JP6094865B2 - 易接着剤組成物、積層ポリエステル樹脂フィルム及び太陽電池バックシート - Google Patents

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Description

本発明は、易接着剤組成物、積層ポリエステル樹脂フィルム及び太陽電池バックシートに関するものである。
近年、資源の有効利用や環境汚染の防止の観点から、太陽光を電気エネルギーに変換する太陽電池が注目され、盛んに開発が進められている。 この太陽電池は、一般に、受光面側透明保護部材としてのガラス基板と裏面側保護部材(バックシート)との間に、EVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)フィルムでシリコン発電素子等の太陽電池用セルを封止した構成となっている。これらの構成材料は、受光側透明保護部材、表面側に配置したシート状の封止樹脂、太陽電池用セル、裏面側に配置したシート状の封止樹脂、およびバックシートの順で積層され、加熱真空ラミネーションさせて太陽電池モジュールとなる。
また、太陽電池は屋外で使用されるため、使用する部材には高い耐久性、耐候性、耐光性などが要求される。特に、前記バックシートは、長期に渡る太陽光の暴露、昼夜の温度変動、風圧や施工時の力学的変形にかかる応力に耐え、水分、酸素、窒素酸化物、硫黄酸化物等の汚染物質の浸入を阻止し、発電素子を保護することが求められる。
このような材料としては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体等のフッ素系樹脂シートや金属箔等が組み合わされて、用いられることが多い。しかしながら、フッ素系樹脂シートは高価であると同時に発電モジュールの長期高圧課電での耐久性の観点からは十分とは言えず、改良技術として様々な構成体が提案されている。
そこで近年、バックシートとして、ポリプロピレンフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム(以下PETフィルムと称す)等の汎用のプラスチックシートを利用する検討がなされている。しかしながら、汎用のプラスチックシートは、耐光性あるいは封止樹脂として標準的に用いられるEVAとの接着性に問題があるため、プラスチックシート自体に無機粒子を添加して耐光性を高めたり、プラスチックシートとEVAとの間に易接着層を設けて接着性を高めたりする検討がなされている。(特許文献1〜4)
しかしながら、特許文献1〜4に記載の方法では、EVAとの接着性が不十分であり、満足する性能に達しているとはいえない。加えて、EVAとの接着性を上げるには、易接着剤組成物として、ガラス転移温度の低いバインダー樹脂を用いるのが好ましいが、このようなバインダー樹脂は、逆に、耐ブロッキング性が悪化してしまう。一方、発電効率のアップ、耐侯性および耐光性等の性能付与を目的に、易接着剤組成物に顔料を含ませる検討が行われている。しかしながら、従来の易接着剤組成物では、顔料を含んだ場合に、EVAとの接着性が極端に低下し、更には、易接着剤としての貯蔵安定性にも課題が生じる。また、バックシートの基材としてPETフィルム等の加水分解を受けやすいプラスチックシートを使用する場合においては、易接着剤にも加水分解を抑制する耐加水分解性が要求される。そこで、これらの課題を解決する易接着剤組成物、積層ポリエステル樹脂フィルム及び太陽電池バックシートの開発が望まれている。
特開2011−018872号公報 特開2006−332091号公報 特開2009−246360号公報 特許4807473号公報
従って、本発明の目的は、市販されている多様なPETフィルムにコーティングを施すことでEVAとの接着性、耐ブロッキング性、耐侯性、耐光性、貯蔵安定性、更には耐加水分解性を付与できる易接着剤組成物を提供することである。
本発明者は、前記の課題を解決するため、鋭意検討の結果、水酸基を含有する樹脂、ポリイソシアネート化合物を含有する組成物に、前記水酸基含有樹脂及び前記ポリイソシアネート樹脂に相溶しない樹脂粒子を加えることにより、前記課題を解決することを見出した。
すなわち本発明は、水酸基が1〜200mgKOH/gである水酸基を含有する樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、および前記水酸基含有樹脂及び前記ポリイソシアネート樹脂に相溶しない樹脂粒子(C)を含有することを特徴とする易接着剤組成物、該組成物を積層した積層フィルム、太陽電池バックシート、該フィルムを構成成分とする太陽電池を提供する。
本発明の易接着剤組成物によれば、EVAとの接着性、耐ブロッキング性、耐侯性、耐光性、貯蔵安定性、更には耐加水分解性を付与できる易接着剤組成物、これを用いた太陽電池バックシートを提供できる。
本発明に用いる水酸基を含有する樹脂(A)としては、樹脂の水酸基価が1〜200mgKOH/gであれば、限定されないが、たとえば、それぞれ水酸基を有するアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂又はフッ素樹脂等が挙げられ、これらは単独で、或いは、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いる水酸基を含有する樹脂(A)は、水酸基価は1〜200mgKOH/gを満たすこと、特に、水酸基価4〜100mgKOH/gの範囲にあることが、EVAとの接着性、耐久性および耐加水分解性の観点から好ましい。水酸基価が1より小さい場合は、塗膜の硬化がほとんど進まず、EVAとの接着性、耐久性が劣る。一方、水酸基価が200より大きい場合は、硬化収縮が大きすぎる為に、EVAとの接着性が悪化する。
本発明で用いられる水酸基を含有するアクリル樹脂とは、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを必須成分として重合して得られる、水酸基を含有する線状樹脂をいう。以下、アクリルとメタクリルを合わせて(メタ)アクリルと称する。
この様なアクリル樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として、必要に応じて(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル酸基含有モノマーを共重合することで容易に製造することが出来る。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルを必須成分として、共重合を行うに当たり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを併用することで、アクリル樹脂骨格の側鎖に水酸基が導入された、水酸基含有(メタ)アクリル樹脂を得ることができる。
この様な水酸基を含有するアクリル樹脂は、線状であることによる、低粘度、硬化皮膜の優れた可撓性等の特徴を大きく損なわない範囲において、前記した単量体に、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサ(メタ)アクリレートの様な、2〜6個の(メタ)アクリロイル基を含有する重合性単量体を少量併用して重合したアクリル樹脂であっても良い。
この様な水酸基を含有するアクリル樹脂としては、例えば、DIC(株)製「アクリディック」シリーズ、大成ファインケミカル(株)製「アクリット」シリーズがある。例えば、アクリル樹脂の市販品としては、DIC(株)製、商品名:アクリディックA−808−T、同57−451を挙げることが出来る。
本発明に用いる水酸基を含有するポリエステル樹脂とは、グリコールと、二塩基酸またはその誘導体とを必須成分として反応させて得られる、過剰の水酸基を含有する線状樹脂をいう。勿論、上記二塩基酸に代えて、二塩基酸無水物、二塩基酸低級アルキルエステル等のエステル形成性誘導体を用いて、重縮合反応のみならず、付加反応やエステル交換反応にて、ポリエステル樹脂を得ることも出来る。
ポリエステル樹脂としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族グリコールと、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸スベリン酸、アゼライン酸、1,10−デカメチレンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂肪族ニ塩基酸とを必須原料成分として反応させた脂肪族ポリエステル樹脂や、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等の脂肪族グリコールと、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族二塩基酸とを必須原料成分として反応させた芳香族ポリエステル樹脂が挙げられる。
この様な水酸基を含有するポリエステル樹脂は、線状であることによる、低粘度、硬化皮膜の優れた可撓性等の特徴を大きく損なわない範囲において、前記したグリコールや二塩基酸に、トリメリット酸、ピロメリット酸、トロメチロールプロパン、ペンタエリスルトール等の、水酸基やカルボシキル基等の活性水素基を分子内に3〜4個含有する化合物を少量併用して得たポリエステル樹脂であっても良い。
前記ポリエステル樹脂は、その主鎖中にベンゼン環やナフタレン環がより多く含有されることでTgがより高くなる傾向があり、例えば、コーティングすべき対象基材がPETやPBT(ポリブチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)との親和性が高まるため、本発明では脂肪族ポリエステル樹脂よりも芳香族ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。しかしながら、主鎖中にベンゼン環やナフタレン環がより多く含有されることで、結晶性や融点等も高くなる傾向があり、流動性や塗布性が低下しやすい。
そのため、前記ポリエステル樹脂は、示差走査熱量分析法(DSC法)でのガラス転移温度(Tg)20〜110℃のポリエステル樹脂であることが好ましい。本発明では、全アルコール中炭素原子数2〜4の脂肪族グリコール25モル%以上を用い、かつ全多塩基酸中芳香族二塩基酸30モル%以上を用いて得た、Tgが40〜100℃の芳香族ポリエステル樹脂を用いることがより好ましい。
水酸基を含有するポリエステル樹脂としては、例えば、東洋紡績(株)製「バイロン」シリーズ、ユニチカ(株)製「エリーテル」シリーズ、更に詳しくは、例えばユニチカ(株)製、商品名:エリーテルUE−3210、同XA−0611が挙げられる。
本発明に用いる水酸基を含有するポリウレタン樹脂とは、たとえば、ポリイソシアネート化合物と1分子中に少なくとも2個の水酸基を含有する化合物とを、水酸基がイソシアネート基に対して過剰となるような比率で反応させて得られる。その際に使用されるポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。また、1分子中に少なくとも2個の水酸基を含有する化合物としては、前記多価アルコール類、ポリエステルジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリカーボネートジオール等が挙げられる。
本発明に用いられる水酸基を含有するポリオレフィン樹脂とは、ポリオレフィン樹脂を後述する水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、あるいは、水酸基含有ビニルエーテルでグラフト変性あるいは共重合化し、合成される。ポリオレフィン樹脂としては、炭素数2〜8のオレフィンの単独重合体や共重合体、炭素数2〜8のオレフィンと他のモノマーとの共重合体を挙げることができる。具体的には、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン樹脂などのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ4−メチルペンテン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリスチレン、ポリ(p−メチルスチレン)、ポリ(α−メチルスチレン)、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・ブテン−1共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・へキセン共重合体などのα―オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メチルメタクリレート共重合体、エチレン・酢酸ビニル・メチルメタクリレート共重合体、アイオノマー樹脂などを挙げることができる。更に、これらポリオレフィンを塩素化した塩素化ポリオレフィンも使用することができる。
前記水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルとしては、(メタ)アクリル酸ヒドロキエチル;(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリセロール;ラクトン変性(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール等が挙げられ、前記水酸基含有ビニルエーテルとしては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル等が挙げられる。
これらの水酸基を含有するポリオレフィン樹脂としては、例えば、三井化学(株)製、「ユニストール」などが市販されている。
本発明で用いられる水酸基を含有するフッ素樹脂とは、フッ素ビニル単量体を必須成分として重合して得られる、水酸基を含有する線状樹脂をいう。
上記したフッ素ビニル単量体としては、例えば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロピレン、2,2,3,3−テトラフルオロプロピレン、1,1,2−トリフルオロプロピレンまたは3,3,3−トリフルオロプロピレンの如き、純粋なる意味でのフルオロオレフィンをはじめ、さらには、クロロトリフルオロエチレン、ブロモトリフルオロエチレン、1−クロロ−1,2−ジフルオロエチレンまたは1,1−ジクロロ−2,2−ジフルオロエチレンの如き、フッ素原子以外のハロゲン原子をも有する形の化合物までを包含した、いわゆる広義のフルオロオレフィン類などが挙げられる。
更に、フッ素樹脂の必須成分として、共重合を行うに当たり、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル、あるいは、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテルなどの水酸基含有ビニルエーテルを併用することで、フッ素樹脂骨格の側鎖に水酸基が導入された、水酸基を含有するフッ素樹脂を得ることができる。水酸基を含有するフッ素樹脂としては、例えば、DIC(株)製「フルオネート」シリーズなどが挙げられる。
本発明で用いる水酸基を含有する樹脂(A)は、数平均分子量5,000〜50,000を満たすこと、好ましくは数平均分子量10,000〜30,000であることが、EVAとの接着性、耐加水分解性に優れる点でより好ましい。上記した分子量の水酸基を含有する樹脂は、有機溶剤に溶解する上、同溶液の流動性を大きくは損なうことなく、際立ったEVAとの接着性や耐加水分解性を発現する。
本発明で用いる水酸基を含有する樹脂(A)は、プラスチックフィルムの様な可とう性の基材上で密着性に優れる塗膜を形成させる為に、ガラス転移温度20〜110℃を満たすこと、特に、ガラス転移温度40〜100℃であることがより好ましい。上記したガラス転移温度の水酸基を含有する樹脂は、EVAとの接着性、耐ブロッキング性、耐加水分解性をバランスよく満たすことができる。
本発明で用いられるポリイソシアネート化合物(B)としては、イソシアネート基を分子内に少なくとも2つ有する有機化合物が挙げられる。有機ポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−(イソシアナートメチル)シクロヘキサン、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシアネート;これらのポリイソシアネートのアダクト体、これらのポリイソシアネートのビュレット体、または、これらのポリイソシアネートのイソシアヌレート体などのポリイソシアネートの誘導体(変性物)などが挙げられる。
本発明に用いるポリイソシアネート化合物(B)は、使用される用途によって適宜選択すれば良いが、トリレンジイソシアネートの様な芳香族系は黄変する場合があり、より優れた耐候性を要する場合には、脂肪族系または脂環式等の無黄変型ポリイソシアネートを用いることが好ましい。ポリエステル樹脂フィルムの様な透明な基材上で硬化塗膜が着色して透明性が低下するのは視認性悪化の点でも好ましくない。よって本発明で好適なのは、脂肪族または脂環式等の無黄変型ポリイソシアネートである、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の無黄変型ポリイソシアネートを用いることが好ましい。
硬化剤は、ポリイソシアネート化合物(B)のみでもある程度の性能が発現するが、ポリイソシアネート化合物と後述するエポキシ樹脂とを積極的に併用することより、硬化塗膜により高度な耐加水分解性を付与することが出来る。
前記水酸基を含有する樹脂(A)とポリイソシアネート化合物(B)との配合割合は、水酸基を含有する樹脂(A)の固形分水酸基当量(a)とポリイソシアネート化合物(B)の固形分イソシアネート当量(b)の当量比〔(a)/(b)〕が0.5〜5、好ましくは、0.8〜2.0であることが好ましい。
本発明に用いる前記水酸基含有樹脂(A)及び前記ポリイソシアネート樹脂(B)に相溶しない樹脂粒子(C)〔以下、非相溶性樹脂(C)と略記する〕は、前記の両者に非相溶性であって、本発明の組成物のその他の成分に分散可能であれば、特に限定されないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、エチレン・四フッ化エチレン共重合体、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体、ペルフルオロアルコキシ樹脂等のフッ素樹脂類、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド等の含窒素樹脂類、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリサルホン等の含硫黄樹脂類、ポリアリレート(PAR)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂類、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド等の含酸素樹脂類、表面処理したポリオレフィン樹脂類等が挙げられる。
これらの中でも、フッ素化ポリオレフィン樹脂、表面処理したポリオレフィン樹脂類等が好ましい。
また、前記樹脂類は、乾燥粒子を、樹脂成分に直接分散してもよいが、有機溶媒、或いは有機溶媒を含んでもよい水性媒体等に分散された形態のものを、本発明のその他の成分に混合・分散して用いることが好ましい。
前記非相溶性樹脂(C)の重量割合は、水酸基を含有する樹脂(A)100重量部(固形分)に対して、0.1〜10重量部、中でも0.2〜5.0重量部とすることが、EVAとの接着性、耐侯性、貯蔵安定性などに優れることからより好ましい。
また、前記非相溶性樹脂(C)の平均粒子径は、特に限定しないが、通常0.05〜 15μm、好ましくは0.1〜10μm、更に好ましくは0.3〜5μmであることが望ましい。
本発明の組成物は、必要に応じて、顔料(D)を併用してもよい。この場合使用可能な顔料としては、特に限定されるものではなく、例えば、塗料原料便覧1970年度版(日本塗料工業会編)に記載されている体質顔料、白顔料、黒顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、緑色顔料、青顔料、金属粉顔料、発光顔料、真珠色顔料等の有機顔料や無機顔料、さらにはプラスチック顔料などが挙げられる。これら着色剤の具体例としては種々のものが掲げられ、有機顔料としては、例えば、ベンチジンエロー、ハンザエロー、レーキッド4R等の、各種の不溶性アゾ顔料;レーキッドC、カーミン6B、ボルドー10等の溶性アゾ顔料;
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の各種(銅)フタロシアニン系顔料;ローダミンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の各種の塩素性染め付けレーキ;キノリンレーキ、ファストスカイブルー等の各種の媒染染料系顔料;アンスラキノン系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料等の各種の建染染料系顔料;シンカシアレッドB等の各種のキナクリドン系顔料;ヂオキサジンバイオレット等の各種のヂオキサジン系顔料;クロモフタール等の各種の縮合アゾ顔料;アニリンブラックなどが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、黄鉛、ジンククロメート、モリブデートオレンジ等の如き、各種のクロム酸塩;紺青等の各種のフェロシアン化合物;酸化チタン、亜鉛華、マピコエロー、酸化鉄、ベンガラ、酸化クロームグリーン、酸化ジルコニウム等の各種の金属酸化物;カドミウムエロー、カドミウムレッド、硫化水銀等の各種の硫化物ないしはセレン化物;
硫酸バリウム、硫酸鉛等の各種の硫酸塩;ケイ酸カルシウム、群青等の各種のケイ酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の各種の炭酸塩;コバルトバイオレット、マンガン紫等の各種の燐酸塩;アルミニウム粉、金粉、銀粉、銅粉、ブロンズ粉、真鍮粉等の各種の金属粉末顔料;これら金属のフレーク顔料、マイカ・フレーク顔料;金属酸化物を被覆した形のマイカ・フレーク顔料、雲母状酸化鉄顔料等のメタリック顔料やパール顔料;黒鉛、カーボンブラック等が挙げられる。
体質顔料としては、例えば、沈降性硫酸バリウム、ご粉、沈降炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、寒水石、アルミナ白、シリカ、含水微粉シリカ(ホワイトカーボン)、超微粉無水シリカ(アエロジル)、珪砂(シリカサンド)、タルク、沈降性炭酸マグネシウム、ベントナイト、クレー、カオリン、黄土などが挙げられる。
さらに、プラスチック顔料としては、例えば、DIC(株)製グランドールPP−1000、PP−2000S等が挙げられる。
前記顔料(D)としては、耐久性、耐侯性、意匠性に優れることから、白色顔料としての酸化チタン、亜鉛華等の無機酸化物、黒色顔料としてのカーボンブラックがより好ましい。なお、顔料類を用いる場合には、顔料分散剤を併用してもよい。
前記顔料(D)の重量割合は、水酸基を含有する樹脂(A)100部に対して、1〜400部、中でも10〜300部とすることが、EVAとの接着性、耐侯性、貯蔵安定性などに優れることからより好ましい。
本発明の組成物には、より高度な耐加水分解性を付与することを目的に、エポキシ樹脂を併用してもよい。前記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、等のビスフェノール型エポキシ樹脂;オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールSノボラック型エポキシ樹脂、アルコキシ基含有ノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂;その他、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(通称ザイロック樹脂のエポキシ化物)、レゾルシンのジグリシジルエーテル、ハイドロキノンのジグリシジルエーテル、カテコールのジグリシジルエーテル、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂、硫黄含有エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等の2官能型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂等の脂環式エポキシ樹脂、トリグリシジルシソシアヌレート、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール樹脂のエポキシ化物)、アルコキシ基含有ノボラック型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂などが挙げられる。また、前記エポキシ樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を混合してもよい。
本発明の易接着剤組成物、特に上記した主剤には、粘度調整の観点から、そこに含める原料との反応性を有さず、原料を溶解する有機溶剤を含有させることが出来る。具体的には、例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系炭化水素等が挙げられる。
本発明の易接着剤組成物には、必要であれば、前記以外のその他の添加剤を含有させてもよい。添加剤としては、フィルムやコーティング膜などを形成する樹脂組成物に一般に使用されている添加剤などが挙げられる。添加剤としては、例えば、レベリング剤;コロイド状シリカ、アルミナゾルなどの無機微粒子;ポリメチルメタクリレート系の有機微粒子;消泡剤;タレ性防止剤;シランカップリング剤;粘性調整剤;紫外線吸収剤;金属不活性化剤;過酸化物分解剤;難燃剤;補強剤;可塑剤;潤滑剤;防錆剤;蛍光性増白剤;無機系熱線吸収剤;防炎剤;帯電防止剤;脱水剤;などが挙げられる。
本発明の易接着剤組成物は、通常、硬化剤であるポリイソシアネート化合物以外の各成分をあらかじめ配合した主剤プレミックスを調製しておき、これとポリイソシアネート化合物とを混合して調製することが出来る。
本発明の易接着剤組成物は、種々の基材に塗布して乾燥することで、基材上に密着性のある硬化塗膜を積層することが出来る。基材への塗布量は、特に制限されるものではないが、例えば、1〜20g/m、中でも3〜10g/mの範囲から選択することが、少量で優れた耐候性等が付与できる点で好ましい。この塗布には、例えば、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、リバースコーター、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター等を用いることが出来る。
また、本発明の易接着剤組成物を塗布した積層体は、作成後エージングを行うことが好ましい。エージング条件は、室温〜100℃で、12〜240時間の間であり、この間に硬化反応が進行する。
この際の基材としては、例えば、紙、オレフィン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、カーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂やポリエステル系樹脂から得られた合成樹脂フィルム、銅箔、アルミニウム箔の様な金属箔等を挙げることが出来る。基材の厚みは、特に制限されるものではなく、例えば、10〜400μmから選択出来るが、本発明の易接着剤組成物は、少量の塗布かつ低温短時間の乾燥で、基材に反りやヘタリ等、何ら影響を与えることなく優れた密着性を奏し、優れた耐候性を付与出来ることから、30〜80μmで軟化温度180℃以下の基材への適用が最適である。
低温かつ短時間の乾燥より、基材を反らせたり塗膜剥離したりするなどの不都合が発生することなく、基材への優れた密着性が得られ積層体の劣化をより効果的に防止することが出来る点で、基材としては、ポリエステル樹脂フィルムを用いることが好ましい。本発明の易接着剤組成物の硬化塗膜がポリエステル樹脂フィルム上に積層された、積層ポリエステル樹脂フィルムは、上記した優れた性質を有したものとなる。
特に、160℃以下という比較的低温で1分間以下という短時間の乾燥より、薄膜の基材に上記した様な不都合を発生させず、基材への優れた密着性が得られ積層体の耐湿熱性と耐加水分解性に基づく劣化をより効果的に防止することが出来る点で、基材としては、PETフィルムを用いることがより好ましい。本発明の易接着剤組成物の硬化塗膜がPETフィルム上に積層された、積層ポリエステル樹脂フィルムは、上記した優れた性質を有したものとなる。特に、太陽電池バックシート用の積層ポリエステル樹脂フィルムとして好適である。
ポリエステル樹脂フィルムと硬化塗膜との密着性を向上させるために、ポリエステル樹脂フィルムの硬化塗膜を形成する方の面に表面処理を行ってもよい。この表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、火炎処理、放射線処理等が挙げられる。
本発明の太陽電池モジュールにおいては、透明保護部材、太陽電池用セル、前記太陽電池用セルの全面を覆う封止樹脂、およびバックシートなどの構成は、従来公知の太陽電池モジュールと同様であって、本発明に特有の構成ではない。
すなわち、太陽電池用セルとしては、基板上に透明電極層、光半導体層および裏面電極層を積層し、複数の光電変換セルを形成するように分離溝によって分離され、かつそれらの光電変換セルが電気的に直列接続されてなる集積型太陽電池素子とすることが一般的であり、また、光半導体層中の光電変換層としては、シリコンや薄膜多結晶シリコンなどを用いることができる。さらに、太陽電池用セルからはモジュール外部に電気出力が取り出せるようになっている。
上記封止樹脂として用いられる樹脂としては、主としてEVAを用いるが、PVB(ポリビニルブチラール)、PIB(ポリイソブチレン)、オレフィン系樹脂(とりわけグラフト変性ポリエチレン樹脂)、アイオノマー樹脂、シリコン樹脂などを用いることもできる。
通常、太陽電池モジュールの封止樹脂として用いられるEVAは、酢酸ビニル含有量が10〜40重量%であるものを用い、太陽電池モジュールの耐熱性、物理的強度を確保するために、熱あるいは光などによりEVAを架橋している。
熱架橋を行う場合は通常有機過酸化物が用いられ、70℃以上の温度で分解してラジカルを発生するものが使用されている。通常、半減期10時間の分解温度が50℃以上のものが用いられ、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロキシパーオキサイド、2, 5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、n−ブチル−4 ,4−ビス−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイドなどが用いられている。
光硬化を行う場合には光増感剤が用いられ、水素引き抜き型(二分子反応型)である、ベンゾフェノン、オルソベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、イソプロピルチオキサントンなどが用いられており、内部開裂型開始剤としては、ベンゾインエーテル、ベンジルジメチルケタールなど、α−ヒドロキシアルキルフェノン型として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アルキルフェニルグリオキシレート、ジエトキシアセトフェノンなどが使用できる。更に、α−アミノアルキルフェノン型として、2−メチル−1−[4(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリフォリノフェニル)−ブタノン−1 などが、またアシルフォスフィンオキサイドなども用いられている。
また、太陽電池モジュールを構成するガラス板との接着を考慮してシランカップリング剤も配合されており、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどが配合されている。
更に、接着性及び硬化を促進する目的でエポキシ基含有化合物を配合されている場合もあり、エポキシ基含有化合物としては、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、アクリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノールグリシジルエーテル、p−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、グリシジルメタクリレート、ブチルグリシジルエーテル等の化合物や、エポキシ基を含有した分子量が数百から数千のオリゴマーや重量平均分子量が数千から数十万のポリマーを配合されているケースもある。
そしてさらに、封止樹脂の架橋、接着性、機械的強度、耐熱性、耐湿熱性、耐候性などを向上させ目的で、アクリロキシ基、メタクリロキシ基又はアリル基含有化合物を添加されており、(メタ)アクリル酸誘導体、例えばそのアルキルエステルやアミドが最も一般的である。この場合、アルキル基としては、メチル、エチル、ドデシル、ステアリル、ラウリルのようなアルキル基の他に、シクロヘキシル基、テトラヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。また、(メタ)アクリル酸とエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能アルコールとのエステルも同様に用いられる。アミドとしては、アクリルアミドが代表的である。また、アリル基含有化合物としては、トリ
アリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等が配合されている。
さらには、難燃性を付与するための無機化合物や、耐候性を付与するための紫外線吸収剤、酸化劣化防止のための酸化防止剤も種々に配合されている。つまり、太陽電池モジュールを構成するEVAは、太陽電池モジュールとして要求される機能を満たすべく、各種添加剤を配合した樹脂組成物である。
太陽電池モジュールとして一体化する方法について、その一例として、真空ラミネート方式が挙げられる。この方法は、例えば、100〜150℃に加熱された真空ラミネート装置の加熱板上のダミーガラスや金属板の上に、透明保護部材、透明保護部材側の封止樹脂、配線を施した太陽電池用セル、バックシート側の封止樹脂、およびバックシートの順に積層して、静置する。その後、真空ラミネート装置を閉じて減圧を開始し、この減圧状態を3〜10分間保持した後、給排気管から空気を導入して、圧力差によりゴム製ダイアフラムを上記積層体に押し当て加圧する。封止樹脂の種類にもよるが、この状態を10〜40分間保持することで加熱真空ラミネート工程が完了する。
また、上記真空ラミネート方式は、一例に過ぎず、種々のラミネート方式を適用することができる。
上記のとおり、本発明の易接着剤組成物をポリエステル樹脂フィルム上に積層した積層ポリエステル樹脂フィルムをバックシートとして用いると、従来の易接着剤組成物と比較して、耐ブロッキング性、EVA等の封止樹脂への接着性が格段に向上する。更に、耐侯性、耐光性、耐加水分解性に優れた性能を発揮することができる。
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。尚、実施例中の「部」、「%」は、特に断りの無い限り重量基準である。
本発明に用いる水酸基を含有する樹脂(A)の数平均分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフ(GPC)を用い、下記の条件により求めた
測定装置;東ソー株式会社製 HLC−8220
検出器;RI(示差屈折計)
測定条件;カラム温度 40℃ 溶媒 テトラヒドロフラン
また、本発明に用いる水酸基を含有する樹脂(A)のガラス転移温度は、下記の条件により求めた。
測定装置;セイコー電子工業株式会社製 DSC220C
測定方法;DSC(示差走査熱量分析)法
実施例1〜4、比較例1〜3
下記の表1、及び表2に示す通り、水酸基を含有する樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、樹脂粒子(C)、エポキシ樹脂を用いて、主剤成分と硬化剤成分との二液型の、本発明及び従来の易接着剤組成物を調製した。
(タックフリー性評価方法)
塗工し乾燥させただけの塗膜表面を指触にて塗膜のベタつきを評価した。
評価基準
○:ベタつき無し
×:ベタつき有り
前記易接着剤組成物を乾燥後の塗工量が6〜7g/mとなるように「E5001」(東洋紡(株)製 PETフィルム)に塗布し、120℃、30秒間乾燥させ、易接着層を形成した後、40℃で3日間エージングを行なった。また、「E5001」の代わりに「X10S」(東レ(株)製 耐侯性PET)を用いた場合についても、同様に塗工物を作成した。
(EVAとの接着性評価サンプルの作製方法)
前記易接着層を設けた塗工物を幅50mm、長さ100mmに裁断したもの2枚、およびEVAシート(サンビック(株)製)を幅50mm、長さ100mmに裁断したもの1枚を用意した。
易接着層がEVA側に接するように重ね合わせ、次に、真空ラミネーター装置を用いて、得られた積層体を150℃で5分間真空引きをし、そのまま15分間保持して架橋反応を進行させた。
(EVAとの接着性の評価方法)
EVAとの接着性は、前記易接着性の評価用サンプルを、引張試験機((株)エー・アンド・ディー製テンシロン試験機)の上下のクリップに未接着部分のバックシートを挟み、オートグラフによるT型剥離法を用い、幅10mmのクロスヘッド速度200mm/分における剥離強度を測定した。ここで、表1及び表2記載の単位は「N/10mm」である。
さらに、前記易接着性の評価用サンプルをプレッシャークッカーテスト(PCT)に24時間かけ(試験条件:121℃、相対湿度が100%)、前記と同じ条件で耐湿熱試験後の剥離強度を評価した。同じく表1及び表2記載の単位は「N/10mm」である。
(耐ブロッキング性の評価方法)
バックシート2枚を易接着層面が向かい合わない方向、すなわち易接着層/基材層/易接着層/基材層の順序で重ね合わせ、5kgf/cmの荷重をかけた状態で、40℃、24時間放置した。その後、室温に戻し、荷重をはずした状態で、下記の評価基準に基づいて評価した。
○;基材層への裏移り跡無し
△;基材層への裏移り跡あるが、裏移り無し
×;基材層への裏移り有り
Figure 0006094865
Figure 0006094865
なお、前記表中の材料の概要を下記に示す。
エリーテル UE−3250;ユニチカ(株)製 ポリエステル樹脂、水酸基価5(固形分100%)、固形分100%、数平均分子量18,000 Tg40℃
アクリディック 57−451;DIC(株)製 アクリル樹脂、水酸基価20(固形分)、不揮発分55%、数平均分子量20,000、Tg66℃
フルオネート K−704;DIC(株)製 フッ素樹脂、水酸基価42〜54(固形分) 不揮発分60%
JR−403 テイカ(株)製 ルチル型酸化チタン、平均粒経0.25μm、表面処理Al、Si
JR−805 テイカ(株)製 ルチル型酸化チタン、平均粒経0.29μm、表面処理Al、Si
デナコール EX−1310;ナガセケムテックス(株)製、水溶性多官能グリシジルエーテル化合物 エポキシ当量180
エピクロン 860−80SE;DIC(株)製 BPA型エポキシ樹脂、エポキシ当量240 不揮発分80%
デュラネート N−3200;旭化成(株)製 無黄変型ポリイソシアネート、NCO%23 不揮発分100%
デュラネート TSE−100;旭化成(株)製 無黄変型ポリイソシアネート、NCO%13 不揮発分100%
KTL−4N:(株)喜多村製 ポリテトラフルオロエチレン粒子、不揮発分100%

Claims (12)

  1. 水酸基価が1〜200mgKOH/gである水酸基を含有する樹脂(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、および前記水酸基含有樹脂及び前記ポリイソシアネート化合物に相溶しない樹脂粒子(C)を含有し、前記樹脂粒子(C)がフッ素化ポリオレフィン樹脂であることを特徴とする易接着剤組成物。
  2. 前記水酸基を含有する樹脂(A)が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂からなる群より選ばれる1種以上の樹脂である請求項1記載の易接着組成物。
  3. 前記水酸基を含有する樹脂(A)の数平均分子量が5,000〜50,000、ガラス転移温度が20〜110℃である請求項1または2記載の易接着剤組成物。
  4. 更に、顔料(D)を含有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の易接着剤組成物。
  5. 前記顔料(D)が、無機酸化物および/またはカーボンブラックである請求項4に記載の易接着組成物。
  6. 前記水酸基を含有する樹脂(A)100重量部に対して、前記水酸基含有樹脂及び前記ポリイソシアネート化合物に相溶しない樹脂粒子(C)を0.01〜20重量部含有する請求項1〜5のいずれか1つに記載の易接着剤組成物。
  7. 前記水酸基を含有する樹脂(A)100重量部に対して、顔料(D)を1〜400重量部含有する請求項1〜6のいずれか1つ記載の易接着剤組成物。
  8. 更に、エポキシ樹脂を含有する1〜7のいずれか1つ記載の易接着組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載の硬化性易接着組成物の硬化皮膜がポリエステル樹脂フィルム上に積層された積層ポリエステル樹脂フィルム。
  10. 請求項9に記載の積層ポリエステル樹脂フィルムを少なくとも含む、多層構造の太陽
    電池バックシート。
  11. 請求項10に記載の太陽電池用バックシートと、封止材とを含む太陽電池モジュール。
  12. 前記封止剤がエチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する組成物である請求項11記載の太陽電池モジュール。
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