JP4068701B2 - 外装化粧シート - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、外装化粧シートに係り、特に加工適性、耐候性に優れる外装化粧シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、絵柄が印刷された化粧シートを鋼板等の金属板に貼った後、所望の形状に加工して外装材を製造することが行われている。この目的に使用する外装化粧シートとしては、ポリ塩化ビニル等の柔軟な基材フィルム上に所望の絵柄を印刷し、この上からアクリル樹脂等の透明な保護フィルムを積層したシートがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の外装化粧シートは、金属板への貼り合わせ加工後における折り曲げ加工や絞り加工の段階で、加工部の外装化粧シートにクラックや白化が発生したり、金属板からの外装化粧シート剥離を生じることがあり、また、経時的に変色や退色が発生することもあり、加工適性および耐候性が不十分なものであった。
【0004】
本発明は上述のような事情に鑑みてなされたものであり、可撓性を有し加工適性に優れるとともに、高い耐候性を備える外装化粧シートを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の外装化粧シートは、金属板貼り合わせ用の外装化粧シートにおいて、基材フィルムと、該基材フィルム上に形成された絵柄層と、該絵柄層を覆うように前記基材フィルム上に形成された透明保護層とを備え、前記基材フィルムはポリフッ化ビニルおよびポリフッ化ビニリデンの少なくとも一方を主成分とし、前記絵柄層は少なくとも樹脂成分と顔料とからなり、該樹脂成分はポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物を主成分とし、前記絵柄層におけるポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との重量比は1:1〜9:1の範囲内にあり、前記透明保護層はポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物を主成分とし、前記透明保護層におけるポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との重量比は1:1〜9:1の範囲内にあるような構成とした。
【0008】
また、本発明の外装化粧シートは、ポリ三フッ化エチレンの平均分子量が3×105 〜6×105 の範囲内にあるような構成とした。
【0009】
また、本発明の外装化粧シートは、前記基材フィルム、絵柄層および透明保護層の少なくもと1つが紫外線吸収剤を含有するような構成とした。
【0010】
また、本発明の外装化粧シートは、前記基材フィルム、絵柄層および透明保護層の少なくもと1つが酸化防止剤を含有するような構成とした。
【0011】
さらに、本発明の外装化粧シートは前記基材フィルムの厚みが10〜100μm、前記絵柄層の厚みが2〜6μm、前記透明保護層の厚みが2〜10μmの範囲内にあるような構成とした。
【0012】
このような本発明では、ポリフッ化ビニルおよびポリフッ化ビニリデンの少なくとも一方を主成分とする基材フィルムが鋼板および他の層との高い接着性を有し、絵柄層および透明保護層を構成するポリ三フッ化エチレンが可撓性と耐候性を付与し、絵柄層および透明保護層を構成するアクリルポリオール樹脂が印刷適性、接着性および適度の硬さを付与する。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の最適な実施形態について説明する。
【0014】
図1は、本発明の外装化粧シートの一実施形態を示す概略断面図である。図1において外装化粧シート1は、基材フィルム2と、この基材フィルム2上に形成された絵柄層3と、この絵柄層3を覆うように基材フィルム2上に積層された透明保護層4とを備えている。
【0015】
上記の外装化粧シート1を構成する基材フィルム2は、ポリフッ化ビニルおよびポリフッ化ビニリデンの少なくとも一方を主成分とするものである。ここで、主成分とは50重量%以上を占めることであり(以下、本発明において同じ)、ポリフッ化ビニルが50重量%以上を占める場合、ポリフッ化ビニリデンが50重量%を占める場合、および、ポリフッ化ビニルとポリフッ化ビニリデンの混合物が50重量%以上を占める場合とがある。尚、主成分に対して添加する副成分としては、主成分と相溶性が良く、透明度が高く、耐候(光)性もある程度高いものを選ぶことが好ましい。このような副成分の代表的なものとしては、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレート、ポリブチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂を挙げることができる(但し、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタアクリレートを意味する)。このように、基材フィルム2としてポリフッ化ビニルおよびポリフッ化ビニリデンの少なくとも一方を主成分とするフィルムを使用することにより、基材フィルム2が金属板および絵柄層3や透明保護層4に対して高い接着性を有することになる。基材フィルム2に、例えば、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体やポリ三フッ化エチレン樹脂からなるフィルムを使用した場合、金属板、絵柄層3、透明保護層4に対する接着性が不十分なものとなる。
【0016】
このような基材フィルム2の厚みは10〜100μm、好ましくは25〜40μmである。厚みが10μm未満であると、成膜が困難であるとともに、基材フィルム2の強度が不足し、また、100μmを超えると、外装化粧シート1の更なる特性向上は望めず、単に製造コストの増大を来すことになり好ましくない。
【0017】
尚、基材フィルム2は、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系、ベンゾフェノン系、サリシレート系等の公知の紫外線吸収剤を0.1〜5重量%の範囲で含有していてもよく、また、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の公知の光安定剤を0.1〜5重量%の範囲で含有していてもよい。さらに、基材フィルム2は、後述するような耐候性顔料を含有する着色フィルムであってもよい。尚、基材フィルム2には必要に応じてコロナ放電処理を施すことができる。このコロナ放電処理によって絵柄層3、および透明保護層4との接着力をより向上させることができる。
【0018】
外装化粧シート1を構成する絵柄層3に使用する樹脂成分は、ポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物を主成分とする。ポリ三フッ化エチレンは、分子中に水酸基またはカルボキシル基を有する共重合体で、下記一般式で示されるものであり、ブロック共重合体、ランダム共重合体、または、グラフト共重合体である。その平均分子量は3×105 〜6×105 の範囲内であることが好ましい。平均分子量が3×105 未満であると、硬化剤無しで印刷した場合の指触乾燥性が不十分であり、また、6×105 を超えると、溶剤溶解性、インキ化した場合の流動性が不十分となり好ましくない。
【0019】
【化1】
Figure 0004068701
(式中、Xは水素又は塩素であり、Yは水酸基又はカルボキシル基である)
また、アクリルポリオール樹脂は、ポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体やポリアクリロニトリル樹脂と、ビニルアルコールやヒドロキシアルキルビニルエーテル等の水酸基を有するモノマーとの共重合体である。上記のポリ(メタ)アクリル酸エステル系重合体としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体等を挙げることができる。尚、上記の(メタ)アクリルは、アクリルまたはメタアクリルのことである。
【0020】
絵柄層3の樹脂成分におけるポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との重量比は1:1〜9:1の範囲内であることが好ましい。ポリ三フッ化エチレンの割合が上記範囲を超えると、絵柄層3を形成するためのインキの溶剤溶解性、溶融温度が高くなり印刷適性、接着性が低下するとともに、また、基材フィルム2や透明保護層4に対する密着性が低下するので好ましくない。一方、アクリルポリオール樹脂の割合が上記範囲を超えると、絵柄層3が硬くなりすぎ、また、外装化粧シート1の加工適性や耐候性が低下するので好ましくない。
【0021】
尚、絵柄層3の樹脂成分は、上記のポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂の他に、上記のようなアクリル酸エステル系重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等の副成分の樹脂、紫外線吸収剤、あるいは、光安定剤等を含有していてもよい。
【0022】
絵柄層3に使用する顔料としては、下記のような耐候性顔料を挙げることができる。
【0023】
(黄色顔料)
イソインドリノン、スレンイエローG、および、パーマネントイエローHR等の有機顔料、黄色酸化鉄、ニッケルチタンイエロー等の無機顔料
(赤色顔料)
キナクリドンレッド、パーマネントレッドFGR、および、パーマネントレッドF4RH等の有機顔料、ベンガラ、硫化水銀(朱)、カドミウムレッド等の無機顔料
(青色顔料)
フタロシアニンブルー、インダスレンブルーRS等の有機顔料、群青、紺青等の無機顔料
(黒色顔料)
カーボンブラック等
(白色顔料)
二酸化チタン、三酸化二アンチモン等
絵柄層3は、上記のポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物を主成分とする樹脂成分と、顔料と、必要に応じて硬化剤(架橋剤)を含有したインキを使用して、グラビア印刷、シルクスクリーン印刷、オフセット印刷等により形成することができる。絵柄としては、木目柄、石目柄、布目柄、幾何学模様、全面ベタ等である。硬化剤としては、熱変色防止、耐候性の観点から脂肪族または脂環式イソシアネートが好ましく、具体的には、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添化トリレンジイソシアネート等を挙げることができる。このような硬化剤は、ポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物100重量部に対して10〜20重量部の範囲で含有させることが好ましく、硬化剤の添加により絵柄層3の接着力を向上させることができる。このような絵柄層3の厚みは、2〜6μmの範囲で設定することが好ましい。
【0024】
尚、絵柄層32は、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系、ベンゾフェノン系、サリシレート系等の公知の紫外線吸収剤を0.1〜5重量%の範囲で含有していてもよく、また、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビス−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート等のヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤等の公知の光安定剤を0.1〜5重量%の範囲で含有していてもよい。
【0025】
外装化粧シート1を構成する透明保護層4は、ポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物を主成分とするものである。ポリ三フッ化エチレンおよびアクリルポリオール樹脂は、上述の絵柄層3に使用するポリ三フッ化エチレンおよびアクリルポリオール樹脂と同様である。また、透明保護層4におけるポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との重量比は1:1〜9:1の範囲内であることが好ましい。ポリ三フッ化エチレンの割合が上記範囲を超えると、透明保護層4を形成するためのインキの溶剤溶解性、溶融温度が高くなり印刷適性が低下し、また、基材フィルム2や絵柄層3との密着性が低下するので好ましくない。一方、アクリルポリオール樹脂の割合が上記範囲を超えると、透明保護層4が硬くなりすぎ、外装化粧シート1の加工適性や耐候性が低下するので好ましくない。
【0026】
また、透明保護層4は、上記のポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂の他に、必要に応じて上記のようなアクリル酸エステル系重合体、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体等の副成分の樹脂、紫外線吸収剤、光安定剤、あるいは、シリカ、球状アルミナ等の微粒子からなる艶消剤、上記の耐候性顔料、銀イオン担持ゼオライト微粒子等の抗菌剤、ワックス等の滑剤等を透明性を損わない範囲で含有していてもよい。
【0027】
透明保護層4の形成は、上記のポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物と、必要に応じて硬化剤を含有したインキを使用して、グラビアロールコータ、カーテンフローコータ等により行うことができる。硬化剤は、上述の絵柄層3に使用する硬化剤と同様であり、インキ中の硬化剤の含有量は、ポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物100重量部に対して10〜20重量部の範囲が好ましい。このように形成される透明保護層4の厚みは2〜10μmの範囲で設定することが好ましい。
【0028】
本発明の外装化粧シートの貼り合わせ対象となる金属板としては、例えば、鉄またはステンレス鋼等の鉄合金、アルミニウム、ジュラルミン等のアルミニウム合金、銅等からなる金属板で適当な厚みのものを選ぶことができる。
【0029】
尚、本発明の外装化粧シートは、2液硬化型ウレタン樹脂等の接着剤を用いて、金属板等の基体に接着積層し、サイジング板等の外壁材、屋根材、柵、塀、扉、窓枠、扉枠、車輌や船舶の外装材等として用いることができる。
【0030】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
(試料1の作製)
基材フィルムとして、ポリフッ化ビニル(PVF)フィルム(デュポン(株)製テドラー(登録商標)(厚み38μm))を準備し、このPVFフィルム上に下記組成の絵柄層用インキAを使用してグラビア印刷で石目柄の絵柄層(40℃で48時間のエージング後の厚み3μm)を形成した。
【0031】
絵柄層用インキAの組成
・ポリ三フッ化エチレン … 80重量部
(分子中に水酸基を含有する分子量5×105 のもの)
・アクリルポリオール樹脂 … 20重量部
・顔料(弁柄、カーボンブラックを主体とする) … 30重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート … 10重量部
次いで、上記の絵柄層の上から下記組成の透明保護層用インキ1を使用してグラビア印刷で透明保護層(40℃で48時間のエージング後の厚み3μm)を形成した。これにより外装化粧シート(試料1)を得た。
【0032】
透明保護層用インキ1の組成
・ポリ三フッ化エチレン … 67重量部
(分子中に水酸基を含有する分子量5×105 のもの)
・アクリルポリオール樹脂 … 33重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート … 15重量部
(試料2の作製)
絵柄層用インキとして、下記組成の絵柄層用インキBを使用した他は、試料1と同様にして、外装化粧シート(試料2)を得た。
【0033】
絵柄層用インキBの組成
・ポリ三フッ化エチレン … 50重量部
(分子中に水酸基を含有する分子量5×105 のもの)
・アクリルポリオール樹脂 … 50重量部
・顔料(弁柄、カーボンブラックを主体とする) … 30重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート … 10重量部
(試料3の作製)
絵柄層用インキとして、下記組成の絵柄層用インキCを使用した他は、試料1と同様にして、外装化粧シート(試料3)を得た。
【0034】
絵柄層用インキCの組成
・ポリ三フッ化エチレン … 90重量部
(分子中に水酸基を含有する分子量5×105 のもの)
・アクリルポリオール樹脂 … 10重量部
・顔料(弁柄、カーボンブラックを主体とする) … 30重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート … 10重量部
(試料4の作製)
透明保護層用インキとして下記組成の透明保護層用インキ2を使用した他は、試料1と同様にして外装化粧シート(試料4)を得た。
【0035】
透明保護層用インキ2の組成
・ポリ三フッ化エチレン … 50重量部
(分子中に水酸基を含有する分子量5×105 のもの)
・アクリルポリオール樹脂 … 50重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート … 15重量部
(試料5の作製)
透明保護層用インキとして下記組成の透明保護層用インキ3を使用した他は、試料1と同様にして外装化粧シート(試料5)を得た。
【0036】
透明保護層用インキ3の組成
・ポリ三フッ化エチレン … 90重量部
(分子中に水酸基を含有する分子量5×105 のもの)
・アクリルポリオール樹脂 … 10重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート … 15重量部
(試料6の作製)
基材フィルムとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)を主成分とし、これにポリメチルメタアクリレートを添加してなるフィルム(電気化学(株)製DXフィルム(厚み40μm))を使用した他は、試料1と同様にして外装化粧シート(試料6)を得た。
(試料7の作製)
基材フィルムとして、樹脂100重量部に対して可塑剤を23重量部含有するポリ塩化ビニル(PVC)フィルム(三宝樹脂(株)製(厚み200μm))を使用した他は、試料1と同様にして外装化粧シート(試料7)を得た。
(試料8の作製)
絵柄層用インキとして、下記組成の絵柄層用インキDを使用した他は、試料1と同様にして、外装化粧シート(試料8)を得た。
【0037】
絵柄層用インキDの組成
・ポリ三フッ化エチレン … 30重量部
(分子中に水酸基を含有する分子量5×105 のもの)
・アクリルポリオール樹脂 … 60重量部
・顔料(弁柄、カーボンブラックを主体とする) … 30重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート … 9重量部
(試料9の作製)
絵柄層用インキとして、下記組成の絵柄層用インキEを使用した他は、試料1と同様にして、外装化粧シート(試料9)を得た。
【0038】
絵柄層用インキEの組成
・ポリ三フッ化エチレン … 120重量部
(分子中に水酸基を含有する分子量5×105 のもの)
・アクリルポリオール樹脂 … 10重量部
・顔料(弁柄、カーボンブラックを主体とする) … 30重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート … 13重量部
(試料10の作製)
透明保護層用インキとして下記組成の透明保護層用インキ4を使用した他は、試料1と同様にして外装化粧シート(試料10)を得た。
【0039】
透明保護層用インキ4の組成
・ポリ三フッ化エチレン … 30重量部
(分子中に水酸基を含有する分子量5×105 のもの)
・アクリルポリオール樹脂 … 60重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート … 14重量部
(試料11の作製)
透明保護層用インキとして下記組成の透明保護層用インキ5を使用した他は、試料1と同様にして外装化粧シート(試料11)を得た。
【0040】
透明保護層用インキ5の組成
・ポリ三フッ化エチレン … 120重量部
(分子中に水酸基を含有する分子量5×105 のもの)
・アクリルポリオール樹脂 … 10重量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート … 20重量部
(試料12の作製)
基材フィルムとして、樹脂100重量部に対して可塑剤を23重量部含有するポリ塩化ビニル(PVC)フィルム(三宝樹脂(株)製(厚み200μm))を準備し、このPVCフィルム上に下記組成の絵柄層用インキFを使用してグラビア印刷で石目柄の絵柄層(厚み3μm)を形成した。
【0041】
絵柄層用インキFの組成
・アクリル樹脂 … 80重量部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 … 20重量部
・顔料(弁柄、カーボンブラックを主体とする) … 30重量部
次いで、上記の絵柄層の上から下記組成の透明保護層用インキ6を使用してグラビア印刷で透明保護層(厚み3μm)を形成した。これにより外装化粧シート(試料12)を得た。
【0042】
透明保護層用インキ6の組成
・アクリルシリコーン … 80重量部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 … 20重量部
(評価)
上記のように作製した各外装化粧シート(試料1〜12)について、下記の条件で耐候性、耐溶剤性、耐汚染性を評価して結果を下記の表1に示した。
【0043】
耐候性の評価条件
サンシャインカーボンアーク灯型ウエザオメータ(スガ試験機(株)製)中で10,000時間暴露させて、変色状態を目視で下記基準により評価した。尚、120分当たり18分間を降雨時間とし、ブラックパネル温度を63℃とした。
【0044】
(評価基準)
○:変色、退色、クラック、層間剥離がまったくみられない
△:変色、退色が若干みられる
×:変色、退色が顕著で、クラック、層間剥離もみられる
耐溶剤性の評価条件
メチルエチルケトン中に30日間浸漬した後の透明保護層および絵柄層の状態を下記基準で評価した。
【0045】
(評価基準)
○:インキの溶解がまったくみられない
△:インキの溶解が若干みられる
×:インキが溶解して絵柄の乱れが顕著である
耐汚染性の評価条件
外装化粧シートの透明保護層上に油性赤マヂックインキ、クレヨン、インクで文字、線等を描き、その後、石油ベンジンを含ませた布でふきとった状態を目視により下記の基準で評価した。
【0046】
(評価基準)
○:透明保護層上への色残りがまったくみられない
△:透明保護層上への色残りが若干みられる
×:透明保護層上への色残りが顕著である
次に、上記のように作製した各外装化粧シート(試料1〜12)を、加熱温度180〜200℃で厚み0.6mmの鋼板上に貼り合わせて外装材とし、各外装材について、下記の条件で加工適性を評価して結果を下記の表1に示した。
【0047】
加工適性の評価条件
JIS K6744のエリクセン試験に準じて、曲げ加工および絞り加工における外装化粧シートの状態を目視により下記の基準で評価した。
【0048】
(評価基準)
○:曲げ加工部および絞り加工部に変化がみられない
△:曲げ加工部に亀裂、白化が若干みられ、絞り加工部に剥離が若干みられる
×:曲げ加工部に亀裂、白化がみられ、絞り加工部の剥離が顕著である
【0049】
【表1】
Figure 0004068701
表1に示されるように、試料1〜6は、耐候性、耐溶剤性、耐汚染性および加工適性ともに良好であった。
【0050】
また、絵柄層または透明保護層におけるポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との重量比が1:1〜9:1の範囲からはずれる試料8〜11は、試料1〜6に比べて耐候性、耐溶剤性、耐汚染性および加工適性のいずれかが劣るものであった。
【0051】
一方、基材フィルムにPVCを使用した試料7、および、従来の外装化粧シートである試料12は、耐候性、耐溶剤性、耐汚染性および加工適性が不十分なものであった。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によればポリフッ化ビニルおよびポリフッ化ビニリデンの少なくとも一方を主成分とする基材フィルム上に、ポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物を主成分とする樹脂成分と顔料とからなる絵柄層を設け、この絵柄層を覆うように、ポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物を主成分とする透明保護層を基材フィルム上に形成して外装化粧シートとするので、基材フィルムが金属板および他の層に対して良好な接着性を示し、絵柄層および透明保護層を構成するポリ三フッ化エチレンにより可撓性と耐候性が付与され、絵柄層および透明保護層を構成するアクリルポリオール樹脂により印刷適性、接着性および適度の硬さが付与されて、可撓性を有し加工適性に優れるとともに、高い耐候性を備える外装化粧シートが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の外装化粧シートの一実施形態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1…外装化粧シート
2…基材フィルム
3…絵柄層
4…透明保護層

Claims (5)

  1. 金属板貼り合わせ用の外装化粧シートにおいて、
    基材フィルムと、該基材フィルム上に形成された絵柄層と、該絵柄層を覆うように前記基材フィルム上に形成された透明保護層とを備え、前記基材フィルムはポリフッ化ビニルおよびポリフッ化ビニリデンの少なくとも一方を主成分とし、前記絵柄層は少なくとも樹脂成分と顔料とからなり、該樹脂成分はポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物を主成分とし、前記絵柄層におけるポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との重量比は1:1〜9:1の範囲内にあり、前記透明保護層はポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との混合物を主成分とし、前記透明保護層におけるポリ三フッ化エチレンとアクリルポリオール樹脂との重量比は1:1〜9:1の範囲内にあることを特徴とする外装化粧シート。
  2. ポリ三フッ化エチレンは、平均分子量が3×105 〜6×105 の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の外装化粧シート。
  3. 前記基材フィルム、絵柄層および透明保護層の少なくもと1つが紫外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の外装化粧シート。
  4. 前記基材フィルム、絵柄層および透明保護層の少なくもと1つが酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の外装化粧シート。
  5. 前記基材フィルムの厚みは10〜100μm、前記絵柄層の厚みは2〜6μm、前記透明保護層の厚みは2〜10μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の外装化粧シート。
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