JP4074721B2 - 半導体チップおよび半導体チップの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、たとえば、半導体チップの表面に他の半導体チップを重ね合わせて接合するチップ・オン・チップ構造や半導体チップの表面をプリント配線基板に対向させて接合するフリップ・チップ・ボンディング構造に適用される半導体チップおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、半導体装置の小型化および高集積化を図るための構造として、一対の半導体チップを対向させ、これらをバンプによって互いに電気接続する、いわゆるチップ・オン・チップ構造が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このチップ・オン・チップ構造の半導体装置の実現に際して、本願発明者は、半導体チップの表面に、バンプと同じ耐酸化性の材料で表面配線を形成することを考えた。たとえば、この表面配線をバンプに接続しておけば、他の半導体チップのバンプを表面配線に接合させることにより、互いに対向する半導体チップ間の電気接続を達成することができ、他の半導体チップのバンプ形成位置の自由度を増すことができる。また、表面配線で異なる内部配線間を接続するようにすれば、半導体チップの厚みを増大させることなく配線数を増やすことができる。
【0004】
しかしながら、図7に示すように、互いに対向する半導体チップ80,90の表面にそれぞれ表面配線81,91を設けた場合、半導体チップ80の表面配線81と他の半導体チップ90の表面配線91とが接触し、半導体チップ80,90間で所望しない電気接続が形成されるおそれがあった。
この問題は、チップ・オン・チップ構造に限らず、半導体チップの表面をプリント配線基板の表面に対向させて接合する、いわゆるフリップ・チップ・ボンディング構造において、半導体チップの表面に表面配線を設けた場合にも生じるおそれがある。
【0005】
そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、表面配線による他の半導体チップ等との所望しない電気接続を防止できる半導体チップおよびその製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、固体表面に接合される半導体チップであって、上記固体表面に対向する表面に形成された表面保護膜と、この表面保護膜上に***して形成され、当該半導体チップと上記固体とを電気的に接続するためのバンプと、上記表面保護膜に形成された凹部に設けられ、上記バンプよりも高さが低く形成された表面配線とを含むことを特徴とする半導体チップである。
【0007】
なお、上記固体表面は、他の半導体チップの表面であってもよいし、配線基板の表面であってもよい。
この発明によれば、表面保護膜上に設けられた表面配線は、表面保護膜上に***したバンプより低く形成されている。したがって、この半導体チップを他の半導体チップなどの固体に対向させたときに、この半導体チップの表面配線が対向する固体表面に設けられた表面配線などに接触するおそれがない。ゆえに、この半導体チップと上記固体との間で、表面配線による所望しない電気接続がなされるおそれがない。
【0008】
請求項2記載の発明は、固体表面に接合される半導体チップを製造するための方法であって、当該半導体チップの基体をなす半導体基板上に内部配線を配設する工程と、上記内部配線上に表面保護膜を積層する工程と、上記表面保護膜に上記内部配線の一部を露出させるための開口部を形成する工程と、上記開口部を介して露出した内部配線上に選択的にメッキを堆積させることにより、上記表面保護膜の表面に対して***したバンプを形成する工程と、上記開口部外の表面保護膜上の予め定める領域に選択的にメッキを堆積させることにより、上記バンプよりも高さの低い表面配線を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体チップの製造方法である。
【0009】
この方法によれば、表面保護膜上に、バンプよりも高さの低い表面配線を形成することができる。
請求項3記載の発明は、半導体基板上に内部配線を配設する工程と、上記内部配線上に表面保護膜を積層する工程と、上記表面保護膜に上記内部配線の一部を露出させるための開口部を形成する工程と、上記開口部を介して露出した内部配線上および上記開口部外の表面保護膜上の予め定める領域に選択的にメッキを堆積させることにより、バンプの一部および表面配線を形成する工程と、上記バンプの一部をなす部分上にメッキをさらに選択的に堆積させることにより、上記表面保護膜の表面に対して***したバンプを完成する工程とを含むことを特徴とする半導体チップの製造方法である。
【0010】
この方法によっても、表面保護膜上に、バンプよりも高さの低い表面配線を形成することができる。
請求項4記載の発明は、半導体基板上に内部配線を配設する工程と、上記内部配線上に表面保護膜を積層する工程と、上記表面保護膜に凹部および上記内部配線の一部を露出させるための開口部を形成する工程と、上記開口部および凹部内にそれぞれバンプの一部および表面配線を形成する工程と、上記開口部内に形成された上記バンプの一部をなす部分上に選択的にメッキを堆積させることにより、上記表面保護膜の表面に対して***したバンプを完成する工程とを含むことを特徴とする半導体チップの製造方法である。
【0011】
この方法によれば、表面保護膜に形成された凹部内に、バンプよりも高さの低い表面配線を形成することができる。
なお、上記バンプの一部および表面配線を形成する工程は、上記開口部および凹部が形成された表面保護膜上に金属膜を積層する工程と、上記開口部および凹部外に積層された金属膜をすべて除去する工程とを含んでいてもよい。
【0012】
また、上記バンプの一部および表面配線を形成する工程は、上記開口部および凹部が形成された表面保護膜上に金属膜を積層する工程と、上記開口部および凹部外に積層された金属膜を平坦化して途中まで除去する工程とを含んでいてもよい。この場合、上記バンプまたは表面配線を構成しない不要な金属膜は、上記バンプを完成する工程の後に除去されるとよい。
【0013】
請求項5記載の発明は、半導体基板上に内部配線を配設する工程と、上記内部配線上に表面保護膜を積層する工程と、上記表面保護膜に上記内部配線の一部を露出させるための開口部および上記内部配線の上面よりも低い底面を有する凹部を形成する工程と、上記開口部および凹部内に選択的にメッキを堆積させることにより、それぞれ上記表面保護膜の表面に対して***したバンプおよびこのバンプよりも高さが低い表面配線を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体チップの製造方法である。
【0014】
この方法によれば、表面保護膜上に、内部配線の上面と凹部の底面との段差分だけバンプよりも高さの低い表面配線を形成することができる。
請求項6記載の発明は、上記表面保護膜を積層する工程と上記開口部および凹部を形成する工程との間に、上記表面保護膜の表面を平坦化する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5記載の半導体チップの製造方法である。
【0015】
この方法のように、表面保護膜に開口部および凹部を形成する前に、表面保護膜の表面を平坦化しておけば、たとえば、表面保護膜に開口部および凹部を形成するためのフォトリソグラフィ工程の露光時に焦点ずれなどを生じるおそれがない。ゆえに、開口部および凹部を精密に形成することができ、その結果、バンプおよび表面配線を正確な位置に形成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る半導体チップが適用された半導体装置の概略構成を示す図解的な断面図である。この半導体装置は、いわゆるチップ・オン・チップ構造を有しており、親チップ1の表面11に子チップ2を重ね合わせて接合した後、これらを樹脂封止してパッケージ3に納めることによって構成されている。
【0017】
親チップ1は、たとえばシリコンチップからなっている。親チップ1の表面11は、親チップ1の基体をなす半導体基板においてトランジスタなどの機能素子が形成された活性表層領域側の表面であり、最表面は、絶縁性を有する表面保護膜で覆われている。この表面保護膜上には、外部接続用の複数のパッド12が、表面11の周縁付近に露出して配置されている。外部接続用パッド12は、ボンディングワイヤ41によってリードフレーム42に接続されている。また、表面保護膜上には、内部配線に電気接続された複数個のバンプBMが設けられている。
【0018】
子チップ2は、たとえばシリコンチップからなっている。子チップ2の表面21は、子チップ2の基体をなす半導体基板においてトランジスタなどの機能素子が形成された活性表層領域側の表面であり、最表面は、絶縁性を有する表面保護膜で覆われている。この表面保護膜上には、内部配線に接続された複数個のバンプBSが設けられている。
【0019】
子チップ2は、表面21を親チップ1の表面11に対向させた、いわゆるフェースダウン方式で親チップ1に接合されている。子チップ2のバンプBSは、親チップ1のバンプBMを考慮した位置に設けられており、子チップ2は、バンプBSがそれぞれ対応する親チップ1のバンプBMに接続されることにより、親チップ1の上方に支持されるとともに、親チップ1と電気的に接続されている。
【0020】
図2は、親チップ1の表面付近の構成および製造工程を示す断面図である。親チップ1の基体をなす半導体基板(図示せず)上には、たとえば酸化シリコンで構成される層間絶縁膜13が形成されており、この層間絶縁膜13上に内部配線14A,14B,14Cが配設されている。層間絶縁膜13および内部配線14A,14B,14Cの表面は、たとえば窒化シリコンで構成される表面保護膜15で覆われている。表面保護膜15には、内部配線14A,14B,14Cに対向し、内部配線14A,14B,14Cの一部をそれぞれ露出させるための開口部16A,16B,16Cが形成されている。
【0021】
開口部16A,16B上には、それぞれバンプBM1,BM2が***して形成されている。バンプBM1,BM2は、たとえば金、プラチナ、銀、パラジウムまたはイリジウムなどの耐酸化性を有する材料を用いて、ほぼ同じ高さに形成されている。また、バンプBM2には、表面保護膜15上に配設された表面配線17の一端が接続されており、この表面配線17の他端は、開口部16Cを介して内部配線14Cに接続されている。つまり、内部配線14Bと内部配線14Cとは、バンプBM2および表面配線17によって電気的に接続されている。表面配線17は、バンプBM1,BM2と同じ材料で構成されており、バンプBM1,BM2よりも低く形成されている。
【0022】
バンプBM1,BM2および表面配線17を形成する際には、まず、図2(a) に示すように、フォトリソグラフィ技術により、表面保護膜15に開口部16A,16B,16Cを形成する。次に、図2(b) に示すように、開口部16A,16B,16Cが形成された表面保護膜15の表面に、スパッタ法によってバリアメタル膜18およびシード膜19を形成する。バリアメタル膜18は、シード膜19を構成する金属が表面保護膜15中に拡散するのを防止するためのものである。たとえば、バンプBM1,BM2が金で構成される場合には、バリアメタル膜18はチタンタングステンで構成され、シード膜19は金で構成されるとよい。
【0023】
次いで、図2(c) に示すように、バンプBM1,BM2を形成すべき領域、すなわち開口部16A,16Bに対向する領域以外のシード膜19上にレジストパターンRP1を形成した後、バンプBM1,BM2の材料を用いた電解メッキを行う。これにより、レジストパターンRP1から露出したシード膜19上、すなわち開口部16A,16Bに対向するシード膜19上にのみメッキが成長し、開口部16A,16B上にそれぞれバンプBM1,BM2が形成される。
【0024】
その後、図2(d) に示すように、シード膜19上のレジストパターンRP1を除去する。そして、図2(e) に示すように、表面配線17を形成すべき領域以外のシード膜19上に、新たなレジストパターンRP2を形成した後、表面配線17の材料を用いた電解メッキを行う。これにより、レジストパターンRP2から露出したシード膜19上にのみメッキが成長し、このシード膜19上に、一端がバンプBM2に接続され、他端が開口部16Cを介して内部配線14Cに接続された表面配線17が形成される。なお、表面配線17を形成するためのメッキ時間は、バンプBM1,BM2を形成するためのメッキ時間よりも短く設定される。
【0025】
そして、シード膜19上のレジストパターンRP2を除去した後、バンプBM1,BM2および表面配線17のいずれにも接していない不要なシード膜19をエッチングによって除去し、さらにシード膜19の除去によって露出したバリアメタル膜18をエッチングによって除去することにより、開口部16A,16B上にそれぞれ***したバンプBM1,BM2と、これらのバンプBM1,BM2よりも低く形成された表面配線17とを得ることができる。
【0026】
以上のように、この実施形態によれば、親チップ1の表面には、子チップ2との電気接続のためのバンプBM(BM1,BM2)と、内部配線14B,14Cを電気接続する表面配線17とが設けられており、この表面配線17はバンプBMよりも低く形成されている。したがって、子チップ2の表面に形成されたバンプBSが親チップ1の表面配線17に接触するおそれがなく、親チップ1と子チップ2との所望しない電気接続がなされるおそれがない。
【0027】
なお、以上では親チップ1の構成を中心に説明したが、図1に示すように、子チップ2の表面にも表面配線22が配設されていてもよい。この場合、子チップ2の表面配線22も、親チップ1の表面配線17と同様に、バンプBSよりも低く形成されることが好ましい。こうすることにより、親チップ1のバンプBMが子チップ2の表面配線22に接触することを防止でき、親チップ1と子チップ2との所望しない電気接続を防ぐことができる。
【0028】
図3は、バンプBMおよび表面配線17の他の製造方法を工程順に示す断面図である。この図3において、図2に示す各部に相当する部分には、図2の場合と同一の参照符号を付して示す。
上述した図2に示す製造方法では、バンプBM1,BM2が形成された後に、表面配線17が形成されるとしたが、この図3に示す製造方法では、表面配線17が形成された後に、バンプBM1,BM2が形成される。
【0029】
具体的に説明すると、まず、図3(a) に示すように、フォトリソグラフィ技術により、表面保護膜15に開口部16A,16B,16Cが形成される。次に、図3(b) に示すように、開口部16A,16B,16Cが形成された表面保護膜15の表面に、スパッタ法によってバリアメタル膜18およびシード膜19が形成される。そして、バンプBM1,BM2を形成すべき領域および表面配線17を形成すべき領域以外のシード膜19上にレジストパターンRP3が形成された後、バンプBM1,BM2および表面配線17の材料を用いた電解メッキが行われる。これにより、レジストパターンRP3から露出したシード膜19上にのみメッキが成長し、開口部16A,16B上にそれぞれバンプBM1,BM2の一部が形成されるとともに、バンプBM2の一部と内部配線14Cとを接続するように表面配線17が形成される。
【0030】
次いで、図3(c) に示すように、バンプBM1,BM2を形成すべき領域、すなわち開口部16A,16Bに対向する領域以外の表面上に、新たなレジストパターンRP4が形成された後、バンプBM1,BM2の材料を用いた電解メッキが行われる。これにより、開口部16A,16Bに対向する領域上にメッキがさらに成長し、開口部16A,16B上に、それぞれ表面配線17よりも高く***したバンプBM1,BM2が形成される。
【0031】
以上のように、この図3に示す製造方法によっても、バンプBM1,BM2よりも低く形成された表面配線17を得ることができる。
図4は、バンプBMおよび表面配線17のさらに他の製造方法を工程順に示す断面図である。この図4において、図2に示す各部に相当する部分には、図2の場合と同一の参照符号を付して示す。
【0032】
この図4に示す製造方法では、バンプBM1,BM2が、それぞれ内部配線14A,14B上に***した状態に形成されるとともに、内部配線14B,14Cを電気接続する表面配線17が、表面保護膜15に埋め込まれた状態に形成される。
具体的に説明すると、まず、内部配線14A,14B,14C上に、表面保護膜15が内部配線14Aよりも厚く積層される。そして、たとえばCMP(Chemical Mechanical Polishing :化学的機械的研磨法) 処理が行われることにより、表面保護膜15の表面が平坦化された後、図4(a) に示すように、フォトリソグラフィ技術により、表面保護膜15に開口部16Aおよび凹部16Dが形成される。開口部16Aは、内部配線14Aに臨んで形成され、凹部16Dは、内部配線14B,14Cに跨った状態に形成される。これにより、開口部16Aを介して、内部配線14Aの一部が露出し、また凹部16Dを介して、内部配線14B,14Cの一部および内部配線14B,14C間の表面保護膜15の一部が露出する。
【0033】
次に、開口部16Aおよび凹部16Dが形成された表面保護膜15の表面に、スパッタ法によってバリアメタル膜18およびシード膜19が形成される。そして、シード膜19の表面全域に、バンプBM1,BM2および表面配線17の材料を用いた電解メッキが行われる。このメッキは、開口部16Aおよび凹部16D内がメッキ材料で満たされるまで続けられ、これにより、シード膜19上には、開口部16Aおよび凹部16Dの深さよりも大きい膜厚を有する金属膜MFが形成される。その後、CMP処理が行われることにより、図4(b) に示すように、シード膜19上に形成された金属膜MFの表面が平坦化される。
【0034】
次いで、図4(c) に示すように、バンプBM1,BM2を形成すべき領域、すなわち内部配線14A,14Bに対向する領域以外の金属膜MF上にレジストパターンRP5が形成された後、バンプBM1,BM2の材料を用いた電解メッキが行われる。これにより、レジストパターンRP5を介して露出した金属膜MF上にのみメッキが成長する。そして、レジストパターンRP5が除去された後、ウエットエッチングが行われて、表面保護膜15上の不要な金属膜MF、シード膜19およびバリアメタル膜18が除去される。これにより、内部配線14A,14B上に***したバンプBM1,BM2が得られるとともに、表面保護膜15に埋め込まれた表面配線17が得られる。
【0035】
以上のように、この図4に示す製造方法によっても、バンプBM1,BM2よりも低く形成された表面配線17を得ることができる。
なお、この図4に示す製造方法では、平坦化された金属膜MF上にレジストパターンRP5が形成されるとしたが、CMP処理によって開口部16Aおよび凹部16D外の金属膜MFをすべて除去し、これにより露出したシード膜19上にレジストパターンRP5が形成されてもよい。
【0036】
また、CMP処理で金属膜MFとともに開口部16Aおよび凹部16D外のシード膜19およびバリアメタル膜18を除去し、開口部16Aおよび凹部16D内に残された金属膜MF上に選択的にメッキを堆積させることにより、バンプBM1,BM2が形成されてもよい。
なお、以上の説明では、表面配線17は内部配線14B,14Cを電気接続するものであるとしたが、表面配線17は、必ずしも内部配線14B,14Cを電気接続するものでなくてもよい。たとえば、表面配線17は、半導体基板の表面に形成されたソース領域やドレイン領域などの拡散領域に接続されたものであってもよい。
【0037】
また、表面配線17をバンプBMよりも低く形成する方法は、上述した各製造方法に限定されず、さらに他の製造方法が適用されてもよい。
たとえば、図5に示すように、内部配線51上に表面保護膜52を積層した後、この表面保護膜52に、内部配線51の一部を露出させるための開口部53、およびこの開口部53に連続した凹部54を形成する。そして、開口部53および凹部54外の表面保護膜52上にレジストパターンを形成した後、このレジストパターンから露出した開口部53および凹部54内に、バンプBMおよび表面配線17の材料を用いた電解メッキを施すことにより、バンプBMおよび表面配線17が形成されてもよい。この場合、内部配線51の上面と凹部54の底面との段差分だけ、内部配線51上のバンプBMよりも凹部54内の表面配線17を低く形成することができる。
【0038】
さらに、図6に示すように、内部配線51上の表面保護膜52を平坦化した後に、開口部53および凹部54を形成してもよい。こうすれば、表面保護膜52に開口部53および凹部54を形成するためのフォトリソグラフィ工程の露光時に焦点ずれなどを生じるおそれがなく、開口部53および凹部54を精密に形成することができる。なお、表面保護膜52の平坦化は、たとえば、表面保護膜52がHDP(High Density Plasma) 法またはSOG(Spin On Glass)法で形成されることにより達成されてもよいし、表面保護膜52がプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition) 法により形成された後に、CMP処理が施されることにより達成されてもよい。
【0039】
また、親チップ1および子チップ2は、いずれもシリコンからなるチップであるとしたが、シリコンの他にも、化合物半導体(たとえばガリウム砒素半導体など)やゲルマニウム半導体などの他の任意の半導体材料を用いた半導体チップであってもよい。この場合に、親チップ1の半導体材料と子チップ2の半導体材料は、同じでもよいし異なっていてもよい。
【0040】
さらに、上述の実施形態では、チップ・オン・チップ構造を取り上げたが、この発明に係る半導体チップは、半導体チップの表面をプリント配線基板に対向させて接合するフリップ・チップ・ボンディング構造にも適用できる。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内で、種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る半導体チップが適用された半導体装置の概略構成を示す図解的な断面図である。
【図2】上記半導体チップの表面付近の構成および製造工程を示す断面図である。
【図3】半導体チップの他の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図4】半導体チップのさらに他の製造方法を工程順に示す断面図である。
【図5】半導体チップのさらに他の製造方法を説明するための断面図である。
【図6】図5に示す半導体チップの製造方法の変形例を説明するための断面図である。
【図7】従来の表面配線を有する半導体チップの問題点を説明するための断面図である。
【符号の説明】
1 親チップ(半導体チップ)
11 表面(固体表面に対向する表面)
14A,14B,14C 内部配線
15 表面保護膜
16A,16B 開口部
16D 凹部
17 表面配線
2 子チップ(固体)
21 表面(固体表面)
51 内部配線
52 表面保護膜
53 開口部
54 凹部
BM,BM1,BM2 バンプ
MF 金属膜
Claims (6)
- 固体表面に接合される半導体チップであって、
上記固体表面に対向する表面に形成された表面保護膜と、
この表面保護膜上に***して形成され、当該半導体チップと上記固体とを電気的に接続するためのバンプと、
上記表面保護膜に形成された凹部に設けられ、上記バンプよりも高さが低く形成された表面配線とを含むことを特徴とする半導体チップ。 - 固体表面に接合される半導体チップを製造するための方法であって、
当該半導体チップの基体をなす半導体基板上に内部配線を配設する工程と、
上記内部配線上に表面保護膜を積層する工程と、
上記表面保護膜に上記内部配線の一部を露出させるための開口部を形成する工程と、
上記開口部を介して露出した内部配線上に選択的にメッキを堆積させることにより、上記表面保護膜の表面に対して***したバンプを形成する工程と、
上記開口部外の表面保護膜上の予め定める領域に選択的にメッキを堆積させることにより、上記バンプよりも高さの低い表面配線を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体チップの製造方法。 - 半導体基板上に内部配線を配設する工程と、
上記内部配線上に表面保護膜を積層する工程と、
上記表面保護膜に上記内部配線の一部を露出させるための開口部を形成する工程と、
上記開口部を介して露出した内部配線上および上記開口部外の表面保護膜上の予め定める領域に選択的にメッキを堆積させることにより、バンプの一部および表面配線を形成する工程と、
上記バンプの一部をなす部分上にメッキをさらに選択的に堆積させることにより、上記表面保護膜の表面に対して***したバンプを完成する工程とを含むことを特徴とする半導体チップの製造方法。 - 半導体基板上に内部配線を配設する工程と、
上記内部配線上に表面保護膜を積層する工程と、
上記表面保護膜に凹部および上記内部配線の一部を露出させるための開口部を形成する工程と、
上記開口部および凹部内にそれぞれバンプの一部および表面配線を形成する工程と、
上記開口部内に形成された上記バンプの一部をなす部分上に選択的にメッキを堆積させることにより、上記表面保護膜の表面に対して***したバンプを完成する工程とを含むことを特徴とする半導体チップの製造方法。 - 半導体基板上に内部配線を配設する工程と、
上記内部配線上に表面保護膜を積層する工程と、
上記表面保護膜に上記内部配線の一部を露出させるための開口部および上記内部配線の上面よりも低い底面を有する凹部を形成する工程と、
上記開口部および凹部内に選択的にメッキを堆積させることにより、それぞれ上記表面保護膜の表面に対して***したバンプおよびこのバンプよりも高さが低い表面配線を形成する工程とを含むことを特徴とする半導体チップの製造方法。 - 上記表面保護膜を積層する工程と上記開口部および凹部を形成する工程との間に、上記表面保護膜の表面を平坦化する工程をさらに含むことを特徴とする請求項5記載の半導体チップの製造方法。
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