JP4078018B2 - 電子装置および消費電力実測支援装置 - Google Patents

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  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリによって駆動電力が供給され、かつ所定の動作を行う電子装置と、その電子装置に供給された電力の実測値をこの電子装置に通知する消費電力実測支援装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、移動通信システムでは、市場の自由化と複数の通信事業体の競争との下で端末装置の価格および通話料金が引き下げられ、かつ多様な形態の通信サービスが提供されると共に、若年層だけではなく多様な世代の加入者が急速に増加しつつある。
【0003】
また、このような端末装置の大半については、車載型や車携帯型ではなく、携帯型の端末であり、かつ駆動電力は本体に一体化されると共に、着脱が可能であるバッテリによって供給される。
図11は、バッテリによって駆動電力が供給される端末装置の構成例を示す図である。
【0004】
図において、アンテナ41の給電点は送受信部42のアンテナ端子に接続され、その送受信部42の変調入力と復調出力とはそれぞれTDMA制御部43の対応する復調出力と変調入力とに接続される。TDMA制御部43の変調入力と復調出力とには、それぞれマイク44とスピーカ45とが接続される。これらの送受信部42およびTDMA制御部43のバス端子は、制御部46および表示操作部47と共にバス48に接続される。バッテリ49の陰極は接地され、そのバッテリ49の陽極は電圧制御部50およびA/D変換器51の入力に接続される。A/D変換器51の出力は、制御部46の対応する入力に接続される。また、電圧制御部50の出力は、上述した送受信部42、TDMA制御部43、制御部46、表示制御部47およびA/D変換器51その他に対する駆動電力の供給路となる電源線(図示されない。)に接続される。
【0005】
また、制御部46は、上述したA/D変換器51の出力に接続された入力ポートを有するプロセッサ52と、そのプロセッサ52と共にバス48に接続された主記憶53および計時部54とから構成される。
【0006】
このような構成の端末装置では、電圧制御部50は、バッテリ49によって供給される電力を所定の電圧の直流電力に変換し、その直流電力を各部に駆動電力として供給する。
主記憶53の特定の記憶領域には、端末装置として具備されるべき機能を蓄積プログラム制御方式(蓄積論理方式)に基づいて実現するソフトウエアが予め格納され、これらの機能は、プロセッサ52がそのソフトウエアを実行する過程で行う処理の手順に基づいて上述した送受信部42、TDMA制御部43、計時部54および表示操作部47の動作を統括することによって達成される。
【0007】
なお、このようなソフトウエアとして盛り込まれるべきチャネル制御その他の機能および処理の手順については、本願発明の特徴ではなく、かつ多様な公知技術の適用の下で実現が可能であるので、ここでは、その説明を省略する。
一方、A/D変換器51は、バッテリ49の端子電圧(起電力)を所定の語長の語として示すモニタ信号を生成し、そのモニタ信号をプロセッサ52に与える。
【0008】
プロセッサ52は、所定の頻度でそのモニタ信号として与えられる端子電圧を監視し、その端子電圧の値域が複数(ここでは、簡単のため「3」であると仮定する。)に区分されることによってなる値の範囲としてバッテリ49の残量を間接的に表示操作部47に表示する。なお、以下では、このようなバッテリ49の残量の表示については、単に「バッテリマーク」という。
【0009】
したがって、操作者は、このバッテリマークを目視することによってバッテリの残量の概要を把握することができる。
【特許文献1】
特開平11−016607号公報
【特許文献2】
特開平10−096749号公報
【特許文献3】
特開平07−078638号公報
【特許文献4】
特開平08−220199号公報
【特許文献5】
特開平08−201488号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、バッテリ49の「充放電サイクル数」の最大値は、一般に、そのバッテリ49が如何なる構成のバッテリであっても、数百程度の値となる。
【0011】
すなわち、多くの回数に亘って充電が行われたバッテリについては、「バッテリマーク」によって表示される残量の不足分は長時間に渡って充電が行われても十分には補充されず、かつ消費電力が大幅に増加しない場合であっても、残量は極めて短い時間内に急速に減少する。
したがって、重要な通話が無用に中断し、あるいは通話品質が劣化し、かつサービス品質が低下する可能性があった。
【0012】
なお、充電回数の増加に伴うバッテリ49の劣化(実効的な残量の減少)の予測あるいは検出は、専用のハードウエアが搭載されることによって実現が可能である。
しかし、このようなハードウエアは、軽量化および小型化に併せて、消費電力の節減が厳しく要求される携帯型の端末装置のような電子装置には、実際に搭載され難かった。
【0013】
本発明は、ハードウエアの規模があまり増加することなく、バッテリの劣化もしくはその劣化の程度を操作者に通知することができる電子装置と消費電力実測支援装置とを提供することを特徴とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明にかかわる電子装置の第一の原理ブロック図である。
【0015】
本発明においては、複数のデバイス24-1〜24-Nを備えると共に、これらの複数のデバイス24-1〜24-Nのそれぞれに電流を与えるためのバッテリ25が着脱可能な電子装置において、各モード毎に、前記バッテリ25から流れ出す電流値を記憶する記憶手段26と、各モードに応じて、前記バッテリ25から前記複数のデバイス24-1〜24-Nそれぞれに与える電流の制御を行う制御手段27と、前記バッテリ25の電圧が第一の電圧から第二の電圧に減少するまでにおいて、各モードの継続時間をそれぞれ計時する計時手段28と、前記計時手段28において計時した各モードの継続時間と前記記憶手段26に記憶した各モード毎の電流値との積の和と所定値との比較により、前記バッテリ25の劣化を検出する劣化検出手段29とを備えたことを特徴とする電子装置を用いる。
【0016】
なお、ここに複数のデバイスの例として、メモリ、無線送信・受信を実現する各回路素子等があげられ、適用すべき電子装置に搭載され、かつ電力の供給が必要な回路素子のことを示す。
また、各モードとは、電子装置が携帯電話機である場合には、待ち受けモード(携帯電話機が待ち受け状態にあること)、圏外モード(携帯電話機が基地局からの電波の受信が困難または受信できない状態にあること)、フルレート通信モード、ハーフレート通信モード等があげられる。
【0017】
なお、このモードは、上記各モードに限らず、バッテリからの電流値が同程度の状態を1つのモードとしてグルーピングして管理してもよいし、送信パワーを考慮して、通信モード(例えば、伝送レートによって区分したフルレート通信モード、ハーフレート通信モード等)を更に、送信パワー別に細分化してそれぞれ1つのモードとして管理してもよい。
【0018】
また、前記第一の電圧、第二の電圧の組み合わせは適宜設定でき、例えば、第一の電圧として満充電時の電圧、第二の電圧として、例えば携帯電話機の液晶表示部に表示される電池残照のメモリが1つ減るときに対応する電圧のように、これらの電圧を電池残量のメモリの各段階移行時の電圧に対応させてもよい。
図2は、本発明にかかわる電子装置の第二の原理ブロック図である。
【0019】
請求項2に記載の発明では、制御手段11は、単一または複数のデバイス10-1〜10-Nの動作を統括し、これらのデバイス10-1〜10-Nの稼働状況の組み合わせとして状態を識別する。電力記憶手段13には、このようにして制御手段11によって識別され得る全ての状態について、個々の状態でバッテリ12によって供給されるべき電力の値が格納される。
【0020】
また、監視手段14はバッテリ12の端子電圧を監視し、かつ電力積算手段15は制御手段11によって識別された状態について電力記憶手段13に格納された電力の値を時系列の順に積算することによって、電力量を求める。劣化識別手段16は、バッテリ12によって供給され、そのバッテリ12の充電および再利用が許容されるべき最小の電力量が予め与えられる。さらに、劣化識別手段16は、監視手段14によって監視された端子電圧が所定の下限値を下回ったときに、電力積算手段15によって求められた電力量とこの最小の電力量との差または比としてこのバッテリ12の劣化の程度を識別する。
【0021】
すなわち、バッテリ12の端子電圧が上述した下限値を上回っている期間には、電力記憶手段13に格納された電力量の精度が良好である限り、ハードウエアの規模が大幅に増加することなく、そのバッテリ12によって実際に供給された電力の電力量が積算され、このバッテリ12の劣化はその電力量の減少の程度として確度高く識別される。
【0022】
請求項3に記載の発明では、制御手段11は、単一または複数のデバイス10-1〜10-Nの動作を統括し、これらのデバイス10-1〜10-Nの稼働状況の組み合わせとして状態を識別する。電力記憶手段13には、このようにして制御手段11によって識別され得る全ての状態について、個々の状態でバッテリ12によって供給されるべき電力の値が格納される。
【0023】
また、監視手段14Pはバッテリ12によって供給された電力の電力量を監視し、かつ電力積算手段15は制御手段11によって識別された状態について電力記憶手段13に格納された電力の値を時系列の順に積算することによって、電力量を求める。劣化識別手段16Pは、バッテリ12によって供給され、そのバッテリ12の充電および再利用が許容されるべき最小の電力量が予め与えられ、かつ監視手段14Pによって監視された電力量が所定の上限値を上回ったときに、電力積算手段15によって求められた電力量とこの最小の電力量との差または比としてこのバッテリ12の劣化の程度を識別する。
【0024】
すなわち、バッテリ12によって供給される電力の電力量が上述した上限値を下回っている期間には、電力記憶手段13に格納された電力量の精度が良好である限り、ハードウエアの規模が大幅に増加することなく、そのバッテリ12によって実際に供給された電力の電力量が積算され、このバッテリ12の劣化はその電力量の減少の程度として確度高く識別される。
【0025】
請求項4に記載の発明では、請求項2または請求項3に記載の電子装置において、実測電力反映手段20は、外部で計測され、かつバッテリ12あるいはそのバッテリ12に代わる電源によって供給された電力の値を取り込む。さらに、実測電力反映手段20は、この電力の値をその電力が計測された期間に制御手段11によって識別された状態に対応付けて電力記憶手段13に格納する。
【0026】
すなわち、バッテリ12の端子電圧が所定の下限値を上回り、あるいはそのバッテリ12によって供給される電力の電力量が所定の上限値を下回っている期間には、制御手段11によって識別され得る個々の状態において消費した電力は実測される。
したがって、構成要素の特性の偏差に起因して各状態で消費されるべき電力の値が大幅に異なる場合であっても、これらの状態にバッテリ12によって供給されるべき電力の値が設計値や理論値として与えられる場合に比べて、このバッテリ12の劣化の程度が確度高く識別される。
【0027】
図3は、本発明にかかわる消費電力実測装置の原理ブロック図である。
また、電力計測手段23は、駆動電力の全てまたは一部がバッテリ21によって供給され、かつ個々の構成要素の稼働状況の組み合わせとして状態を識別しつつ作動する電子装置22に、そのバッテリ21またはこのバッテリ21に代わる電源によって供給された電力を計測する。電力通知手段24は、このようにして計測された電力の値を電子装置22に通知する。
【0028】
すなわち
、電子装置22が各状態で消費する電力は、その電子装置22のハードウエアについて構成の大幅や変更や規模の増加が伴うことなく、確実に実測され、かつこの電子装置22によって適宜参照される。
したがって、電子装置22の特性の偏差と、調整や修理に起因するその特性の変化とに柔軟に適応しつつ、各状態で消費される電力が精度よく把握される。
【0029】
請求項2に記載の発明の第一の下位概念の発明では、閾値記憶手段17には、バッテリ12の端子電圧がとり得る範囲が分割されてなる複数の残量区分毎に、そのバッテリ12の端子電圧の最小値が予め登録される。電力積算手段15は、これらの残量区分の内、監視手段14によって監視された端子電圧が属するカレント残量区分毎に電力量を求める。劣化識別手段16は、このカレント残量区分に対応して閾値記憶手段17に登録された最小の端子電圧を所定の下限値として適用する。
【0030】
すなわち、バッテリ12に確保されるべき最小限度の残量が確保できない程度までそのバッテリ12の放電が継続される前に、このバッテリ12の劣化の程度が確度高く判別される。
したがって、バッテリ12の劣化はそのバッテリ12によって所望の駆動電力が供給される状態において的確に識別され、このバッテリ12の代替のバッテリの確保に要する時間が余裕をもって確保される。
【0031】
請求項2に記載の発明の第二の下位概念の発明では、閾値記憶手段17Aには、バッテリ12に対して行われ得る充電の回数またはその回数の単調非減少関数として与えられる整数に対して変化し、かつ標準的な値として設定されたそのバッテリ12の端子電圧の最小値が予め登録される。計数手段18は、バッテリ12の充放電サイクルの回数を計数する。劣化識別手段16は、カレント残量区分と、計数手段18によって計数された回数または上述した整数との双方に対して閾値記憶手段17Aに登録された最小値を所定の下限値として適用する。
【0032】
すなわち、充電が行われた回数の増加に応じたバッテリ12の容量の減少分が加味されつつ、そのバッテリ12に最小限度の残量が確保される状態でこのバッテリ12の劣化の程度の判別が行われる。
したがって、バッテリ12の代替のバッテリは、時間的な余裕度が適切に確保される。
【0033】
請求項2に記載の発明に関連した第一の発明では、計数手段18は、バッテリ12の充放電サイクルの回数を計数する。閾値記憶手段17には、バッテリ12に対して行われ得る充電の回数またはその回数の単調非減少関数として与えられる整数に対して変化し、かつ標準的な値として設定されたそのバッテリ12の端子電圧の最小値が残量区分毎に予め登録される。劣化識別手段16は、カレント残量区分と、計数手段18によって計数された回数または上述した整数との双方に対して閾値記憶手段17に登録された最小値を所定の下限値として適用する。
【0034】
すなわち、充電が行われた回数の増加に応じたバッテリ12の容量の減少分が加味されつつ、そのバッテリ12に最小限度の残量が確保される状態でこのバッテリ12の劣化の程度の判別が行われる。
したがって、バッテリ12の代替のバッテリは、時間的な余裕度が適切に確保される。
【0035】
請求項2に記載の発明に関連した第二の発明では、バッテリ識別手段19は、バッテリ12の特性を識別し、その特性を示す識別子を与える。閾値記憶手段17、17Aには、この特性が異なり、かつバッテリ12として適用され得る個々のバッテリについて、識別子と、この識別子に対応したバッテリの端子電圧の最小値が登録される。劣化識別手段16は、閾値記憶手段17、17Aに登録された最小値の内、バッテリ識別手段19によって与えられた識別子に対応する最小値に限って所定の下限値として適用する。
【0036】
すなわち、バッテリ12として特性が異なるバッテリが適用され得る場合であっても、そのバッテリの特性に適応した端子電圧の最小値が閾値記憶手段17、17Aに確実に登録される限り、このバッテリの劣化が確度高く検出され、かつ代替のバッテリの用意に要する時間が確保される。
したがって、適用可能バッテリの選定にかかわる制約が緩和され、かつ駆動電力の安定な供給が可能となる。
【0037】
請求項3に記載の発明の第一の下位概念の発明では、閾値記憶手段17Pには、バッテリ12によって供給され得る電力の電力量の範囲が区分されてなる複数の残量区分毎に、そのバッテリ12によって供給されるべき電力の電力量の最大値が所定の上限値として予め登録される。電力積算手段15は、これらの残量区分の内、監視手段14Pによって監視された電力量が属するカレント残量区分毎に電力量を求める。劣化識別手段16Pは、このカレント残量区分に対応して閾値記憶手段17Pに登録された最大値を所定の上限値として適用する。
【0038】
すなわち、バッテリ12に確保されるべき最小限度の残量が確保できない程度までそのバッテリ12の放電が継続される前に、このバッテリ12の劣化の程度が確度高く判別される。
したがって、バッテリ12の劣化はそのバッテリ12によって所望の駆動電力が供給される状態において的確に識別され、このバッテリ12の代替のバッテリの確保に要する時間が余裕をもって確保される。
【0039】
請求項3に記載の発明の第二の下位概念の発明では、閾値記憶手段17PAには、バッテリ12に対して行われ得る充電の回数またはその回数の単調非減少関数として与えられる整数に対して変化し、かつ標準的な値として設定されたそのバッテリ12によって供給されるべき電力の電力量の最大値が予め登録される。計数手段18は、バッテリ12の充放電サイクルの回数を計数する。劣化識別手段16Pは、カレント残量区分と、計数手段18によって計数された回数または上述した整数との双方に対して閾値記憶手段17PAに登録された最大値を所定の上限値として適用する。
【0040】
すなわち、充電が行われた回数の増加に応じたバッテリ12の容量の減少分が加味されつつ、そのバッテリ12に最小限度の残量が確保される状態でこのバッテリ12の劣化の程度の判別が行われる。
したがって、バッテリ12の代替のバッテリは、時間的な余裕度が適切に確保される。
【0041】
請求項3に記載の発明に関連した第一の発明では、計数手段18は、バッテリ12の充放電サイクルの回数を計数する。閾値記憶手段17PAには、バッテリ12に対して行われ得る充電の回数またはその回数の単調非減少関数として与えられる整数に対して変化し、かつ標準的な値として設定されたそのバッテリ12によって供給されるべき電力の電力量の最大値が残量区分毎に予め登録される。劣化識別手段16Pは、カレント残量区分と、計数手段18によって計数された回数または上述した整数との双方に対して閾値記憶手段17PAに登録された最大値を所定の上限値として適用する。
【0042】
すなわち、充電が行われた回数の増加に応じたバッテリ12の容量の減少分が加味されつつ、そのバッテリ12に最小限度の残量が確保される状態でこのバッテリ12の劣化の程度の判別が行われる。
したがって、バッテリ12の代替のバッテリは、時間的な余裕度が適切に確保される。
【0043】
請求項3に記載の発明に関連した第二の発明では、バッテリ識別手段19は、バッテリ12の特性を識別し、その特性を示す識別子を与える。閾値記憶手段17P、17PAには、この特性が異なり、かつバッテリ12として適用され得る個々のバッテリについて、識別子と、その識別子に対応したバッテリによって供給されるべき電力の電力量の最大値が登録される。劣化識別手段16Pは、閾値記憶手段17P、17PAに登録された最大値の内、バッテリ識別手段19によって与えられた識別子に対応する最大値に限って所定の上限値として適用する。
【0044】
すなわち、バッテリ12として特性が異なるバッテリが適用され得る場合であっても、そのバッテリの特性に適応した電力量の最大値が閾値記憶手段17P、17PAに確実に登録される限り、このバッテリの劣化が確度高く検出され、かつ代替のバッテリの用意に要する時間が確保される。
したがって、適用可能バッテリの選定にかかわる制約が緩和され、かつ駆動電力の安定な供給が可能となる。
【0045】
請求項4に記載の発明の下位概念の発明では、制御手段11は、識別され得る全ての状態を個別に模擬し、あるいはこれらの状態に等価な稼働状況に単一または複数のデバイス10-1〜10-Nの稼働状況を順次設定する。また、実測電力反映手段20は、制御手段11によって順次設定された単一または複数のデバイス10-1〜10-Nの稼働状況に同期する。
【0046】
すなわち、電力記憶手段13に格納されるべき電力の値は、制御部11が本来的に行う処理とは手順が異なる処理に基づいて円滑に、かつ効率的に求められる。
したがって、始動の効率的な完了に併せて、修理や調整に起因して何れかの状態で消費される電力の値が変化した場合であっても、バッテリ12の劣化が確度高く識別される。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
図4は、本発明の第一ないし第六の実施形態を示す図である。
図において、図11に示す従来例との構成の相違点は、制御部46に代えて制御部30が備えられた点にある。
【0048】
制御部30と制御部46との構成の相違点は、主記憶53とは異なる内容を記憶した主記憶31が備えられた点にある。
図5は、本発明の第一ないし第六の実施形態の動作フローチャートである。
以下、図4および図5を参照して本発明の第一の実施形態の動作を説明する。
本実施形態の特徴は、主記憶31に予め格納されたソフトウエアの構成と、そのソフトウエアを実行することによってプロセッサ52が行う下記の処理の手順とにある。
【0049】
主記憶31の記憶領域には、図6に示すように、下記の2つのフィールドからなるレコードの集合として構成された電流テーブル31CTが配置される。
・ プロセッサ52が上述した処理の過程で識別し得る個々のモード(例えば、待ち受けモード、通話モード等)を示す「モード(状態)識別子」が予め登録された「モード識別子」フィールド
・ 共通のレコードの「モード識別子」フィールドに格納された「モード識別子」で示される各モードに対応して、プロセッサ52によって動作が統括される送受信部42、TDMA制御部43、計時部54、表示操作部47その他の各部に所定の駆動電力が供給されるために、バッテリ49によって出力されるべき電流(以下、単に「電流」という。)の値が予め登録された「電流」フィールド
また、主記憶31の他の記憶領域には、バッテリ電圧が第一の電圧から第二の電圧に変化する際に出力する電荷量が記憶されている。この電荷量は、ある環境状態(例えば、常温時でかつ待ち受け状態)における非劣化状態の(理想的な状態の)バッテリ49の電圧値がV1からV2に変化する時間を測定し、待ち受け状態においてバッテリ49から流れ出す電流値とこの時間との積を求めることによって得られる。
【0050】
なお、電圧値がV1からV2に変化する時の電荷量だけでなく、V2からV3まで電圧値が変化する時の電荷量など複数種類の電圧値の変化に対応する電荷量を記憶することもできる。
【0051】
例えば、図7における常温時でかつ、待ち受け状態を維持した場合に満充電状態のバッテリ電圧(Th0)からより電圧値の小さいバッテリ電圧(Th1)になるまでに出力する電荷量をQ1とすると、図8のように、電圧(Th0−Th1)に対応して電荷量Q1が記憶され、同様に、電圧(Th1−Th2)に対応して電荷量Q2が対応して記憶するなどである。
【0052】
なお、Th0に対応させてW0(=0)、Th1に対応させてQ1、Th2に対応させてQ2を記憶させ、Th0からTh1にバッテリ電圧が変化した際の出力電荷の値をQ1、Th1からTh2にバッテリ電圧が変化した際の出力電荷の値をQ2とする等して記憶してもよい。
また、バッテリ電圧の変化に対する出力電荷量の関係を関数として主記憶31に記憶しておくことにより、任意のタイミングで測定を開始することができることとなる。
【0053】
さらに、本発明を携帯電話機のバッテリの劣化検出に適用する場合には、Th0−Th1、Th1−Th2、Th2−Th3の各区間をそれぞれディスプレイに表示する電池残照表示値と対応させてもよい。
また、主記憶31の他の記憶領域には、所定の環境条件におけるバッテリ49の放電特性(図7に太線で示す。)に基づいて値が予め求められ、かつ図8に網掛けを付して示す下記の2つのフィールドからなるレコードとして構成されたバッテリ固有値テーブル31BFが配置される。
【0054】
・ 上述した駆動電力の供給が継続されるために確保されるべきそのバッテリ49の端子電圧の下限値VLが予め格納された「閾値電圧」フィールド
・ この端子電圧が下限値VLを上回る期間にバッテリ49によって供給されるべき電力量の標準値が予め格納された「標準電力量」フィールド
さらに、主記憶43の記憶領域の内、RAMが配置された記憶領域には、図9に示すように、下記の3つのフィールドからなるレコードの集合として構成された消費電力積算レジスタ31Aが配置される。
【0055】
・ プロセッサ52によって実際に識別されたモードを示す「モード識別子」が格納されるべき「モード識別子」フィールド
・ 共通のレコードの「モード識別子」フィールドに格納された「モード識別子」で示されるモードが実際に継続した時間の総和(以下、単に「積算時間」という。)が格納されるべき「積算時間」フィールド
・ 共通のレコードの「積算時間」フィールドに比例し、このレコードの「モード識別子」で示されるモードにおいて実際に消費された電力の電力量が格納されるべき「小計積算電力量」フィールド
プロセッサ52は、始動時(例えば、操作者が表示操作部47を操作したとき)には、所定の手順に基づいて初期化処理を行い、その初期化処理の過程では、消費電流積算レジスタ31Aの全てのレコードについて、「積算時間」フィールドの値と「小計積算電力量」フィールドとの値を初期値「0」に設定し、バッテリ端子電圧を取得する(ここでは、Th1であると仮定する。)。
【0056】
さらに、プロセッサ52は、消費電力積算レジスタ31Aの「モード識別子」フィールドにも、電流テーブル31CTの「モード識別子」フィールドの値をレコード単位に複写する。なお、消費電力積算レジスタ31Aの「モード識別子」フィールドには、電流テーブル31CTの「モード識別子」フィールドの値と同じ値が予め格納されてもよい。
【0057】
プロセッサ52は、このような初期化処理を完了すると、定常的に行うべき所定の処理を開始し、その処理の過程では、本来的に行われるべき処理に併せて、下記の処理を行う。
(1) 新たなモードを識別する度にその新たなモードを示す「モード識別子」(以下、「カレントモード識別子」という。)を特定する。
【0058】
(2) 電流テーブル31CTのレコードの内、「モード識別子」フィールドの値がその「カレントモード識別子」に等しいレコード(以下、「カレントレコード」という。)の「電流」フィールドの値(以下、「カレント消費電流」という。)を取得する(図5(1))。
(3) 計時部54を初期化し、その計時部54が新たに行うべき計時の開始を要求する(図5(2))。
【0059】
(4) 上述した新たなモードからさらに異なる新たなモードに対する遷移が行われた時点では、計時部54からその計時部54によって行われた計時の結果(以下、「先行モード期間長」という。)を取得する(図5(3))。
(5) 消費電力積算レジスタ31Aのレコードの内、カレントレコードの「小計積算電力量」フィールドの値に、上述した「カレント消費電流」とこの「先行状態期間長」との積を積算する(図5(4))。
【0060】
(6) 上記処理(1) 以降の処理を反復する。
さらに、プロセッサ52は、上述した処理(1)〜(6)に並行して、A/D変換器51を介して与えられるバッテリ49の端子電圧Vを取得し(図5(5))、その端子電圧Vがバッテリ固有値テーブル31BFに格納されたTh2またはそれ以下の値Th3(=VL)未満となったか否かを判別する(図5(6))。
【0061】
プロセッサ52は、この判別の結果が偽(V≧VL)である場合には、特別な処理を行わない。
しかし、その判別の結果が真(V<VL)である場合に、プロセッサ52は、下記の処理を行う。
(a) 消費電力積算レジスタ31Aの全てのレコードについて「小計積算電力量」フィールドの値の総和Sを算出する(図5(7))。
【0062】
(b) その総和Sがバッテリ固有値テーブル31BFの「標準電荷量」フィールドの値PL(W2(Th1→Th2の場合)、W2+W3(TH1→Th2の場合))を上回っているか否かを判別する(図5(8))。
【0063】
(c) 上回っている場合(もしくは、S>PL−dのとき、ここにdは劣化とは見なされない許容範囲内の電荷量の減少分に相当する。)には、バッテリ49が劣化していないこと、下回っている場合(もしくは、S<PL−dのとき)には、バッテリ49の劣化をそれぞれ表示操作部47を介して操作者に通知する(図5(9))。
【0064】
このように本実施形態によれば、ハードウエアの構成が基本的に変更されることなく、バッテリ49の端子電圧Vの変化した期間においてそのバッテリ49によって実際に供給された電荷量が精度よく積算され、その電力量に基づいてこのバッテリ49の劣化もしくは劣化の程度が操作者に確度高く通知(例えば、バッテリ49が交換されるべき旨のコメント文が表示制御部47に出力)される。
【0065】
したがって、本実施形態が適用された端末装置では、劣化したバッテリに対する無用な充電の回避が操作者に促され、その操作者はバッテリ49が交換されるべき時点を的確に把握することが可能となる。
以下、本発明の第二の実施形態について説明する。
本実施形態と既述の第一の実施形態との相違点は、図8に点線で示すように、バッテリ固有値テーブル31BFに代えてバッテリ固有値テーブル31BF-1が備えられた点と、プロセッサ52がこのバッテリ固有値テーブル31BF-1を参照しつつ行う下記の処理の手順とにある。
【0066】
バッテリ固有値テーブル31BF-1とバッテリ固有値テーブル31BFとの構成の相違点は、図8に点線で示すように、バッテリ49の端子電圧の降順に対応付けられ、かつ既述の「閾値電圧」フィールドと「標準電荷量」フィールドとに併せて、下記のフィールドからなる複数のレコードの集合として構成されると共に、これらの「閾値電圧」フィールドと「標準電荷量」フィールドとに後述する値が格納される点にある。
【0067】
・ 共通のレコードの「閾値電圧」フィールドに登録された値と対をなし、その値より大きい値が予め登録されると共に、バッテリ49の端子電圧の降順にそのバッテリ49の残量の範囲が間接的に区分されてなる「残量区分」を定義する「上限電圧」フィールド
「閾値電圧」フィールドには、対応する「残量区分」におけるバッテリ49の端子電圧の最小値が予め格納される。
【0068】
「標準電荷量」フィールドには、対応する「残量区分」においてバッテリ49によって供給されるべき電力量の最小値が予め格納される。
以下、図4、図5および図8を参照して本実施形態の動作を説明する。
まず、初期化処理と、その初期化処理が完了した後に行われる処理の手順については、下記の点を除いて既述の第一の実施形態と同じであるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。
【0069】
プロセッサ52は、上述した初期化処理を完了した後には、所定の頻度でA/D変換器51を介してバッテリ49の端子電圧Vを取得する(図5(a))。
さらに、プロセッサ52は、バッテリ固有値テーブル31BF-1のレコードの内、このようにして取得された端子電圧が「上限電圧」フィールドの値以下であり、かつ「閾値電圧」フィールドの値以上であるレコード(以下、「カレントレコード」という。)を特定する(図5(b))。
【0070】
また、プロセッサ52は、バッテリ固有値テーブル31BF-1のレコードの内、この「カレントレコード」の「閾値電圧」フィールドの値と「標準電荷量」フィールドの値とをそれぞれ既述の下限値VLと値PLとして適用する(図5(c))。
すなわち、バッテリ49の劣化もしくはその劣化の程度は、このバッテリ49の残量が減少する過程で上述した複数の「残量区分」毎に判別され、かつ表示操作部47を介して操作者に適宜通知される。
【0071】
したがって、バッテリ49の残量がほとんど空となる時点に先行してそのバッテリ49が交換されるべきことが操作者に的確に通知され、かつ新規のバッテリの入手や用意に必要な時間の確保が可能となる。
以下、本発明の第三の実施形態について説明する。
本実施形態と上述した第二の実施形態との相違点は、図8に破線で示すように、バッテリ固有値テーブル31BF-1に代えてそのバッテリ固有値テーブル31BF-1と下記の点で異なるバッテリ固有値テーブル31BF-2が備えられた点と、プロセッサ52によって行われる下記の処理の手順とにある。
【0072】
なお、バッテリ固有値テーブル31BF-2とバッテリ固有値テーブル31BF-1との構成の相違点は、下記の通りである。
・ バッテリ49に対して行われた充電の回数またはその回数の値を区分した複数(ここでは、簡単のため、「10」であると仮定する。)の「充電回数区分」(例えば、1回ないし5回は「区分1」、6回ないし10回は「区分2」)に個別に対応し、これらの「充電回数区分」においてバッテリ49に生じる劣化の一般的な傾向に基づいて求められた標準電荷量がそれぞれ予め登録された複数のフィールドとして、「標準電荷量」フィールドが形成される。
【0073】
また、以下では、これらの複数の「標準電荷量」フィールドの内、プロセッサ52によって実際に参照されるべき「標準電荷量」フィールドについては、単に「特定標準電荷量」フィールドと称することとする。
さらに、以下では、個々の「充電回数区分」は、バッテリ49に対して実際に行われた充電回数を所定の定数(例えば、「50」)で除したときの整数部分の値を識別子として用いると仮定する。
【0074】
以下、図4〜図6および図8を参照して本実施形態の動作を説明する。
プロセッサ52は、操作者の操作表示部47の操作(バッテリ49の交換時に操作者が行う入力操作)により、「バッテリ49が交換された」ことを検出する(図5(A))。
【0075】
また、プロセッサ52は、所定の頻度でA/D変換器51を介して与えられるバッテリ49の端子電圧を監視し、その端子電圧が所定の精度で0ボルトに等しいか否かを判別する(図5(B))。
さらに、プロセッサ52は、バッテリ49に対して実際に行われた充電の回数を示す「充電回数カウンタ」を主記憶31の特定の記憶領域に有し、バッテリ49が交換されたことを検出した場合または上記の判別の結果が真であるときに、この「充電回数カウンタ」の値を「0」に初期化する(図5(C))。
【0076】
なお、バッテリ49にIDを記憶(メモリ等に)させておき、プロセッサ52がそのIDの変化を検出することにより、そのバッテリ49の交換を検出してもよい。
プロセッサ52は、バッテリ49に対する充電が完了したと見なし得るそのバッテリ49の端子電圧の値が閾値Vcとして予め与えられ、上述したように監視された端子電圧がこの閾値Vc以上の値に増加する度に「充電回数カウンタ」の値をインクリメントする(図5(D))。また、「充電回数カウンタ」の値は、バッテリ49の充電が介しされる度にインクリメントされてもよい。
【0077】
ところで、プロセッサ52は、バッテリ固有値テーブル31BF-2については、既述の第二の実施形態と同様にして参照すべき「カレントレコード」を特定する。
さらに、プロセッサ52は、この「カレントレコード」から「標準電荷量」を参照する場合には、下記の手順に基づく処理を行うことによって、上述した第一ないし第十のフィールドの内、参照すべき「標準電荷量」が格納された「特定標準電荷量」フィールド(すなわち、記憶されている充電回数または充電回数区分に対応するフィールド)を特定する。
【0078】
・ 「充電回数カウンタ」の値を「50」で除することによって得られた値の整数部の値(ただし、「10」を越える場合には「9」と見なされる。)を既述の識別子として確定する。
・ 「カレントレコード」の上述した第一ないし第十のフィールドの内、その識別子に対応する単一のフィールドを「目的標準電荷量」とする。
【0079】
すなわち、バッテリ49が劣化したか否かの判定の基準として適用されるべき標準電荷量は、そのバッテリ49に充電回数に応じて生じた劣化の程度に柔軟に適応した値として得られる。
したがって、本実施形態によれば、既述の第一および第二の実施形態に比べて確度高く、バッテリ49の劣化が検出される。
【0080】
また、本発明では、例えば、表示操作部47や通信ポート等を介して与えられるメッセージに応じて「充電回数カウンタ」の値が適宜インクリメントされてもよい。
以下、本発明の第四の実施形態について説明する。
本実施形態と既述の第一ないし第三の実施形態との相違点は、図8に一点鎖線で示すように、下記の点でバッテリ固有値テーブル31BF、31BF-1、31BF-2と異なるバッテリ固有値テーブル31BF、31BF-1、31BF-2に代えてバッテリ固有値テーブル31BF-3が備えられた点と、プロセッサ52によって行われる下記の処理の手順とにある。
【0081】
なお、バッテリ固有値テーブル31BF-3とバッテリ固有値テーブル31BF、31BF-1、31BF-2との構成の相違点は、下記の通りである。
・ 特性が異なり、かつバッテリ49として装着され得る個々のバッテリに付与されたユニークなバッテリ識別子に対応する複数の領域により構成される。
・ これらの特性が異なる個々のバッテリについて、予め実測等に基づいて与えられた既述の「上限電圧」フィールド、「閾値電圧」フィールド、「標準電力量」フィールド(第一ないし第十のフィールドに区分されてもよい。)の値が予め格納される。
【0082】
また、以下では、上述した複数の領域の内、プロセッサ52によって実際に参照されるべき領域については、単に「特定領域」と称することとする。
以下、図4を参照して本実施形態の動作を説明する。
プロセッサ52は、新規に装着されたバッテリ49を示すバッテリ識別子を操作表示部47を介して与えられたメッセージとして、取得し、主記憶31に配置された所定のレジスタにそのバッテリ識別子を格納する。
【0083】
また、プロセッサ52は、バッテリ固有値テーブル31BF-3を参照する場合には、上述したレジスタに格納されたバッテリ識別子を取得し、そのバッテリ固有値テーブル31BF-3が有する複数の領域の内、このバッテリ識別子に対応する領域を既述の「特定領域」として確定する。
さらに、プロセッサ52は、既述の第一ないし第三の実施形態と同様にして参照すべき「カレントレコード」を特定し、その「カレントレコード」を構成する所望のフィールドを適宜参照する。
【0084】
なお、プロセッサ52がこのような「カレントレコード」を参照しつつ行う処理の手順については、既述の第一ないし第三の実施形態と同じであるので、ここでは、その説明を省略する。
すなわち、装着され得るバッテリの特性が多様である場合であっても、実際に装着されたバッテリに適応した値がバッテリ固有値テーブル31BF-3の対応する領域に予め格納される限り、そのバッテリの劣化が確度高く検出される。
【0085】
なお、バッテリ49内のメモリにそのバッテリ特有の「上限電圧」フィールド、「閾値電圧フィールド」、「標準電力量」フィールドを記憶させ、プロセッサ52がこれらを取得して用いてもよい。
以下、本発明の第五の実施形態について説明する。
本実施形態と既述の第一ないし第四の実施形態との構成の相違点は、図4に一点鎖線で示す端末装置に下記の構成要素が付加され、その端末装置に後述する電力実測アダプタ32が接続された点にある。
【0086】
・ 共通接点とブレーク接点とがそれぞれ電圧制御回路50およびA/D変換器51の入力と、バッテリ49の陽極端子とに接続されたスイッチ33
・ スイッチ33のメーク接点と、プロセッサ52の特定の入力ポートとにそれぞれ第一のピンと第二のピンとが接続された接栓座34
また、電力実測アダプタ32は、下記の構成要素から構成される。
【0087】
・ 駆動電力を出力する電源回路35
・ その電源回路35に縦続接続され、かつ上述した接栓座34の第一のピンに接続されるべきに接栓(図示されない。)の対応するピンに直結された第一の出力を有する電力計測部35
・ この電力計測部35の第二の出力に縦続接続され、かつ上述した接栓座34の第二のピンに接続されるべき接栓(図示されない。)の対応するピンに直結された出力を有する端末インタフェース部36
図10は、本発明の第五の実施形態の動作フローチャートである。
【0088】
以下、図4〜図6および図10を参照して本実施形態の動作を説明する。
本実施形態の特徴は、プロセッサ52が行う下記の処理の手順にある。
端末装置には、出荷、修理、回復試験に先行して行われる調整および動作確認に際して、上述した接栓座34を介して電力実測アダプタ32が接続される。
スイッチ33の共通接点は、このように電力実測アダプタ32が接続されたモードでは、その電力実測アダプタ32の筐体によって物理的に与えられた力に応じてブレーク接点に代わるメーク接点との間に駆動電力の供給路を形成する。
【0089】
電力実測アダプタ32では、電源回路35は、バッテリ49に代わって端末装置に供給されるべき駆動電力を出力する。この駆動電力は、電力計測部35および接栓座34を介して端末装置に供給される。
電力計測部35はこのようにして端末装置に供給される電力(ここでは、簡単のため、電流のみの値であると仮定する。)を計測し、端末インタフェース部36はその計測の結果をプロセッサ52に所定の頻度で通知する。
【0090】
一方、プロセッサ52は、従来例と同様の手順に基づいて所定の処理を行い、その処理の過程で識別されたモード毎に、端末インタフェース部36によって通知された電流の値の平均値を算出し(図10(1))、その平均値を電流テーブル31CTの対応する「電流」フィールドに格納する(図10(2))。
なお、ここでは、簡単のため、電流テーブル31CTの記憶領域の内、「電流」フィールドの記憶領域については、読み書きが可能な不揮発性の記憶領域として構成されると仮定する。
【0091】
すなわち、電流テーブル31CTには、端末装置が各モードで実際に消費する電力を精度よく示す消費電流の値がその端末装置のハードウエアの規模が大幅に増加することなく格納される。
したがって、本実施形態によれば、端末装置の構成要素の特性に大きな偏差が伴う場合であっても、プロセッサ52が既述の処理の手順に基づいて算出する消費電力の積算値の精度が高く維持され、かつバッテリ49の劣化の検出の確度も高められる。
【0092】
なお、本実施形態では、スイッチ33の接点は、電力実測アダプタ32の筐体によって物理的に与えられる力に応じて切り替えられている。
しかし、このようなスイッチ33の接点については、上述した調整および動作確認を行う操作者が行う操作に応じて手動で切り替えられてもよい。
以下、図4および図6を参照して本発明の第六の実施形態の動作を説明する。
【0093】
本実施形態と上述した第五の実施形態との相違点は、プロセッサ52によって行われる下記の処理の手順にある。
プロセッサ52は、既述の調整や動作確認に際して接栓座34を介して電力実測アダプタ32が接続された状態では、主記憶31に予め格納されたプログラムを実行する。
【0094】
このようなプログラムを実行する過程では、プロセッサ52は、正規の演算手順(例えば、チャネル制御の手順等)とは異なる手順に基づいて、電流テーブル31CTに「モード識別子」フィールドの値として格納され得る全ての「モード識別子」に対応するモードと見なし得る状態に、送受信部42、TDMA制御部43その他の稼働状況を順次、かつ速やかに設定する。
【0095】
さらに、プロセッサ52は、これらの個々のモードでは、既述の第五の実施形態と同様に、端末インタフェース部36によって通知された電流の値の平均値を算出しつつ、その平均値を電流テーブル31CTの対応する「電流」フィールドに格納する。
すなわち、電流テーブル31CTのレコードの内、有効な全てレコードの「電流」フィールドには、上述した第五の実施形態に比べて速やかに所望の精度の値が格納される。
【0096】
したがって、本実施形態によれば、出荷、修理、回復試験に先行して行われるべき調整および動作確認の効率が大幅に高められる。
なお、本実施形態では、プロセッサ52が図5および図10に示す処理(以下、「非通常処理」という。)を開始すべき時点を与える事象が何ら開示されていない。
【0097】
しかし、このような非通常処理が開始されるべき時点は、例えば、下記の何れの構成の下で与えられてよい。
・ 非通常処理が開始されるべき時点が表示操作部47を介して操作者が与えるメッセージとしてプロセッサ52に与えられる構成
・ 主記憶31の記憶領域の内、始動時に行われるべき初期化処理の手順を与えるROMの記憶領域に、その初期化処理に後続して行われる処理として非通常処理の手順を与えるプログラムが格納される構成
また、上述した各実施形態では、バッテリ49の残量が所定の閾値を下回った時点がそのバッテリ49の端子電圧に基づいて検出されている。
【0098】
しかし、本発明は、このような構成に限定されず、上述した時点が所望の確度で検出されるならば、そのために行われる処理(バッテリ49の残量を検出する処理を含む。)は如何なるハードウエアと連係して行われ、あるいは如何なる手順に基づいて行われてもよい。
さらに、上述した各実施形態では、バッテリ49の端子電圧が所定の値に低下した時点で、そのバッテリ49の劣化が判別されている。
【0099】
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、このような判定が行われるべき時点は、例えば、バッテリ49によって先行して供給された電力の電力量が所定の値に達した時点であってもよい。
また、上述した各実施形態では、バッテリ49の放電に応じて生じるそのバッテリ49の端子電圧の低下が無視され、このバッテリ49によって出力された電流の積算値として、電力量の積算や残量の予測が近似的に行われている。
【0100】
しかし、本発明はこのような構成に限定されず、これらの電力量の積算や残量の予測は、バッテリ49の端子電圧の低下が勘案されてなる実体的な放電特性に基づいて行われてもよい。
さらに、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲において、多様な形態による実施形態が可能であり、かつ構成装置の一部もしくは全てに如何なる改良が施されてもよい。
【0101】
以下、上述した各実施形態に開示された発明の構成を階層的・多面的に整理し、かつ付記項として順次列記する。
(付記1) 単一または複数のデバイス10-1〜10-Nと、
前記単一または複数のデバイス10-1〜10-Nの動作を統括し、これらのデバイス10-1〜10-Nの稼働状況の組み合わせとして状態を識別する制御手段11と、
前記制御手段11によって識別され得る全ての状態について、個々の状態でバッテリ12によって供給されるべき電力の値が格納された電力記憶手段13と、
前記バッテリ12の端子電圧を監視する監視手段14と、
前記制御手段11によって識別された状態について前記電力記憶手段13に格納された電力の値を時系列の順に積算し、電力量を求める電力積算手段15と、
前記バッテリ12によって供給され、そのバッテリ12の充電および再利用が許容されるべき最小の電力量が予め与えられ、かつ前記監視手段14によって監視された端子電圧が所定の下限値を下回ったときに、前記電力積算手段15によって求められた電力量とこの最小の電力量との差または比としてこのバッテリ12の劣化の程度を識別する劣化識別手段16と
を備えたことを特徴とする電子装置。
【0102】
(付記2) 付記1に記載の電子装置において、
バッテリ12の端子電圧がとり得る範囲が区分されてなる複数の残量区分毎に、そのバッテリ12の端子電圧の最小値が予め登録された閾値記憶手段17を備え、
電力積算手段15は、
前記複数の残量区分の内、監視手段14によって監視された端子電圧が属するカレント残量区分毎に電力量を求め、
劣化識別手段16は、
前記カレント残量区分に対応して前記閾値記憶手段17に登録された最小の端子電圧を所定の下限値として適用する
ことを特徴とする電子装置。
【0103】
(付記3) 付記1に記載の電子装置において、
バッテリ12に対して行われ得る充電の回数またはその回数の単調非減少関数として与えられる整数に対して変化し、かつ標準的な値として設定されたそのバッテリ12の端子電圧の最小値が予め登録された閾値記憶手段17Aと、
前記バッテリ12の充放電サイクルの回数を計数する計数手段18とを備え、
電力積算手段15は、
前記複数の残量区分の内、監視手段14によって監視された端子電圧が属するカレント残量区分毎に電力量を求め、
劣化識別手段16は、
前記カレント残量区分と、前記計数手段18によって計数された回数または前記整数との双方に対して前記閾値記憶手段17Aに登録された最小値を所定の下限値として適用する
ことを特徴とする電子装置。
【0104】
(付記4) 付記2に記載の電子装置において、
前記バッテリ12の充放電サイクルの回数を計数する計数手段18を備え、
閾値記憶手段17には、
バッテリ12に対して行われ得る充電の回数またはその回数の単調非減少関数として与えられる整数に対して変化し、かつ標準的な値として設定されたそのバッテリ12の端子電圧の最小値が残量区分毎に予め登録され、
電力積算手段15は、
前記複数の残量区分の内、監視手段14によって監視された端子電圧が属するカレント残量区分毎に電力量を求め、
劣化識別手段16は、
前記カレント残量区分と、前記計数手段18によって計数された回数または前記整数との双方に対して前記閾値記憶手段17に登録された最小値を所定の下限値として適用する
ことを特徴とする電子装置。
【0105】
(付記5) 付記2ないし付記4の何れか1項に記載の電子装置において、
バッテリ12の特性を識別し、その特性を示す識別子を与えるバッテリ識別手段19を備え、
閾値記憶手段17、17Aには、
前記特性が異なり、かつ前記バッテリ12として適用され得る個々のバッテリについて、識別子と、この識別子に対応したバッテリの端子電圧の最小値が登録され、
劣化識別手段16は、
前記閾値記憶手段17、17Aに登録された最小値の内、前記バッテリ識別手段19によって与えられた識別子に対応する最小値に限って所定の下限値として適用する
ことを特徴とする電子装置。
【0106】
(付記6) 単一または複数のデバイス10-1〜10-Nと、
前記単一または複数のデバイス10-1〜10-Nの動作を統括し、これらのデバイス10-1〜10-Nの稼働状況の組み合わせとして状態を識別する制御手段11と、
前記制御手段11によって識別され得る全ての状態について、個々の状態でバッテリ12によって供給されるべき電力の値が格納された電力記憶手段13と、
前記バッテリ12によって供給された電力の電力量を監視する監視手段14Pと、
前記制御手段11によって識別された状態について前記電力記憶手段13に格納された電力の値を時系列の順に積算し、電力量を求める電力積算手段15と、
前記バッテリ12によって供給され、そのバッテリ12の充電および再利用が許容されるべき最小の電力量が予め与えられ、かつ前記監視手段14Pによって監視された電力量が所定の上限値を上回ったときに、前記電力積算手段15によって求められた電力量とこの最小の電力量との差または比としてこのバッテリ12の劣化の程度を識別する劣化識別手段16Pと
を備えたことを特徴とする電子装置。
【0107】
(付記7) 付記6に記載の電子装置において、
バッテリ12によって供給され得る電力の電力量の範囲が区分されてなる複数の残量区分毎に、そのバッテリ12によって供給されるべき電力の電力量の最大値が所定の上限値として予め登録された閾値記憶手段17Pを備え、
電力積算手段15は、
前記複数の残量区分の内、監視手段14Pによって監視された電力量が属するカレント残量区分毎に電力量を求め、
劣化識別手段16Pは、
前記カレント残量区分に対応して前記閾値記憶手段17Aに登録された最大値を所定の上限値として適用する
ことを特徴とする電子装置。
【0108】
(付記8) 付記6に記載の電子装置において、
バッテリ12に対して行われ得る充電の回数またはその回数の単調非減少関数として与えられる整数に対して変化し、かつ標準的な値として設定されたそのバッテリ12によって供給されるべき電力の電力量の最大値が予め登録された閾値記憶手段17PAと、
前記バッテリ12の充放電サイクルの回数を計数する計数手段18とを備え、
電力積算手段15は、
前記複数の残量区分の内、監視手段14Pによって監視された電力量が属するカレント残量区分毎に電力量を求め、
劣化識別手段16Pは、
前記カレント残量区分と、前記計数手段18によって計数された回数または前記整数との双方に対して前記閾値記憶手段17PAに登録された最大値を所定の上限値として適用する
ことを特徴とする電子装置。
【0109】
(付記9) 付記7に記載の電子装置において、
前記バッテリ12の充放電サイクルの回数を計数する計数手段18を備え、
閾値記憶手段17PAには、
バッテリ12に対して行われ得る充電の回数またはその回数の単調非減少関数として与えられる整数に対して変化し、かつ標準的な値として設定されたそのバッテリ12によって供給されるべき電力の電力量の最大値が残量区分毎に予め登録され、
電力積算手段15は、
前記複数の残量区分の内、監視手段14Pによって監視された電力量が属するカレント残量区分毎に電力量を求め、
劣化識別手段16Pは、
前記カレント残量区分と、前記計数手段18によって計数された回数または前記整数との双方に対して前記閾値記憶手段17PAに登録された最大値を所定の上限値として適用する
ことを特徴とする電子装置。
【0110】
(付記10) 付記7ないし付記9の何れか1項に記載の電子装置において、
バッテリ12の特性を識別し、その特性を示す識別子を与えるバッテリ識別手段19を備え、
閾値記憶手段1717PAには、
前記特性が異なり、かつ前記バッテリ12として適用され得る個々のバッテリについて、識別子と、この識別子に対応したバッテリによって供給されるべき電力の電力量の最大値が登録され、
劣化識別手段16Pは、
前記閾値記憶手段17P、17PAに登録された最大値の内、前記バッテリ識別手段19によって与えられた識別子に対応する最大値に限って所定の上限値として適用する
ことを特徴とする電子装置。
【0111】
(付記11) 付記1ないし付記10の何れか1項に記載の電子装置において、
外部で計測され、かつバッテリ12あるいはそのバッテリ12に代わる電源によって供給された電力の値を取り込み、その電力の値をこの電力が計測された期間に制御手段11によって識別された状態に対応付けて電力記憶手段13に格納する実測電力反映手段20を備えた
ことを特徴とする電子装置。
【0112】
(付記12) 付記11に記載の電子装置において、
制御手段11は、
識別され得る全ての状態を個別に模擬し、あるいはこれらの状態に等価な稼働状況に単一または複数のデバイス10-1〜10-Nの稼働状況を順次設定し、
実測電力反映手段20は、
前記制御手段11によって順次設定された前記単一または複数のデバイス10-1〜10-Nの稼働状況に同期する
ことを特徴とする電子装置。
【0113】
(付記13) 駆動電力の全てまたは一部がバッテリ21によって供給され、かつ個々の構成要素の稼働状況の組み合わせとして状態を識別しつつ作動する電子装置22に、そのバッテリ21またはこのバッテリ21に代わる電源によって供給された電力を計測する電力計測手段23と、
前記電力計測手段23によって計測された電力の値を前記電子装置22に通知する電力通知手段24と
を備えたことを特徴とする消費電力実測支援装置。
【0114】
(付記14) 複数のデバイス24-1〜24-Nを備えると共に、これらの複数のデバイス24-1〜24-Nのそれぞれに電流を与えるためのバッテリ25が着脱可能な電子装置において、
各モード毎に、前記バッテリ25から流れ出す電流値を記憶する記憶手段26と、
各モードに応じて、前記バッテリ25から前記複数のデバイス24-1〜24-Nそれぞれに与える電流の制御を行う制御手段27と、
前記バッテリ25の電圧が第一の電圧から第二の電圧に減少するまでにおいて、各モードの継続時間を計時する計時手段28と、
前記計時手段28において計時した各モードの継続時間と前記記憶手段26に記憶した各モード毎の電流値との積の和と所定値との比較により、前記バッテリ25の劣化を検出する劣化検出手段29と
を備えたことを特徴とする電子装置。
【0115】
【発明の効果】
上述したように、本発明では、ハードウエアの規模が大幅に増加することなく、バッテリによって実際に供給された電力の電力量が積算され、このバッテリの劣化がその電力量の減少の程度として確度高く識別される。
また、請求項4に記載の発明では、各状態で消費されるべき電力の値が構成要素の特性の偏差に応じて大幅に異なる場合であっても、これらの状態でバッテリによって供給されるべき電力の値が設計値や理論値として与えられる場合に比べて、このバッテリの劣化が確度高く識別される。
【0116】
また、請求項1、2に記載の発明の第一の下位概念の発明では、バッテリの劣化はそのバッテリによって所望の駆動電力が供給される状態において的確に識別され、このバッテリの代替のバッテリの確保に要する時間が余裕をもって確保される。
【0117】
さらに、請求項1、2に記載の発明の第二の下位概念の発明と請求項1、2に記載の発明に関連した第一の発明とでは、代替のバッテリは、時間的な余裕度が確保される。
また、請求項1、2に記載の発明に関連した第一および第二の発明では、適用可能なバッテリの選定にかかわる制約が緩和され、かつ駆動電力の安定な供給が可能となる。
【0118】
さらに、請求項4に記載の発明の下位概念の発明では、始動の効率的な完了に併せて、修理や調整に起因して消費される電力の値が変化した場合であっても、バッテリの劣化が確度高く識別される。
したがって、これらの発明が適用された装置やシステムでは、コストの増加が小さく抑えられつつ性能および信頼性が総合的に高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわる電子装置の第一の原理ブロック図である。
【図2】本発明にかかわる電子装置の第二の原理ブロック図である。
【図3】本発明にかかわる消費電力実測装置の原理ブロック図である。
【図4】本発明の第一ないし第六の実施形態を示す図である。
【図5】本発明の第一ないし第三の実施形態の動作フローチャートである。
【図6】電流テーブルの構成を示す図である。
【図7】バッテリの放電特性を示す図である。
【図8】バッテリ固有値テーブルの構成を示す図である。
【図9】消費電力積算レジスタの構成を示す図である。
【図10】本発明の第五の実施形態の動作フローチャートである。
【図11】バッテリによって駆動電力が供給される端末装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
10,24 デバイス
11 制御手段
12,21,25,49 バッテリ
13 電力記憶手段
14,14P 監視手段
15 電力積算手段
16,16P 劣化識別手段
17,17A,17P,17PA 閾値記憶手段
18 計数手段
19 バッテリ識別手段
20 実測電力反映手段
22 電子装置
23 電力計測手段
24 電力通知手段
26 記憶手段
27 計時手段
28 劣化検出手段
30,46 制御部
31,53 主記憶
31A 消費電力積算レジスタ
31BF バッテリ固有値テーブル
31CT 電流テーブル
32 電力実測アダプタ
33 スイッチ
34 接栓座
35 電源回路
36 電力計測部
37 端末インタフェース部
41 アンテナ
42 送受信部
43 TDMA制御部
44 マイク
45 スピーカ
47 表示操作部
48 バス
50 電圧制御部
51 A/D変換器
52 プロセッサ
54 計時部

Claims (4)

  1. 複数のデバイスを備えると共に、これらの複数のデバイスのそれぞれに電流を与えるためのバッテリが着脱可能な電子装置において、
    各モード毎に、前記バッテリから流れ出す電流値を記憶する記憶手段と、
    各モードに応じて、前記バッテリから前記複数のデバイスそれぞれに与える電流の制御を行う制御手段と、
    前記バッテリの電圧が第一の電圧から第二の電圧に減少するまでにおいて、各モードの継続時間を計時する計時手段と、
    前記計時手段において計時した各モードの継続時間と前記記憶手段に記憶した各モード毎の電流値との積の和と所定値との比較により、前記バッテリの劣化を検出する劣化検出手段と
    を備えたことを特徴とする電子装置。
  2. 単一または複数のデバイスと、
    前記単一または複数のデバイスの動作を統括し、これらのデバイスの稼働状況の組み合わせとして状態を識別する制御手段と、
    前記制御手段によって識別され得る全ての状態について、個々の状態でバッテリによって供給されるべき電力の値が格納された電力記憶手段と、
    前記バッテリの端子電圧を監視する監視手段と、
    前記制御手段によって識別された状態について前記電力記憶手段に格納された電力の値を時系列の順に積算し、電力量を求める電力積算手段と、
    前記バッテリによって供給され、そのバッテリの充電および再利用が許容されるべき最小の電力量が予め与えられ、かつ前記監視手段によって監視された端子電圧が所定の下限値を下回ったときに、前記電力積算手段によって求められた電力量とこの最小の電力量との差または比としてこのバッテリの劣化の程度を識別する劣化識別手段と
    を備えたことを特徴とする電子装置。
  3. 単一または複数のデバイスと、
    前記単一または複数のデバイスの動作を統括し、これらのデバイスの稼働状況の組み合わせとして状態を識別する制御手段と、
    前記制御手段によって識別され得る全ての状態について、個々の状態でバッテリによって供給されるべき電力の値が格納された電力記憶手段と、
    前記バッテリによって供給された電力の電力量を監視する監視手段と、
    前記制御手段によって識別された状態について前記電力記憶手段に格納された電力の値を時系列の順に積算し、電力量を求める電力積算手段と、
    前記バッテリによって供給され、そのバッテリの充電および再利用が許容されるべき最小の電力量が予め与えられ、かつ前記監視手段によって監視された電力量が所定の上限値を上回ったときに、前記電力積算手段によって求められた電力量とこの最小の電力量との差または比としてこのバッテリの劣化の程度を識別する劣化識別手段と
    を備えたことを特徴とする電子装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の電子装置において、
    外部で計測され、かつバッテリあるいはそのバッテリに代わる電源によって供給された電力の値を取り込み、その電力の値をこの電力が計測された期間に制御手段によって識別された状態に対応付けて電力記憶手段に格納する実測電力反映手段を備えた
    ことを特徴とする電子装置。
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