタンク55で気水分離された液体が第4フラッシュタンク56に投入され、更に、第4フラッシュタンク56で気水分離された液体が供給ポンプ23により熱交換器19を介して復水系統5に送られる。尚、第1フラッシュタンク53,第2フラッシュタンク54,第3フラッシュタンク55及び第4フラッシュタンク56によって冷却手段52を構成したが、設備の種類によっては2個以上の任意の数のフラッシュタンクによって冷却手段52を構成することも可能である。
【0045】
第1フラッシュタンク53で気水分離された気体(蒸気)は低圧給水加熱器9のヒータ9dに投入系としての投入路53a を介して投入され、第2フラッシュタンク54で気水分離された気体(蒸気)は低圧給水加熱器9のヒータ9cに投入系としての投入路54b を介して投入され、第3フラッシュタンク55で気水分離された気体(蒸気)は低圧給水加熱器9のヒータ9bに投入系としての投入路55c を介して投入され、更に、第4フラッシュタンク56で気水分離された気体(蒸気)は低圧給水加熱器9のヒータ9aに投入系としての投入路56d を介して投入される。つまり、第1フラッシュタンク53,第2フラッシュタンク54,第3フラッシュタンク55及び第4フラッシュタンク56の蒸気は、圧力に応じた低圧給水加熱器9にそれぞれ投入されるようになっている。尚、フラッシュタンクとヒータの数を一致させているが、一つの低圧給水加熱器のヒータに複数のフラッシュタンクからの蒸気を投入したり、一つのフラッシュタンクから複数の低圧給水加熱器に蒸気を投入する等、種々変更可能である。
【0046】
復水脱塩装置7は、図1に示した第1実施形態例の原子力発電設備と同一構成であるので、詳細は図2に示した通りである。このため、ここでは詳細な説明は省略してある。
【0047】
上記構成の原子力発電設備では、二次系の流体の循環系統で、エロージョン・コロージョンにより機器配管内の鉄成分等が溶出しないように、復水脱塩装置7の下流側における復水系統5にアンモニア等を投入して流体を高pH(例えばpH9.8 〜pH10.0)として運用するようになっている。復水系統5にアンモニア等を投入して流体を高pHで運用する場合、復水器4の出口側での流体のアンモニア濃度が高くなり、復水脱塩装置7での不純物処理能力をオーバーしてしまう。このため、二次系の流体を高pHで運用する場合、復水脱塩装置7の第1弁装置13を閉じると共に第2弁装置14を開くことで、復水器4からの流体をバイパス路12に通して復水脱塩装置7への通水をなくしている。これにより、復水脱塩装置7での不純物処理能力が確保される。
【0048】
一方、蒸気発生器2に不純物が蓄積して濃縮されるのを防止するため、二次系の水の一部をブローダウンして蒸気発生器2から排出し、ブローダウンした流体を排出系統51から復水脱塩装置7に投入して復水系統5に回収するようにしている。この時、復水脱塩装置7には二次系の流体のごく一部のブローダウン流体だけが送られ、復水脱塩装置7の脱塩塔31(図2参照)は処理能力を維持するための最低流量が確保されない状態となる。このため、脱塩塔31(図2参照)の処理能力を維持する流量が確保されるまで、リサイクルポンプ42(図2参照)を駆動して6基の脱塩塔31(図2参照)の系内に必要な流体流量を確保するようにしている。これにより、流体を高pHで運用する場合でも、ブローダウンした流体を復水脱塩装置7に通すことができ、不純物の除去を十分に行なうことが可能になる。
【0049】
また、第1フラッシュタンク53,第2フラッシュタンク54,第3フラッシュタンク55及び第4フラッシュタンク56が直列に連結された冷却手段52によりブローダウンした流体を順次気水分離して冷却しているので、流体の温度を復水脱塩装置7のイオン交換樹脂の耐熱温度以下に保つことができ、復水脱塩装置7のイオン交換樹脂の劣化を防止することができる。また、第1フラッシュタンク53,第2フラッシュタンク54,第3フラッシュタンク55及び第4フラッシュタンク56で順次気水分離した蒸気を圧力に応じた低圧給水加熱器9に投入するようにしているので、ブローダウンした流体の熱回収を有効に行なうことができる。
【0053】
【発明の効果】
本発明の原子力発電設備は、原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させると共に循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用する際には流体をバイパス系統に循環させ、蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入する排出系統を設け、復水系統の流体を冷却媒体としてブローダウン流体を冷却する熱交換手段を排出系統に設け、熱交換手段に対する出入流路の間における復水系統に加熱手段を設けたので、専用の処理装置を設けることなくブローダウンした流体を復水脱塩装置のイオン交換樹脂耐熱温度以下に保った状態で復水脱塩装置に通すことができ、プラント効率を高めると共に、復水脱塩装置のイオン交換樹脂の劣化を防止して不純物の除去を十分に行なうことが可能になる。この結果、コストを高めることなく蒸気発生器からのブローダウン流体の不純物を除去することが可能になり、プラント効率に優れた原子力発電設備とすることができる。
【0054】
また、本発明の原子力発電設備は、原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させると共に機器配管中の鉄成分等の溶出を防止するため循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用する際には流体をバイパス系統に循環させて復水脱塩装置への通水をなくし、起動時等に流体を高pHとして運用しない際には流体を復水脱塩装置に全量通水させ、流体を高pHとして運用する際に蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入してブローダウン流体の不純物を除去させる排出系統を設け、復水系統の流体を冷却媒体として排出系統のブローダウン流体を冷却することで復水脱塩装置のイオン交換樹脂耐熱温度以下にブローダウン流体の温度を低下させる熱交換手段を排出系統に設け、熱交換手段に対する出入流路の間における復水系統に復水系統の流体を加熱する加熱手段を複数段に設けたので、専用の処理装置を設けることなくブローダウンした流体を復水脱塩装置のイオン交換樹脂耐熱温度以下に保った状態で復水脱塩装置に通すことができ、熱回収効率を高めると共に、復水脱塩装置のイオン交換樹脂の劣化を防止して不純物の除去を十分に行なうことが可能になる。この結果、コストを高めることなく蒸気発生器からのブローダウン流体の不純物を除去することが可能になり、プラント効率に優れた原子力発電設備とすることができる。
【0055】
また、本発明の原子力発電設備は、原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させると共に循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用する際には流体をバイパス系統に循環させ、蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入する排出系統を設け、排出系統に複数のフラッシュタンクを直列に連結して設けることでブローダウン流体を冷却する冷却手段を構成し、冷却手段のフラッシュタンクにミストセパレータを設ける一方、圧力に応じて複数段の加熱手段を復水系統に設け、各フラッシュタンクの蒸気を圧力に応じた加熱手段にそれぞれ投入する投入系を設けたので、専用の処理装置を設けることなくブローダウンした流体を復水脱塩装置のイオン交換樹脂耐熱温度以下に保った状態で復水脱塩装置に通すことができ、熱回収効率を高めると共に、復水脱塩装置のイオン交換樹脂の劣化を防止して不純物の除去を十分に行なうことが可能になる。この結果、コストを高めることなく蒸気発生器からのブローダウン流体の不純物を除去することが可能になり、プラント効率に優れた原子力発電設備とすることができる。
【0056】
また、本発明の原子力発電設備は、原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させるに際し、機器配管中の鉄成分等の溶出を防止するため循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用する際には流体をバイパス系統に循環させて復水脱塩装置への通水をなくし、起動時等に流体を高pHとして運用しない際には流体を復水脱塩装置に全量通水させ、流体を高pHとして運用する際に蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入してブローダウン流体の不純物を除去させる排出系統を設け、排出系統に複数のフラッシュタンクを直列に連結して配設することで排出系統のブローダウン流体を冷却して復水脱塩装置のイオン交換樹脂耐熱温度以下にブローダウン流体の温度を低下させる冷却手段を設け、冷却手段のフラッシュタンクにミストセパレータを設ける一方、圧力に応じた複数段の加熱手段を復水系統に設け、各フラッシュタンクの蒸気を圧力に応じた加熱手段にそれぞれ投入する投入系を設けたので、専用の処理装置を設けることなくブローダウンした流体を復水脱塩装置のイオン交換樹脂耐熱温度以下に保った状態で復水脱塩装置に通すことができ、熱回収効率を高めると共に、復水脱塩装置の破損を防止して不純物の除去を十分に行なうことが可能になる。この結果、コストを高めることなく蒸気発生器からのブローダウン流体の不純物を除去することが可能になり、プラント効率に優れた原子力発電設備とすることができる。
【0057】
そして、復水脱塩装置は、複数の脱塩塔が並列に備えられ、複数の脱塩塔に流体を送る一つの入口ラインと、複数の脱塩塔から通水されイオン交換された後の流体が排出される一つの出口ラインとが備えられ、入口ラインと出口ラインとが再循環路で連通され、再循環路に出口ライン側の流体を入口ラインに圧送するポンプが設けられているので、少ないブローダウン流体量であっても脱塩塔の有効な流量を系内に確保することができる。この結果、ブローダウン流体の不純物処理に容易に適用することが可能になる。
【0058】
また、復水脱塩装置は、流体を高pHとして運用して流体をバイパス系統に循環させブローダウン流体が一つの入口ラインに送られた際に、複数の脱塩塔の最低流量を確保するためにポンプを駆動して出口ライン側の流体を入口ラインに圧送するようにしたので、少ないブローダウン流体量であっても脱塩塔の有効な流量を系内に確保することができる。この結果、ブローダウン流体の不純物処理に容易に適用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態例に係る原子力発電設備の全体構成図。
【図2】復水脱塩装置の詳細構成図。
【図3】本発明の第二実施形態例に係る原子力発電設備の全体構成図。
【符号の説明】
1 原子炉
2 蒸気発生器
3 蒸気タービン
4 復水器
5 復水系統
6 復水ポンプ
7 復水脱塩装置
8 復水ブースタポンプ
9 低圧給水加熱器
10 脱気器
12 バイパス路
13 第1弁装置
14 第2弁装置
15 排出系統
16 冷却手段
17,18,19 熱交換器
20 抽出ライン
21 フラッシュタンク
22 ミストセパレータ
23 供給ポンプ
31 脱塩塔
32 入口ライン
33 入口弁
34 出口弁
35 出口路
36 出口ライン
37 分岐路
38 分岐弁
39 回収路
40 循環路
41 再循環路
42 リサイクルポンプ
43 循環ポンプ
51 排出系統
52 冷却手段
53a,54b,55c,56d 投入路
53 第1フラッシュタンク
54 第2フラッシュタンク
55 第3フラッシュタンク
56 第4フラッシュタンク

Claims (7)

  1. 原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、
    蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させると共に循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用する際には流体をバイパス系統に循環させ、
    蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入する排出系統を設け、復水系統の流体を冷却媒体としてブローダウン流体を冷却する熱交換手段を排出系統に設け、熱交換手段に対する出入流路の間における復水系統に加熱手段を設けたことを特徴とする原子力発電設備。
  2. 原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、
    蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させると共に機器配管中の鉄成分等の溶出を防止するため循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用した際には流体をバイパス系統に循環させて復水脱塩装置への通水をなくし、起動時等に流体を高pHとして運用しない際には流体を復水脱塩装置に全量通水させ、
    流体を高pHとして運用する際に蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入してブローダウン流体の不純物を除去させる排出系統を設け、復水系統の流体を冷却媒体として排出系統のブローダウン流体を冷却することで復水脱塩装置のイオン交換樹脂耐熱温度以下にブローダウン流体の温度を低下させる熱交換手段を排出系統に設け、熱交換手段に対する出入流路の間における復水系統に復水系統の流体を加熱する加熱手段を複数段に設けたことを特徴とする原子力発電設備。
  3. 原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、
    蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させると共に循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用する際には流体をバイパス系統に循環させ、
    蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入する排出系統を設け、排出系統に複数のフラッシュタンクを直列に連結して設けることでブローダウン流体を冷却する冷却手段を構成し、冷却手段のフラッシュタンクにミストセパレータを設ける一方、圧力に応じて複数段の加熱手段を復水系統に設け、各フラッシュタンクの蒸気を圧力に応じた加熱手段にそれぞれ投入する投入系を設けたことを特徴とする原子力発電設備。
  4. 原子炉側の加圧水を熱源とする蒸気発生器と、蒸気発生器からの蒸気を駆動源とする蒸気タービンと、蒸気タービンの排気蒸気を復水する復水器と、復水器の流体を蒸気発生器に投入する復水系統と、復水系統に設けられ流体の不純物を除去する復水脱塩装置と、復水系統に設けられ復水脱塩装置をバイパスするバイパス系統とを備え、
    蒸気発生器から蒸気タービン、復水器、復水系統に流体を循環させるに際し、機器配管中の鉄成分等の溶出を防止するため循環させる流体にアンモニアを投入して流体を高pHとして運用する際には流体をバイパス系統に循環させて復水脱塩装置への通水をなくし、起動時等に流体を高pHとして運用しない際には流体を復水脱塩装置に全量通水させ、
    流体を高pHとして運用する際に蒸気発生器の流体の一部をブローダウンして排出すると共に排出したブローダウン流体をバイパス系統を通水することなく復水脱塩装置に投入してブローダウン流体の不純物を除去させる排出系統を設け、排出系統に複数のフラッシュタンクを直列に連結して配設することで排出系統のブローダウン流体を冷却して復水脱塩装置のイオン交換樹脂耐熱温度以下にブローダウン流体の温度を低下させる冷却手段を設け、冷却手段のフラッシュタンクにミストセパレータを設ける一方、圧力に応じた複数段の加熱手段を復水系統に設け、各フラッシュタンクの蒸気を圧力に応じた加熱手段にそれぞれ投入する投入系を設けたことを特徴とする原子力発電設備。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、復水脱塩装置は、複数の脱塩塔が並列に備えられ、複数の脱塩塔に流体を送る一つの入口ラインと、複数の脱塩塔から通水されてイオン交換された後の流体が排出される一つの出口ラインとが備えられ、入口ラインと出口ラインとが再循環路で連通され、再循環路に出口ライン側の流体を入口ラインに圧送するポンプが設けられていることを特徴とする原子力発電設備。
  6. 請求項5において、複数の脱塩塔から一つの出口ラインへの流路から分岐する分岐路がそれぞれ設けられ、分岐路は、一つの回収ラインによって復水器側に連通し、回収ラインと入口ラインとが循環路で連通され、循環路に回収ライン側の流体を入口ラインに圧送する第2ポンプが設けられていることを特徴とする原子力発電設備。
  7. 請求項5もしくは請求項6のいずれか一項において、復水脱塩装置は、流体を高pHとして運用して流体をバイパス系統に循環させブローダウン流体が一つの入口ラインに送られた際に、複数の脱塩塔の最低流量を確保するためにポンプを駆動して出口ライン側の流体を入口ラインに圧送することを特徴とする原子力発電設備。
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