JP3780436B2 - α−テトラ置換フタロシアニンの製造法 - Google Patents

α−テトラ置換フタロシアニンの製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録用色素、カラーフィルター用色素、光電変換素子、電子写真感光体、有機半導体素子、触媒及びガスセンサー、カラーフィルターに利用可能な式(1)で表されるα−テトラ置換フタロシアニンの製造法に関するものである。
【0002】
【化4】
Figure 0003780436
【0003】
式(1)中、フタロシアニン骨格周辺の1〜16の数字は炭素原子の位置番号を示す。フタロシアニン骨格に結合する置換基Xは式(4)で表される1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロポキシ基を意味し、1又は4のいずれか、5又は8のいずれか、9又は12のいずれか、13又は16のいずれかの位置の炭素原子にそれぞれ結合しているものとする。
【0004】
【化5】
Figure 0003780436
【0005】
【従来の技術】
α−テトラ置換フタロシアニンの製法としては特開平5−17700号公報にみられる様に3−置換フタロニトリルを直接環化する方法と、特開平5−25177号公報にみられる様に3−置換フタロニリルから一旦ジイミノイソインドリンを得、このジイミノイソインドリンを環化する方法とが知られている。
α−テトラ置換フタロシアニンにはフタロシアニン骨格の4,8,12,16位(1,5,9,13位でも同じ)に置換基が位置する有機溶剤溶解性の低い異性体とこの異性体以外の比較的有機溶剤溶解性の高い3つの異性体とが存在し、これらの混合比によって光記録用色素としての性能が微妙に変化する。
これら異性体の生成比は、置換基及び中心金属が同一のフタロシアニンを製造する場合であっても製法が上記のいずれの方法であるかによって相当に異なっている。しかし、いずれの製法による場合にも前記した従来のフタロシアニンの場合にはフタロシアニン骨格の4,8,12,16位に置換基を有する異性体が、常に1番目か又は2番目に多く生成している点で共通している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記した公報によればフタロシアニンの製法のうち、前者の3−置換フタロニトリルを直接環化する方法は、収率、工程数などの点で後者に優る方法と考えられる。
ところが、目的物として式(1)で表される特定のフタロシアニンを得る為にこの方法を採用した際には、使用する三塩化バナジウムの品質によって目的物中の異性体比が相当に異なり、フタロシアニン骨格の4,8,12,16位に置換基が位置する有機溶剤溶解性の低い(11)式の異性体が全異性体の80%以上を占めることが多かった。
また、(11)式以外の異性体混合物を合計で全異性体の25〜30%生成させることができても、その為には条件設定を相当に厳しくしなければならず、量産化する場合は未だ再現性の面で不安が残った。更にまた、この様な厳しい条件設定で(11)式以外の異性体混合物の生成比を高めようとすると、3−置換フタロニトリルからの粗製フタロシアニンの収率が50%台と相当に悪くなるという不都合もみられた。
【0007】
【化6】
Figure 0003780436
【0008】
本発明は、この様な検討を基に、式(1)で表されるフタロシアニンを高収率で容易に製造することができ、また、フタロシアニン骨格の4,8,12,16位に置換基が位置する有機溶剤溶解性の低い(11)式の異性体以外の異性体を多く、確実に製造することのできる方法を提供せんと研究の結果到達したものである。尚、α−テトラ置換フタロシアニンには理論的に4種類の異性体が考えられる。しかし、本発明のα−テトラ置換フタロシアニンの場合、4種類の異性体は得られず、多くても3種類の異性体が得られるのみである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、式(3)で表される3−置換フタロニトリルを脂肪族アルコール中、アルコキシドの存在下にアンモニア、尿素、カルバミン酸アンモニウム、ホルムアミド及びカルバミン酸エチルから選ばれる化合物と反応させるとともに、この反応で生成する式(2)で表されるジイミノイソインドリンを反応系から単離することなく引き続き反応系に三塩化バナジウムを作用させることを特徴とする、式(1)で表されるα−テトラ置換フタロシアニンの製造法に係るものである。
ここでアルコキシドとしては、ナトリウム(又はカリウム)メトキシド、ナトリウム(又はカリウム)エトキシド、ナトリウム(又はカリウム)ブトキシドを使用することができる。
【0010】
【化7】
Figure 0003780436
【0011】
【化8】
Figure 0003780436
【0012】
【発明の実施の形態】
(3)式で表される3−置換フタロニトリルとアンモニアとの反応を、3−置換フタロニトリルを仕込んだ反応容器中へアンモニアを継続的に導入しつつおこなう場合、反応系は特に加温しなくても30℃前後となり、アンモニア導入開始時から20〜30分程度経過すると原料である3−置換フタロニトリルが消失し反応は完結する。
アンモニアを反応容器中へ当初に導入するのみで継続的に導入しない場合は、反応促進のために反応系を加温した方がよく、60℃付近迄加温する場合、加温開始時から10〜20分程度で反応は完結する。
【0013】
アンモニアの代りに尿素又はカルバミン酸アンモニウムを使用して3−置換フタロニトリルと反応させる場合、理論的には、3−置換フタロニトリルに対しその0.5倍モルの尿素又はカルバミン酸アンモニウムを仕込めば、3−置換フタロニトリルと同モルのジイミノイソインドリンが生成する計算になる。同様にアンモニアの変わりにホルムアミド又はカルバミン酸エチルを使用する場合、理論的には、3−置換フタロニトリルに対し同モルのホルムアミド又はカルバミン酸エチルを仕込めばよいことになる。
しかしながら、後記の実施例19〜21からも明かなように、尿素その他のアミノ基供給源となる化合物の量が上記した理論量よりもかなり少ない場合でも目的とするフタロシアニンの収率は良好である。
これは、一つには、ジイミノイソインドリンが環化する過程で、ジイミノイソインドリン又はそれらの結合体などから分離するイミノ基又はアミノ基が再びアミノ基供給源となる化合物となって、3−置換フタロニトリルや3−置換フタロニトリルが目的とするフタロシアニンに至るまでに経る各種の中間体に作用する為と考えられる。
【0014】
3−置換フタロニトリルとアンモニア、尿素、カルバミン酸アンモニウム、ホルムアミド及びカルバミン酸エチルから選ばれる化合物との反応と、三塩化バナジウムを使用するジイミノイソインドリンの環化反応とを一浴でおこなうには、先の反応に使用する脂肪族アルコールとして炭素数5〜8の脂肪族アルコールを用いることが望ましい。先の反応に炭素数5〜8の脂肪族アルコールを用いた場合には、後の環化反応に必要な温度を常圧下に無理なく達成できるからである。ジイミノイソインドリンの環化反応は、90〜150℃、更に望ましくは100〜130℃でおこなう。この温度が低くなればなるほど反応は進み難くなる。一方、反応温度が高すぎると、目的とするフタロシアニン中、歪の大きい構造の異性体の比率が減少したり、各種の副生物が増大する危険性が大きくなる。
【0015】
ジイミノイソインドリンが生成する反応系には、出発原料である3−置換フタロニトリルの仕込モル数のおよそ4分の1モルに相当する三塩化バナジウムを作用させてジイミノイソインドリンの環化反応をおこなう。
この三塩化バナジウムによるジイミノイソインドリンの環化反応に際しては、三塩化バナジウムが消費したり、分解したりすることのない様に反応系へ事前に窒素を導入するとよい。
三塩化バナジウムによるジイミノイソインドリンの環化反応の反応速度は温度によって異なるほか、アミノ基供給源となる化合物として何を用いたかでも相当に異なり、後記の実施例にもある様に、例えばアンモニアの場合には2時間程度で完結する反応も、尿素の場合には5時間程度必要となる。
【0016】
以上により、反応系中に溶存した状態で生成したフタロシアニンを固形粉末として得、光記録媒体などの用途に利用するに当たっては、反応溶液をメタノールなどで希釈した後、攪拌下に水を滴下して析出するフタロシアニン色素を濾集し、得られたペーストを常法により洗浄・乾燥して粗製のフタロシアニンとする。次いで粗製のフタロシアニンをシリカゲルカラムクロマトグラフィにかけ、適宜間隔で各種異性体からなるフタロシアニンを順次分取し、濃縮・乾燥して精製フタロシアニンとする。
分取した精製フタロシアニンについては、それぞれに含まれる異性体の種類や比率を適宜液体クロマトグラフィなどで確認し、適宜の分取区分を組み合わせて光記録媒体などの用途に供する。
【0017】
以上の本発明の方法による場合、(3)式の3−置換フタロニトリルからの粗製フタロシアニンの収率(粗製収率)は80%台におよび、粗製フタロシアニンからの精製フタロシアニンの収率(精製収率)は70%台におよぶ。特にアミノ基供給源となる化合物としてホルムアミドを使用した場合には、粗製フタロシアニンの収率が80%台におよぶだけでなく、精製フタロシアニンの収率も90%台におよぶ。
また、この様にして得たフタロシアニン中には、式(11)の異性体以外の異性体が合計して50〜90%含まれている。
ちなみに、3−置換フタロニトリルを直接環化して本発明のフタロシアニンを得る場合には、異性体生成比率を度外視した場合でも粗製フタロシアニンの収率は70%台止まりであり、前記した様に式(11)の異性体以外からなる異性体の生成比を増大させようとするとその収率は50%台止まりとなる。しかも、この場合は粗製フタロシアニンからの精製フタロシアニンの精製収率も30%台と低い。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
実施例1
1)3−(1’,1’,1’,3’,3’,3’−ヘキサフルオロ−2’−フェニル−2’−プロポキシ)フタロニトリルの合成;
反応フラスコに1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロパノール29.3g(0.12mol)、3−ニトロフタロニトリル17.3g(0.10mol)、無水炭酸カリウム55.2g(0.40mol)、及びジメチルスルホキシド100mlを仕込み、窒素気流下70℃で6時間撹拌した。室温まで放冷後、反応混合物を水100ml中に排出し、析出物をろ集、水洗、100℃で乾燥して25.9gの目的物結晶を得た(収率70%)。この化合物の融点は150〜155℃であり、GC/MS分析の結果、分子量ピークM=370が確認された。
【0019】
2)4−(1’,1’,1’,3’,3’,3’−ヘキサフルオロ−2’−フェニル−2’−プロポキシ)−1,3−ジイミノイソインドリンの合成;
反応フラスコに上記で得られたフタロニトリル誘導体18.5g(0.050mol)、ナトリウムエトキシド1.70g(0.025mol)、1−ペンタノール100mlを仕込み、撹拌下室温でアンモニアガスを5分間吹き込み、反応系にアンモニアを吸収させた。その後、50℃まで加熱し、この温度で30分撹拌し、ジイミノイソインドリン誘導体を生成させた。
【0020】
3)環化反応;
上記の反応系において、生成したジイミノイソインドリン誘導体を単離せず、窒素気流下で撹拌しながら90℃まで加熱し、この温度で三塩化バナジウム1.96g(0.0125mol)を投入した。その後、110℃まで加熱し、この温度で2時間撹拌した。放冷後、反応混合物をメタノール230ml中に排出し、撹拌下で水115mlを滴下して生成物を晶析させた。これをろ集、メタノール/水(2/1:容量比)300mlで洗浄、100℃で乾燥して15.9gの粗製色素を得た(粗収率82.2%)。
ここで得られた粗製色素を液体クロマトグラフィーにより分析し(分析条件:カラム;NUCLEOSIL 300−5C18 96YB−2,キャリア;THF/メタノール=10/90)、次の表1のような結果を得た。
【0021】
【表1】
Figure 0003780436
【0022】
表1中、ピークNo.1、及び2は有機溶剤に対する溶解度が高い成分である。ピークNo.3は、有機溶剤に対する溶解度が低い(11)式の異性体と他の異性体の2種の異性体から成るピークであると推定される。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン/ヘキサン=7/3:容量比)により精製して、その異性体比を調査した結果、(11)式の異性体と構造不明の色素成分に分離することができた。後者は、その吸収波長、及びLC/MSの結果より、環化反応中に置換基の一部が分解した成分であると推定されたが、その生成量は微量であった。
トルエン/ヘキサン(7/3:容量比)を溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製分離して得た(11)式の異性体と、ピークNo.1及び2の混合物の物性を調査した結果は、次の表2のとおりであった。
【0023】
【表2】
Figure 0003780436
【0024】
前記で得た粗製色素2.50gをトルエンを溶媒としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した結果、精製色素1.84gを得た(精製収率73.6%)。
【0025】
実施例2
環化反応時の温度を90℃とした以外は、すべて実施例1と同様な操作を行い、目的とする粗製色素を得た。粗収量15.6g(粗収率80.7%)。
【0026】
実施例3
環化反応時の温度を100℃とした以外は、すべて実施例1と同様な操作を行い、目的とする粗製色素を得た。粗収量15.7g(粗収率81.2%)。
【0027】
実施例4
環化反応時の温度を120℃とした以外は、すべて実施例1と同様な操作を行い、目的とする粗製色素を得た。粗収量15.5g(粗収率80.2%)。
【0028】
実施例5
環化反応時の温度を130℃とした以外は、すべて実施例1と同様な操作を行い、目的とする粗製色素を得た。粗収量15.0g(粗収率77.6%)。
【0029】
実施例6
1)4−(1’,1’,1’,3’,3’,3’−ヘキサフルオロ−2’−フェニル−2’−プロポキシ)−1,3−ジイミノイソインドリンの合成;
反応フラスコに実施例1の1)と同様にして得たフタロニトリル誘導体18.5g(0.050mol)と、ナトリウムエトキシド1.70g(0.025mol)、尿素1.50g(0.025mol)、1−ペンタノール100mlを仕込み、50℃で30分撹拌して、ジイミノイソインドリン誘導体を生成させた。
【0030】
2)環化反応;
上記の反応系において、生成したジイミノイソインドリン誘導体を単離せず、窒素気流下で撹拌しながら90℃まで加熱し、この温度で三塩化バナジウム1.96g(0.0125mol)を投入した。その後、110℃まで加熱し、この温度で5時間撹拌した。放冷後、反応混合物をメタノール230ml中に排出し、撹拌下で水115mlを滴下して生成物を晶析させた。これをろ集、メタノール/水(2/1:容量比)300mlで洗浄、100℃で乾燥して15.1gの粗製色素を得た(粗収率78.1%)。
ここで得られた粗製色素を液体クロマトグラフィーにより分析し(分析条件:カラム;NUCLEOSIL 300−5C18 96YB−2,キャリア;THF/メタノール=10/90)、次の表3のような結果を得た。
【0031】
【表3】
Figure 0003780436
【0032】
実施例7
実施例6において、ナトリウムエトキシドの代わりにナトリウムtert−ブトキシドを用いた以外は、すべて実施例6と同様な操作を行い、目的とする粗製色素を得た。粗収量15.9g(粗収率82.2%)。
【0033】
実施例8
実施例6において、ナトリウムエトキシドの代わりにカリウムtert−ブトキシドを用いた以外は、すべて実施例6と同様な操作を行い、目的とする粗製色素を得た。粗収量15.7g(粗収率81.2%)。
【0034】
実施例9
実施例6において、ナトリウムエトキシドの代わりにナトリウムメトキシドを用いた以外は、すべて実施例6と同様な操作を行い、目的とする粗製色素を得た。
粗収量15.0g(粗収率77.6%)。
【0035】
実施例10
実施例6において、ナトリウムエトキシドの代わりにカリウムエトキシドを用いた以外は、すべて実施例6と同様な操作を行い、目的とする粗製色素を得た。粗収量15.2g(粗収率78.6%)。
【0036】
実施例11
1)4−(1’,1’,1’,3’,3’,3’−ヘキサフルオロ−2’−フェニル−2’−プロポキシ)−1,3−ジイミノイソインドリンの合成;
反応フラスコに実施例1の1)と同様にして得たフタロニトリル誘導体18.5g(0.0500mol)と、ナトリウムエトキシド(20%エタノール溶液)8.50g(0.0250mol)、ホルムアミド2.25g(0.0500mol)、1−ペンタノール100mlを仕込み、50〜60℃で20分撹拌し、ジイミノイソインドリン誘導体を生成させた。
【0037】
2)環化反応;
上記の反応系において、生成したジイミノイソインドリン誘導体を単離せず、窒素気流下で撹拌しながら90℃まで加熱し、この温度で三塩化バナジウム1.96g(0.0125mol)を投入した。その後、110℃まで加熱し、この温度で窒素気流下6時間撹拌した。放冷後、反応混合物をメタノール230ml中に排出し、撹拌下で水115mlを滴下して生成物を晶析させた。これをろ集、メタノール/水(2/1:容量比)300mlで洗浄し、100℃で乾燥して16.7gの粗製色素を得た(粗収率:86.4%)。
さらに、上記で得られた粗製色素2.50gをトルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2.23gの精製色素を得た(精製収率:89.2%)。
【0038】
実施例12
ジイミノイソインドリン誘導体の合成において、ナトリウムエトキシドの代わりにナトリウムtert−ブトキシド2.40g(0.0250mol)を用いた以外はすべて実施例11と同様な操作を行い、16.4gの粗製色素を得た(粗収率:84.8%)。
さらに、上記で得られた粗製色素2.50gをトルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2.28gの精製色素を得た(精製収率:91.2%)。
【0039】
実施例13
1)4−(1’,1’,1’,3’,3’,3’−ヘキサフルオロ−2’−フェニル−2’−プロポキシ)−1,3−ジイミノイソインドリンの合成;
反応フラスコに実施例11の1)と同様にして得たフタロニトリル誘導体18.5g(0.0500mol)と、ナトリウムエトキシド1.70g(0.0250mol)、カルバミン酸アンモニウム1.95g(0.0250mol)、1−ペンタノール100mlを仕込み、50〜60℃で20分撹拌し、ジイミノイソインドリン誘導体を生成させた。
【0040】
2)環化反応;
実施例11と同様にして15.4gの粗製色素を得た(粗収率:79.6%)。
さらに、上記で得られた粗製色素2.50gをトルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.87gの精製色素を得た(精製収率:74.8%)。
【0041】
実施例14
ジイミノイソインドリン誘導体の合成において、ナトリウムエトキシドの代わりにナトリウムtert−ブトキシド2.40g(0.0250mol)を用いた以外はすべて実施例13と同様な操作を行い、14.1gの粗製色素を得た(粗収率:72.9%)。
さらに、上記で得られた粗製色素2.50gをトルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.91gの精製色素を得た(精製収率:76.4%)。
【0042】
実施例15
1)4−(1’,1’,1’,3’,3’,3’−ヘキサフルオロ−2’−フェニル−2’−プロポキシ)−1,3−ジイミノイソインドリンの合成;
反応フラスコに実施例11で得られたフタロニトリル誘導体18.5g(0.0500mol)、ナトリウムエトキシド1.70g(0.0250mol)、カルバミン酸エチル4.45g(0.0500mol)、1−ペンタノール100mlを仕込み、50〜60℃で20分撹拌し、ジイミノイソインドリン誘導体を生成させた。
【0043】
2)環化反応;
実施例11と同様にして14.0gの粗製色素を得た(粗収率:72.4%)。
さらに、上記で得られた粗製色素2.50gをトルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.43gの精製色素を得た(精製収率:57.2%)。
【0044】
実施例16
ジイミノイソインドリン誘導体の合成において、ナトリウムエトキシドの代わりにナトリウムtert−ブトキシド2.40g(0.0250mol)を用いた以外はすべて実施例15と同様な操作を行い、14.1gの粗製色素を得た(粗収率:72.9%)。
さらに、上記で得られた粗製色素2.50gをトルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.45gの精製色素を得た(精製収率:58.0%)。
【0045】
実施例17
1)4−(1’,1’,1’,3’,3’,3’−ヘキサフルオロ−2’−フェニル−2’−プロポキシ)−1,3−ジイミノイソインドリンの合成;
反応フラスコに実施例1で得られたフタロニトリル誘導体18.5g(0.0500mol)、ナトリウムエトキシド1.70g(0.0250mol)、尿素1.50(0.0250mol)、1−ペンタノール100mlを仕込み、50〜60℃で20分撹拌し、ジイミノイソインドリン誘導体を生成させた。
【0046】
2)環化反応;
実施例11と同様にして14.6gの粗製色素を得た(粗収率:75.3%)。
さらに、上記で得られた粗製色素2.50gをトルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.51gの精製色素を得た(精製収率:60.4%)。
【0047】
実施例18
ジイミノイソインドリン誘導体の合成において、ナトリウムエトキシドの代わりにナトリウムtert−ブトキシド2.40g(0.0250mol)を用いた以外はすべて実施例17と同様な操作を行い、13.3gの粗製色素を得た(粗収率:68.8%)。
さらに、上記で得られた粗製色素2.50gをトルエンを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、1.69gの精製色素を得た(精製収率:67.6%)。
【0048】
以上の実施例11〜18で得た粗製色素について実施例1と同様にして液体クロマトグラフィーにより分析した結果を表4に、また同実施例群で得た精製色素について物性を調査した結果を表5に示す。
【0049】
【表4】
Figure 0003780436
【0050】
【表5】
Figure 0003780436
【0051】
実施例19〜23
実施例11におけるフタロニトリル誘導体18.5g(0.0500mol)に対するホルムアミドの使用モル比を2(実施例19)、1(実施例20)、0.75、0.5(実施例21)、0.25(実施例21)下記の様に変えた他は実施例11と全く同様にして目的とする色素を得た。尚、実施例20は、本来であれば実施例11と全く同じで不要であるが、三塩化バナジウムとしてできるだけ同じものを用いて比較するために再度実施したものである。
その結果を表6に示す。
【0052】
【表6】
Figure 0003780436
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、次の様な効果を達成することができる。
先ず、3−置換フタロニトリルを直接環化する方法からは予想もできない高い収率でフタロシアニンを得ることができる。
本発明は、ジイミノイソインドリンを経由する方法であるにもかかわらず、このジイミノイソインドリンを単離することなく一浴で反応をおこない且つ短時間で目的とするフタロシアニンを得ることができるため、極めて作業性に優れている。
3−置換フタロニトリルを直接環化する方法においては、使用する三塩化バナジウムの微妙な差異(保存状況などで生じる、検査で把握しがたい程度の差異)によってもフタロシアニンの異性体比率が大きく変化して式(11)以外の異性体の生成比が極端に低下する。しかし、本発明によれば、フタロシアニン骨格の4,8,12,16位に置換基が位置する有機溶剤溶解性の低い(11)式の異性体以外の異性体を多く、確実に製造することができる。

Claims (3)

  1. 式(3)で表される3−置換フタロニトリルを脂肪族アルコール中、アルコキシドの存在下にアンモニア、尿素、カルバミン酸アンモニウム、ホルムアミド及びカルバミン酸エチルから選ばれる化合物と反応させるとともに、この反応で生成する式(2)で表されるジイミノイソインドリンを反応系から単離することなく引き続き反応系に三塩化バナジウムを作用させることを特徴とする、式(1)で表されるα−テトラ置換フタロシアニンの製造法。
    以下の式(3)(2)(1)において置換基Xは1,1,1,3,3,3,−ヘキサフルオロ−2−フェニル−2−プロポキシ基を意味する。また、式(1)において、フタロシアニン骨格周辺の1〜16の数字は炭素原子の位置番号を示し、置換基Xは、1又は4のいずれか、5又は8のいずれか、9又は12のいずれか、13又は16のいずれかの位置の炭素原子にそれぞれ結合しているものとする。
    Figure 0003780436
    Figure 0003780436
    Figure 0003780436
  2. 脂肪族アルコールとして炭素数5〜8のアルコールを使用し、全ての反応を常圧下、130℃以下でおこなう請求項1記載のα−テトラ置換フタロシアニンの製造法。
  3. アルコキシドとして炭素数1〜4のアルカリ金属アルコキシドを使用する請求項1又は請求項2記載のα−テトラ置換フタロシアニンの製造法。
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