JP4078910B2 - プラズマディスプレイ装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られているプラズマディスプレイ装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラズマディスプレイ装置は、視認性に優れた表示パネル(薄型表示デバイス)として注目されており、高精細化および大画面化が進められている。
【0003】
このプラズマディスプレイ装置には、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、AC型で面放電型のプラズマディスプレイ装置が主流を占めるようになってきている。
【0004】
図4にプラズマディスプレイ装置におけるパネル構造の一例を示し、図5に図4のA−A線で切断した断面を示し、図6に図4のB−B線で切断した断面を示している。図に示すように、ガラス基板などの透明な前面側の基板1上には、走査電極2と維持電極3とで対をなすストライプ状の表示電極4が複数対形成され、そして基板1上の隣り合う表示電極4間には遮光層5が配置形成されている。この走査電極2および維持電極3は、それぞれ透明電極2a、3aおよびこの透明電極2a、3aに電気的に接続された銀等の母線2b、3bとから構成されている。また、前記前面側の基板1には、前記複数対の電極群を覆うように誘電体層6が形成され、その誘電体層6上には保護膜7が形成され、これにより前面パネルが構成されている。
【0005】
また、前記前面側の基板1に対向配置される背面側の基板8上には、走査電極2及び維持電極3の表示電極4と直交する方向に、絶縁体層9で覆われた複数のストライプ状のデータ電極10が形成されている。このデータ電極10間の絶縁体層9上には、データ電極10と平行にストライプ状の複数の隔壁11が配置され、この隔壁11間の側面11aおよび絶縁体層9の表面に蛍光体層12が設けられ、これにより背面パネルが構成されている。
【0006】
これらの基板1と基板8とは、走査電極2および維持電極3とデータ電極10とが直交するように、微小な放電空間を挟んで対向配置されるとともに、周囲が封止され、そして前記放電空間には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうちの一種または混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は、隔壁11によって複数の区画に仕切ることにより、表示電極4とデータ電極10との交点が位置する複数の放電セル13が設けられ、その各放電セル13には、赤色、緑色及び青色となるように蛍光体層12が一色ずつ順次配置されている。
【0007】
このパネル本体の電極配列は、図7に示すように、M行×N列の放電セルからなるマトリックス構成であり、行方向にはM行の走査電極SCN1〜SCNMおよび維持電極SUS1〜SUSMが配列され、列方向にはN列のデータ電極D1〜DNが配列されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のプラズマディスプレイ装置における誘電体層は、基板上にガラスフリット、バインダー樹脂、有機溶剤等を混練することにより作られた誘電体ペーストを塗布し、乾燥した後、誘電体ペーストを加熱焼成することにより、脱バインダー、ガラスフリットの溶融を行うことで誘電体層を形成している。この誘電体ペーストの焼成においては、バインダー樹脂を燃焼させ完全に脱バインダーさせ、残留カーボン、泡の発生を減少させることが望ましい。
【0009】
しかし、従来、プラズマディスプレイ装置の誘電体層の形成において、バインダー樹脂の燃焼に必要な酸素は、塗布膜表面にしか供給されず、膜中のバインダー樹脂は酸素不足状態で熱分解されている。そのため膜中に残存カーボンが残りやすく、また膜中に含まれる空気の大半は燃焼に寄与しない窒素であるため、脱バインダー完了後も膜中に残り、微小泡となってしまう。これらの残留カーボン、微小泡はパネルの耐圧特性や透過率を悪化させるという問題がある。
【0010】
本発明はこのような課題に鑑みなされたもので、誘電体層の透過率を向上させ、耐圧特性の優れたパネルを得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、バインダー樹脂とガラスフリットとを有する誘電体ペーストを塗布し、焼成することにより誘電体層を形成する際に、まず誘電体ペースト中に存在する空気を酸素と置換し、その後酸素を供給しながら誘電体ペーストを焼成することにより誘電体層を形成することを特徴とする。
【0012】
これにより、誘電体層の形成に使用される誘電体ペースト中に含まれる空気を酸素により置換することによって、焼成時に塗布膜中に存在する酸素によってバインダー樹脂の燃焼を促進させ、酸素不足により発生する残留カーボンを低減することができ、また燃焼に寄与しない窒素を含まないため、窒素由来の微小泡を少なくすることが可能となり、膜欠陥の少ない誘電体を形成することが可能となる。その結果、耐圧特性、透過率に優れたパネルの製造が可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、基板間に隔壁により仕切られた放電空間が形成されるように対向配置した一対の前面側および背面側の基板と、隔壁により仕切られた放電空間で放電が発生するように基板に配置された複数の電極と、この電極を覆うように基板に形成した誘電体層と、前記背面側の基板に形成されかつ放電により発光する蛍光体層とを有するプラズマディスプレイ装置の製造方法において、バインダー樹脂とガラスフリットとを有する誘電体ペーストを塗布し、焼成することにより誘電体層を形成する際に、まず誘電体ペースト中に存在する空気を酸素と置換し、その後酸素を供給しながら誘電体ペーストを焼成することにより誘電体層を形成することを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1において、シート状に前もって加工した誘電体ペーストを基板に配置することにより誘電体ペーストを塗布したものである。
【0015】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の製造方法について、図1〜図3の図面を用いて説明する。なお、図1〜図3において、図4〜図6に示す部分と同一部分については同一番号を付している。
【0016】
本発明によるプラズマディスプレイ装置の前面パネルは、基板1上にまず、表示電極4を形成した後、その上を誘電体層6で被覆し、さらに誘電体層6の表面にMgOからなる保護膜7を形成することによって作製される。
【0017】
誘電体層6は、鉛系のガラスフリットとバインダー樹脂とを含む誘電体ペーストをスクリーン印刷で塗布した後、所定温度で所定時間、例えば560℃で20分焼成することによって、所定の層の厚み(約20μm)となるように形成する。上記鉛系のガラスフリットを含む誘電体ペーストとしては、例えば、PbO(70wt%)、B2O3(15wt%)、SiO2(10wt%)、およびAl2O3(5wt%)とバインダー樹脂(α−ターピネオールに10%のエチルセルローズを溶解したもの)との混合物が使用される。ここで、バインダー樹脂とは、樹脂を有機溶媒に溶解したものであり、エチルセルローズ以外に樹脂としてアクリル樹脂、有機溶媒としてブチルカービトールなども使用することができる。さらに、こうしたバインダー樹脂に分散剤(例えば、グリセルトリオレエート)を混入させてもよい。
【0018】
まず、本発明においては、図1に示すように誘電体ペーストを塗布し、誘電体ペースト膜20を形成する。ここで使用される誘電体ペーストはガラスフリット、バインダー樹脂、有機溶剤等を混練することにより作られており、この誘電体ペーストの製造段階で空気を含んでしまうため、塗布された誘電体ペースト膜20も空気21を含んでいる。
【0019】
その後、この誘電体ペースト膜20に酸素富化の気体を供給するなどして、図2に示すように、誘電体ペースト膜20中の空気21を酸素22に置換し、この状態で図3に示すように、酸素23を供給しながら焼成を行う。これにより、誘電体ペースト膜20中の置換した酸素22によって膜中のバインダー樹脂の燃焼が促進され、燃焼により残留する残存カーボンが減少し、しかも酸素22は燃焼に100%消費されるため、微小泡の発生も少なくすることが可能となる。したがって残留カーボン、微小泡が低減されることにより、誘電体の透過率、耐圧特性の向上が実現できる。
【0020】
すなわち本発明は、誘電体層の形成に用いられる誘電体ペースト膜20中に溶存する空気21を酸素22で置換し、その後焼成を行うものであり、誘電体層の透過率が向上し、耐圧特性の優れたパネルを製造することができる。
【0021】
なお、誘電体ペースト膜20中に溶存する空気21を酸素22で置換する場合、全てを置換することはできないが、一部を置換することによっても、誘電体ペースト膜20中のバインダー樹脂の燃焼を促進させることができ、従来に比べて残留する残存カーボンを減少させ、微小泡の発生も少なくすることが可能となる。また、誘電体ペースト膜20の塗布形成は、シート状に前もって加工した誘電体ペーストを基板に配置することにより行ってもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明にかかるプラズマディスプレイ装置の製造方法によれば、膜中に導入して膜中の空気と置換した酸素によりバインダー樹脂の燃焼効率を上げることができるため、残存カーボンの低減が可能となり、また窒素由来の微小泡も低減できることより、誘電体の透過率を向上し、耐圧特性の優れたパネルを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の製造方法において、誘電体ペースト膜を形成した状態を示す断面図
【図2】酸素置換後の誘電体ペースト膜の状態を示す断面図
【図3】誘電体ペースト膜の焼成時の状態を示す断面図
【図4】プラズマディスプレイ装置のパネル構造の一部を切り欠いて示す斜視図
【図5】図4のA−A線で切断した断面図
【図6】図4のB−B線で切断した断面図
【図7】同装置の電極配列を示す配線図
【符号の説明】
1、8 基板
2 走査電極
3 維持電極
2a、3a 透明電極
4 表示電極
5 ブラックストライプ
6 誘電体層
7 保護膜
9 絶縁体層
10 データ電極
11 隔壁
12 蛍光体層
20 誘電体ペースト膜
21 空気
22 酸素
Claims (2)
- 基板間に隔壁により仕切られた放電空間が形成されるように対向配置した一対の前面側および背面側の基板と、隔壁により仕切られた放電空間で放電が発生するように基板に配置された複数の電極と、この電極を覆うように基板に形成した誘電体層と、前記背面側の基板に形成されかつ放電により発光する蛍光体層とを有するプラズマディスプレイ装置の製造方法において、バインダー樹脂とガラスフリットとを有する誘電体ペーストを塗布し、焼成することにより誘電体層を形成する際に、まず誘電体ペースト中に存在する空気を酸素と置換し、その後酸素を供給しながら誘電体ペーストを焼成することにより誘電体層を形成することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の製造方法。
- シート状に前もって加工した誘電体ペーストを基板に配置することにより誘電体ペーストを塗布した請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置の製造方法。
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