JP4077174B2 - 射出成形機及び射出成形方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、射出成形に関し、特に、射出用モータを用いてスクリュを駆動し、材料の射出および保圧行程を経て成形品を成形する射出成形方法および射出成形機に関する。
【0002】
【従来の技術】
図6および図7は、この種の射出成形機の従来例の動作を示すタイムチャートおよびフローチャートである。時刻t50に射出行程が開始されると、制御周期時間待ちを行って(ステップS51)、速度指令を発生させる(ステップS52)。速度指令を時刻t50からDV51,DV52,DV53のように変化させるとともに、射出成形機のスクリュが射出行程から保圧行程へ切り換えるべき切換位置に到達したか否かを判断する(ステップS53)。切替位置に到達していない場合、ステップS51,S52に繰り返し戻ることによって、速度指令を実行し続ける。このことにより、溶融プラスチック等の材料に対する検出圧力は、一点鎖線(図6)で示されるように次第に上昇する。
【0003】
上述のステップS53において、時刻t60に切替位置に到達したと判断した場合、制御周期時間待ちを行って(ステップS54)、保圧行程を行うために速度指令から圧力指令に切り換え(ステップS55)、保圧時間が満了したか否かを判断する(ステップS56)。保圧時間が満了するまでの間において、圧力指令は、時刻t62においてq52からq51に下げられる。時刻t63に保圧時間が満了すると、次の成形サイクルに移行する。この一連の行程の中で、時刻t60において、保圧行程に切り換えた直後の時刻t61において、スクリュ駆動系の慣性力に影響されて検出圧力(射出圧)にピークが発生している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の射出成形機においては、射出行程の速度制御から保圧制御に切り換えた直後にスクリュ駆動系の慣性力に影響されて検出圧力(射出圧)にピークが発生する。これは、スクリュの駆動に可塑化用モータや射出用モータを用いる射出成形機においては、油圧式射出成形機に比較して上述のモータを含む射出スクリュ駆動系の慣性力が相当に大きいために、速度制御から保圧制御への切り換え時に圧力制御による制動では間に合わず、突発状のピークを発生させてしまうからである。このようなとき、極端な場合には、スクリュが加熱シリンダの先端部分に激突することも考えられる。スクリュの激突が発生しないまでも、このように射出圧にピークが発生した場合には、成形品に突起部分、いわゆる“ばり”が発生し、品質を低下させ、場合によっては、追加修正作業を発生させたりする問題がある。
【0005】
この発明は、上記の問題を解決すべくなされてものであって、スクリュの駆動にモータを用いる射出成形機において、スクリュの速度制御から保圧制御への切り換え時に、スクリュ駆動系の慣性力に影響されて射出圧にピークが発生しないように、スクリュを自動減速して保圧制御に切り換えることができる射出成形装置および射出成形方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決するために、この発明は、モータ(20)を用いてスクリュ(13)を駆動し、材料の射出および保圧行程を経て製品を成形する射出成形機において、射出工程における保圧行程の直前にスクリュ(13)の射出速度を減速する減速制御手段(30)を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
また、この発明において、前記減速制御手段(30)は、減速予測位置(Pa)を算出する減速予測位置算出手段と、減速予測位置算出手段により算出された減速予測位置(Pa)と所定の保圧切換設定位置(Ph)を比較する比較手段とを備え、前記減速予測位置(Pa)が前記保圧切換設定位置(Ph)を越えたときに、減速を開始することを特徴とするものである。
【0008】
また、この発明において、前記減速予測位置算出手段は、前記スクリュ(13)の検出現在位置(p)と、現在速度(v)と、減速予測時間(t)に基づいて、前記減速予測位置(Pa)を算出することを特徴とするものである。
【0009】
前記減速予測位置算出手段は、前記スクリュ(13)の検出現在位置(p)と、現在速度(v)と、減速予測時間(t)と、制御遅れ時間(d)と、保圧速度(Vh)に基づいて、減速予測位置(Pa)を算出することを特徴とするものである。
【0010】
また、この発明において、前記減速予測時間(t)は現在速度(v)を減速時加速度(α)により除算することにより得られ、前記減速時加速度(α)は、所定の最大減速時間(Tm)を所定の制御周期(θ)で除した値で、所定の最大速度(Vm)を除して得られることを特徴とするものである。
【0011】
また、この発明において、前記減速制御手段は、前記スクリュ(13)の検出現在位置(p)が前記保圧切換設定位置(Ph)を越えたときに、前記保圧工程に移行することを特徴とするものである。
【0012】
このような射出成形機によれば、保圧行程の直前において、スクリュの速度は減速されているので、保圧行程に移行した直後にスクリュの駆動機構の慣性力の影響を受けて射出圧にピークを発生することが無く、成形品に“ばり”を発生させることが無い。
【0013】
また、この発明は、モータ(20)を用いてスクリュ(13)を駆動し、材料の射出および保圧行程を経て製品を成形する射出成形方法において、射出工程における保圧行程の直前にスクリュ(13)の射出速度を減速する減速行程を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
このような射出成形方法によれば、保圧行程の直前において、スクリュの速度は減速されているので、保圧行程に移行した直後にスクリュの駆動機構の慣性力の影響を受けて背圧にピークを発生することが無く、成形品に“ばり”を発生させることが無い。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるスクリュ式の射出成形機の構成を説明するための図、図2は、図1の射出成形機の動作を示すタイムチャート、図3は、図1の射出成形機の動作を示すフローチャートである。図1は、スクリュ式の射出成形機100において、可動金型(不図示)および固定金型(不図示)の型締めが完了し、固定金型へのノズルタッチが行われており、射出成形の前サイクルにおける溶融材料のノズル(不図示)からの射出が完了し、次のサイクルに移行しようとしている状態を示している。
【0016】
図1の射出成形機100において、ホッパ12に収納されているプラスチック等の材料は加熱シリンダ11の中のスクリュ13の上に落下させられる。スクリュ13は、加熱シリンダ11の中で回転可能に支持されているとともに、その一端が、軸受17によって支持されている。制御部30は、スクリュ13の上に落下したプラスチック材料等が適量に計測され、可塑化されるように、回転指令DRをサーボモータアンプ31に与える。サーボモータアンプ31は、回転指令DRに従って、エンコーダ15の出力値を参照しながら可塑化用モータ14を所定の回転数だけ回転させ、ベルト16を介して、加熱シリンダ11の中のスクリュ13を回転させる。スクリュ13の上に落下したプラスチック材料等は加熱シリンダ11の熱により溶融し、回転するスクリュ13によって計量され、ノズルの方向(図1において左方向)に送り込まれる。
【0017】
このように、加熱シリンダ11の中をノズル方向に送り込まれる溶融プラスチック材料等により、スクリュ13は、送り込み方向とは逆の矢印DDの方向に圧力を受ける。この圧力は、ロードセル18によって検出され、ロードセルアンプ32を介して検出圧力qとして制御部30に与えられれる。制御部30は、射出用モータ20のエンコーダ23から検出速度vを、エンコーダ23のデータを受けるカウンタ34から検出位置pをそれぞれ受けて、検出圧力(背圧)qが予め決められた設定圧力になるように、トルク指令DTおよび速度指令DVをサーボモータアンプ33に与える。
【0018】
トルク指令DTおよび速度指令DVを受けたサーボモータアンプ33は、エンコーダ23の出力値を参照しながら、指令DT,DVに基づいて、射出用モータ20を回転させ、ベルト21およびボールネジ22を介して、移動板19を後退(図1において右方向)させる。したがって、スクリュ13は、ノズル方向に溶融プラスチック材料等を送り込み、設定圧力を受けながら、ボールネジ22による移動板19の後退に従って加熱シリンダ11の中を後退する。
【0019】
すなわち、図1のRR部分は移動せずに、FF部分(加熱シリンダ11を除く)が後退する。制御部30は、エンコーダ23の出力値から溶融プラスチック材料等の適切な計量がなされたことを確認すると、可塑化用モータ14の回転を中止するとともに、ロードセル18の検出圧力、エンコーダ23の検出速度v、カウンタ34の検出位置pを参照しつつ、射出用モータ20を回転させ、移動板19をノズル方向(図1において左方向)に移動させて射出行程および保圧行程の実行に移行する。
【0020】
上述の射出行程および保圧行程の実行について図2および図3を参照して説明する。この場合、制御部30には、図1に示されるように予め射出条件ECNおよび保圧条件HCNが与えられているものとする。図2に示される時刻t0において、射出行程が開始されると、制御部30は、制御周期時間待ちを行って(ステップS31)、速度指令DVおよびトルク指令DT(トルク制限値)を発生させる(ステップS32)。速度指令DVを時刻t0から徐々に増加させるとともに、スクリュ13の減速予測位置が所定の保圧切換位置に到達したか否かを判断する(ステップS33)。
【0021】
減速予測位置が保圧切換位置に到達していない場合、制御部30は、ステップS31,S32に繰り返し戻ることによって、射出条件ECNに従って例えば、速度指令DVを時刻t1〜t2においてDV2に、時刻t3〜t4においてDV4に、時刻t5〜t6においてDV4よりも若干低いDV3にそれぞれ設定し、ロードセル18によって検出される検出圧力qは一点鎖線(図2)で示されるように次第に上昇する。
【0022】
上述のステップS33の判断において、減速予測位置が保圧切換位置に到達した場合、例えば、制御部30は減速行程を実行するために、制御周期時間待ちを行って(ステップS34)、時刻t6〜t7の期間に減速速度指令を発生させ(ステップS35)、速度指令DVをDV3からDV1に低下させ、時刻t7〜t8では速度指令DVをDV1に維持しようとするとともに、スクリュ13が保圧切換位置に到達したか否かを判断する(ステップS36)。したがって、制御部30がロードセルアンプ32を介してロードセル18から受け取る検出圧力qは、直ぐに最大値q3に達して上昇を止める。ステップS36の判断において、スクリュ13が保圧切換位置に到達していない場合、制御部30は、ステップS34,S35に繰り返し戻ることによって、射出条件ECNに従って例えば、速度指令DVをDV1に設定しようとする。
【0023】
ステップS36において、スクリュ13が時刻t8において保圧切換位置に到達したと判断した場合には、制御部30は、制御周期時間待ちを行って(ステップS37)、保圧行程を行うために速度指令から圧力指令に切り換え、ロードセル18からの検出圧力qが圧力q2を示すように射出モータ20を制御する。このように、保圧行程に切り換えられると、ロードセルアンプ32からの検出圧力qは、急速に低下し、時刻t9には検出圧力q2となる。すなわち、この場合、時刻t6〜t7において、スクリュ13は、急速に減速されているので、スクリュの駆動系の慣性力の影響を受けることなく、保圧行程で検出圧力qにピークを発生させることが無い。
【0024】
時刻t10に、制御部30は、ロードセル18の検出圧力qがq1となるように圧力指令を出し、規定された時間を維持した後に、時刻t11に保圧行程を完了し、次のサイクルの射出成形行程に移行する。上述の時刻t6〜t8の減速行程においては、制御部30は、速度指令を時間の経過にほぼ比例するように直線的に変化させているので極めて単純に設定できるが、他の適切な曲線に従って変化させることも可能である。
又、図3において制御周期時間待ち(S31,S34,S37)と制御指令発生(S32,S35,S38)の処理順番は反対でもよい事は言うまでもない。
【0025】
上述した制御部30による制御行程において、射出行程から保圧行程に移行するために、制御部30は、射出行程から保圧行程へ切り換えるべき切換位置よりも手前の減速予測位置を検出し、その減速予測位置を検出したときからスクリュ13の速度を急速に減速させている。したがって、既に述べたように、スクリュ13が切替位置に到達したときには、スクリュ13の速度は、充分に低速となっているので、切替位置において、速度指令から圧力指令に切り換えられても、従来のようにスクリュ駆動系の慣性力の影響で検出圧力qに異常なピークを発生させることが無く、ひいては、そのピークに伴う成形品のいわゆる“ばり”等の欠陥が発生しない。なお、制御部30は、記憶部内に収納した制御プログラムに従って制御を実行するCPU、あるいは、制御内容がロジックとして組み込まれたLSI等の半導体集積回路から構成するのが好ましい。
【0026】
上述の制御における射出行程中においては、減速予測位置Paと、保圧切換設定位置Phとを比較し、減速予測位置Paが保圧切換設定位置Phを超えたときに減速行程に移行するが、ここで、減速予測位置Paの計算アルゴリズムに関しての演算例について説明する。最大減速時間Tm、最大速度Vm(設計値で既知)、制御周期θ(設計値で既知)、位置換算係数k(設計値で既知)、現在速度v、現在位置pとした場合に、
【0027】
減速時加速度;α=Vm/(Tm/θ)
減速予測時間;t=v/α
減速予測位置;Pa=p+k(t×v/2)
【0028】
によって求めることができる。減速行程では、制御周期毎に速度指令を保圧速度設定Vhまで減速加速度αずつ減算していくことで減速指令を発生することができる。減速行程中は、現在位置と保圧切換設定位置Phとを比較し、現在位置が保圧切替位置Phを超えたときに保圧行程に移行する。以上、この発明の実施の形態をプラスチック成形機に例をとって説明したが、金属射出成形機に適用できることは言うまでもない。
【0029】
以上のように実施の形態1によれば、保圧行程の開始時にスクリュ反力の検出圧力にピーク圧を発生させることが無く、ひいては、成形品に前記ピーク圧を原因とする“ばり”を発生させることが無く、製品品質の向上をもたらすことができる。
【0030】
実施の形態2.
実施の形態1においては、スクリュ13の検出現在位置pと、現在速度vと、減速予測時間tに基づいて、減速予測位置Paを算出するようにしている。実施の形態1は、保圧速度Vhまで減速し、減速しきったところで、保圧切換位置Phを通過するようにしたものであるが、保圧速度Vhに十分に減速する前に、保圧切換位置Phを通過してしまうことがある。これは、実際のモータの動きは、速度指令を出力して直ぐに応答するものではなく、多少の制御遅れ時間があるからであり、速度指令を出力してから、実際のスクリュの速度が減速するまでには遅れが発生することに基づく。この制御遅れが予測演算に考慮されない場合、減速予測位置から減速を開始したのでは遅れが生じ、このため、射出の最終速度の設定値や保圧速度の設定値を変えたときにも、減速具合が変わるという不具合が生じるおそれもある。このため、十分に減速する前に保圧切換してしまうような場合は、スクリュ駆動系の慣性力の影響を受けて、速度制御から保圧制御への切換え時に圧力制御による制動では間に合わず、突発上のピークを発生させてしまうことがある。このようなとき、極端な場合には、スクリュが加熱シリンダの先端部に激突することも考えられる。
【0031】
そこで、実施の形態2では、スクリュ13の検出現在位置pと、現在速度vと、減速予測時間tと、制御遅れ時間dと、保圧速度Vhに基づいて、減速予測位置Paを算出するようにしたものであり、減速予測位置算出の演算予測に制御遅れ時間までも見込むことにより、減速予測位置算出をより厳密にして、より実機の動きに近い予測を行わせるようにすることで、保圧切換え位置直前に最適に自動減速して保圧切換えすることができるようになり、慣性の影響を抑えて、より安全で安定した成形品を得るようにしている。なお、実施の形態1と実施の形態2における減速予測位置算出のタイムチャートを図4、図5に対比して示しておく。
【0032】
実施の形態2では、射出工程中においては、減速予測位置Paと保圧切換設定位置Phとを比較し、減速予測位置Paが保圧切換設定位置Phを越えた時に減速工程に移行する。
減速予測位置Paの計算アルゴリズム例について説明すると、最大減速時間Tm、最大速度Vm(設計値で既知)、制御周期θ(設計値で既知)、位置換算係数k(設計値で既知)、現在速度v、現在位置p、制御遅れ時間d、保圧設定速度Vhとしたとき、
【0033】
減速時加速度;α=Vm/(Tm/θ)
減速予測時間;t=(v−Vh)/α
減速予測位置;Pa=p+k×[(V+Vh)×t/2+v×d]
ここで、Tm、d、Vhは設定手段により設定した値を使用し、pは検出位置を使用し、vは検出速度又は速度指令値を使用している。
【0034】
減速工程では、実施の形態1と同様に、制御周期毎に速度指令を保圧速度Vhまで減速加速度αずつ減速していくことで、減速指令を発生することができる。減速工程中は、現在位置と保圧切換設定位置Phとを比較し、現在位置が保圧切換位置Phを越えたときに、保圧工程に移行する。なお、制御遅れ時間dについては、指令速度と検出速度の関係から算出したものを使用しても良い。
【0035】
【発明の効果】
以上において詳述したように、この発明の射出成形方法および射出成形機は、モータを用いてスクリュを駆動し、材料の射出および保圧行程を経て製品を成形する射出成形の場合に、射出工程における保圧行程の直前にスクリュの射出速度を減速する減速行程を設けていることにより、保圧行程の開始時にスクリュ反力の検出圧力にピーク圧を発生させることが無く、ひいては、成形品に前記ピーク圧を原因とする“ばり”を発生させることが無く、製品品質の向上をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態におけるスクリュ式の射出成形機の構成を説明するための図である。
【図2】図1の射出成形機の射出行程以降の動作を示すタイムチャートである。
【図3】図1の射出成形機の射出行程以降の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1における減速予測位置算出のタイムチャートである。
【図5】実施の形態2における減速予測位置算出のタイムチャートである。
【図6】従来の射出成形機の射出行程以降の動作を示すタイムチャートである。
【図7】従来の射出成形機の射出行程以降の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 加熱シリンダ、12 ホッパ、13 スクリュ、14 可塑化用モータ、15,23 エンコーダ、16,21 ベルト、17 軸受、18 ロードセル、19 移動板、20 射出用モータ、22 ボールネジ、30 制御部、31,33 サーボモータアンプ、32 ロードセルアンプ、34 カウンタ、100 射出成形機。
Claims (5)
- モータ(20)を用いてスクリュ(13)を駆動し、材料の射出および保圧工程を経て製品を成形する射出成形機において、
射出工程における保圧工程の直前にスクリュ(13)の射出速度を減速する減速制御手段(30)を設け、
前記減速制御手段(30)は、減速予測位置(Pa)を算出する減速予測位置算出手段と、減速予測位置算出手段により算出された減速予測位置(Pa)と所定の保圧切換設定値(Ph)を比較する比較手段とを備え、
前記減速予測位置(Pa)が前記保圧切換設定位置(Ph)を越えたときに、減速を開始し、
前記減速予測位置算出手段は、前記スクリュ(13)の検出現在位置(p)と現在速度(v)と、減速予測時間(t)に基づいて、前記減速予測位置(Pa)を算出する射出成形機。 - 前記減速予測位置算出手段は、前記スクリュ(13)の検出現在位置(p)と、現在速度(v)と、減速予測時間(t)と、制御遅れ時間(d)と、保圧速度(Vh)に基づいて、減速予測位置(Pa)を算出することを特徴とする請求項1記載の射出成形機。
- 前記減速予測時間(t)は現在速度(v)を減速時加速度(α)により除算することにより得られ、前記減速時加速度(α)は、所定の最大減速時間(Tm)を所定の制御周期(θ)で除した値で、所定の最大速度(Vm)を除して得られることを特徴とする請求項2に記載の射出成形機。
- 前記減速制御手段は、前記スクリュ(13)の検出現在位置(p)が前記保圧切換設定位置(Ph)を越えたときに、前記保圧工程に移行することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の射出成形機。
- モータ(20)を用いてスクリュ(13)を駆動し、材料の射出および保圧工程を経て製品を成形する射出成形機の射出成形方法において、
射出工程における保圧工程の直前にスクリュ(13)の射出速度を減速する場合に、減速予測位置(Pa)を算出し、算出された減速予測位置(Pa)と所定の保圧切換設定値(Ph)を比較し、前記減速予測位置(Pa)が前記保圧切換設定位置(Ph)を越えたときに、減速を開始し、
前記減速予測位置算出は、前記スクリュ(13)の検出現在位置(p)と現在速度(v)と、減速予測時間(t)に基づいて、前記減速予測位置(Pa)を算出する射出成形機の射出成形方法。
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