JP4079234B2 - 金属フタロシアニン類の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属フタロシアニン類の製造方法に関し、特に金属フタロシアニン類の異性体の生成を制御して、非対称型の金属フタロシアニン類を選択的に製造することができる金属フタロシアニン類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
金属フタロシアニン類は、塗料、印刷インキ、着色剤、電子写真感光体、光ディスク用材料として有用な化合物であり、これまで非常に多くの化合物が合成されてきている。金属フタロシアニン類の製造方法は古くから知られており、Lezonoffらによる「Phtharocyanine(vol.1から4)」(〜1996年)に詳しく記載されている。これらの方法は、大きく次の3通りの方法に分けられる。
第一の方法は、無水フタル酸類と金属あるいはハロゲン化金属と尿素の混合物を高沸点溶媒の存在下あるいは無溶媒条件で加熱する方法である。この場合、必要に応じてモリブデン酸アンモニウム等の触媒が併用される。
第二の方法は、フタロニトリル類とハロゲン化金属を高沸点溶媒の存在下あるいは無溶媒条件において加熱する方法である。この方法は、第一の方法で製造できない金属フタロシアニン類、例えばアルミニウム、インジウム、オキソバナジウム、オキソチタニウム、ジルコニウム等を中心金属に有するフタロシアニン類等の製造に用いられている。
第三の方法は無水フタル酸類あるいはフタロニトリル類とアンモニアとをまず反応させて、例えば1,3−ジイミノイソインドリン類等の中間体を製造し、次いで、それとハロゲン化金属とを高沸点溶媒中で反応させて製造する方法である。
【0003】
ところで、金属フタロシアニン類は、それを工業的に利用する場合様々な問題が生じるが、それらは金属フタロシアニン類の構造と深く関わっている。例えば、金属フタロシアニン類を光記録材料に用いる場合、熱的、光学的な特性に加えて、有機溶媒等への溶解性を持たせるために、長鎖アルキル基を有するフタロシアニン類(例えば特開平2−187468号公報)や、芳香環を増やしたナフタロシアニン類(例えば特開平2−289653号公報)等が検討されている。
また、金属フタロシアニン類を電子写真感光体に用いる場合、金属フタロシアニン類の結晶性が電子写真特性に影響を与えるが、これも金属フタロンアニン類の置換基と重要な関わりを持っている。
【0004】
金属フタロシアニン類の製造に、3位−に置換基を有するフタロニトリル類を用いる場合、下記表1に示すような(a)対称型と(b)非対称型1、(c)非対称型2、および(d)非対称型3の4種類の金属フタロシアニン類が製造される(なお、Rは置換基を示す)。
通常の製造方法ではこれら4種類の混合物として製造されるが、光記録材料としては非対称型、また電子写真感光体としては対称型と言うように、目的とする特性に応じて必要とされる金属フタロシアニン類は異なってくる。そのため反応条件によって金属フタロシアニン類の異性体の製造を制御することは収率の向上に重要になってくる。
【0005】
【表1】
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、通常の製造方法においては、種々の異性体が同時に生成し、金属フタロシアニン類の混合物として得られるために、目的する化合物はカラムクロマトや溶液法によって分離、精製する必要がでてくる。そのため製造工程も長くなり、工業的な見地からはコスト高につながるという欠点を有している。
そこで本発明の課題はこのような問題点を解決し、非対称型の金属フタロシアニン類を選択的に製造することができる金属フタロシアニン類の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第一に、非対称のフタロニリル類と金属ハロゲン化物とを反応させる金属フタロシアニン類の製造方法において、前記非対称のフタロニトリル類と下記一般式(1)で示される化合物を含む溶液に、加熱下で塩基を滴下させ、ついで金属ハロゲン化物を加えて反応させることを特徴とする金属フタロシアニン類の製造方法が提供される。
【0008】
【化2】
【0009】
(式中、Rは水素原子または有機基を表し、Xは酸素原子またはイオウ原子を表す。)
【0010】
第二に、上記第一に記載の金属フタロシアニン類の製造方法において、金属ハロゲン化物として塩化バナジウムを用いることを特徴とする金属フタロシアニン類の製造方法が提供される。
【0011】
第三に、上記第一または第二に記載の金属フタロシアニン類の製造方法において、反応を有機溶媒中で行うことを特徴とする金属フタロシアニン類の製造方法が提供される。
【0012】
第四に、上記第三に記載の金属フタロシアニン類の製造方法において、有機溶媒としてアルコール系溶媒を用いることを特徴とする金属フタロシアニン類の製造方法が提供される。
【0013】
第五に、上記第四に記載の金属フタロシアニン類の製造方法において、有機溶媒としてベンジルアルコールを用いることを特徴とする金属フタロシアニン類の製造方法が提供される。
【0014】
第六に、上記第一乃至第五のいずれかに記載の金属フタロシアニン類の製造方法において、金属ハロゲン化物として三塩化バナジウムTHF錯体を用いることを特徴とする金属フタロシアニン類の製造方法が提供される。
【0015】
第七に、上記第一乃至第六のいずれかに記載の金属フタロシアニン類の製造方法において、非対称のフタロニトリル類として3−位置換フタロニトリル類を用いることを特徴する金属フタロシアニン類の製造方法が提供される。
【0016】
第八に、上記第一乃至第七のいずれかに記載の金属フタロシアニン類の製造方法において、一般式(1)で示される化合物として有機基Rがアミノ基、アルキル基またはアリール基である化合物を用いること特徴とする金属フタロシアニン類の製造方法が提供される。
【0017】
第九に、上記第一乃至第八のいずれかに記載の金属フタロシアニン類の製造方法において、一般式(1)で示される化合物として、尿素、脂肪族アミドおよび芳香族アミドからなる群から選ばれる1種類以上の化合物を用いることを特徴とする金属フタロシアニン類の製造方法が提供される。
【0018】
第十に、上記第一乃至第九のいずれかに記載の金属フタロシアニン類の製造方法において、反応温度が60〜150℃であることを特徴とする金属フタロシアニン類の製造方法が提供される。
【0019】
以下に本発明を更に詳しく説明する。
金属フタロシアニン類を製造する場合、無置換あるいは対称的なフタロニトリル類を用いる場合は、生成する金属フタロシアニン類は一種類であるため、異性体の問題は生じないが、非対称のフタロニトリル類を用いた場合には、前記のごとく数種類の異性体の混合物になる。そこで本発明者らは、非対称型の金属フタロシアニン類を選択的に製造する方法を確立すべく、鋭意検討を行なった結果、フタロニトリル類と前記一般式(1)の化合物あるいはアンモニアとを反応させて、1,3−ジイミノイソインドリン類を経由する金属フタロシアニン類の製造方法において、加熱下に塩基を滴下してイソインドリン化反応を行ない、ついで金属ハロゲン化物を加えて反応させることによって、非対称型の金属フタロシアニン類を選択的に収量良く製造ができること、また特定の金属ハロゲン化物、溶媒を用いることによって、非対称型の金属フタロシアニン類をさらに収量良く製造できることを見い出した。
【0020】
本発明において使用されるフタロニトリル類としては、一般的には3−位に置換基を有するフタロニトリル類であるが、非対称のフタロニトリル類であれば基本的にはどのようなものでもかまわない。
このようなフタロニトリル類を例示すると下記表2に示されるものが挙げられるがこれらに限られるものではない。
【0021】
【表2】
【0022】
本発明で使用される金属ハロゲン化物としては、三塩化バナジウムが一般的であるが、取り扱いの容易な三塩化バナジウムのTHF錯体を用いることによって、さらに非対称型の異性体の製造が促進される。
【0023】
また、前記一般式(1)で示される化合物としては、例えば、ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミド、ブチルアミド等の脂肪族アミド、ベンズアミド等の芳香族アミド、尿素、チオ尿素、チオアセトアミド、チオベンズアミドなどが挙げられる。
【0024】
本発明において使用される塩基としては、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等のナトリウムアルコラートなどが挙げられる。
【0025】
また、有機溶媒としては、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、1−へキサノール、シクロヘキサノール、1−へプタノール、1−オクタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系有機溶媒が挙げられるが、ベンジルアルコールを溶媒に用いた場合に特に対称型の異性体の製造を抑えることができる。
【0026】
さらに、本発明の金属フタロシアニン類の製造方法は、従来の方法に比べて低い温度で金属フタロシアニン類が得られるという利点がある。フタロニトリル類と前記一般式(1)で示される化合物またはアンモニアとを含む溶液に、加熱下で塩基を滴下させ、ついで金属ハロゲン化物を加えて反応させる際の反応温度としては、60℃から150℃の範囲が選択できる。反応温度が高すぎると、フタロニトリル類の分解生成物が多くなるため、80℃から130℃の範囲が特に推奨される。反応時間は、反応温度とフタロニトリル類に依存するため一概に言えないが、1時間から24時間の範囲である。
【0027】
【作用】
本発明の金属フタロシアニン類の製造方法において、特定の異性体が選択的に得られる反応のメカニズムに関しては必ずしも明らかではないが、次のように推測される。すなわち、フタロニトリル類と前記一般式(1)で表される化合物あるいはアンモニアとを反応させて、1,3−ジイミノイソインドリン類を経由する反応では、インドリンとフタロニトリルとの反応による二量化生成物が、さらに二量化してフタロシアニン環の鋳型が形成されると考えられており、最初の反応を熱時に行うことで優先的に対称性のよい二量化物が生成されることから、さらに次の二量化反応では必然的に非対称型の異性体の鋳型が選択的に形成されるため、製造される金属フタロシアニン類も非対称型の異性体が主生成物になるものと推測される。
【0028】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。
【0029】
実施例1
例示化合物(4)のフタロニトリル2.37g(0.015mol)、ホルムアミド0.34g(0.0075mol)およびn−ペンタノール50mlを70℃に加熱して、20%ナトリウムメチラートのメタノール溶液2.90g(0.015mol)を滴下した。この温度でさらに30分攪拌した後、90℃に加熱して三塩化バナジウム0.67g(0.0042mol)を投入した。さらに100℃に加熱して、この温度で6時間攪拌した。室温まで冷却してから反応混合物にメタノールを150ml加え、これに水80mlを滴下して結晶を析出させ、2時間攪拌した後、結晶を濾別した。
濾別した結晶を少量のメタノール/水(3/1)、THFで洗浄し、ついで減圧下、80℃で乾燥して2.46gのバナジルフタロシアニンを得た(収率83.0%)。高速液体クロマログラフにより、非対称型のバナジルフタロシアニンが選択的に製造されたことが確認できた。
【0030】
実施例2
例示化合物(5)のフタロニトリル3.00g(0.015mol)、ホルムアミド0.68g(0.015mol)およびn−ペンタノール50mlを70℃に加熱して、20%ナトリウムメチラートのメタノール溶液2.90g(0.015mol)を滴下した。この温度でさらに30分攪拌した後、90℃に加熱して三塩化バナジウム0.67g(0.0042mol)を投入した。さらに100℃に加熱して、この温度で4時間攪拌した。室温まで冷却してから反応混合物にメタノールを150ml加え、これに水80mlを滴下して結晶を析出させ、2時間攪拌した後、結晶を濾別した。
濾別した結晶を少量のメタノール/水(3/1)、THFで洗浄し、ついで減圧下、80℃で乾燥して3.10gのバナジルフタロシアニンを得た(収率85.7%)。高速液体クロマログラフにより、非対称型のバナジルフタロシアニンが選択的に製造されたことが確認できた。
【0031】
実施例3
例示化合物(15)のフタロニトリル5.55g(0.015mol)、ホルムアミド0.34g(0.0075mol)およびn−ペンタノール50mlを70℃に加熱して、20%ナトリウムメチラートのメタノール溶液2.90g(0.015mol)を滴下した。この温度でさらに30分攪拌した後、90℃に加熱して三塩化バナジウム0.67g(0.0042mol)を投入した。さらに100℃に加熱して、この温度で6時間攪拌した。室温まで冷却してから反応混合物にメタノールを150ml加え、これに水80mlを滴下して結晶を析出させ、2時間攪拌した後、結晶を濾別した。
濾別した結晶を少量のメタノール/水(3/1)、THFで洗浄し、ついで減圧下、80℃で乾燥して4.64gのバナジルフタロシアニンを得た(収率80.0%)。高速液体クロマログラフにより、非対称型のバナジルフタロシアニンが選択的に製造されたことが確認できた。
【0032】
実施例4
例示化合物(15)のフタロニトリル5.55g(0.015mol)、ホルムアミド0.68g(0.015mol)およびベンジルアルコール50mlを70℃に加熱して、20%ナトリウムメチラートのメタノール溶液2.90g(0.015mol)を滴下した。この温度でさらに30分攪拌した後、90℃に加熱して三塩化バナジウム0.67g(0.0042mol)を投入した。さらに100℃に加熱して、この温度で6時間攪拌した。室温まで冷却してから反応混合物にメタノールを150ml加え、これに水80mlを滴下して結晶を析出させ、2時間攪拌した後、結晶を濾別した。
【0033】
濾別した結晶を少量のメタノール/水(3/1)、THFで洗浄し、ついで減圧下、80℃で乾燥して4.80gのバナジルフタロシアニンを得た(収率82.8%)。得られたバナジルフタロシアニンの高速液体クロマログラフを図1に示す。図1には、前記表1の(b)非対称型1のバナジルフタロシアニンを示すピーク1および(c)非対称型2のバナジルフタロシアニンを示すピーク2が見られ、非対称型のバナジルフタロシアニンが選択的に製造されたことが確認できた。
【0034】
実施例5
例示化合物(15)のフタロニトリル5.55g(0.015mol)、ホルムアミド0.68g(0.015mol)およびベンジルアルコール50mlを70℃に加熱して、20%ナトリウムメチラートのメタノール溶液2.90g(0.015mol)を滴下した。この温度でさらに30分攪拌した後、90℃に加熱して三塩化バナジウムTHF錯体1.60g(0.0042mol)を投入した。さらに100℃に加熱して、この温度で6時間攪拌した。室温まで冷却してから反応混合物にメタノールを150ml加え、これに水80mlを滴下して結晶を析出させ、2時間攪拌した後、結晶を濾別した。
【0035】
濾別した結晶を少量のメタノール/水(3/1)、THFで洗浄し、ついで減圧下、80℃で乾燥して5.04gのバナジルフタロシアニンを得た(収率86.7%)。得られたバナジルフタロシアニンの高速液体クロマログラフを図2に示す。図2には、前記表1の(b)非対称型1のバナジルフタロシアニンを示すピーク1および(c)非対称型2のバナジルフタロシアニンを示すピーク2が見られ、非対称型のバナジルフタロシアニンが選択的に製造されたことが確認できた。
【0036】
比較例1
例示化合物(15)のフタロニトリル5.55g(0.015mol)、ホルムアミド0.34g(0.0075mol)、20%ナトリウムメチラートのメタノール溶液2.90g(0.015mol)およびn−ペンタノール50mlを50℃に加熱して、この温度で1時間攪拌した。次いで90℃に加熱して三塩化バナジウム0.67g(0.0042mol)を投入し、さらに100℃に加熱して、この温度で6時間攪拌した。室温まで冷却してから反応混合物にメタノールを150ml加え、これに水80mlを滴下して結晶を析出させ、2時間攪拌した後、結晶を濾別した。
【0037】
濾別した結晶を少量のメタノール/水(3/1)、THFで洗浄し、ついで減圧下、80℃で乾燥して3.68gのバナジルフタロシアニンを得た(収率63.4%)。得られたバナジルフタロシアニンの高速液体クロマログラフを図3に示す。図3には、前記表1の(a)対称型のバナジルフタロシアニンを示すピーク3、(b)非対称型1および(c)非対称型2のバナジルフタロシアニンを示すピーク1および2が見られ、非対称型のバナジルフタロシアニンが選択的に製造されていないことが確認できた。
【0038】
比較例2
例示化合物(15)のフタロニトリル5.55g(0.015mol)、三塩化バナジウム0.59g(0.0038mol)およびn−ペンタノ−ル50mlを攪拌しながら、105℃まで昇温した。反応温度が100℃を越えたところで1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)4.00g(0.02625mol)を約10分間かけて滴下し、その後104〜106℃の間に温度を保って4時間攪拌した。室温まで冷却してから反応混合物にメタノールを150ml加え、これに水80mlを滴下して結晶を析出させ、2時間攪拌した後、結晶を濾別した。
【0039】
濾別した結晶を少量のメタノール/水(3/1)、THFで洗浄し、ついで減圧下、80℃で乾燥して3.48gのバナジルフタロシアニンを得た(収率60%)。
得られたバナジルフタロシアニンの高速液体クロマログラフを図4に示す。図4には、前記表1の(a)対称型のバナジルフタロシアニンを示すピーク3が見られ、非対称型のバナジルフタロシアニンが選択的に製造されていないことが確認できた。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、非対称型の金属フタロシアニン類を選択的に製造することができる。
また、本発明によれば、非対称型の金属フタロシアニン類を選択的に高収率で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で得られたバナジルフタロシアニンの高速液体クロマログラフである。
【図2】実施例5で得られたバナジルフタロシアニンの高速液体クロマログラフである。
【図3】比較例1で得られたバナジルフタロシアニンの高速液体クロマトグラフである。
【図4】比較例2で得られたバナジルフタロシアニンの高速液体クロマトグラフである。
【符号の説明】
1 前記表1の(b)非対称型1のバナジルフタロシアニンを示すピーク
2 前記表1の(c)非対称型2のバナジルフタロシアニンを示すピーク
3 前記表1の(a)対称型のバナジルフタロシアニンを示すピーク

Claims (10)

  1. 非対称のフタロニトリル類と金属ハロゲン化物とを反応させる金属フタロシアニン類の製造方法において、前記非対称のフタロニトリル類と下記一般式(1)で示される化合物を含む溶液に、加熱下で塩基を滴下させ、ついで金属ハロゲン化物を加えて反応させることを特徴とする金属フタロシアニン類の製造方法。
    (式中、Rは水素原子または有機基を表し、Xは酸素原子またはイオウ原子を表す。)
  2. 金属ハロゲン化物として塩化バナジウムを用いることを特徴とする請求項1記載の金属フタロシアニン類の製造方法。
  3. 反応を有機溶媒中で行うことを特徴とする請求項1または2記載の金属フタロシアニン類の製造方法。
  4. 有機溶媒としてアルコール系溶媒を用いることを特徴とする請求項3記載の金属フタロシアニン類の製造方法。
  5. 有機溶媒としてベンジルアルコールを用いることを特徴とする請求項4記載の金属フタロシアニン類の製造方法。
  6. 金属ハロゲン化物として三塩化バナジウムTHF錯体を用いることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の金属フタロシアニン類の製造方法。
  7. 非対称のフタロニトリル類として3−位置換フタロニトリル類を用いることを特徴する請求項1乃至6のいずれかに記載の金属フタロシアニン類の製造方法。
  8. 一般式(1)で示される化合物として有機基Rがアミノ基、アルキル基またはアリール基である化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の金属フタロシアニン類の製造方法。
  9. 一般式(1)で示される化合物として、尿素、脂肪族アミドおよび芳香族アミドからなる群から選ばれる1種類以上の化合物を用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の金属フタロシアニン類の製造方法。
  10. 反応温度が60〜150℃であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の金属フタロシアニン類の製造方法。
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