JP4085824B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時にコラム軸に加えられる二次衝突の衝撃エネルギを、該コラム軸を支持する筒形のコラムハウジングが軸長方向に短縮することにより吸収する構成としてあるステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の操舵は、車室の内部に配されたステアリングホイールに加えられる回転トルクを、操舵用の車輪(一般的には前輪)の舵取りのために車室の外部に配された舵取機構に伝えて行われる。このような操舵を行わせるためのステアリング装置は、車室の内部に軸回りでの回転自在に支持されたコラム軸の上端部に、運転者に対面するようにステアリングホイールを取付け、また前記コラム軸の下端部を舵取機構に連結して構成されている。
【0003】
このようなステアリング装置においては、近年、車両の前面衝突に伴って車両の進行方向への慣性の作用によりステアリングホイールに衝突(二次衝突)する運転者に加わるダメージを軽減すべく、前記二次衝突の衝撃エネルギを吸収する衝撃吸収式のステアリング装置として構成されたものが実用化されている。
【0004】
前記衝撃エネルギの吸収は、一般的に、前記コラム軸を回転自在に支持するコラムハウジングを利用して実現されており、該コラムハウジングを、適長に亘って内外に嵌め合わされ、二次衝突時の衝撃の作用によりテレスコピックに短縮する内筒及び外筒を備えて構成し、前記衝撃のエネルギを、前記内筒及び外筒の短縮時に両者の嵌合部に加わる摺動抵抗により吸収せしめるようになしてある(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−293249号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
さて、以上の如く構成された衝撃吸収式のステアリング装置においては、ステアリングホイールに衝突する運転者に、内筒及び外筒間の摺動抵抗の反力が加わることから、前記運転者のダメージを軽減するという初期の目的を達成するために、前記摺動抵抗の値を予め設定された全長に亘って略一定の摺動抵抗下にて摺動せしめることが重要である。
【0007】
前記特許文献1に記載されたステアリング装置は、外筒の周壁を、軸長方向に適長離れた2位置にてかしめ、夫々の位置の内周面に内向きに突出する抵抗突起を各複数(4つ)並設し、これらの抵抗突起を内側に対向する内筒の外周面に圧接させて、この圧接部において衝撃吸収のための摺動抵抗を付与するという簡易な構成の衝撃吸収構造を備えており、製品コストの低減を図っている。
【0008】
しかしながらこの構成においては、内筒及び外筒間の摺動抵抗が、かしめにより形成される前記抵抗突起の突出量に依存するため、内筒及び外筒の組み付け後に実際に得られる摺動抵抗にばらつきが生じることが避けられず、所望の衝撃吸収性能を精度良く実現することが難しいという不具合があり、製品歩留りの低下により満足すべきコストの低減効果が得られないという問題があった。
【0009】
外筒に形成される抵抗突起の突出量を高精度に実現するには、例えば、外筒の周壁に周方向に適宜の幅を隔てて一対のスリットを並設し、これらのスリット間をかしめて抵抗突起を形成することが有効である。このようにすれば、かしめ荷重とかしめ量(突出量)とを正確に対応させることができる。
【0010】
しかしながら前記抵抗突起は、内筒及び外筒の同心性を保つための保持突起を兼ねており、前述の如くスリット間をかしめて形成された抵抗突起を保持突起に兼用した場合、通常操舵時におけるコラム軸の支持剛性が不足し、操舵感の悪化を引き起こす虞れがある。また通常操舵時に加わる種々の外力の作用により抵抗突起が変形し、初期に設定された衝撃吸収性能が得られなくなる虞れがある。
【0011】
また前記特許文献1には、内筒及び外筒の同心性を保つための保持突起を、外筒又は内筒の周壁のかしめにより前記抵抗突起と別体に設ける構成が開示されている。しかしながらこの構成においては、二次衝突時の衝撃吸収のために生じる内筒及び外筒間の摺動が、抵抗突起による抵抗と共に、前記保持突起による抵抗が加えられた状態で生じるため、実際の摺動抵抗のばらつきがより大きくなり、所望の衝撃吸収性能を精度良く実現することが一層難しくなる。
【0012】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、コラムハウジングを構成する内筒と外筒との間に衝撃吸収のために生じる摺動を、外筒の内周面に設けた抵抗突起と内筒の外周面との間の抵抗下にて行わせる構成において、摺動抵抗のばらつきを抑え、所望の衝撃吸収性能を高精度に実現し得るステアリング装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係るステアリング装置は、ステアリングホイールの回転トルクを舵取機構に伝達するコラム軸を、適長に亘って内外に嵌合された内筒及び外筒を備えるコラムハウジングの内部に支持し、前記外筒の内周面に突設された抵抗突起を前記内筒の外周面に圧接させて、車両の衝突時に前記ステアリングホイールを介して前記コラム軸に加わる二次衝突の衝撃エネルギを、前記抵抗突起による付与抵抗下にて生じる前記内筒及び外筒の軸長方向の摺動により吸収するステアリング装置において、前記外筒の内周面の前記抵抗突起よりも前記ステアリングホイールの側に、前記抵抗突起よりも小さく前記内筒の外周面に接触しない突出量を有して突設された外保持突起と、前記内筒の外周面に突設され、前記外保持突起に当接する内保持突起と、前記内筒の外周面に凹設され、前記外保持突起及び内保持突起の当接下にて前記抵抗突起を受容する凹部とを備えることを特徴とする。
【0014】
本発明においては、外筒の内周面に抵抗突起及び外保持突起を軸長方向に並べて設け、これらの外保持突起及び抵抗突起と対応するように、内筒の内周面に内保持突起及び凹部を軸長方向に並べて設け、内筒と外筒とを嵌合し、内保持突起と外保持突起とを当接させて、これらにより同心性を確保して組み付ける。この組み付け状態において、外筒に設けた抵抗突起は、内筒に設けた凹部内に、非接触状態、又はわずかに接触した状態で受容されており、二次衝突時の衝撃の作用により内筒と外筒とが摺動を開始した後に凹部から外れ、内筒の外周面に摺接して摺動抵抗を発生する。このとき外保持突起は、内保持突起との当接を解除し、該内保持突起が突設された内筒の外周面に接触することなく移動し、二次衝突による衝撃は、抵抗突起による摺動抵抗のみが加わった状態での内筒と外筒との摺動により吸収され、所望の衝撃吸収性能が精度良く実現される。
【0015】
本発明の第2発明に係るステアリング装置は、第1発明における抵抗突起、外保持突起、内保持突起及び凹部は、前記内筒及び外筒の軸長方向に離隔した位置に、周方向位置を異ならせて複数組設けてあることを特徴とする。
【0016】
この発明においては、抵抗突起、外保持突起、内保持突起及び凹部の組を、内筒及び外筒の軸長方向に離隔した複数位置に設け、二次衝突時に軸長方向以外から加わる分力の作用による内筒及び外筒のこじれに対抗させると共に、夫々の位置における抵抗突起、外保持突起、内保持突起及び凹部の組の周方向位置を異ならせて設け、衝撃吸収のために夫々の周方向位置にて摺動する抵抗突起の干渉を排除して、衝撃吸収のための内筒及び外筒の摺動阻害を防止して、所望の衝撃吸収性能を精度良く実現する。
【0017】
更に本発明の第3発明に係るステアリング装置は、第1又は第2発明における抵抗突起が、前記外筒の周壁を、周方向に離隔して並設された一対のスリット間にて外側からかしめて形成してあることを特徴とする。
【0018】
本発明においては、外筒の周壁に周方向に並設された一対のスリット間のかしめにより、内側への突出量が高精度に設定された抵抗突起を設け、この抵抗突起による抵抗下での摺動により、所望の衝撃吸収性能を精度良く実現する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るステアリング装置の全体構成を示す模式図である。
【0020】
図中1は、コラム軸であり、該コラム軸1は、円筒形をなすコラムハウジング2の内部に同軸的に支承され、該コラムハウジング2の中途部に固設されたアッパブラケット3とコラムハウジング2の一端部に固設されたロアブラケット4とにより、ロアブラケット4の側を前下方(図における左下方)に向けた傾斜姿勢にて車室の内部に支持されている。
【0021】
コラムハウジング2の上部に突出するコラム軸1の上端部には、車室内部の運転者に対面するようにステアリングホイール10が嵌着固定され、同じく下部に突出するコラム軸1の下端部は、両端にユニバーサルジョイント50,50を備える中間軸5を介して舵取機構6の入力軸60に連結されている。以上の構成により、運転者により操舵のためにステアリングホイール10に加えられる回転トルクは、コラム軸1及び中間軸5を介して舵取機構6の入力軸60に伝達され、該舵取機構6の動作により操舵が実行される。
【0022】
なお、図1に示すステアリング装置は、コラムハウジング2の下端部近傍に取付けられた操舵補助用のモータ20を備え、また該モータ20よりも上位置のコラムハウジング2の内部にトルクセンサ21を備え、ステアリングホイール10に加えられる回転トルク(操舵トルク)をトルクセンサ21により検出し、この検出トルクに基づいて駆動されるモータ20の回転力をコラムハウジング2内部のコラム軸1に伝えて、前述の如く行われる操舵を補助する電動パワーステアリング装置として構成されているが、本発明に係るステアリング装置は、運転者によりステアリングホイール10に加えられる回転トルクのみによって操舵を行わせるマニュアル式のステアリング装置であってもよく、また舵取機構6に付設された油圧シリンダの発生力により操舵を補助する油圧パワーステアリング装置であってもよい。
【0023】
本発明に係るステアリング装置において、トルクセンサ21の内蔵部分の上位置に連続するコラムハウジング2の上半部は、適長に亘って内外に嵌合され、軸長方向への相対移動可能に組み合わされた内筒22及び外筒23を備えている。コラムハウジング2の上部を車体に支持するアッパブラケット3は、外筒23の中途部に固設されており、コラムハウジング2に下向きに加わる所定限度を超える力の作用により、車体にカプセル30を残して下方に離脱する公知のブレークアウエイブラケットとして構成されている。
【0024】
図2は、内筒22及び外筒23の嵌合部の一部破断側面図である。内筒22及び外筒23は、共に薄肉の円筒体であり、上側に位置する外筒23には、抵抗突起24及び外保持突起25が、内筒22の嵌め込みがなされる下端開口部の近傍に、前者を下位置として軸長方向に並設されている。これらの抵抗突起24及び外保持突起25は、外筒23の周壁を外側からかしめ、外筒23の内周面を円弧状の側断面を有して内向きに突出させて形成されており、外保持突起25の突出量は、抵抗突起24の突出量Δ(図4参照)よりも小さくしてある。
【0025】
同様の抵抗突起24及び外保持突起25は、外筒23の下端開口部の近傍に周方向に等配をなして各複数(図においては各4つ)並設されている。また、これらの並設位置から軸長方向に適長離れた位置にも各同数の抵抗突起24,24…及び外保持突起25,25…が並設されており、これらの抵抗突起24,24…及び外保持突起25,25…は、下端開口部近傍の抵抗突起24,24…及び外保持突起25,25…の間に夫々位置するように、周方向位置を異ならせて配設されている。
【0026】
一方、下側に位置する内筒22には、内保持突起26及び凹部27が、外筒23に嵌め込まれる上端開口部の近傍に、前者を上位置として軸長方向に並設されている。内保持突起26は、内筒22の周壁を内側からかしめ、内筒22の外周面を台形状の側断面を有して外向きに突出させて形成されており、凹部27は、内筒22の周壁を外側からかしめ、内筒22の外周面を台形状の側断面を有して凹ませて形成されている。
【0027】
同様の内保持突起26及び凹部27は、外筒23の抵抗突起24及び外保持突起25と同様に、内筒22の上端開口部近傍に周方向に等配をなして各4つ並設されており、更に、これらの並設位置から軸長方向に適長離れた位置にも各同数の内保持突起26,26…及び凹部27,27…が、周方向位置を異ならせて形成されている。
【0028】
図3は、抵抗突起24、外保持突起25、内保持突起26及び凹部27の形成態様を示す斜視図である。図3(a)には、抵抗突起24及び外保持突起25の形成態様が示されている。これらは、前述の如く、外筒23の軸長方向に相隣するように配設されているが、外保持突起25は、外筒23の周壁の単純なかしめにより形成されているのに対し、抵抗突起24の形成位置には、外筒23の周壁に周方向に離隔して長孔形をなす一対のスリット28,28が並設されており、抵抗突起24は、これらのスリット28,28間をかしめることにより、外筒23の内周面に所定の突出量を有して形成されている。なお前記スリット28,28は、図2にも示されている。
【0029】
図3(b)には、内保持突起26及び凹部27の形成態様が示されている。内保持突起26及び凹部27は、内筒22の周壁を内側及び外側から夫々かしめて、図示の如く、内筒23の軸長方向に連続するように形成されている。
【0030】
以上の如く構成された内筒22及び外筒23は、前述の如く、適長に亘って内外に嵌合されてコラムハウジング2の上半部を構成する。このとき、外筒23に突設された外保持突起25,25…は、図2に示す如く、内筒22の対応部位に突設された内保持突起26,26…の夫々に圧接せしめられ、内筒22と外筒23とを同心性を確保して一体化せしめる作用をなす。またこのとき、外筒23に突設された抵抗突起24,24…は、内筒22の対応部位に凹設された凹部27,27…の外側に夫々位置し、これらの凹部27,27…内に、非接触状態又はわずかな接触状態にて受容される。
【0031】
以上の如き内筒22及び外筒23を備えるコラムハウジング2には、車両の前面衝突時に、前方への慣性の作用によりステアリングホイール10に運転者が衝突(二次衝突)したとき、軸長方向の下向きに衝撃力が加わる。
【0032】
このとき、前述の如くブレークアウエイブラケットとして構成されたアッパブラケット3が車体から離脱し、該アッパブラケット3による拘束が解除された外筒23は、前記押圧力の作用により内筒22に対して摺動しつつ、図1中にSとして示す摺動ストローク間にて下方に相対移動し、この相対移動によるコラムハウジング2の短縮により二次衝突に伴う衝撃のエネルギが吸収される。
【0033】
図4は、内筒22と外筒23との摺動を伴って生じるコラムハウジング2の短縮動作の説明図であり、図4(a)は、短縮開始時の状態が、図4(b)は、短縮動作中の状態が夫々示されている。
【0034】
前述の如く組み付けられた内筒22と外筒23とは、図4(a)に示す如く、外保持突起25と内保持突起26との当接により同心性を保って一体化されており、この状態は、外筒23に固設されたアッパブラケット3(図1参照)により維持されている。この状態で二次衝突が発生した場合、アッパブラケット3の離脱により、図中に白抜矢符により示す如く外筒23の側から衝撃力が加わり、外筒23は、外保持突起25及び内保持突起26の当接部における抵抗に抗して摺動を開始する。
【0035】
このとき、外筒23に突設された抵抗突起24は、内筒22に凹設された凹部27内において何らの抵抗も生ぜずに移動し、図4(a)中に2点鎖線により示す如く、凹部27の端部に達し、該端部に連続する内筒22の外周面に乗り上げ、この後は、図4(b)に示す如く、内筒22の外周面との間に抵抗を生じるようになる。
【0036】
一方、外筒23に突設された外保持突起25は、図4(a)中に2点鎖線により示す如く、抵抗突起24が凹部の端部に達すると共に内筒22に突設された内保持突起26から外れ、この後は、図4(b)に示す如く、内保持突起26よりも低位置にある内筒22の外周面に接触することなく移動する。
【0037】
このように二次衝突時の衝撃の作用によるコラムハウジング2の短縮は、外保持突起25と内保持突起26との間に生じる摺動抵抗に抗して開始され、両保持突起25,26の当接が解除された後、抵抗突起24と内筒22の外周面との間に生じる摺動抵抗に抗して継続されることとなり、前記衝撃のエネルギは、実質的に、抵抗突起24による抵抗のみが加わった状態での内筒22と外筒23との摺動により吸収される。
【0038】
抵抗突起24は、前述の如く、外筒23の周壁を一対のスリット28,28間にてかしめて形成されており、外筒23の内周面からの突出量Δ、及び内筒22の外周面との間のオーバラップ量δを、かしめ荷重の管理により正確に設定することが可能であり、内筒22の外周面との間の摺動抵抗を、ばらつきなく高精度に設定することができる。また抵抗突起24は、組み付け状態において内筒22に設けた凹部27内に受容させてあるから、通常操舵時における種々の外力を受けることがなく、初期設定された突出量Δが変化せず、所望の衝撃吸収性能を確実に実現することができる。
【0039】
一方、通常操舵時において内筒22と外筒23との同心性は、外保持突起25と内保持突起26との当接により保たれるが、これらの突起25,26は、外筒23及び内筒22の周壁の単純なかしめにより大なる剛性を有して形成されており、コラムハウジング2の内部でのコラム軸1の支持剛性剛性が不足する虞れはない。また外保持突起25は、二次衝突に伴う衝撃力の作用により内保持突起26から速やかに外れ、その後は内筒22と接触することがないから、外保持突起25による摺動抵抗が衝撃吸収性能に影響を及ぼす虞れは小さく、所望の衝撃吸収性能を高精度に実現することができる。
【0040】
また、外筒23における抵抗突起24及び外保持突起25、並びに内筒22における内保持突起26及び凹部27は、軸長方向に離隔した2位置に夫々設けてあるから、二次衝突時に軸長方向以外から加わる分力の作用により内筒22及び外筒23にこじれが発生し、衝撃吸収作用が損なわれる虞れがなく、また、前述した2位置に設けられた抵抗突起24、外保持突起25、内保持突起26及び凹部27の組は、周方向位置を相互に異ならせてあるから、衝撃吸収時における一方の組の外保持突起25の摺動が、他方の組の内保持突起26及び凹部27の存在により損なわれる虞れがなく、前記摺動ストロークSの全長に亘って略一定の摺動抵抗が得られ、この摺動抵抗の反力をステアリングホイール10との衝突により体感する運転者は、大なるダメージを受けることなく保護される。
【0041】
なお、外筒23における抵抗突起24及び外保持突起25、並びに内筒22における内保持突起26及び凹部27は、軸長方向の複数位置に設けてあればよく、内筒22と外筒23との摺動ストロークSの不足を引き起こさない範囲であれば、軸長方向に離隔した3位置以上に設けてもよい。また各位置における抵抗突起24、外保持突起25、内保持突起26及び凹部27の組は、以上の実施の形態に示す4組に限らず適宜に選定することができる。但し、外保持突起25と内保持突起26とによる内筒22及び外筒23の同心性の保持作用をなすためには、3組以上とする必要がある。更に抵抗突起24、外保持突起25、内保持突起26及び凹部27の形状は、図3に示す形状に限らず、適宜の形状となし得ることは言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係るステアリング装置においては、コラムハウジングを構成する内筒と外筒との間に衝撃吸収のために生じる摺動時に抵抗突起により加えられる摺動抵抗のばらつきを、簡素な構成により、コラム軸の支持剛性を低下させること抑えることができ、所望の衝撃吸収性能を確実に実現することが可能となり、運転者の安全確保に有用である等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステアリング装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】内筒及び外筒の嵌合部の一部破断側面図である。
【図3】抵抗突起、外保持突起、内保持突起及び凹部の形成態様を示す斜視図である。
【図4】コラムハウジングの短縮動作の説明図である。
【符号の説明】
1 コラム軸
2 コラムハウジング
6 舵取機構
10 ステアリングホイール
22 内筒
23 外筒
24 抵抗突起
25 外保持突起
26 内保持突起
27 凹部
28 スリット

Claims (3)

  1. ステアリングホイールの回転トルクを舵取機構に伝達するコラム軸を、適長に亘って内外に嵌合された内筒及び外筒を備えるコラムハウジングの内部に支持し、前記外筒の内周面に突設された抵抗突起を前記内筒の外周面に圧接させて、車両の衝突時に前記ステアリングホイールを介して前記コラム軸に加わる二次衝突の衝撃エネルギを、前記抵抗突起による付与抵抗下にて生じる前記内筒及び外筒の軸長方向の摺動により吸収するステアリング装置において、
    前記外筒の内周面の前記抵抗突起よりも前記ステアリングホイールの側に、前記抵抗突起よりも小さく前記内筒の外周面に接触しない突出量を有して突設された外保持突起と、 前記内筒の外周面に突設され、前記外保持突起に当接する内保持突起と、
    前記内筒の外周面に凹設され、前記外保持突起及び内保持突起の当接下にて前記抵抗突起を受容する凹部と
    を備えることを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記抵抗突起、外保持突起、内保持突起及び凹部は、前記内筒及び外筒の軸長方向に離隔した位置に、周方向位置を異ならせて複数組設けてある請求項1記載のステアリング装置。
  3. 前記抵抗突起は、前記外筒の周壁を、周方向に離隔して並設された一対のスリット間にて外側からかしめて形成してある請求項1記載のステアリング装置。
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