JP4090327B2 - 自動車用防音シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用防音カバーに関し、より詳細には加熱操作により膨張して厚さが増加するスポンジ状の感熱膨張材を備える自動車用防音カバーに関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、V型エンジン20に使用されるエンジン用防音カバー10を例示する斜視図である。このエンジン用防音カバー10は、金属や樹脂からなるカバー本体11のエンジン側の面(内表面)の略全面に防音材としてフォーム材12を設けて形成されており、吸気マニホールド13や吸気コレクタ14等に設けられた締結孔15にボルト(図示略)により固定される。エンジン20の形状は複雑であるため、従来ではフォーム材12をその厚さ方向に圧縮した状態でエンジン20に装着させ、フォーム材12自体の弾性力で厚みが復元することにより、カバー本体11とエンジン20との間の隙間を埋めて防音効果を高めるようになっている。しかし、フォーム材12は圧力を開放すると瞬時に復元するため、圧縮状態のフォーム材12をその復元力に抗った状態を維持しながらエンジン用防音カバー10をエンジン20に装着しなければならず、装着の作業性が非常に悪い。
【0003】
フォーム材12を薄くすれば装着の作業性は良くなるものの、エンジン20との間に隙間が生じるため、防音性能が十分ではなくなる。また、柔らかいフォーム材12を使用することにより圧縮状態からの復元力を下げることもできるが、その効果は僅かであり、むしろフォーム材12の強度低下につながり、寿命が短くなる等の不具合を招くようになる。また、エンジン20の形状に合わせてフォーム材12を成形してもよいが、エンジン20の機種毎、更にエンジン20の複数箇所に装着する場合には装着箇所毎にフォーム材12を用意しなければならず、製品コストの上昇を招いてしまう。しかも、フォーム材12はエンジン20と圧接していないため、エンジン20との間に僅かではあるが隙間が生じるのは避けられず、防音性能の点でも問題がある。
【0008】
その他にも、熱可塑性樹脂からなる芯材と架橋高分子からなる外装材とを複合させた熱膨張シール材(例えば、特許文献3参照)、熱可塑性樹脂と架橋ゴムとの混和物からなる熱膨張チューブ(例えば特許文献4、特許文献5参照)が知られているが、これらのシール材は、厚さ方向に膨張させる場合に平面方向の長さが減少してしまうために隙間が生じ、シール性が損なわれる懸念がある。また、前記熱膨張シール材では、二層押し出し機等の特殊な設備が必要であるという問題もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、加熱するだけで良く、即ち装着性に優れ、かつ加熱により厚さが大きく増加して優れたシール性、断熱、防音等を示す感熱膨張材を備える自動車用防音カバーを提供することを目的とする。
【0011】
【発明を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、架橋可能な高分子材料(a)と、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)とを含む組成物を架橋発泡させた発泡体を、加熱圧縮後に圧縮した状態で冷却してから圧を開放することにより、加熱操作でスポンジ状に膨張して厚さが増加する感熱膨張材が得られることを見出した。更に、この様な感熱膨張材をカバーに使用することで装着性と防音性能に優れた自動車エンジン用防音カバーとなることを見出した。本発明はこのような知見に基づくものである。
【0012】
即ち、本発明は、下記を提供するものである。
(1)架橋可能な高分子材料(a)100重量部と、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)5〜300重量部とを含む発泡体組成物を所定形状に成形し、架橋、発泡させた後、得られた発泡体を分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)の融点以上の温度に加熱して圧縮し、圧縮したまま結晶性の熱可塑性樹脂(b)の融点以下の温度に冷却して得られる感熱膨張材を目地材として備えることを特徴とする自動車用防音カバー。
(2)発泡体組成物中の架橋可能な高分子材料(a)がゴムであることを特徴とする上記(1)記載の自動車用防音カバー。
(3)発泡体組成物中の架橋可能な高分子材料(a)が硫黄または硫黄化合物で架橋可能なゴムであることを特徴とする上記(1)または(2)記載の自動車用防音カバー。
(4)発泡体組成物中の架橋可能な高分子材料(a)がエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムであることを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか1項に記載の自動車用防音カバー。
(5)発泡体組成物中の分子中に分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)がエチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体であることを特徴とする上記(1)〜(4)の何れか1項に記載の自動車用防音カバー。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に関して詳細に説明する。
【0014】
本発明の自動車用防音カバーとして、図1に示したエンジン用防音カバー10を例示でき、フォーム材12として次の感熱膨張材を使用する。感熱膨張材は、架橋可能な高分子材料(a)(以下、単に「高分子材料(a)」とも言う)と、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)(以下、単に「熱可塑性樹脂(b)」とも言う)を必須成分として含有し、更に必要に応じて架橋剤、架橋促進剤、架橋助剤、発泡剤、充填剤、加工助剤、軟化剤、酸化防止剤等、着色剤等の一般的な高分子材料に使用される配合剤を混合することにより得られる発泡体組成物を出発材料とする。この発泡体組成物は、一般的な公知の高分子材料の混合に使用される混合装置を使用して得られる。例えば、ゴム練りロール、二軸押出機、単軸押し出し機、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等を使用すればよいがこれらに限定されない。混合中に加熱して、熱可塑性樹脂(b)を融解しながら混合すると、架橋可能な高分子材料(a)の分散が進み、容易に混合組成物が得られるため好ましい。また、架橋可能な高分子材料(a)と熱可塑性樹脂(b)および各種配合剤を適当な媒質に溶解または分散させて液状とし、液状のまま混合してもよい。
【0015】
次いで、上記の発泡体組成物を適当な成形装置を用いて成形し、架橋と発泡をさせ、発泡体とする。架橋方法として硫黄や過酸化物等の架橋剤を使用する場合は加熱により架橋する。発泡剤として化学発泡剤を用いる場合も同様に加熱により発泡する。また、架橋剤と化学発泡剤を併用した場合は、加熱により架橋と発泡が同時に起こるため、発泡体の作製方法として本発明においては好ましい方法である。成形装置としてはプレスや押出機、カレンダーロール等が挙げられるが、本発明はこれら成形装置の種類により限定されるものではない。更に、加熱の方法は熱風加熱炉、ガラスビ−ズ流動床、溶融塩槽、熱プレス、高周波加熱装置等を用いることができる。また、これらを併用することも可能である。加熱温度としては150〜250℃が好ましく、更に好ましくは、170℃〜220℃である。加熱温度が150℃未満では架橋と発泡に長時間を要する。温度が250℃よりも高いと、発泡体組成物が劣化する場合がある。
【0016】
発泡体の嵩密度は10kg/m3以上、1000kg/m3未満とすることが好ましく、更に好ましくは20 kg/m3以上500 kg/m3倍未満、より好ましくは50 kg/m3以上3 00kg/m3未満である。嵩密度が1000kg/m3を超える場合は発泡体を圧縮することが困難となり、感熱膨張する前後の厚さの差が少なく、十分に隙間を閉塞することが困難となる。また、発泡体が硬くなり形状保持性に問題のあるものとなる。一方で嵩密度を10 kg/m3とすると、発泡体の強度が低くなり、また、発泡体が柔らかくなりすぎて感熱膨張性が不十分となり問題である。
【0017】
発泡体の発泡倍率は、化学発泡剤を使用する場合は発泡剤の添加量によって設定可能である。化学発泡剤を多くすると発泡倍率が高くなり、少なくすると発泡倍率は小さくなる。また、未発泡状態の組成物の粘度によっても設定可能である。粘度を低くすると発泡倍率が高くなり、粘度を高くすると発泡倍率が低くなる。よって、化学発泡剤の添加量や未発泡状態の組成物の粘度を調整することにより、上記の嵩密度とすることができる。
【0018】
そして、上記の発泡体を、熱可塑性樹脂(b)の融点以上の温度、例えば80〜200℃の範囲で加熱して所定の厚さとなるように圧縮し、所定時間維持した後、この圧縮状態を維持したまま、熱可塑性樹脂(b)の融点以下の温度、例えば25〜80℃、好ましくは室温まで冷却し、解圧することにより、本発明の感熱膨張材が得られる。尚、圧縮量としては、圧縮前の発泡体厚さの半分以下とすることが、処理部位において優れた流体シール、防音、断熱の各性能を得る上で好ましい。
【0019】
上記の一連の圧縮操作は、例えば、発泡体を熱プレスで加熱圧縮し、圧縮した状態で冷却してもよい。また、発泡体を熱風加熱炉中で加熱し、熱風加熱炉から取り出してから直ちにプレスで圧縮して冷却してもよい。尚、圧縮するためにはプレスを用いずに、錘を載せてもよい。また、連続的に生産するためには、カレンダーロールを用い、熱ロールで加熱圧縮し、冷ロールで圧縮したまま冷却してもよい。更に、加熱して架橋または発泡させる場合は、架橋または発泡時の加熱を利用して加熱直後に冷却ロールで圧縮冷却してもよい。圧縮操作はこれらに限定されるものではなく、発泡体を加熱して圧縮し、圧縮した状態で冷却できる方法であれば採用できる。また、発泡体を作製した後に加熱操作を行わず、加熱して架橋発泡させた発泡体の温度が下がらないうちに冷却しても良い。
【0020】
尚、発泡体を圧縮した後の形状は任意の形状とすることが出来る。例えば、平板で発泡体を圧縮すればシート状の感熱膨張材が得られる。また、エンボス等の表面加工を施した板で圧縮すれば、その表面形状が感熱膨張材に転写される。更に、圧縮する部位は任意であり、発泡体の全面を圧縮してもよく、一部分だけを圧縮しても良い。
【0021】
このようにして得られる感熱膨張材は、室温では圧縮状態が保持されると共に、加熱により圧縮状態が開放され膨張する。従って、感熱膨張材は形状保持性と感熱膨張性とについてそれぞれの機構が存在する。本発明は、特定の理論により限定されるものではないが、本発明者らは以下の機構により形状保持性や感熱膨張性が発現するものと推定している。
【0022】
架橋可能な高分子材料(a)と熱可塑性樹脂(b)とを含む発泡体は、架橋可能な高分子材料(a)の弾性により厚さが復元する力が作用するため、形状保持性を発現させるためには復元力以上の形状保持力が必要である。一方、熱可塑性樹脂(b)は、加熱すると軟化して剛性が低下し、場合によっては液状になり、このような状態では少ない応力で変形させることが可能で、また変形させたまま冷却することで硬化物となって剛性が高くなり、変形された形状を保つことが可能となる。従って、熱可塑性樹脂(b)を含む発泡体を加熱して圧縮したまま冷却すると、発泡体はその弾性復元力によって厚さを復元しようとするが、硬化した熱可塑性樹脂(b)により圧縮形状が保たれて形状保持性が発現する。
【0023】
上記の圧縮された状態で形状保持されている感熱膨張材は、室温では復元力以上の形状保持力を有している。従って、復元力が形状保持力を上回ると、復元力に基づく感熱膨張性復元性が発現する。そのためには、形状保持力を小さくすることが有効な手段となり、本発明の感熱膨張材材では熱を加えることで形状保持力を小さくする。上述のように、熱可塑性物質(b)は加熱すると軟化して、少ない応力で変形させることが可能となるため、加熱により熱可塑性樹脂の硬化物が軟化して剛性が下がって形状保持力が低下する。一方で、架橋可能な高分子材料(a)は発泡体の形状に架橋されており、弾性復元して発泡体の形状に回復しようとする力が作用している。感熱膨張材は加熱に伴い、弾性復元力が形状保持力を上回るようになる。その結果、圧縮状態が開放され感熱膨張性が発現する。
【0024】
以上が、本発明の感熱膨張材の形状保持性及び感熱膨張性が発現する機構である。
【0025】
また、本発明では熱可塑性樹脂(b)が結晶性である。非晶性の熱可塑性樹脂では特定温度における急激な感熱膨張が起こらない。本発明者らはこの理由について以下のように考えている。
【0026】
熱可塑性樹脂は、形状保持性が発現している室温付近の温度では剛性が高く、感熱膨張性が発現する高温においては剛性が低い方が、形状保持性と感熱膨張性とが共に良好な感熱膨張材となる。温度上昇と共に徐々に剛性が低下する熱可塑性樹脂は、剛性が低下している温度域では非常に緩やかに復元が起こるため、直ちに隙間を閉塞することができず、また、圧縮状態で保管することも困難である。熱可塑性樹脂としては特定の温度で急激に剛性が低下し、流動化する方が、形状保持性が発現する保管可能な温度域と、直ちに隙間を閉塞することができる感熱膨張可能な温度域が広い感熱膨張材が得られるため好ましい。熱可塑性樹脂は結晶性のものと非晶性のものがある。このうち、結晶性の熱可塑性樹脂は融点以上の温度域で急激に軟化して多くは流動化する。これに対し、非晶性の樹脂はガラス転移点を境にして軟化するが、結晶性樹脂の融点で観察されるほどの急激な軟化は起こらない。よって、本発明の熱可塑性樹脂としては結晶性の熱可塑性樹脂が好ましい。アクリル樹脂やポリスチレン等の非晶性の樹脂では、形状保持性、感熱膨張性ともに優れた感熱膨張材が得られず、広い温度域で緩やかに膨張する挙動を示す。よって、加熱により直ちに隙間を閉塞することが出来なくなり、感熱膨張材としては実用上問題が生じる。
【0027】
以上が結晶性の熱可塑性樹脂(b)により特定温度において急激に感熱膨張する感熱膨張材が得られると推定される理由である。但し、本発明はこの理論に限定されるものではない。
【0028】
更に、熱可塑性樹脂(b)は分子中に酸素を有する。分子中に酸素を有しない熱可塑性樹脂では特定温度における急激な感熱膨張が起こらない。本発明者らはこの理由について以下のように考えている。
【0029】
本発明の感熱膨張材では、熱可塑性樹脂(b)の一部は発泡体のセル壁表面に存在する。発泡体のセル壁表面の熱可塑性樹脂(b)は接着剤として作用し、同一セル内の対向するセル壁の架橋可能な高分子材料(a)または熱可塑性樹脂(b)とが接着することにより、各々のセルが圧縮された状態、即ち発泡体全体として圧縮された形状を保持することが可能となる。接着剤として作用している熱可塑性樹脂(b)は、加熱により分子運動が活発になり、融点以上の温度では急激に接着力を失う。そのため、熱可塑性樹脂(b)は、感熱膨張を起こす温度よりも低い温度域においては接着性の高いものを使用する必要がある。一般に、熱可塑性樹脂は表面エネルギーが高い程接着性が良好である。分子中に酸素を有する熱可塑性樹脂は、酸素を有しない熱可塑性樹脂と比較して表面エネルギーが高く、接着性が良好である。そのため、本発明では、分子中に酸素を有する熱可塑性樹脂(b)を用いる必要がある。酸素を有する熱可塑性樹脂の代わりに、分子中に酸素を有しない熱可塑性樹脂であるポリエチレンやポリプロピレンに代表されるポリオレフィン等を用いた場合は、形状保持性に問題が生じ、接着剤として作用している結晶性樹脂の結晶融解による急激な厚さ増加を起こす前に、接着力が弱いためにセル壁の接着が解除されて徐々に全体の厚さが増加し、広い温度域で緩やかに厚さが増加する挙動を示す。よって、加熱により直ちに隙間を閉塞することが出来なくなり、感熱膨張材としては実用上問題が生じる。一方、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)は形状保持性が良好で、特定温度で急激に感熱膨張する感熱膨張材が得られる。
【0030】
以上が分子中に酸素を有する熱可塑性樹脂(b)により特定温度において急激に感熱膨張する感熱膨張材が得られると推定される理由である。但し、本発明はこの理論に限定されるものではない。
【0031】
以下に、本発明で使用可能な各材料の具体例を示す。
【0032】
熱可塑性樹脂(b)としては、例えばエチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ボリブチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリウレタン、ポリヒドロキシブチレート、ポリビニルアルコール、アイオノマー等を使用することができるがこれらに限定されない。また、これらに別のモノマーを共重合させたものや、別のオリゴマーをグラフトさせたものも使用することができる。また、僅かであれば、熱可塑性樹脂(b)を架橋することも出来る。このとき架橋可能な高分子材料(a)は熱可塑性樹脂(b)よりも架橋密度を高くする必要がある。
【0033】
熱可塑性樹脂(b)として特にエチレン-酢酸ビニル共重合体は原料が安価であり、入手が容易であり、融点50℃〜100℃程度と適当な温度域であるため好ましい。更にこれを使用した場合は、形状保持特性と感熱膨張特性ともに優れた感熱膨張材が得られる。
【0034】
一方、高分子材料(a)としては、各種ゴム材料、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を使用することができる。例えば、天然ゴム、IIR(ブチルゴム)、CR(クロロプレンゴム)、SBR(スチレンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、HNBR(水素化ニトリルゴム)、EPDM(エチレン-プロピレン-ジエン共重合体ゴム)、EPM(エチレン-プロピレン共重合体ゴム)、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エピクロヒドリンゴム、ポリエーテルゴム、多硫化ゴム等の各種ゴム材料、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル等の各種熱可塑性樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の各種熱硬化性樹脂を使用することができるが、これらに限定されない。また、これらに別のモノマーを共重合させたものも使用することができる。
【0035】
高分子材料(a)として特にゴム材料を使用した場合は、柔軟で形状保持特性と感熱膨張特性ともに優れた感熱膨張材が得られるため好ましい。ゴム材料の中では、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体ゴムは架橋が容易であり、かつ価格と耐熱性のバランスが良好であり好ましい。また、ニトリルゴムは架橋が容易であり、かつ価格と耐油性のバランスが良好であり好ましい。よって、耐熱性の要求される用途にはエチレン-プロピレン-ジエン共重合体ゴムを、耐油性が要求される用途にはニトリルゴムを使用すればよい。耐熱性を耐油性が共に要求される用途には、価格が高くなるがフッ素ゴム、アクリルゴム、水素化ニトリルゴム、フロロシリコーンゴム等を用いればよい。これらのゴム材料の種類は使用する用途により適宜選択すればよい。
【0036】
尚、発泡体組成物における高分子材料(a)の配合比率が多いと、高分子材料(a)の弾性により感熱膨張し易くなるが、接着剤である熱可塑性樹脂(b)の比率が少なくなるため、形状保持性に問題が生じる場合がある。一方、熱可塑性樹脂(b)の配合比率が多くなると形状保持性が良好となるが、感熱膨張性に問題が生じる場合がある。よって本発明では、高分子材料(a)と熱可塑性樹脂(b)との配合比率を適当なものとする必要がある。具体的には、高分子材料(a)100重量部に対して、熱可塑性樹脂(b)を好ましくは5〜300重量部、更に好ましくは10〜200重量部、より好ましくは20〜100重量部配合する。熱可塑性樹脂の配合比率が5重量部未満では形状保持性に問題が生じ、500重量部を超えると感熱膨張性に問題が生じる。
【0037】
本発明では、何れかの適当な方法で高分子材料(a)を架橋させる必要がある。例えば、発泡体組成物に架橋剤を添加してもよい。ニトリルゴムやエチレン-プロピレン-ジエン共重合体ゴムは例えば硫黄、硫黄化合物、過酸化物等の公知の化合物で架橋することができる。硫黄化合物としては、例えば高温で活性硫黄を放出するジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、4,4'-ジチオジモルホリン等の化合物を挙げることができるがこれらに限定されない。過酸化物としては例えばベンゾイルパーオキサイド、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロデカン、n-ブチル-4,4-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヴァレレート、ジクミルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ-t-ブチルパーオキサイド、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、t-ブチルパーオキシクミン等を挙げることができるがこれらに限定されない。高分子材料(a)がフッ素ゴムの場合は、ポリオール、ポリアミン、過酸化物等の化合物を使用することができる。
【0038】
これら架橋剤の添加量は特に限定されないが、高分子材料(a)100重量部に対して好ましくは0.1〜20重量部、更に好ましくは0.2〜10重量部、より好ましくは0.3〜5重量部である。架橋剤の添加量が0.1未満の場合は、発泡体組成物は耐熱性に劣り、また、感熱膨張性に劣るものとなる。逆に20重量部以上の場合は、発泡体組成物は硬くて脆いものとなる。
【0039】
架橋剤を用いずに、電子線やγ線等の電離性放射線を照射することによって架橋することも可能である。また、高分子材料(a)として架橋剤を添加しなくても加熱により架橋反応を起こす官能基を有するものを使用してもよい。更に、複数の架橋方法を併用することも可能である。例えば、硫黄で架橋した後に電離性放射線を放射させてもよい。しかしながら、特に、硫黄または硫黄化合物を用いる架橋方法は酸素雰囲気中においても架橋が可能であり製造工程の自由度が大きくなり、また、ゴム材料に関しては加硫として広く一般的に用いられている技術であり原料や製造装置が特殊ではなく入手しやすいため、本発明においては好ましい架橋方法である。
【0040】
また、高分子材料(a)の架橋のために硫黄または硫黄化合物を用いる場合は、架橋促進剤を併用することが好ましい。架橋促進剤を併用することで、架橋に要する時間が短くなるため生産性が向上し、かつ、耐熱性に優れた組成物を得ることができる。架橋促進剤としては例えばヘキサメチレンテトラミン、n-ブチルアルデヒドアニリン、N,N'-ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N'-ジエチルチオ尿素、1,3-ジフェニルグアニジン、1,3-ジ-o-トリルグアニジン、1-o-トリルビグアニド、ジカテコールボレートのジ-o-トリルグアニジン塩、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド、2-メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2-メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン塩、2-(N,N-ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2-(4'-モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール、:N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-tert-ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N-オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N'-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2-エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ピペコリン-1-ジチオカルボン酸ピペコリン塩、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、N-エチル-N-フェニルジチオカルバミン酸亜鉛、N-ペンタメチレンジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸第二鉄、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、イソプロピルキサントゲン酸亜鉛、4,4'-ジチオジモルホリン等を挙げることができるがこれらに限定されない。また、複数の架橋促進剤を併用することもできる。また、架橋促進剤と同様の目的で、酸化亜鉛とステアリン酸を使用することが好ましい。
【0041】
また、高分子材料(a)の架橋のために過酸化物を用いる場合は、多官能性モノマー、多官能性ポリマー等の架橋助剤を使用することが好ましい。架橋助剤を使用することで、耐熱性に優れた組成物を得ることができる。架橋助剤の種類としては、例えば、エチレンジメタアクリレート、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、トリメチロプロパントリメタアクリレート、シクロヘキサルメタアクリレート、ジアクリル酸亜鉛、アリルメタアクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルイタコネート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ビニルトルエン、ビニルピリジン、ジビニルジクロロシアン、トリアリルホスフェート等の多官能性モノマー;ビニルポリブタジエン等の多官能性ポリマー;p-キノンジオキシム、p,p'-ジベンゾイルキノンジオキシム、N'-m-フェニレンビシマレイミド、硫黄等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0042】
本発明では、何れかの適当な手段で発泡体組成物を発泡させる必要がある。例えば、加熱によりガスを発生する化学発泡剤を発泡体組成物に添加してもよい。化学発泡剤としては、例えば、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド等のスルホニルヒドラジド、アゾジカルボンアミド(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド等のニトロソ化合物等の有機発泡剤;重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム等の無機発泡剤が挙げられる。これらの中でもOBSH、ADCAあるいはこれらを併用した発泡剤が好ましい。化学発泡剤の添加量は、高分子材料(a)100重量部に対して1〜40重量部の添加が好ましく、より好ましくは3〜20重量部が望ましい。ここで、発泡剤が1重量部未満の場合は発泡倍率3倍未満の低発泡倍率のものしか得られず、40重量部を超えると過発泡のため目標とする発泡体が得られない。発泡剤の分解温度を下げるために触媒作用のある化合物との併用ができ、架橋温度と発泡剤分解温度とのバランスが取れるように調整する必要がある。化学発泡剤としてADCAを使用した場合は、酸化亜鉛等の金属酸化物、ステアリン酸亜鉛等の金属脂肪酸塩、尿素等の発泡助剤を使用することで発泡剤の分解温度を引き下げることができる。また、化学発泡剤を使用せずに、フロン、炭化水素、水等を発泡剤として発泡体組成物中に添加し、これら発泡剤を加熱により気化させることにより発泡させることもできる。化学発泡剤を使用しない方法としてはマイクロ波を照射して、組成物中の水分を気化させて発泡させることもできる。また、発泡体組成物を適当な媒体に溶解または分散させて、機械的に攪拌または気体の吹き込みにより泡立て、これをゲル化させて架橋させてもよい。しかしながら、本発明では化学発泡剤により発泡させることが、架橋と発泡を同時に行うことが可能であり、製造工程が簡素化され、更に原料の入手が容易であり好ましい発泡方法である。
【0043】
本発明では、発泡体組成物の粘度を下げて発泡させやすくするために可塑剤を使用することが好ましい。可塑剤としては、例えばパラフィン系オイル、ナフテン系オイル及、芳香族系オイル、シリコーン系オイル、エステル系オイル、エーテル系オイル、クマロンオイル、アスファルト、クマロン樹脂、パラフィンワックス、脂肪酸石鹸、ビスアーマイド、液状ゴム等を挙げることができるが、これらに限定されない。また、これらを併用することも可能である。可塑剤の添加量は、高分子材料(a)100重量部に対して5〜100重量部が好ましく、20〜70重量部が特に好ましい。可塑剤の添加量が5重量部未満では、発泡体組成物の粘度が大きくなって加工性が悪くなり、また、発泡が不十分となるため、発泡体の嵩密度が大きくなってしまう。また、可塑剤の添加量が100重量部を超えると、発泡体組成物の粘度が小さくなりすぎて加工性が悪化し、好ましくない。更に、可塑剤としては高分子材料(a)と相溶性のあるもののなかから選択することが好ましい。例えば、架橋可能な高分子材料(a)がエチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴムの場合は、パラフィン系オイルまたはナフテン系オイルまたは芳香族系オイル等を選択すれば良い。また、高分子材料(a)がニトリルゴムの場合は、エステル系オイルまたはエーテル系オイル等を選択すれば良い。
【0044】
本発明では、発泡体組成物のコストダウン、補強、加工性向上、耐熱性向上を目的として充填材を使用してもよい。充填材としては、例えば、カーボンブラック、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、珪酸マグネシウム、クレー、マイカ、ガラス等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0045】
その他の成分としては、従来公知のものも使用できる。例として、加工助剤、着色剤、酸化防止剤等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0046】
従来のフォーム材は通常、圧縮して処理部位に装着し、フォーム材自体の弾性力で形状が復元することにより継ぎ目の隙間を埋めるが、従来のフォーム材は圧力を開放すると瞬時に復元するため、圧縮状態にあるフォーム材の復元力に抗った状態を保ったまま処理部位に装着する必要があり、装着の作業性が非常に悪い。フォーム材を薄くすれば装着の作業性は向上するが、隙間が生じるため防音、断熱の各性能が十分ではなくなる。また、柔らかいフォーム材を使用して圧縮状態のフォーム材の復元力を下げることで作業性をやや改善することはできるが、その効果は僅かであり、むしろシール性能に劣るようになる。
【0047】
これに対して本発明で用いる感熱膨張材は、圧縮した状態で形状が保持されているために極めて容易に処理部位への装着を行うことができる。また、装着後に熱を加えることでスポンジ状に膨張して隙間を埋めるため、十分なシール性能、防音、断熱の各性能が発揮される。
【0048】
尚、上記において、感熱膨張のための加熱温度は熱可塑性樹脂(b)の融点および/または熱可塑性樹脂(b)の添加量によって適宜設定することができる。熱可塑性樹脂(b)の融点が低いほど低温で感熱膨張する。また、熱可塑性樹脂(b)の添加量が低いほど低温で感熱膨張する。熱可塑性樹脂(b)の使用量が少ない場合は融点よりも低温で感熱膨張するようになり、感熱膨張温度は熱可塑性樹脂(b)の使用量にも依存するが、少なくとも熱可塑性樹脂(b)の融点まで加熱すれば感熱膨張を開始する。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体はモノマーユニットであるエチレンと酢酸ビニルの共重合比によって50〜100℃程度の融点のものが市販されており、適当な融点のものを選択すればよい。また、より高温で感熱膨張させたい場合は、例えば融点約250℃であるポリエチレンテレフタレート等を使用すればよい。
【0052】
図2に示すように(簡単のために、エンジン20と感熱膨張材21のみを示している)、本発明の自動車用防音カバーでは、感熱膨張材21はその厚さ方向に圧縮された状態で保持されており、従来のフォーム材のように圧縮状態のフォーム材の復元力に抗することなくエンジン20に装着可能である。この状態では、図示されるようにエンジン20と感熱膨張材21との間には隙間が存在する。そして、図3に示すように、圧縮状態にある感熱膨張材21を所定温度に加熱すると、感熱膨張材21が厚み方向に膨張して前記隙間を埋めてエンジン20との密接な接合状態が得られる。このように、本発明の感熱膨張材を使用することにより、エンジン20への装着が容易であるばかりでなく、防音性能も良好なものとなる。
【0053】
尚、形状回復のための加熱方法は特に制限されるものではなく、所定温度に加熱した熱板をカバー本体11に押し当てる、あるいはドライヤーにより熱風を吹き付ける等の方法を採ることができる。また、一般的な自動車でもエンジンをアイドリング運転することにより、ボンネット内の温度が80℃程度まで上昇することが多いが、感熱膨張材の中には前記の温度以下、例えば75℃程度で形状が復元するものもあり、その場合は特に加熱操作を行わなくともエンジン20をアイドリング運転するだけでよく、装着のための作業工数を減らすことができる。
【0054】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0055】
(実施例1)
架橋可能な高分子材料であるエチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴム100重量部に対し、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)であるエチレン-酢酸ビニル共重合体10重量部と、更に各種配合剤を表1に示す配合にてゴム練りロールで混合して発泡体組成物を得た。次いで、この発泡体組成物を150×150×2mmの形状に未架橋のまま熱プレスを用いて80℃で成形し、成形品を熱風加熱炉で180℃×10minの条件で加熱して発泡体を得た。発泡体の嵩密度は90kg/m3であった。次いで、この発泡体を熱風加熱炉で120℃×10minの条件で加熱し、取り出し後に直ちに室温の鉄板に2mmのスペーサと共に挟み、そのまま10min放置して室温まで冷却して感熱膨張材を得、更に直径30mmの円盤状に打ち抜いて試験体とした。
【0056】
得られた試験体について、図4に示す厚さ測定装置を用いて加熱中の厚さを測定した。尚、図示される装置は、直径50mm、長さ200mmの円筒炉42の底部に試験体43を置き、円筒炉42の上部開口部の上方に設置されたレーザー変位計41からレーザー光45を試験体43に照射し、そのときの反射光から試験体43の厚さを測定する構成となっている。また、図中44は炉内温度を測定するための熱電対である。測定は、1℃/minの昇温速度で、室温〜125℃の範囲で行った。
【0057】
(実施例2)
実施例1におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体を20重量部とした他は実施例1と同様にして試験体を作製した。圧縮前の発泡体の嵩密度は80kg/m3であった。また、実施例1と同様にして加熱中の試験体の厚みを測定した。
【0058】
(実施例3)
実施例1におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体を50重量部とした他は実施例1と同様にして試験体を作製した。圧縮前の発泡体の嵩密度は200kg/m3であった。また、実施例1と同様にして加熱中の試験体の厚みを測定した。
【0059】
(実施例4)
実施例1におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体を100重量部とした他は実施例1と同様にして試験体を作製した。圧縮前の発泡体の嵩密度は210kg/m3であった。また、実施例1と同様にして加熱中の試験体の厚みを測定した。
【0060】
(実施例5)
実施例2におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体の代わりに、同じく分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)であるエチレン-アクリル酸共重合体を用いた他は実施例1と同様にして試験体を作製した。圧縮前の発泡体の嵩密度は90kg/m3であった。また、実施例1と同様にして加熱中の試験体の厚みを測定した。
【0061】
(実施例6)
実施例3におけるエチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴムの代わりに、同じく架橋可能な高分子材料であるニトリルゴムを用い、軟化剤としてパラフィン系オイルの代わりにニトリルゴムと相溶性のあるエステル系オイルを使用し、架橋可能な高分子材料100重量部に対して分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)であるエチレン-酢酸ビニル共重合体を100重量部とした他は実施例1と同様にして試験体を作製した。圧縮前の発泡体の嵩密度は340kg/m3であった。また、実施例1と同様にして加熱中(但し、室温〜170℃)の試験体の厚みを測定した。
【0062】
上記実施例1〜6の発泡体組成物の組成を表1にまとめて示す。また、実施例1〜3の試験体の厚さの測定結果を図5に、実施例4〜6の試験体の厚さの測定結果を図6にそれぞれ示す。
【0063】
【表1】
【0064】
EPDM:JSR(株)製エチレン-エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴムEP33 、ムーニー粘度45(@100℃)、ジエン種類エチリデンノルボーネン、エ チレン含量52%
NBR :日本ゼオン(株)製ニトリルゴムNipolDN3335、ムーニー粘度35(@100 ℃)、アクリロニトリル量33%
EVA: 東ソー(株)製エチレン-酢酸ビニル共重合体 ウルトラセン633、比 重0.94、メルトフローレート 20 g/10min 、融点83℃、ビカット軟化温 度51℃
EEA: 日本ユニカー(株)製エチレン-アクリル酸共重合体 NUCコポリマー NDPJ-9169、比重0.93、メルトフローレート 20 g/10min 、融点90℃、 ビカット軟化温度50℃
パラフィン系オイル:神戸油化学工業(株)製パラフィン系オイル シンタック PA100、比重0.8832、粘度73.89mm/s(@40℃)
エステル系オイル:ロームアンドハース社製ジ(ブトキシエトキシエチル)アジペート TP95
TMTD:架橋促進剤テトラメチルチウラムジスルフィド
MBT:架橋促進剤2-メルカプトベンゾチアゾール
ADCA+助剤:三協化成(株)製発泡剤セルマイクCAP250、アゾジカルボンアミドと尿素の混合物
【0065】
(比較例1)
実施例2におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体を400重量部とした他は実施例1と同様にして試験体を作製した。圧縮前の発泡体の嵩密度は160kg/m3であった。また、実施例1と同様にして加熱中の試験体の厚みを測定した。
【0066】
(比較例2)
実施例2におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体の代わりに、分子中に酸素を持たない結晶性の熱可塑性樹脂であるポリエチレンを用いた他は実施例1と同様にして試験体を作製した。圧縮前の発泡体の嵩密度は90kg/m3であった。また、実施例1と同様にして加熱中(但し、室温〜150℃)の試験体の厚みを測定した。
【0067】
(比較例3)
実施例2におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体の代わりに、分子中に酸素を持たない結晶性の熱可塑性樹脂であるポリプロピレンを用い、圧縮前の加熱温度を180℃とした他は実施例2と同様にして試験体を作製した。圧縮前の発泡体の嵩密度は150kg/m3であった。また、実施例1と同様にして加熱中(但し、室温〜230℃)の試験体の厚みを測定した。
【0068】
(比較例4)
実施例2におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体の代わりに、分子中に酸素を有する非晶性の樹脂であるアクリル樹脂を用いた他は実施例2と同様にして試験体を作製した。圧縮前の発泡体の嵩密度は70kg/m3であった。また、実施例1と同様にして加熱中(但し、室温〜150℃)の試験体の厚みを測定した。
【0069】
(比較例5)
実施例1におけるエチレン-酢酸ビニル共重合体を使用しなかった他は実施例1と同様にして試験体を作製した。圧縮前の発泡体の嵩密度は90kg/m3であった。また、実施例1と同様にして加熱中の試験体の厚みを測定した。
【0070】
上記比較例1〜5の発泡体組成物の組成を表2にまとめて示す。また、比較例1〜3の試験体の厚さの測定結果を図7に、比較例4、5の試験体の厚さの測定結果を図8にそれぞれ示す。
【0071】
【表2】
【0072】
EPDM:JSR(株)製エチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴムEP33、ムーニー 粘度45(@100℃)、ジエン種類エチリデンノルボーネン、エチレン含量 52%
EVA:東ソー(株)製エチレン-酢酸ビニル共重合体 ウルトラセン633、比重 0.94、メルトフローレート 20 g/10min 、融点83℃、ビカット軟化温度 51℃
LDPE:日本ポリケム(株)製ポリエチレン LF561M、比重0.93、メルトフローレート 4.0 g/10min 、融点115℃、ビカット軟化温度100℃
PP:グランドポリマー(株)製ポリプロピレン グランドポリプロJ105WT、比重 0.91、メルトフローレート 15g/10min、融点160℃、ビカット軟化温度 1 50℃
PMMA:三菱レイヨン(株)製アクリル樹脂 アクリペットMD001、比重1.19、メルトフローレート 6.0 g/10min 、ビカット軟化温度94℃
パラフィン系オイル:神戸油化学工業(株)製パラフィン系オイル シンタック PA100、比重0.8832、粘度73.89mm/s(@40℃)
TMTD:架橋促進剤テトラメチルチウラムジスルフィド
MBT:架橋促進剤2-メルカプトベンゾチアゾール
ADCA+助剤:三協化成(株)製発泡剤セルマイクCAP250、アゾジカルボンアミド(ADCA)と尿素の混合物
【0073】
図5及び図6から明らかなように、本発明に係る実施例1〜6の試験体は特定温度まではほぼ一定の厚さであり、特定温度で厚さが急激に増加し、厚さ増加後は一定の厚さとなる理想的な挙動を示している。具体的には、実施例1は40〜60℃(温度差20℃)、実施例2は45〜70℃(温度差25℃)、実施例3は60〜70℃(温度差10℃)、実施例4は80〜110℃(温度差30℃)、実施例5は50〜65℃(温度差15℃)と実施例6は80〜100℃(温度差20℃)の狭い温度域で急激に厚さが増加している。また、実施例1〜5は分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)の添加量を変更したものであるが、この熱可塑性樹脂(b)の添加量によって感熱膨張材の加熱膨張温度を調整できることがわかる。また、実施例6は架橋可能な高分子材料(a)としてニトリルゴムを用いたものであるが、実施例1〜5で用いているエチレン-プロピレン-ジエン共重合ゴムと同様に感熱膨張材が得られている。
【0074】
これに対し、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)の配合量が300重量部を超える比較例1の試験体は、温度上昇をしても厚さが一定で感熱膨張しない。よって、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)の配合量が300重量部を超えるものは感熱膨張材とはならないことがわかる。また、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)の代わりに、分子中に酸素を有しない結晶性樹脂であるポリエチレンを使用した比較例2の試験体は、50〜125℃(温度差75℃)といった広い温度域で厚さが増加しており、加熱による急激な厚さ増加が見られず、このことから分子中に酸素を有しない結晶性樹脂であるポリエチレンは感熱膨張材には適さないことがわかる。また、同じく分子中に酸素を有しない結晶性樹脂であるプロピレンを使用した比較例3でも、170〜215℃(温度差45℃)といった広い温度域で厚さが増加しており、感熱膨張材には適さないことがわかる。また、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)の代わりに、分子中に酸素を有する非晶性樹脂であるアクリル樹脂を使用した比較例4の試験体は、圧開放直後に殆ど膨張を終了し、その後温度上昇と共にわずかに膨張するのみで特定温度で急激に膨張する挙動を示さないことから、非晶性樹脂であるアクリル樹脂は感熱膨張材には適さないことがわかる。また、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)を使用していない比較例5の試験体は、圧縮後の圧開放直後に復元してしまい、十分に形状保持できず感熱膨張材には適さないことがわかる。
【0075】
以上より、本発明の感熱膨張材は、架橋可能な高分子材料(a)100重量部に対して、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)5〜300重量部を含む発泡体組成物を使用する必要があることが確認された。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、防音性及び装着性に優れた自動車エンジン用防音カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジン用防音カバーの一例(V型エンジン用)を示す概略斜視図である。
【図2】図1のエンジン用防音カバーのエンジンへの装着状態(加熱前)を説明するための模式図である。
【図3】図1のエンジン用防音カバーのエンジンへの装着状態(加熱後)を説明するための模式図である。
【図4】実施例で用いた厚さ測定装置を示す概略図である。
【図5】実施例1〜3の各試験体の温度と厚さとの関係を示すグラフである。
【図6】実施例4〜6の各試験体の温度と厚さとの関係を示すグラフである。
【図7】比較例1〜3の各試験体の温度と厚さとの関係を示すグラフである。
【図8】比較例4、5の各試験体の温度と厚さとの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 エンジン用防音カバー
11 カバー本体
12 フォーム材
13 吸気マニホールド
14 吸気コレクタ
15 締結孔
20 エンジン
21 感熱膨張材
41 レーザー変位計
42 円筒炉
43 試験体
44 熱電対
45 レーザー光
Claims (5)
- 架橋可能な高分子材料(a)100重量部と、分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)5〜300重量部とを含む発泡体組成物を所定形状に成形し、架橋、発泡させた後、得られた発泡体を分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)の融点以上の温度に加熱して圧縮し、圧縮したまま結晶性の熱可塑性樹脂(b)の融点以下の温度に冷却して得られる感熱膨張材を目地材として備えることを特徴とする自動車用防音カバー。
- 発泡体組成物中の架橋可能な高分子材料(a)がゴムであることを特徴とする請求項1記載の自動車用防音カバー。
- 発泡体組成物中の架橋可能な高分子材料(a)が硫黄または硫黄化合物で架橋可能なゴムであることを特徴とする請求項1または2記載の自動車用防音カバー。
- 発泡体組成物中の架橋可能な高分子材料(a)がエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の自動車用防音カバー。
- 発泡体組成物中の分子中に酸素を有する結晶性の熱可塑性樹脂(b)がエチレン−酢酸ビニル共重合体またはエチレン−アクリル酸共重合体であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の自動車用防音カバー。
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