JP4087034B2 - 近視野光デバイスとその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、近視野光を照射・検出する近視野光デバイスに関するものであり、特に走査型プローブ顕微鏡の一つであり対象物質の微細領域での光学特性を観察・計測する走査型近視野原子間力顕微鏡に使用するプローブや、近視野光を利用して高密度な情報の再生及び記録を行う光メモリヘッド及び上記近視野光デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
試料表面においてナノメートルオーダの微小な領域を観察するために走査型トンネル顕微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)に代表される走査型プローブ顕微鏡(SPM)が用いられている。SPMは、先端が先鋭化されたプローブを試料表面に走査させ、プローブと試料表面との間に生じるトンネル電流や原子間力などの相互作用を観察対象として、プローブ先端形状に依存した分解能の像を得ることができるが、比較的、観察する試料に対する制約が厳しい。
【0003】
そこでいま、試料表面に生成される近視野光とプローブとの間に生じる相互作用を観察対象とすることで、試料表面の微小な領域の観察を可能にした近視野光学顕微鏡(SNOM)が注目されている。
近視野光学顕微鏡においては、伝搬光を試料の表面に照射して近視野光を生成し、生成された近視野光を先端が先鋭化されたプローブにより散乱させ、その散乱光を従来の伝搬光検出と同様に処理することで、従来の光学顕微鏡による観察分解能の限界を打破し、より微小な領域の観察を可能としている。また、試料表面に照射する光の波長を掃引することで、微小領域における試料の光学物性の観測をも可能としている。
【0004】
顕微鏡としての利用だけでなく、光ファイバープローブを通して試料に向けて比較的強度の大きな光を導入させることにより、光ファイバープローブの微小開口にエネルギー密度の高い近視野光を生成し、その近視野光によって試料表面の構造または物性を局所的に変更させる高密度な光メモリ記録としての応用も可能である。強度の大きな近視野光を得るために、プローブ先端の先端角を大きくすることが試みられている。
【0005】
近視野光学顕微鏡に使用されるプローブとして、例えば米国特許第5,294,790号に開示されているように、フォトリソグラフィ等の半導体製造技術によってシリコン基板にこれを貫通する開口部を形成し、シリコン基板の一方の面には絶縁膜を形成して、開口部の反対側の絶縁膜の上に円錐形状の光導波層を形成したカンチレバー型光プローブが提案されている。このカンチレバー型光プローブにおいては、開口部に光ファイバーを挿入し、光導波層の先端部以外を金属膜でコーティングすることで形成された微小開口に光を透過させることができる。
【0006】
更に、上述したプローブのように先鋭化された先端をもたない平面プローブの使用が提案されている。平面プローブは、シリコン基板に異方性エッチングによって逆ピラミッド構造の開口を形成したものであり、特にその頂点が数十ナノメートルの径を有して貫通されている。そのような平面プローブは、半導体製造技術を用いて同一基板上に複数作成すること、すなわちアレイ化が容易であり、特に近視野光を利用した光メモリの再生及び記録に適した光メモリヘッドとして使用できる。この平面プローブを用いた光ヘッドとして、従来ハードディスクで用いられているフライングヘッドに平面プローブを有したものが提案されている。フライングヘッドは記録媒体から約50〜100nm浮上するように空力設計される。このフライングヘッドの記録媒体側に微小開口を形成して、近視野光を発生させ光記録および再生を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、平面プローブに光ファイバーを用いて光を導入する場合、光ファイバー端面がシリコン基板に当たるため、光ファイバーの出射端から微小開口までの距離が大きい。光ファイバーからの出射光は、光ファイバーの出射端から拡がり角を持って照射されるため、出射端からの距離が大きいほどスポット径が大きくなる。したがって、微小開口の位置における光ファイバーからの出射光のエネルギー密度が小さく、結果として微小開口から照射される近視野光の強度が小さくなる。また、平面プローブの逆ピラミッド構造は、シリコン基板の異方性エッチングによって形成されるため、逆ピラミッド構造の先端角が約70度となり、先端角を変更することは容易ではない。したがって、逆ピラミッド構造の先端角を大きくすることによる近視野光の強度増大が困難である。
【0008】
したがって、近視野光を用いた光メモリでは、再生信号の信号強度が小さくなるためS/N比が小さくなり、データ転送速度が遅くなる問題や、信号記録に必要なエネルギー密度を得ることができないため信号記録ができなくなる問題がある。また、SNOM用のプローブでは、近視野光の強度が小さいとS/N比が小さくなり、試料の走査速度を大きくできない、近視野光を用いた分光に必要な信号強度が得られない、近視野光を利用した光加工に必要なエネルギ密度が得られないといった問題がある。
【0009】
また、平面プローブは、厚いシリコン基板から形成されるため、光ヘッドの重量が大きくなってしまう。従って、光メモリでは、高速・高精度のトラッキングが困難であるという問題がある。また、SNOM用プローブでは、カンチレバーの先端部分の重量が大きくなるため、カンチレバーの共振周波数が低くなり、試料の高速走査が困難になる問題がある。
【0010】
さらに、微小開口は、フォトリソグラフィーとシリコンの異方性エッチングによって形成されているが、シリコンの厚さむらやフォトリソグラフィーの精度によって微小開口の大きさがばらつき、かつ、小さな開口を形成するのが困難であるという問題があった。さらに、開口からの漏れ光を遮断するためにシリコンの異方性エッチングによって開口を形成した後に、開口近傍に遮光膜を形成する必要があり、作製工程が複雑であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、近視野光を照射および/あるいは検出を行う近視野光デバイスにおいて、遮光膜と、前記遮光膜に形成された逆錘状の窪みと、前記逆錘状の窪みの先端にあり、大きさが光の波長以下である近視野光照射口と、前記遮光膜を支持する支持体からなる構成とした。また、前記近視野光照射口が、前記逆錘状の窪みが前記遮光膜を貫通してできた開口である構成とする。したがって、本発明にかかる近視野光デバイスは、逆錘状の窪みに光を導入することによって、近視野光照射口から近視野光を照射することができる。
【0012】
また、前記近視野光照射口が、前記逆錘状の窪みが前記遮光膜を貫通せず、前記逆錘状の窪みの先端近傍における光透過部分である構成とする。したがって、本発明に係る近視野光デバイスは、近視野光を対象物に照射するために物理的な穴を形成する必要がないため、近視野光照射口の耐摩耗性や耐衝撃性などの物理的強度を大きくすることができる。
【0013】
また、前記遮光膜の膜厚が10〜5000nmである構成とする。従って、本発明に係る近視野光デバイスは、遮光膜の膜厚が小さいため、光源から近視野光照射口までの距離を短くすることができ、近視野光照射口から照射される近視野光の強度を大きくすることができる。さらに、前記遮光膜が薄いため、本発明に係る近視野光デバイスの重量が小さくなり、高速高精度のトラッキングが可能になる。
【0014】
また、前記逆錘状の窪みを複数の異なる錘形状の一部分を組み合わせた構成とする。したがって、本発明に係る近視野光デバイスは、近視野光照射口に到達するまでの入射光の強度を大きく保つことができ、結果として、近視野光照射口から照射する近視野光の強度を大きくすることが可能である。
また、前記逆錘状の窪みが、少なくとも直円錐または、直多角錘の一部を含む形状である構成とする。したがって、本発明に係る近視野光デバイスは、直円錐または、直多角錘の位置を制御することによって、安定した近視野光照射口の大きさを得ることができる。
【0015】
また、前記逆錘状の窪みが、少なくとも直錘ではない円錐、または、多角錘を構成する側面のうち少なくとも一つの面が二等辺三角形ではない多角錘の一部分を含む形状である構成とする。したがって、本発明に係る近視野光デバイスは、近視野光照射口から照射される近視野光の強度を大きくすることができる。
また、前記近視野光デバイスが、記録媒体との相対運動によって浮力を得る浮上スライダー構造を有する構成とする。また、前記浮上スライダー構造が、前記遮光膜に形成されている構成とする。あるいは、前記浮上スライダー構造が、前記支持体に形成されている構成とする。従って、本発明に係る近視野光デバイスは、記録媒体上を一定の距離で浮上することができる。
【0016】
また、片持ち梁と、前記片持ち梁の前記支持体とは反対の面に形成された探針を有し、前記探針の先端に前記近視野光照射口が形成されている構成とする。また、前記片持ち梁が、前記遮光膜と同一材料で形成されている構成とする。あるいは、前記片持ち梁が、前記支持体と同一材料で形成されている構成とする。従って、本発明に係る近視野光デバイスは、走査型近視野顕微鏡のプローブとして用いることができる。
【0017】
また、前記近視野光デバイスの製造方法が、前記遮光膜を形成する工程と、前記近視野光照射口を形成する工程を含み、前記近視野光照射口を形成する工程が、少なくとも1つ以上の錘状の圧子によって前記遮光膜に圧痕を形成する工程を含む製造方法とする。また、前記遮光膜を形成する工程において、前記遮光膜にかかる応力を調整するための応力調整層を有する基板を使用する製造方法とする。したがって、本発明に係る近視野光デバイスの製造方法によれば、近視野光照射口の大きさや形状が一定な近視野光デバイスを大量に得ることができる。また、前記圧子の形状を変更することによって、前記近視野光照射口を形成する窪みの形状を自由に設定することができる。また、前記圧子を押し込んだ際、前記遮光膜にかかる応力が応力調整層によって制御されるため、前記近視野光照射口を安定して製造することが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の近視野光デバイスとその製造方法について、添付の図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
近視野光デバイスとして、光メモリ用の近視野光ヘッドについて示す。図1は、本発明の実施の形態1に係る近視野光ヘッド1000の概略図である。近視野光ヘッド1000は、近視野光照射口1と近視野光照射口1が形成された遮光膜2と支持体3からなる。近視野光照射口1は、遮光膜2に設けられた逆錘状の窪み11によって、遮光膜2の底面に形成されている。この近視野光ヘッド1000は、磁気ディスクの浮上ヘッドに用いられる浮上スライダー面4を有しており、記録媒体と10〜100nmの間隔を有して浮上する。
【0019】
図2および図3は、近視野光照射口1の拡大断面図である。図2に示すように、近視野光照射口1が、径d1で定義される物理的開口1aの場合、近視野光照射口1に光を入射することによって、物理的開口1aから近視野光が照射される。また、図3に示すように、近視野光照射口1が径d2を有する光学的開口1bでも良い。距離sdが、入射光の遮光膜に対する侵入長程度に短い場合、物理的に開口が形成されていない場合でも、径d2程度のスポット径の近視野光が発生し、光学的開口1bと考えることができる。光学的開口1bは、物理的な開口を有していないため、浮上スライダー面4の空力設計が簡素化できるとともに、浮上スライダー面4上にダイヤモンドライクカーボンをはじめとする近視野光照射口1の保護膜を形成することによって、近視野光ヘッド1000および近視野光照射口1の耐摩耗性を向上できる利点を有している。
【0020】
なお、浮上スライダー面4は、遮光膜2そのものに形成されていても良い。また、支持体3に浮上スライダー面4が形成されていても同様な効果が得られる。物理的開口1aの大きさd1および光学的開口1bの大きさd2はいずれも10〜200nmである。また、遮光膜2の厚さは10〜5000nmである。また、支持体3の厚さは200nm〜2mmである。また、侵入長程度の距離sdは、近視野光照射口1に導入する光の波長と遮光膜2の材質によって異なるが、おおよそ1〜300nmである。
【0021】
遮光膜2の材質は、アルミニウムや金などの金属や、窒化シリコンやアルミナなどの誘電体である。また、支持体3の材質は、金やニッケルなどの金属や、ガラスやシリコンなどの誘電体である。
図7は、光記録再生装置10000の簡単な装置構成を示した図である。
以上に説明した近視野光ヘッド1000を記録媒体504上に配置し、微小開口から出射される近視野光によって情報の記録及び再生を行う。
【0022】
記録媒体用駆動モータ505によって記録媒体504は回転する。近視野光ヘッド1000は、回転している記録媒体504と浮上スライダー面4による流体ベアリングの作用によって、記録媒体から10〜100nm離れた位置で浮上する。したがって、近視野光照射口1の位置も、記録媒体504から10〜100nm離れた位置にある。光導波路503は、遮光膜やサスペンション501に固定される。このとき、光導波路503は、近視野光照射口1から発生する近視野光の強度が大きくなるように位置が合わせられる。半導体レーザ502から出射された光は、光導波路503によって近視野光ヘッド1000に導入される。近視野光ヘッド1000に導入された光は、近視野光照射口1から近視野光となって記録媒体504に向けて照射される。
【0023】
記録媒体504は、たとえば、熱を加えることによってアモルファス状態あるいは結晶状態になり、その反射率や透過率の違いを利用して情報の記録再生を行う相変化記録媒体である。この場合、たとえば、情報記録は、微小開口から発生した近視野光を記録媒体に照射することによって、記録媒体上の近視野光が照射された領域を結晶状態からアモルファス状態に変化させることによって行われる。近視野光照射口1と記録媒体504の距離が、10〜100nmであるので、近視野光照射口16から記録媒体504に照射される近視野光の大きさは微小開口と同等の大きさとなり、たとえば100nmの径を有している。記録媒体504の微小領域のみを近視野光で加熱することが可能であるので、図1に示す近視野光ヘッド1000によって高密度記録が可能である。
【0024】
一方、情報再生は、たとえば、以下に説明するように行う。まず、近視野光ヘッド1000の制御回路506は、所望の情報記録位置上に微小開口が移動するように、サーボ駆動回路508に信号を送る。サーボ駆動回路508から信号を受けたサーボモータ509は、サスペンション501を介して近視野光ヘッド1000全体を移動させ、微小開口を情報記録位置に移動させる。次に、微小開口から近視野光を記録マーク上に照射し、記録媒体504を透過した伝搬光を集光レンズ系510で受光素子507上に集め、電気信号を得る。得られた電気信号は、制御回路506に送られ、たとえば、信号強度を比較して微小開口と記録マークとの位置ずれを検知する。微小開口と記録マークの位置がずれている場合、位置ずれを修正するように制御回路506からサーボ回路508に信号が送られ、サーボ回路508がサーボモータ509を駆動する。また、記録媒体504を透過した伝搬光は、たとえば、記録媒体のアモルファス状態と結晶状態の透過率の違いを含んで受光素子上に集光される。この透過率の情報が、情報信号として検知される。得られた情報信号は、図には記述していない信号処理回路を経て再生信号に変換される。記録媒体504の微小領域の透過率を近視野光によって検出できるため、高密度の再生が可能である。
【0025】
以上説明したように、実施の形態1によれば、サスペンション501によって支持された近視野光ヘッド1000が、最適設計された浮上スライダー面4によって、記録媒体504の近傍で浮上しており、近視野光照射口1からスポット径の小さな近視野光を記録媒体に照射することができるため、高密度記録再生が可能な近視野光ヘッド1000を提供できる。
【0026】
上述したように、本発明の実施の形態1によれば、非常に薄い遮光膜2に近視野光照射口1が形成されるため、光導波路503の出射端から近視野光照射口1までの距離が小さくなる。したがって、近視野光照射口1における光のスポット径を小さくすることができるため、近視野光出射口1から照射される近視野光の強度が大きくなる。そのため、再生信号の信号強度が大きくなるためS/N比が大きくなり、データ転送速度が大きくなる。また、大きなエネルギー密度をもつ近視野光によって、情報記録が可能になる。また、近視野光ヘッド1000は、全体の構成を薄片化することができるため、近視野光ヘッドが軽量となり高速高精度の位置決めが可能となる。
【0027】
次に、図4から図6を用いて近視野光ヘッド1000の製造方法について説明する。
図4(a)は、基板103上に、応力調整層102および遮光膜101を堆積した工程を説明した図であり、応力調整層102および遮光膜101が堆積された状態を表している。基板103上に応力調整層102をスピンコートやスパッタなどの方法によって堆積し、その上に遮光膜101をスパッタやCVDなどで堆積する。
【0028】
基板103の厚さは200〜1000μmである。応力調整層102の厚さは例えば10〜5000nmである。遮光膜101の厚さは10〜5000nmである。
基板103の材質はシリコンや石英などの誘電体や、アルミニウムやステンレスなどの金属である。また、応力調整層102の材質は、ポリイミドやテフロンなどの誘電体や、アルミニウムや金などの金属である。また、遮光膜101の材質は、アルミニウムや金などの金属や、窒化シリコンやアルミナなどの誘電体である。
【0029】
図4(b)および図5(a)は、遮光膜101に圧子104の圧痕を形成する工程を示しており、図4(b)は、圧子104を遮光膜101に押し込んだ状態を示しており、図5(a)は、圧子104を遮光膜101から離した状態を示している。遮光膜101を堆積した後、圧子104を遮光膜101に押し込み、遮光膜101を塑性変形させて圧痕を形成したのち、圧子104を遮光膜101から引き離す。圧痕は、圧子104の形状を転写した形状となる。圧子104の形状は、円錐または角錘である。圧子104の材質は、ダイヤモンドや炭化珪素などの硬質材料である。この時、圧子104は、ナノインデンテーション法を用いて遮光膜101に押し込む。圧子104の押し込み量は、遮光膜101の膜厚程度である。ナノインデンテーション法では、圧子104を圧電素子またはボイスコイルモータなどの微小変位機構を用いて押し込む。また、静電容量変位計やレーザ干渉計などを用いて押し込み量を計測する。従って、ナノインデンテーション法は、圧子104の押し込み量をナノメートルオーダ以下の分解能で制御することができる。押し込み量をナノメートルオーダ以下の分解能で制御することによって、物理的開口1aや光学的開口1bの大きさd1及びd2を精度良く制御することが可能である。
【0030】
また、応力調整層102の材質や厚さなどを変えることによって遮光膜101と応力調整層102との界面に働く力を制御することができるため、圧子104を押し込んだ後の遮光膜101のバリや亀裂の発生を防ぐことが可能である。また、圧子104の形状を変更する事によって、近視野光照射口1の形状、先端角などを容易に変更する事ができる。たとえば、先端角を大きくすることによって近視野光照射口1から出射する近視野光の強度を大きくすることができる。
【0031】
図5(b)は、圧痕を保護する工程を説明する図であり、圧痕上に保護膜が形成されている状態を示している。圧痕を形成した後、圧痕上に保護膜105をフォトリソグラフィーによって形成する。保護膜105は、フォトレジストやポリイミドなどの誘電体である。
図5(c)は、支持体3を形成する工程を説明する図であり、支持体材料106が形成されている状態を示している。保護膜105を形成した後、メッキ法によって、遮光膜101上に支持体3となる支持体材料106を形成する。支持体材料106は、金やニッケルなどの金属である。また、支持体材料106がガラスやシリコンなどの誘電体の場合、図5(a)で説明した工程の後、陽極接合をはじめとする接合や接着によって支持体材料106を遮光膜101上に形成しても良い。この場合、図5(b)および図5(c)で説明した工程は省略することができる。
【0032】
図6(a)は、保護膜105を除去する工程を説明する図であり、保護膜105が除去された状態を示している。支持体材料106を形成したのち、保護膜105を濃硝酸によるエッチングや酸素プラズマによるドライエッチングによって除去する。
図6(b)は、基板103および応力調整層102を除去する工程を説明する図であり、基板103および応力調整層102が除去された状態を示している。近視野光ヘッド1000を得るため、応力調整層102を犠牲層とする犠牲層エッチングによって基板103および応力調整層102を除去する。また、圧痕が形成された面と反対側からのエッチングによって基板103、応力調整層102の順に除去しても良い。
【0033】
また、上記で説明した工程において、応力調整層102を省略し、基板103に応力調整層の機能を持たせることによっても、同様な近視野光ヘッド1000が得られるのは言うまでもない。
上述した方法によれば、本発明の実施の形態1の近視野光ヘッド1000が容易にかつ、大量に作製できる。また、圧子104によって遮光膜101に圧痕をつける工程によって、近視野光照射口1を精度良く大量に形成することができる。さらに、圧子104の形状を変えるだけで様々な形状の近視野光照射口1を形成することが可能である。たとえば、近視野光照射口1の先端角を大きくすることによって、近視野光照射口1から照射される近視野光の強度を大きくすることができる。また、図13に示すように、窪み11を形成する円錐または多角錘の断面形状を非対称にすることによっても近視野光照射口1から照射される近視野光の強度を大きくすることが可能である。
(実施の形態2)
図8は、本発明の実施の形態2に係る近視野光ヘッド2000の概略図である。近視野光ヘッド2000は、実施の形態1と同様な近視野光照射口1と遮光膜2および支持体5と、支持体5と一体となっている光伝搬体6およびミラー7からなる。図には記載していない光源から光伝搬体6に導入された光は、光伝搬体6中を伝搬し、支持体5に形成されたミラー7によって近視野光照射口1に向かって照射され、近視野光照射口1から近視野光が発生する。支持体5の材質は、シリコンやガラスなどの誘電体やアルミニウムやステンレス鋼などの金属である。光伝搬体6は、光ファイバーや薄膜導波路であり、その材質は、ガラスや二酸化珪素やポリイミドなどの誘電体である。ミラー7は、支持体5に形成された斜面を利用したものであり、材質は支持体5と同一または支持体5の斜面に形成されたアルミニウムや金などの金属である。
【0034】
近視野光ヘッド2000の製造方法は、以下の通りである。近視野光照射口1および遮光膜2の形成方法は、実施の形態1で説明した近視野光ヘッド1000の製造方法の図5(a)までで説明した工程と同じである。次に、光伝搬体6を形成または固定した支持体5を遮光膜2上に接着または接合する。光伝搬体6を形成または固定した支持体5の形成方法は、まず、シリコン基板の異方性エッチングによって段差を形成する。次に、段差を形成したシリコン基板上にアルミニウムや金などの金属を堆積し、ミラー7を形成する。次に、ミラー7を形成した基板に光伝搬体6となる膜を形成した後にパターニングを行い光伝搬体6を形成する。また、光伝搬体6が光ファイバーの場合、光伝搬体6は、エポキシ系樹脂をはじめとする接着剤によって固定する。最後に、実施の形態1の図6(a)から(b)で説明した工程と同じ工程によって基板103および応力調整層102を遮光膜101から分離することで近視野光ヘッド2000を得ることができる。
【0035】
本発明の実施の形態2に係る近視野光ヘッド2000は、図7で説明した構成とほぼ同じ構成で使用することができる。
以上説明したように、本発明の実施の形態2に係る近視野光ヘッド2000によれば、実施の形態1に記載の効果に加えて、近視野光照射口1までの光伝送系を平面内に構成することができるため、本発明の実施の形態1で説明した近視野光ヘッド1000よりも光記録・再生装置の構成を小型化することが容易である。
(実施の形態3)
近視野光デバイスとして、SNOM用のプローブについて示す。図9は、本発明の実施の形態3に係る走査型近視野顕微鏡用プローブ3000の概略図である。走査型近視野顕微鏡用プローブ3000は、支持体8上に形成された遮光膜2からなるカンチレバー9と、カンチレバー9の先端に形成されたチップ10と、チップ内部に形成され、異なる錘形状の少なくとも一部分を複数組み合わせて構成される窪み11と、チップ10の先端に形成された近視野光照射口1からなる。
【0036】
カンチレバー9の長さと幅と厚さは、それぞれ、たとえば100μm、50μm、100〜5000nmである。チップ10の高さは、たとえば10μmである。また、チップ10は、円錐状または角錐状であり、その先端の曲率半径はたとえば、数10nmであり、近視野光照射口1の径は、たとえば100nmである。支持体8は、たとえばシリコンや水晶などである。遮光膜2は、アルミニウムや金などの光を反射する金属が用いられる。窪み11の形状は、円錐状または角錐状であり、窪み11の先端角は、10〜150度である。
【0037】
図10は、本発明の実施の形態3に関わる走査型近視野顕微鏡用プローブ3000を搭載した走査型プローブ顕微鏡20000を示す構成図である。ここでは簡単のため、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000をコンタクトモードで制御する場合について説明する。この走査型プローブ顕微鏡20000は、図9に示した走査型近視野顕微鏡用プローブ3000と、光情報測定用の光源601と、光源601の前面に配置したレンズ602と、レンズ602で集光した光を走査型近視野顕微鏡用プローブ3000まで伝搬する光ファイバ603と、試料610の下方に配置されチップ10の先端で発生した伝搬光を反射するプリズム611と、プリズム611で反射した伝搬光を集光するレンズ614と、集光した伝搬光を受光する光検出部609と、を備えている。
【0038】
また、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000の上方には、レーザ光を出力するレーザ発振器604と、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000のカンチレバー9で反射したレーザ光を反射するミラー605と、反射したレーザ光を受光して光電変換する上下2分割した光電変換部606と、を備えている。さらに、試料610およびプリズム611をXYZ方向に移動制御する粗動機構613および微動機構612と、これら粗動機構613および微動機構612を駆動するサーボ機構607と、装置全体の制御をするコンピュータ608とを備えている。
【0039】
つぎに、この走査型プローブ顕微鏡20000の動作について説明する。レーザ発振器604から放出したレーザ光は、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000のカンチレバー9上で反射する。走査型近視野顕微鏡用プローブ3000のカンチレバー9は近視野光照射口1と試料610の表面が接近すると、試料610との間の引力または斥力によってたわむ。このため、反射したレーザ光の光路が変化するため、これを光電変換部606で検出する。
【0040】
光電変換部606により検出した信号は、サーボ機構607に送られる。サーボ機構607は、光電変換部606で検出した信号に基づいて、試料610に対する走査型近視野顕微鏡用プローブ3000のアプローチや、表面の観察の際に、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000のたわみが一定となるように、粗動機構613および微動機構612を制御する。コンピュータ608は、サーボ機構607の制御信号から表面形状の情報を受け取る。
【0041】
また、光源601から放出された光は、レンズ602により集光され、光ファイバ603に至る。光ファイバ603内を伝搬した光は、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000の窪み11に入射光が導入され、近視野光照射口1から試料610に照射される。一方、プリズム611により反射した試料610の光学的情報は、レンズ614により集光され、光検出部609に導入される。光検出部609の信号は、コンピュータ608のアナログ入力インタフェースを介して取得され、コンピュータ608により光学的情報として検出される。
【0042】
また、走査型プローブ顕微鏡20000は、試料とチップ10との距離制御方法として、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000を励振させた状態で試料に近づけ、カンチレバーの振幅が一定となるようにサーボ機構607によって粗動機構613および微動機構612を制御するダイナミックモードによっても観察が可能である。
【0043】
以上説明したように、本実施の形態3による走査型近視野顕微鏡用プローブ3000によれば、遮光膜2の厚さを非常に小さくすることができるため、共振周波数が高く、バネ定数の小さな走査型近視野顕微鏡用プローブを提供することができる。したがって、走査型近視野顕微鏡の観察・計測時の走査速度を大きくすることができ、また、試料やプローブ自身の損傷を防ぐことが可能である。また、窪み11のテーパを多段にすることによって、近視野光照射口1から発生する近視野光の強度を大きくすることが可能である。また、近視野光照射口1が光学的開口1bの場合、物理的開口1aに比べ、チップ10の先端半径を小さく形成できるため、凹凸像の平面分解能を向上させることが可能である。
【0044】
次に、図11から図12を用いて走査型近視野顕微鏡用プローブ3000の製造方法について説明する。
図11(a)は、モールド302上に遮光膜301を堆積する工程を説明した図であり、モールド302上に遮光膜301が堆積された状態を示している。モールド302となる基板にエッチングなどで逆錘状の凹みを形成し、モールド302を形成する。その後、スパッタや真空蒸着などの方法によって、モールド302上に遮光膜301を堆積する。遮光膜301の窪みは、ほぼモールド302の窪みと同じテーパー角を有する。モールド302は、例えば、シリコンや石英などの誘電体やアルミニウムをはじめとする金属である。遮光膜302は、例えば、アルミニウムや金などの金属や窒化珪素や炭化珪素などの誘電体である。
【0045】
図11(b)および図11(c)は、遮光膜301に近視野光照射口1を形成する工程を説明した図であり、図11(b)は、遮光膜301に圧子303を押し込んだ状態を示しており、図11(c)は、遮光膜301から圧子303を取り除いた状態を示している。遮光膜301を堆積した後、圧子303の先端とモールド302に形成された逆錘状の窪みの先端の位置をあわせ、圧子303を遮光膜301に押し込む。これによって、遮光膜301に近視野光照射口1が形成される。圧子303の形状は、実施の形態1において説明した圧子104とほぼ同じである。圧子303の先端角は、モールド302に形成された逆錘状の窪みの先端角よりも小さい。したがって、遮光膜301の窪みは複数の錘形状からなる。圧子303の先端角を多数用意し、遮光膜301の同一部分に押し込むことによって、遮光膜301内部の窪みは、複数のテーパー角を持つことも可能である。
【0046】
図12(a)は、支持体304を形成する工程を説明した図であり、支持体304が形成された状態を示している。近視野光照射口1を形成した後、遮光膜301上に支持体304を接合や接着によって形成する。
図12(b)は、モールド302を除去する工程を説明した図であり、モールド302が除去された状態を示している。支持体304を形成した後、モールドをエッチングによって除去する。また、図では示していないが、近視野光照射口1を形成するために、実施の形態1と同様に、モールド302と遮光膜301の間に応力調整層を設けても良い。この場合、図12(b)で説明した工程において、応力調整層の犠牲層エッチングによってもモールド302が除去できる。
【0047】
以上説明したように、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000は、容易に作製する事ができる。また、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000の近視野光照射口1が光学的開口1bの場合、物理的開口1aに比べ、チップ10の先端角を小さくすることができる。従って、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000の光学像や凹凸像の分解能を高くすることができる。
【0048】
また、図9に示す走査型近視野顕微鏡用プローブ3000のカンチレバー9の上に支持体8と同一材料で構成されるカンチレバーによって、遮光膜2を補強する構成にしても上記で説明した効果が得られる。
また、上記では走査型近視野顕微鏡用プローブ3000から近視野光を照射するイルミネーションモードで説明したが、走査型近視野顕微鏡用プローブ3000は、試料の光情報を近視野光照射口1によって検出するコレクションモードや、試料への近視野光照射と光情報の検知を同時に行うイルミネーション・コレクションモードでも使用することが可能である。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の実施の形態1によれば、逆錘状の窪みに光を導入することによって、近視野光照射口から近視野光を照射することができ、また、前記逆錘状の窪みが前記遮光膜を貫通せず、前記逆錘状の窪みの先端近傍における光透過部分である構成の場合、近視野光を対象物に照射するために物理的な穴を形成する必要がないため、近視野光照射口の耐摩耗性や耐衝撃性などの物理的強度を大きくすることができる。したがって、光記録・再生装置の信頼性や寿命が向上する。また、遮光膜の膜厚が小さいため、光源から近視野光照射口までの距離を短くすることができ、近視野光の発生効率が向上し、近視野光照射口から照射される近視野光の強度を大きくすることができる。したがって、信号のS/N比が向上し信号転送速度が大きくなる。また、近視野光の発生効率の向上によって、光記録に必要な光源の強度を小さくすることが可能であり、光記録・再生装置の消費電力を低く押さえることができる。さらに、前記遮光膜が薄いため、本発明に係る近視野光デバイスの重量が小さくなり、高速高精度のトラッキングが可能になる。
【0050】
また、逆錘状の窪みを複数の異なる錘形状の一部分を組み合わせた構成とすることによって、本発明に係る近視野光デバイスは、近視野光照射口に到達するまでの入射光の強度を大きく保つことができ、結果として、近視野光照射口から照射する近視野光の強度を大きくすることが可能である。また、前記逆錘状の窪みが、少なくとも直錘ではない円錐、または、多角錘を構成する側面のうち少なくとも一つの面が二等辺三角形ではない多角錘の一部分を含む形状である構成とすることによっても、近視野光照射口から照射される近視野光の強度を大きくすることができる。また、前記近視野光デバイスが、記録媒体との相対運動によって浮力を得る浮上スライダー構造を有する構成とすることによって、本発明に係る近視野光デバイスは、記録媒体上を一定の距離で浮上することができる。従って、近視野光照射口と記録媒体とを近接させることによって分解能の向上が容易となる。
【0051】
本発明の実施の形態2によれば、本発明の実施の形態1よりも光記録・再生装置の構成を小型化することが容易である。
また、本発明の実施の形態3によれば、遮光膜の厚さを非常に小さくすることができるため、共振周波数が高く、バネ定数の小さな走査型近視野顕微鏡用プローブを提供することができる。したがって、走査型近視野顕微鏡の観察・計測時の走査速度を大きくすることができ、また、試料やプローブ自身の損傷を防ぐことが可能である。また、本発明の実施の形態1と同様に逆錘状の窪みを複数の異なる錘形状の一部分を組み合わせることによって、近視野光の発生効率を向上させることができ、観察・計測時の光信号のS/N比を向上させることができるため走査速度を大きくすることが可能となる。また、近視野光の発生効率の向上によって、光の高密度エネルギを利用した加工や分析などが容易になる。
【0052】
また、本発明の近視野光デバイスの作製方法によれば、近視野光デバイスを容易に作成することが可能である。また、大量生産が容易であるため、近視野光デバイスを低コストで作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る近視野光ヘッドを示す概略図である。
【図2】本発明の実施の形態1による物理的開口を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1による光学的開口を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1による近視野光ヘッドの製造方法を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1による近視野光ヘッドの製造方法を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1による近視野光ヘッドの製造方法を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態1による近視野光ヘッドを用いた光記録再生装置の簡単な装置構成を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態2による近視野光ヘッドを示す構成図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る走査型近視野顕微鏡用プローブを示す概略図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る走査型近視野顕微鏡用プローブを搭載した走査型プローブ顕微鏡を示す構成図である。
【図11】本発明の実施の形態3による走査型近視野顕微鏡用プローブの製造方法を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態3による走査型近視野顕微鏡用プローブの製造方法を示す図である。
【図13】本発明の実施の形態1による近視野光ヘッドの窪みを示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 近視野光照射口
2 遮光膜
3,5,8 支持体
4 浮上スライダー面
6 光伝搬体
7 ミラー
9 カンチレバー
10 チップ
11 窪み
101 遮光膜
102 応力調整層
103 基板
104 圧子
105 保護膜
106 支持体材料
301 遮光膜
302 モールド
303 圧子
304 支持体
1000,2000 近視野光ヘッド
3000 走査型近視野顕微鏡用プローブ
10000 光記録再生装置
20000 走査型プローブ顕微鏡

Claims (14)

  1. 近視野光を照射および/あるいは検出を行う近視野光デバイスにおいて、
    遮光膜と、
    前記遮光膜に形成された逆錘状の窪みと、
    前記逆錘状の窪みの先端にあり、大きさが光の波長以下である近視野光照射口と、
    前記遮光膜を支持する支持体とからなり、
    前記逆錘状の窪みの頂点を通り前記遮光膜に垂直な軸を通る面で切断した前記逆錘状の窪みの断面形状は、前記軸に対して非対称であることを特徴とする近視野光デバイス。
  2. 前記逆錘状の窪みが、少なくとも直錘ではない円錐、または、多角錘を構成する側面のうち少なくとも一つの面が二等辺三角形ではない多角錘の一部分を含む形状であることを特徴とする請求項1に記載の近視野光デバイス。
  3. 前記近視野光照射口が、前記逆錘状の窪みが前記遮光膜を貫通してできた開口であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の近視野光デバイス。
  4. 前記逆錘状の窪みの頂点が前記遮光膜内に形成され、
    前記近視野光照射口が、前記逆錘状の窪みの頂点部における光透過部分であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の近視野光デバイス。
  5. 前記遮光膜の膜厚が10〜5000nmであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の近視野光デバイス。
  6. 前記逆錘状の窪みが異なる錘形状の一部分を複数組み合わせて構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の近視野光デバイス。
  7. 前記近視野光デバイスが、記録媒体との相対運動によって浮力を得る浮上スライダー構造を有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の近視野光デバイス。
  8. 前記浮上スライダー構造が、前記遮光膜に形成されていることを特徴とする請求項記載の近視野光デバイス。
  9. 前記浮上スライダー構造が、前記支持体に形成されていることを特徴とする請求項記載の近視野光デバイス。
  10. 前記支持体に支持された片持ち梁と、
    前記片持ち梁の前記支持体とは反対の面に形成された探針を有し、
    前記探針の先端に前記近視野光照射口が形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の近視野光デバイス。
  11. 前記片持ち梁が、前記遮光膜と同一材料で形成されていることを特徴とする請求項10記載の近視野光デバイス。
  12. 前記片持ち梁が、前記支持体と同一材料で形成されていることを特徴とする請求項10記載の近視野光デバイス。
  13. 遮光膜を形成する工程と、
    前記遮光膜に、先端に近視野光照射口を有する逆錘状の窪みを形成する工程を含み、
    前記逆錘状の窪みを形成する工程が、少なくとも1つ以上の錘状の圧子によって前記遮光膜に圧痕を形成する工程を含むことを特徴とする近視野光デバイスの製造方法。
  14. 前記遮光膜を形成する工程が、前記遮光膜にかかる応力を調整するための応力調整層を有する基板を使用することを特徴とする請求項13記載の視野光デバイスの製造方法。
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