JP4093752B2 - ヒーターコントロール装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、回動操作される操作ノブと、空調装置側部材とをギヤーを介して連結し、操作ノブの回動に応じて空調装置側部材を駆動するようにしたヒーターコントロール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の空調装置側部材をギアーを介して運転席近傍のダッシュボード部に設けた操作ノブの回動により開閉操作するようにしたヒーターコントロール装置がある。
【0003】
この種のヒーターコントロール装置は、例えば、特開昭55−119514号公報に示すように、ダッシュボード部に回動自在な回動部材を設け、この回動部材には車室内側の一端に操作ノブを設けるとともにその他端にはかさ歯車を設け、このかさ歯車にはこれの回動によって揺動される揺動半径の比較的大きな扇状のかさ歯車を噛合させ、この扇状のかさ歯車の揺動端にはその中央部に上記ワイヤーケーブルの一端をその揺動角度範囲の全域に渡って略接線方向に沿わせて連結させるようになっている。
従って、操作ノブを回動させるとその回動量に比較して扇状の傘歯車が揺動し、傘歯車に連結されているワイヤーケーブルが伸縮されるようになっている。
【0004】
このようなものにおいては、操作ノブの回動量に対するワイヤーケーブルの伸縮量は、中央付近では大きく中心から離れるにしたがって小さくなるものであった。これを、ワイヤーケーブルの伸縮量に比例して温風と冷風との混合量を調節するエアミックスダンパーを開度制御させて温度調節するようにしたものに使用した場合について概略を説明する。
【0005】
温度調節装置100は、図13に示すように、温度調節装置100の温度調節用の操作ノブ101が、中立位置にあるときには、空調装置側部材の温風と冷風との混合量を調節するエアミックスダンパー(図示せず)も中立位置にある。
そして、この位置から操作ノブ101を時計回りに回動させると、該操作部材101の背面側に取り付けられている回動部材102が一体的に時計回りに回動し、回動部材102のギヤー部103とギヤーレバー104のギヤー部105が噛合しているため、ギヤーレバー104は図12において時計回りに回動する。
ギヤーレバー104が時計回りに回動すると、ギヤーレバー104のワイヤー取付穴106に取り付けられたワイヤーケーブル107のインナワイヤ108が右側に移動し、空調装置側部材のエアミックスダンパーを駆動して冷風を減少させ、温風の量を増加させる。
そして、これとは反対に中立位置から操作ノブ101を反時計回りに回動させると、同様にギヤーレバー104は反時計回りに回動し、インナワイヤ108が左側に移動して、空調装置側部材のエアミックスダンパーを駆動させて温風を減少させ、冷風の量を増加させるようになっている。
【0006】
しかし、このギヤーレバー104の回動角度とインナワイヤ108の伸縮量の関係は、ギヤーレバー104が中央付近で回動している時は伸縮量は大きく中央から離れた位置でギヤーレバー104が回動する場合には伸縮量は小さくなるものである。
従って、操作ノブ101を操作した場合、中央付近では温度変化が激しく微調整ができなくなり、中央付近から離れた位置では、操作ノブ101の回動量に対して変化が少ないという不具合が発生していた。
そして、表示板109に操作ノブ101の回動を指示させる場合には、図13に示すように各目盛り110の間隔を中央付近では狭い間隔にし、中央から離れるに従って広い間隔の表示に設定しなければならなかった。
【0007】
次に、送風モード切換装置200に使用した場合について説明する。
送風モード切換装置200は、図13に示す状態では送風モード切換用の操作ノブ201が中立位置にあり、送風モード切換装置の風向はFOOTの位置にあり足元に風を送るようになっている。
【0008】
この位置から操作ノブ201を時計回りに回動させると、回動部材202が時計回りに回動し、回動部材202のギヤー部203とギヤーレバー204のギヤー部205が噛合して、ギヤーレバー204は図12において時計回りに回動し、ギヤーレバー204のワイヤー取付穴206に取り付けられたワイヤーケーブル207のインナワイヤ208を介して風向きを変えるダンパーを駆動し、送風モード切換装置の風向をFOOT−DEFの位置にして、足元とフロントガラスに向けて送風し、更に操作ノブ201を時計回りに回動させると、送風モード切換装置200はDEFの位置となり、足元への送風を止めてフロントガラスにのみ向けて送風するようになっている。
そして、これとは反対に中立位置から操作ノブ201を反時計回りに回動させると、送風モード切換装置200はFOOT−FACEの位置となり、足元と顔方向に送風するようなり、更に操作ノブ201を反時計回りに回動させると、FACEの位置となり、足元への送風を止めて顔方向にのみ送風するようになっている。
【0009】
なお、この送風モード切換装置200は、ギヤーレバー204が時計回りに回動してFOOT−DEFの位置にするまで、およびFOOT−DEFの位置からDEFにするまでの回動角度α1、α2は、ギヤーレバー204が反時計回りに回動してFOOT−FACEの位置にするまで、およびFOOT−FACEの位置からFACEにするまでの回動角度α3、α4に比較して小さい角度となっている。
【0010】
従って、操作ノブ201を操作した場合、時計回り側では小さい角度となり、反時計回り側では操作角度を大きくしなければならないという不具合が発生し、表示板109に操作ノブ201の回動を指示させる場合には、送風モード用の表示部209は図13に示すように、時計回り側のFOOTからDEF側には操作角度の小さい表示となり、反時計回り側のFOOTからFACE側は操作角度の大きい表示となり、バランスの取れない歪な表示部になってしまうものであった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、この点に着目し、操作ノブと空調装置側部材を連結する連結部材のストロークが等間隔でなくても、操作ノブの回動間隔が等間隔となるようにすることを課題としてなされたものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するために、第1の発明では、 回動操作される操作ノブと、該操作ノブと一体的に回動し駆動用のギヤー部が形成された回動部材と、該回動部材のギヤー部に噛合する被駆動用のギヤー部が形成されたギヤー部材と、該ギヤー部材と空調装置側を連結する連結部材とを備え、操作ノブの回動に応じて空調装置側部材を駆動するようにしたヒーターコントロール装置において、回動部材とギヤー部材の少なくとも一方に複数のギヤー部を形成し、操作ノブの回動位置に応じて、噛合するギヤー部を切り換えることにより、ギヤー部材への伝達比を異ならせる構造としている。
【0013】
この構成によれば、操作ノブの回動を伝達するギヤー部を使用して、ギヤー部材の移動量に対する操作ノブの回動範囲を調節するようにしているので、簡単な構造で目的を達成することができる。
【0014】
また、空調装置側部材の大きい作動範囲で駆動されるモード間と小さい作動範囲で駆動されるモード間とに区分し、分割した位置を境にして異なる歯が噛合するようにすることができる。この場合、左右に分割したギヤー部を設けるだけの簡単な構造で、操作ノブ側のモードの間隔を概略均一にすることができる。
【0015】
また、空調装置側部材のモード間毎に対応したギヤー部を形成し、各モードを境にしてギヤー部の噛合を切り替えて操作ノブの回動角を均一にするようにすれば、全てのモード間の回動範囲を均一化することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
図1,図2は、第1の発明の第1実施例と第2実施例を適用した自動車のヒーターコントロ―ル装置を示し、このヒーターコントロール装置は、表示板1とベース部2が一体的に形成されており、ベース部2には温風と冷風との混合量を調節するエアミックスダンパー(図示せず)を開度制御させて温度調節する温度調節装置3、風向を切り換える送風モード切換装置4、風量を調節する風量調節装置5、内気循環と外気導入を切り換える内外気切換装置6、エアコンモードにするA/Cスイッチ7、リヤーウィンドの熱線を通電させて曇りをとるリヤデフスイッチ8等が装着されている。
【0019】
そして、表示板1の前面側には温度調節装置3を作動させる温度調節用の操作ノブ9、送風モード切換装置4を作動させる送風モード切換用の操作ノブ10、風量調節装置5を作動させる風量調節用の操作ノブ11、内外気切換装置6を作動させる内外気切換用の操作ノブ12、A/Cスイッチ7をオン・オフするスイッチノブ7a、リヤデフスイッチ8をオン・オフする8aが配設されている。
【0020】
また、表示板1の前面側を表示面13とし、この表示面13には、温度調節用の操作ノブ9の周囲に時計回り方向に温風の量が増加し、反時計回り方向に冷風の量が多くなるように表示された温度調節用の表示部14が印刷されている。この表示部14は時計回り側に太くなっている温風用の表示14aと反時計回り側に太くなっている冷風用の表示14bで構成され、この表示14aと14bは共に等間隔で分割され、その分割部分がメモリ14cの役目を果たしている。そして、操作ノブ9を回動させるとその指針マーク9aが各表示を指すようになっている。
【0021】
送風モード切換用の操作ノブ10の周囲には送風モード用の表示部15が印刷され、この表示部15は中央に足元に風を送るFOOT用の表示15cを有し、時計回り側にはフロントガラスに向けて風を送るDEF用の表示15eと足元とフロントガラスの両方に風を送るFOOT−DEF用の表示15dを有し、反時計回り側には顔に向けて風を送るFACE用の表示15aと足元と顔の両方に向けて風を送るFOOT−FACE用の表示15bを有している。そして、これら表示15a乃至15eは概略同間隔で配設されており、操作ノブ10を回動させるとその指針マーク10aが各表示を指すようになっている。
【0022】
風量調節用の操作ノブ11の周囲には風量調節用の表示部16が印刷され、この表示部16は風量調節用であることを示す表示16aと風量の段階0乃至4の表示16bを有している。そして操作ノブ11の指針マーク11aが図2で示す「0」の位置を指しているときには風量はゼロで、「1」を指しているときには微風、「4」を指しているときには最大の風量が噴射されるようになっている。また、内外気切換用の操作ノブ12の左側には内気循環用の表示12a、右側には外気導入用の表示12bが印刷されている。そして、操作ノブ12が左側にあるときには内気循環となり、右側に移動したときには外気が導入されるようになっている。
【0023】
以下、風量調節装置5、内外気切換装置6、A/Cスイッチ7、リヤデフスイッチ8については、従来と変わるところがないので、説明を省略し、温度調節装置3と送風モード切換装置4について更に具体的に説明する。
【0024】
温度調節装置3は本発明の第1実施例を示し、この温度調節装置3の温度調節用の操作ノブ9の背面側には、該操作ノブ9と一体的に回動する回動部材17が表示板1を挟んで取り付けられている。この回動部材17には駆動用の大径のギヤー部18と小径のギヤー部19が形成され、後端部は軸部20が形成されている。軸部20はベース部2に突設された筒部21に形成された軸受部22に挿通している。
【0025】
そして回動部材17の後側下方部にはギヤーレバー23が配設されている。ギヤーレバー23は前記筒部21に回動可能に嵌合し筒部21の外周部に形成された爪部24により上方側への抜けが防止されている。
【0026】
このギヤーレバー23には、図3に示すように、前記回動部材17の駆動用の大径のギヤー部18と噛合する被駆動用のギヤー部25a、25bと小径のギヤー部19と噛合する被駆動用のギヤー部26が形成されている。
ギヤー部25aと25bの中央部は歯部が形成されていない非噛合部25cとなっている。そして、この非噛合部25cの位置では大径のギヤー部18とは噛合しない。
一方、ギヤー部26の両側には歯部が形成されていない非噛合部26aと26bを設けている。即ち、操作ノブ9が中央付近で回動する場合は小径のギヤー部19とギヤー部26の噛合部が噛合し、時計回り方向若しくは反時計回り方向に所定角度以上回動した時には大径のギヤー部18とギヤー部25a若しくは25bと噛合するようになっている。
【0027】
なお、図5に示すように大径のギヤー部18の半径r1、小径のギヤー部19の半径r2、ギヤーレバー23の被駆動用のギヤー部25a、25bの回動半径r3、ギヤー部26の回動半径r4とし、r1のr2に対する割合をr3のr4に対する割合よりも大きくしている。具体的にはr1/r2>r3/r4としており、r1/r3>r2/r4となる。従って、回動部材17が同じ角度で回動した場合、大径のギヤー部18が被駆動用のギヤー部25a、25bと噛合してギヤーレバー23を回動させる角度の方が小径のギヤー部19が被駆動用のギヤー部26と噛合してギヤーレバー23を回動させる角度よりも大きくなる。
【0028】
また、ギヤーレバー23の後方には張出部27が形成され、この張出部27にはワイヤー取付穴28が形成されている。そして、ギヤーレバー23の回動が連結部材としてのワイヤーケーブル29のインナワイヤ29aを介して空調装置側部材の温風と冷風との混合量を調節するエアミックスダンパー(図示せず)を開度制御させるようになっている。
【0029】
上記、ギヤーレバー23の回動角度とワイヤーケーブル29のインナワイヤ29aの伸縮量の関係を図7に示す。
図においてギヤーレバー23を中央位置からα度時計回りに回動したときのインナワイヤ29aの縮量をs1とし、この位置から更にα度時計回りに回動したときの縮量をs2とすると、中央位置からα度反時計回りに回動したときのインナワイヤ29aの伸量はs1となり、更にα度反時計回りに回動したときの伸量はs2となる。(この場合、ワイヤーケーブル29の位置ズレによる誤差は無視する。)この場合、s1とs2の関係はs1>s2となる。
そして、本実施例においては、この伸縮量と上記各ギヤー部の径との関係を、
s1・r1/r3=s2・r2/r4となるように設定している。
これによって、回動部材17の回動角度とワイヤーケーブル29のインナワイヤ29aの伸縮量が概略一定となる。
【0030】
送風モード切換装置4は本発明の第2実施例を示し、この送風モード切換装置4の送風モード切換用の操作ノブ10の背面側には、該操作ノブ10と一体的に回動する回動部材30が表示板1を挟んで取り付けられている。この回動部材30には駆動用の大径のギヤー部31と小径のギヤー部32が形成され、後端部は軸部33が形成されている。軸部33はベース部2に突設された筒部34に形成された軸受部35に挿通している。
【0031】
そして回動部材30の後側下方部にはギヤーレバー36が配設されている。ギヤーレバー36前記筒部34に回動可能に嵌合し筒部34の外周部に形成された爪部37により上方側への抜けが防止されている。
【0032】
このギヤーレバー36には、図4に示すように、前記回動部材30の駆動用の大径のギヤー部31及び小径のギヤー部32とそれぞれ噛合する被駆動用のギヤー部38及び39が形成されている。
ギヤー部38は中央部から左側に形成され、右側部分は歯部が形成されていない非噛合部38aとなっている。そして、右側部分の非噛合部38a上では大径のギヤー部31とは噛合することがない。
一方ギヤー部39は反対に中央部から右側に形成され、左側部分には歯部が形成されていない非噛合部39aとなっている。そして、同様に左側部分の非噛合部39a上では小径のギヤー部32とは噛合することがない。即ち、操作ノブ10が時計回り方向で回動する場合は小径のギヤー部32とギヤーレバー36のギヤー部39が噛合し、反時計回り方向で回動する場合には大径のギヤー部31とギヤーレバー36のギヤー部38が噛合するようになっている。
【0033】
なお、温度調節装置3と同様に、図6に示すように大径のギヤー部31の半径r5、小径のギヤー部32の半径r6、ギヤーレバー36のギヤー部38の回動半径r7、ギヤー部39の回動半径r8とし、r5のr6に対する割合をr7のr8に対する割合よりも大きくしている。具体的にはr5/r6>r7/r8としており、r5/r7>r6/r8となる。従って、回動部材30が同じ角度で回動した場合、大径のギヤー部31が被駆動用のギヤー部38と噛合してギヤーレバー36を回動させる角度の方が小径のギヤー部32が被駆動用のギヤー部39と噛合してギヤーレバー36を回動させる角度よりも大きくなる。
【0034】
また、ギヤーレバー36の後方には張出部40が形成され、この張出部40にはワイヤー取付穴41が形成されている。そして、ギヤーレバー36の回動がワイヤーケーブル42のインナワイヤ42aを介して風向きを変えるダンパーの駆動を制御している。
【0035】
なお、ギヤーレバー36の回動角度とワイヤーケーブル42のインナワイヤ42aの伸縮量に応じて風向きを変えるダンパーの駆動部との関係を図8に示す。
図においてギヤーレバー36を中央位置から時計回りに回動して、FOOT−DEF及びDEFとなるようにダンパーを駆動する角度は、従来例と同様にα1及びα2となっており、中央位置から反時計回りに回動して、FOOT−FACE及びFACEとなるようにダンパーを駆動する角度は、α3及びα4となっている。
そして、α3>α4>α1>α2の関係になっている。
本実施例においては、時計回り側の小さい角度α1及びα2と、反時計回り側の大きい角度α3及びα4とに区分し、角度ダンパーを駆動するギヤーレバー36の回動角度と上記各ギヤー部の径との関係を、
(α3+α4)/(α1+α2)=(r5/r7)/(r6/r8)となるように設定している。
これによって、回動部材30の時計回りの回動角度と反時計回りの回動角度が同一になり、各モード間の間隔も概略同一角度となる。
【0036】
次に、温度調節装置3と送風モード切換装置4の動作について説明する。
温度調節装置3において、図2に示す状態では温度調節用の操作ノブ9が中立位置にあり、空調装置側部材の温風と冷風との混合量を調節するエアミックスダンパーも中立位置にある。そして、この位置では、小径のギヤー部19が被駆動用のギヤー部26の噛合部26aと噛合し、大径のギヤー部18は非噛合部25c上にあり、大径のギヤー部18は空振り状態となっている。この位置から操作ノブ9を時計回りに回動させると、回動部材17も一体的に時計回りに回動し、回動部材17の小径のギヤー部19とギヤーレバー23のギヤー部26が噛合しているため、ギヤーレバー23は図1において時計回りに回動する。このとき回動部材17の回動角度に対するギヤーレバー23の回動角度はr2/r4の小さい割合で回動する。そして所定角度(概略最大角度の半分)まで回動すると、小径のギヤー部19は被駆動用のギヤー部26との噛合が外れ、非噛合部26b上に位置する。そして、ギヤーレバー23のワイヤー取付穴28に取り付けられたインナワイヤ29aが右側に移動し、空調装置側部材のエアミックスダンパーを駆動して冷風を減少させ、温風の量を増加させる。この場合インナワイヤ29aの移動量は図7のs1よりも小さい移動量で概略(s1+s2)/2となる。
【0037】
そして、大径のギヤー部18が被駆動用のギヤー部25bと噛合状態となり、更に操作ノブ9を時計回りに回動させると、大径のギヤー部18と噛合部25bと噛合してギヤーレバー23を更に時計回りに回動する。このとき回動部材17の回動角度に対するギヤーレバー23の回動角度はr1/r3の大きい割合で回動する。
そして、最大角度まで回動させると空調装置側部材のエアミックスダンパーは温風のみにして高温にセットされる。この場合インナワイヤ29aの移動量は図7のs2よりも大きい移動量で概略(s1+s2)/2となる。
【0038】
これとは反対に中立位置から操作ノブ9を反時計回りに回動させると、同様にギヤーレバー23は図1において反時計回りに回動する。このときも回動部材17の回動角度に対するギヤーレバー23の回動角度はr2/r4の小さい割合で回動する。そして所定角度(概略最大角度の半分)まで回動すると、小径のギヤー部19は被駆動用のギヤー部26との噛合が外れ、非噛合部26a上に位置し、インナワイヤ29aが左側に移動し、空調装置側部材のエアミックスダンパーを駆動して温風を減少させ、冷風の量を増加させる。この場合もインナワイヤ29aの移動量は図7のs1よりも小さい移動量で概略(s1+s2)/2となる。
【0039】
このときも、大径のギヤー部18が被駆動用のギヤー部25aと噛合状態となっており、操作ノブ9を更に反時計回りに回動させると、ギヤーレバー23を更に反時計回りに回動する。このときも回動部材17の回動角度に対するギヤーレバー23の回動角度はr1/r3の大きい割合で回動する。
そして、最大角度まで回動させると空調装置側部材のエアミックスダンパーは冷風のみにして低温にセットされる。そして、インナワイヤ29aの移動量は図7のs2よりも大きい移動量で概略(s1+s2)/2となる。
【0040】
上記したように、操作ノブ9を中立位置から所定角度、時計回り又は反時計回りに回動させた場合には、回動部材17の回動角度に対するギヤーレバー23の回動角度は小さい割合で回動し、所定角度を超えて回動させた場合は、回動部材17の回動角度に対するギヤーレバー23の回動角度を大きい割合で回動させる。これによって、インナワイヤ29aはギヤーレバー23の回動位置には関係なく、温度調節用の操作ノブ9の回動角度に比例して移動する。
【0041】
一方、送風モード切換装置4において、図2に示す状態では送風モード切換用の操作ノブ10が中立位置にあり、送風モード切換装置はFOOTの位置にあり足元に風を送るようになっている。そして、この位置では、大径のギヤー部31と小径のギヤー部32は共に被駆動用のギヤー部38、39とは噛合していないが、時計回りに回動させると小径のギヤー部32が被駆動用のギヤー部39と噛合し、反時計回りに回動させると大径のギヤー部31が被駆動用のギヤー部38と噛合する状態にある。
【0042】
従って、この位置から操作ノブ10を時計回りに回動させると、回動部材30が時計回りに回動し、回動部材30の小径のギヤー部32と被駆動用のギヤー部39が噛合して、ギヤーレバー36は図1において時計回りに回動し、ワイヤーケーブル42のインナワイヤ42aを介して風向きを変えるダンパーを駆動する。このとき回動部材30の回動角度に対するギヤーレバー36の回動角度はr6/r8の小さい割合で回動する。そして所定角度(概略最大角度の半分)まで回動すると、送風モード切換装置はFOOT−DEFの位置となり、足元とフロントガラスに向けて送風するようになっている。
更に操作ノブ10を時計回りに回動させると、ギヤーレバー36はr6/r8の小さい割合で、更に時計回りに回動し、送風モード切換装置はDEFの位置となり、足元への送風を止めてフロントガラスにのみ向けて送風するようになっている。
【0043】
これとは反対に中立位置から操作ノブ10を反時計回りに回動させると、回動部材30の大径のギヤー部31に被駆動用のギヤー部38に噛合し、図1において反時計回りに回動する。このときは回動部材30の回動角度に対するギヤーレバー36の回動角度はr5/r7の大きい割合で回動する。そして所定角度(概略最大角度の半分)まで回動すると、送風モード切換装置はFOOT−FACEの位置となり、足元と顔方向に送風するようになっている。
更に操作ノブ10を反時計回りに回動させると、ギヤーレバー36はr5/r7の大さい割合で、更に反時計回りに回動し、送風モード切換装置はFACEの位置となり、足元への送風を止めて顔方向にのみ送風するようになっている。
【0044】
従って、ギヤーレバー36が時計回りに回動してFOOT−DEFの位置にするまで、およびのFOOT−DEFの位置からDEFにするまでの回動角度α1、α2は、ギヤーレバー36が反時計回りに回動してFOOT−FACEの位置にするまで、およびのFOOT−FACEの位置からFACEにするまでの回動角度α3、α4に比較して小さい角度となっていても、操作ノブ10の時計回りに回動させる場合と、反時計回りに回動させる場合に回動角度を、同一間隔に設定することができる。
【0045】
なお、上記実施例によれば、ギヤーが噛合しない非噛合部をギヤーレバー23およびギヤーレバー36に形成したが、回動部材側に形成することもできる。
例えば、図9において、回動部材50に紙面の手前側に大径のギヤー部51を形成し、紙面の向こう側(背面側)に小径のギヤー部52を形成している。そして、大径のギヤー部51の反対側には非噛合部51bを設け、小径のギヤー部52の反対側には非噛合部52bを設けている。
【0046】
そして、このギヤーレバー53には、紙面手前側に大径のギヤー部51と噛合する被駆動用のギヤー部54を形成し、紙面の向こう側には小径のギヤー部52と噛合する被駆動用のギヤー部55を形成している。
【0047】
図9に示す状態では、大径のギヤー部51の端部の歯51aと被駆動用のギヤー部54が噛合し、小径のギヤー部52の端部の歯52aと被駆動用のギヤー部55が噛合している。そしてこの状態で、回動部材50を時計回りに回動させると歯51aとギヤー部54の噛合が外れ、小径のギヤー部52とギヤー部55が噛合して、ギヤーレバー53が左側に移動する。反対に回動部材50を反時計回りに回動させると歯52aとギヤー部55の噛合が外れ、大径のギヤー部51とギヤー部54が噛合して、ギヤーレバー53が右側に移動する。
【0048】
図10は第3実施例を示す図で、回動部材60には、4種類の径の異なるギヤー部61,62,63,64を形成している。そしてギヤーレバー65には、ギヤー部61,62,63,64に噛合する被駆動用のギヤー部66,67,68,69を形成している。
【0049】
そして、回動部材60を時計回りに回動すると、まず回動部材60のギヤー部63とギヤーレバー65のギヤー部68が噛合して、ギヤーレバー65はは左側に移動する。更に回動部材60を時計回りに回動させると、ギヤー部63とギヤー部68の噛合が外れ、ギヤー部64とギヤー部69が噛合してギヤーレバー65を左側に移動させる。これとは反対に、回動部材60を反時計回りに回動すると、回動部材60のギヤー部61とギヤーレバー65のギヤー部66が噛合して、ギヤーレバー65はは右側に移動する。更に回動部材60を反時計回りに回動させると、ギヤー部61とギヤー部66の噛合が外れ、ギヤー部62とギヤー部67が噛合してギヤーレバー65を右側に移動させる。
【0050】
なお、回動部材60のギヤー部63の半径に対するギヤーレバー65のギヤー部68の回動半径、ギヤー部64の半径に対するギヤー部69の回動半径、ギヤー部61の半径に対するギヤー部66の回動半径、ギヤー部62の半径に対するギヤー部67の回動半径はそれぞれ、ギヤーレバー65の回動角度α1、α2、α3、α4に対応した値としている。従って、各モード間の回動部材60の回動角度の間隔を同一にすることができる。
【0051】
図11は他の発明による実施例を示す図で、回動部材70にはギヤー部71が形成され、このギヤー部71の下方部は歯のない部分の非噛合部72となっている。そしてギヤーレバー73には、ギヤー部74を設けている。そして、図に示す位置から回動部材70を時計回りに回動すると、所定角度は空回りし、ギヤー部71の右側の最端の歯71aがギヤーレバー73のギヤー部74の歯74aに噛合するとギヤーレバー73を左側に回動させ、反時計回りに回動させると、同様にギヤー部71の左側の最端の歯71bがギヤーレバー73のギヤー部74の歯74bに噛合してギヤーレバー73を右側に回動される。
【0052】
従って、回動部材70が中央付近で回動する場合のギヤーレバー73の移動量は小さく、中央から離れた位置でのギヤーレバー73の移動量は大きくなる。これは、中央付近に限られたことではなく、任意の位置に非噛合部を設けることができ、自由に回動部材の回動量に対するギヤーレバーの移動量を設定することができる。この発明によれば非常に簡単な構造で、操作ノブの回動範囲に対するギヤーレバーの移動量を調整することができる。
【0053】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、第1の発明によれば、操作ノブの回動をギヤー部を介して連結部材に伝達して空調装置側部材を駆動するヒーターコントロール装置において、連結用のギヤー部を複数にして、操作ノブの回動位置に応じて、伝達比を異ならせるようにしているので、簡単な構造で、操作ノブの回動範囲を均一にすることができる。また、空調装置側部材の大きい作動範囲で駆動されるモード間と小さい作動範囲で駆動されるモード間とに区分し、分割した位置を境にして異なる歯が噛合するようにするすれば、左右に分割したギヤー部を設けるだけの簡単な構造で、操作ノブ側のモードの間隔を概略均一にすることができる。
【0054】
また、空調装置側部材のモード間毎に対応したギヤー部を形成し、各モードを境にしてギヤー部の噛合を切り替えて操作ノブの回動角を均一にするようにすれば、全てのモード間の回動範囲を均一化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のヒーターコントロール装置の平面図である。
【図2】図2の正面図である。
【図3】(a)は、第1実施例のギヤ部材であるギヤーレバーの平面図。(b)は(a)の側面断面図である。
【図4】(a)は、第2実施例のギヤ部材であるギヤーレバーの平面図。(b)は(a)の側面断面図である。
【図5】第1実施例の回動部材とギヤーレバーの関係を示した一部断面側面図である。
【図6】第2実施例の回動部材とギヤーレバーの関係を示した一部断面側面図である。
【図7】第1実施例のギヤーレバーの回動範囲と連結部材の伸縮量の関係を示した図である。
【図8】第2実施例のギヤーレバーの回動範囲を示した図である。
【図9】非噛合部を回動部材側に形成した例の回動部材とギヤーレバーの関係を示した図である。
【図10】第3実施例の回動部材とギヤーレバーの関係を示した図である。
【図11】他の発明による実施例に係る回動部材とギヤーレバーの関係を示した図である。
【図12】従来実施例のヒーターコントロール装置の平面図である。
【図13】図12の正面図である。
Claims (3)
- 回動操作される操作ノブと、該操作ノブと一体的に回動し駆動用のギヤー部が形成された回動部材と、該回動部材のギヤー部に噛合する被駆動用のギヤー部が形成されたギヤー部材と、該ギヤー部材と空調装置側を連結する連結部材とを備え、操作ノブの回動に応じて空調装置側部材を駆動するようにしたヒーターコントロール装置において、前記回動部材とギヤー部材の少なくとも一方に複数のギヤー部を形成し、操作ノブの回動位置に応じて、噛合するギヤー部を切り換えることにより、ギヤー部材への伝達比を異ならせたことを特徴とするヒーターコントロール装置。
- 空調装置側部材の大きい作動範囲で駆動されるモード間と小さい作動範囲で駆動されるモード間とに区分し、分割した位置を境にして異なる歯が噛合するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のヒーターコントロール装置。
- 空調装置側部材のモード間毎に対応したギヤー部を形成し、各モードを境にしてギヤー部の噛合を切り換えて操作ノブの回動角を均一にしたことを特徴とする請求項1に記載のヒーターコントロール装置。
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