JP4092967B2 - チップ状電子部品のマウント方法およびマウント装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、チップ状電子部品のマウント方法およびマウント装置に関するもので、特に、チップ状電子部品の高密度実装を可能とするためのチップ状電子部品のマウント方法およびマウント装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図7は、この発明にとって興味ある従来のチップ状電子部品1のマウント方法を説明するための図である。図7では、チップ状電子部品1はその側面方向から見た図で示されている。
【0003】
チップ状電子部品1は、そのたとえば両端部に外部端子電極2が設けられている。他方、このチップ状電子部品をマウントすべき配線基板3上には、外部端子電極2に電気的に接続されるべき導電ランド4が設けられたマウント位置5が与えられている。
【0004】
このようなチップ状電子部品1の配線基板3へのマウントを行なうためのマウント装置は、チップ状電子部品1を保持しながら移動可能な保持具6を備えている。保持具6は、典型的には、真空吸引チャックによって構成され、チップ状電子部品1を真空吸引によって保持する吸着面7を有している。吸着面7には、真空通路8を通して負圧が与えられ、それによって、チップ状電子部品1が吸着面6上に保持される。保持具6は、チップ状電子部品1を着脱可能に保持するもので、そのため、真空通路8を通して与えられる負圧がオン/オフ制御される。
【0005】
配線基板3は、マウント装置に位置決めされる。また、配線基板3に設けられた導電ランド上には、フラックス等を含むクリーム状の半田9が付与される。
【0006】
チップ状電子部品1は、図示しない供給装置によって、その複数個のものが整列された状態で順次供給される。このように供給されたチップ状電子部品1は、1個ずつ、保持具6によって保持され、次いで、保持具6の移動に従って、図7(1)に示すように、配線基板3のマウント位置5の上方の位置まで移動される。
【0007】
次に、保持具6が、矢印10で示すように、配線基板3に向かって移動され、その結果、図7(2)に示すように、チップ状電子部品1が配線基板3のマウント位置5にマウントされる。このマウント状態において、チップ状電子部品1の外部端子電極2は配線基板3上の導電ランド4に位置合わせされ、また、外部端子電極2の一部が半田9内に埋まるようにされる。
【0008】
次いで、保持具6は、チップ状電子部品1を解放し、次のチップ状電子部品1を受け取る位置まで戻った後、上述した動作を繰り返すことによって、複数個のチップ状電子部品1を配線基板3上にマウントする。
【0009】
このように、チップ状電子部品1のマウントを終えた後、半田9がリフロー工程に付され、その結果、チップ状電子部品1の配線基板3上への実装が完了する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
図8は、この発明が解決しようとする課題を説明するためのもので、図7(2)に示した状態に対応するが、チップ状電子部品1を端面方向から見た図を示している。
【0011】
チップ状電子部品1が小型化されても、保持具6を小さくすることには限界がある。そのため、図7および図8に示すように、保持具6の吸着面7は、チップ状電子部品1の平面寸法よりはみ出す寸法を有していることが多い。
【0012】
また、チップ状電子部品1のマウントにあたって、保持具6によって保持された状態で、チップ状電子部品1の位置および方向等を検査する工程が実施されることがある。このような検査は、光学的にチップ状電子部品を認識することによって行なわれるが、この認識を反射方式によって行なう場合、認識の容易さおよび正確さのためには、吸着面7内にチップ状電子部品1が収まるようにする必要がある。その結果、吸着面7は、チップ状電子部品1の平面寸法よりはみ出す寸法を有することになる。
【0013】
このような状況において、図8に示すように、既にマウントされたチップ状電子部品1aに近接した状態で、次のチップ状電子部品1がマウントされようとするとき、このチップ状電子部品1を保持している保持具6が、破線で囲んだ部分Aにおいて、既にマウントされているチップ状電子部品1aに当接することがある。この当接は、次のような問題を引き起こす。
【0014】
まず、保持具6が、吸着面7において磨耗されやすくなる。また、保持具6が、折れやすくなる。さらに、保持具6において、曲がるなどの不所望な変形が生じやすくなる。その結果、保持具6の交換の頻度が高くなる。
【0015】
また、既にマウントされたチップ状電子部品1aの位置がずれたり、方向または姿勢が変わったりすることもある。その結果、チップ状電子部品1aの実装不良を招く。
【0016】
そこで、この発明の目的は、上述のような問題を解決し得る、チップ状電子部品のマウント方法およびマウント装置を提供しようとすることである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
この発明が適用されるチップ状電子部品は、外部端子電極が設けられ、かつ磁力によって吸引される磁性材料を含んでいる。この磁性材料は、チップ状電子部品の外部端子電極および/または内部導体に含まれるたとえばニッケルによって与えられる。
【0018】
この発明は、上述のようなチップ状電子部品を、配線基板上であって、外部端子電極に電気的に接続されるべき導電ランドが設けられたマウント位置に、外部端子電極が導電ランドに位置合わせされた状態でマウントするためのチップ状電子部品のマウント方法にまず向けられ、前述した技術的課題を解決するため、次のような構成を備えることを特徴としている。
【0019】
すなわち、この発明に係るチップ状電子部品のマウント方法は、チップ状電子部品を着脱可能に保持するための移動可能な保持具を用意する工程と、配線基板のマウント位置の下方に、チップ状電子部品に磁力を及ぼすことによってチップ状電子部品をマウント位置へと案内することが可能な磁石を配置する工程と、チップ状電子部品を保持具によって保持された状態とする工程と、保持具を移動させることによって、保持具に保持されたチップ状電子部品を、配線基板のマウント位置の斜め上の位置まで移動させる工程と、その後、磁石による磁力がチップ状電子部品に及ぼされた状態で、保持具からチップ状電子部品を解放することによって、チップ状電子部品をマウント位置の斜め上の位置から配線基板に落下させ、落下途中のチップ状電子部品を磁石による磁力によりマウント位置へと案内する工程とを備えることを特徴としている。
【0021】
この発明に係るチップ状電子部品のマウント方法を実施するにあたり、導電ランド上には、クリーム状の半田が付与されていることが好ましい。
【0022】
また、導電ランドは、磁性材料を含んでいてもよい。
【0023】
また、チップ状電子部品の外部端子電極は、磁性材料を含んでいてもよい。
【0024】
この発明は、また、前述したようなチップ状電子部品を、配線基板上であって、外部端子電極に電気的に接続されるべき導電ランドが設けられたマウント位置に、外部端子電極が導電ランドに位置合わせされた状態でマウントするためのチップ状電子部品のマウント装置にも向けられる。
【0025】
この発明に係るチップ状電子部品のマウント装置は、前述した技術的課題を解決するため、チップ状電子部品を着脱可能に保持するための移動可能な保持具と、配線基板を位置決めするための手段と、配線基板のマウント位置の下方に配置される磁石とを備える。そして、保持具は、配線基板のマウント位置の斜め上の位置において、これによって保持しているチップ状電子部品を解放し、配線基板に落下させるように制御され、磁石は、チップ状電子部品に磁力を及ぼすことによって、落下途中のチップ状電子部品を斜め方向に落下させてマウント位置へと案内するように配置されることを特徴としている。
【0026】
上述した保持具は、チップ状電子部品を真空吸引によって保持する吸着面を有するものであることが好ましい。
【0027】
上述の場合、この発明は、保持具の吸着面が、チップ状電子部品の平面寸法よりはみ出す寸法を有しているとき、特に有利に適用される。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明の実施形態を理解するための参考となる参考例としてのチップ状電子部品11のマウント方法を説明するためのものである。図1では、チップ状電子部品11は、その側面方向から見た図で示されている。
【0029】
チップ状電子部品11は、たとえばその両端部に設けられた外部端子電極12を備えている。この外部端子電極12がたとえばニッケルやフェライトを含んでいたり、チップ状電子部品11の内部に設けられる内部導体がたとえばニッケルやフェライトを含んでいたりしていて、そのため、チップ状電子部品11は、磁力によって吸引される性質を有している。
【0030】
他方、配線基板13上には、外部端子電極12に電気的に接続されるべき導電ランド14が設けられている。チップ状電子部品11は、配線基板13上であって、導電ランド14が設けられたマウント位置15にマウントされる。導電ランド13は、たとえば銅から構成される。
【0031】
チップ状電子部品11のマウントを実施するためのマウント装置は、チップ状電子部品11を保持するための保持具16を備えている。保持具16は、典型的には、真空吸引チャックにより与えられ、チップ状電子部品11を真空吸引によって保持する吸着面17を有している。吸着面17には、真空通路18を通して負圧が与えられ、この負圧をオン/オフ制御することにより、保持具16によって保持されたチップ状電子部品11は着脱可能とされる。
【0032】
マウント装置は、配線基板13を位置決めするための手段を備え、また、位置決めされた配線基板13のマウント位置15の下方に配置される磁石19を備えている。磁石19は、たとえば、2個の導電ランド14が配置される領域と実質的に同じ平面寸法を有していて、相異なる磁極をチップ状電子部品11の各端部方向に向けた状態に配置される。
【0033】
チップ状電子部品11を配線基板13上にマウントするにあたって、配線基板13がマウント装置に位置決めされる。また、導電ランド14上には、フラックス等を含むクリーム状の半田20が付与されている。
【0034】
チップ状電子部品11は、図示しない供給装置によって、その複数個のものが整列された状態で順次供給される。そして、供給されたチップ状電子部品11は、1個ずつ、保持具16によって保持され、保持具16が移動することによって、図1(1)に示すように、配線基板13のマウント位置15の上方の位置まで移動される。
【0035】
次に、保持具16は、矢印21で示すように、配線基板13に向かって移動され、図1(2)に示した位置で停止される。図1(2)では、チップ状電子部品11と導電ランド14との間には所定の間隔が形成されている。なお、この参考例では、チップ状電子部品11は、マウント位置15の真上の位置にある。
【0036】
次に、保持具16の吸着面17に与えられる負圧が遮断され、それによって、チップ状電子部品11は、保持具16から解放され、それによって、矢印22で示すように、配線基板13に向かって落下する。このとき、チップ状電子部品11には、磁石19による磁力が及ぼされていて、したがって、落下途中のチップ状電子部品11は、重力に加えて、磁石19による磁力によって、図1(3)に示すように、マウント位置15へと案内される。その結果、チップ状電子部品11の外部端子電極12の一部が半田20内に埋まるとともに、外部端子電極12が導電ランド14に位置合わせされたマウント状態が得られる。
【0037】
次いで、保持具6は、次のチップ状電子部品11を受け取る位置まで戻った後、上述した動作を繰り返すことによって、複数個のチップ状電子部品11が配線基板13上にマウントされる。
【0038】
このように、チップ状電子部品11のマウントを終えた後、半田20がリフロー工程に付され、その結果、チップ状電子部品11の配線基板13上への実装が完了する。
【0039】
図2には、図1(3)に示した状態が、チップ状電子部品11の端面方向から見た図によって示されている。
【0040】
保持具16の図1(1)に示した矢印21方向への移動の終端は、図1(2)に示すように、チップ状電子部品11が導電ランド14ないしは半田20にまで届かないように設定される。言い換えると、保持具16は、矢印21方向への移動の終端に達しても、配線基板13上の導電ランド14ないしは半田20との間で所定の間隔を形成している。
【0041】
したがって、図2に示すように、既にマウントされたチップ状電子部品11aに近接した状態で、次のチップ状電子部品11がマウントされようとするとき、保持具16は、既にマウントされているチップ状電子部品11aに対して十分な間隔を保ったまま、これが保持しているチップ状電子部品11を配線基板13に、矢印22で示すように、落下させ、配線基板13のマウント位置15にマウントされた状態とすることができる。そのため、保持具16のチップ状電子部品11aに対する当接の問題は生じない。
【0042】
図3は、この発明の第1の実施形態を説明するための図1に対応する図である。図3において、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0043】
第1の実施形態では、図示しない供給装置によって供給されたチップ状電子部品11を保持した保持具16が移動し、図3(1)に示すように、配線基板13のマウント位置15の上方の位置まで達したとき、保持具16は、配線基板13のマウント位置15の真上ではなく、斜め上の位置にあることを特徴としている。
【0044】
したがって、次に、保持具16が、矢印23で示すように、配線基板13に向かって移動され、図3(2)に示した位置で停止されたとき、チップ状電子部品11は、マウント位置15の斜め上の位置にもたらされる。
【0045】
次に、チップ状電子部品11が保持具16から解放される。この解放の結果、チップ状電子部品11は配線基板13に向かって落下するが、このとき、チップ状電子部品11には、磁石19による磁力が及ぼされているので、落下途中のチップ状電子部品11は、重力に加えて、磁石19による磁力によって、矢印24で示すように、斜め方向に落下し、マウント位置15へと案内される。
【0046】
その結果、図3(3)に示すように、チップ状電子部品11の外部端子電極12の一部が半田20内に埋まるとともに、外部端子電極12が導電ランド14に位置合わせされたマウント状態が得られる。
【0047】
以上のよう動作が、複数個のチップ状電子部品11に対して繰り返され、複数個のチップ状電子部品11が配線基板13上にマウントされる。
【0048】
なお、この第1の実施形態では、図3に示すように、複数個の磁石19が各導電ランド14毎に対応して配置されている。このような構成を採用することにより、その各外部端子電極12が対応の各導電ランド14に対してより正確に位置合わせされた状態で、チップ状電子部品11をマウント位置15にマウントすることができ、その結果、チップ状電子部品11の実装位置に関する精度を向上させることができる。
【0049】
一例として、長さ方向寸法1.0mm、幅方向寸法0.5mmおよび厚さ方向寸法0.5mmのチップ状の積層セラミックコンデンサからなるチップ状電子部品11を用い、これを、図3に示したマウント方法に従って、ガラスエポキシ材料からなる厚み1mmの配線基板13上にマウントする実験を以下のように実施し、この実施形態の実現性を確認した。
【0050】
この実験によれば、3000ガウスの磁力を有する磁石19を用い、この磁石19と配線基板13との間隔を0.2〜5mmの範囲とし、図3(2)の状態におけるチップ状電子部品11と半田20との間隔を0.2〜5mmの範囲としたとき、図3(2)の状態におけるチップ状電子部品11の中心とマウント位置15の中心との間での水平方向でのずれを0.5mm以下とすれば、50μm以内の精度をもって、チップ状電子部品11をマウント位置15にマウントできることを確認できた。
【0051】
なお、配線基板13のマウント位置15でのチップ状電子部品11のより適正な位置、方向および姿勢を確保するため、磁石19を、たとえば1mm以内の振幅で振動させてもよい。
【0052】
図4は、この発明の第2の実施形態を説明するためのものである。図4において、図1ないし図3に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。図4では、チップ状電子部品11は、その端面方向から見た図で示されている。
【0053】
図4に示した第2の実施形態においても、図3に示した第1の実施形態の場合と同様、保持具16によって保持された実線で示すチップ状電子部品11を配線基板13のマウント位置15に落下させるにあたって、チップ状電子部品11はマウント位置15の斜め上の位置から落下される。そして、チップ状電子部品11は、斜め方向に向く矢印25で示すように、落下し、想像線で示すように、マウント位置15へと案内される。
【0054】
上述のように、チップ状電子部品11をマウント位置15の斜め上の位置から落下させるため、図3に示した第1の実施形態では、チップ状電子部品11を、その長手方向にずらすことが行なわれたが、図4に示す第2の実施形態では、チップ状電子部品11を、その幅方向にずらすことが行なわれている。このような2種類のずらしの態様は、組み合わされてもよい。すなわち、チップ状電子部品11が、長手方向および幅方向の双方にずらされてもよい。
【0055】
このような第2の実施形態によれば、図4において破線で示すように、マウントされるべきチップ状電子部品11より背の高い電子部品26が既にマウントされている場合、この電子部品26に近接した状態で、チップ状電子部品11をマウントしようとしても、保持具16が電子部品26に当接することを確実に防止することができる。
【0056】
なお、上述の効果は、図3に示した第1の実施形態の場合においても同様に奏される。
【0057】
図5は、この発明の第3の実施形態を説明するためのものである。図5において、図1ないし図4に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。図5には、マウントを終えた後のチップ状電子部品11が、その側面方向から見た図で示されている。
【0058】
図5に示した実施形態では、図1に示した参考例とは磁石19の磁極の方向が異ならされている。すなわち、磁石19は、相異なる磁極を上下方向に向けた状態で配置される。
【0059】
この実施形態は、適用されるチップ状電子部品11の磁性的な性質やそのマウントすべき方向または姿勢等によって、磁石19の向きを選べばよいことを示すためのものである。
【0060】
図6は、この発明の第4の実施形態を説明するためのもので、配線基板13上に形成される導電ランド14を拡大して示している。図6において、図1に示した要素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0061】
第4の実施形態は、導電ランド14が磁性材料を含んでいることを特徴としている。より具体的には、導電ランド14は、配線基板13上に形成される銅からなる層27と、その上に形成されるニッケルからなる層28と、その上に形成される金からなる層29とから構成され、ニッケル層28が磁性材料としてのニッケルから構成される。
【0062】
この第4の実施形態によれば、磁性材料からなるニッケル層28を磁化させることができるので、チップ状電子部品に対してより大きい磁力を与えることができる。
【0063】
なお、同様の効果を与えるため、導電ランド14のすべての層あるいはいずれかの層にフェライトを含むようにしてもよい。
【0064】
以上説明した各実施形態において、磁石19は、移動可能に設けられ、マウントすべきチップ状電子部品11のマウント位置15の下方に位置されるように移動されることが好ましい。この場合、磁石19は、保持具16とその水平方向での位置が同じとなるように、保持具16と連動するように構成されてもよい。
【0065】
また、磁石19としては、永久磁石が用いられても、電磁石が用いられてもよい。
【0066】
また、保持具16は、図示した実施形態では、真空吸引チャックを構成するものであったが、たとえば、電磁チャックまたは機械的なチャック等の他の形式の保持具に置き換えられてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、保持具によって保持されたチップ状電子部品を、配線基板のマウント位置の上方の位置まで移動させた後、磁石による磁力をチップ状電子部品に及ぼした状態で、保持具からチップ状電子部品を解放することによって、チップ状電子部品を配線基板に落下させ、落下途中のチップ状電子部品を磁石による磁力によりマウント位置へと案内するようにしているので、チップ状電子部品をマウント位置へと案内するまで保持具を配線基板に向かって移動させる必要はない。したがって、保持具の平面寸法がチップ状電子部品の平面寸法より大きくされても、この保持具が、既にマウントされたチップ状電子部品に当接することを確実に防止することができる。
【0068】
したがって、チップ状電子部品の実装密度を問題なく高めることができるとともに、保持具において、磨耗、折れ、曲がりなどの不都合が生じにくくなり、保持具の寿命をより長くすることができる。また、既にマウントされたチップ状電子部品の位置がずれたり、方向または姿勢が変わったりすることも防止することができる。
【0069】
また、チップ状電子部品を磁石による磁力によりマウント位置へと案内するようにしているので、マウントされたチップ状電子部品の位置精度を高めることができる。
【0070】
また、この発明によれば、チップ状電子部品をマウント位置に落下させるに際して、チップ状電子部品がマウント位置の斜め上の位置から落下されるようにしているので、保持具を、既にマウントされた他の電子部品からより遠ざけることができ、この既にマウントされた他の電子部品に保持具が当接することをより確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施形態を理解するための参考となる参考例としてのチップ状電子部品11のマウント方法を説明するためのもので、チップ状電子部品11の側面方向から見た図である。
【図2】 図1に示したチップ状電子部品11のマウント方法によって得られる効果を説明するためのもので、図1(3)に示した状態に対応する状態をチップ状電子部品11の端面方向から見た図である。
【図3】 この発明の第1の実施形態によるチップ状電子部品11のマウント方法を説明するためのもので、チップ状電子部品11を側面方向から見た図である。
【図4】 この発明の第2の実施形態によるチップ状電子部品11のマウント方法を説明するためのもので、チップ状電子部品11を端面方向から見た図である。
【図5】 この発明の第3の実施形態を説明するためのもので、磁石19の配置に関する変形例を示す図である。
【図6】 この発明の第4の実施形態を説明するためのもので、配線基板13上に設けられた導電ランド14を拡大して示す図である。
【図7】 この発明にとって興味ある従来のチップ状電子部品1のマウント方法を説明するためのもので、チップ状電子部品1の側面方向から見た図である。
【図8】 この発明が解決しようとする課題を説明するためのもので、図7(2)に示した状態に対応する状態をチップ状電子部品1の端面方向から見た図である。
【符号の説明】
11 チップ状電子部品
12 外部端子電極
13 配線基板
14 導電ランド
15 マウント位置
16 保持具
17 吸着面
19 磁石
20 半田
28 ニッケル層
Claims (8)
- 外部端子電極が設けられ、かつ磁力によって吸引される磁性材料を含む、チップ状電子部品を、配線基板上であって、前記外部端子電極に電気的に接続されるべき導電ランドが設けられたマウント位置に、前記外部端子電極が前記導電ランドに位置合わせされた状態でマウントするためのチップ状電子部品のマウント方法であって、
前記チップ状電子部品を着脱可能に保持するための移動可能な保持具を用意する工程と、
前記配線基板の前記マウント位置の下方に、前記チップ状電子部品に磁力を及ぼすことによって前記チップ状電子部品を前記マウント位置へと案内することが可能な磁石を配置する工程と、
前記チップ状電子部品を前記保持具によって保持された状態とする工程と、
前記保持具を移動させることによって、前記保持具に保持された前記チップ状電子部品を、前記配線基板の前記マウント位置の斜め上の位置まで移動させる工程と、
その後、前記磁石による磁力が前記チップ状電子部品に及ぼされた状態で、前記保持具から前記チップ状電子部品を解放することによって、前記チップ状電子部品を前記マウント位置の斜め上の位置から前記配線基板に落下させ、落下途中の前記チップ状電子部品を前記磁石による磁力により前記マウント位置へと案内する工程と
を備える、チップ状電子部品のマウント方法。 - 前記チップ状電子部品をマウント位置に落下させる工程において、前記チップ状電子部品は前記マウント位置の真上の位置から落下される、請求項1に記載のチップ状電子部品のマウント方法。
- 前記導電ランド上には、クリーム状の半田が付与されている、請求項1または2に記載のチップ状電子部品のマウント方法。
- 前記導電ランドは、磁性材料を含む、請求項1ないし3のいずれかに記載のチップ状電子部品のマウント方法。
- 前記外部端子電極は、磁性材料を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載のチップ状電子部品のマウント方法。
- 外部端子電極が設けられ、かつ磁力によって吸引される磁性材料を含む、チップ状電子部品を、配線基板上であって、前記外部端子電極に電気的に接続されるべき導電ランドが設けられたマウント位置に、前記外部端子電極が前記導電ランドに位置合わせされた状態でマウントするためのチップ状電子部品のマウント装置であって、
前記チップ状電子部品を着脱可能に保持するための移動可能な保持具と、
前記配線基板を位置決めするための手段と、
前記配線基板の前記マウント位置の下方に配置される磁石と
を備え、
前記保持具は、前記配線基板の前記マウント位置の斜め上の位置において、これによって保持している前記チップ状電子部品を解放し、前記配線基板に落下させるように制御され、
前記磁石は、前記チップ状電子部品に磁力を及ぼすことによって、落下途中の前記チップ状電子部品を斜め方向に落下させて前記マウント位置へと案内するように配置される、チップ状電子部品のマウント装置。 - 前記保持具は、前記チップ状電子部品を真空吸引によって保持する吸着面を有するものである、請求項6に記載のチップ状電子部品のマウント装置。
- 前記保持具の前記吸着面は、前記チップ状電子部品の平面寸法よりはみ出す寸法を有する、請求項7に記載のチップ状電子部品のマウント装置。
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KR101843870B1 (ko) | 2014-12-19 | 2018-03-30 | 주식회사 엘지화학 | 자석을 이용한 전지팩 제조장치 |
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