JP4087976B2 - 電気的外乱ノイズを検出する電子秤 - Google Patents

電気的外乱ノイズを検出する電子秤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電気的外乱ノイズを検出する装置に係り、特に電子秤に既設のセンサを用いて電気的外乱ノイズを検出することが可能に構成された装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子天秤と称される電磁平衡式の秤量装置やロードセル式の秤量装置などの所謂電子秤においては、温度等の物理量を計測し、この計測結果を用いて測定値を補正し、より正確な測定値を得るように構成されている。
【0003】
上記電子秤においては電気信号を処理して計測結果を得る構成であるため、電気的な外乱ノイズがあると、これが測定値の算出に大きく影響し、測定値の信頼性が低下してしまう。また前記物理量を計測した結果として出力される温度データもこの電気的外乱ノイズにより実際の物理量とはことなる値が出力され、この結果誤った補正値により補正が行われることになる。このように各種データを入出力しかつ複雑な演算回路を構成している電子秤においては電気的外乱ノイズは装置の信頼性を損なう重大な要因となっている。
【0004】
電気的外乱ノイズ及びその発生源は千差万別であり、かつ電子秤の置かれている環境によっても相違するが、例えば車両のエンジンのプラグから発する電磁波、帯電した静電気の放電ノイズ、各種電気機器の電源ノイズ、I/O信号ノイズ、更には最近では携帯電話使用による電磁波ノイズ等多くの電気ノイズが外乱として作用する環境下で使用されていることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来からこのような電気的外乱ノイズに対しては、下記のような対策が実施されいているが何れも一長一短があり、特に装置の複雑化、コストアップという点で問題を抱えている。
(a)機器のケースがプラスチック等で形成されている場合、ケース内側を導電処理をする方法。
この方法は装置の製造コストが高くなる欠点がある。
(b)電気的な外乱ノイズの影響を小さくする配線パターンを設計する。
この方法は配線パターンの設計に大きな労力を必要とし、然もノイズの影響をを完全に排除することはできない。
(c)電気的外乱ノイズの影響を小さくするよう各部品の実装の設計を行う。
この方法も上記(b)と同じ問題を有している。
(d)電源入力部にノイズフィルタを設けたり、I/O信号部にノイズフィルタを設ける等、電子部品を使用することによりノイズを吸収又は排除する。
この方法はノイズ防止の点ではかなり効果的であるが、コストが上昇する。
以上のように何れの方法も、一長一短があり、しかもこれらの方法を用いても電気的外乱ノイズを完全に除去することは事実上極めて困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の問題において、電気的外乱ノイズの影響を防止するためには、装置は複雑高価なものとなり、しかもその影響を完全に防止することは極めて困難であるとの見地から構成されたものであり、電気的外乱ノイズの有無を検出し、かつノイズが検出された際の計測値を評価し、かつその評価に応じた計測結果(計測不能状態も含めた)を表示するよう構成したものであって、電気的外乱ノイズの検出は、ノイズを検出する手段を特別に設置せず、装置に既設のセンサから出力される信号を用いて電気的外乱ノイズを検出するよう構成した装置である。
【0007】
即ち、温度センサ、湿度センサ、圧力センサ等の物理量を検知するために秤量装置に予め設置されているセンサと、このセンサから出力される信号の変化を監視する手段と、この信号の変化がセンサの計測した物理量の変化による変化か或いは電気ノイズによる変化であるかを判断する手段とを有することにより、既設のセンサから出力される信号の変化を判断することによって電気ノイズの有無を検出するよう構成した装置であることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
電子秤に対しては、温度センサ、湿度センサ、気圧を測定する圧力センサ等秤量装置が配置されている環境における温度、湿度、気圧等の物理量を計測したり、装置内の特定の部品の温度変化を計測するセンサが設置されいてる。特に電子式秤においては計測荷重値の温度係数が以下のとおり大きいため、温度補正の必要上温度センサは必ず具備している。
(1)電磁平衡式秤量装置のマグネット部の磁束密度の温度係数
−200ppm/℃〜−300ppm/℃
(2)ロードセル式秤量装置のロードセル部のスパン温度係数
約+600ppm/℃
【0009】
温度センサは例えば電子秤が配置されている環境中の温度を検知し、この検知結果を電気信号(電圧の変化として出力するものが多い)として出力し、この後A/D変換されて温度データとなり、装置の中央処理部は荷重測定値に対してこの温度データを補正値として用いることにより温度補正された値を荷重測定値として出力することになる。
【0010】
この場合中央処理部には、温度センサから出力された温度データの信号から電気ノイズの有無を判別する機能を有するノイズ検出部が設けられ、温度信号中に電気ノイズが検出された場合には電気ノイズ有りの信号を演算部に出力する。演算部はこの信号により、例えばノイズの程度を判別し、測定値の精度保証桁数を減少させたり、或いはノイズ有りの表示を表示部に出力する等して、秤量装置が電気ノイズに影響されていることを使用者に知らせる表示を行う。
【0011】
温度センサから出力された温度データから、電気ノイズの有無を検出する方法は以下のように何種類かあり、またこれらの方法を組み合わせて使用する方法を採用することも可能である。電気ノイズがあると、このノイズは荷重の算出を行う演算部を始め各部に影響を及ぼすわけであるが、本発明は、ノイズの影響の一つとして温度センサから出力される電気信号に対しても影響を与えることに着目し、この温度検知信号の変化の中から電気ノイズの有無をデジタル処理して判断する点にある。
【0012】
温度センサからの信号は当然のことながらセンサで計測した環境温度の変化を出力したものであるから、この温度検知信号の変化に対応する温度の変化が、電子秤を使用する環境下で実際に起こり得る温度変化であるか否かを判断する。例えば温度検知信号中に短時間(例えば15秒程度)に温度が数℃変化するようなピーク波形が生じた場合、実際の環境温度がこの様な変化を起こすことはあり得ないため、このピーク波形は電気的なノイズであると判断することができる。この場合ピーク波形が終息してピーク波形形成前の変化状態の温度検知信号となったならば、この波形時の温度信号をキャンセルして温度補正を行うことができる。
【0013】
また、温度検知信号が短時間に急激に立ち上がった場合には、その立ち上がった温度と、立ち上がり時間から電気的なノイズの有無を判断することができる。例えば、環境温度の変化に対応して温度センサから温度データとして出力される値は1秒当たり0.01℃以上の変化は生じないことが経験的に知られている。これは温度センサを電子秤内部に設置する場合、電子秤が一定の熱容量を有していることに起因する。従って、単位時間当たりの温度データの変化が上記変化率を越えている場合には温度検知データは電気ノイズに影響されているものと判断できる。
【0014】
更に、温度センサの検知信号と並行して、他のセンサ、例えば気圧センサの検知信号を判断することによっても電気的外乱ノイズの有無を判断することができる。因みに、電子秤においては秤量物の空気による浮力の影響をうけるため、装置によっては気圧センサを用い、測定した気圧を浮力の補正に用いるよう構成されているものがある。このような温度センサ、気圧センサ等は異なる物理量を測定するものであるから、異なるセンサの測定値の変化は基本的には関連性はない。このような状態において、異なるセンサによる測定データの変化が同時にかつ同じ変化になった場合にはその変化は各センサから出力される電気信号に対して電気的な外乱ノイズが影響したものと判断し、電気的外乱ノイズ有りと判断する。異なる複数のセンサからの信号を比較判断する方法は、電気的外乱ノイズの有無の検出精度がより高くなる。
【0015】
【実施例】
以下本発明の実施例を図面を参考に具体的に説明する。
図1は本発明の基本的な構成を示す電子秤のブロック図である。ロードセル或いは電磁平衡部のマグネット用電気出力部等の荷重センサ1から出力された荷重信号Wは重量A/D変換部2において荷重データWDとして温度補正部3に出力される。
【0016】
一方温度センサ4は電子秤の環境温度を計測し、この温度信号tは温度A/D変換部5において温度データTDとして、前記温度補正部3及びノイズ検出部6に出力される。このノイズ検出部6においては、後で詳述するような方法により前記温度データTDが電気的なノイズにより影響されているか否かを判断し、電気的外乱ノイズに影響されていると判断したときはノイズ信号NZを演算・表示処理部7に出力する。演算・表示処理部7ではこのノイズ信号NZに対応して予め定められている方式に従って、荷重の計測値の桁の繰り上げ、ノイズ有りの表示等を表示部8に表示する。この場合演算・表示処理部7はノイズ信号に対応して電気的外乱ノイズの強弱を評価し、これに対応した表示を行うよう構成することも可能である。また、ノイズ検出部6でノイズが検出されない場合には温度補正部3においてこの温度データTDにより補正データWDaを得、演算・表示処理部7はこの補正データWDaを用いて表示値Wdを得てこれを表示部に表示する。
【0017】
図5は上述のノイズ検出部6の構成の一例を、図2は温度データTDの変化から電気的外乱ノイズの有無を検出する方法の第1の例を、また図3は第2の例を、更に図4は他のデータとの比較により電気的外乱ノイズを検出する方法をそれぞれ示している。
【0018】
先ず最初に図2乃至図4を用いてノイズ検出方法の概略を説明する。最初に図2において、温度センサ4により検知された温度変化は温度A/D部5を介して温度データTDとしてデジタル出力される。即ち温度データTDは時間に対応しており、例えば時間ti1から時間ti2の間のΔti1において、温度データTDが図示のようなピークとして出力されたとする。電子秤が配置されている部屋において、極端な暖房の後冷房に切り換える等、冷暖房機器を異常に操作する等の異常時以外に、通常温度変化が短時間のピークをもって変化することはあり得ない。またピークの生じた時間Δti1が例えば15秒等の短時間であれば前記のような異常操作を行ってもこのような温度変化は生じない。
【0019】
以上の点からこの温度データTDの変化のピークは、実際の温度変化にるものではなく電気的外乱ノイズによるものと判断し、ノイズ信号NZを発する。なお、ノイズの有無の判断は、ピークの生じた時間Δti1と温度データTDの変化量ΔTDの両方から行うことになる。また電気的外乱ノイズの有無を判断するための閾値としてのこれら時間Δti1と温度データ変化量ΔTDの値は実際の温度の変化の実測値から設定されるものであるが、この場合経験的に知られている単位時間当たりの温度変化率(符号Kで示す)は実測値でK≦0.01℃/秒であることが参考となる。
【0020】
符号L1はこの温度変化率Kが最大の場合、即ち温度データTDの変化量が図示のΔTD1である場合に、実際の温度変化に必要な時間Δti2との関係を示すものである。従って温度データ変化量ΔTD1の変化時間Δti1と前記時間Δti2とがΔti1<Δti2である場合には変化のピークは温度変化によるものではなく、電気的外乱ノイズに影響されたものと判断する。なお、このようなピークを発生するノイズは各種電気製品のスイッチONによるノイズ、電動モータの起動時等比較的多く生じるノイズである。
【0021】
図3は温度データTDの別の変化の例から電気的外乱ノイズの有無を判別する方法の例を示す。この例では温度データTDは時間ti3において上昇し、時間ti4においてほぼ安定するような変化を示している。温度データTDのこのような変化パターンそのものは暖房装置の使用等により、実際の温度変化においても多々見られるものである。従ってこのような温度データTDの変化から電気的外乱ノイズの有無を判断することは電子秤の実際の使用に当たって極めて重要である。因みにピークを示す温度変化は、電子秤の配置環境からは通常考えられないため、図3のようにピークが生じたならば、このピークは全て電気的外乱ノイズによるものとしてノイズ有無の判断を行うソフトを簡素化することも可能であると考えられる。
【0022】
図3の変化パターンの場合、ノイズの有無を判断するに当たって特に重要となるのは、やはり温度データTDの変化量ΔTD2と、その変化に要した時間Δti3との関係である。前記温度変化率Kを用いて評価すると、温度データTDの変化量ΔTD2に対する最短時間は線L2で示す変化モデルに対応するΔti4であり、時間ti3からti4迄の時間Δti3が、Δti3<Δti4であれば、この温度データTDの変化ΔTD2は実際の温度変化によるものではなく、電気的外乱ノイズによるものと判断される。
【0023】
以上図2及び図3に示す温度データTDの変化は電子秤の設置されている環境の温度の計測データを例に説明しているが、電磁平衡式秤量装置の場合にはこのような環境温度だけでなく、例えば電磁部の温度も検知し、これを補正値とし利用している。従って電磁部に温度センサを設置している装置の場合には環境温度を測定する温度センサの温度データと電磁部に配置された温度センサからの温度データを併用すれば、より高い確率で電気的外乱ノイズの有無を判定することが可能となる。
【0024】
図4はさらに別の手段によるノイズの判断方法を示す。図4の上のグラフは時間tiに対する温度データTDの変化を、また下段のグラフは時間tiに対する圧力(気圧)データPDの変化を示している。常時は各データはそれぞれ異なる物理量の変化を示すデータであるからその変化には基本的には相関関係は生じない。図の例では時間ti4まで温度データTD、圧力データPDはそれぞれ関連なく変化している。しかし、時間ti4から時間ti5までの時間Δti5においてはその変化のパターンはほぼ一致しており、時間ti5以降はまた異なる変化のパターンをとっている。
【0025】
以上のように異なる物理量がそれぞれ独立した事象である場合、それぞれの物理量が同じ時間Δti4において同様に変化することは事実上あり得ないので、この時間Δti4における各データTD、PDの変化は検知した実際の物理量の変化によるものではなく、両データ共に電気的外乱ノイズに影響されたものと判断することができる。このように複数のセンサから出力される計測データを比較判断すると、電気的外乱ノイズの有無の判定をより高精度に実施することが可能となる。なお、この場合図2や図3に示す単位時間当たりのデータの変化率を得ることにより電気的外乱ノイズ有無の判定をする方法をこの方法と併用することももとより可能である。
【0026】
図5は以上に示した電気的外乱ノイズ検出方法を実施するよう構成されたノイズ検出部の構成例を示す。なおこの図示の例は電気的外乱ノイズ検出対象のデータを温度データTDのみとした場合の構成例を示す。因みに現在用いられている電子秤は電子秤配置環境の物理量として温度のみを考慮したものが多用されているため、温度データTDのみから電気的外乱ノイズを検出する構成は現時点においては最も利用範囲の広い構成であると言える。
【0027】
図において、温度A/D部5から出力された温度データTDは温度補正部3に出力されると共にノイズ検出部6の温度変化チェック部9に入力される。この温度変化チェック部9は単位時間(例えば1秒)毎に前記温度データTDをチェックし、この温度データTDの変化が前述の温度変化比率K内であるか否かをチェックする。温度データTDの変化が温度変化比率Kを越えている時はタイマ10をONとして変化パターン記憶部11に時刻データを出力させる。変化パターン記憶部11はこのタイマ10のONと共に温度データTDの変化を記憶する。即ち、温度データTDの変化は、図示すれば図2或いは図3に示されるような時刻データtiに対する温度データTDの変化として当該変化パターン記憶部11に記憶される。
【0028】
一方温度変化極限値記憶部12には前述の温度変化比率Kに基づく、実際の温度変化の変化量とその変化量に達するための最短時間からなる温度変化極限値(図示すれば図2の線図L1、図3の線図L2)が記憶されている。比較部13は変化パターン記憶部から出力された温度データTDの時刻データtiに対する温度データTDの変化パターンと、当該温度変化極限値記憶部10から出力される極限値データとを比較し、温度データTDの変化パターンが実際の温度変化によるものか否を破断し、実際の温度変化によらないもの、即ち電気的外乱ノイズによるものと判断したときは演算・表示処理部7に対してノイズ信号NZを発する。
【0029】
演算・表示処理部7はこのノイズ信号NZにより表示値Wdとして表示する数値の桁数を繰り上げたり、或いは「電気的外乱ノイズ有り」として荷重測定値を表示出来ない旨を表示部に表示したりする。温度データTDの変化量ΔTDは基本的に電気的外乱ノイズの大きさに対応するので、ノイズ信号NZに対し温度データTDの変化量ΔTDを重畳させれば、演算・表示処理部7ではこの電気的外乱ノイズの大きさに対応して、表示値Wdとして表示する数値の桁数の繰り上げ、或いは「電気的外乱ノイズ有り」として荷重測定値表示不能等の評価を、このΔTDの大小により定量的に行うことができる。
【0030】
また、電気的外乱ノイズは検知したが、その電気的外乱ノイズの発生時間が短い場合には、この電気ノイズによる温度データTDを除去し、かつ平均化処理部14において電気的外乱ノイズによる温度データTDを除去した後の温度データTDを平均化した温度データTD´を出力し、この温度データTD´を補正データWDa算出用のデータとして用いるように構成することも可能である。
【0031】
次に電気的外乱ノイズの検知及び、荷重データWDを用いた補正方法を特定の性能を有する電子秤(ロードセル式秤)を例に具体的に説明する。
例えば6kgの秤量を有する電子秤でその最小目盛りが0.1gのとき、温度補正前の荷重データWDは60,000カウント(以下「cnt」と表記する)である。また温度データTDは電子秤が配置される温度環境(10℃から40℃とする)において、例として25℃において300,000cntに設定する。また温度に対する各データは次の特性を有する。
荷重データWD:+600ppm/℃
温度データTD:+4700ppm/℃
【0032】
上記の条件において、環境温度が1℃変化すると各値は次の通りに変化する。荷重データWDは、
WD=60,000cnt×(+600ppm/℃)=+36cnt/℃変化する。
温度データTDは、
TD=300,000cnt×(+4700ppm/℃)=+1410cnt/℃変化する。
よって温度変化に対する荷重データWDの変化は次の式で表すことができる。
(+1410cnt/℃)÷(+36cnt/℃)=39cnt
即ち荷重データWDは温度変化39cntに対して1cntの補正がかかることを示している。つまり温度変化以外の要因で温度データTDが39cnt変化すると、重量値Wdは1cnt誤って表示されることになる。
【0033】
ここで、温度データTDの一秒間の変化分ΔTDについて、実際の環境温度の変化が最大10cnt/秒とするとΔTD≧10cntであれば、この変化分ΔTDは実際の環境温度の変化によるものではなく電気的外乱ノイズによるものと判断できる。
しかし、上記上記電子秤においては重量値Wdの1cntに対する温度変化は39cntであるため、温度データの変化分ΔTDについて、10cntを基準として電気的外乱ノイズの判断をすることはこの電子秤では補正上適切ではない。
【0034】
上記の場合において、実際の電子秤の使用状態を考慮して、荷重データWDが2cnt変化する場合、即ち温度データの変化分ΔTDが78cnt(39cnt×2)を基準とし、ΔTD≧A(A=78cnt)のとき電気的外乱ノイズ有りと判断する。なお重量値Wdが1cnt変化する場合、即ちA=39cntを基準とし電気的外乱ノイズ有無を判断することももとより可能である。
【0035】
図6は上記の手順を示すフロー図である。同図において温度A/D部5から出力された温度データTD(S1)はその変化量ΔTDが前記基準温度変化分Aと比較され(S2)、変化量ΔTDが基準温度変化分Aより大である時は、そのまま電気的外乱ノイズ有りとするか、或いは短時間の変化であるため、ノイズ部分を除去して温度データTDの平均化処理を行うかを判断し(S3)、平均化処理の場合には平均化温度データTD´を得て(S4)、補正データWDaを作成し(S5)、重量値Wdの表示を行う(S9)。一方電気的外乱ノイズ有りの状態で処理する場合(S6)には、電気的外乱ノイズが混入した温度データTDにより補正データWDaを作成する(S10)。その後電気的外乱ノイズの量に対応して、荷重計測値Wdの表示桁数を変更(S7a)して表示し、或いは荷重の表示が不可能の場合には「電気的外乱ノイズあり」等の表示をする(S7b)。
【0036】
また前記S2において変化量ΔTDが基準温度変化分Aより小である時は、電気的外乱ノイズなしと判断し、温度データTDを取込み(S8)、この温度データTDにより補正データWdaを作成し(S5)、重量値Wdの表示を行う(S9)。
【0037】
以上主として電気的外乱ノイズ有無の判断を中心として説明したが、本発明に対しては次の構成を付加することが可能である。
先ず、温度センサ等のセンサ部と、A/D変換部を含めた処理部とを接続する配線を設計上必要とする長さよりも引き延ばし、この部分をアンテナとして利用することにより電気的外乱ノイズの検出感度を高めるようにする。
【0038】
またセンサ部と処理部とを接続する配線を複数とし、一方の配線は可能な限り電磁気的なシールを施した配線とし、かつ他方は上記の方法等やセンサ出力に対し高抵抗を設けて故意にセンサ出力インピーダンスを高くする等の方法により電気的外乱ノイズの検出感度が高いものとする。このように構成すれば、温度データTDが純粋に温度変化を反映していれば両配線を経由したデータは同じであり、反対にシールを施した配線を経由したデータと電気的外乱ノイズの検出感度が高い配線を経由したデータとの間に有為差が有れば、この差により電気的外乱ノイズ有りと判断できる。この場合にはシール効果の程度にもよるが、シールを施した配線を経由したデータを補正値として取り込むことも可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明は以上具体的に説明したように、電子秤において既設のセンサを用いて電気的外乱ノイズの有無を検出することが可能となるので、従来のような特別なセンサを設置する必要がなく、然もノイズ検出専用のセンサに劣らない高精度の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す電子秤のブロック図である。
【図2】時間tiにおける温度データTDの変化における電気的外乱ノイズの検出の方法の例を示す温度データTDの変化の線図である。
【図3】時間tiにおける他の温度データTDの変化パターンにおける電気的外乱ノイズの検出の方法の他の例を示す温度データTDの変化の線図である。
【図4】時間tiにおける温度データTDと圧力データPDの変化パターンから電気的外乱ノイズの検出する方法示す温度データTDの変化の線図である。
【図5】ノイズ検出部の構成例を示すブロック図である。
【図6】電気的外乱ノイズの検出方法の一例を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 荷重センサ
2 重量A/D部
3 温度補正部
4 温度センサ
5 温度A/D部
6 ノイズ検出部
7 演算・表示処理部
8 表示部
9 温度変化チェック部
10 タイマ
11 変化パターン記憶部
12 温度変化極限値記憶部
13 比較部
14 平均化処理部
TD 温度データ
TD´ 平均化された温度データ
NZ ノイズ信号
WD 荷重データ
WDa 補正データ
Wd 重量表示値

Claims (5)

  1. 秤量物の荷重データを電気的に出力しかつ温度等の物理量をセンサで計測しこの計測された物理量データを荷重データ算出の補正値として使用する電子秤において、荷重データを算出表示する手段には、物理量データに対応する補正データを出力する手段と、この物理量データから電気的外乱ノイズを検出する検出手段と、補正データを用いて秤量物の荷重を算出する演算部とを有し、演算部は電気的外乱ノイズの有無に対応して、算出された荷重の表示値を調整し、或いは電気的外乱ノイズ有りの表示を行うよう構成したことを特徴とする電気的外乱ノイズを検出する電子秤。
  2. 前記物理量を計測するセンサは温度センサであって、電気的外乱ノイズを検出する検出手段は、この温度センサから出力される温度データの変化から電気的外乱ノイズを検出するよう構成されていることを特徴とする請求項1記載の電気的外乱ノイズを検出する電子秤。
  3. 電気的外乱ノイズを検出する検出手段には、単位時間における実際の温度変化の極限値を記憶した手段と、比較手段とが設けられ、比較手段は温度データの変化量とこの極限値とを比較し、温度データの変化量が極限値を越えるときは温度データの変化は電気的外乱ノイズによるものとして電気的外乱ノイズ有りの判断をするよう構成したことを特徴とする請求項2記載の電気的外乱ノイズを検出する電子秤。
  4. 温度、湿度、大気圧等の異なる物理量を計測するセンサが設けられ、電気的外乱ノイズを検出する手段は、これら複数のセンサから出力される物理量データのうち、少なくとも二種類の物理量データの変化を観測し、かつこれら複数の物理量データが同じ時間に同様の変化を示したときに電気的外乱ノイズ有りと判断するよう構成したことを特徴とする請求項1記載の電気的外乱ノイズを検出する電子秤。
  5. 物理量を検出するセンサと、荷重データを表示算出する手段との間に配置された配線を、電気的外乱ノイズを検知するアンテナとして利用するよう構成したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の電気的外乱ノイズを検出する電子秤。
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