JP4554059B2 - Epdm系加硫発泡体 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、ジエン含量の高いEPDMを用いてなる耐熱性と耐候性に優れるEPDM系加硫発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
EPDM系の加硫発泡体は、その優れたクッション性や圧縮性等に基づいて気密や止水等のシール材、あるいは断熱や防音等のシール材などとして家電等の室内用品や自動車等の屋外用品、住宅等の建築物などの各種の分野で広く使用されており、その用途に応じクッション性や圧縮性等の特性が調節されている。その場合、段差等の平坦部でない箇所を含む部位に適用する必要のあるときには良好な段差追従性を示して高いシール性能を維持できるように通例、高発泡で柔軟性に富む加硫発泡体に調節される。
【0003】
従来、前記の高発泡で柔軟性に富む加硫発泡体を得る場合にはジエン含量の高いEPDMが用いられてきた。これはその高いジエン含量に基づいて加硫・発泡処理を制御しやすく、高い発泡倍率としやすいことによる。しかしながらジエン含量の高いEPDMを用いた加硫発泡体は、ジエン含量の低いEPDMを用いた加硫発泡体よりも耐熱性と耐候性に劣る問題点があった。
【0004】
【発明の技術的課題】
本発明は、ジエン含量の高いEPDMを用いて耐熱性と耐候性に優れると共に高発泡で柔軟性に富むEPDM系加硫発泡体の開発を課題とする。
【0005】
【課題の解決手段】
本発明は、ジエン含量が8〜20重量%のEPDMと、10〜50重量%のエチレン・プロピレンゴムとの混合物からなるゴム成分の加硫発泡体からなることを特徴とするEPDM系加硫発泡体を提供するものである。
【0006】
【発明の効果】
本発明によれば、ジエン含量の高いEPDMを用いたことで加硫・発泡処理を制御しやすく、段差追従性等に優れて平坦部でない箇所を含む部位においても高いシール性能を発揮する高発泡で柔軟性に富むと共に、ジエン含量の低いEPDMを用いた場合にほぼ匹敵する耐熱性と耐候性を示してゴム物性によるクッション性や圧縮性等の性能に優れる加硫発泡体を得ることができる。
【0007】
【発明の実施形態】
本発明によるEPDM系加硫発泡体は、ジエン含量が8〜20重量%のEPDMと、10〜50重量%のエチレン・プロピレンゴムとの混合物からなるゴム成分の加硫発泡体からなる。斯かる加硫発泡体の形成は、例えば当該EPDM、エチレン・プロピレンゴム、加硫剤及び発泡剤を少なくとも成分とする混和物を加熱して加硫発泡処理する方法などにより行うことができる。
【0008】
EPDMとしては、例えばエチレン・α−オレフィン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体などからなるジエン含量が8〜20重量%の適宜なものの1種又は2種以上を用いることができる。就中、ゴム物性等による圧縮性などの点よりはムーニー粘度(ML1+4、100℃、以下同じ)が5〜30のEPDMが好ましく用いうる。なお前記のα−オレフィンとしては、プロピレンが一般的であるがそれに限定されない。
【0009】
エチレン・プロピレンゴムとしては、適宜なものを1種又は2種以上用いうる。斯かるエチレン・プロピレンゴムの併用でジエン含量の高いEPDMの使用による低密度の高発泡を達成しつつ、ジエン含量の低いEPDMを用いた加硫発泡体にほぼ匹敵する耐熱性と耐候性を達成することができる。これはジエン含量の高いEPDMにおける加硫発泡処理の良好なタイミング制御性を損なうことなく、エチレン・プロピレンゴムの併用でゴム成分全体としてジエンの含量率を低下させる薄め効果が発現し、ジエン含量の低いEPDMの使用にほぼ匹敵する耐熱性等が発現するものと考えられる。
【0010】
エチレン・プロピレンゴムの使用量は、10重量%以上、就中20重量%以上、特に25〜50重量%である。その使用量が10重量%未満では併用効果に乏しくて前記した薄め効果等が発現しにくく、50重量%を超えるとジエン含量の高いEPDMの使用による高発泡が達成されにくく得られる加硫発泡体が伸び率の劣るものとなりやすい。
【0011】
EPDMとエチレン・プロピレンゴムは、それらを予め混合してその混合物を加硫剤等の他成分との混合に用いることが上記した特性の安定した発現性などの点より好ましい。またその場合、溶液化による混合方式の如く分子レベルの混合状態よりも、バンバリーミキサ等の混練機による混合状態がジエン含量の高いEPDMの使用による加硫発泡処理の良好なタイミング制御性の温存などの上記した特性の達成の点より好ましい。
【0012】
加硫剤としては、EPDMとエチレン・プロピレンゴムを加硫ないし架橋できる1種又は2種以上の適宜なものを用いることができ、特に限定はない。ちなみにその例としては、硫黄や硫黄化合物類、セレンや酸化マグネシウム、一酸化鉛や酸化亜鉛、有機過酸化物類やポリアミン類、P−キノンジオキシムやP,P'-ジベンゾイルキノンジオキシムの如きオキシム類やP−ジニトロソベンジンの如きニトロソ化合物類、アルキルフェノール・ホルムアルデヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物の如き樹脂類や安息香酸アンモニウムの如きアンモニウム塩類などがあげられる。
【0013】
得られる加硫発泡体の物性などの点よりは硫黄と1分半減期温度が160℃超の有機過酸化物とを併用する方式が好ましい。これにより硫黄にて160℃程度の低温側でEPDMを加硫処理した後、1分半減期温度が160℃超の有機過酸化物にてエチレン・プロピレンゴムを160℃超の高温側で架橋処理することができる。EPDMのみを加硫してエチレン・プロピレンゴムが未架橋の状態ではその未架橋部分に歪みが生じやすく、圧縮復元性の低下原因等となりやすい。
【0014】
1分半減期温度が160℃超の有機過酸化物としては適宜なものを用いうる。
就中、処理効率などの点より例えばジクミルパーオキシドやジメチルジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンの如き1分半減期温度が200℃以下、就中170〜190℃の有機過酸化物が好ましく用いうる。加硫剤の使用量は、その種類に基づく加硫効率などに応じて適宜に決定することができる。一般にはEPDM100重量部あたり0.1〜10重量部、就中0.5〜5重量部が用いられる。
【0015】
一方、発泡剤としても1種又は2種以上の適宜なものを用いることができ、特に限定はない。ちなみにその例としては、炭酸アンモニウムや炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウムや亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウムやアジド類などの無機系発泡剤があげられる。またトリクロロモノフルオロメタンやジクロロモノフルオロメタンの如きフッ化アルカン、アゾビスイソブチロニトリルやアゾジカルボン酸アミド(ADCA)、バリウムアゾジカルボキシレートの如きアゾ系化合物等の有機系発泡剤もあげられる。
【0016】
さらにパラトルエンスルホニルヒドラジドやジフェニルスルホン−3,3'−ジスルホニルヒドラジド、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)の如きヒドラジン系化合物、ρ−トルイレンスルホニルセミカルバジドや4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルセミカルバジド)の如きセミカルバジド系化合物、5−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールの如きトリアゾール系化合物、N,N'−ジニトロソペンタメチレンテトラミンやN,N'−ジメチル−N,N'−ジニトロソテレフタルアミドの如きN−ニトロソ系化合物などの有機発泡剤もあげられる。
【0017】
用いる発泡剤は、加熱膨脹性の物質がマイクロカプセル内に封入された熱膨脹性微粒子などであってもよい。その熱膨脹性微粒子にはマイクロスフェア(商品名、松本油脂社製)などの市販物もある。発泡剤の使用量は、目的とする加硫発泡体の物性などに応じて適宜に決定することができる。一般には、EPDM100重量部あたり0.1〜100重量部、就中0.5〜50重量部、特に1〜30重量部の発泡剤が用いられる。
【0018】
混和物の調製は、EPDM、エチレン・プロピレンゴム、加硫剤及び発泡剤等からなる配合成分を例えばニーダやミキシングロール等の混練機を介して混合する方式などの適宜な方式で混合することにより行うことができる。その際、加硫が進行する程度に温度上昇する混合方式は好ましくない。また上記した如くEPDMとエチレン・プロピレンゴムはそれらを別途に混合してその混合物を他の配合成分との混合に供することもできる。
【0019】
混和物の調製に際しては、粘度や加硫性の調節、得られる加硫発泡体の強度等の物性の調節などを目的に従来に準じた適宜な配合剤を必要に応じて添加することができる。ちなみに加硫の促進を目的に例えばグアニジン類やチアゾール類、スルフェンアミド類やチューラム類、ジチオカルバミン酸類やキサントゲン酸類、アルデヒドアンモニア類やアルデヒドアミン類、チオウレア類などからなる1種又は2種以上の加硫促進剤、さらには加硫促進助剤を配合することができる。
加硫促進剤の使用量は、EPDM100重量部あたり0.1〜10重量部が適当であるが、これに限定されない。
【0020】
また混和物には、その加工性ないし成形性の調節などを目的に例えば無水フタル酸や安息香酸やサリチル酸の如き有機酸、N−ニトロソ−ジフェニルアミンやN−ニトロソ−フェニル−β−ナフチルアミンの如きアミン類などからなる1種又は2種以上の加硫遅延剤を配合して、上記した加硫促進剤とは反対に加硫を遅らせることもできる。
【0021】
さらに混和物には、成形性の調節などを目的に、例えば塩素化パラフィン等のパラフィン類やワックス類、ナフテン類やアロマ類やアスファルト類、アマニ油等の乾性油類や動植物油類、石油系オイル類や各種の低分量ポリマー類、フタル酸エステル類やリン酸エステル類、ステアリン酸やそのエステル類、アルキルスルホン酸エステル類や粘着付与剤などからなる1種又は2種以上の軟化剤ないし可塑剤を添加することもできる。なおステアリン酸やそのエステル類は、滑剤などとしても有用で、従って各種の滑剤も配合しうる成分の例としてあげられる。
斯かる軟化剤等の配合量は、EPDM100重量部あたり15〜40重量部、就中20〜35重量部が一般的である。
【0022】
加えて混和物には、尿素系やサリチル酸系や安息香酸系等の発泡助剤、タルクやクレー、炭酸カルシウムや雲母粉、亜鉛華やベントナイト、カーボンブラックやシリカ、アルミナやアルミニウムシリケート、アセチレンブラックやアルミニウム粉の如き充填剤、炭酸マグネシウムや水酸化アルミニウム、ケイ酸やその塩類の如き難燃剤、その他、老化防止剤や酸化防止剤、顔料や着色剤、防カビ剤などの適宜な配合剤の1種又は2種以上を必要に応じて添加することができる。なお前記の亜鉛華は安定剤として、カーボンブラックは補強剤などとしても有用で、従って各種の安定剤や補強剤も配合しうる成分の例としてあげられる。
【0023】
本発明によるEPDM系加硫発泡体の形成は、上記した混和物を加熱して加硫発泡処理することにより行いうるが、その形成に際しては必要に応じ混和物を例えばシート等の所定の形態に成形して、その成形体を加熱処理して加硫発泡体とすることもできる。その場合、成形体は、適宜な方式にて任意な形態に成形したものであってよく、その形態について特に限定はない。従って加硫発泡処理の対象物は、混和物を例えばミキシングロールやカレンダーロールや押出成形等による適宜な方式でシート状やその他の形態に成形したものであってもよいし、所定の型を介して射出成形やプレス成形等による適宜な方式で凹凸等を有する所定の形態に成形したものなどであってもよい。
【0024】
前記において凹凸形状を有する加硫発泡体の形成では、未加硫シートを凹凸を有する型の上に配置して加熱し、その型の凹凸に前記未加硫シートを形成する混和物を流動侵入させて加硫発泡処理する方式なども採ることができる。かかる方式は、ヒダ構造を有する複雑で深い凹凸構造を有する型の場合にもその凹凸形状を精度よく形成できる利点などを有している。よって成形体の寸法は任意であり目的とする加硫発泡体の形態などに応じて適宜に決定することができる。シート等の場合、その厚さは100mm以下、就中1μm〜80mm、特に10μm〜50mmが一般的である。
【0025】
上記した加硫発泡処理は、用いた加硫剤や発泡剤などによる加硫開始温度や加硫発泡温度などにより従来に準じた適宜な条件で行うことができる。一般的な加硫発泡温度は、450℃以下、就中100〜350℃、特に120〜300℃である。かかる加硫発泡処理で通例、混和物が軟化して発泡剤が膨脹し発泡構造を形成しつつ加硫が進行して目的の加硫発泡体が形成される。その場合、発泡処理と加硫処理は、異なる温度条件で行うこともでき適宜な処理条件を採ることができる。また加硫発泡処理は、発泡倍率の調節などを目的に加圧下に行うこともできる。その加圧条件は、従来に準じることができる。
【0026】
形成する加硫発泡体の発泡倍率(加硫発泡前後の密度比)は、使用目的などに応じて適宜に決定することができる。一般にはジエン含量の高いEPDMを用いたことによる高発泡の利点を活かす点より10倍以上、就中12〜20倍とされる。その発泡倍率は、上記した発泡剤の配合量、加硫発泡の処理時間や温度などにより制御することができる。また発泡倍率の調節などにより得られる加硫発泡体の独立や連続、それらの混在等の発泡構造を制御することができる。
【0027】
本発明によるEPDM系加硫発泡体は、例えばクッション材やパッド材、気密や防水、断熱や防音等の各種目的のシール材、振動低減材などの従来に準じた各種の用途に好ましく用いることができる。就中、ジエン含量の高いEPDMの使用にて高発泡で柔軟性に富む加硫発泡体としてその良好な段差追従性に基づき、段差等の平坦部でない箇所を含む部位に適用するシール材などとして好ましく用いることができる。
【0028】
【実施例】
実施例1
ジエン含量が9.5重量%のエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(住友化学工業社製、エスプレン505A:エチレン含量50重量%)からなるEPDM70部(重量部、以下同じ)、及びエチレン・プロピレンゴム(住友化学工業社製、エスプレン201:エチレン含量49重量%)30部をバンバリーミキサーで10分間混練し、それにカーボンブラック(旭カーボン社製、旭カーボン#50)10部、酸化亜鉛(三井金属工業社製、酸化亜鉛2種)5部、粉末ステアリン酸(日本油脂社製)2部、プロセスオイル(出光興産社製、ダイアナプロセスPW−90)30部、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム社製)100部、及び水酸化アルミニウム(昭和電工社製、ハイジライH−42)30部を加えてさらに8分間混練後、ミキシングロールで精練りしてシート化した。
【0029】
次に前記シート化による混和物100部に、硫黄(細井化学社製、微分硫黄)0.5部、有機過酸化物(日本油脂社製、パーヘキサV−40:1分半減期温度166℃)3.0部、チアゾール系加硫促進剤(大内新興化学社製、ノクセラーM)1.0部、ジチオカルバミン酸塩系発泡剤(大内新興化学社製、ノクセラーEZ)0.6部、ジチオカルバミン酸塩系発泡剤(大内新興化学社製、ノクセラーPZ)0.6部、ADCA(永和化成社製、ビニホールAC#LQ)12部、及び尿素(永和化成工業社製、セルペーストK−5:発泡助剤)3部を加えミキシングロールで混練して混和物を得、それを押出し機で成形して厚さ4.5mm、幅150mmの未加硫シートとしそれを乾燥機中にて100℃で20分間予熱後15分間かけて160℃に昇温しその温度で15分間加熱して加硫発泡処理し、ついで180℃にて70分間加熱して発泡倍率が12倍の加硫発泡シートを得た。
【0030】
実施例2
EPDMとエチレン・プロピレンゴムの使用割合を50部ずつの同量とし、かつ硫黄の使用量を1.0部、有機過酸化物の使用量を5.0部としたほかは実施例1に準じて発泡倍率が12倍の加硫発泡シートを得た。
【0031】
比較例1
EPDMの使用量を100部としてエチレン・プロピレンゴムを配合せず、それにカーボンブラック10部、酸化亜鉛5部、粉末ステアリン酸2部、プロセスオイル30部、重質炭酸カルシウム100部、及び水酸化アルミニウム30部を加えてバンバリーミキサーで10分間混練後ミキシングロールで精練りしてシート化し、その混和物100部に、硫黄0.5部、チアゾール系加硫促進剤0.5部、ジチオカルバミン酸塩系発泡剤0.6部、ADCA12部、及び尿素3部を加えミキシングロールで混練して混和物を得、それを押出し機で未加硫シートに成形したほかは実施例1に準じて、発泡倍率が12倍の加硫発泡シートを得た。
【0032】
比較例2
ジエン含量が4重量%のエチレン・プロピレン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体(住友化学工業社製、エスプレン501A:エチレン含量52重量%)からなるEPDMの使用量を100部としてエチレン・プロピレンゴムを配合せず、それにカーボンブラック10部、酸化亜鉛5部、粉末ステアリン酸2部、プロセスオイル30部、重質炭酸カルシウム100部、及び水酸化アルミニウム30部を加えてバンバリーミキサーで10分間混練後ミキシングロールで精練りしてシート化し、その混和物100部に、硫黄1.5部、チアゾール系加硫促進剤1.0部、ジチオカルバミン酸塩系発泡剤2.0部、ADCA12部、及び尿素3部を加えミキシングロールで混練して混和物を得、それを実施例1に準じ押出し機で未加硫シートに成形し、それを乾燥機中にて100℃で25分間予熱後15分間かけて160℃に昇温しその温度で15分間加熱して加硫発泡処理し、ついで180℃にて70分間加熱して発泡倍率が10倍の加硫発泡シートを得た。
【0033】
評価試験
実施例、比較例で得た加硫発泡シートについて、耐候性(大日本プラスチック社製、ダイプラメタル・ウェザー)を調べた。その試験は、シートを厚さ10mmにスライスしてJIS K 6251による引張り試験用ダンベル1号にて打抜き、その試料を光エネルギー68.0mW/cm2にて、83℃、50%RHで8時間と30℃、98%RHで4時間を1サイクルとして4サイクル繰り返して暴露後、JIS K 6251に準拠して引張り試験し、その際の伸び率より次の式にて伸び残率を求めた。
伸び残率(%)=(暴露後伸び率/暴露前伸び率)×100
【0034】
実施例、比較例で得た加硫発泡シートについて、JIS K 6262による圧縮永久歪み試験の試験機を用いて熱圧縮永久歪みを調べた。その試験は、直径29mm、厚さ10±0.15mmの試料を平行金属板間に配置して厚さ5mmのスペーサを介し平行金属板をボルト締めして固定し(試料圧縮率50%)、それを100℃の恒温槽中にて22時間放置したのち平行金属板間より試料を取り出して室温で30分間放冷し、その際の試料の厚さをJIS K 6262による測厚器にて測定して次式により熱圧縮永久歪み(CS)を算出した。
CS(%)=(試験前厚−試験後厚)/(試験前厚−スペーサ厚)×100
【0035】
前記の結果を次表に示した。
【0036】
表より、エチレン・プロピレンゴムを併用した実施例1、2ではそれを用いない比較例1と比べてウェザーメーター暴露後の伸び残率に優れると共に、熱圧縮永久歪みの小さいことがわかる。これより実施例にてジエン含量の低い比較例2にほぼ匹敵する耐候性と耐熱性が達成され、かつ比較例2よりも高発泡倍率の達成されていることがわかる。
Claims (2)
- ジエン含量が8〜20重量%のEPDMと、10〜50重量%のエチレン・プロピレンゴムとの混合物からなるゴム成分の加硫発泡体からなることを特徴とする、EPDM系加硫発泡体。
- 請求項1において、EPDMがエチレン・α−オレフィン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体であり、硫黄と1分半減期温度が160℃超の有機過酸化物とで加硫処理したものであるEPDM系加硫発泡体。
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